【実施例】
【0047】
以下の実施例は、本発明に従う一定の化合物の製法を説明している。これらの実施例は、限定するものではなく本発明を単に説明するだけである。示されている化合物の番号は、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を示す下文の表に示されているものに該当する。
【0048】
反応物および中間体は、それらの製法が説明されていない場合、文献中で知られており、または市販されている。式Iの化合物を調製するために役立ついくつかの中間体は、下文で与えられる実施例で明らかになるように、式(I)の最終製品としても寄与することができる。同様に、本発明の式(I)のいくつかの化合物は、本発明による式(I)の他の化合物を調製するために役立つ中間体として寄与することができる。
【0049】
例として、式(I)の化合物は、以下の化合物から選択される:
2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミド、
2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミド、
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−3−[(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン、
3−{3−(2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル}−2−メチルインドリジン−1−イル}安息香酸、
{6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}酢酸、
エチル({6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}オキシ)アセテート、
3−アミノ−6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3イル)カルボニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン、
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチルキナゾリン−4(3H)−オン、
3−{2−メチル−3−[(2−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル]インドリジン−1−イル}安息香酸、
6−{[1(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}−3−プロピルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン、
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸、
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド、
N−1−ジメチル−6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド、
N−1−ジメチル−6−{[2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)インドリジン−3−イル]カルボニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩。
【0050】
略語
−DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
−THF:テトラヒドロフラン
−DBU:1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
−HBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
−DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
−DME:エチレングリコールジメチルエーテル
−TOTU:O−[(エトキシカルボニル)シアノメチレンアミノ]−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
NMR分析は、Bruker Avance250MHz、300MHzおよび400MHz装置に基づいて行なわれた。
−融点は、Buchi B−450装置に基づいて測定された。
−質量分析は、Waters Alliance 2695(UV:PDA996、MS:LCZ)、Alliance 2695(UV:PDA 996、MS:ZQ(simple Quad)ZQ1)、Alliance 2695(UV:PDA 996、MS:ZQ(simple Quad)ZQ2)、Waters UPLC Acquity(UV:Acquity PDA、MS:SQD(simple Quad)SQW)、Agilent MSD、Waters ZQまたはWaters SQD装置に基づいて行なわれた。
【0051】
[実施例1]
(化合物番号35)
2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミド
メチル2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエート
1.51ml(24.26mmol)のコウ化メチルを、室温の不活性雰囲気下で、130mlのDMF中の8g(23.1mmol)の2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸のナトリウム塩(WO03/084956に記載されている)に加える。1時間にわたる撹拌後、水を加える。形成された沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。7.17gの黄色固体が得られる。
MH+:339
【0052】
メチル2−({[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバモイル}アミノ)−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエート
10mlのジオキサン中に希釈した0.798g(2.69mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、50mlのジオキサン中1.3g(3.84mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。1時間にわたる撹拌後、1.25g(7.68mmol)のN,N−ジメチルグリシンアミドアセテートおよび2.68ml(19.21mmol)のトリエチルアミンを加える。この反応媒体を室温で一晩撹拌し、次いで水を加えて加水分解する。水相をジクロロメタンで抽出する。得られた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。1.8gの黄色固体が得られる。
融点:228℃
MH+=467
【0053】
2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミド
0.69ml(4.63mmol)のDBUを、不活性雰囲気下の室温で、25mlのTHF中の1.8g(3.86mmol)のメチル2−({[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]カルバモイル}アミノ)−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。この反応媒体を室温で一晩撹拌する。THFを減圧下で濃縮する。残渣を水に溶解する。その水相をジクロロメタンにより抽出する。得られた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。得られた黄色固体を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)混合物を用いて溶離を行なうシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。得られたオレンジ色の泡を最小量のメタノールに溶解する。水の添加後、得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。1.14gの黄色粉末が得られる。
融点:290℃
MH+=435
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.82(s,3H)、2.85(s,3H)、3.08(s,3H)、3.83(s,3H)、4.75(s,2H)、6.95(t,J=6.85Hz,1H)、7.19−7.24(m,1H)、7.32(d,J=8.43,1H)、7.66(d,J=8.87Hz,1H)、7.91(d,J=8.47Hz,1H)、8.09(d,J=2.02Hz,1H)、9.53(d,J=7.26Hz,1H)、11.83(s,1H)。
【0054】
[実施例2]
(化合物番号68)
2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミド
0.04ml(0.69mmol)のヨウ化メチルおよび0.225g(0.69mmolの)炭酸セシウムを、室温の不活性雰囲気下で、5mlのDMF中の0.150g(0.35mmol)の2−{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}−N,N’−ジメチルアセトアミドに加える。この反応媒体を、室温で2.5時間にわたって撹拌し、次いで水を加えて加水分解する。この水相を酢酸エチルにより抽出する。得られた有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。この残渣をジクロロメタン/メタノール(95/5)混合物を用いて溶離を行なうシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。得られた固体を最小量のメタノールに溶解する。水の添加後、得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。0.135gの黄色固体が得られる。
融点:276℃
MH+:449
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.82(s,3H)、2.85(s,3H)、3.09(s,3H)、3.60(s,3H)、3.83(s,3H)、4.81(s,2H)、6.97(t,J=7.05Hz,1H)、7.21−7.26(m,1H)、7.62(d,J=8.75Hz,1H)、7.67(d,J=8.75Hz,1H)、8.02(d,J=8.67H,1H)、8.19(d,J=2.19Hz,1H)、9.75(d,J=7.13Hz,1H)。
【0055】
[実施例3]
(化合物番号36)
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−3−[(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
メチル{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}アセテート
15mlのジオキサン中に希釈した1.22g(4.14mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、65mlのジオキサン中の2g(5.91mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−メトキシインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。この反応媒体を室温で1時間にわたり撹拌し、次いで、1.48g(11.82mmol)のメチルグリシネートおよび4.12ml(29.55mmol)のトリエチルアミンを加える。この反応媒体を18時間にわたって撹拌し、次いで1.08g(5.91mmol)のDBUを加える。24時間撹拌した後、この媒体を、水を加えて加水分解する。その水相をジクロロメタンにより抽出する。得られた有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。その固体をジクロロメタン/メタノール(95/5)混合物を用いて溶離を行なうシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。得られた固体を、メタノールから高温条件下で再結晶させる。1.5gの黄色固体が得られる。
融点:253℃
MH+=422
【0056】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−3−[(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
0.14g(0.37mmol)のHBTU、0.21ml(1.23mmol)のDIEAおよび次に0.18g(1.23mmol)の(1E)N’−ヒドロキシエタンイミドアミドを室温の不活性雰囲気下で、5mlのDMF中の0.1g(0.25mmol)のメチル{6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}アセテートに加える。この反応媒体を24時間にわたり90℃で加熱する。水を加えて加水分解した後、この反応媒体を酢酸エチルにより抽出する。その有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で、次いで水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。得られた黄色固体をジクロロメタン/メタノール(95/5)混合物により溶離が行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.046gの黄色固体が得られる。
融点:176℃
MH+:446
1H−NMR(D6−DMSO,500MHz)δppm:
1.82(s,3H)、2.30(s,3H)、3.82(s,3H)、5.36(s,2H)、6.96(t,J=7.04Hz,1H)、7.20−7.24(m,1H)、7.35(d,J=8.48Hz,1H)、7.66(d,J=8.81Hz,1H)、7.94(d,J=8.32Hz,1H)、8.11(d,J=1.92Hz,1H)、9.54(d,J=7.43Hz,1H)、12.01(s,1H)。
【0057】
[実施例4]
