特許第5870142号(P5870142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5870142光学要素を熱調整する方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5870142
(24)【登録日】2016年1月15日
(45)【発行日】2016年2月24日
(54)【発明の名称】光学要素を熱調整する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20160210BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20160210BHJP
【FI】
   G03F7/20 521
   H01L21/30 531A
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-76940(P2014-76940)
(22)【出願日】2014年4月3日
(62)【分割の表示】特願2011-512915(P2011-512915)の分割
【原出願日】2009年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-132694(P2014-132694A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年4月3日
(31)【優先権主張番号】61/129,180
(32)【優先日】2008年6月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン エンペル,ジャーコ
(72)【発明者】
【氏名】ムイジェンス,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ルン
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ヘルデン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルズルイス,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シャールマン,パウル
(72)【発明者】
【氏名】レックスモンド,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ニーウコープ,エベルト
(72)【発明者】
【氏名】ポッツ,ビル
(72)【発明者】
【氏名】レンメン,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル グラーフ,リック
(72)【発明者】
【氏名】デ クルーン,マハテルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルスイス,ハン
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−062920(JP,A)
【文献】 特開2005−024818(JP,A)
【文献】 特開2002−198305(JP,A)
【文献】 特開平03−091916(JP,A)
【文献】 特開平11−243052(JP,A)
【文献】 特開2004−039862(JP,A)
【文献】 特開2005−322907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20− 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学要素を熱調整する方法であって、前記方法は、
放射によって前記光学要素を照射することと、
前記放射によって前記光学要素を照射しないことと、
前記光学要素と、前記光学要素に物理的に接触する熱交換器の調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱流を可能にすることと、
熱調整された調整流体を前記調整流体リザーバに供給するために前記調整流体の流体フローを提供することと、を含み、
前記光学要素の前記照射中の前記調整流体の流量は、前記光学要素が照射されていないときの前記調整流体の流量より低く、
前記調整流体の流体圧を所定の流体圧の範囲で又は該範囲の付近で維持して前記光学要素の変形を防止するために前記調整流体の圧力変動を打ち消す、方法。
【請求項2】
前記照射中の前記調整流体の流量と前記光学要素が照射されていないときの前記調整流体の流量との差は、少なくとも100ml/sである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調整流体リザーバ内の前記調整流体は、前記照射の直前に、又は前記照射の直後に、又は前記照射の前後両方に、新しい熱調整された調整流体によって実質的に補充される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記照射中、前記調整流体リザーバ内の前記調整流体は補充されない、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記調整流体リザーバの中身を前記光学要素の最小閾値温度より低い温度に熱調整するため、所定の温度を有する熱調整された調整流体を前記調整流体リザーバに供給することをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記光学要素はリソグラフィ装置の一部であり、前記放射は、基板上にパターンを転写するために使用される放射ビームである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記照射中、前記調整流体の流量は実質的にゼロである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
