(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投影光ビーム(31)の放出方向が、前記光偏向要素(42)のアレイ(20)上の前記放射照度分布(310;310M)が前記少なくとも1つの方向(X)に沿ってシフトするように、照明系(12)の作動中に変化することを特徴とする請求項1に記載の照明系。
前記投影光を前記光偏向要素(42)のアレイ(20)の方向に向けるように配置された第1の反射面(48a)と、該光偏向要素(42)のアレイ(20)によって偏向された投影光を前記瞳平面(56)の方向に向けるように配置された第2の反射面(48b)とを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明系。
前記投影光ビーム(31)の放出方向が、前記光偏向要素(42)のアレイ(20)上の前記放射照度分布(310;310M)が前記少なくとも1つの方向(X)に沿ってシフトするように、照明系(12)の作動中に変化することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
マイクロリソグラフィ(フォトリソグラフィ又は単純にリソグラフィとも呼ばれる)は、集積回路、液晶ディスプレイ、及び他の微細構造デバイスの製作のための技術である。マイクロリソグラフィの工程は、エッチング処理との併用で、基板、例えば、シリコンウェーハ上に形成された薄膜積層体内に特徴部をパターン化するのに使用される。製作の各層では、最初にウェーハが、ある一定の波長の光に敏感な材料であるフォトレジストで被覆される。次に、上部にフォトレジストを有するウェーハは、投影露光装置内のマスクを通過した投影光に露光される。マスクは、フォトレジスト上に結像される回路パターンを含む。露光の後に、フォトレジストは現像され、マスク内に含まれる回路パターンに対応する像が生成される。次に、エッチング処理が、回路パターンをウェーハ上の薄膜積層体内に転写する。最後にフォトレジストが除去される。異なるマスクを用いたこの工程の繰返しにより、多層微細構造化構成要素がもたらされる。
【0003】
投影露光装置は、典型的には、例えば、矩形スリット又は湾曲スリットの形状を有することができるマスク上の視野を照明する照明系を含む。更に、装置は、マスクを位置合わせするためのマスク台と、マスク上の照明視野をフォトレジスト上に結像する投影対物系(時に「レンズ」とも呼ばれる)と、フォトレジストで被覆されたウェーハを位置合わせするためのウェーハアラインメント台とを含む。
【0004】
投影露光装置の開発における極めて重要な目的の1つは、ウェーハ上に益々小さい寸法を有する構造をリソグラフィで形成することができることである。小さい構造は、そのような装置を用いて製造される微細構造化構成要素の性能に対して一般的に好ましい効果を有する高い集積密度をもたらす。更に、高い集積密度では、単一のウェーハ上により多くの構成要素を生成することができ、これは、装置の収量に対して良好な効果を有する。
【0005】
この目的を実現するために、これまでに様々な手法が追求されている。1つの手法は、マスクの照明を改善することである。理想的には、投影露光装置の照明系は、マスク上で照明される視野の各点を明確に定められた合計エネルギ及び角度放射照度分布を有する投影光で照明する。角度放射照度分布という用語は、マスク上の特定の点に向けて収束する光束の合計光エネルギが、光束を構成する光線の様々な方向の間で如何に配分されるかを表している。
【0006】
マスク上に入射する投影光の角度放射照度分布は、通常、フォトレジスト上に結像されるパターンの種類に適合される。例えば、比較的大きいサイズの特徴部は、小さいサイズの特徴部とは異なる角度放射照度分布を必要とすることができる。最も一般的に使用される角度放射照度分布は、従来照明設定、輪帯照明設定、二重極照明設定、及び四重極照明設定と呼ばれる。これらの用語は、照明系の瞳平面内の放射照度分布を意味する。例えば、輪帯照明設定では、瞳平面内で環状領域しか照明されない。従って、投影光の角度放射照度分布には小さい角度範囲しか存在せず、全ての光線が、類似の角度で傾斜してマスク上に入射する。
【0007】
当業技術では、マスク平面内の投影光の角度放射照度分布を望ましい照明設定を得るように修正するための異なる手段が公知である。マスク平面に異なる角度放射照度分布を生成するのに最大の柔軟性を得るために、瞳平面に望ましい放射照度分布を生成するミラーアレイを含む空間光変調器を使用することが提案されている。
【0008】
EP 1 262 836 A1では、ミラーアレイは、1000個よりも多い微小ミラーを含むマイクロ電気機械システム(MEMS)として実現される。各ミラーは、入射投影光が、それぞれのミラーの傾斜角によって決定される方向に沿って反射されるように、2つの直交する傾斜軸の回りに傾斜させることができる。ミラーアレイと瞳平面の間に配置されたコンデンサーレンズが、ミラーによって生成された反射角を瞳平面内の場所に変換する。各ミラーは、ミラーを傾斜させることによって位置を変更することができる光点を瞳平面上又は瞳平面内又はその直近に配置された光学インテグレーター上に生成する。各光点は、それぞれのミラーを傾斜させることによって瞳平面又は光学インテグレーターの光入射面にわたって自由に移動することができる。
