【実施例1】
【0025】
図1は、本発明に係る実施例1の受信装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、受信装置1は、フーリエ変換部11−1,11−2と、伝送路応答算出部12と、MIMIO検出部13と、消失キャリア判定部14と、雑音分散算出部15−1,15−2と、尤度比算出部16と、誤り訂正復号部17と、を備える。
【0026】
受信装置1は、送信側から送信される、軟判定復号により復号可能な誤り訂正符号により符号化されたOFDM信号を複数の受信アンテナにより受信する。軟判定復号により復号可能な誤り訂正符号とは、LDPC符号やターボ符号などである。LDPC符号やターボ符号の復号は、軟入力軟出力の繰り返し復号となる。受信装置1は、伝送路の雑音分散σ
2を算出する必要がある。送信されたビットが0であったのか1であったのかについて、雑音分散σ
2とIQ平面上のユークリッド距離から尤度比Sを算出し、誤り訂正復号を行う。
【0027】
フーリエ変換部11は、複数の受信アンテナから受信したOFDM信号を離散フーリエ変換して、複数の受信アンテナに対応する周波数領域の複素ベースバンド信号を生成する。つまり、フーリエ変換部11−1は、受信アンテナ#1から受信したOFDM信号を離散フーリエ変換して周波数領域の複素ベースバンド信号y
i1を生成し、伝送路応答算出部12、MIMO検出部13及び雑音分散算出部15−1に出力する。フーリエ変換部11−2は、受信アンテナ#2から受信したOFDM信号を離散フーリエ変換して周波数領域の複素ベースバンド信号y
i2を生成し、伝送路応答算出部12、MIMO検出部13及び雑音分散算出部15−2に出力する。
【0028】
伝送路応答算出部12は、フーリエ変換部11により生成された複素ベースバンド信号y
i1,y
i2に含まれる既知のパイロット信号を抽出し、抽出したパイロット信号をもとに各キャリアの伝送路応答H
iを算出(推定)する。2×2MIMO伝送の伝送路応答Hは
と表すことができる。
【0029】
伝送路応答Hの各要素h
11,h
12,h
21,h
22は複素数である。h
11は送信アンテナ#1から受信アンテナ#1への伝送路の状態を表し、h
12は送信アンテナ#2から受信アンテナ#1への伝送路の状態を表し、h
21は送信アンテナ#1から受信アンテナ#2への伝送路の状態を表し、h
22は送信アンテナ#2から受信アンテナ#2への伝送路の状態を表す。
【0030】
MIMO検出部13は、ZFやMMSEなどの既知の手法により、フーリエ変換部11により生成された複素ベースバンド信号y
i1,y
i2にウェイト行列W
iを乗算することにより送信信号の推定値
を生成し、尤度比算出部16に出力する。
【0031】
消失キャリア判定部14は、送信信号の推定値を算出する際に用いる除算項となる、伝送路応答算出部12により算出された伝送路応答H
iから導出されるパラメータK
iと閾値Pを比較して、パラメータK
iが閾値P以下となるキャリアを消失キャリアと判定し、キャリアごとに判定結果を示す判定フラグT
iを生成する。詳細については後述する。
【0032】
雑音分散算出部15は、消失キャリア判定部14により消失キャリアであると判定されたキャリアについて、OFDM信号の帯域雑音分散よりも大きな値となるように、キャリアごとの雑音分散であるキャリア雑音分散
を算出し、尤度比算出部16に出力する。詳細については後述する。
【0033】
尤度比算出部16は、MIMO検出部13から入力される送信信号の推定値x^
i1,x^
i2、及び雑音分散算出部15により算出されたキャリア雑音分散σ^
i12,σ^
i22を用いて、送信された各ビットの尤度比Sを算出し、誤り訂正復号部17に出力する。
【0034】
図2は、尤度比算出部16により算出される尤度比について説明する図である。ここでは変調方式がQPSKである場合を例にとって説明する。
図2(a)はQPSKの2ビット(b
1b
0)の信号点配置と送信信号の推定値x^を示している。尤度比としては、一般的に対数尤度比(LLR:Log-Likelihood Ratio)が用いられる。対数尤度比Sは、b=0となる尤度関数とb=1となる尤度関数の比の対数で表される。つまり、対数尤度比Sは、送信信号の推定値x^、雑音分散σ
2として、式(1)により求められる。d
12,d
02は理想シンボル点と送信信号の推定値x^との間の2乗ユークリッド距離である。
【0035】
【数1】
【0036】
図2(b)は雑音分散σ
2が大きい場合のb
1の尤度関数Pを示しており、
図2(c)は雑音分散σ
2が小さい場合のb
1の尤度関数Pを示している。雑音分散σ
2が小さいほど式(1)により求まる対数尤度比の値は大きくなり、対数尤度比の信頼度が高くなる。尤度比算出部16は、雑音分散算出部15により算出されたキャリア雑音分散σ^
i12,σ^
i22を用いて、式(2)により送信された各ビットの尤度比S
i1,S
i2を算出する。d
112,d
012は理想シンボル点“10”,“00”と送信信号の推定値x^