光学要素を利用してパターニング構造から基板上にパターンを転写することと、
前記光学要素を熱調整することと、を含むリソグラフィ投影方法であって、前記熱調整することは、
放射によって前記光学要素を照射することと、
前記放射によって前記光学要素を照射しないことと、
前記光学要素と、前記光学要素に物理的に接触する熱交換器の調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱流を可能にすることと、
熱調整された調整流体を前記調整流体リザーバに供給するために前記調整流体の流体フローを提供することと、を含み、
前記光学要素の前記照射中の前記調整流体の流量は、前記光学要素が照射されていないときの前記調整流体の流量より低く、
前記調整流体の流体圧を所定の流体圧の範囲又は該範囲の付近で維持して前記光学要素の変形を防止するために前記調整流体の圧力変動を打ち消す、リソグラフィ投影方法。
【請求項9】
光学要素を熱調整する熱調整システムであって、前記システムは、
前記光学要素に物理的に接触して、調整流体と前記光学要素との間に熱交換を可能にする熱交換器と、
前記調整流体の流量を制御する流体フローコントローラであって、前記流体フローコントローラは、前記光学要素の非照射中に前記調整流体の前記流量を第1流量に上昇させ、および/または前記光学要素の照射前に前記調整流体の前記流量を第2流量に低下させる、流体フローコントローラと、
前記調整流体の流体圧を所定の流体圧の範囲で又は該範囲の付近で維持して前記光学要素の変形を防止するために前記調整流体の圧力変動を打ち消すように動作する圧力維持デバイスと、を含む、システム。
【請求項10】
前記照射中に前記光学要素を少なくとも部分的に照射する放射を生成する放射源と、
前記放射源の動作を制御するコントローラであって、前記放射源の前記コントローラおよび前記流体フローコントローラは、前記放射源の動作に基づいて前記調整流体の流量を設定し、前記流体フローコントローラは、前記照射中、前記第2流量をゼロに設定する、コントローラと、をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記熱交換器は熱バッファを含み、前記熱バッファは、熱調整流体リザーバ内に保持された調整流体を含む、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
パターニング構造から基板上にパターンを転写するリソグラフィ装置であって、前記リソグラフィ装置は、
放射ビームに付与されたパターンを基板のターゲット部分上に投影する投影システムであって、複数の光学要素を含む投影システムと、
前記投影システムの前記光学要素のうちの少なくとも1つを熱調整する熱調整システムであって、前記熱調整システムは、
前記光学要素に物理的に接触して、調整流体と前記光学要素との間に熱交換を可能にする熱交換器と、
前記調整流体の前記流量を制御し、前記光学要素の休止モード中に第1流量を提供し、かつ前記光学要素の放射投影モード中に第2流量を提供するフローコントローラであって、前記第2流量は前記第1流量より低い、フローコントローラと、
前記調整流体の流体圧を所定の流体圧の範囲で又は該範囲の付近で維持して前記光学要素の変形を防止するために前記調整流体の圧力変動を打ち消すように動作する圧力維持デバイスと、を含む、熱調整システムと、を含む、リソグラフィ装置。
【請求項13】
前記調整流体と前記複数の光学要素との間に熱交換を可能にする複数の熱交換器をさらに含み、前記熱交換器は、それぞれの流体供給ダクトシステムに対して並列に構成されている、請求項12に記載のリソグラフィ装置。
【請求項14】
光学要素を熱調整する方法であって、前記方法は、
放射によって前記光学要素を照射することと、
前記光学要素と、前記光学要素に物理的に接触する熱交換器の調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱を流すことと、
熱調整された調整流体をある流量で前記調整流体リザーバに供給することと、を含み、
前記照射中の前記調整流体の前記流量は、前記光学要素が放射によって照射されてないときの前記調整流体の前記流量より低く、
前記調整流体の流体圧を所定の流体圧の範囲で又は該範囲の付近で維持して前記光学要素の変形を防止するために前記調整流体の圧力変動を打ち消す、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、2008年6月9日に出願した米国仮出願第61/129,180号の優先権を主張し、その全体を本願に参考として組み込む。
【0002】
[0002] 本願は、光学要素を熱調整する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 様々な技術分野においては、光学要素、特に高熱負荷を受ける光学要素を熱調整することが望ましい。一例として、リソグラフィの分野を以下に説明する。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0005】
[0005] リソグラフィは、ICならびに他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを用いて作り出されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは、小型のICまたは他のデバイスおよび/または構造を製造することを可能にするためのさらなる重要な要素になってきている。