【0009】
ミラーアレイを空間光変調器として使用する類似の照明系は、US 2006/0087634 A1、US 7 061 582 B2、及びWO 2005/026843 A2から公知である。
【0010】
通常、VUV投影露光装置の照明系において光源として使用されるエキシマレーザでは、ビームポインティング変動が発生する。これは、レーザから放出された光ビームの方向が、長期的及び/又は短期的にある程度変化することを意味する。多くの場合に、光源はミラーアレイから数メートル離れて配置されるので、光ビーム方向の僅かな変化でさえも、投影光によってミラーアレイ上に生成される放射照度分布の有意な変位をもたらす。それによって最終的に、マスク平面に許容することができない角度放射照度分布変化がもたらされる場合がある。
【0011】
WO 2009/080279 A1は、光源とミラーアレイの間に複数のマイクロレンズを含む光学インテグレーターを配置することを提案している。それによってマスクレベルでの角度放射照度分布の安定性に対するビームポインティング変動の悪影響が回避される。しかし、光学インテグレーターの具備は、照明系のコストに少なからず寄与し、照明系の複雑さを増長させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ミラーアレイの前に配置される光学インテグレーターを用いなくてもマスクレベルにおいて投影光の安定した角度分布を生成することができるマイクロリソグラフィ投影露光装置の照明系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、上述の目的は、投影光ビームを生成するように構成された光源と、瞳平面と、制御ユニットと、空間光変調器とを含むマイクロリソグラフィ投影露光装置の照明系によってもたらされる。空間光変調器は、光源と瞳平面の間に配置され、かつ光偏向要素のアレイを含む。各そのような要素は、入射する投影光を制御ユニットから受け取る指令信号に依存する方向に個々に偏向することができる。投影光は、光偏向要素のアレイ上に放射照度分布を生成する。放射照度分布又はその包絡線は、少なくとも1つの方向に沿って、増加傾斜と減少傾斜を有する。本発明により、制御ユニットは、増加傾斜に位置付けられる第1の光偏向要素及び減少傾斜に位置付けられる第2の光偏向要素が、入射する投影光を投影光が瞳平面内で少なくとも部分的に重なるように偏向させるように光偏向要素を制御するように構成される。
【0015】
本発明は、そのような制御手法を使用すると、投影光ビームによって光偏向要素のアレイ上に生成される放射照度分布の変位が、瞳平面で、第1及び第2の光偏向要素から偏向された投影光が少なくとも部分的に重なる位置における合計放射照度に大きく影響を及ぼすことにはならないという認識に基づいている。これは、放射照度分布の変位の結果としての第1の光偏向要素上の放射照度の増大が、第2の光偏向要素上の同様の又は更には同一の放射照度の減少に常に付随することによる。この部分的な又は更には完全な相互補償に起因して、第1及び第2の光偏向要素から偏向された投影光が少なくとも部分的に重なる瞳位置における合計放射照度は、少なくとも実質的に一定である。
【0016】
この制御手法が、光偏向要素のうちの全て又は少なくともかなりの部分、例えば、80%に適用された場合には、ビームポインティング変動の結果としての放射照度分布の少なくとも1つの方向に沿った変位は、マスクレベルでの角度光分布の安定性を大きく損なわせることができず、マスクレベルでの角度光分布の少なくとも残存変動を非常に小さくすることができ、従って、これらの変動は許容可能である。
【0017】
当然ながら、光偏向要素は、2つだけではなく、3つ又はそれよりも多くの光偏向要素が瞳平面内の同じスポットを照明するように制御することができる。例えば、増加傾斜に位置付けられたN=1,2,3,...個の第1の光偏向要素と、減少傾斜に位置付けられたM=1,2,3,...個の第2の光偏向要素とを存在させることができる。この場合、全ての光偏向要素は、入射する投影光を投影光が瞳平面で少なくとも部分的に重なるように偏向させる。単一の瞳平面位置における放射照度に寄与する3つ又はそれよりも多くの光偏向要素が存在する場合には、光偏向要素が位置する傾斜の峻度の絶対値は、より大きい範囲に対しては異なる場合がある。
【0018】
特に、i=1,2,3,4,...,Nであり、j=
1,2,3,4,...,Mである時に、増加傾斜
(72)に位置付けられたN個の第1の光偏向要素D
iと、減少傾斜に位置付けられたM個の第2の光偏向要素D
jとが、入射する投影光を投影光が瞳平面内のスポットにおいて少なくとも部分的に重なるように偏向させる場合には、次の不等式が成り立つとすることができる。