i1との間の2乗ユークリッド距離であり、d
122,d
022は理想シンボル点“10”,“00”と送信信号の推定値x^
i2との間の2乗ユークリッド距離である。
【0037】
【数2】
【0038】
誤り訂正復号部17は、尤度比算出部16により算出された尤度比S
i1,S
i2を用いて、誤り訂正符号(LDPC符号やターボ符号)の復号を行う。例えば、LDPC符号の復号には、既知のsum-product復号法を用いる。
【0039】
[消失キャリア判定部]
次に、消失キャリア判定部14について詳細に説明する。特許文献1では閾値Pの決め方については言及されていないが、閾値Pを大きくしすぎると、復調データがヌルになるキャリアの数が多くなりすぎてしまい、受信特性が劣化するおそれがある。また、閾値を小さくしすぎると、受信電力が小さいキャリアの復調データがヌルにならないため、受信特性の改善が得られなくなる。そこで、消失キャリア判定部14では、復調データをヌルとする(消失キャリアと判定する)閾値Pを、伝送路の状態に応じて調整する。閾値Pには上限値P
maxを設定し、閾値Pが大きくなりすぎて受信特性が劣化することを防止する。
図3は、消失キャリア判定部14の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、消失キャリア判定部14は、閾値比較部141と、閾値調整部142と、を備える。
【0040】
閾値比較部141は、パラメータK
i(送信信号の推定値x^
iを算出する際に用いる除算項)と閾値調整部142により生成された閾値Pとの比較によりキャリアの消失判定を行う。ZFによりMIMO検出を行う場合、パラメータK
iは式(3)で表される。ここで、det(・)は行列式を表し、上付きのHはエルミート転置を表す。
【0041】
【数3】
【0042】
受信信号ベクトルy
iは、伝送路応答行列H
i、送信信号ベクトルx
i、雑音ベクトルzを用いて、式(4)により表される。式(4)の両辺に、式(5)で表されるウェイト行列W
iを乗じると、式(6)が導かれる。式(6)の右辺第2項を0と近似すると、式(7)が得られる。送信信号の推定値x^
iの分母の項がパラメータK
iであり、パラメータK
iが非常に小さいとき、検出結果である送信信号の推定値x^
iに含まれる誤差が大きいことが予想できる。このためパラメータK
iが閾値P以下である場合には、当該キャリアを消失キャリアであると判定する。
【0043】
【数4】
【0044】
MMSEによりMIMO検出を行う場合は、送信信号ベクトルx
iの分母に相当するパラメータK
iは式(8)で表される。ここで、Iは受信アンテナ数をNrとするとNr×Nrの単位行列である。γはSN比であり、Ntは送信アンテナ数である。
【0045】
【数5】
【0046】
閾値比較部141は、判定結果である判定フラグT
iを、雑音分散算出部15−1及び15−2に出力する。本実施例では、パラメータK
iが閾値Pを超える場合には、判定フラグT
i=0とし、パラメータK
iが閾値P以下である場合には、判定フラグT
i=1とする。
【0047】
閾値調整部142は、閾値Pの値の調整を行い、調整後の閾値Pの値を閾値比較部141に出力する。
図4は、閾値調整部142の動作例を示すフローチャートである。
図4を参照して閾値調整部142の動作を説明する。閾値調整部142は、最初に閾値Pの初期値P
maxを設定する(ステップS101)。P
maxは閾値Pの上限値である。そして、全キャリアについてパラメータK
iと閾値Pとを比較し、パラメータK
iが閾値P以下となるキャリア、すなわち消失キャリアの数をカウントする(ステップS102)。
【0048】
次に、全キャリア数に対する消失キャリア数の比率(以下、「消失キャリア比率R」という)を算出する(ステップS103)。そして、消失キャリア比率Rと消失限度比率Xとを比較判定する(ステップS104)。ステップS104にて消失キャリア比率R≦消失限度比率Xであると判定した場合には(ステップS104−Yes)、閾値Pの値を出力する(ステップS106)。
【0049】
一方、ステップS104にて消失キャリア比率R>消失限度比率Xと判定した場合には(ステップS104−No)、閾値Pが大きすぎると考えられる。消失キャリア数が多くなりすぎると伝送特性は劣化するため、閾値Pの値を所定値Qだけ小さくする(ステップS105)。そして、処理をステップS102に戻し、消失キャリア比率R≦消失限度比率Xとなるまで、同様の処理を繰り返し行う。
【0050】
図5は、消失キャリア判定部14の処理を説明する図である。
図5(a)は、マルチパス妨害波のDU比を0dB、マルチパス妨害波の位相差を180度としたときの伝送路応答Hを示す図である。ここでは、干渉成分h
12,h
21を0としている。
図5(b)は、
図5(a)に示す伝送路応答のパラメータK
i(det(H
iHH
i))を示す図である。h
11,h
22のいずれか一方が小さいキャリアについて同位置のキャリアを組にしたMIMO検出を行うと受信特性が劣化するが、この図から分かるように、h
