特許第5861230号(P5861230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクトロニクス・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000002
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000003
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000004
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000005
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000006
  • 特許5861230-試験測定機器及び方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5861230
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】試験測定機器及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/319 20060101AFI20160202BHJP
   H04L 1/20 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   G01R31/28 R
   H04L1/20
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-95241(P2011-95241)
(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公開番号】特開2011-232337(P2011-232337A)
(43)【公開日】2011年11月17日
【審査請求日】2014年4月8日
(31)【優先権主張番号】61/328,876
(32)【優先日】2010年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/084,412
(32)【優先日】2011年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クエ・ティー・トラン
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−39047(JP,A)
【文献】 特表2006−512798(JP,A)
【文献】 特開2008−269669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/319
G01R 13/20
H04L 1/20
H04L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験信号を受ける入力と、
基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データを蓄積するメモリと、
上記被試験信号内開始シーケンスを検出し、それに応答して同期信号を発生するパターン検出器と、
上記同期信号に応答して上記メモリから上記基準試験パターンを出力させるメモリ制御器と、
上記メモリからの上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較するシンボル比較器と、
上記入力からの上記被試験信号及び上記メモリからの上記デジタル化データを受け、これら受けたデータを8bコード・フォーマットから10bコード・フォーマットに変換する8b対10b変換器と、
該8b対10b変換器に結合され、10bコード化基準試験パターンを10bコード化被試験信号と比較するビット比較器と
を具えた試験測定機器。
【請求項2】
上記シンボル比較器が、上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較してシンボル・エラーを検出し、
上記ビット比較器が、上記シンボル・エラーに応じて、上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号と比較する請求項1記載の試験測定機器。
【請求項3】
基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データをメモリに蓄積する処理と
被試験信号を受ける処理と
上記被試験信号内開始シーケンスを検出する処理と
上記被試験信号の上記開始シーケンスに応答して同期信号を発生する処理と
上記同期信号に応答して上記基準試験パターンを上記メモリから出力する処理と
上記メモリからの上記基準試験パターンの8bコード化シンボルを上記被試験信号の8bコード化シンボルと比較して、シンボル・エラー・レート値を生成する処理と
上記基準試験パターン及び上記被試験信号を8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換する処理と
上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号とビット毎に比較する処理と
を具える試験測定方法。
【請求項4】
上記メモリからの上記基準試験パターンの上記8bコード化シンボルを上記被試験信号の上記8bコード化シンボルと比較してシンボル・エラーを検出し、
検出された上記シンボル・エラーに応じて、上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号とビット毎に比較し、ビット・エラー・レートを生成する請求項3記載の試験測定方法。
【請求項5】
被試験信号を受ける入力と、
上記被試験信号内開始シーケンスを検出し、それに応答して同期信号を発生するパターン検出器と
基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データを発生するスクランブラ回路であって、上記同期信号に応答して上記基準試験パターンを出力する上記スクランブラ回路と、
上記スクランブラ回路からの上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較するシンボル比較器と、
上記入力からの上記被試験信号及び上記スクランブラ回路からの上記デジタル化データを受け、これら受けたデータを8bコード・フォーマットから10bコード・フォーマットに変換する8b対10b変換器と、
該1つ以上の8b対10b変換器に結合され、10bコード化基準試験パターンを10bコード化被試験信号と比較するビット比較器と
