(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
冗長化された光ファイバを介してセンター装置から複数の光端末装置に光によって放送信号を伝送する放送システムであって、現用系と予備系の光ファイバを伝送される光を混合する混合手段と、前記混合手段によって混合された光を分配して前記複数の光端末装置に供給する分配手段と、を有する放送システムの前記センター装置において、
前記現用系の前記光ファイバに光信号を送信する送信手段と、
前記送信手段から送信された前記光信号のうち、反射されて前記現用系の光ファイバから戻ってくる反射光を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された反射光の強度の変化から、前記現用系の光ファイバにおける障害の発生を検出する検出手段と、
前記予備系の光ファイバの反射光を受信する予備系用受信手段と、を有し、
前記検出手段は、前記予備系用受信手段によって受信される反射光の光強度が変化した場合には、前記分配手段よりも後段の光ファイバに障害が発生したと判定する、
ことを特徴とするセンター装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
(A)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る放送システムの構成例を示す図である。この
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る放送システムは、センター装置10、光伝送路20、クロージャ30、および、光端末装置群40を有している。
【0022】
センター装置10は、例えば、放送事業者の局舎等に配置され、放送信号を光信号に変換して光伝送路20に送出する。光伝送路20は、冗長化された光ファイバ21,22を有し、光ファイバ21,22のいずれかが現用系とされ、他方が予備系とされる。クロージャ30は、例えば、カプラ31を有し、光ファイバ21,22を介して伝送される光信号を混合するとともに、分配して光端末装置群40に出力する。光端末装置群40は、複数の光端末装置40−1〜40−nを有している。光端末装置40−1〜40−nのそれぞれは、各加入者宅に設置されるV−ONU(Video Optical Network Unit)等によって構成され、光信号を受信して電気信号に変換し、放送信号として出力する。
【0023】
ここで、センター装置10は、光ON/OFF機能付送信部11,12、反射光検出部13,14、および、カプラ15,16を有している。光ON/OFF機能付送信部11は、放送信号を光信号に変換してカプラ15に対して出力する。また、光ON/OFF機能付送信部11は、反射光検出部13による反射光の検出結果に応じて光信号の出力をオンまたはオフする。光ON/OFF機能付送信部12も同様に、放送信号を電気信号に変換して光信号をカプラ16に対して出力する。また、光ON/OFF機能付送信部12は、反射光検出部14による反射光の検出結果に応じて光信号の出力をオンまたはオフする。光ON/OFF機能付送信部11,12は、冗長化構成とされ、いずれか一方が動作し、他方が停止する。
【0024】
反射光検出部13は、光ON/OFF機能付送信部11から送信された光信号のうち、光ファイバ21において生じた障害(例えば、光ファイバ21の断線)によって生じる反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部11に供給する。反射光検出部14は、光ON/OFF機能付送信部12から送信された光信号のうち、光ファイバ22において生じた障害によって生じる反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部12に供給する。カプラ15は、光ON/OFF機能付送信部11から供給される光信号を光ファイバ21に出力するとともに、光ファイバ21を伝送する反射光を反射光検出部13に供給する。カプラ16は、光ON/OFF機能付送信部12から供給される光信号を光ファイバ22に出力するとともに、光ファイバ22を伝送する反射光を反射光検出部14に供給する。
【0025】
つぎに、第1実施形態の動作について説明する。例えば、光ファイバ21が現用系として設定され、光ファイバ22が予備系として設定されている場合、光ON/OFF機能付送信部11は、放送信号が変換された光信号をカプラ15に出力する。一方、光ON/OFF機能付送信部12は光信号の出力をオフの状態にする。カプラ15は、光ON/OFF機能付送信部11から出力される光信号を光ファイバ21に送出する。光ファイバ21が正常である場合、光ファイバ21を伝送する光信号は、カプラ31によって分配され光端末装置40−1〜40−nに供給される。
【0026】
光ファイバ21が正常である場合であっても、光ファイバ21を伝送される光信号の一部は反射され、反射光としてカプラ15に入射される。カプラ15に入射された反射光は反射光検出部13に入射される。反射光検出部13は、反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部11に供給する。