11,h
22のいずれか一方が小さくなると、パラメータK
iも小さくなるので、パラメータK
iは消失キャリアの判定基準とすることができる。
【0051】
閾値調整部142により、閾値Pの値は消失限度比率Xを超えないように調整される。そして、閾値比較部141により、閾値PとパラメータK
iとの比較により判定フラグT
iを決定する。このような処理を行うことにより、伝送路の状態に応じて閾値Pを調整し、消失キャリア比率Rが消失限度比率Xを超えないように適切な閾値Pを決定することができる。消失限度比率Xをある程度小さくしておくことで、消失キャリア数が多くなりすぎてしまうことを防止することができる。例えば、消失限度比率Xを0.05としたとき、消失キャリア比率Rは最大でも5%となる。
【0052】
[雑音分散算出部]
図6は、雑音分散算出部15の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、雑音分散算出部15は、帯域雑音分散算出部151と、キャリア雑音分散算出部152と、を備える。雑音分散算出部15−1及び15−2の構成は同一である。
【0053】
帯域雑音分散算出部151は、受信したOFDM信号の帯域雑音分散(OFDM信号の帯域全体における平均雑音分散)
を算出(推定)し、キャリア雑音分散算出部152に出力する。
【0054】
帯域雑音分散の算出方法としては、MER(Modulation Error Ratio)の値から算出する方法などが知られている。変調多値数が大きいキャリアのMERの値は、低CN比(Carrier to Noise Ratio)領域において信頼できる値が得られず、MERの値から算出した雑音分散も信頼できる値とはならない。そのため、送信信号が地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式のように64QAM、QPSK、BPSKなどで変調されているキャリアが混在するOFDM信号の場合には、変調多値数の小さいキャリア(この場合BPSK)のMERの値から雑音分散を算出するほうが良い精度を得られる。例えば、地上デジタル放送ISDB−Tの場合、AC(Auxiliary Channel)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)と呼ばれるキャリアはBPSK変調されるため、これらのキャリアのそれぞれに雑音分散を求め、消失キャリアではないキャリアの平均を求めるなどして帯域雑音分散を算出するのが好適である。
【0055】
また、帯域雑音分散算出部151は、消失キャリア判定部14から入力される判定フラグT
iを参照して、フーリエ変換部11により生成された複素ベースバンド信号y
iのうち、消失キャリアではないと判定された(判定フラグT
i=0)複素ベースバンド信号y
iのみを用いて、OFDM信号帯域の帯域雑音分散σ−
2を算出するようにしてもよい。消失キャリアを除いて信頼度の高いキャリアだけを用いて帯域雑音分散を算出することにより、帯域雑音分散の精度を向上させることができる。なお、複素ベースバンド信号y
iではなくMIMO検出部13により生成された送信信号の推定値x^
iを用い、消失キャリアではないと判定された(判定フラグT
i=0)キャリアの推定値x^
iのみから、OFDM信号帯域の帯域雑音分散σ−
2を算出するようにしてもよい。
【0056】
キャリア雑音分散算出部152は、帯域雑音分散算出部151により算出された帯域雑音分散σ−
2に対して、ウェイト行列W
iから導出される重み係数C
iを乗じ、キャリアごとの雑音分散(以下、「キャリア雑音分散」という)σ^
i2を算出(推定)する。キャリア雑音分散σ^
i2は、MIMO検出部13において複素ベースバンド信号y
iに乗算される要素、つまりウェイト行列W
iの要素の値が大きいほど大きくなるように算出される。具体的には、雑音分散算出部15−1のキャリア雑音分散算出部152は、帯域雑音分散算出部151により算出された帯域雑音分散σ−
12に対して、式(10)に示すようにキャリアごとに重み係数C
i1を乗じ、キャリア雑音分散σ^
i12を算出する。MIMO検出をZFにより行う場合、ウェイト行列は式(9)で表される。重み係数C
i1は式(11)に示すα
iと式(12)に示すα−との比で求まる。ここで、E[・]は消失キャリアではない判定フラグT
i=0のキャリアの組についての相加平均を表す。α
iの逆数はキャリアの信頼度を表すため、信頼度が大きいキャリアほどキャリア雑音分散が小さくなる。
【0057】
【数6】
【0058】
同様に雑音分散算出部15−2のキャリア雑音分散算出部152は、帯域雑音分散算出部151により算出された帯域雑音分散σ−
22に対して、式(13)に示すようにキャリアごとに重み係数C
i2を乗じ、キャリア雑音分散σ^
i22を算出する。重み係数C
i2は式(14)に示すβ
iと式(15)に示すβ−との比で求まる。
【0059】
【数7】
【0060】