【0006】
[0006] パターンプリンティングの限界の理論的な推測は、式(1)で示される解像度についてのレイリー基準によって与えられ得る:
【数1】
上の式で、λは、使用される放射の波長であり、NAPSは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。kは、レイリー定数とも呼ばれているプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法:露光波長λを短くすることによって、開口数NAPSを大きくすることによって、あるいはkの値を小さくすることによって達成することができる、と言える。
【0007】
[0007] 露光波長を縮小するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小するためには、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射源は、5nmから20nmの間の放射波長を出力するように構成されている。したがって、EUV放射源は、小さなフィーチャの印刷を達成するための重大なステップを構成し得る。そのような放射は、極限紫外線または軟X線と呼ばれ、可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングからのシンクロトロン放射が挙げられる。
【0008】
[0008] 所望の高度な結像精度を提供するために、装置の光学要素は、それぞれの基板ステップ中に正確に(例えば、それぞれの静止位置で)位置決めされるべきである。したがって、投影光学系の無制御の振動を可能な限り防ぐことが望ましい。
【0009】
[0009] さらに、増加した放射線量を提供するために、例えばスループットを向上するために放射源パワーを増大させることが望ましい。しかしながら、増加した放射線量は、装置内のより高い熱負荷へと繋がり得る。結果的に、熱負荷による拡大した熱膨張ならびに汚染関連問題の両方によって投影システムの光コンポーネント(例えば、ミラー)の性能を損なうことがある。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 上記の問題を少なくとも部分的に軽減することが望ましい。特に、要素の動作の精度を損なうことなく、その動作中に高熱負荷を受け得る光学要素を熱調整するための効率的な方法を提供することが望ましい。
【0011】
[0011] 一実施形態によると、光学要素を熱調整する方法が提供される。方法は、放射によって光学要素を照射することと、放射によって光学要素を照射しないことと、光学要素と調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱流を可能にすることと、熱調整された流体をリザーバに供給するために調整流体の流体フローを提供することとを含む。
光学要素の照射中の流体の流量は、光学要素が照射されていないときの流体の流量より低い。照射中、流体の流量は実質的にゼロであってもよい。
【0012】
[0012] 一実施形態によると、光学要素を利用してパターニング構造から基板上にパターンを転写することと、光学要素を熱調整することとを含むリソグラフィ投影方法が提供される。調整することは、放射によって光学要素を照射することと、放射によって光学要素を照射しないことと、光学要素と調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱流を可能にすることと、熱調整された流体をリザーバに供給するために調整流体の流体フローを提供することとを含む。光学要素の照射中の流体の流量は、光学要素が照射されていないときの流体の流量より低い。照射中、流体の流量は実質的にゼロであってもよい。
【0013】
[0013] 一実施形態によると、光学要素を熱調整するように構成された熱調整システムが提供される。システムは、調整流体と光学要素との間に熱交換を可能にするように構成された熱交換器と、調整流体の流量を制御するように構成された流体フローコントローラとを含む。フローコントローラは、光学要素の非照射中、流体の流量を第1流量に上昇させ、および/または光学要素の照射前に流体の流量を第2流量に低下させるように構成されている。フローコントローラは、照射中、第2流体流量をゼロに設定するように構成されてもよい。
【0014】
[0014] 一実施形態によると、パターニング構造から基板上にパターンを転写するように構成されたリソグラフィ装置が提供される。装置は、放射ビームに付与されたパターンを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムを含む。投影システムは複数の光学要素を含む。装置は、投影システムの光学要素のうちの少なくとも1つを熱調整するように構成された熱調整システムを含む。熱調整システムは、調整流体と光学要素との間に熱交換を可能にするように構成された熱交換器と、調整流体の流量を制御し、光学要素の休止モード中に第1流量を提供し、かつ光学要素の放射投影モード中に第2流量を提供するように構成されたフローコントローラとを含む。第2流量は、第1流量より低く、さらにゼロであってもよい。
【0015】
[0015] 一実施形態によると、熱を熱調整流体と交換するように構成された熱交換器を含む光学要素が提供される。
【0016】