【0027】
図2(A)は光ファイバ21が正常である場合であって、光ファイバ21の状態が変化しないとき(例えば、物理的な力が印加されないとき)の反射光の強度の時間的変化を示す図である。光ファイバ21が正常であって状態が変化しないときは、反射光の光強度はLであり、時間的に変化しない。また、閾値Thを超えることもない。なお、閾値Thとしては、通常の光強度Lの数倍(例えば、2倍)程度に設定することができる。もちろん、これ以外の値であってもよい。
【0028】
図2(B)は光ファイバ21が正常である場合であって、状態が変化するとき(例えば、光ファイバ21に物理的な力が印加されるとき(風の影響によって揺れるとき))の反射光の強度の時間的変化を示す図である。光ファイバ21が正常である場合であって、状態が変化するときは、反射光の光強度はLを中心として変化するが、閾値Thを超えることはない。なお、
図2(B)ではタイミングt1〜t2において状態が変化している。
【0029】
図2(C)は光ファイバ21に障害が発生した場合(例えば、断線した場合)の反射光の強度の時間的変化を示す図である。光ファイバ21が断線した場合には、断線した端面において光信号が、例えば、3%程度反射される。この結果、反射光の光強度が、断線が生じる前後において大きく変化する。
図2(C)では、タイミングt3において光ファイバ21が断線した状態を示している。この図に示すように、タイミングt3において光ファイバ21が断線すると、反射光の光強度が閾値Thを超えるレベルまで増加し、その後は略一定の状態を維持する。
【0030】
反射光検出部13は、
図2(C)に示すような反射光の強度の変化を検出して、光ON/OFF機能付送信部11に通知する。光ON/OFF機能付送信部11は、反射光の強度が閾値Thを超えるレベルに変化した場合には、光ファイバ21に断線が発生したと判定し、光信号の発生をオフの状態にするとともに、現用系の光ファイバ21に断線が生じたことを光ON/OFF機能付送信部12に通知する。この結果、光ON/OFF機能付送信部12は、放送信号を光信号に変換してカプラ16に出力する動作を開始する。カプラ16は、光ON/OFF機能付送信部12から供給される光信号を、光ファイバ22を介してカプラ31に伝送する。カプラ31は、光信号を分配して光端末装置40−1〜40−nに供給する。これにより、現用系の光ファイバ21に断線が生じた場合であっても、予備系の光ファイバ22に切り換えて、放送を継続することができるため、停波の発生を回避することができる。
【0031】
つぎに、
図3および
図4を参照して、
図1に示す第1実施形態において実行される処理について説明する。
【0032】
図3は、第1実施形態が運用開始される際に実行される処理の一例を示す図である。この図に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0033】
ステップS10では、センター装置10は、現用系による送信を開始する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合には、光ON/OFF機能付送信部11が光信号の送信を開始する。なお、このとき、予備系の送信は停止しておく。
【0034】
ステップS11では、現用系の反射光検出部が反射光の強度を検出する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、反射光検出部13が光ファイバ21を伝送する反射光の強度を検出する。
【0035】
ステップS12では、現用系の光ON/OFF機能付送信部が、検出された反射光の強度を記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、反射光検出部13によって検出された反射光の強度を示す値を、光ON/OFF機能付送信部11が記憶する。
【0036】
ステップS13では、現用系の光ON/OFF機能付送信部が、断線発生の有無を判定するための閾値Th1(
図2(C)のTh参照)を算出して記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、ステップS12で記憶した反射光の強度を示す値を数倍(例えば、2倍)して得られる値を閾値Th1として記憶する。もちろん、ステップS12で記憶した反射光の強度を示す値に、所定の値を加算して得られる値を閾値Th1としてもよい。
【0037】
ステップS14では、現用系が送信している際に、予備系の反射光検出部が反射光の強度を検出する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、反射光検出部14が光ファイバ22を伝送する反射光の強度を検出する。
【0038】