具えた試験測定機器。
【請求項6】
上記シンボル比較器が、上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較してシンボル・エラーを検出し、
上記ビット比較器が、上記シンボル・エラーに応じて、上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号と比較する請求項5記載の試験測定機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、試験測定機器に関し、特に、シンボル・エラー・レートと、ディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レートを測定する方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
オシロスコープ、ロジック・アナライザなどの試験測定機器を用いて、データの測定及び分析ができる。データのストリームにおけるエッジ遷移をバランスさせるためにコード化方法を用いる技術標準が数年にわたって提案されており、これら技術標準には、SATA、USB、IEEE1394b、SAS、ファイバ・チャネルなどがある。例えば、1つの一般的な方法は、8b/10bエンコード方法と呼ばれ、シリアル信号として伝送する前にシンボルをエンコードして、エッジ密度を補償する。この8b/10bエンコード技術は、ディスパリティ(disparity:8b/10bエンコードのデータ・ストリームにおけるデータ0の個数とデータ1の個数との違い)を用いて、正エッジ及び負エッジの数をバランスさせる。例えば、各標準8ビット・シンボルは、2つの異なる10ビット・シンボルの一方にて表すことができる。各10ビット・シンボルは、2つのディスパリティの一方に関連しており、しばしばRD+又はRD−と呼ばれる。
【0003】
10ビット・シンボルが伝送される際、「実行ディスパリティ(running disparity)」又は「RD」は、データの伝送期間中に維持される信号又はデータ・ストリームに関連する。信号のRDは、本質的には、伝送される1の数と伝送される0の数との間の差である。これは、残余値と考えることができる。この残余値を用いて、2つの10ビット・コード(例えば、RD+のディスパリティ又はRD−のディスパリティのいずれかを有する)のいずれかを選択し、データ・ストリームにて次を伝送するので、信号の実行ディスパリティが時間に伴って変動するが、−1及び+1の間に制限される。このとき、直前の10ビット・シンボルのRDが+であれば次は−の10ビット・シンボルを、直前のRDが−なら次は+の10ビット・シンボルが伝送される。ただし、1と0の数が同じ場合には、直前のRDと同じ極性が維持される。従って、同じ8ビット・シンボルについて8b/10bエンコードしても、その直前の10ビット・シンボルのRDの極性によって、RDが+の10ビット・シンボルにエンコードされる場合もあれば、RDが−の10ビット・シンボルにエンコードされる場合もあり得る。
【0004】
その結果、8b/10bエンコード方法は、伝送された1及び0の数が本質的にバランスすることを確実にする。この結果、例えば、より効率的なクロック回復や、信号の改善された帯域幅特性が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−11454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、8b/10bのエンコード処理期間中、データ・ストリームにディスパリティ・エラーが生じることがある。かかるディスパリティ・エラーは、被試験装置自身の問題で生じたビット・エラーに加えて、上述の直前RD極性に応じたRD+又はRD−選択のエンコード・ルールのために、例えば、仮にエンコード前の現在の8ビット・シンボルは正常でも、その直前の10ビット・シンボルにエラーがあれば、間違ったRD極性の10ビット・シンボルにエンコードされるという2次的なエラーを引き起こすことがあるので、データ・ストリームの実際のビット・エラー・レートを増やすか、そうでなくても歪ませる。例えば、8b/10bエンコード方法に用いる共通制御信号は、K28.5と呼ばれる。K28.5のRD+(即ち、K28.5+)は、1100000101であり、K28.5のRD−(即ち、K28.5−)は、ビット毎の反転、即ち、0011111010である。K28.5のRD+及びRD−ディスパリティの間に差の10ビットがある場合に、不規則なディスパリティを選択すると、1つの結果は、ビット・エラー・レートが10の量だけ誤って膨らむ。
【0007】
さらに、従来技術は、シンボル・エラー・レートをビット・エラー・レートと分けていない。また、従来のビット・エラー・レート測定では、8b/10bのエンコード処理が原因で信号に生じた任意のディスパリティ・エラーから独立して、被試験装置自身が直接の原因で生じた実際のビット・エラー・レートを正確に反映していない。
【0008】
そこで、ビット・エラー・レートとは別に、シンボル・エラー・レートを測定する方法及び装置が必要とされている。更に、ディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レートを測定する改良された方法及び装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の概念は、次の通りである。
(1)被試験信号を受ける入力と;基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データを蓄積するメモリと;上記被試験信号内開始シーケンスを検出し、それに応答して同期信号を発生するパターン検出器と;上記同期信号に応答して上記メモリから上記基準試験パターンを出力させるメモリ制御器と;上記メモリからの上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較するシンボル比較器と;上記入力からの上記被試験信号及び上記メモリからの上記デジタル化データを受け、これら受けたデータを8bコード・フォーマットから10bコード・フォーマットに変換する1つ以上の8b対10b変換器と;該8b対10b変換器に結合され、上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号と比較するビット比較器とを具えた試験測定機器。
(2)上記ビット比較器に結合されたビット・エラー・カウンタを更に具え、該ビット・エラー・カウンタが任意のディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レートを求める概念1の試験測定機器。