[0016] 一実施形態によると、調整流体と光学要素との間に熱交換を可能にするように構成された熱交換器が提供される。
【0017】
[0017] 一実施形態によると、光学要素を熱調整する方法が提供される。方法は、
放射によって光学要素を照射することと、光学要素と調整流体リザーバ内に保持された調整流体との間に熱を流すことと、熱調整された流体をある流量でリザーバに供給することとを含む。照射中の流体の流量は、光学要素が放射によって照射されていないときの流体の流量より低い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[0018] いくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【0019】
図1】[0019] 図1は、本発明のリソグラフィ装置の一実施形態を示す。
図2A】[0020] 図2Aは、流体補充ステップ中の熱交換器の一実施形態を含む、図1の装置の熱調整システムの一実施形態を概略的に示す。
図2B】[0021] 図2Bは、図2Aに示す装置の一部の底面図を示す。
図2C】[0022] 図2Cは、図2Bに類似しており、流体供給システムの一実施形態の一部を概略的に示す。
図2D】[0023] 図2Dは、露光ステップ中の図2Aに示す装置の一部を示す。
図3】[0024] 図3は、図1の装置の一部の第2例を概略的に示す。
図4A】[0025] 図4Aは、熱交換器の一実施形態を示す。
図4B】[0026] 図4Bは、図4AのラインIV−IV上の断面図である。
図5】[0027] 図5は、熱交換器の一実施形態を示す。
図6A】[0028] 図6Aは、熱交換器の一実施形態を示す。
図6B】[0029] 図6Bは、図2Bと同様の、熱交換器の一実施形態の底面図を概略的に示す。
図7】[0030] 図7は、熱交換器の一実施形態を示す。
図8A】[0031] 図8Aは、続いて起こる露光シーケンスおよび熱調整シーケンスを含む流体流量に対する時間の一例のグラフを示す。
図8B】[0032] 図8Bは、第1シーケンスの例に関連する、流体リザーバ内の流体温度のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0033] 図1は、リソグラフィ装置の一例を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニング構造またはデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを保持する(特に、支持する)ように構成され、かつ望ましくはパターニング構造を正確に位置決めるように構成された第1ポジショナPMに連結されている第1パターニングホルダMT(例えば、マスクテーブル)と、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ望ましくは基板を正確に位置決めるように構成された第2ポジショナPWに連結されている第1基板ホルダWT(例えば、基板テーブルまたはウェーハテーブル)と、第1パターニング構造ホルダMTによって保持されるパターニング構造MAによって放射ビームBに付与されたパターンを第1基板ホルダWTによって保持される基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成されている投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。例えば、この装置は投影システムPSを含む投影光ボックスを含んでもよい。
【0021】
[0034] システムは、少なくとも1つの光学要素2、例えば投影システムPSの要素2を熱調整するように構成された熱調整システムTCS(または熱調整器)を含むことが望ましい。熱調整システムTCSおよびその一部の非限定例を以下に説明し、図2図7に示す。
【0022】
[0035] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0023】
[0036] 第1パターニング構造ホルダMTは、パターニング構造の向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニング構造が真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニング構造を保持することができる。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニング構造を保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニング構造を、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0024】
[0037] 「パターニング構造」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することができる。
【0025】
[0038] パターニング構造は、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニング構造の例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク
型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0026】