ステップS15では、予備系の光ON/OFF機能付送信部が、検出された反射光の強度を示す値を記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、反射光検出部14によって検出された反射光の強度を示す値を、光ON/OFF機能付送信部12が記憶する。
【0039】
ステップS16では、予備系の光ON/OFF機能付送信部が、断線発生の有無を判定するための閾値Th2を算出して記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、ステップS15で記憶した反射光の強度を示す値を数倍(例えば、2倍)して得られる値を閾値Th2として記憶する。もちろん、ステップS15で記憶した反射光の強度を示す値に、所定の値を加算して得られる値を閾値Th2としてもよい。なお、この閾値Th2は、後述するように、カプラ31以降での断線を検出するための閾値である。
【0040】
ステップS17では、センター装置10は、現用系の送信を停止するとともに、予備系による送信を開始する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合には、光ON/OFF機能付送信部11の動作を停止させ、光ON/OFF機能付送信部12の送信を開始させる。
【0041】
ステップS18では、予備系の反射光検出部が反射光の強度を検出する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、反射光検出部14が光ファイバ22を伝送する反射光の強度を検出する。
【0042】
ステップS19では、予備系の光ON/OFF機能付送信部が、検出された反射光の強度を示す値を記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、反射光検出部14によって検出された反射光の強度を示す値を、光ON/OFF機能付送信部12が記憶する。
【0043】
ステップS20では、予備系の光ON/OFF機能付送信部が、断線発生の有無を判定するための閾値Th3(
図2(C)のTh参照)を算出して記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、ステップS19で記憶した反射光の強度を示す値を数倍(例えば、2倍)して得られる値を閾値Th3として記憶する。もちろん、ステップS19で記憶した反射光の強度を示す値に、所定の値を加算して得られる値を閾値Th3としてもよい。
【0044】
ステップS21では、予備系が送信している際に、現用系の反射光検出部が反射光の強度を検出する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、反射光検出部13が光ファイバ21を伝送する反射光の強度を検出する。
【0045】
ステップS22では、現用系の光ON/OFF機能付送信部が、検出された反射光の強度を示す値を記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、反射光検出部13によって検出された反射光の強度を示す値を、光ON/OFF機能付送信部11が記憶する。
【0046】
ステップS23では、現用系の光ON/OFF機能付送信部が、断線発生の有無を判定するための閾値Th4を算出して記憶する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、ステップS22で記憶した反射光の強度を示す値を数倍(例えば、2倍)して得られる値を閾値Th4として記憶する。もちろん、ステップS22で記憶した反射光の強度を示す値に、所定の値を加算して得られる値を閾値Th4としてもよい。なお、この閾値Th4は、後述するように、カプラ31以降での断線を検出するための閾値である。
【0047】
ステップS24では、現用系による送信を開始する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合には、光ON/OFF機能付送信部12が信号の送信を停止するとともに、光ON/OFF機能付送信部11が信号の送信を開始する。
【0048】
以上の処理により、現用系によって送信されている場合の反射光の強度と閾値Th1,Th2と、予備系によって送信されている場合の反射光の強度と閾値Th3,Th4とが現用系および予備系の光ON/OFF機能付送信部にそれぞれ記憶されることになる。
【0049】
つぎに、
図4を参照して、
図3のステップS24までの処理が実行され、システムが運用されているときに実行される処理について説明する。
図4に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
【0050】
ステップS30では、現用系の反射光検出部が反射光の強度を検出して光ON/OFF機能付送信部に供給する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系である場合、反射光検出部13が光ファイバ21を伝送される反射光を電気信号に変換し、光ON/OFF機能付送信部11に供給する。
【0051】