(化合物番号14)
3−{3−[(2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル}−2−メチルインドリジン−1−イル]安息香酸のナトリウム塩
メチル2−アミノ−5−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエート
0.492g(2.73mmol)のN−ブロモスクシンイミドを、室温の不活性雰囲気下で、17mlのジクロロメタン中の0.812g(2.6mmol)のメチル2−アミノ−5−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。この反応媒体を2時間にわたって撹拌し、次に水を加えて加水分解する。その水相をジクロロメタンで抽出する。得られた有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次に減圧下で濃縮する。得られた固体をジクロロメタンにより溶離が行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.9gの黄色固体が得られる。
MH+:387、389
【0058】
メチル2−アミノ−5−({1−[3−(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチルインドリジン−3−イル}カルボニル)ベンゾエート
0.229g(1.27mmol)の[3−(メトキシカルボニル)フェニル]ボロン酸、0.492g(2.12mmol)のリン酸カリウム二水和物および0.024g(0.02mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、室温のアルゴン雰囲気下で、8mlのDME/H
2O(5/1)混合物中の0.410g(1.06mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。この反応媒体を18時間にわたって90℃で加熱する。その反応媒体をジクロロメタンで抽出し、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次に、減圧下で濃縮する。得られた固体をジクロロメタンにより溶離が行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。309mgの黄色固体が得られる。
融点:232℃
MH+:443
【0059】
メチル5−({1−[3−(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチルインドリジン−3−イル}カルボニル)−2−[(プロピルカルバモイル)アミノ]ベンゾエート
2mlのジオキサン中に希釈した0.143mg(0.47mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、5.6mlのジオキサン中の308mg(0.68mmol)のメチル2−アミノ−5−({1−[3−(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチルインドリジン−3−イル}カルボニル)ベンゾエートに加える。この反応媒体を、室温で2時間にわたって撹拌し、次に0.28ml(2.03mmol)のトリエチルアミンおよび4mlのジオキサン中に希釈した0.11ml(1.35mmol)のn−プロピルアミンを加える。2時間にわたる撹拌の後、この反応媒体を、水を加えて加水分解する。その水相をジクロロメタンで抽出する。得られた有機相を1Nの塩酸の水溶液で、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた固体を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により溶離が行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。215mgの黄色固体が得られる。
融点:143℃
MH+:496
【0060】
3−{3−[(2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル}−2−メチルインドリジン−1−イル]安息香酸のナトリウム塩
0.96ml(0.96mmol)の水酸化ナトリウムの1N水溶液を、室温で、4mlのメタノール中の0.203mg(0.39mmol)のメチル5−({1−[3−(メトキシカルボニル)フェニル]−2−メチルインドリジン−3−イル}カルボニル)−2−[(プロピルカルバモイル)アミノ]ベンゾエートに加える。この反応媒体を7時間にわたって還流させる。
【0061】
この反応媒体を、1Nの塩酸の水溶液により酸性化する。得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、減圧下の50℃で一晩乾燥させる。
【0062】
0.31ml(0.31mmol)の水酸化ナトリウムの1N水溶液を、室温で、0.158g(0.33mmol)の得られた固体に加える。この反応媒体を1時間にわたって撹拌し、次いでジイソプロピルエーテルを加える。得られた沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。155mgの黄色固体が得られる。
融点:361℃
MH+:504
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
0.88(t,J=7.97Hz,3H)、1.52−1.64(m,2H)、1.96(s,3H)、3.80−3.88(m,2H)、6.94(t,J=6.78Hz,1H)、7.12(d,J=8.38Hz,1H)、7.16−7.22(m,1H)、7.34(d,J=7.58Hz,1H)、7.39(t,J=758Hz,1H)、7.51(d,J=8.78Hz,1H)、7.80−7.86(m,2H)、7.92−7.95(m,1H)、8.17(d,J=2Hz,1H)、9.33(d,J=7.58Hz,1H)。
【0063】
[実施例5]
(化合物番号24)
{6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}酢酸のナトリウム塩
6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
2.25ml(16.12mmol)のトリエチルアミンおよび20mlのジクロロエタン中に希釈された3g(13.44mmol)の1−メトキシ−2−フェニルインドリジン(WO03/084956に記載されている方法による)を、室温の不活性雰囲気下で、100mlのジクロロエタン中の4.22g(14.78mmol)の4−オキソ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(WO06/097625に記載されている)に加える。室温で一晩撹拌した後、この反応媒体を、濾過し、ジクロロエタンですすぐ。その濾液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣はシリカパテ材を通して濾過され、溶離はジクロロメタンにより行なわれる。4.4gの黄色固体が得られる。
MH+:473
【0064】
2−アミノ−5−[(1−メトキシインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸
4mlの水に溶解された1.56g(27.94mmol)の水酸化カリウムを、室温で、50mlのN−メチルピロリドン中の4.4g(9.31mmol)の6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンに加える。この反応媒体を、80℃で24時間にわたって加熱する。その反応媒体を塩酸の1N水溶液中に注ぐ。形成された沈殿物を、濾別して水ですすぐ。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物を用いて行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。3.05gの緑色の固体が得られる。
融点:106℃
MH+:387
【0065】
メチル2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエート
0.54ml(8.63mmol)のヨウ化メチルおよび2.8g(8.63mmol)の炭酸セシウムを、室温の不活性雰囲気下で、50mlのDMF中の3.03g(7.84mmol)の2−アミノ−5−[(1−メトキシインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸に加える。室温で3時間にわたって撹拌した後、水を加える。形成された沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。得られた固体は、溶離がジクロロメタンにより行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。1.98gの黄色固体が得られる。
MH+:401
【0066】
エチル{6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}アセテート
15mlのジオキサンに希釈された0.208g(0.7mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、50mlのジオキサン中の0.4g(1mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−メトキシインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。1時間にわたる撹拌後、0.279g(2mmol)のエチルグリシネートおよび0.70ml(5mmol)のトリエチルアミンを加える。室温で2時間にわたって撹拌した後、この反応媒体を、水を加えて加水分解する。室温での一晩の間隔の後、水相をジクロロメタンにより抽出する。得られた有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.362gの黄色固体が得られる。
融点:221℃
MH+=498
【0067】
{6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}酢酸のナトリウム塩
0.75ml(0.75mmol)の水酸化ナトリウムの1N水溶液を、室温で、10mlのメタノール中の0.312mg(0.63mmol)のエチル{6−[(1−メトキシ−2−フェニルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}アセテートに加える。この反応媒体を7時間にわたって還流させる。この反応媒体を、塩酸の1N水溶液により酸性化する。得られた沈殿物を、濾別し、水ですすぎ、減圧下50℃で一晩乾燥させる。
【0068】
0.52ml(0.52mmol)の水酸化ナトリウムの1N水溶液を、室温で、0.250g(0.53mmol)の得られた固体に加える。この反応媒体を1時間にわたって撹拌し、次いでジイソプロピルエーテルを加える。得られた沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルですすぎ、次いで減圧下50℃で一晩乾燥させる。0.237gの黄色固体が得られる。
融点:337℃
MH+:470
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
3.64(s,3H)、4.07(s,2H)、6.70(d,J=8.55Hz,1H)、7.00−7.1(m,6H)、7.21−7.27(m,1H)、7.49(d,J=8.37Hz,1H)、7.76(d,J=9.07Hz,1H)、7.88(d,J=1.92Hz,1H)、9.55(d,J=7.15Hz,1H)、11.27(s,1H)。
【0069】
[実施例6]
(化合物番号34)
エチル({6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}オキシ)アセテート
メチル5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−{[(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)カルバモイル]アミノ}ベンゾエート
3mlのジオキサン中に希釈された0.251g(0.83mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、10mlのジオキサン中の0.4g(1.18mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。2.5時間にわたる撹拌の後、0.267g(2.36mmol)のO−プロパ−2−エン−1−イルヒドロキシルアミンおよび0.82ml(5.91mmol)のトリエチルアミンを加える。この反応媒体を1時間にわたって撹拌し、次いで水を加えて加水分解する。この水相をジクロロメタンにより抽出する。得られた有機相を、塩酸の1N水溶液および塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。0.581gの黄色固体が得られる。
MH+:438
【0070】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−3−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
1.27ml(1.27mmol)の水酸化ナトリウムの1N水溶液を、室温で、5mlのメタノール中の0.370mg(0.85mmol)のメチル5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−{[(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)カルバモイル]アミノ}ベンゾエートに加える。この反応媒体を1時間にわたり還流させる。
【0071】
この反応媒体を、塩酸の1N水溶液により酸性化する。
【0072】
この水相を酢酸エチルにより抽出する。その有機相を、塩化ナトリウムの飽和水溶液により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた固体は、溶離がジクロロメタンにより行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.293gの黄色固体が得られる。
融点:258℃
MH+:406
【0073】