(3)上記試験測定機器の上記入力手段が被試験装置から上記被試験信号を受け、上記ビット・エラー・カウンタが上記ビット比較器に応答し且つ上記被試験装置が導入した1つ以上のディスパリティ・エラーから独立して上記ビット・エラー・レートを決定する概念2の試験測定機器。
(4)上記シンボル比較器に結合されたシンボル・エラー・カウンタを更に具え、該シンボル・エラー・カウンタが上記シンボル比較器に応答してシンボル・エラー・レートを求める概念1の試験測定機器。
(5)上記メモリが上記シンボル比較器に結合され、上記シンボル比較器が上記メモリからの上記基準試験パターンを8bコード化フォーマットで受けると共に上記被試験信号を8bコード化フォーマットで受ける概念4の試験測定機器。
(6)上記シンボル比較器が上記8bコード化基準試験パターンを上記8bコード化被試験信号と比較し、上記シンボル・エラー・カウンタが所定期間にわたってシンボル・エラーの数の計数を行う概念5の試験測定機器。
(7)上記シンボル・エラー・カウンタが上記ビット比較器に結合され、上記ビット比較器は、対応8bコード化シンボルに関連したシンボル・エラーを検出する上記シンボル比較器に応答して、上記基準試験パターンからの10bコード化信号と上記被試験信号からの10bコード化シンボルとを比較する概念4の試験測定機器。
(8)上記ビット・エラー・カウンタが所定期間にわたってビット・エラーの数を計数し、ディスパリティ・エラーが上記計数から除かれる概念7の試験測定機器。
(9)ディスパリティ・エラー・レート値を発生するディスパリティ・エラー・カウンタを更に具える概念4の試験測定機器。
(10)上記シンボル・エラー・カウンタが上記ディスパリティ・エラー・カウンタに結合され、上記ディスパリティ・エラー・カウンタは、シンボル・エラーを検出せずに上記シンボル比較器に応答してディスパリティ・エラーを検出する概念9の試験測定機器。
(11)上記シンボル比較器に結合され、1つ以上のシンボル・エラーを計数するシンボル・エラー・カウンタと;上記ビット比較器に結合され、1つ以上のビット・エラーを計数するビット・エラー・カウンタと;1つ以上のディスパリティ・エラーを計数するディスパリティ・エラー・カウンタと;上記シンボル・エラー・カウンタ、上記ビット・エラー・カウンタ及び上記ディスパリティ・エラー・カウンタの出力並びに上記同期信号から選択を行う選択器とを更に具える概念1の試験測定機器。
(12)上記選択器の出力に応答して上記被試験信号の取込みをトリガするトリガ回路を更に具える概念11の試験測定機器。
(13)ディスパリティ・エラーから独立してシンボル及びビット・エラー・レートを測定する方法であって;基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データをメモリに蓄積し;被試験信号を受け;上記被試験信号内開始シーケンスを検出し;上記被試験信号の上記開始シーケンスに応答して同期信号を発生し;上記同期信号に応答して上記基準試験パターンを上記メモリから出力し;上記メモリからの上記基準試験パターンの8bコード化シンボルを上記被試験信号の8bコード化シンボルと比較して、シンボル・エラー・レート値を発生し;上記基準試験パターン及び上記被試験信号を8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換し;上記10bコード化基準試験パターンを上記10bコード化被試験信号とビット毎に比較する試験測定方法。
(14)上記被試験信号が1つ以上のディスパリティ・エラーを含み;ビット毎の比較により上記1つ以上のディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レート値を求める概念13の方法。
(15)更に、上記8bコード化シンボルの比較に応答してシンボル・エラーを検出し;上記シンボル・エラーに応答して、上記基準試験パターンからの対応10bコード化信号と上記被試験信号からの10bコード化シンボルとをビット毎に比較する概念13の方法。
(16)更に、シンボル・エラー・カウンタを用いて、上記シンボル・エラー・レート値を検出する概念13の方法。
(17)更に、上記被試験信号からの8bコード化シンボル内のシンボル・エラーをチェックし;シンボル・エラーが見つからないとき、ディスパリティ・エラー・カウンタを用いて、上記被試験信号からの対応10bコード化シンボル内のディスパリティ・エラーを検出する概念13の方法。
(18)更に、シンボル・エラー、ビット・エラー、ディスパリティ・エラー及び同期信号の少なくとも1つに応答して、試験測定機器をトリガする概念13の方法。
(19)被試験信号を受ける入力と;上記被試験信号内開始シーケンスを検出し、それに応答して同期信号を発生するパターン検出器基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データを発生するスクランブラ回路であって、上記同期信号に応答して上記基準試験パターンを出力する上記スクランブラ回路と;上記スクランブラ回路からの上記基準試験パターンを上記被試験信号と比較するシンボル比較器と;上記入力からの上記被試験信号及び上記スクランブラ回路からの上記デジタル化データを受け、これら受けたデータを8bコード・フォーマットから10bコード・フォーマットに変換する1つ以上の8b対10b変換器と;該1つ以上の8b対10b変換器に結合され、10bコード化基準試験パターンを10bコード化被試験信号と比較するビット比較器と具えた試験測定機器。
(20)上記ビット比較器に結合され、任意のディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レートを求めるビット・エラー・カウンタと;上記シンボル比較器に結合され、上記シンボル比較器に応答してシンボル・エラー・レートを求めるシンボル・エラー・カウンタとを更に具え;上記スクランブラ回路が上記シンボル比較器に結合され;上記シンボル比較器が上記スクランブラ回路からの上記基準試験パターンを8bコード化フォーマットで受けると共に上記被試験信号を8bコード化フォーマットで受け;上記シンボル比較器が上記8bコード化基準試験パターンを上記8bコード化被試験信号と比較し;上記シンボル・エラー・カウンタが所定期間にわたってシンボル・エラーの数を計数し;上記シンボル・エラー・カウンタが上記ビット比較器に結合され;上記ビット比較器が、対応8bコード化シンボルに関連したシンボル・エラーを検出する上記シンボル比較器に応答して、上記基準試験パターンからの10bコード化シンボルと上記被試験信号からの10bコード化信号を比較する概念19の試験測定機器。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】信号発生器と、被試験装置と、エラー検出器を含む試験測定機器とを含むシステムを示す図である。