ステップS31では、現用系の光ON/OFF機能付送信部は、反射光の強度が変化したか否かを判定し、変化したと判定した場合(ステップS31:Yes)にはステップS32に進み、それ以外の場合(ステップS31:No)にはステップS30に戻って同様の処理を繰り返す。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系である場合、反射光検出部13によって検出された反射光の強度が変化したと判定した場合にはステップS32に進む。
【0052】
ステップS32では、現用系の光ON/OFF機能付送信部は、反射光の強度が閾値Th1を超える状態が一定の時間以上継続したか否かを判定し、一定の時間以上継続したと判定した場合(ステップS32:Yes)にはステップS33に進み、それ以外の場合(ステップS32:No)にはステップS30に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返す。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系である場合、反射光検出部13によって検出された反射光の強度が、閾値Th1を超える状態が一定時間(例えば、数秒)以上継続した場合にステップS33に進む。なお、閾値Th1は、
図3のステップS13で算出された、現用系による運用時に光ファイバ21を伝送する反射光の閾値である。
【0053】
ステップS33では、センター装置10は、予備系の反射光の強度を検出する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が予備系に設定されている場合、反射光検出部14が光ファイバ22を伝送される反射光の強度を検出する。
【0054】
ステップS34では、センター装置10は、ステップS33で検出した予備系の反射光の強度が、
図3のステップS16で算出した閾値Th2を超える状態が継続しているか否かを判定し、超える状態が継続していると判定した場合(ステップS34:Yes)にはステップS35に進み、それ以外の場合(ステップS34:No)にはステップS36に進む。より詳細には、現用系の光ファイバ21が断線している場合には反射光は光ファイバ21のみを伝送されて戻ってくるが、カプラ31以降の光ファイバが断線している場合には反射光は光ファイバ21だけでなく、光ファイバ22にも伝送される。例えば、カプラ31と光端末装置40−1の間の光ファイバが断線している場合には、反射光はカプラ31によって分配され、光ファイバ21,22に導入され、光ファイバ21,22のそれぞれを伝送してカプラ15,16に入射される。このため、反射光検出部13と反射光検出部14によって検出される反射光の強度がともに増加する場合は、カプラ31以降の断線と判定することができるので、その場合にはステップS35に進む。一方、反射光検出部14によって検出される反射光の強度が増加していない場合(閾値Th2以下の場合)には、現用系の光ファイバ21の断線であると判定してステップS36に進む。
【0055】
ステップS35では、センター装置10は、カプラ31以降において断線等の故障が発生したと判定し、例えば、警告を発する。なお、このとき、現用系と予備系の切り換え動作は実施しない。
【0056】
ステップS36では、現用系と予備系を切り換える処理を実行する。例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系の場合、光ON/OFF機能付送信部11をオフの状態にするとともに、光ON/OFF機能付送信部12をオンの状態にする。
【0057】
ステップS37では、センター装置10は、新たな現用系による放送信号の送信を開始する。例えば、光ON/OFF機能付送信部12が新たに現用系になった場合には、光ON/OFF機能付送信部12による放送信号の送信を開始する。
【0058】
なお、ステップS37によって新たな現用系による運用が開始された後は、ステップS32の閾値Th1を閾値Th3に置換し、ステップS34の閾値Th2を閾値Th4に置換し、
図4の処理を再度実行することで、新たな現用系による運用時の断線を検出することができる。
【0059】
以上に説明したように第1実施形態によれば、現用系の光ファイバにおいて断線が発生した場合には、断線の端面において反射光が増加することから、この反射光の変化を検出することにより、光ファイバの断線を検出することが可能になる。
【0060】
また、第1実施形態では、閾値Th(Th1〜Th4)を設定し、これとの比較によって異常の発生を検出するようにしたので、例えば、
図2(B)に示すような、風等の影響によって反射光が変化した場合に、断線の発生と誤検出することを防止できる。
【0061】
また、第1実施形態では、反射光の強度が閾値Th(Th1〜Th4)を超える状態が一定時間以上継続した場合に異常が発生したと判定するようにしたので、例えば、断線には至らない物理的な力が一時的に印加された場合に、断線が生じたと誤判定されることを防止できる。
【0062】