(S
1+S
2)<0.1・(|S
1|+|S
2|)
ここで、S
1=(I
1・d
1)+(I
2・d
2)+(I
3・d
3)+...+(I
N・d
N)であり、I
iは、第1のビーム偏向要素D
i上の放射照度であり、d
iは、第1のビーム偏向要素D
iの場所における少なくとも1つの方向に沿った放射照度分布の方向微分であり、S
2=(I
1・d
1)+(I
2・d
2)+(I
3・d
3)+...+(I
M・d
M)であり、I
jは、第2のビーム偏向要素D
j上の放射照度であり、d
jは、第2のビーム偏向要素D
jの場所における少なくとも1つの方向に沿った放射照度分布の方向微分である。
【0019】
例示的に言うと、放射照度によって重み付けされ、全ての光偏向要素にわたって取られた方向微分の和は、単一のスポットの方向微分と比較して小さくなければならない。理想的には、この和はゼロである。
【0020】
放射照度分布が、1つの方向だけでなく、2つの直交する方向に沿ってシフトする場合には、光偏向要素の4つの対が上述の方式で制御される少なくとも4つの光偏向要素の群を形成する必要がある場合がある。当然ながら、これは、ここでもまた、4つ全ての光偏向要素が投影光を瞳平面内の同じ位置に向けることを意味する。
【0021】
照明系を製造する時には、多くの場合に、装置全体が半導体工場内に設置された後に、光源が最終的にミラーアレイからどれ程遠くに配置されることになるかは把握されない。その結果、ビームポインティング変動が問題になる場合がある。光源とアレイの間の距離に関係なくマスクレベルにおいて安定した角度光分布を生成することができるために、いずれにしても、すなわち、照明系のその後の作動中に光偏向要素のアレイ上の放射照度分布が少なくとも1つの方向に沿ったごく僅かな距離しかシフトしない場合であっても、上述の制御手法を照明系に実施することができる。この制御手法は、いずれの実質的な欠点も伴わないので、一種の安全手段としてこの制御手法を設けることができ、従って、その利点が、投影露光装置の特定の設置において必要とされない場合であっても、この制御手法を適用することができる。一実施形態において、照明系は、投影光を光偏向要素アレイの方向に向けるように配置された第1の反射面を含む。第2の反射面は、光偏向要素アレイによって偏向された投影光を瞳平面の方向に向けるように配置される。第1及び第2の反射面は平面とすることができ、特にプリズムの面によって形成することができる。この場合、プリズム(又は反射面配列)及びミラーアレイにより、照明系を完全に設計し直す必要なく、従来の照明系において瞳平面に異なる放射照度分布を生成するのに使用される交換可能な回折光学要素を簡単に置換することができる。
【0022】
別の実施形態において、照明系は、空間光変調器と瞳平面の間に配置されたズーム光学系を含む。それによって光偏向要素によって生成される偏向角を変更することなしに、放射照度分布の寸法を変更することが可能になる。
【0023】
一部の実施形態において、第1及び第2の光偏向要素に関連付けられた投影光は、瞳平面に第1の光偏向要素によって生成される放射照度が第1の最大放射照度の50%まで低下した第1の線と、瞳平面に第2の光偏向要素によって生成される放射照度が第2の最大放射照度の50%まで低下した第2の線とが隣接又は重なる程度まで瞳平面内で重なる。
【0024】
光偏向要素は、例えば、少なくとも1つの傾斜軸の回りに傾斜させることができるマイクロミラーとして、又は電気光学効果又は音響光学効果を用いて入射する光を様々な方向に偏向する透過要素としてもたらすことができる。
【0025】
本発明の主題は、マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明系を作動させる方法でもある。本方法は、a)各要素に瞳平面内の光点が関連付けられた光偏向要素のアレイを含む空間光変調器を与える段階と、b)光偏向要素のアレイ上に放射照度分布を生成し、この放射照度分布又はその包絡線が、少なくとも1つの方向に沿って増加傾斜と減少傾斜を有する段階と、c)増加傾斜に位置付けられた第1の光偏向要素によって生成される第1の光点と減少傾斜に位置付けられた第2の光偏向要素によって生成される第2の光点とが瞳平面内で少なくとも部分的に重なるように光偏向要素を制御する段階とを含む。
【0026】
本発明による照明系に関して示した上述の具陳内容は、この場合にも適用される。
【0027】
定義
「光」という用語は、あらゆる電磁放射線、特に、可視光、UV光、DUV光、及びVUV光を表している。
【0028】
本明細書では「光線」という用語を線によって表すことができる伝播経路を有する光を表す上に使用する。
【0029】
本明細書では「光束」という用語を単一の点から射出し、及び/又は単一の点に収束する複数の光線を表す上に使用する。
【0030】
本明細書では「光ビーム」という用語を特定のレンズ又は別の光学要素を通過する全ての光を表す上に使用する。
【0031】