3−ヒドロキシ−6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
0.15ml(1.18mmol)のフェニルシランおよび0.030g(0.03mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、0℃の不活性雰囲気下で、7mlのジクロロメタン中の0.276g(0.65mmol)の6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−3−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオンに加える。この反応媒体を室温で4時間にわたって撹拌し、次いで濾過する。沈殿物をジクロロメタンですすぐ。その固体を水酸化ナトリウムの1N水溶液に溶解する。塩酸の1N水溶液の添加後、得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、減圧下一晩50℃で乾燥させる。0.208mgの黄色固体が得られる。
融点:300℃
MH+:366
【0074】
エチル({6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−イル}オキシ)アセテート
0.11ml(0.99mmol)のエチルブロモアセテートおよび次いで0.14ml(0.99mmol)のトリエチルアミンを、不活性雰囲気下の室温で、12.5mlのエタノール中の3−ヒドロキシ−6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオンに加える。この反応媒体を18時間にわたって撹拌し、次に0.14ml(0.99mmol)のトリエチルアミンおよび0.11ml(0.99mmol)のブロモ酢酸エチルを加える。室温で18時間撹拌した後、この反応媒体を減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノールの混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。217mgの黄色粉末が得られる。
MH+=452
融点=230℃
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.05−1.25(t,3H)、1.82(s,3H)、3.64(s,3H)、4.16−4.22(q,2H)、4.77(s,2H)、6.97−6.97(t,1H)、7.20−7.24(t,1H)、7.28−7.30(d,1H)、7.65−7.67(d,1H)、7.88−7.91(d,1H)、8.08(s,1H)、9.52−9.54(d,1H)、11.9(s,1H)。
【0075】
[実施例7]
(化合物番号51)
3−アミノ−6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3イル)カルボニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
0.123g(0.41mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、10mlのジオキサン中の0.2g(0.6mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。10分間にわたる撹拌の後、58μl(1.2mmol)のヒドラジン水和物および0.4ml(3mmol)のトリエチルを加える。この反応媒体を、3時間にわたって撹拌し、次に水を加えて加水分解する。その水相を酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。16mgの黄色固体が得られる。
融点:220℃
MH+=365
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.81(s,3H)、3.82(s,3H)、5.52(s,2H)、6.95(t,J=6.95Hz,1H)、7.18−7.24(m,1H)、7.31(d,J=8.69Hz,1H)、7.66(d,J=8.69Hz,1H)、7.88(d,J=8.69Hz,1H)、8.09(d,J=2.09Hz,1H)、9.52(d,J=6.95Hz,1H)、1.90(s,1H)。
【0076】
[実施例8]
(化合物番号15)
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチルキナゾリン−4(3H)−オン
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
1mlの無水酢酸中の0.100g(0.31mmol)の2−アミノ−5−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸(WO03/084956に記載されている実施例150)を3時間にわたって還流させる。この反応媒体を、減圧下で濃縮する。0.107gの黄色固体が得られる。
融点:218℃
【0077】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチルキナゾリン−4(3H)−オン
2mlの20%のアンモニア水溶液中の0.100g(0.29mmol)の6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンを2時間にわたって50℃で加熱し、次に3mlの10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて加水分解し2時間にわたって50℃にする。この反応媒体を、1Nの塩酸の水溶液により酸性化してpH=9にする。得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の40℃で一晩乾燥させる。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。67mgの黄色固体が得られる。
融点:290℃
MH+:348
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.75(s,3H)、2.39(s,3H)、3.82(s,3H)、6.98(t,J=7.07Hz,1H)、7.22−7.27(m,1H)、7.66−7.70(m,2H)、7.94(d,J=8.19Hz,1H)、8.20(d,J=2.23Hz,1H)、9.61(d,J=7.07Hz,1H)、12.39(s,1H)。
【0078】
[実施例9]
(化合物番号43)
3−{2−メチル−3−[(2−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル]インドリジン−1−イル}安息香酸のナトリウム塩
2−アミノ−5−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸
4.92ml(4.92mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、30mlのメタノール中の1.91g(4.69mmol)のメチル2−アミノ−5−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエートに加える。この反応媒体を10時間にわたって還流させ、次に1Nの塩酸の水溶液を加えて加水分解する。その水相を酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた固体をジイソプロピルエーテルおよびジクロロメタンによりすすぎ、減圧下の50℃で一晩乾燥させる。1.55gの黄色固体が得られる。
MH+:374
融点:230℃
【0079】
6−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチルキナゾリン−4(3H)−オン
3.79mlの無水酢酸中の0.450g(1.15mmol)の2−アミノ−5−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]安息香酸を、不活性雰囲気下で1.5時間にわたって還流させる。この反応媒体を、減圧下で濃縮する。
アンモニアの0.5Nの水溶液の8ml中で得られた0.457g(1.15mmol)の固体を、ジオキサン中で、1時間にわたって50℃で加熱する。ジイソプロピルエーテルの添加後、形成された沈殿物を濾別し、水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。182mgの黄色固体が得られる。
MH+:348
【0080】
メチル3−{2−メチル−3−[(2−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル]インドリジン−1−イル}ベンゾエート
0.139g(0.78mmol)の[3−(メトキシカルボニル)ボロン酸、0.81mlの水に溶解した0.321g(1.29mmol)のリン酸カリウム二水和物、および0.0149g(0.01mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、室温のアルゴン雰囲気下で、9mlのDMF中の0.256g(0.65mmol)の6−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチルキナゾリン−4(3H)−オンに加える。この反応媒体を、15分間にわたって150℃でマイクロ波加熱する。酢酸エチルで希釈後その有機相を1Nの塩酸の水溶液および次に塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/2)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。172mgの黄色固体が得られる。
融点:232℃
MH+:452
【0081】
3−{2−メチル−3−[(2−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル]インドリジン−1−イル}安息香酸のナトリウム塩
0.45ml(0.45mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、4mlのメタノール中のメチル3−{2−メチル−3−[(2−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イル)カルボニル]インドリジン−1−イル}ベンゾエートに加える。この反応媒体を、10時間にわたって還流させ、次いで1Nの塩酸の水溶液を加えて加水分解させる。この水相を酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた固体を水ですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。0.12ml(0.12mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、4mlのメタノール中の0.056gの得られた固体に加える。この反応媒体を1時間にわたって撹拌し、次にジイソプロピルエーテルを加える。得られた沈殿物を、濾別し、ジイソプロピルエーテルですすぎ、次に減圧下の50℃で一晩乾燥させる。58mgの黄色固体が得られる。
融点:344℃
MH+:438
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.83(s,3H)、2.40(s,3H)、7.04(t,J=6.70Hz,1H)、7.25−7.44(m,3H)、7.55(d,J=8.04Hz,1H)、7.70(d,J=8.71Hz,1H)、7.85(d,J=6.70Hz,1H)、7.92(s,1H)、8.04(d,J=8.04Hz,1H)、8.31(s,1H)、9.59(d,J=6.70Hz,1H)、12.53(s,1H)。
【0082】
[実施例10]
(化合物番号48)
6−{[1(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}−3−プロピルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
メチル2−アミノ−5−[(1−ヒドロキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]ベンゾエート
0.365mg(5.79mmol)のギ酸アンモニウムおよび0.102g(0.1mmol)のパラジウム炭素(10%)を、不活性雰囲気下の室温で、30mlのDMF中のメチル2−アミノ−5−{[1−(ベンジルオキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}ベンゾエートに加える。この反応媒体を、3時間にわたって室温で撹拌し、次いで濾過する。そのパラジウムを、酢酸エチルですすぐ。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。
緑色の油状物が得られる。
MH+:325
【0083】
メチル2−アミノ−5−{[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}ベンゾエート
0.161g(1.16mmol)の1−ブロモ−2−メトキシエタンおよび0.359mg(1.16mmol)の炭酸セシウムを、室温の不活性雰囲気下で、10mlのDMF中の0.313g(0.97mmol)のメチル2−アミノ−5−{[1−ヒドロキシ−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}ベンゾエートに加える。この反応媒体を、24時間にわたって室温で撹拌し、水を加えて加水分解し、次いで1Nの塩酸の水溶液で酸性化する。この水相を酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させる。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。150mgの黄色油状物が得られる。
MH+:383
【0084】
メチル5−{[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}−2−[(プロピルカルバモイル)アミノ]ベンゾエート