また、第1実施形態では、運用開始前に現用系と予備系のそれぞれで送信動作を実行し、そのときの反射光の強度を検出して記憶するとともに、閾値Th1,Th3を算出して記憶するようにしたので、運用開始前の正常な反射光の強度を基準として、異常の検出を行うことができる。
【0063】
また、第1実施形態では、非運用系(現用系で運用時の予備系、または、予備系で運用時の現用系)の反射光の強度を検出して記憶するとともに、この反射光の強度から閾値Th2,Th4を算出して記憶するようにした。これにより、運用系(現用系で運用時の現用系、または、予備系で運用時の予備系)の反射光が閾値Th1,Th3を超えるとともに、非運用系の反射光の強度が閾値Th2,Th4を超える場合には、カプラ31以降の断線であると判定することができる。
【0064】
なお、
図3および
図4のフローチャートでは説明していないが、運用系から非運用系に切り換えた場合に、非運用系の反射光の強度が記憶されている値と大きく異なる場合には、非運用系で異常が発生している可能性があると判定することもできる。例えば、現用系から予備系に切り換えた場合に、予備系の反射光の強度が記憶されている値と大きく異なる場合には予備系で何らかの異常が発生していると判定することができる。
【0065】
(B)第2実施形態
つぎに、
図5を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、
図5において、
図1と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、
図1と比較すると、光ON/OFF機能付送信部11、反射光検出部13、および、カプラ15が送信制御部50として一体構成されるとともに、光ON/OFF機能付送信部12、反射光検出部14、および、カプラ16が送信制御部60として一体構成される。これら以外の構成は
図1と同様である。
【0066】
ここで、E/O51は、電気信号である放送信号を光信号に変換して出力する。O/E52は、反射光を電気信号に変換して出力する。カプラ53は、E/O51から出力される光信号を光ファイバ21に送出するとともに、光ファイバ21を伝送される反射光をO/E52に供給する。一方、E/O61は、放送信号を光信号に変換して出力する。O/E62は、反射光を電気信号に変換して出力する。カプラ63は、E/O61から出力される光信号を光ファイバ22に送出するとともに、光ファイバ22を伝送される反射光をO/E62に供給する。
【0067】
なお、第2実施形態では、センター装置10の構成が
図1に示す第1実施形態とは異なるが、その動作は第1実施形態と同様であるので、その動作の説明は省略する。
【0068】
第2実施形態では、前述した第1実施形態と同じ効果が期待できるとともに、光ON/OFF機能付送信部11、反射光検出部13、および、カプラ15が送信制御部50として一体構成されるとともに、光ON/OFF機能付送信部12、反射光検出部14、および、カプラ16が送信制御部60として一体構成するようにしたので、構成を簡略化することが可能になる。
【0069】
(C)第3実施形態
つぎに、
図6を参照して本発明の第3実施形態について説明する。なお、
図6において、
図1と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、
図1と比較すると、センター装置10の反射光検出部13,14が断線検出部70,80に置換されるとともに、WDM(Wavelength Division Multiplexer)91,92が追加されている。また、クロージャ30にWDM301,302が追加されるとともに、終端部303,304が追加されている。これら以外の構成は
図1と同様である。
【0070】
ここで、断線検出部70は、E/O71、O/E72、および、カプラ73を有している。E/O71は、電気信号を波長がλ2(≒λ1)の光信号に変換して出力する。カプラ73は、E/O71から出力される光信号をWDM91に出力する。また、カプラ73は、WDM91から出力される波長がλ2の反射光をO/E72に供給する。O/E72は、反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部11に出力する。
【0071】
断線検出部80は、E/O81、O/E82、および、カプラ83を有している。E/O81は、電気信号を波長がλ2の光信号に変換して出力する。カプラ83は、E/O81から出力される光信号をWDM92に出力する。また、カプラ83は、WDM92から出力される波長がλ2の反射光をO/E82に供給する。O/E82は、反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部12に出力する。
【0072】
WDM91は、光ON/OFF機能付送信部11から出力される波長がλ1の光信号と、断線検出部70から出力される波長がλ2の光信号を合波して光ファイバ21に出力する。また、断線検出部70から出力される波長がλ2の光信号のうち、光ファイバ21において反射される反射光を分波して断線検出部70に供給する。WDM92は、光ON/OFF機能付送信部12から出力される波長がλ1の光信号と、断線検出部80から出力される波長がλ2の光信号を合波して光ファイバ22に出力する。また、断線検出部80から出力される波長がλ2の光信号のうち、光ファイバ22において反射される反射光を分波して断線検出部80に供給する。