本明細書では「面」という用語を3次元空間内のあらゆる平面又は曲面を表す上に使用する。面は、本体の一部とすることができ、又は視野又は瞳平面の場合に通常そうであるように、本体から完全に分離されたものとすることができる。
【0032】
本明細書では「光学的に共役」という用語を2つの点又は2つの面の間の結像関係を表す上に使用する。従って、ある点から射出する光束は、光学的に共役な点に収束する。
【0033】
本明細書では「視野平面」という用語をマスク平面に光学的に共役な平面を表す上に使用する。
【0034】
本明細書では「瞳平面」という用語をマスク平面又は別の視野平面内の異なる点を通過する周辺光線が交わる平面を表す上に使用する。当業技術で通例であるように、「瞳平面」が実際には数学的な意味で平面ではなく、僅かに湾曲しており、従って、厳密な意味では瞳面と呼ばなければならない場合であっても、「瞳平面」という用語を同じく使用する。
【0035】
本明細書では「コンデンサー」という用語を2つの平面の間、例えば、視野平面と瞳平面の間にフーリエ関係を確立する(少なくとも近似的に)光学要素又は光学系を表す上に使用する。
【0036】
本明細書では「均一」という用語を位置に依存しない特性を表す上に使用する。
【0037】
本明細書では「空間放射照度分布」という用語を合計放射照度が、光が入射する面にわたって如何に変化するかを表す上に使用する。通常、空間放射照度分布は、x,yが面内の点の空間座標である時に、関数I
s(x,y)によって表すことができる。
【0038】
本明細書では「角度放射照度分布」という用語を光束の放射照度が、光束を構成する光線の角度に依存して如何に変化するかを表す上に使用する。通常、角度放射照度分布は、α、βが光線の方向を表す角度座標である時に、関数I
a(α,β)によって表すことができる。角度放射照度分布が視野依存性を有する場合には、Iaは、視野座標x、yの関数ともなり、すなわち、I
a=I
a(α,β,x,y)である。
【0039】
本明細書では「光学インテグレーター」という用語をNAが開口数であり、aが照明視野面積である時に、積NA・aを増大させる光学系を表す上に使用する。
【0040】
本明細書では「光学ラスター要素」という用語を共同で光学ラスター板を形成するように他の同一又は類似の光学ラスター要素と共に共通の支持体上に配置されたあらゆる光学要素、例えば、レンズ、プリズム、又は回折光学要素を表す上に使用する。
【0041】
本発明の様々な特徴及び利点は、以下に続く詳細説明を添付図面に関連付けて参照することでより容易に理解することができるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0043】
I.投影露光装置の一般的な構成
図1は、本発明による投影露光装置10の非常に簡略化した斜視図である。装置10は、投影光ビームを生成する照明系12を含む。照明系12は、微細な特徴部19のパターン18を含むマスク16上の視野14を照明する。この実施形態において、照明視野14は矩形の形状を有する。しかし、照明視野14の他の形状、例えば、リングセグメントが同じく考えられている。
【0044】
光学軸OAを有し、複数のレンズ21を含む投影対物系20は、照明視野14内のパターン18を基板24によって支持された感光層22、例えば、フォトレジスト上に結像する。シリコンウェーハによって形成することができる基板24は、感光層22の上面が投影対物系20の像平面に厳密に位置するように、ウェーハ台(図示せず)上に配置される。マスク16は、マスク台(図示せず)を用いて投影対物系20の物体平面に位置決めされる。投影対物系20は、|β|<1である倍率βを有するので、照明視野14内のパターン18の縮小像18’が、感光層22上に投影される。
【0045】
投影中に、マスク16及び基板24は、
図1に示すY方向に対応する走査方向に沿って移動する。この場合、照明視野14は、それよりも大きいパターン付き区域を連続的に結像することができるように、マスク16にわたって走査する。基板24の速度とマスク16の速度の間の比は、投影対物系20の倍率βに等しい。投影対物系20が像を反転させる場合は(β<0)、マスク16と基板24は、
図1に矢印A1とA2とに示すように反対方向に移動する。一方、本発明は、マスク16及び基板24がマスクの投影中に移動しないステッパツールに対して使用することができる。
【0046】
II.照明系の一般的な構成
図2は、
図1に示す照明系12を通る子午断面図である。明瞭化の目的で、
図2の図は大幅に簡略化したものであり、正確な縮尺のものではない。これは、特に、異なる光学ユニットを1つ又は非常に少数の光学要素だけで表すことを意味する。現実には、これらのユニットは、有意に多くのレンズ及び他の光学要素を含むことができる。
【0047】
照明系12は、ハウジング29と、図示の実施形態ではエキシマレーザとして実現される光源30とを含む。光源30は、約193nmの波長を有する投影光のビーム31を放出する。他の種類の光源30及び他の波長、例えば、248nm又は157nmも考えられている。
【0048】