1mlのジオキサン中に希釈されている0.108g(0.37mmol)のトリホスゲンを、室温の不活性雰囲気下で、5mlのジオキサン中の0.2g(0.52mmol)のメチル2−アミノ−5−{[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}ベンゾエートに加える。この反応媒体を、1時間にわたって室温で撹拌し、次いで0.22ml(1.57mmol)のトリエチルアミンおよび0.09ml(1.05mmol)のn−プロピルアミンを加える。18時間にわたって撹拌した後、この反応媒体を、水を加えて加水分解する。その水相をジクロロメタンで抽出する。得られた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた固体は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。170mgの黄色固体が得られる。
融点:125℃
MH+:468
【0085】
6−{[1(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}−3−プロピルキナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン
0.44ml(0.44mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、5mlのメタノール中の0.17g(0.36mmol)のメチル5−{[1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルインドリジン−3−イル]カルボニル}−2−[(プロピルカルバモイル)アミノ]ベンゾエートに加える。この反応媒体を7時間にわたって還流させる。
【0086】
この反応媒体を、1Nの塩酸の水溶液で酸性化する。得られた沈殿物を濾別し、水ですすぎ、減圧下の50℃で一晩乾燥させる。
79mgの黄色固体が得られる。
融点:215℃
MH+:436
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
0.89(t,J=7.17Hz,3H)、1.55−1.67(m,2H)、1.82(s,3H)、3.31(s,3H)、3.56−3.61(m,2H)、3.83−3.90(m,2H)、4.05−4.10(m,2H)、6.95(t,J=7.17Hz,1H)、7.19−7.24(m,1H)、7.27(d,J=8.44Hz,1H)、7.63(d,J=8.86Hz,1H)、7.87(d,J=8.44Hz,1H)、8.10(d,J=2.11Hz,1H)、9.51(d,J=7.17Hz,1H)、1.7(s,1H)。
【0087】
[実施例11]
(化合物番号62)
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン
1.8ml(12.92mmol)のトリエチルアミンを、不活性雰囲気下の室温で、15mlのジクロロエタン中の1.7g(10.77mmol)の1−メトキシ−2−メチルインドリジンに加え、続いて2.2g(11.85mmol)の4−ニトロ安息香酸クロリドを滴下する。この反応媒体を室温で30分間にわたって撹拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えて加水分解し、次いでジクロロメタンにより抽出する。その有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄する。3gの有機固体が得られる。
MH+:311
融点:151℃
【0088】
(4−アミノフェニル)(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)メタノン
1.93g(34.46mmol)の鉄および8.21ml(143.57mmol)の氷酢酸を、120mlの水とエタノールの2/1の混合物中の2.97g(9.57mmol)の(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノンに加える。この反応媒体を3時間にわたって80℃で加熱する。この反応媒体を酢酸エチルで抽出する。その有機相を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で、次に塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。2.58gの黄色固体が得られる。
MH+:281
【0089】
エチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
0.36mlのジエチルエトキシメチレンマロネートを、室温の不活性雰囲気下で、6mlのトルエン中の0.4g(1.43mmol)の(4−アミノフェニル)(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)メタノンに加える。この反応媒体を、110℃で1時間45分にわたって加熱し、次に減圧下で濃縮する。得られた残渣を8.2mlのジフェニルエーテルに溶解し、次いで230℃で1時間20分にわたって加熱する。ジイソプロピルエーテルおよびペンタンを室温で加えた後、形成された沈殿物を濾別してペンタンですすぐ。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。142mgの黄色粉末が得られる。
融点:271℃
MH+:405
【0090】
エチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
3.8g(27.89mmol)の炭酸カリウムおよび1.74ml(27.89mmol)のヨウ化メチルを、不活性雰囲気下の室温で、100mlのDMF中の10g(23.24mmol)のエチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を、1時間30分にわたって90℃で加熱する。この反応媒体を、タルクを通して濾過し、ジクロロメタンで希釈し、次いで水で洗浄する。その有機相を、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。9.1gの黄色固体が得られる。
融点:258℃
MH+:419
【0091】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
0.34ml(0.34mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、4mlのt−ブタノールと水(1/1)の混合物中の0.348g(0.83mmol)のエチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を2時間にわたって還流させる。
【0092】
この反応媒体を1Nの塩酸の水溶液により酸性化する。得られた沈殿物は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0093】
0.56ml(0.56mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、4mlのメタノール中の0.231gの得られた固体に加える。この反応媒体を、1時間にわたって撹拌し、次いでジエチルエーテルを加える。得られた沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。265mgの黄色固体が得られる。
融点:258℃
MH+:391
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.75(s,3H)、3.8(s,3H)、3.96(s,3H)、6.96(t,J=6.43Hz,1H)、7.22(t,J=6.89,1H)、7.66(d,J=8.72Hz,1H)、7.82(d,J=8.27Hz,1H)、7.96(d,J=8.27Hz,1H)、8.45(s,1H)、8.69(s,1H)、9.57(d,J=7.35Hz,1H)。
【0094】
[実施例12]
(化合物番号73)
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−プロパ−2−エン−1−イル−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2,4(1H)−ジオン
0.5ml(5.71mmol)の臭化アリルおよび0.19g(4.28mmol)の60%の水素化ナトリウムを、室温の不活性雰囲気下で、15mlのDMF中の1g(2.85mmol)の6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2,4(1H)−ジオンに加える。この反応媒体を2時間にわたって室温で撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。残渣に氷を加えた後、形成された沈殿物を、濾別し、水ですすぎ、減圧下の50℃で一晩乾燥させる。0.773gの黄色固体が得られる。
MH+:391
【0095】
エチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1−プロパ−2−エン−1−イル−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
20mlの無水DMFに希釈されている0.49ml(3.80mmol)のアセト酢酸エチルを、室温の不活性雰囲気下で、30mlのDMF中の0.66g(1.52mmol)の6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−プロパ−2−エン−1−イル−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2,4(1H)−ジオンに加える。この反応媒体を室温で一晩撹拌し、次いで酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、次いで減圧下で濃縮する。
【0096】
得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.441gの黄色固体が得られる。
融点:101℃
MH+:459
【0097】
エチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
6.7mg(0.02mmol)のジクロロ(2,6,10−ドデカトリエン)−1,12−ジイルルテニウム(IV)を、不活性雰囲気下の室温で、DMFt−ブタノールと水(1/1)の12mlの混合物中の0.307(0.67mol)のエチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1−プロパ−2−エン−1−イル−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を、30分間にわたって120℃でマイクロ波加熱し、次いで酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた沈殿物は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。94mgの黄色固体が得られる。
融点:257℃
MH+:419
【0098】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸のナトリウム塩
0.32ml(0.32mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、4mlのエタノール中の0.066g(0.16mmol)のエチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−2−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を2時間にわたって還流させる。
【0099】
この反応媒体を、1Nの塩酸の水溶液で酸性化する。得られた沈殿物は、溶離がジクロロメタン/メタノール(95/5)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0100】
0.04ml(0.04mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、2mlのメタノール中の0.019gの得られた固体に加える。この反応媒体を、1時間にわたって撹拌し、次いでジエチルエーテルを加える。得られた沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。16mgの黄色固体が得られる。
MH+:391
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.79(s,3H)、2.76(s,3H)、3.83(s,3H)、6.91(t,J=6.28Hz,1H)、7.17(t,J=7.70Hz,1H)、7.61−7.77(m,3H)、8.31(s,1H)、9.50(d,J=6.56Hz,1H)。
【0101】
[実施例13]
(化合物番号96)
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
3.07ml(37.09mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、t−ブタノールと水(1/1)の36mlの混合物中の3g(7.42mmol)のエチル6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を2時間にわたって還流させる。
【0102】
この反応媒体を1Nの塩酸の水溶液により酸性化する。得られた沈殿物を酢酸エチルで、メタノールで、次に水ですすぎ、減圧下で一晩、50℃で乾燥させる。1.8gの黄緑色の固体が得られる。
【0103】
同時に、有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をエーテルですすぎ、減圧下で一晩50℃で乾燥させる。0.85gの黄色固体が得られる。
融点:289℃
MH+:377
【0104】
6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−N−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
0.36g(5.31mmol)のメチルアミン塩酸塩、1.3g(3.99mmol)のTOTUおよび1.37g(10.63mmol)のDIEAを、23mlの無水のDMF中の1g(2.66mmol)の6−[(1−メトキシ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸に加える。この反応媒体を窒素雰囲気下の室温で、8時間にわたって撹拌する。0.36g(5.33mmol)のメチルアミン塩酸塩をこの反応媒体に加える。室温で18時間後、この反応媒体を1NのHClの溶液を加えて加水分解し、次いで酢酸エチルで抽出する。この有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液により洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.06gの黄色固体が得られる。
