特許第5862380号(P5862380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5862380
(24)【登録日】2016年1月8日
(45)【発行日】2016年2月16日
(54)【発明の名称】半導体レーザ素子
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/22 20060101AFI20160202BHJP
   H01S 5/343 20060101ALI20160202BHJP
【FI】
   H01S5/22
   H01S5/343 610
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-56085(P2012-56085)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-191684(P2013-191684A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷坂 真吾
(72)【発明者】
【氏名】道上 敦生
【審査官】 河原 正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−175612(JP,A)
【文献】 特開平03−222383(JP,A)
【文献】 特開昭62−023188(JP,A)
【文献】 特開2009−124046(JP,A)
【文献】 特開平08−330628(JP,A)
【文献】 特開2008−204973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00−5/50
G02B 6/12−6/138
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に形成されると共に3以上の側面を有する半導体構造と、を備える半導体レーザ素子において、
前記半導体構造の一側面には、前記半導体構造で生じた光を他の側面に反射させる反射面と、前記半導体構造で生じた光を出射させる出射面と、を有する溝が設けられ、
前記半導体構造で生じた光は、前記反射面と、前記溝が設けられていない2以上の側面と、前記出射面と、を結ぶ領域で共振することを特徴とする半導体レーザ素子。
【請求項2】
基板と、前記基板上に形成されると共に3以上の側面を有する半導体構造と、を備える半導体レーザ素子において、
前記半導体構造の一側面には、前記半導体構造で生じた光を他の側面に反射させる反射面を有する反射側溝が設けられ、
前記半導体構造の他の一側面には、前記半導体構造で生じた光を出射させる出射面を有する出射側溝が設けられ、
前記半導体構造で生じた光は、前記反射面と、前記反射側溝も前記出射側溝も設けられていない1以上の側面と、前記出射面と、を結ぶ領域で共振することを特徴とする半導体レーザ素子。
【請求項3】
前記半導体構造の上部には、リッジが設けられており、
前記リッジは、前記半導体構造で生じた光が前記反射面から前記出射面までに共振する領域に対応して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
【請求項4】
前記半導体構造は、窒化物半導体からなり、
前記半導体構造の3以上の側面は、m面であり、
上方から見て、前記半導体構造の3以上の側面で正三角形又は正六角形が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
【請求項5】
前記基板は、窒化物半導体からなり、
前記基板の側面は、劈開により形成されたm面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザ素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体レーザ素子は、出射端面と、出射端面に対して反対側に設けられた反射端面と、を有する。半導体レーザ素子内で生じた光は、両端面の間で共振され、出射端面からレーザ光が出射される。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】平08−330628号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の半導体レーザ素子は、そのサイズを小さく設計すると、反射端面から出射端面までの距離(以下「共振器長」ともいう)も必然的に短くなってしまう。このため、素子サイズの小さな半導体レーザ素子では、素子内で生じた光を共振させても十分に増幅することができず、高出力の半導体レーザ素子を得ることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、素子サイズが小さいにもかかわらず光出力の高い半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る半導体レーザ素子は、基板と、基板上に形成されると共に3以上の側面を有する半導体構造と、を備えている。半導体構造の一側面には、半導体構造で生じた光を他の側面に反射させる反射面と、半導体構造で生じた光を出射させる出射面と、を有する溝が設けられている。そして、半導体構造で生じた光は、反射面と、溝が設けられていない2以上の側面と、出射面と、を結ぶ領域で共振する。
【0007】