光源30から放出された投影光ビーム31は、通常、ビーム送出部40と呼ぶチャンネルを通過する。この実施形態において、ビーム送出部40内に第1の平面ビーム経路折り返しミラー42が配置される。ビーム送出部40の全長は、一般的に2mと25mの間の範囲にある。ビーム送出部40の寸法及び形状、並びにそこに含まれるビーム経路折り返しミラーの個数は、投影露光装置10が設置されることになる位置で支配的な局所条件に依存する。
【0049】
ビーム送出部40を離れた後に、投影光ビーム31は、第2のビーム経路折り返しミラー44によって偏向され、32に示すビーム拡大ユニットに入射し、そこで拡大される。この目的のために、ビーム拡大ユニット32は、いくつかのレンズ、例えば、
図2に示す負のレンズ及び正のレンズ及び/又はいくつかの平面ミラーを含むことができる。拡大の後に、光ビーム31は依然として低い発散を有し、すなわち、ほぼ平行である。
【0050】
拡大された光ビーム31は、その後の瞳平面に変更可能な空間放射照度分布を生成するのに使用される空間光変調器38上に入射する。この実施形態において、空間光変調器38は、電極41(拡大抜粋
図Cを参照されたい)を含むアクチュエータを用いて2つの直交軸の回りに個々に傾斜させることができるマイクロミラー42のアレイ40を含む。空間光変調器38、特に、マイクロミラー42に対するアクチュエータ41は、全体システム制御器45に連結した制御ユニット43によって制御される。
【0051】
図3は、光線R1、R2が入射するマイクロミラー42の傾斜角に基づいて、これらの光線が異なる方向に如何に反射されるかを示すアレイ40の斜視図である。
図2及び
図3では、アレイ40は6×6個のミラーミラー42のみを含むが、現実には、アレイ40は、数百個、又は更には数千個のマイクロミラー42を含むことができる。
【0052】
再度
図2を参照すると、空間光変調器38は、両方共に照明系12の光学軸47に対して傾斜した第1の平面48aと第2の平面48bとを有するプリズム46を更に含む。これらの傾斜面48a、48bでは、投影光ビーム31は、内部全反射によって反射される。第1の面48aは、入射する投影光ビーム31をアレイ40のマイクロミラー42に向けて反射し、第2の面48bは、マイクロミラー42から反射された光ビームをプリズム46の射出平面49の方向に向ける。当然ながら、プリズム46は、平面ミラー配列によって置換することができる。
【0053】
この場合、反射光ビームの方向、従って、プリズム46の射出面49から射出する投影光の角度放射照度分布は、アレイ40のマイクロミラー42をその傾斜軸の回りに個々に傾斜させることによって変更することができる。空間光変調器38に関する更なる詳細は、例えば、US 2009/0115990 A1から集めることができる。
【0054】
空間光変調器38によって生成された角度放射照度分布は、入射する投影光を光学インテグレーター52の方向に向ける第1のコンデンサー50を用いて空間放射照度分布に変換される。この実施形態において、第1のコンデンサー50は、可変焦点距離を有するズーム光学系によって形成される。この目的のために、第1のコンデンサーは複数のレンズを含むことができ、これらのレンズの中から2つ又はそれよりも多くは、アクチュエータ(図示せず)を用いて光学軸47に沿って変位させることができる。この場合、空間光変調器38によって生成された放射照度分布の直径を第1のコンデンサー50の焦点距離を変更することによって変更することができる。
【0055】
光学インテグレーター52は、図示の実施形態において、第1の光学ラスター板54aと第2の光学ラスター板54bとを含む。一方でマイクロミラー42と、他方で第1の光学ラスター板54aの光入射面55との間にフーリエ関係が確立されるように、第1のコンデンサー50の後側焦点面内に第1の光学ラスター板54aの光入射面55が配置され、第1のコンデンサー50のほぼその前側焦点面内にマイクロミラー42が配置される。
【0056】
図4に示す光学インテグレーター52の斜視図で分るように、各光学ラスター板54a、54bは、光学ラスター板54a、54bの両側に配置された第1及び第2の円柱マイクロレンズ53、57の2つの直交アレイを含む。Y軸に沿って拡がる第2の円柱マイクロレンズ57は、X方向に沿って拡がる第1の円柱マイクロレンズ53よりも強く湾曲している。2つの交わる直交円柱マイクロレンズ53、57によって境界が定められる容積は、X方向とY方向に沿って光パワーを有する光学ラスター要素59を定める。しかし、第1及び第2の円柱マイクロレンズ53、57の異なる曲率に起因して、光学ラスター要素59は、Y方向よりもX方向に沿って強い光パワーを有する。
【0057】
再度
図2を参照すると、光学インテグレーター52は、照明系12のその後の瞳平面56内に複数の2次光源を生成する。第2のコンデンサー58は、瞳平面56と調節可能視野絞り62が配置された視野絞り平面60との間にフーリエ関係を確立する。この場合、第2のコンデンサー58は、2次光源から射出する光ビームを視野絞り平面60内に、この平面が非常に均一に照明されるように重なる。