融点:324℃
MH+=390
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.75(s,3H)2.86(d,J=4.8Hz,3H)3.82(s,3H)6.99(td,J=6.9,1.3Hz,1H)7.25(ddd,J=8.8,6.8,0.9Hz,1H)7.68(d,J=8.8Hz,1H)7.81(d,J=8.5Hz,1H)7.96(dd,J=8.6,2.0Hz,1H)8.40(d,J=1.9Hz,1H)8.80(s,1H)9.61(d,J=7.1Hz,1H)9.70−9.82(m,1H)12.88(br.s.,1H)。
【0105】
[実施例14]
(化合物番号105)
N−1−ジメチル−6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
(2−メチルインドリジン−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノン
4.54ml(32.52mmol)のトリエチルアミンを、不活性雰囲気下の室温で、15mlのジクロロエタン中の3.56g(27.14mmol)の2−メチルインドリジンに加え、続いて5.53g(29.85mmol)の4−ニトロ安息香酸クロリドを滴下する。この反応媒体を室温で18時間にわたり撹拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えて加水分解し、ジクロロメタンで抽出する。この有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄する。5.69gの黄色固体が得られる。
MH+:281
融点:149℃
【0106】
(4−アミノフェニル)(2−メチルインドリジン−3−イル)メタノン
5.66g(86.57mmol)の亜鉛および20.63ml(360.71mmol)の氷酢酸を、120mlの水とエタノールの2/1の混合物中の6.74g(24.05mmol)の(2−メチルインドリジン−3−イル)(4−ニトロフェニル)メタノンに加える。この反応媒体を80℃で4時間にわたって加熱する。0.57g(8.7mmol)の亜鉛および2.06mlの氷酢酸を加える。還流を1時間にわたって維持する。室温でこの反応媒体を濾別する。得られた残渣を酢酸エチルおよびメチルTHFですすぐ。その有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で、次いで塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。4.9gの黄色固体が得られる。
MH+:251
融点:186℃
【0107】
エチル6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
1.69mlのジエチルエトキシメチレンマロネートを、室温の不活性雰囲気下で、23mlのトルエン中の1.83g(6.8mmol)の(4−アミノフェニル)(2−メチルインドリジン−3−イル)メタノンに加える。この反応媒体を1時間45分にわたって110℃で加熱し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣を45mlのジフェニルエーテルに溶解し、次いで230℃で30分間加熱する。室温でジイソプロピルエーテルを加えた後、形成された沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルで、メタノールで、次いでジクロロメタンですすぎ、減圧下の50℃で一晩乾燥させる。1.2gの黄色粉末が得られる。
MH+:375
融点:287℃
【0108】
エチル6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレート
1.53g(11.12mmol)の炭酸カリウムおよび0.69ml(11.12mmol)のヨウ化メチルを、不活性雰囲気下の室温で、100mlのDMF中の3.73g(9.27mmol)のエチル6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を、90℃で2時間にわたって加熱する。0.384g(2.78mmol)の炭酸カリウムおよび0.173ml(2.78mmol)のヨウ化メチルを加え、次いでその加熱を40分間続ける。この反応媒体を、水を加えて加水分解し、次いで酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出する。その有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。3.15gの黄色固体が得られる。
融点:232℃
MH+:389
【0109】
6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸
0.27ml(3.22mmol)の1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を、室温で、9mlのt−ブタノールと水(1/1)の混合物中の0.5g(1.29mmol)のエチル6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシレートに加える。この反応媒体を、1時間にわたって還流させ、室温で1Nの塩酸の水溶液で酸性化し、次いでジクロロメタンで抽出する。この有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮する。得られた残渣をエーテルですすぎ、次いで減圧下の50℃で乾燥させる。448mgの黄色固体が得られる。
融点:308℃
MH+:361
【0110】
N−1−ジメチル−6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
0.16g(2.44mmol)のメチルアミン塩酸塩、0.6g(1.59mmol)のHBTUおよび0.74ml(4.27mmol)のDIEAを、7mlの無水のDMF中の0.44g(1.22mmol)の6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸に加える。この反応媒体を、窒素雰囲気下の室温で、5時間30分間にわたって撹拌する。0.16g(2.44mmol)のメチルアミン塩酸塩、602mg(1.29mmol)のHBTUおよび0.74ml(4.27mmol)のDIEAを、この反応媒体に加える。室温で48時間後、この反応媒体を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えて加水分解し、次いでジクロロメタンで抽出する。この有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.273gの黄色固体が得られる。
融点:328℃
MH+:374
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.85(s,3H)2.86(d,J=4.8Hz,3H)4.08(s,3H)6.53(s,1H)7.01(td,J=6.9,1.3Hz,1H)7.24−7.33(m,1H)7.67(d,J=8.8Hz,1H)7.96(d,J=8.8Hz,1H)8.06(dd,J=8.7,2.1Hz,1H)8.48(d,J=2.0Hz,1H)8.92(s,1H)9.61(d,J=7.0Hz,1H)9.67−9.76(m,1H)。
【0111】
[実施例15]
(化合物番号106)
N−1−ジメチル−6−{[2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)インドリジン−3−イル]カルボニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩
6−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−N−1−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
0.108mg(0.6mmol)のN−ブロモスクシンイミドを、窒素雰囲気下の室温で、6mlのジクロロメタン中の0.188g(0.5mmol)のN−1−ジメチル−6−[(2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドに加える。室温で3時間にわたって撹拌した後、この反応媒体を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えて加水分解し、次いでジクロロメタンで抽出する。この有機相を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、次いで減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。0.217gの黄色固体が得られる。
MH+=453
【0112】
N−1−ジメチル−6−{[2−メチル−1−(ピリジン−4−イル)インドリジン−3−イル]カルボニル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド
0.061g(0.29mmol)の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン、0.178g(0.72mmol)のリン酸カリウム二水和物および0.0055g(0.004mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、室温のアルゴン雰囲気下で、2.5mlのDMF中の0.108g(0.24mmol)の6−[(1−ブロモ−2−メチルインドリジン−3−イル)カルボニル]−N−1−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミドに加える。この反応媒体を、150℃で15分間マイクロ波加熱する。その反応媒体を、タルクを通して濾過する。得られた残渣を、ジクロロメタンで、そしてメタノールで洗浄する。その有機相を減圧下で濃縮する。得られた残渣は、溶離がジクロロメタン/メタノール(90/10)の混合物により行なわれるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。53mgの黄色固体が得られる。
【0113】
この固体を、2mlのメタノールに溶解する。0.16ml(0.16mmol)の1NのHClの溶液を窒素雰囲気下の室温で加える。5分間撹拌後、エーテルを加える。得られた沈殿物を、濾別し、エーテルですすぎ、次いで減圧下の50℃で一晩乾燥させる。55mgの黄色固体が得られる。
融点:228℃
MH+=451
1H−NMR(D6−DMSO,400MHz)δppm:
1.99(s,3H)2.87(d,J=4.7Hz,3H)4.09(s,3H)7.20(t,J=6.5Hz,1H)7.48−7.55(m,1H)7.93(d,J=9.0Hz,1H)7.99(d,J=8.9Hz,1H)8.02(d,J=5.6Hz,2H)8.19(dd,J=8.8,2.0Hz,1H)8.65(d,J=2.0Hz,1H)8.83(d,J=6.5Hz,2H)8.94(s,1H)9.46(d,J=7.0Hz,1H)9.65−9.74(m,1H)。
【0114】
次の表は、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を示す。この表において:
−MeおよびEtは、それぞれ、メチル基およびエチル基を表し、
−波線は、分子の残部に接続している結合を表し、
−Mpは、摂氏温度で示される化合物の融点を表し、
−M+H
+は、LC−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析)によって得られた化合物の質量を表す。
【0115】
【表1】
【0116】
本発明による化合物は、それらのFGF阻害効果を判定するための薬理検定の対象となった。
【0117】
[実施例16]
HUVEC細胞のFGF−2誘発インビトロ血管新生
本発明のFGF−RアンタゴニストのFGF誘発血管新生を阻害する能力を実際に示すために、インビトロ血管新生実験が、FGF−2またはb−FGFで刺激されるHUVECタイプのヒト内皮細胞により行なわれた。
【0118】
これを行なうために、マトリゲル(増殖因子を減らしたマトリゲル、Becton Dickinson 356230)およびコラーゲン(ラット尾部コラーゲンタイプ1、Becton Dickinson 354236)からなる基質を、それぞれのチャンバースライドのウェル(Biocoat Cellwareコラーゲン、タイプ1、8ウェル培養面:Becton Dickinson 354630)中に、160μlの割合で、または96ウェルプレート(バイオコートコラーゲンIセルウェア(Biocoat Collagen I Cellware)、Becton Dickinson 354407)のウェル当り60μlの割合で析出させる。この基質は、マトリゲルの1/3、1mg/最終濃度1mlのコラーゲン、NaOH(0.1N)(0.026×μlでのコラーゲンの量)および1×PBSを混合し、容積をその後水で調節することによって調製される。そのゲルは、それらが重合することを可能にするように37℃で1時間保たれる。次に、ヒト静脈内皮細胞(HUVECs ref:C−12200−Promocell)を、400または120μl(それぞれ8ウェルまたは96ウェルプレートに対する)のEBM媒体(Clonetics C3121)+2%FBS+10μg/hEGFのml中に15×10
3または6×10
3細胞/ウェルで播種した。それらを、5%CO
2の存在下の37℃で1または3ng/mlのFGF−2(R&D systems、133−FB−025;Invitrogen、PHG0026)により刺激した。24時間後、形成された微小管のネットワークの長さをコンピューター支援画像解析システム(Imagenia Biocom、Courtaboeuf、フランス)を用いて測定し、各ウェルにおける偽腺管の全体の長さを確定した。ミクロキャピラリーネットワークの平均の全体長さを6回の反復の平均に相当する各条件に対してμmで計算した。
【0119】