図2】信号発生器と、被試験装置と、エラー検出器を含む試験測定機器とを含むシステムを示す図である。
図3】本発明の実施例によるエラー検出器のブロック図であり、入力手段、パターン検出器、メモリ、メモリ制御器、シンボル比較器、ビット比較器を含んでいる。
図4】本発明の他の実施例によるエラー検出器のブロック図であり、入力手段、パターン検出器、スクランブラ回路、シンボル比較器、ビット比較器を含んでいる。
図5】本発明の実施例により、ディスパリティ・エラーから独立してシンボル・エラー・レート及びビット・エラー・レートを測定する技術を説明する流れ図である。
図6】本発明の実施例による試験測定機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例は、デジタル化データ内のディスパリティ・エラーから独立してシンボル・エラー・レート及びビット・エラー・レートを検出する試験測定機器及び方法である。検出されたエラーは、例えば、処理され、測定され、分析され、適切なアプリケーション及び用途のためにデータの取込みに用いられる。本発明のこれら及びその他の特徴は、添付図を参照して更に説明する。
【0012】
図1は、信号発生器105と、被試験装置(DUT)110と、エラー検出器125を含む試験測定機器120とを具えるシステム100を示す。信号発生器105は、試験目的に合う信号を発生できる適切な装置である。信号発生器105は、例えば、任意波形発生器(AWG)の如き高速シリアル発生器でもよい。発生された試験信号対して、ジッタ、スペクトラム拡散クロック(SSC)などによる意図的な障害を与えることができるので、DUT10のストレス試験ができる。
【0013】
DUT110は、信号を受けて伝送できる適切なデジタル又はアナログ装置でよい。DUT110は、例えば、受信器112、内部ロジック(回路)116及び送信器114を含む。DUT110の出力を試験測定機器120に結合する。試験測定機器120は、オシロスコープ、ロジック・アナライザ、ネットワーク・アナライザなどでもよい。ここでは、便宜的に、試験測定機器120をオシロスコープと呼ぶ。
【0014】
オシロスコープ120は、エラー検出器125を含んでおり、このエラー検出器125は、被試験信号に生じた任意のディスパリティ・エラーから独立して、シンボル・エラー・レート及びビット・エラー・レートを検出し、測定するように構成されている。エラー検出器125のより詳細な説明は、図を参照して後述する。一般に、DUT110は、デジタルの時刻変更されたループ・バック(デジタル・リタイムド・ループ・バック)として構成できる。更に、システム100は、デジタル・リタイムド・ループ・バックにより受信器試験を実行できるように構成されている。オシロスコープ120及びエラー検出器125を用いて、受信器マージン試験の如き試験を行うことができる。この試験は、ループ・バック、好ましくはリタイムド・ループ・バック・モードを用いて、DUT110の受信器から任意のエラーを検出するように構成する。
【0015】
図2は、信号発生器105と、被試験装置210と、エラー検出器125を有する試験測定機器120とを含むシステム200を示す。DUT210は、例えば、受信器212を含む。DUT210の出力を試験測定機器120に供給する。一般的には、DUT210をアナログ・ループ・バックとして構成できる。更に、システム200は、アナログ・ループ・バックにより受信器試験を実行できるように構成する。オシロスコープ120及びエラー検出器125を用いて、受信器マージン試験の如き試験を実行できる。この試験は、ループ・バック・モード、好ましくは、アナログ・ループ・バック・モードを用いて構成し、DUT210の受信器からの任意のエラーを検出できる。システム200のいくつかのコンポーネントは、上述したシステム100のコンポーネントと同じか類似であるので、これらの詳細説明を省略する。
【0016】
図3は、図1及び図2のエラー検出器125の本発明の実施例によるブロック図を示す。エラー検出器125は、入力手段312、この入力手段312に結合されたパターン検出器316、メモリ318、メモリ制御器(MC)319、入力手段312に結合されたシンボル比較器324、ビット比較器323を含む。
【0017】
入力手段312は、信号を受け、デジタル化データ314を出力する。実施例において、この信号は、デジタル信号である。別の実施例において、この信号は、デジタル化データ314を表すアナログ信号でもよい。例えば、入力手段312は、クロック及びデータ回復回路(CDR)を含んでいる。CDRは、信号内でエンコードされたデジタル化データ314を回復できる。他の実施例において、入力手段312は、アナログ・デジタル変換器を含んでおり、信号を、その信号のデジタル化表現に変換する。追加の回路は、デジタル化信号を、ある形式又は別の形式のデジタル化データ314に変換できる。例えば、入力手段312は、1個以上の10b対8b変換器を含んでもよく、この変換器は、シンボルを10bコード化フォーマットから8bコード化フォーマットに又はその逆に変換する。信号内のエンコードされたデジタル化データ314を回復できる任意の回路を入力手段312として用いることができると理解できよう。
【0018】
デジタル化データ314を種々のフォーマットで表現できる。例えば、デジタル化データ314は、シリアル・データ又はパラレル・データである。デジタル化データ314は、実行ディスパリティ(RD:running disparity)情報、状態情報などを含む。デジタル化データ314は、そのデータに関連した追加の情報、信号などを含むことができる。例えば、上述の如く、入力手段312は、CDRでもよい。よって、デジタル化データ314は、回復クロックを含む。他の例において、デジタル化データ314は、フレーム・エラーの如きフレーミング(framing)情報、イリーガル(不当)8b/10bコード・シーケンスの如きイリーガル・コード情報、同期喪失情報などを含む。かかる情報は、デジタル化情報314に含まれる。他の例において、デジタル化データ314は、CDRからのリタイムド・デマルチプレクスド・データ(retimed de-multiplexed data)である。
【0019】