[0039] 「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含することができる。他のガスは放射または電子を吸収しすぎることがあるので、EUVまたは電子ビーム放射に対しては真空を使用することが望ましい場合がある。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビームパス全体に真空環境を提供することができる。
【0027】
[0040] 本明細書に示されているとおり、装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。あるいは、装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)であってもよい。
【0028】
[0041] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0029】
[0042] 図1を参照すると、動作中、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受けることができる。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。
放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0030】
[0043] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0031】
[0044] 放射ビームBは、それぞれの第1ホルダまたはサポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニング構造(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニング構造によってパターン形成される。パターニング構造(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、(それぞれのホルダWTによって保持されている)基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、第1基板テーブルWT(例えば、基板テーブル)を正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、パターニング構造(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニング構造(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0032】
[0045] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0033】
[0046] 1.ステップモードにおいては、レチクル保持構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび第1基板ホルダWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板ホルダWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
【0034】
[0047] 2.スキャンモードにおいては、マスクホルダ構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび第1基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクホルダ(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板ホルダWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
【0035】
[0048] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニング構造を保持した状態で、マスクホルダ(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板ホルダWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニング構造は、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニング構造を利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0036】
[0049] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0037】
[0050] 上述したように、さらなる実施形態によると、リソグラフィ装置は、投影システムPSの光学要素2のうちの少なくとも1つを熱調整するためのシステムTCSを含んでよい。あるいは、リソグラフィ装置の1つ以上の他の光学要素、例えばイルミネータILの1つ以上の光コンポーネントが、システムTCSによって熱調整されてもよい。
【0038】
[0051] さらなる例によると、熱調整システムTCSは、1つ以上の光学要素2(例えば、投影システム要素)から熱を取り除くことができ、この熱は、リソグラフィ中にリソグラフィ放射ビームBの少なくとも一部を受ける(およびその放射の一部を吸収する)光学要素2に関連する。
【0039】
[0052] システムTCSの非限定例を図2図7に示す。熱調整システムTCSは、リソグラフィ装置以外の用途、例えば、光学系または顕微鏡法などに適用することもできる。例えば、1つ以上の光学要素がその動作中に高熱負荷を受ける場合に熱調整システムが適用されてよい。
【0040】