一態様に係る半導体レーザ素子は、基板と、基板上に形成されると共に3以上の側面を有する半導体構造と、を備えている。半導体構造の一側面には、半導体構造で生じた光を他の側面に反射させる反射面を有する反射側溝が設けられ、半導体構造の他の一側面には、半導体構造で生じた光を出射させる出射面を有する出射側溝が設けられている。そして、半導体構造で生じた光は、反射面と、反射側溝も出射側溝も設けられていない1以上の側面と、出射面と、を結ぶ領域で共振する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体レーザ素子を小型化しても光出力の高い半導体レーザ素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の上面図である。
図2】第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の断面図である。(a)は図1のA−Aの断面図である。(b)は図1のB−Bの断面図である。
図3】第1の実施形態の変形例に係る半導体レーザ素子の上面図である。
図4】第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の上面図である。
図5】第2の実施形態の変形例に係る半導体レーザ素子の上面図である。
図6】本発明の半導体レーザ素子を得るための劈開方向を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る半導体レーザ素子を実施するための形態について説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明を以下に限定するものではない。また、各図面が示す部材の位置や大きさ等は、説明を明確にするため誇張していることがある。同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は省略する。
(第1の実施形態)
【0011】
図1に、第1の実施形態に係る半導体レーザ素子100の上面図を示す。図2に、半導体レーザ素子100の断面図を示す。図2(a)は図1のA−Aの断面図であり、図2(b)は図1のB−Bの断面図である。また、図3に、第1の実施形態の変形例の上面図を示す。
【0012】
図1に示すように、半導体レーザ素子100は、基板10と、基板10上に形成されると共に3以上の側面30(30a〜f)を有する半導体構造20と、を備えている。半導体構造20の一側面30aには、半導体構造20で生じた光を他の側面30bに反射させる反射面50と、半導体構造20で生じた光を出射させる出射面60と、を有する溝40が設けられている。そして、半導体構造20で生じた光は、反射面50と、溝40が設けられていない2以上の側面30b〜fと、出射面60と、を結ぶ領域で共振する。
【0013】
これにより、素子のサイズを小さくしても、高出力の半導体レーザ素子100を得ることができる。
【0014】
つまり、反射面と出射面とが互いに反対側に設けられた従来の半導体レーザ素子は、反射面と出射面とを直線で結ぶ距離が共振器長となり、素子サイズが小さくなる分だけ共振器長が短くなってしまう。これに対して、半導体レーザ素子100では、反射面50と出射面60との間を共振する光が、溝40が設けられていない2以上の側面30b〜fを経由するため、反射面と出射面との間の直線上を共振する従来技術に比べて、共振器長を長くすることができる。これにより、素子サイズを小さくしても、十分長い共振器長を形成することができ、高出力のレーザ光を出射させることができる。
【0015】
基板10は、後述する半導体構造20を積層させるためのものである。基板10は、基板10を劈開により分割できるように劈開面を有する材料であることが好ましい。例えば、六方晶の結晶構造を有する窒化物半導体が挙げられる。
【0016】
基板10の上面(つまり、半導体構造20を積層させる面)は、c面であることが好ましい。これにより、基板10の側面30をm面で構成することができる。基板10をm面に沿って劈開すると劈開不良が生じにくいため、基板10の側面を劈開で形成したm面で構成することにより、量産性に優れる半導体レーザ素子を得ることができる。
【0017】
図2(a)及び(b)に示すように、基板10上には半導体構造20が設けられている。半導体構造20は、基板側から第1半導体層21、活性層22、第2半導体層23の順に積層された積層体である。半導体構造20は、p型半導体である第1半導体層21とn型半導体である第2半導体層23から移動した電子や正孔が活性層22で再結合することで発光する。半導体構造20で生じた光は、その平面内で共振することにより、最終的には、半導体構造20の出射面60から外部に放出される。半導体構造20の材料は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)からなる窒化物半導体などが挙げられる。窒化物半導体であれば、後述するように半導体構造20の側面30にm面を形成することができる。
【0018】
半導体構造20は、3以上の側面30を有しており、図1では6つの側面30a〜fを有する。半導体構造20の側面30a〜fは、半導体構造20の積層方向に沿って形成される。また、半導体構造20の側面30a〜fは、エッチングによって形成されるのが好ましい。これにより、半導体構造20の側面30a〜fを同時に形成することができ、劈開で半導体構造20の各側面30a〜fを一面ずつ形成する場合に比べて生産性が向上する。なお、半導体構造20の側面30a〜fを形成するためのエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのどちらでもよい。