メモリ318は、種々のメモリでよい。例えば、メモリ318は、ダイナミック・メモリ、スタティック・メモリ、ランダム・アクセス・メモリなどでよい。メモリ318は、基準試験パターンを含む基準デジタル化データを蓄積するように構成される。例えば、基準デジタル化データは、疑似ランダム・ビット・シーケンスである。基準デジタル化データは、疑似ランダム・パターンの長さに適切な特定の一連の1又は特定の一連の0である。他の例において、基準デジタル化データは、ユーザ定義パターン、業界標準パターンなどである。基準試験パターンは、全体的な繰り返しパターン内で独自のデータ・シーケンスである。更に、基準デジタル化データは、開始シーケンスを含んでもよい。後述の如く、この開始シーケンスを用いて、エラー検出を整列させる。
【0020】
メモリ318は、メモリ制御器(MC)319を含む。メモリ制御器319により、メモリ318は、同期信号320に応答して基準デジタル化データ322を出力する。実施例において、メモリ制御器319は、メモリ318と統合できる。しかし、他の実施例において、メモリ制御器319をメモリ318と分離してもよい。例えば、メモリ制御器319は、試験測定機器120の制御システムの一部でもよい。基準デジタル化データ322は、被試験信号を試験するための準備として、プロセッサによりメモリ318に8bコード化フォーマットで予め書き込まれている。代わりに、基準デジタル化データ322は、エラー検出器125によるデータ処理によって学習され、8bコード化シンボルとしてメモリ318に蓄積されるか、更新される。
【0021】
パターン検出器316は、デジタル化データ314内の開始シーケンスを検出し、それに応じて同期信号320を発生するように構成されている。実施例において、パターン検出器316は、トリガ・システムの一部である。例えば、トリガ・システムは、デジタル化データ314内の文字、ビット・シーケンス、アライメント情報などを検出する。開始シーケンス又は他の類似のデータ・パターンは、検出できるデジタル化データ314内のかかるパターンの例である。パターン検出器316を他の回路の一部として説明したが、パターン検出器316は、トリガ回路334の入力とするように、他のシステムから分離してもよい。
【0022】
パターン検出器316は、同期信号320を出力する。同期信号320は、単一の信号又は複数の信号である。例えば、同期信号320は、デジタル化データ314内の基準試験パターン又はシーケンスのアライメントに関する情報を含んでいる。デジタル化データ314は、複数ビット幅でもよい。同期信号320は、どのビットで基準試験パターンが開始するかの指示を含む。実施例において、デジタル化データ314をグループ分けするか、又は、8ビット・ブロック又は「シンボル」でコード化する。メモリ318に蓄積された基準試験パターン・シーケンスは、8ビット・コード化フォーマットで蓄積された1つ以上のブロック又はシンボルを含む。同期信号320は、デジタル化データ314のどのブロック又はシンボルが開始シーケンス、即ち、基準試験パターン・シーケンスの開始による1などを含むかを示す。
【0023】
エラー検出器125は、例えば、シンボル比較器324、ビット比較器323、1つ以上の8b対10b変換器325及び335などを含む。シンボル比較器は、メモリ318及び入力手段312に結合され、同期信号320を直接受ける。8b対10b変換器325は、メモリ318に結合され、メモリ318からの基準デジタル化データを受け、このデータを8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換し、変換したデータをビット比較器323に出力する。8b対10b変換器335は、入力手段312に結合され、入力手段312からのデジタル化データ314、即ち被試験信号を受け、受けたデータを8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換し、変換したデータをビット比較器323に出力する。
【0024】
同期信号320に応答して、メモリ318は、基準試験パターン322を含む基準デジタル化データ322を出力する。出力基準デジタル化データ322は、デジタル化データ314に適切に整列されるので、シンボル比較器324及び/又はビット比較器323に出力される基準デジタル化データ322は、デジタル化データ314にて期待されるデータである。上述の如くデジタル化データ314の開始シーケンスにより同期信号320発生させ、開始シーケンスによってメモリ318から基準デジタル化データ322の出力が開始されても良いが、必須ではない。例えば、開始シーケンスを認識してから、ある時間が経過するかもしれない。基準デジタル化データ322の出力を適切に制御できるので、開始シーケンスがデジタル化データ314内にもはや存在しなくても、適切な基準デジタル化データ322、現在期待されるデジタル化データ314に対応するよう出力される。実施例において、同期信号320は、かかるオフセットを反映する。
【0025】
シンボル比較器324は、メモリから出力された8bコード化基準デジタル化データ322と8bコード化デジタル化データ314とを比較する。この比較は、種々の方法で実行できる。実施例において、シンボル比較器324は、基準デジタル化データ322のビットとデジタル化データ314のビットとを並列に比較する。別の実施例において、シンボル比較器324は、8bコード化基準試験パターン322を8bコード化被試験信号314と比較する。シンボル比較器328の出力は、デジタル化データ314するシンボルが基準デジタル化データ322と一致しているか否かを示すシリアル又はパラレル・データである。
【0026】
シンボル比較器324の出力をシンボル・エラー・カウンタ326に供給する。このシンボル・エラー・カウンタ326は、シンボル比較器324に結合されている。シンボル・エラー・カウンタ326は、比較結果信号、即ち、シンボル・エラー信号328に応答して、デジタル化データの種々の分析を実行する。例えば、シンボル・エラー・カウンタ326は、モニタされたシンボルの数に対して、所定期間にわたるシンボル・エラーの数、即ち、エラー・シンボルの数を計数して、計数出力を発生する。実施例において、シンボル・エラー・カウンタ326は、シンボル比較器324に応じてシンボル・エラー・レートを求め、シンボルにエラーがあるか否かを示し、シンボル・エラーの数を計数し、1つ以上のエラー・シンボルの位置を示したりする。かかる情報は、シンボル・エラー信号332内に示される。
【0027】