【0073】
WDM301は、光ファイバ21を伝送される波長がλ1の光信号を分波してカプラ31に供給するとともに、波長がλ2の光信号を分波して終端部303に供給する。終端部303は、WDM301から供給される波長がλ2の光信号を終端させる。これにより、波長がλ2の光信号は反射を生じることなる終端部303において熱に変換される。WDM302は、光ファイバ22を伝送される波長がλ1の光信号を分波してカプラ31に供給するとともに、波長がλ2の光信号を分波して終端部304に供給する。終端部304は、WDM302から供給される波長がλ2の光信号を終端させる。これにより、波長がλ2の光信号は反射を生じることなる終端部304において熱に変換される。カプラ31は、WDM301,302から供給される波長がλ1の光信号を分配して、光端末装置40−1〜40−nに供給する。
【0074】
つぎに、第3実施形態の動作について説明する。第3実施形態では、例えば、光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されているとすると、光ON/OFF機能付送信部11は放送信号を波長がλ1の光信号に変換して出力する。WDM91は波長がλ1の光信号を光ファイバ21に送出する。光ファイバ21を伝送された波長がλ1の光信号はWDM301に入射され、分波されてカプラ31に出力される。カプラ31は、波長がλ1の光信号を分配して光端末装置40−1〜40−nに出力する。
【0075】
光ON/OFF機能付送信部11が現用系に設定されている場合、断線検出部70のE/O71は波長がλ2の光信号をカプラ73に出力する。カプラ73は、E/O71から出力された波長がλ2の光信号をWDM91に出力する。WDM91は波長がλ2の光信号を光ファイバ21に出力する。光ファイバ21が正常である場合には、光ファイバ21を伝送した波長がλ2の光信号は、WDM301によって分波され、終端部303に供給される。終端部303は波長がλ2の光信号を終端する。この結果、光ファイバ21が正常である場合には、波長がλ2の光信号の反射光はほとんど生じない。
【0076】
一方、光ファイバ21が断線した場合、光ファイバ21を伝送される波長がλ2の光信号は、断線した端面で反射されるため、反射光を生じる。この反射光は、光ファイバ21を伝送されてWDM91によって分波され、断線検出部70に入射される。断線検出部70のカプラ73は、反射光をO/E72に供給する。O/E72は、反射光を電気信号に変換して光ON/OFF機能付送信部11に供給する。光ON/OFF機能付送信部11は、前述の第1実施形態の場合と同様に、反射光の強度が閾値Thを超える状態が一定時間継続した場合には断線が発生したと判定し、現用系と予備系の切り換え動作を実行する。
【0077】
なお、現用系から予備系への切り換えが生じた場合には、予備系が前述した場合と同様の動作を実行することで、新たに現用系となった予備系の断線を検出することができる。
【0078】
以上に説明したように、第3実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を期待することができるとともに、第3実施形態では、波長がλ2の光信号を送信する断線検出部70,80を設けるとともに、WDM91,92を設けるようにしたので、カプラ15,16を用いる場合に比較して、反射光の損失を減らすことができる。このため、断線の検出感度を高めることができる。
【0079】
(D)第4実施形態
つぎに、
図7を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。なお、
図7において、
図1と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7では、
図1と比較すると、センター装置10の光ON/OFF機能付送信部11,12が除外され、光送信部100および光切換制御部150が追加されている。これ以外の構成は、
図1の場合と同様である。
【0080】
光送信部100は、放送信号を光信号に変換して光切換制御部150に出力する。光切換制御部150は、光切換部151を有し、反射光検出部13,14によって検出された反射光の強度に基づいて光切換部151を切り換え、カプラ15またはカプラ16に光信号を出力する。光切換部151は、例えば、光スイッチによって構成され、光送信部100から供給される光信号を、カプラ15またはカプラ16の一方に出力する。
【0081】