【0058】
視野絞り平面60は、マスク台(図示せず)上に支持されたマスク16が配置されたマスク平面66上に視野絞り対物系64によって結像される。それによって調節可能な視野絞り62もマスク平面66上に結像され、少なくとも、走査方向Yに沿って拡がる照明視野の側辺を定める。
【0059】
第1の光学ラスター板54aの光入射面55上の空間放射照度分布は、瞳平面56内の空間放射照度分布を決定し、従って、視野絞り平面60及びマスク平面66内の角度放射照度分布を決定する。この場合、
図5の簡略化した略子午断面図で分るように、光入射面55上の空間放射照度分布は、マイクロミラー42の傾斜角によって決定される。投影光によって照明された各マイクロミラー42は、第1の光学ラスター板54aの光入射面55上に単一の光点70を生成する。この光点70の位置は、関係するマイクロミラー42を傾斜させることによって自由に変更することができる。従って、制御ユニット43によって制御されるアクチュエータ41を用いてマイクロミラー42の傾斜角をちょうど設定することにより、マスク平面66内にほぼあらゆる任意の角度放射照度分布を迅速に生成することができる。それによってマスク平面66内の角度放射照度分布をマスク16内に含まれるパターン18に迅速に適応させることができる。パターン18に特定的に適合された角度放射照度分布を使用することにより、パターン18を感光層22上により正確に結像することができる。
【0060】
III.レーザビームポインティング変動
光源30によって放出される投影光ビーム31の方向は、通常、ビームポインティング変動を受ける。これは、投影光ビーム31の方向が時間的に完全には安定せず、ある程度変化することを意味する。
【0061】
ビームポインティング変動の発生源は、機械的振動、例えば、設置面から拾われた振動、又はエキシマレーザにおけるガスの迅速な交換から生じる振動である場合がある。そのようなビームポインティング変動は、多くの場合に、数十Hzから数十kHzまでの間の周波数を有する。ビームポインティング変動における別の原因は、多くの場合に、熱効果によって誘起されるドリフト効果である。多くの場合に、ドリフト効果は長期的に発生し、従って、ビームポインティング変動は、長い期間、例えば、数分、数日、又は更には数ヶ月を経て初めて明らかになる場合がある。
【0062】
一般的に光源30として使用されるエキシマレーザでは、最大角度変動は、0.1mradを十分に下回る値まで次々と低減されてきた。しかし、これらの非常に小さい値にも関わらず、光源30とアレイ40の間の時に非常に長い距離に起因して、マイクロミラー42のアレイ40上に投影光によって生成される放射照度分布の変位が有意である場合がある。
【0063】
図2では、これを非外乱投影光ビーム31の方向から僅かにずれた伝播方向を有する投影光ビーム31’に例示している。長いビーム送出部40を通過した後に、僅かに傾斜された投影光ビーム31’は、X方向に沿って変位Δxを伴って空間光変調器38上に入射する。
【0064】
図6は、空間光変調器38の入射側においてX方向に沿った投影光ビーム31の直径にわたる放射照度分布310を実線に示すグラフである。放射照度分布310は、現実には示すものよりも平坦な中央区画を有することができるが、近似的にガウス分布形状を有する。ビームポインティング変動の結果として光源30によって生成された投影光ビーム3’における放射照度分布310’を破線で示している。X方向に沿った最大変位をここでもΔxで示している。
【0065】
図7は、ビームポインティング変動がマイクロミラー42の照明に如何に影響を及ぼすかを示すマイクロミラー42のアレイ40の上面図である。アレイ40上に非外乱投影光ビーム31によって生成された放射照度分布310は、投影光ビーム31の中心で発生する最大強度が10%まで低下した位置を示す円形の実線と、更に
図6に示すガウス曲線とで表されている。光損失を低減すべきである場合には、当然ながら、マイクロミラー42の配列は、マイクロミラー42の正方形配列からずれさせて、投影光ビーム31の実質的に円形の断面により良く適応させることができる。正確な強度分布は、光源30として使用されるエキシマレーザの射出開口の形状とその発散とを畳み込むことによって得られる。従って、代替として、以下に
図14に示す実施形態の場合のように、光源30として使用されるエキシマレーザの射出開口を投影光ビーム31の断面が正方形を近似するように修正することができる。
【0066】
僅かに傾斜した投影光ビーム31’によって生成される変位した放射照度分布310’を破線に示している。ビームポインティング変動の結果として放射照度分布が短期的又は長期的に変位した場合には、各個別のマイクロミラー42上の放射照度が変化することを見ることができる。単一の光点70が、各マイクロミラー42によって第1の光学ラスター板54aの光入射面55上に生成され、従って、照明系12のその後の瞳平面56内にも生成されるので、この場合、ビームポインティング変動は、瞳平面に生成されるスポットの放射照度を変化させる。しかし、マスク14上の構造19が、感光層22上に様々な品質で結像されるのを阻止するためには、マイクロミラー42によって生成された全てのスポット70の重ね合わせである瞳平面56内の放射照度分布を一定に保たなければならない。