MMSEによりMIMO検出を行う場合、ウェイト行列W
iは式(16)で表されるが、キャリア雑音分散σ^
i12,σ^
i22の算出手順は上記のZFの場合と同じである。
【0061】
【数8】
【0062】
さらに、キャリア雑音分散算出部152は、式(17)(18)に示すように、消失キャリア判定部14により消失キャリアであると判定された判定フラグT
i=1のキャリアについてはキャリア雑音分散σ^
i2=∞としてもよい。
【0063】
【数9】
【0064】
なお、受信装置1との間で伝送を行う送信装置においてインターリーブ処理を行っていた場合には、
図7に示すように、受信装置1は、尤度比算出部16の前にデインターリーブ部18を備える。デインターリーブ部18は、MIMO検出部13により生成された送信信号の推定値x^
i、及び雑音分散算出部15により算出されたキャリア雑音分散σ^
i2のそれぞれについてデインターリーブ処理を行う。これにより、送信装置側のインターリーブ処理により並べ替えられたデータを、元の順序に戻す。そして、尤度比算出部16は、デインターリーブ処理後の送信信号の推定値x^
i、及びキャリア雑音分散σ^
i2を用いて、送信された各ビットの尤度比Sを算出し、誤り訂正復号部17に出力する。
【0065】
また、受信装置1は、256QAMや1024QAMといった変調多値数が大きい変調方式により変調された信号を受信する場合には、
図8に示すように、尤度比算出部16の後に尤度比クリップ部19を備えるのが好適である。尤度比クリップ部19は、尤度比算出部16により算出された尤度比S
iの絶対値が所定の値を超える場合には、所定の値でクリップする。例えば対数尤度比S
iが−10以下となる場合は最小値−10にクリップし、10以上となるときは最大値10にクリップする。誤り訂正復号部17は、尤度比算出部16により算出された尤度比S
iの絶対値が所定の値を超える場合には、尤度比クリップ部19によりクリップされた尤度比を用いて、送信されたビットの推定値を復号する。
【0066】
一般に、変調多値数が大きいほど伝送するために必要なCN比は大きくなり、CN比が大きい伝送路の雑音分散は小さくなる。そのため、上述した式(1)において、分子の値は変調多値数が大きい場合でもほとんど変わらないのに対し、分母の値は変調多値数が大きくなると小さくなり、その結果、対数尤度比S
iの絶対値は大きくなる。誤り訂正復号部17は、LDPC符号の例ではSum-Product復号によって送信ビットの復号を行うが、マルチパス環境やSFN環境において、信頼度の低いキャリアにより伝送された尤度比S
iが、誤っているにも関わらず非常に大きい絶対値となり誤り訂正しきれない状態が発生してしまうことがある。そこで、尤度比クリップ部19によりクリップ処理を行うことで、変調多値数が大きく、信頼度の低いキャリアの信号を受信した場合において、受信特性の劣化を防ぐことができる。
【0067】
上述したように、実施例1の受信装置1は、フーリエ変換部11により、複数の受信アンテナから受信したOFDM信号をフーリエ変換して、複数の受信アンテナに対応する複数の複素ベースバンド信号y
iを生成し、伝送路応答算出部12により、複素ベースバンド信号y
iに含まれる既知のパイロット信号を抽出し、該抽出したパイロット信号をもとに各キャリアの伝送路応答H
iを算出し、MIMO検出部13により、伝送路応答H
iを用いて複素ベースバンド信号y
iから送信信号の推定値x^
iを生成し、消失キャリア判定部14により、送信信号の推定値x^
iを算出する際の除算項となる、伝送路応答H
iから導出されるパラメータK
iと、閾値Pとを比較し、パラメータK
iが閾値P以下となるキャリアを消失キャリアと判定し、帯域雑音分散算出部151により、受信したOFDM信号の帯域雑音分散σ−
2を算出し、キャリア雑音分散算出部152により、消失キャリアと判定されたキャリアについて帯域雑音分散σ−
2よりも大きな値となるようにキャリアごとのキャリア雑音分散σ^
i2を算出し、尤度比算出部16により、キャリア雑音分散σ^
i2及び送信信号の推定値x^
iを用いて、送信された各ビットの尤度比S
iを算出し、誤り訂正復号部17により、尤度比S
iを用いて誤り訂正復号を行い、送信されたビットの推定値を得る。
【0068】
消失キャリア判定部14は、伝送路応答H
iではなく、送信信号の推定値x^
iを算出する際の除算項(ZFによりMIMO検出をした場合にはdet(H
iHH
i))を基準に消失キャリアを判定するため、MIMOシステムにおいて適切に消失キャリアを決定することができる。
【0069】
また、消失キャリア判定部14は、全キャリア数に対する消失キャリア数の比率が所定の値を超えないように閾値Pを調整するようにしてもよい。これにより、閾値Pが大きくなりすぎて受信特性が劣化することを防止することができる。
【0070】
キャリア雑音分散算出部152は、消失キャリアと判定されたキャリアについて帯域雑音分散σ−
2よりも大きな値となるようにキャリアごとのキャリア雑音分散σ^