更に、エラー検出器125は、シンボル・エラー検出器326に結合された継続時間カウンタ327を含む。継続時間カウンタ327は、信号329を発生して、シンボル・エラー・カウンタ326をリセットし、シンボル・エラー・カウンタ326を付勢(イネーブル)したりする。継続時間カウンタは、継続時間を出力する。よって、この経過時間を用いて、エラー・レートを計算し、所定時間にわたってエラー検出をゲート、即ち、エラー検出を可能にする。
【0028】
実施例において、継続時間カウンタ327は、経過したビットの数を計数する。例えば、継続時間カウンタ327は、デジタル化データ314を受ける。他の実施例において、継続時間カウンタ327は、デジタル化データ314に関連したクロック信号を受ける。よって、継続時間カウンタ327は、経過したビットの数を求める。よって、経過したビット当たりのエラーのビットの如きエラー・レートを計算できる。
【0029】
更に、継続時間カウンタ327は、デジタル化データ314に関連したスパン(期間)を測定できる。すなわち、上述のように、エラーの分析にて、時間及びビットの数を用いる。しかし、フレームの数、コード・ワードの数、シンボルなどの他の要素を用いることもできる。
【0030】
上述の如く、同期信号320に応答して、メモリ318は、基準試験パターン322を含む基準デジタル化データ322を出力する。8b対10b変換器325は、メモリ318から受けた8bコード化シンボルを10bコード化フォーマットに変換し、10bコード化シンボルをビット比較器323に伝送する。ビット比較器323は、メモリからの10bコード化基準デジタル化データ322と10bコード化デジタル化データ314とを比較する。実施例において、ビット毎に比較を行う。実施例において、シンボル・エラー信号328に応答して比較を行う。すなわち、シンボル比較器324が8bコード化シンボルでのシンボル・エラーを検出すると、ビット比較器323は、対応10bコード化シンボルでのビット・エラーをチェックする。
【0031】
上述の如く、8b/10bエンコード処理期間中、又はDUT110の内部ロジック処理期間中、ディスパリティ・エラーがデータ・ストリームに生じることがある。かかるディスパリティ・エラーは、被試験信号に挿入された又は生じた整列プリミティブ、オーダー・セット、クロック・アライメント、シフト・シーケンスなどの結果である。かかるディスパリティ・エラーは、データ・ストリームの実際のビット・エラー・レートを上げるか又は歪める。基準試験パターンは、一般的には、その長さ及び内容が固定されているが、異なるディスパリティのために(即ち、各8bシンボルを2つの10bシンボルの一方として表せるため)入力するデジタル化データ314の内容が変化すると、ビット・エラーのモニタで、誤って高い計数が生じる。かかる誤った結論を避けるために、ビット比較器323が実行するビット毎の比較は、信号328を用いシンボル・エラーの指示を先提供するシンボル比較器に応答して入力するデジタル化データ314をメモリ318からの基準試験パターン・データ322と同期し、比較する。

【0032】
すなわち、シンボル比較器324は、入力手段から8bコード化フォーマットでデジタル化データ314を受け、このデータをメモリ318からの基準試験パターン322と比較する。この点にて、更に何も行わなければ、エラーの検出は、単に8bシンボルを基本としたものとなる。しかし、所定の8bシンボルでのエラー・ビットの数は、シンボルの2つのディスパリティの一方を表す対応10bシンボル内のエラーの数を必然的に表すものではない。なお、かかるシンボルは、DUT110からオシロスコープ120のエラー検出器125に伝送された実際のコード化である。
【0033】
シンボル内で生じる実際のビット・エラーを計算するために、8b対10b変換器325及び335は、メモリ318及び入力手段312の両方からの8bコード化シンボル、信号(即ち、被試験信号314及び基準試験パターン322の両方用)の実行ディスパリティ(RD)、及び/又はディスパリティ・エラー状態を受け、これらの値を用いて、8bコード化信号を10bコード化フォーマットに変換する。デジタル化データ314内の8bコード化シンボルが基準試験パターン322からの対応8bコード化シンボルに一致しないとシンボル比較器324が判断すると、シンボル・エラー信号328により、ビット比較器は、ディスパリティ(即ち、RD+及び/又はRD−)の一方又は両方に対して、対応10bコード化シンボル内のビット・エラーをチェックする。
【0034】
これとは別に、ビット比較器323は、対応8bコード化シンボルに関連したシンボル・エラー328を検出するシンボル比較器324に応答して、基準試験パターン322からの10bコード化信号を被試験信号314からの10bコード化信号と比較する。一方、シンボル比較器324がシンボル・エラーを検出しないと、ディスパリティ・エラー・カウンタ345は、ディスパリティ・エラーをチェック又は検出する。シンボル・エラー・カウンタは、ディスパリティ・エラー・カウンタ345に結合され、必要に応じ、それに合図をしてディスパリティ・エラーをチェックする。ディスパリティ・エラーが検出されると、ディスパリティ・エラー・カウンタ345がディスパリティ・エラー信号331を発生できる。更に、ディスパリティ・エラー・カウンタ345は、このディスパリティ・エラー・カウンタ345をリセットできる継続時間カウンタ327からの信号329を受け、ディスパリティ・エラー・カウンタ345を付勢したりする。
【0035】
ディスパリティ・エラー・カウンタ345を用いて、シンボル内に現れる任意のディスパリティ・エラーを別に計数する。この方法にて、ビット・エラー・カウンタ343は、所定期間にわたって実際のビット・エラーの数を計数値を発生するが、この計数値にはディスパリティ・エラーが除外される。よって、ディスパリティ・エラーは、ビット・エラーと分離して計数される。
【0036】
すなわち、ビット比較器323に結合されたビット・エラー・カウンタ343は、任意のディスパリティ・エラーから独立してビット・エラー・レートを求めることができる。例えば、DUT110が1つ以上のディスパリティ・エラーを被試験信号に導入すると、ビット・エラー・カウンタ343は、ビット比較器323に応答し、DUT110が導入した1つ以上のディスパリティ・エラーから独立して、ビット・エラー・レートを求める。なお、ディスパリティ・エラーがデータ・ストリームに生じる。
【0037】
ビット比較器323が種々の方法でビット毎の比較を実行する。実施例において、ビット比較器323は、基準デジタル化データ322のビット(10bコードに変換されている)をデジタル化データ314のビット(10bコードに変換されている)と並列に比較する。別の実施例において、ビット比較器323は、10bコード化基準試験パターン322を10bコード化被試験信号314と一度に1ビットずつ比較する。ビット比較器323の出力は、シリアル又はパラレルのデータであり、10bコード化デジタル化データ314の関連ビットが10bコード化基準デジタル化データ322に一致するかを示す。