【0067】
図8は、ビームポインティング変動が、X方向に沿ってある距離だけ分離された2つの異なるマイクロミラー上の放射照度を一般的に如何に修正するかを示している。簡略化の目的で、ここでも、放射照度分布310’がX方向だけに沿って変位したと仮定する。当然ながら、放射照度分布は、Y方向にも沿って又はY方向だけに沿って変位する場合がある。
【0068】
図6に示す投影光ビーム31のガウス放射照度分布310の結果として、異なるx座標を有する2つのマイクロミラー42上の放射照度420a、420bは、
図8で分るように一般的に異なる。
【0069】
傾斜した投影光ビーム31’によって生成される変位した放射照度分布310’では、同じマイクロミラー42上の放射照度420a’、420b’は、前よりも有意に高い。その結果、これらのマイクロミラー42によって生成される光点70もより高輝度になり、それによって瞳平面56内の放射照度分布が変化する。更に、それによってマスクレベルでの投影光の角度分布の変化がもたらされ、従って、ビームポインティング変動は、最終的に結像品質の変動をもたらす。
【0070】
IV.マイクロミラー制御
以下では、そのような悪影響を制御ユニット43によって適用される高度な制御手法によって如何に回避することができるかを
図7、
図9、
図10a、及び
図10bを参照して説明する。
【0071】
この実施形態において、マイクロミラー42は、制御ユニット43により、光点70a、70bの対が瞳平面56内で完全に又は少なくとも部分的に常に重なるように制御される。光学インテグレーター52は、そこを通過する光の発散しか修正しないので、この重ね合わせは、
図2及び
図9の簡略化した抜粋図に示すように、光点が、第1の光学ラスター板54aの前側の光入射面55上で重なることに等しい。一般的に、スポット70a、70bの重ね合わせは非常に大きいとすることができるので、第1の光偏向要素42aによって瞳平面56内に生成される放射照度が第1の最大放射照度I
1,maxの50%まで低下した位置である第1の線71aと、第2の光偏向要素42bによって瞳平面56内に生成される放射照度が第2の最大放射照度I
2,maxの50%まで低下した位置である第2の線71bとは隣接するか又は更に重なる。
【0072】
図7及び
図9で分るように、重なる光点70a、70bを生成するマイクロミラー42は、第1の光点70aが、投影光ビーム31によってマイクロミラー42のアレイ40上に生成される放射照度分布310の増加傾斜72に位置付けられた第1のマイクロミラー42aによって生成されるように選択される。第2の光点70bは、放射照度分布310の減少傾斜74に位置付けられたマイクロミラー42bによって生成される。
【0073】
瞳平面56内で(又は前側の光入射面55において)、マイクロミラー42a、42bによって生成される2つの光点70a、70bが完全に又は少なくとも部分的に重なる位置における合計放射照度は、2つのミラー42a、42b上の放射照度の実質的な(すなわち、光損失を無視した場合の)和である。光点70a、70bの完全な重ね合わせは得るのが困難である場合があり、各光点70a、70b内の放射照度は、一般的に均一ではないので、放射照度の和は、瞳平面56内で2つの光点70a、70bによって照明される重ね合わせ区域にわたる放射照度の積分であると考えるべきである。
【0074】
図10aに示すグラフは、2つのマイクロミラー42a及び42bそれぞれの上の放射照度420a、420bを白円に示している。ビームポインティング変動の結果として、
図10aに破線310’に示すように、放射照度分布が−X方向に沿って変位した場合には、
図8を参照して上述したように、マイクロミラー42a、42b上に異なる放射照度420a’、420b’がもたらされることになる。しかし、瞳平面56内の同じ位置における放射照度に寄与するマイクロミラー42a、42bは、放射照度分布310の反対傾斜72、74に位置付けられるので、−X方向に沿った放射照度分布310の変位は、第1のマイクロミラー42a上の放射照度が420aから420a’に増大し、それに対して第2のマイクロミラー42b上の放射照度が、420bから420b’に減少するという結果を有する。言い換えれば、第1のマイクロミラー42a上の放射照度420aの増大は、第2のマイクロミラー42b上の放射照度420bの減少によって部分的に又は更には完全に補償される。従って、ビームポインティング変動によってもたらされるアレイ40上の放射照度分布310の変位は、光入射面55上及び従ってその後の瞳平面56上の放射照度分布に対して非常に僅かな効果のみを有するか、又は更に全く効果を持たない。
【0075】