i2を算出するため、信頼度の高い(ウェイト行列W
iの要素の値が小さい)キャリアについては雑音分散が小さく、信頼度の低いキャリア(ウェイト行列W
iの要素の値が大きい)は雑音分散が大きいとして、尤度算出を行うことができる。雑音分散を非常に大きな値とすれば、対数尤度比は0となり、復調データはヌル扱いとなる。このように、信頼度を考慮しながら復調データをできる限り復号に使用することができるため、受信特性の劣化を抑制することができる。
【0071】
また、帯域雑音分散算出部151は、消失キャリア判定部14により消失キャリアではないと判定されたキャリアのみを用いて、帯域雑音分散σ−
2を算出するようにしてもよい。これにより、信頼度の高いキャリアのみを用いて帯域雑音分散σ−
2を算出することができるため、マルチパスによる雑音強調などを抑制でき、帯域雑音分散σ−
2の精度を向上させることができる。
【0072】
なお、上述した受信装置1として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、受信装置1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該コンピュータの記憶部に格納しておき、当該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
【実施例2】
【0073】
次に、本発明に係る実施例2の受信装置について説明する。
図9は、本発明に係る実施例2の受信装置2の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、受信装置2は、フーリエ変換部11−1,11−2と、伝送路応答算出部12と、MIMIO検出部13と、消失キャリア判定部14’と、雑音分散算出部15’−1,15’−2と、尤度比算出部16と、誤り訂正復号部17と、等化部20と、切換部21と、を備える。実施例2の受信装置2は、実施例1の受信装置1(
図1参照)と比較して、さらに等化部20、及び切換部21を備える点で相違する。また、消失キャリア判定部14’、雑音分散算出部15’−1、及び雑音分散算出部15’−2の処理が、実施例1の受信装置1における消失キャリア判定部14、雑音分散算出部15−1、及び雑音分散算出部15−2と相違する。その他の構成要素は実施例1の受信装置1と同一であるため、説明を省略する。
【0074】
消失キャリア判定部14’は、2段階の判定を行う。1段目の判定は、受信装置1の消失キャリア判定部14と同様に、キャリア番号が同一となる複数のキャリアを組として消失キャリアの判定を行う。複数のキャリアとは2×2MIMO伝送の場合、送信アンテナ#1,2からそれぞれ伝送されるOFDM信号についてキャリア番号が同一である2本のキャリアのことをいう。1段目で消失キャリアと判定されなかった場合は、通常通りMIMO検出部13においてZFやMMSEなどによるMIMO検出を行う。一方、1段目で消失キャリアと判定された場合は、2段目の判定を行う。2段目の判定では、キャリア番号が同一の複数のキャリアの組のなかで、各キャリアの信頼度を判定する。2段目の判定で信頼度が低いと判定されたキャリアは、復調データをヌルとしてキャリアを消失させ、信頼度が高いと判定されたキャリアは、SISO伝送における等化を行う。
【0075】
図10は、受信装置2の消失キャリア判定部14’の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、消失キャリア判定部14’は、第1閾値比較部141と、第1閾値調整部142と、第2閾値比較部143と、第2閾値調整部144と、を備える。
【0076】
第1閾値比較部141は、実施例1の受信装置1における閾値比較部141と同じ処理を行う。つまり、第1閾値比較部141は、第1パラメータK
i1と第1閾値P
1値の比較により消失キャリアの判定を行う。実施例1で説明したように、MIMO検出をZFにより行う場合、第1パラメータK
i1は式(19)で表され、MIMO検出をMMSEにより行う場合は、第1パラメータK
i1は式(20)で表される。
【0077】
【数10】
【0078】
第1閾値比較部141は、パラメータK
i1が第1閾値P
1以下となるキャリアiを消失キャリアと判定する。本実施例では、パラメータK
i1が第1閾値P
1を超えるとき、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(0,0)とし、パラメータK
i1が閾値P
1以下であるとき、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(1,1)とする。
【0079】
図11は、消失キャリア判定部14’の判定フラグ(T
i1,T
i2)の決定動作を示すフローチャートである。第1パラメータK
i1が第1閾値P
1を越える場合には(ステップS201−Yes)、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(0,0)と決定する(ステップS205)。第1パラメータK