[0053] システムTCSによって熱調整される光学要素2は、ミラー、レンズ、回折格子、フィルタ要素、あるいは異なるタイプの光学要素であってもよい。以下の非限定例では、1つ以上のミラー2を調整する熱調整システムについて記述する。
【0041】
[0054] 図2A図2Dに示すように、熱調整システムTCSの一実施形態は、調整流体とそれぞれの光学要素2との間に熱交換を可能にするように構成された少なくとも1つの熱交換器3を含んでよい。
【0042】
[0055] 例えば、光学要素2は、実質的に静止した熱調整流体との熱交換を可能にできる熱交換器3を含んでよい(例えば、設ける、協同する、備えるまたは一体的に有する)。
【0043】
[0056] 熱交換器3は、多数の異なる方法で構成されてよい。熱交換器3は、熱調整流体を保持する(例えば、含む、収容する)ように構成された1つの(すなわち、少なくとも1つの)熱調整流体リザーバ7を含んでよい。熱調整流体の熱容量は、1kJ/kgKより高い(20℃で)ことが望ましい。
【0044】
[0057] 流体は液体であってもよい。流体は水であり、水は高い熱容量(20℃で4.2kJ/kgK)を有し、かつ便利な熱輸送媒体であることが望ましい。
【0045】
[0058] 流体リザーバ7自体は様々な方法で構成されてよい。いくつかのリザーバの例を図面に示す。例えば、リザーバ7はそれぞれのコンポーネントまたは構造の内部空間であってもよく、この内部空間は流体を収容および保持することができる。リザーバ7には、単一の流体収容空間または複数の個別の流体収容空間(例えば、1つ以上の流体バリアによってお互いから離されている)が設けられてもよい。
【0046】
[0059] リザーバ7には、流体がリザーバに流れることを可能にする1つ以上の流体入口が設けられてよい。リザーバ7には、流体がリザーバから流れる(例えば、そこから外へまたはそこから離れて)ことを可能にする1つ以上の流体出口が設けられてよい。リザーバ7は、様々な形状を有してよく、例えば、リザーバの1つの直交寸法が他の2つの直交リザーバ寸法より少なくとも10倍小さい、相対的に平坦なリザーバ形状を有してもよい。リザーバは、細長いリザーバであってもよい(例えば、リザーバに1つ以上の流体ダクトパイプが設けられた場合)。さらに、特定の実施形態では、リザーバ7は、長方形の断面形状、円形の断面形状、楕円形の断面形状、別の断面形状および/またはそのような断面形状の組み合わせを有してもよい。
【0047】
[0060] リザーバ7は異なる方法で構成されてもよい。
【0048】
[0061] 一実施形態では、熱交換器3は、動作中に光学要素2を支持するサポート4と一体化されていてもよい。各サポート4は、例えば、リソグラフィ装置の保持フレーム、例えば、剛性マウント構造、例えば、投影システムの投影光学ボックスの一部に接続されてもよい。
【0049】
[0062] サポート4は、(それによって支持されている)光学要素2と流体(特に、サポート内にある流体)との間で熱を交換する熱交換器としての機能を果たすことができる。
【0050】
[0063] サポート4は、それぞれの光学要素2を支持するために様々な方法で構成されてよい。例えば、光学要素2は、接着剤を用いて、および/または1つ以上のコネクタの適用によって、および/またはクランプデバイスを介して、および/または異なる方法でそれぞれのサポート4に固定されてもよい。
【0051】
[0064] さらなる実施形態によると、サポート4および光学要素2はお互いに組み込まれている。例えば、光学要素2は自立していてもよい(図6Aおよび図6Bを参照)。
【0052】
[0065] さらに、例えば、熱交換器3は光学要素2自体の一部であってもよい(すなわち、それによって提供されていてもよい)。同様に、それぞれの流体リザーバ7は、光学要素2自体の一部(内部)であってもよい(図6Aおよび図6Bを参照)。
【0053】
[0066] 熱調整システムTCSは、光学要素2の均一な熱調整を提供するように構成されてよい。例えば、一実施形態によると、光学要素2の裏面とその光学要素の裏面に面するサポート4のサポート表面とは、妨害されることなくお互いと接触し、それによって要素2の均一な熱調整をサポート4によって達成することができる。
【0054】
[0067] 流体リザーバ7の体積は、光学要素2自体の体積と比較して相対的に大きいことが望ましい。例えば、流体リザーバの体積は、熱体積、熱質量またはその両方を含んでもよい。
【0055】
[0068] 例えば、リザーバ7が光学要素2のサポート4の一部であった場合、リザーバの体積は、それぞれの光学要素2の全体積の少なくとも50%であっても、より具体的には75%より高くてもよい。サポート4に組み込まれたリザーバ7の体積がそれぞれの光学要素2の体積より大きい(例えば、少なくとも2倍)場合、良い結果を達成することができる。したがって、動作中、サポート4は、それぞれのリザーバ7内に相対的に大きい体積の熱調整流体を保持することができる。
【0056】
[0069] さらなる実施形態によると、流体リザーバ7の体積は50mlより大きい。例えば、流体リザーバの体積は100ml以上であってもよい。
【0057】
[0070] さらなる実施形態によると、流体リザーバ7は、少なくとも0.1kgの調整流体の質量を保持するように構成されている。例えば、調整流体が水であった場合、リザーバ7は少なくとも0.1kgの水を保持することができる。そのような水の質量は、42秒の間の100ワットに相当する10Kの温度上昇で4200J吸収することができる。
【0058】