つぎに、第4実施形態の動作について説明する。例えば、光ファイバ21が現用系に設定されている場合、光切換制御部150は、光切換部151の接続をカプラ15側に切り換える。この結果、光送信部100から出力された光信号は、光切換部151によってカプラ15に出力される。カプラ15は、光信号を光ファイバ21に出力する。光ファイバ21が正常である場合には、光信号はカプラ31によって分配され、光端末装置40−1〜40−nに供給される。一方、光ファイバ21が断線した場合には、断線の端面で反射した反射光がカプラ15を介して反射光検出部13に入射される。反射光検出部13は、反射光を電気信号に変換して、光切換制御部150に供給する。光切換制御部150は、反射光の強度が閾値Thを上回る状態が一定時間継続している場合には、断線が生じたと判定し、光切換部151の接続を、カプラ15側からカプラ16側に切り換える。これにより、光ファイバ21の断線を検出して、光ファイバ22に切り換えることができる。
【0082】
以上に説明したように、第4実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を期待することができるとともに、第4実施形態では、共通の光送信部100を用いることにより、システムの構成を簡略化することができる。
【0083】
(E)第5実施形態
つぎに、
図8を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。なお、
図8において、
図7と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8では、
図7と比較すると、光切換制御部150、反射光検出部13,14、および、カプラ15,16が一体構成されて反射光検出光切換制御部160とされている。それ以外の構成は
図7と同様である。
【0084】
ここで、O/E161は、カプラ15から供給される反射光を電気信号に変換して出力する。O/E162は、カプラ16から供給される反射光を電気信号に変換して出力する。反射光検出光切換制御部160は、O/E161,162によって検出された反射光と閾値Thとを比較し、断線が発生したと判定した場合には、光切換部151を切り換えることにより、現用系と予備系を切り換える。
【0085】
なお、第5実施形態は、光切換制御部150、反射光検出部13,14、および、カプラ15,16が一体構成されて反射光検出光切換制御部160とされている以外は、第4実施形態と同様であり、また、動作も第4実施形態と同様であるので、第5実施形態の動作は省略する。
【0086】
以上に説明したように、第5実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を期待することができるとともに、第5実施形態では、第4実施形態と比較すると、一体構成された反射光検出光切換制御部160を用いることにより、システムの構成を簡略化することができる。
【0087】
(F)変形実施形態の説明
以上の各実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、反射光の強度を検出するようにしたが、例えば、反射光の光量を検出するようにしてもよい。また、第1、第2、第4、および、第5実施形態では、カプラ15,16を用いるようにしたが、カプラ15,16の代わりにサーキュレータを用いるようにしてもよい。
【0088】
また、第3実施形態では、現用系として設定されている光ファイバのみに波長λ2の光信号を送信するようにしたが、予備系として設定されている光ファイバにも波長λ2の光信号を送信し、その反射光の光強度を参照することで、予備系の断線も検出することができる。
【0089】
また、第3実施形態では、WDM301,302および終端部303,304を設けるようにしたが、波長λ2の光信号が光端末装置40−1〜40−nに影響を与えない場合には、WDM301,302および終端部303,304は除外して、光ファイバ21,22をカプラ31,32にそれぞれ直接接続するようにしてもよい。
【0090】
また、以上の各実施形態では、現用系と予備系はそれぞれ1つずつとしたが、これらが複数存在する場合であっても本発明を適用することが可能である。
【0091】
また、以上の各実施形態では、現用系と予備系の光ファイバを自動的に選択するようにしたが、例えば、断線の有無等を提示する提示部を設け、この提示部に提示された情報に基づいて、操作者が操作部を操作することにより、現用系と予備系の光ファイバを切り換えるようにしてもよい。
【0092】
また、以上の各実施形態では、光端末装置40−1〜40−nが送信する信号(例えば、バースト信号)については考慮していないが、例えば、反射光検出部13,14に、光ON/OFF機能付送信部11,12から送信された光信号の反射光だけを選択する選択手段を設けることにより、光端末装置40−1〜40−nが送信するバースト信号の影響を少なくし、誤検出の発生を防止できる。
【0093】
また、
図3および
図4に示すフローチャートでは、運用開始前に現用系と予備系の反射光の強度を検出するようにしたが、例えば、現用系の運用開始後に現用系の反射光の強度を検出し、現用系から予備系に切り換えられた場合には、予備系の運用開始後に予備系の反射光の強度を検出するようにしてもよい。