i1が第1閾値P
1以下である場合には(ステップS201−No)、さらに第2閾値比較部143により比較処理を行う。
【0080】
第2閾値比較部143は、第1閾値比較部141で判定した判定フラグが(T
i1,T
i2)=(0,0)の場合は、判定フラグを変更せずに、そのまま判定フラグ(T
i1,T
i2)=(0,0)を雑音分散算出部15’−1,15’−2に出力する。第1閾値比較部141で判定した判定フラグが(T
i1,T
i2)=(1,1)の場合は、第2パラメータK
i2を用いて消失判定を行う。第2パラメータK
i2は第1の例では、伝送路応答行列H
iを構成する要素の振幅の最大値とする。2×2MIMO伝送では、第2パラメータK
i2は式(21)で表される
【0081】
【数11】
【0082】
第2パラメータK
i2が第2閾値P
2以下であるとき、伝送路応答行列H
iを構成する4つの要素h
i11,h
i12,h
i21,h
i22が全て小さいことが分かり、受信した複素ベースバンド信号y
i1,y
i2の信頼度が低いことが予想できる。このため、第2閾値比較部143は、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2以下である場合には(ステップS202−No)、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(1,1)と決定する(ステップS206)。
【0083】
一方、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2を超えるとき、受信した複素ベースバンド信号y
i1,y
i2のどちらか一方の信頼度が低く、もう一方の信頼度が高い可能性がある。このとき、MIMO検出処理を行う代わりに、信頼度の高い複素ベースバンド信号を用いてSISOの等化処理を行う。
【0084】
K
i2が|h
i11|又は|h
i21|である場合には、送信アンテナ#1からの伝送路の状態が良いことが予想できるため(ステップS203−Yes)、第2閾値比較部143は、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(0,1)と決定する(ステップS204)。このとき、等化部20で使用する伝送路応答の要素h
ikとしてh
i11又はh
i21のうち大きいほうを等化部20に出力する。K
i2が|h
i12|又は|h
i22|である場合には、送信アンテナ#2からの伝送路の状態が良いことが予想できるため(ステップS203−No)、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(1,0)と決定し(ステップS207)、伝送路応答の要素h
ikとしてh
i12又はh
i22のうち大きいほうを等化部20に出力する。
【0085】
第2パラメータK
i2は各送信アンテナから送信された信号のSN比に対応する値の最大値としてもよい。第2パラメータK
i2の第2の例では、2×2MIMO伝送では、例えば第2パラメータK
i2は式(23)、(24)で表されるE
i1,E
i2を用いて、式(22)で表される。
【0086】
【数12】
【0087】
第2パラメータK
i2の第3の例では、2×2MIMO伝送では、第2パラメータK
i2は、式(23)、(24)で表されるE
i1,E
i2を用いて、式(25)で表される。
【0088】
【数13】
【0089】
第2パラメータK
i2が第2、第3の例において第2閾値P
2以下であるとき、送信アンテナ#1から送信された信号のSN比と送信アンテナ#2から送信された信号のSN比に差がなく、受信した複素ベースバンド信号y
i1,y
i2の信頼度が低いことが予想される。このため、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2以下であるとき(ステップS202−No)、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(1,1)と決定する(ステップS206)。一方、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2を超えるとき、受信した複素ベースバンド信号y
i1,y
i2のいずれか一方の信頼度が低く、他方の信頼度が高いと考えられる。例えば、第2の例でK
i2=E
i1、第3の例でK
i2=E
i1/E
i2のとき、送信アンテナ#1からの伝送路の状態が良いことが予測できるため(ステップS203−Yes)、判定フラグ(T
i1,T
i2)=(0,1)と決定し(ステップS204)伝送路応答の要素h
ikとしてh
i11又はh
i21のうち大きいほう(つまり、伝送信号のSN比が最大となる送信アンテナに関する要素のうち最も振幅の大きい要素)を等化部20に出力する。
【0090】
第1閾値調整部142は、実施例1の受信装置1における閾値調整部142と同様に、第1閾値P