FGF2による刺激は、新たな小管の形成を誘発することを可能にする。FGF−Rアンタゴニストは、この試験において、それが、300nM以下の投与量でこの血管新生を部分的に阻害することができる限りは活性であると見なされる。
【0120】
GF−Rアンタゴニストに対するスクリーニングの例
この実験において、分子は、FGF−2によるHUVECヒト細胞の血管新生の誘発に対して3および30nMで評価される。アンタゴニスト化合物番号87、88、89および90は、それらが300nM以下の投与量で、20%以上である偽腺管形成の阻害活性を示すので活性であると断じられる。
【0121】
【表2】
【0122】
[実施例17]
HUVEC細胞のFGF−2誘発インビトロ増殖
本発明のFGF−RアンタゴニストのFGF誘発細胞増殖を阻害する能力を実際に示すために、インビトロ増殖実験が、FGF−2またはb−FGFで刺激されるHUVECタイプのヒト内皮細胞により行なわれた。
【0123】
これを行なうために、HUVECヒト静脈内皮細胞(promocell、C−12200)を、0.5%または1%のFCS、2mMのグルタミン、1×ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、11360−039)および1×NEAA(Invitrogen、11140−035)を補足した100μlのRPMI1640欠乏培地(Invitrogen、31872−025)中に、96ウェルプレート(Biocoat Collagen I Cellware、Becton Dickinson 354650)の1ウェル当り5000の細胞の割合で、5%CO
2の存在下の37℃で一晩播種する。翌朝、この媒体を、吸い上げ、該アンタゴニストを2倍の濃度で含有する50μlの欠乏培地と取り換え、そこに50μlの0.2ng/ml(すなわち2倍)のFGF−2(R&D systems、133−FB−025;Invitrogen、PHG0026)を加える。48または72時間後、細胞中に存在していて細胞増殖に対応するウェル当りの細胞の数と関連するATPの量を照度計により測定するために、100μlのCell Titer−GLO(商標) Luminescent Cell Viability Assay(発光細胞生死判別試験)(Promega、G7571)を10分間にわたって加える。
【0124】
本発明のアンタゴニストは、それらがFGF−2に誘発されるHUVEC細胞の増殖を300nM以下の投与量で阻止することができる限りは活性であると見なされる。
【0125】
FGF−2によって誘発され、FGF−Rアンタゴニストによって阻害されるHUVEC細胞増殖の例
化合物番号66および69は、それらが存在すると、20%以上の増殖の減少が300nM以下の投与量に対して見られるので、FGF−2に誘発される細胞増殖を阻止する。
【0126】
【表3】
【0127】
より一般的には、本発明による全ての化合物は、FGF−2によって誘発されるHUVEC細胞のインビトロ血管新生においてまたはFGF−2によって誘発されるHUVEC細胞のインビトロ増殖において、300nMの投与量で活性である。
【0128】
[実施例18]
マウスにおける炎症性血管新生のモデル
血管新生は、関節リウマチ等の慢性炎症性疾患の発達に対して必要である。新たな血管の形成は、病理組織の潅流のみでなく疾患の慢性化を定着させることに関与するサイトカインの輸送もまた可能にする。
【0129】
1995年にColville−Nashらによって記載されているモデルは、炎症性状況にある血管新生の発生を調節することができる薬理作用のある物質を研究することを可能にしている。そのモデルは、ほぼ25gの重量のOF1メスマウス(Charles River Laboratories)に基づき、12の群によって生み出されている。その動物は、腹腔内がナトリウムペントバルビタール(60mg/kg;Sanofi Nutrition Sante animale)で麻酔にかけられる。空洞部分が、3mlの空気の皮下注射によってマウスの背中に作られる。その動物は、眠りから起こされた後、一般に経管栄養による処置を受け、0.5mlの0.1%のクロトン油(Sigma)を含むフロイントアジュバント(Sigma)の注射をその空洞部分に受ける。7日後、そのマウスを再び麻酔にかけ、40℃のホットプレート上に置く。1mlのカーミンレッド(Aldrich Chemicals、10%のゼラチン中5%)を、尾静脈中に注射する。その動物を次に4℃で2−3時間置く。次いで、皮膚を取り、56℃のオーブン中で24時間乾燥させる。その乾燥組織を計量し、1.8mlの温浸溶液(2mMのジチオスレイトール、20mMのNa
2PO
4、1mMのEDTA、12U/mlのパパイン)に24時間にわたって入れる。染料を、次に、0.2mlの5MのNaOH中に溶解する。皮膚を室温で10分間、2000rpmでの遠心分離にかける。上澄みを、0.2μmの酢酸セルロース膜を通して濾過する。その濾液をカーミンレッド較正範囲と対照した492nmにおける分光光度計で読み取る。2つのパラメーター、肉芽腫の乾燥重量および組織の温浸後の染料の量、を調査する。その結果は平均値(±sem)として表す。群の間の違いは、分散分析(ANOVA)と、それに続く参照群が「溶媒コントロール」群であるダンネットの試験(Dunnet’s test)により試験される。
【0130】
FGF−Rアンタゴニストは、ビヒクルとしてメチルセルロース/ツイーン(0.6%容積比)または活性成分が可溶化されることを可能にする任意のその他のビヒクルを用いて1から50mg/kgの間で評価する。該分子は、毎日経管栄養により経口で(1日1回もしくは2回)投与される。本発明のアンタゴニストは、それらが血管新生パラメーターにおける顕著な低減、すなわち、試験された動物の皮膚中のカーミンレッド染料の量の減少を可能にする限りは活性であると見なされる。
【0131】
マウスにおける炎症性血管新生のモデルにおけるFGF−Rアンタゴニストの評価の例。
【0132】
化合物番号76および35(実施例1)は、10または30mg/kgにおいて、毎日の治療の1週間後、測定された2つのパラメーター:モデルの炎症部分に相当する肉芽腫の重量(皮膚の乾燥重量)および血管新生に対応する染料含量、を著しく減少する。
【0133】
【表4】
【0134】
[実施例19]
マウスにおける4T1同所性乳癌モデル
マウスの腫瘍モデルにおけるFGF−Rアンタゴニストの効果を評価するために、4T1マウス乳癌細胞を、乳腺中に注射する。その細胞は、腫瘍微小環境の細胞の浸潤後に腫瘍が形成されるまで増殖する。
【0135】
この4T1細胞は、10%のFCSおよび1%のグルタミンを含有し、1mg/mlのジェネテシンを補足したRPMI1640媒体中で培養する。マウスへの注射の日に、4T1細胞の濃度は、50μl中1×10
5の細胞を注入するためにPBS中2×10
6細胞/mlに調節する。
【0136】
マウス(Balb/c、雌、Charles River、ほぼ8±2週間経ったもの)は、5%のRompun(キシラジン)、10%のImalgen(ケタミン)および85%NaClの混合物を10ml/kgの割合で腹腔内注射することによって麻酔をかける。注入ゾーン(右乳頭の先端)を、ヘキソメジンにより殺菌する。細胞をボルテックスした後50μlをシリンジ中で移動させて26Gの針で乳頭に注射する。注射の日はD1に相当する。マウス各群には15匹のマウスがいる(10匹のマウスはELISA試験に、5匹のマウスは組織学的検査に供される。)。FGF−Rアンタゴニストは、メチルセルロース/ツイーン(0.6%容積比)または活性成分を可溶化することを可能にする任意のその他のビヒクル中で、1から50mg/kgの間で評価する。該分子は経管栄養により経口で(1日1回もしくは2回)、毎日投与され、これは、D5から試料が採取される前日であるD21まで行なわれる。D5から、腫瘍は、できるだけ速く、二日毎に、または実験の後は毎日でも、キャリパー(ノギス)を用いて測定される。それは以下の方法で行なわれる:最大長さ(L)および中央までの垂線(I)をmmで測定する。mm
3での体積を、次に、楕円体の体積を決定する数式:(I
2×L)×0.52、を用いて明らかにする。試料を採取する日、一般的にはD22に、マウスは腫瘍の体積を測定した後過剰のナトリウムペントバルビタールを用いて屠殺する。腫瘍はその後きれいにして写真を撮り、重さを量る。肺もまた除去してボイン染色(boin staining)した後腫瘍転移を数える。
【0137】
本発明のアンタゴニストは、それらが腫瘍の体積および/または肺腫瘍転移の数の著しい減少を可能にする限りは活性であると見なされる。
【0138】
マウスにおける4T1乳癌の例
炎症性血管新生モデルにおいて活性であると見なされた化合物を、マウスの4T1乳癌モデルで、1から50mg/kgの間で評価し、最大37%の腫瘍体積の削減および最大38%の肺腫瘍転移の減少が示された。
【0139】
従って、本発明による式(I)の化合物は、それらのFGFアンタゴニスト効果のおかげで、インビトロおよびインビボで、血管新生、腫瘍成長および転移を減少するものと思われる。
【0140】
一般に、FGFおよびそれらの受容体は、癌細胞増殖の刺激の異常調節が存在する現象において、自己分泌、パラ分泌または接触分泌の分泌物によって重要な役割を果たす。その上、FGFおよびそれらの受容体は、腫瘍増殖に対してと、さらに転移現象に対しての両方に主要な役割を果たす腫瘍血管新生に影響を及ぼす。
【0141】
血管新生は、既存の血管から、または骨髄細胞の可動化および分化により新しい毛細血管が発生するプロセスである。従って、制御されていない内皮細胞の増殖および骨髄からの血管芽細胞の可動化の両方が、腫瘍新血管新生プロセスにおいて観察される。いくつかの増殖因子が、とりわけFGF−1またはa−FGFおよびFGF−2またはb−FGFにおいて内皮の増殖を刺激することが、インビトロおよびインビボで示されている。これら2つの因子は培養液中の増殖、移動および内皮細胞によるプロテアーゼの産生、ならびにインビボでの新血管新生を誘発する。a−FGFおよびb−FGFは、内皮細胞と、2つの種類の受容体、細胞表面および細胞外基質に位置している高親和性受容体のチロシンキナーゼ(FGF−R)および低親和性受容体のヘパリン硫酸プロテオグリカン(HSPG)タイプを介して相互に作用する。内皮細胞に対するこれら2つの因子のパラ分泌の役割は広く説明されてはいるが、これらのFGFは、自己分泌プロセスによってこれらの細胞に介入することもできる。従って、FGFおよびそれらの受容体は、血管新生プロセスを阻害することを目指す療法のための非常に適切な標的を表す(Keshet E、Ben−Sasson SA.、J.Clin.Invest、(1999)、Vol.501、pp.104−1497;Presta M、Rusnati M、Dell’Era P、Tanghetti E、Urbinati C、Giuliani R.ら、New York:Plenum Publishers、(2000)、pp.7−34、Billottet C、Janji B、Thiery J.P.、Jouanneau J、Oncogene、(2002)、Vol.21、pp.8128−8139)。
【0142】
さらに、種々のタイプの腫瘍細胞のFGFおよびそれらの受容体(FGF−R)による発現を測定することを目的とする系統的な研究は、これら2つの因子に対する細胞応答が、研究されたヒト腫瘍系の大多数において機能的であることを実証した。これらの結果は、FGF受容体アンタゴニストが腫瘍細胞の増殖を阻害することもできるという仮説を支持する(Chandler LA、Sosnowski BA、Greenlees L、Aukerman SL、Baird A、Pierce GF.、Int.J.Cancer、(1999)、Vol.58、pp.81−451)。
【0143】
FGFは、前立腺細胞の成長および維持において重要な役割を果たす。これらの因子に対する細胞応答の低下が、前立腺癌の進行において重要な役割を果たすことが、動物モデルおよびヒトの両方で示されている。特に、これらの病態において、腫瘍中に存在する線維芽細胞、間質細胞、残留基底細胞および内皮細胞によるa−FGF、b−FGF、FGF−6、FGF−8などの産生の増加、および腫瘍細胞によるFGF受容体およびリガンドの発現の増加が記録される。従って、前立腺癌細胞のパラ分泌刺激が起こり、このプロセスがこの病態の重要な構成要素であるように思われる。本発明の化合物のようなFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、これらの病態における最適な治療になることができる(Giri D、Ropiquet F.、Clin.Cancer Res.、(1999)、Vol.71、pp.5−1063;Doll JA、Reiher FK、Crawford SE、Pins MR、Campbell SC、Bouck NP.、Prostate、(2001)、Vol.305、pp.49−293)(Sahadevanら、2007)(Kwabi−Addoら、2004)。
【0144】
いくつかの研究が、ヒト乳癌系(特にMCF7)および腫瘍のバイオプシーの両方で、FGFおよびそれらの受容体、FGF−Rの存在を示している。これらの因子は、この病態において、極めて攻撃的な表現型の様相に対して応答可能であり、強い転移を誘発するように思われる。従って、式Iの化合物のようなFGF−R受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、これらの病態における最適な治療になることができる(Vercoutter−Edouart A−S、Czeszak X、Crepin M、Lemoine J、Boilly B、Le Bourhis Xら、Exp.Cell Res.、(2001)、Vol.262、pp.59−68)(Schwertfeger、2009)。
【0145】
癌性のメラノーマは、高い頻度で転移を誘発し、それは種々の化学療法治療に対して非常に耐性のある腫瘍である。血管新生プロセスは、癌性メラノーマの進行において圧倒的な役割を演じる。その上、転移の発生の可能性は、原発腫瘍の血管新生反応の増加と共に非常に強力に増加することが示されている。メラノーマ細胞は、a−FGFおよびb−FGFを含めた種々の血管新生因子を産生して分泌する。その上、可溶性FGF−R1受容体によるこれらの2つの因子の細胞効果の阻害は、インビトロでのメラノーマ腫瘍細胞の増殖および生存をブロックし、インビボでの腫瘍の進行をブロックすることが示されている。従って、本発明の化合物のようなFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、これらの病態において最適な治療になることができる(Rofstad EK、Halsor EF.、Cancer Res.、(2000);Yayon A、Ma Y−S、Safran M、Klagsbrun M、Halaban R.、Oncogene、(1997)、Vol.14、pp.2999−3009)。