【0019】
図2(a)又は(b)に示すように、半導体構造20の側面30は、第2半導体層23の上面から第1半導体層21の下面までが連続して露出することにより形成されている。但し、例えば、第2半導体層23の上面から第1半導体層21の途中(第1半導体層21の上面と下面との間)まで、又は、第2半導体層23の上面から基板10の途中まで露出させて、側面30としても良い。
【0020】
また、図1に示すように上方から見て半導体構造20の側面30a〜fで正六角形が形成される場合、半導体構造20の側面30a〜fがm面であることが好ましい。側面30a〜fを安定なm面とすることで、より平坦な側面30a〜fを得ることができるからである。
【0021】
また、上方から見て、半導体構造20の外縁を、基板10の外縁よりも内側に設けることができる(図1参照)。これにより、基板10を劈開する際に半導体構造20の側面30にダメージが発生するのを抑制することができる。
【0022】
図1に基づいて、光の共振について説明する。半導体構造20で生じた光は、側面30aの溝40に設けられた反射面50で、側面30aと隣接する他の側面30bに向かって反射される。そして、側面30bに到達した光は、側面30bと隣接する側面30cに向かって反射される。このように隣接する側面で順番に反射されていき、最終的に反射面50を有する側面30aを除く側面30b〜fで反射された後、側面30aの溝40に設けられた出射面60で今度は逆方向に再度反射される。そして、これが繰り返されることで光が増幅して最終的には出射面60からレーザ光が出射する。つまり、半導体構造20で生じた光は、図1の矢印に示すように半導体構造20の側面で構成される正六角形とは60度傾いた正六角形の経路を共振する。このような経路で共振するために、反射面50及び出射面60は、溝40が設けられる側面30aと平行ではなく、互いに異なる面に配置することが好ましい。
【0023】
例えば、図1に示すように、上方から見た溝40の形状を2面からなる切欠き(V字)にして、溝40の一方の側面を反射面50、溝40の他方の側面を出射面60とし、共に光の経路に対して垂直をなすように形成すれば、上記のとおり効率よく光を導波させることができる。
【0024】
溝40は、エッチングで形成されるのが好ましい。これにより、任意の形状で溝40を形成することができる。工程数を削減するために、溝40及び半導体構造20の側面30a〜fを同時に形成してもよい。
【0025】
溝40に設けられる反射面50には、図2(b)に示すように、半導体構造20で生じた光を反射面50で確実に他の側面30bに向かって反射させるために、反射膜80を設けることができる。反射膜80の材料としては、Al、SiO、Nb、TiO、ZrO等の酸化物、又は、AlN、AlGaN、BN、SiN等の窒化物が挙げられ、これらの2種類以上の組合せによって誘電体多層膜とすることもできる。
【0026】
溝40に設けられる出射面60には、反射膜80よりも低い所定の反射率を有する保護膜を設けることができる。保護膜としては、Al、SiO、Nb、TiO、ZrO等の酸化物、又は、AlN、AlGaN、BN、SiN等の窒化物が挙げられ、これらの2種類以上の組合せによって誘電体多層膜とすることもできる。
【0027】
図1及び図2(b)に示すように、半導体構造20の上部には、リッジ70を設けることもできる(すなわち、第2半導体層の上側の一部をリッジとすることもできる)。リッジ70は、半導体構造20で生じた光が反射面50から出射面60までに共振する領域に対応して設けられており、これにより横方向(半導体構造20平面方向)の光閉じ込め及びキャリア閉じ込めを向上させることができる。具体的には、図1に示すように、半導体構造20で生じた光は上面視で正六角形の経路で共振するため、リッジ70の上面視の形状はこの光の共振経路に対応した正六角形とすることができる。
【0028】
また、図1に示すように、正六角形のリッジ70の外周側の角部は、主な光路となるリッジの幅の中心が側面30と一致するように形成することができる。これにより、半導体構造20の側面30で反射された光をリッジ70形成領域から逸らせることなく導波させることができる。
【0029】
なお、図示していないが、第2半導体層23上面にp電極を設け、基板10の下面にn電極を設けることができる。これにより、p電極及びn電極を半導体構造上に配置する場合と比較して、素子のサイズを小さくすることができ、ウエハ1000からの半導体レーザ素子の取れ数が増加する。
【0030】
側面30b〜fには、半導体構造20で生じた光を反射させるために反射膜(図示なし)を設けることができる。これにより、半導体構造20で生じる光が半導体構造20の側面30b〜fから外部に漏れることなく半導体構造20内へ反射するため、光損失を抑制することができる。この反射膜の材料は、反射面50に設けられる反射膜80と同一であることが好ましい。これにより、半導体構造20の側面30b〜f及び反射面50に反射膜を同時に形成することができ、生産性を向上させることができる。
【0031】