【0038】
ビット比較器323の出力をビット・エラー・カウンタ343に供給する。このビット・エラー・カウンタ343は、ビット比較器323に結合している。ビット・エラー・カウンタ343は、ビット比較器323での比較に応答して、デジタル化データの種々の分析を行う。例えば、ビット・エラー・カウンタ343は、所定期間にわたってビット・エラーの数の計数を行い、その計数値を発生する。実施例において、ビット・エラー・カウンタ343は、ビット比較器323に応答してビット・エラー・レートを求め、ビット・エラーの数を計数し、1つ以上のビット・エラーの場所を示したりする。かかる情報がビット・エラー信号333内に現れる。更に、ビット・エラー・カウンタ343は、このビット・エラー・カウンタ343をリセットできる継続時間カウンタ327からの信号329を受け、ビット・エラー・カウンタ343を付勢したりする。
【0039】
更に、ブランキング・プリミティブ検出器306を用いて、メモリ制御器319が、入力デジタル化データ314に存在するだろう任意のオーダー・セット、整列されたプリミティブ、クロック・アライメント、シフト・シーケンなどをスキップする。すなわち、無視すべきデジタル化データ314の部分があると、ブランキング・プリミティブ検出器306は、エラー検出器125の他のコンポーネントがこれらの部分を無視するようにする。ブランキング・プリミティブ検出器306は、例えば、シンボル比較器324に結合され、シンボル比較器が任意のオーダー・セット、整列されたプリミティブ、クロック・アライメント、シフト・シーケンなどをスキップする。
【0040】
シンボル・エラー信号332、ビット・エラー信号333、ディスパリティ・エラー信号331、同期信号320が選択器330に入力する。選択器330は、シンボル・エラー信号332、ビット・エラー信号333、ディスパリティ・エラー信号331、同期信号320、他の信号からの選択を行う。選択された信号は、トリガ回路334に入力する。パターン検出器316からの同期信号320が選択器330に入力すると説明したが、他の信号からの選択を行わず、同期信号320及び/又はエラー信号332、333及び/又は331をトリガ回路334に供給できる。
【0041】
よって、エラー信号332、333及び/又は331をトリガ回路334で利用できるので、エラー信号に応答して試験測定機器120の取込みをトリガできる。例えば、信号エラー、エラーの数、デジタル化データ314内の特定場所でのエラーなどにより取込みをトリガできる。その結果、ユーザは、デジタル化データ314のエラー部分に注意を払うことができる。
【0042】
実施例において、基準デジタル化データ322は、ユーザ定義デジタル化データである。メモリ318の点線の入力で示すように、入力手段312から受けたデジタル・データ314は、メモリ318に入力する。よって、デジタル化データ314をメモリに蓄積できる。よって、蓄積されたデジタル化データ314を基準デジタル化データ322として用いることができる。
【0043】
その結果、アルゴリズムなどで発生するシーケンス、所定シーケンスに基準デジタル化データ322を限定する必要がない。基準デジタル化データを、適切な基準シーケンスでユーザが望む任意のデータ・シーケンスにできる。ユーザ・デジタル化データがメモリ318に蓄積されると、基準シーケンスを識別できる。例えば、ユーザは、パターン内のシーケンスのアドレスを提供でき、ユーザが独特なシーケンスを識別する。これらをメモリ制御器319又は他のプロセッサが、蓄積されたユーザ・デジタル化データ内で捜すことができる。メモリ制御器319は、ユーザ・デジタル化データ内の独自のシーケンスを検索したりできる。よって、ユーザ・デジタル化データと新たな入力デジタル化データ314とのその後の比較のために、かかる基準シーケンスをパターン検出器316に提供できる。
【0044】
図4は、本発明の他の実施例による図1及び図2のエラー検出器125のブロック図を示す。このエラー検出器125は、入力手段312、パターン検出器316、スクランブラ回路404、シンボル比較器324及びビット比較器323を含む。図4のコンポーネントのいくつかは、図3のエラー検出器125のコンポーネントと同じ又は類似している。簡略化のため、これら同じ又は類似のコンポーネントの説明は繰り返さない。
【0045】
図4のエラー検出器125は、スクランブラ回路404を含んでおり、このスクランブラ回路404は、スクランブルされた試験パターン又はシーケンス422を発生する。例えば、適切なUSB3.0多項式を用いて、8bコード化フォーマットにてD0.0パターン(即ち、16進法00)をスクランブルできる。USB3.0標準にて用いる如きコンプライアンス・パターンCP0は、例えば、スクランブルされたD0.0パターンである。パターン長(例えば、655360ビット)のため、パターンは、基準試験パターンを蓄積するメモリの容量を超えることがしばしばある。よって、スクランブラ回路404を用いて、試験パターンを作成又は再作成できる。パターン検出器316は、入力するデジタル化データ314をモニタして、スクランブルされた試験シーケンスの開始シーケンスを検出できる。開始シーケンスのかかる検出により、スクランブラ・リセット信号420の如き信号により、スクランブル動作を開始するようにスクランブラ回路404に合図するので、スクランブルされた試験パターン又はシーケンス422をシンボル比較器324及び/又は8b対10b変換器325/335に、結局、ビット比較器323に、10bコード化フォーマットで伝送できる。すなわち、スクランブラ・リセット信号420を用いて、入力するデジタル化データ314とスクランブラ回路404による基準試験パターン又はシーケンスの出力を同期できる。
【0046】
スクランブラ回路404は、基準試験パターン又はシーケンスを8bコード化フォーマットにて出力し、入力手段312は、デジタル化データ314をシンボル比較器324に8bコード化フォーマットにて伝送する。8b対10b変換器335が受信したデジタル化データ314は、実行ディスパリティ(RD)情報を含むが、デジタル化データ314を8bコード化フォーマットで受ける。8b対10b変換器は、RD情報とRD状態情報の如き他の適切な情報とを用いて、データを10bコード化フォーマットに変換する。これら情報は、デジタル化データ314に伴うか関連する。8b対10b変換器325は、スクランブラ回路404からの8bコード化スクランブル基準試験パターン又はシーケンス422を受け、スクランブル試験パターン・シーケンス用の実行ディスパリティ(RD)値408を発生し維持する。この値を用いて、スクランブル試験パターン・シーケンスを8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換する。