【0146】
神経膠腫細胞は、インビトロおよびインビボでa−FGFおよびb−FGFを産生し、それらの表面において種々のFGF受容体を有する。このことは、それ故、これらの2つの因子が、自己分泌およびパラ分泌の効果によって、このタイプの腫瘍の進行において中枢の役割を演じることを示唆している。さらに、充実性腫瘍の大多数のように、神経膠腫の進行および転移を誘発するそれらの能力は、原発腫瘍における血管新生のプロセスに高く依存している。FGF−R1受容体のアンチセンスがヒト星状細胞腫の増殖をブロックすることも示されている。さらに、ナフタレンスルホン酸誘導体は、インビトロでのa−FGFおよびb−FGFの細胞効果、ならびにインビボでこれらの増殖因子により誘発される血管新生を阻害することが記載されている。これらの化合物の大脳内への注入は、アポトーシスにおける非常に高い増加、および血管新生における実質的な減少を誘発し、ラットにおける神経膠腫のかなりの退縮となる。従って、本発明の化合物のような、a−FGFアンタゴニストおよび/またはb−FGFアンタゴニストおよび/またはFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、これらの病態おける最適な治療になることができる(Yamada SM、Yamaguchi F、Brown R、Berger MS、Morrison RS、Glia、(1999)、Vol.76、pp.28−66;Auguste P、Gursel DB、Lemiere S、Reimers D、Cuevas P、Carceller Fら、Cancer Res.、(2001)、Vol.26、pp.61−1717)(Loilomeら、2008)。
【0147】
活発な血管新生は肝臓癌または肝細胞癌(HCC)に対しても記載されている。インビボのHCCにおける腫瘍進行は、酸素および栄養素の多量の供給を必要とする。肝臓癌は、猛烈な修飾が動脈の血管新生反応に関して観察され、これは浸潤能および転移能の獲得をもたらすために、一般的には血管に由来する腫瘍である(Tanakaら、2006)。FGFは、HCC中の腫瘍血管新生の発生に活発に参加し、炎症過程と高い頻度でかかわり合いを持つ。それらはまた、慢性肝炎および肝臓硬化症の状況において過剰に発現され(Uematsuら、2005)、血中のFGF濃度は、HCCの臨床病理学的な進行と関連付けられている。その上、FGF−R4受容体、およびFGF−R1もまた、HCC腫瘍生成に活発にあずかるように記載されている(Huangら、2006)(Nicholesら、2002)。本発明のアンタゴニストは、それ故、肝細胞癌または肝臓癌に対する最適な治療であり得る。
【0148】
NSCLC(非小細胞肺癌)タイプの肺癌において、最近の研究は、b−FGF、FGF−9、FGF−R1およびFGF−R2が、NSCLC癌系において、特にゲフィチニブ等の抗EGFR処理に対して耐性のあるものにおいて、規則的に共発現されることを示している。これらの発現は、自己分泌細胞シグナル伝達による増殖およびNSCLCタイプ、主としてゲフィチニブによる処理に対して鈍感なタイプの腫瘍の足場非依存性増殖に対する能力と関係がある(Marekら、2008)。さらに、b−FGFは、NSCLC細胞の化学療法による処置の間の生き残りにおいて、抗アポトーシスタンパク質BCL−2、BCL−X、XIAPまたはBIRC3の過剰発現を誘発することによって重要な役割を果たすものと示唆されている(Pardoら、2002、2003および2006)。従って、本発明のもの等のFGF受容体アンタゴニストは、単独またはEGF受容体阻害剤または化学療法との組み合わせで、NSCLCタイプの肺癌に対する最適な治療になることができる。
【0149】
胃癌のほぼ10%において、このFGF−R2遺伝子増幅が見られる。この増幅は、びまん性タイプの癌に対する乏しい生命予後と関連する。腫瘍細胞の増殖は、リガンド非依存性またはFGF−7によるパラ分泌活性化依存性であり得る(Turnerら、2010)。本発明のアンタゴニストは、それ故、胃癌に対する最適な治療であり得る。
【0150】
最近になって、白血病およびリンパ腫におけるプロ血管新生剤の潜在的な役割が立証されている。確かに、一般に、これらの病態における細胞クローンは、免疫システムによって自然に破壊されるか、または、それらの残存とその後のそれらの増殖を促進する血管新生表現形質に切り替わることができることが報告されている。表現形質におけるこの変化は、血管新生因子の過剰発現によって、特にマクロファージおよび/またはこれらの因子の細胞外基質からの動態化によって誘発される(Thomas DA、Giles FJ、Cortes J、Albitar M、Kantarjian HM.、Acta Haematol、(2001)、Vol.207、pp.106−190)。血管新生因子の中で、b−FGFは、多くのリンパ芽球および造血器の腫瘍細胞系において検知されている。FGF受容体もこれらの系の多くに存在しており、これらの細胞の増殖を含めたa−FGFおよびb−FGFの潜在的細胞自己分泌作用を示唆している。さらに、パラ分泌作用による骨髄血管新生は、これらの病態のいくつかの進行と相関していることが報告されている。
【0151】
より具体的には、CLL(慢性リンパ性白血病)細胞において、b−FGFが抗アポトーシスタンパク質(Blc2)の発現を増加させ、これらの細胞の生存性の増加をもたらし、よってそれらの癌化に大きく参加することが示されている。加えて、これらの細胞において測定されるb−FGFのレベルは、疾患の臨床上の進行の段階、およびこの病態において適用される化学療法(フルダラビン)に対する耐性と、非常によく相関している。従って、本発明の化合物のようなFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、単独またはこの病態において活性であるフルダラビンもしくはその他の製品との組み合わせのいずれかにおいて、最適な治療になることができる(Thomas DA、Giles FJ、Cortes J、Albitar M、Kantarjian HM、Acta Haematol、(2001)、Vol.207、pp.106−190;Gabrilove JL、Oncologist、(2001)、Vol.6、pp.4−7)。
【0152】
さらに、多くの最近の研究には、FGFおよびFGF−Rが化学療法、放射線治療あるいは抗VEGF治療による処置に対する腫瘍および/または内皮細胞の抵抗性に活発に参加することが示されている。これらの抵抗性は、さまざまな細胞機構、例えばドキソルビシンに対する乳癌の抵抗性の場合はFGF−R4により(Roidlら、2009)、またはシスプラチンに対する膀胱腫瘍の抵抗性の場合はFGF−2産生により(Miyakeら、1998)、シタラビンに対する急性骨髄性白血病の抵抗性の場合はFGF2/FGF−R1の一対によるPi3K/AKT経路の活性化により、抗エストロゲン治療に対する一定の乳腺腫瘍に対してはFGF−1によるRAS/MAP−K、PI3−KおよびmTOR経路の刺激によるBcl−xlタンパク質の正の制御によるアポトーシスに対する保護などをはたらかせる。FGF/FGF−Rの一対も、膵臓癌の場合(Casanovasら、2005)またはグリア芽腫の場合(Batchelorら、2007)に、あるいは放射線治療抵抗現象において(Guら、2004;Moyalら、2009)、抗VEGF処置に対する抵抗に含まれる。従って、本発明の化合物は、この抵抗現象の発現を抑えるために既存の治療法と組み合わせることができる。
【0153】
さらに、悪性腫瘍の指標の1つである腫瘍浸潤は、腫瘍細胞の初期の腫瘍性の部位から周囲の宿主組織への転位置から成り、その腫瘍が血管内皮中を貫通して循環し、初期の腫瘍から離れた転移性の部位を形成することを可能にする。増え続ける最近の記事は、腫瘍の周辺の組織構造の変化が、上皮間葉移行(EMT)プロセスに関与しているようであることを示している。EMTは細胞突起であり、それによって上皮細胞は、それらの表現型を調節し、細胞間接着の分裂および細胞運動の増加を通して間葉細胞特性を獲得し、従って癌腫に対する浸潤性および転移性の表現型を与えることによって腫瘍進行における重要な役割を果たす。FGF等の増殖因子は、それらの細胞移動および浸潤に対する刺激活性のおかげでこの細胞突起中に加わり、なおまた、FGF受容体については、カドヘリンと相互作用するそれらの能力のおかげで、例えば腫瘍細胞の移動を促進する(Cowinら、2005)。本明細書に記載されているFGF−Rアンタゴニストは、多数の癌におけるこれらの転移相を防ぐために使用することができる。
【0154】
相関関係が、骨髄の血管新生プロセスとCML(慢性骨髄単球性白血病)における「骨髄外の疾患」との間に存在する。さまざまな研究が、特にFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物による血管新生の阻害が、この病態における最適な治療になり得ることを明らかにしている。
【0155】
血管の平滑筋細胞の増殖および移動は、動脈の血管内膜の肥大に寄与し、よって脈管形成および動脈内膜切除後のアテローム性動脈硬化症および再狭窄において顕著な役割を果たす。
【0156】
インビボでの研究は、頚動脈「バルーン障害」の損傷後に、a−FGFおよびb−FGFの局部産生を示している。この同じモデルにおいて、抗FGF2中和抗体は、血管平滑筋細胞の増殖を阻害し、従って血管内膜肥厚を減少させる。
【0157】
サポニンのような分子に結合したFGF2からなるキメラタンパク質は、インビボでの血管平滑筋細胞の増殖およびインビボでの血管内膜肥厚を阻止する(Epstein CE、Siegall CB、Biro S、Fu YM、FitzGerald D.、Circulation、(1991)、Vol.87、pp.84−778;Waltenberger J.、Circulation、(1997)、pp.96−4083)。
【0158】
従って、本発明の化合物のようなFGF受容体アンタゴニストは、血管の平滑筋細胞の増殖に関与する病態、例えば、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、または血管内装具(ステント)の移植に続くまたは大動脈冠動脈バイパス術中の再狭窄などの治療において、単独またはPDGFのようなこれらの病態に関与するその他の増殖因子へのアンタゴニストである化合物との組み合わせのいずれかで最適な治療になる。
【0159】
心肥大は、圧力または容量の点での過負荷により誘発される心室壁のストレスに応じて起こる。この過負荷は、高血圧、AC(大動脈縮窄)、心筋梗塞およびさまざまな血管の疾患のような多くの生理病理学的状態の結果であり得る。この病態の結果は、心筋細胞の肥大、基質タンパク質の蓄積および胎児遺伝子の再発現のような、形態学的、分子的および機能的な変化である。b−FGFはこの病態に関係していると見なされる。具体的には、新生ラットの心筋細胞の培養物へのb−FGFの添加は、収縮タンパク質に対応する遺伝子のプロフィールを修飾し、胎児性の遺伝子プロフィールをもたらす。補充すれば、成体ラットの筋細胞は、b−FGFの効果の下で肥大性の応答を示し、この応答は、抗b−FGF中和抗体によりブロックされる。b−FGFノックアウトトランスジェニックマウスにおいてインビボで行なわれた実験は、b−FGFがこの病態における心筋細胞肥大への主要な刺激因子であることを示している(Schultz JeJ、Witt SA、Nieman ML、Reiser PJ、Engle SJ、Zhou Mら、J.Clin.Invest.、(1999)、Vol.19、pp.104−709)。従って、本発明の化合物のようなFGF受容体アンタゴニスト活性を有する化合物は、心不全および心臓の組織の変性に関連する任意のその他の病態の処置において、最適な治療になる。この治療は、単独、または一般的な治療(βブロッカー、利尿薬、アンジオテンシンアンタゴニスト、抗不整脈剤、抗カルシウム剤、抗血栓薬など)との組み合わせで行なうことができる。
【0160】
糖尿病に起因する血管の疾患は、血管の反応性および血流の障害、過透過性、悪化した増殖応答および基質タンパク質の沈着の増加を特徴とする。より具体的には、a−FGFおよびb−FGFは、糖尿病性網膜症の患者の網膜前膜の中、下にある毛細血管の膜の中、および増殖性網膜症を患う患者のガラス体液中に存在する。a−FGFおよびb−FGFの両方に結合し得る可溶性FGF受容体は、糖尿病に関連する血管の疾患において開発されている(Tilton RG、Dixon RAF、Brock TA、Exp.Opin.Invest.Drugs、(1997)、Vol.84、pp.6−1671)。従って、FGF受容体アンタゴニスト活性を有する式Iの化合物のような化合物は、単独、またはVEGFのような、これらの病態に関与するその他の増殖因子のアンタゴニストである化合物との組み合わせのいずれかで、最適な治療になる。
【0161】
線維症は、組織病変に続く瘢痕組織の異常形成であり、影響を受けた臓器の慢性の進行性の機能障害をもたらし、影響を受けた臓器の深刻な機能障害をもたらし得る。それは全ての組織で起こり得るが、化学的生物学的攻撃にさらされる器官、例えば、肺、皮膚、腎臓、消化管、肝臓などに主として行き渡る。FGFは、線維芽細胞による細胞外基質の産生および蓄積と、前記線維芽細胞の増殖ならびに腎臓および肺等の多くの臓器中への浸潤を促進することによってこの細胞突起中で関与する(Khalilら、2005)(Strutzら、2003)。本発明の分子のようなこれらFGFの活性のアンタゴニストは、線維症の治療において単独もしくは組み合わせて使用することができる。
【0162】
リウマチ性関節炎(RA)は、未知の病原学を伴う慢性疾患である。それは多数の器官に影響を及ぼすが、RAの最も重篤な形態は、破壊に至る関節の進行性滑膜炎である。血管新生は、この病態の進行に大きく影響を及ぼすように思われる。従って、a−FGFおよびb−FGFは、RAを患っている患者の滑膜組織中および滑液中で検出されており、この増殖因子がこの病態の発生および/または進行に関与することを示している。ラットのAIA(関節炎のアジュバント誘導モデル)のモデルにおいて、b−FGFの過剰発現は疾患の重篤度を増加させ、一方、抗b−FGF中和抗体はRAの進行をブロックすることを示している(Malemud、2007)(Yamashita A、Yonemitsu Y、Okano S、Nakagawa K、Nakashima Y、Irisa Tら、J.Immunol.、(2002)、Vol.57、pp.168−450;Manabe N、Oda H、Nakamura K、Kuga Y、Uchida S、Kawaguchi H、Rheumatol、(1999)、Vol.20、pp.38−714)。従って、本発明による化合物は、この病態において最適な治療になる。