1の値の調整を行い、調整後の第1閾値P
1の値を第1閾値比較部141に出力する。第1閾値調整部142の動作例は、
図4に示したフローチャートに従う。つまり、第1閾値調整部142は、最初に第1閾値P
1の初期値P
max1を設定する(ステップS101)。P
max1は第1閾値P
1の上限値である。そして、全キャリアについて第1パラメータK
i1と第1閾値P
1とを比較し、第1パラメータK
i1が第1閾値P
1以下となるキャリア、すなわち消失キャリアの数をカウントする(ステップS102)。
【0091】
次に、全キャリア数に対する消失キャリア数の比率(「消失キャリア比率R
1」)を算出する(ステップS103)。そして、消失キャリア比率R
1と消失限度比率X
1とを比較判定する(ステップS104)。ステップS104にて消失キャリア比率R
1≦消失限度比率X
1であると判定した場合には(ステップS104−Yes)、第1閾値P
1の値を出力する(ステップS106)。
【0092】
一方、ステップS104にて消失キャリア比率R
1>消失限度比率X
1と判定した場合には(ステップS104−No)、第1閾値P
1が大きすぎることが予想できる。消失キャリア数が多くなりすぎると伝送特性は劣化するため、第1閾値P
1の値を所定値Q
1だけ小さくする(ステップS105)。そして、処理をステップS102に戻し、消失キャリア比率R
1≦消失限度比率X
1となるまで、同様の処理を繰り返し行う。
【0093】
第2閾値調整部144は、第2閾値P
2の値の調整を行い、調整後の第2閾値P
2の値を第2閾値比較部143に出力する。第2閾値調整部144の動作例は、
図4に示したフローチャートに従う。つまり、第2閾値調整部144は、最初に第2閾値P
2の初期値P
max2を設定する(ステップS101)。P
max2は第2閾値P
2の上限値である。そして、全キャリアについて第2パラメータK
i2と第2閾値P
2とを比較し、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2以下となるキャリア、すなわち消失キャリアの数をカウントする(ステップS102)。
【0094】
次に、全キャリア数に対する消失キャリア数の比率(「消失キャリア比率R
2」)を算出する(ステップS103)。そして、消失キャリア比率R
2と消失限度比率X
2とを比較判定する(ステップS104)。ステップS104にて消失キャリア比率R
2≦消失限度比率X
2であると判定した場合には(ステップS104−Yes)、第2閾値P
2の値を出力する(ステップS106)。
【0095】
一方、ステップS104にて消失キャリア比率R
2>消失限度比率X
2と判定した場合には(ステップS104−No)、第2閾値P
2が大きすぎることが予想できる。消失キャリア数が多くなりすぎると伝送特性は劣化するため、第2閾値P
2の値を所定値Q
2だけ小さくする(ステップS105)。そして、処理をステップS102に戻し、消失キャリア比率R
2≦消失限度比率X
2となるまで、同様の処理を繰り返し行う。
【0096】
[雑音分散算出部]
図12は、雑音分散算出部15’の構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、雑音分散算出部15’は、帯域雑音分散算出部151と、キャリア雑音分散算出部152と、を備える。雑音分散算出部15’−1及び15’−2の構成は同一である。また、帯域雑音分散算出部151は、実施例1の受信装置1における帯域雑音分散算出部151と同じである。キャリア雑音分散算出部152は、実施例1におけるキャリア雑音分散算出部152と比較して、判定フラグT
iではなく、判定フラグ(T
i1,T
i2)を用いる点が相違する。
【0097】
実施例1で説明したように、帯域雑音分散算出部151は帯域雑音分散σ−
2を算出してキャリア雑音分散算出部152に出力する。また、実施例1で説明したように、キャリア雑音分散算出部152は、式(10),(13)によりキャリア雑音分散σ^
i2を算出する。あるいは、キャリア雑音分散算出部152は、式(17),(18)と同様に、式(26),(27)によりキャリア雑音分散σ^
i2を算出してもよい。
【0098】
【数14】
【0099】
等化部20は、消失キャリア判定部14’から入力される判定フラグが(T
i1,T
i2)=(0,1)又は(1,0)のときのみ、消失キャリア判定部14’により生成されたh
i(伝送路応答行列H
iの要素のうちの最も信頼度の高い要素)を用いて、フーリエ変換部11により生成された複素ベースバンド信号に対しSISOの等化処理を行い、送信信号の推定値
送信信号の推定値x^’
i1,x^’
i2は、式(28)で表される。判定フラグT
i=1となる系統は消失キャリアであるため送信信号の推定値として0を出力する。
【0100】
【数15】
【0101】
切換部21は、等化部20からの入力がある場合のみ、MIMO検出部13により生成された送信信号の推定値x^
i1,x^