【0047】
更に、ブランキング・プリミティブ検出器406を用いて、入力するデジタル化データ314に存在するかもしれない任意のオーダー・セット、整列されたプリミティブ、クロック・アライメント、シフト・シーケンなどをスクランブラ回路404がスキップできるようにする。すなわち、無視すべきデジタル化データ314の部分があると、ブランキング・プリミティブ検出器406により、エラー検出器125の他のコンポーネントがこれらの部分を無視する。ブランキング・プリミティブ検出器406は、例えば、シンボル比較器324にも結合されて、シンボル比較器が任意のオーダー・セット、整列されたプリミティブ、クロック・アライメント、シフト・シーケンなどをスキップするようにする。
【0048】
ディスパリティ・エラーから独立して、シンボル・エラー・レート及びビット・エラー・レートを求める技術及び構成は、図4のエラー検出器125の実施例のコンポーネントを用いることにより達成できる。詳細な説明は上述したので、更なる説明を省略する。
【0049】
図5は、本発明の実施例により、ディスパリティ・エラーから独立して、シンボル・エラー・レート及びビット・エラー・レートを測定する動作を説明する流れ図500である。準備ステップとして、基準試験パターン及び開始シーケンスを含むデジタル化データをメモリに蓄積する。スクランブラ回路を用いると、かかる準備ステップが不要となる。ステップ505にて、被試験信号(SUT)をエラー検出器の入力手段が受ける。ステップ510にて、パターン検出器を用いて、被試験信号内の開始シーケンスを検出する。開始シーケンスが検出されると、ステップ515にて同期信号が発生する。ステップ525にて、シンボル比較器は、基準試験パターンの8bコード化シンボルを被試験信号の8bコード化シンボルを比較して、シンボル・エラー・レート値を発生する。一方、ステップ530にて、1つ以上の8b対10b変換器は、基準試験パターン及び被試験信号を8bコード化フォーマットから10bコード化フォーマットに変換する。
【0050】
ステップ535にて、シンボル比較器が所定8bシンボル内にシンボル・エラーを検出したかを判断する。イエスの場合、処理はステップ545に進み、詳細に上述したように、ビット比較器が被試験信号からの対応10bコード化シンボルを基準試験パターンからの関連10bコード化信号と比較する。ステップ550にて、ビット比較器は、任意のディスパリティ・エラーから独立して、ビット・エラー・レート値を発生する。ステップ534でノーの場合、処理はステップ540に進み、ディスパリティ・エラー・カウンタがディスパリティ・エラーを計数する。ディスパリティ・エラーは、例えば、対応10bシンボルに存在する。
【0051】
図6は、本発明の実施例による試験測定機器600のブロック図である。実施例において、試験測定機器600は、入力信号602を受けるように構成された入力手段を有する。デジタイザ604は、入力手段601に結合され、入力信号602をデジタル化信号606にデジタル化する。デジタル化信号606は、取込み回路608に取り込まれる。実施例において、入力手段601、デジタイザ604及び取込み回路608は、オシロスコープ、ロジック・アナライザなどのチャネルである。
【0052】
更に、試験測定機器600は、データ回復回路610も含んでいる。データ回復回路610は、入力信号602内のエンコードされたデジタル化データ612を回復する。デジタイザ604及びデータ回復回路610の両方は、ある方法で入力信号602をデジタル化するが、デジタイザ604及びデータ回復回路610は、異なるデジタル化動作でもよい。例えば、デジタイザ604は、オシロスコープの10ビット・アナログ・デジタル変換器でもよい。よって、デジタル化信号606は、アナログ入力信号602のデジタル化形態である。これとは反対に、データ回復回路610は、アナログ入力信号602内でエンコードされたデジタル化データを回復する。
【0053】
データ回復回路610は、種々の回路で実現できる。例えば、上述の入力手段12と同様に、データ回復回路は、1つ以上の10b対8b変換器と、クロック及びデータ回復回路(CDR)と、直交振幅変調(QAM)復調器又は周波数変調(FM)復調器の如き復調器と、光受信器と、入力信号602内でエンコードされたデジタル化データを回復する他の回路とを含む。
【0054】
その結果、回復したデジタル化データ612をエラー検出器又はエラー・トリガ回路614に供給する。エラー検出器又はエラー・トリガ回路614は、上述の如きシステムである。エラー・トリガにより、取込み回路608の取込みがトリガされる。よって、入力信号602内のエラー又は他のエンコードされた結果情報に応答して、デジタル化アナログ信号フォーマットの如きあるフォーマットのデータの表現が取り込まれる。
【0055】
エラー・トリガ回路614を取込み回路608の取込みをトリガするとして説明したが、他のトリガ回路をビット・エラー・トリガ回路614と組合せて用いることもできる。よって、ビット・エラーが簡単な又は複雑なトリガ式に組み込むことができる。
【0056】
本発明の特定の実施例について説明したが、本発明の原理がこれら実施例に限定されないことが理解できよう。本発明の要旨を逸脱することなく種々の変形変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
100、200 システム
105 信号発生器
110、210 被試験装置
112、212 受信器
114 送信器
116 内部ロジック回路
120 試験測定装置
125 エラー検出器
306 ブランキング・プリミティブ検出器
312 入力手段
316 パターン検出器
318 メモリ
319 メモリ制御器
323 ビット比較器
324 シンボル比較器
325、335 8b対10b変換器
326 シンボル・エラー・カウンタ
327 継続時間カウンタ
330 選択器
334 トリガ回路
343 ビット・エラー・カウンタ
345 ディスパリティ・エラー・カウンタ
404 スクランブラ回路
406 ブランキング・プリミティブ検出器
601 入力手段
604 デジタイザ
608 取込み回路
610 データ回復回路
614 エラー・トリガ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6