【0163】
最近の科学論文は、神経因性疼痛におけるb−FGFの関与を実証している。具体的には、星状膠細胞のb−FGF産生の増加が脊髄損傷の後に星状膠細胞中に見られる(Madiaiら、2003)。このb−FGFは、接触またはアロディニアによる神経因性疼痛の原因となる。抗FGF2中和抗体を使用する治療は、この機械的アロディニアを減少する(Madiaiら、2005)。本発明のアンタゴニストは、これらの受容体に対するFGF−2の影響を阻止することによる疼痛に対する最適な治療である。
【0164】
FGF−1およびFGF−2等のプロ血管新生活性を有する増殖因子のレベルは、変形性関節症に悩む患者の滑液中で大幅に増加することも記載されている。このタイプの病態においては、かなりの修飾が、新たな血管の形成、ひいては関節軟骨または椎間板等の血管新生化されない構造の血管新生化を誘発する、プロ血管新生因子と抗血管新生因子の間の釣り合いの中に記録される。従って、血管新生は、骨形成(骨棘)における主要な要因となり、よって疾患の進行の一因となる。さらに、新たな血管の神経支配は、この病態と関係する慢性疼痛の一因ともなり得る(Walsh DA.、Curr Opin Rheumatol、2004年9月;16(5):609−15)。従って、本発明による化合物は、この病態における最適な治療になる。
【0165】
IBD(炎症性腸疾患)は、腸の慢性炎症性疾患の2つの形態:UC(潰瘍性大腸炎)およびクローン病(CD)を含む。IBDは、局部微小血管系の確立を誘発する炎症性サイトカインの不適切な産生により反映される免疫不全を特徴とする。この炎症の起源の血管新生は、血管収縮により誘発される腸の虚血をもたらす。b−FGFの高い循環および局所レベルが、これらの病態に悩む患者において測定されている(Kanazawa S、Tsunoda T、Onuma E、Majima T、Kagiyama M、Kkuchi K.、American Journal of Gastroenterology、(2001)、Vol.28、pp.96−822;Thorn M、Raab Y、Larsson A、Gerdin B、Hallgren R.、Scandinavian Journal of Gastroenterology、(2000)、Vol.12、pp.35−408)。炎症性脈管形成のモデルにおいて高い抗血管新生活性を示す本発明の化合物は、これらの病態における最適な治療になる。
【0166】
かなりの炎症性成分を有しておりそれに対するFGFおよびFGF−Rの強いかかわり合いが記述されている別の疾患は、良性前立腺過形成(BPH)である。BPHは、腺組織の過形成および尿道の周りのそれが塞がれるまでの間質の過形成を特徴とする加齢と関係する疾患である。細胞レベルで、この病態は、基底細胞の過形成、間質質量の増加、増幅した基質沈着物あるいは組織弾性の低下を伴う(Untergasserら、2005)。FGFは、この疾患の発生に、前立腺間質および上皮細胞の増殖を刺激することによって関係し、特に、FGF−7またはKGFばかりでなく、FGF−2またはFGF−17も関係する(Wang 2008、Boget 2001、Giri 2001)。加えて、FGFは、TGF−βとの組み合わせで上皮細胞/間質細胞相互作用を修飾することによって分化転換ステップを促進する(Untergasser 2005)。最後に、FGF−R1等の一定の受容体は、BPHの中で過剰発現されて、病態の誘発を促進し、FGF−2のパラ分泌作用を高める(Boget 2001)。これらのFGFの作用のアンタゴニストは、それ故、良性前立腺過形成に対する最適な治療である。
【0167】
乾癬は、表皮角化細胞の過剰増殖によって引き起こされる慢性皮膚疾患であり、一方、透明細胞棘細胞腫(CCA)は、同様にケラチノサイトの異常な増殖を伴う表皮の良性腫瘍である。これら2つの皮膚疾患は、根本にある原因は異なるが、同様の組織学的特徴:表皮の肥厚、リンパ球および好中球の炎症性浸潤、乳頭毛細血管の膨張およびねじれ、を有する。両方の場合共、KGFまたはFGF−7がその病態の発現において主な役割を果たす(Kovacsら、2006)(Finchら、1997)。本発明のアンタゴニストの使用は、上記の皮膚疾患の発生を遅らせることが可能であり得る。
【0168】
FGF−R1、−R2および−R3は、色素形成(chronogenesis)および骨形成のプロセスに関与する。常に活性化されているFGF−Rの発現をもたらす変異は、骨格の形成異常、例えば、パイファー症候群、クルゾン症候群、アペール症候群、ジャクソン−ワイス症候群およびベーレ−スティーブンソン脳回転状皮膚症候群などによって反映される多数のヒトの遺伝疾患に関連している。これらの変異のいくつかは、より特異的にFGF−R3受容体に影響を及ぼし、特に軟骨無形成症(ACH)、軟骨低形成症(HCH)およびTD(致死性骨異形成症)をもたらし、ACHは小人症の最も一般的な形態である。生化学的観点から、これらの受容体の活性化の維持は、リガンドの不在中での受容体の二量体化を介して起こる(Chen L.、Adar R.、Yang X.Monsonego E.O.、LI C.、Hauschka P.V.、Yagon A.およびDeng C.X.、(1999)、The Journ.Of Clin. Invest.、Vol.104、No.11、pp.1517−1525)。従って、FGFアンタゴニストまたはFGF受容体アンタゴニスト活性を示し、FGF−R依存性の細胞内シグナル伝達を阻止する本発明の化合物は、これらの病態における最適な治療になる。
【0169】
脂肪組織が、成人の場合、発現するまたは消失することができるまれな組織の1つであることも知られている。この組織は、高度に血管新生されており、非常に高密度の微細血管がそれぞれの含脂肪細胞を取り巻く。これらの所見は、成人における脂肪組織発現に対する抗血管新生剤の作用の試験をもたらしている。従って、ob/obマウスの薬理学的モデルにおいて、血管新生の阻止は、マウスの著しい体重減少によって反映される(Rupnick MAら、(2002)、PNAS、Vol.99、No.16、pp.10730−10735)。さらに、FGFは、ヒトにおける脂肪生成の主要調節因子であるようである(Hutleyら、2004)。従って、強力な抗血管新生活性を有するFGF受容体アンタゴニスト化合物は、肥満に関連する病態における最適な治療になり得る。
【0170】
本発明の化合物は、それらの低い毒性とそれらの薬理学的および生物学的特性のおかげで、血管新生反応が高度におこる肺癌、乳癌、前立腺癌、食道癌、膵臓癌、肝臓癌、大腸癌もしくは腎臓癌等の癌、または、転移を誘発する大腸癌、乳癌、肝臓癌もしくは胃癌、もしくはメラノーマ等の癌、または自己分泌様式で、さらには神経膠腫タイプ、リンパ腫および白血病型の病態においてa−FGFまたはb−FGFに感受性である癌、最後に、何らかの治療耐性現象における癌のいずれかの治療および予防に役立つ。これらの化合物は、単独、または化学療法、放射線療法もしくは任意のその他の適切な治療との組み合わせで最適な治療になる。本発明による化合物は、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後再狭窄のような循環器疾患の治療および予防に、血管内ステントおよび/もしくは大動脈冠動脈バイパスの埋め込みもしくはその他の代用血管の移植の後に現れる合併症および心肥大症に関連する疾患、または糖尿病性網膜症のような糖尿病の血管性合併症の治療においても役立つ。本発明による化合物は、リウマチ性関節炎、IBDまたは良性前立腺肥大のような慢性炎症性疾患の治療および予防にも役立つ。最後に、本発明による化合物は、軟骨無形成症(ACH)、軟骨低形成症(HCH)およびTD(致死性骨異形成症)の治療および予防に使用することができ、肥満の治療にも同様に使用され得る。
【0171】
本発明による製品は、黄斑変性症、特に加齢に関連した黄斑変性症(またはARMD)の治療および予防においても役立つ。成人における失明の主な特徴は、新血管新生および眼のかなりの機能障害を引き起こすその後の出血であり、それは早期の盲目によって反映される。最近、眼の新血管新生現象に関係するメカニズムを研究することによって、これらの病態におけるプロ血管新生因子の関与を実証することを可能にした。レーザーで誘起される脈絡膜血管新生モデルを使用することによって、本発明による製品も、脈絡膜の新血管新生を調節することを可能にすることを確認することが可能となっている。
【0172】
さらに、本発明の製品は、特に抗癌化学療法による血小板減少症の治療または予防に使用することができる。実際に、本発明の製品は、化学療法中の循環血小板レベルを改善できることが実証されている。
【0173】
最後に、本発明による製品は、乾癬または透明細胞棘細胞腫等の皮膚疾患の治療および予防において、肝臓、腎臓または肺線維症の進行との闘いにおいて、そして神経因性疼痛の治療において役立つ。
【0174】
本発明の主題は、もう1つのその態様に従えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される酸もしくは塩基との付加塩、あるいは式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含む薬剤である。
【0175】
本発明は、その別の態様によれば、活性成分として、本発明による式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明による少なくとも1つの化合物の有効量、または前記化合物の薬学的に許容される塩もしくは水和物もしくは溶媒和物、さらに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含有する。前記賦形剤は、薬剤の形態および望ましい投与の方法に従って当業者には周知の通常の賦形剤から選ばれる。
【0176】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所的(topical)、局所(local)、気管内、鼻腔内、経皮的または直腸投与のための本発明の医薬組成物の状態で、上記の式(I)の活性成分またはそれらの任意的塩、溶媒和物もしくは水和物は、通常の医薬品賦形剤との混合物としての単位投与形態で、動物および人間に、上記の障害または疾患の予防もしくは治療のために投与することができる。
【0177】
適切な単位投与形態としては、経口投与のための形態、例えば、錠剤、軟質もしくは硬質ゲルカプセル、粉末、顆粒および経口液剤もしくは懸濁剤など、舌下、頬側、気管内、眼球内もしくは鼻腔内投与形態、吸入による投与のための形態、局所的、経皮的、皮下、筋肉内もしくは静脈内投与形態、直腸投与形態、およびインプラントを含む。局所投与に対して本発明による化合物は、クリーム、ゲル、軟膏もしくはローションとして使用することができる。
【0178】
本発明による医薬組成物は、好ましくは経口で投与される。
【0179】
一例として、錠剤型の本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含み得る:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0180】
本発明は、また、薬剤としての上で明らかにした医薬組成物にも関する。
【0181】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の使用であり、FGFの調節を必要とする疾患の治療および予防におけるそれらの使用である。
【0182】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の使用であり、癌、特に、肺癌、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、大腸癌、腎臓癌および食道癌等の高度の血管新生反応を有する癌腫、大腸癌、肝臓癌および胃癌等の転移を誘発する癌、メラノーマ、神経膠腫、リンパ腫および白血病の治療および予防におけるそれらの使用である。
【0183】
本発明による式(I)の化合物は、単独または抗血管新生活性を有する1つまたは複数の化合物もしくは1つまたは複数の細胞毒性化合物(化学療法)との組み合わせで、あるいは放射線治療との組み合わせで投与することができる。従って、本発明の主題は、上で明らかにした式(I)の化合物の1つまたは複数の抗癌活性成分および/または放射線治療と組み合わせた使用である。
【0184】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の、アテローム性動脈硬化症もしくは血管新生術後の再狭窄等の循環器疾患、血管内ステントおよび/もしくは動脈冠動脈バイパスの埋め込みもしくはその他の代用血管の移植後に起こる合併症と関係する疾患、心肥大、または糖尿病性網膜症等の糖尿病の血管合併症の治療および予防における使用である。
【0185】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の、関節リウマチまたはIBD等の慢性炎症性疾患の治療または予防における使用である。
【0186】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の、変形性関節症、軟骨無形成症(ACH)、軟骨低形成症(HCH)およびTD(致死性骨異形成症)の治療または予防における使用である。
【0187】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の、肥満の治療または予防における使用である。
【0188】
本発明の主題は、また、上で明らかにした式(I)の化合物の、加齢に関係した黄斑変性症(ARMD)等の黄斑変性症の治療または予防における使用である。
【0189】
経口投与のための本発明による組成物は、0.01から700mgの推奨用量を含有する。より高いもしくはより低い適切である特殊な例があり得、そのような用量は、本発明の状況から逸脱はしない。恒例に従い、各患者に対する適切な用量は、投与の方法と患者の年齢、体重および反応に応じて、さらに疾患の進行度に応じて、医師によって決定される。
【0190】
本発明は、もう1つのその態様により、本発明による化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、水和物もしくは溶媒和物の有効量の患者への投与を含む上で示されている病態を治療するための方法にも関する。