図6に示すように、基板10上に半導体構造20が複数配置されたウエハ1000を3方向(図6に示す点線)に劈開することで、正六角形の半導体レーザ素子100を得ることができる。この3方向の劈開は、m面に沿って行うのが好ましい。これにより、劈開時の歩留まりを向上させることができる。また、図6の点線に示す3方向のうち2方向のみを劈開することで、半導体構造20が正六角形であり、基板の最外縁が平行四辺形である半導体レーザ素子を得ることもできる。これにより、少ない回数の劈開により素子化することができ、生産性を向上させることができる。なお、図6では、説明を簡単にするため、溝40、リッジ70及び反射膜80を省略してある。
【0032】
第1の実施形態に係る半導体レーザ素子100は、図3に示すような変形例にすることができる。すなわち、図3(a)のように、半導体構造20が上面視で正六角形であることは図1に示す半導体レーザ素子100と同じであるが、溝40の反射面50及び出射面60を所定の傾斜角度にすることで、反射面50と出射面60との間を光が共振する際に、溝40が設けられる側面aから一面飛ばしで側面c及び側面eを経由しても良い。また、図3(b)のように、半導体構造20の上面視の形状を正三角形にして、側面30gに設けられる反射面50と出射面60との間を光が共振する際に、側面30g及び30iを経由しても良い。半導体構造20の上面視の形状は、正n角形(n≧3)であれば良いが、特に正六角形又は正三角形とすれば、全ての側面をm面とすることができ、平坦な側面を形成することができる。
(第2の実施形態)
【0033】
以下、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子200について、図4及び図5を参照にしながら説明する。図4は、半導体レーザ素子200の上面図である。図5は、その変形例の上面図である。
【0034】
図4に示す半導体レーザ素子200は、反射面50及び出射面60が同一の側面30aに設けられている半導体レーザ素子100とは異なり、反射面50と出射面60が異なる側面30a及び30e(具体的には、側面30aの反射側溝41と側面30eの出射側溝42)に設けられている。それ以外の構成については、前記した半導体レーザ素子100と実質的に同様である。
【0035】
図4に示すように、半導体レーザ素子200は、基板10と、基板10上に形成されると共に3以上の側面30(30a〜f)を有する半導体構造20と、を備えている。半導体構造20の一側面30aには、半導体構造20で生じた光を他の側面30bに反射させる反射面50を有する反射側溝41が設けられ、半導体構造20の他の一側面30eには、前記半導体構造20で生じた光を出射させる出射面60を有する出射側溝42が設けられている。そして、半導体構造20で生じた光は、反射面50と、反射側溝41も出射側溝42も設けられていない1以上の側面30b〜dと、出射面60と、を結ぶ領域で共振する。
【0036】
これにより、共振器長を長くすることができることに加えて、共振器長を所望の長さに調整することができる。この結果、高出力でありながら任意の光出力を得ることができる。
【0037】
つまり、図4に示すように、反射側溝41が側面30aに設けられ、出射側溝42が側面30eに設けられると、共振器長は側面30b〜dの3地点を経由する長さとなる。これに対して、図5(a)に示すように出射側溝42が側面30dに設けられると、共振器長は側面30b及び30cの2地点を経由する長さとなるため、共振器長を短くすることができる。一方、図5(b)に示すように出射側溝42が側面30fに設けられると、共振器長は側面30b〜eの4地点を経由する長さとなるため、共振器長を長くすることができる。このように出射側溝42の配置を変更し、反射側溝41も出射側溝42も設けられていない側面を経由する回数を変更させることで、半導体レーザ素子が小型の同一サイズであっても共振器長を任意に調整することができる。これにより、レーザ光を所望の出力とすることができる。
【0038】
半導体レーザ素子200における半導体構造20の上面視の形状は、図4に示すように正六角形であると、半導体構造20の側面30をm面で構成することができるため、平坦な側面30を得ることができる。また、正三角形としても、半導体構造20の側面30をm面で構成することができ、正六角形の場合と同様の効果を得ることができるが、正六角形(つまり、より多角形)のほうが共振器長をより細かく調整することができる。なお、半導体レーザ素子200は、上記した形状に限定されず、上面視の形状を正n角形(n≧3)とすることができる。
【0039】
また、図4に示す半導体レーザ素子200は、半導体構造20の上面視の形状が正六角形であり、反射面50と出射面60との間を共振する光が側面30b〜dを経由するが、この変形例として、反射側溝41の反射面50及び出射側溝42の出射面60を所定の傾斜角度にすることによって側面30cのみ経由することもできる。
【符号の説明】
【0040】
100、200・・・半導体レーザ素子
10・・・基板
20・・・半導体構造
21・・・第1半導体層
22・・・活性層
23・・・第2半導体層
30、30a〜i・・・側面
40・・・溝
41・・・反射側溝
42・・・出射側溝
50・・・反射面
60・・・出射面
70・・・リッジ
80・・・反射膜
1000・・・ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6