図10bは、傾斜した投影光ビーム31’によって生成された放射照度分布310’が非外乱絵放射照度分布310に対して+X方向に沿って変位した場合の状況を示している。ここでも、マイクロミラー42a、42bの放射照度の和は、そのような変位によって有意な影響を受けないことを見ることができる。
【0076】
図10a及び
図10bから、マイクロミラー42、42b上の放射照度420a、420bの変化の相互補償が良好になる程、第1及び第2のマイクロミラー42a、42bの場所において傾斜72、74の峻度は絶対値でより類似になることが明らかになる。例えば、第2のマイクロミラーとして放射照度分布310の中心の近くに位置するマイクロミラーが選択された場合には、
図10aに点線の円420cで表す放射照度は、放射照度420c’までしか減少しないことになる。この減少は、第1のマイクロミラー42a上の420aから420a’までの放射照度の増大よりもかなり少なく、その結果、相互補償も小さくなる。
【0077】
これは、瞳面56内の同じ位置における放射照度に寄与する1つよりも多い第1及び第2のマイクロミラーが存在する場合に「修復」することができる。例えば、第1のマイクロミラー42aが上記のように位置し、投影光を同じく瞳平面56内の同じ位置の方向に向ける2つの第2のマイクロミラーが、
図10aに放射照度420cに示すように放射照度分布の中心の近くに位置する場合には、ほぼ完全な相互補償が可能である。
【0078】
V.代替の実施形態
図11は、代替の実施形態による照明系12を通る子午断面図である。この実施形態において、第1のコンデンサー50は、固定された焦点距離を有する。更に、複数のマイクロレンズ37を含むマイクロレンズアレイ36は、ビーム拡大ユニット32と空間光変調器38の間に配置される。
【0079】
図12は、マイクロレンズアレイ36上の上面図であり、
図13は、線XIII−XIIIに沿ってマイクロレンズアレイ36を通る断面を示している。各マイクロレンズ37は、正方形の境界線を有する。
図13の断面図で最も明快に分るように、マイクロレンズ37は、正の光パワーを有する平凸レンズである。従って、マイクロレンズアレイ36上に入射する実質的に平行な投影光31は、
図11にLB1、LB2で2つのみを表す複数の個別収束光ビームに分割される。プリズム46に入射した後に、各光ビームLB1、LB2は、アレイ40のマイクロミラー42のうちの1つの上に入射する。マイクロレンズ37の焦点距離は、マイクロミラー42における光ビームLB1、LB2の直径が、これらのミラーのミラー面の最大寸法よりも小さいように決定される。この場合、投影光は、隣接するマイクロミラー42の間の間隙上に入射しない。これは、光損失を低減するだけではなく、投影光が、間隙の底部に配置された電子構成要素を加熱することを阻止するという利点を有する。
【0080】
図14は、マイクロレンズアレイ36と、投影光ビーム31によってマイクロレンズアレイ36の後部平面上に生成される放射照度分布310とを
図7と類似の上面図に示している。
図7と同様に、放射照度分布310は、最大強度が10%まで低下した位置を示す線と、ガウス放射照度分布を示す曲線とで表されている。ビームポインティング変動の結果としてX方向に沿って変位した放射照度分布310’を破線に示している。
【0081】
図15は、そのような変位が第1及び第2のマイクロミラー42a、42b上のX方向に沿った放射照度に如何に影響を及ぼすかを
図10aと類似のグラフに示している。マイクロレンズ37によって生成されるフォーカス効果の結果として、マイクロミラー42のピッチに等しい空間周波数を有する周期関数によるマイクロレンズアレイ36の後側の放射照度分布310の変調により、アレイ40上に放射照度分布310Mが得られる。この場合、アレイ40上の放射照度分布310Mの包絡線310Eは、
図14に示すマイクロレンズアレイ36の後側の放射照度分布310に近似的に比例する。ビームポインティング変動の結果である変位した放射照度分布310M’及びその包絡線310E’にも同じことが適用される。
【0082】
マイクロミラー42は、
図7、
図9、
図10a、及び
図10bを参照して上述したものと同じ方式で制御ユニット43によって制御される。唯一の修正は、瞳平面内の同じ位置における放射照度に寄与する2つのマイクロミラー42a、42bが、アレイ40上の変調された放射照度分布310Mの両側に位置せず、その包絡線310Eの両側に位置することである。
【0083】
VI.重要な方法段階
図16は、本発明によるマイクロリソグラフィ投影露光装置を作動させる重要な段階を示す流れ図である。
【0084】
第1の段階S1では、光偏向要素のアレイを含む空間光変調器が与えられる。
【0085】
第2の段階S2では、増加傾斜と減少傾斜とを有する放射照度分布がアレイ上に生成される。
【0086】
第3の段階S3では、増加傾斜に位置付けられた第1の光偏向要素によって生成される第1の光点と、減少傾斜に位置付けられた第2の光偏向要素によって生成される第2の光点とが瞳平面内で少なくとも部分的に重なるように光偏向要素が制御される。