i2を、等化部20により生成されたx^
’i1,x^
’i2に切り換え、尤度比算出部16に出力する。
【0102】
尤度比算出部16は、切換部21から入力される送信信号の推定値x^
i1,x^
i2、又はx^
’i1,x^
’i2、及び雑音分散算出部15’により算出されたキャリア雑音分散σ^
i12,σ^
i12を用いて、送信された各ビットの尤度比S
i1,S
i2を算出し、誤り訂正復号部17に出力する。
【0103】
なお、受信装置2との間で伝送を行う送信装置においてインターリーブ処理を行っていた場合には、実施例1にて説明した
図7と同様に、尤度比算出部16の前にデインターリーブ部18を備える。また、受信装置2は、256QAMや1024QAMといった変調多値数が大きい変調方式により変調された信号を受信する場合には、実施例1にて説明した
図8と同様に、尤度比算出部16の後に尤度比クリップ部19を備えるのが好適である。
【0104】
図13は、シミュレーションによるBER特性を示すグラフである。
図13(a)はマルチパス妨害波の位相差が0度の場合のBER特性を示すグラフであり、
図13(b)はマルチパス妨害波の位相差が180度の場合のBER特性を示すグラフである。本図では、キャリア雑音分散σ^
i2について、<条件1>式(10),(13)に示すように重み付けのみ行った場合、<条件2>重み付けを行わずに判定フラグT
i=1のキャリアについてキャリア雑音分散σ^
i2を∞とした場合、<条件3>式(17),(18)に示すように重み付けを行い、且つ判定フラグT
i=1のキャリアについてキャリア雑音分散σ^
i2を∞とした場合、<条件4>式(26),(27)に示すように重み付けを行い、且つ判定フラグ(T
i1,T
i2)=(1,0)又は(0,1)のキャリアについて等化部20による等化処理を行った場合、についてそれぞれのBER特性を示している。
【0105】
シミュレーション条件は、マルチパス妨害波のDU比が0dB、マルチパスの遅延時間が0.37μs、第1閾値P
1=0.01、第2閾値は第3の例でP
2=10、キャリア変調方式を1024QAM、MIMO検出はZF、LDPC符号長を64800、sum-product復号法による反復回数を50回とし、その他のパラメータはISDB−Tのモード3に準拠した水平偏波・垂直偏波を用いた偏波MIMO伝送である。
図3(a)から、水平偏波・垂直偏波のマルチパス妨害波に位相差が生じない場合には、条件3及び条件4において同程度に良好なBER特性であることが分かる。また、
図3(b)から、水平偏波・垂直偏波のマルチパス妨害波に位相差が生じ、第1閾値P
1=0.01の場合には、条件1、条件2、条件3、条件4の順にBER特性が良くなることが分かる。なお、第1閾値P
1を小さくすると、例えばP
1=0.001とすると、<条件1>の特性は改善される場合がある。
【0106】
上述したように、実施例2の受信装置2の消失キャリア判定部14’は、第1パラメータK
i1が第1閾値P
1以下となるキャリアについて、該キャリアの伝送路応答行列H
iの要素から第2パラメータK
i2を決定し、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2以下である場合には消失キャリアであると判定する。このため、キャリア番号が同一の複数の送信信号の推定値の組のなかで、さらに各送信信号の推定値の信頼度を判定することができる。
【0107】
また、等化部20により、第2パラメータK
i2が第2閾値P
2を超える場合には、消失キャリアであると判定されたキャリアについて、伝送路応答行列H
iの要素のうち最も信頼度の高い要素を用いて、複数の複素ベースバンド信号y
iから送信信号の推定値を算出し、切換部21により、MIMO検出部13により生成された送信信号の推定値x^
iを、等化部20により生成された送信信号の推定値x^
iに切り換え、尤度比算出部16は、切換部21により出力された送信信号の推定値x^
iを用いて、送信された各ビットの尤度比S
iを算出する。このため、送信信号の推定値x^
i1,x^
i2のうち、一方のみが信頼度が高い場合に、両方消失させるのではなく、信頼度の高い送信信号の推定値のみを用いて復号することができるようになる。
【0108】
上述の各実施例は、個々に代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上述の実施例では受信装置1,2は、送信アンテナ数2、受信アンテナ数2の2×2MIMOシステムにおける受信装置である場合を例に説明したが、送信アンテナ数、受信アンテナ数はこれに限られるものではない。
【0109】
また、受信装置2において、等化部20及び切換部21を備えない構成とすることもできる。その場合、雑音分散算出部15’−1のキャリア雑音分散算出部152が生成するキャリア雑音分散σ^
i12は式(29)で表され、雑音分散算出部15’−2のキャリア雑音分散算出部152が生成するキャリア雑音分散σ^
i22は式(30)で表される。
【0110】
【数16】