[0071] あるいは、流体リザーバ7が光学要素2に組み込まれている場合(図6Aおよび図6Bを参照)、リザーバ7は、それぞれの要素2の実質的に均一な熱調整を提供するように形作られて寸法決めされてもよい。例えば、光学要素2の全体積のかなり部分は、リザーバ7に含まれてもよい。さらなる実施形態によると、光学要素2の全体積の少なくとも50%、より具体的には少なくとも80%がリザーバ7に含まれてもよい。したがって、動作中、光学要素2は、それぞれのリザーバ7内に相対的に大きい体積の熱調整流体を保持することができる。
【0059】
[0072] 一実施形態によると、リザーバ7(図6Bを参照)が光学要素2の一部であった場合(例えば、リザーバ7が光学要素2に組み込まれている場合)、光学要素2自体は、(サポート4に支持された)光学要素2と流体リザーバ7に存在する流体との間に相対的に高い熱伝導率を提供するように構成されてよい。熱伝導率が少なくとも0.6W/Km、具体的には少なくとも1W/Km、より具体的には少なくとも50W/Kmであった場合、良い結果を得ることができる。
【0060】
[0073] 例えば、光学要素2は高い熱伝導率(例えば、上記の例示的値)を有する1つ以上の材料を含んでもよい。この(1つ以上の)材料は、動作中、要素2内に保持された流体への相対的に高い熱伝達速度を提供する。例えば、そのような材料としては、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、SiSiCまたはAlNなどの適切な金属、合金またはセラミックが挙げられる。
【0061】
[0074] 一実施形態によると、サポート4は、(サポート4に支持された)光学要素2とサポートの流体リザーバ7内にある流体との間に相対的に高い熱伝導率を提供するように構成されてよい。
【0062】
[0075] 例えば、サポートは高い熱伝導率を有する1つ以上の材料を含んでもよく、この(1つ以上の)材料は、光学要素2と流体リザーバとの間に延在する。例えば、そのような材料としては、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、SiSiCまたはAlNなどの適切な金属、合金またはセラミックが挙げられる。
【0063】
[0076] 熱伝導率が少なくとも0.6W/Km、具体的には少なくとも1W/Km、より具体的には少なくとも50W/Kmであった場合、良い結果を得ることができる。
【0064】
[0077] 流体リザーバ7内の流体は、熱緩衝としての機能を果たすことができる。動作中、流体と光学要素2との間に熱を伝達することができ、それによって光学要素2を所望の動作温度でまたはその付近、あるいは例えば所望の動作温度範囲内で維持する。ここで、サポート4の少なくとも一部は、要素2とリザーバ7内にある流体との間に熱を伝達する熱伝達構造を提供することができる。リザーバ7は、上記の相対的に高い熱伝導率を有する材料内に埋め込まれることが望ましい(すなわち、構造によって画定される)。
【0065】
[0078] システムTCSは、リザーバ7内の流体圧が動作中に一定であるように、特に放射Bによる光学要素2の照射を含む照射ステップ中に一定であるように構成されることが望ましい。このようにして、圧力変動による光学要素2の変形を防止することができる。
【0066】
[0079] 一実施形態では、熱調整システムTCSは、流体をリザーバ7に供給するための流体供給ダクトシステム11および流体をリザーバ7から放出するための戻りダクトシステム12を含む(例えば、図1および図2Aを参照)。例えば、リザーバ7には、供給ダクトシステム11から流体を受け入れる1つ以上の流体入口ポート11aおよびリザーバ7から戻りダクトシステム12へ流体を放出する1つ以上の流体出口ポート12aが設けられてよい。各ダクトシステム11および12は、例えば、1つ以上の流体チャネル、多岐間、弁および/または他の流体トランスポータを含む様々な方法で構成されてよい。
【0067】
[0080] 本実施形態では、ダクトシステム11および12には、ダクトシステム11および12(ならびにリザーバ7)内の流体圧を特定の動作圧で維持するように構成された、例えば膨張容槽などの圧力維持デバイス20が設けられてよい。圧力維持デバイス20は、流体リザーバ7内で一定の流体圧を達成するように動作できることが望ましい(上記参照)。
【0068】
[0081] 熱調整システムTCSは、調整流体の温度を制御するように構成された1つ以上の流体温度制御ユニット18(流体温度コントローラ)を含んでよい。例えば、温度制御ユニット18は、戻りダクトシステム12から流体を受け入れ、受け入れた流体を熱調整し、熱調整された流体を供給ダクトシステム11に供給することができる。このために、例えば、温度制御ユニット18には、温度センサ、流体を冷却する冷却デバイス、熱交換器、ペルチェ素子システム、冷却器および/または流体の温度を制御するための他のコンポーネントが設けられてもよい。特に、温度制御ユニット18は、供給ダクトシステム11に供給される流体の温度が所定の温度T0を有するように流体の温度を調整するように構成される。所定の温度T0は、例えば30℃より低い温度、例えば約15〜25℃の範囲内の温度、例えば約20℃(例えば22℃)であってもよい。
【0069】
[0082] 温度制御ユニット18は、それによって放出される流体の温度を、動作中、実質的に一定に保つことができる。供給システム11に供給される流体の温度は、能動的に制御されて所定の一定温度(例えば、22.00℃+/−0.005℃)のままであることが望ましい。
【0070】
[0083] システムは、調整流体の流量を制御するように構成されたフローコントローラ19を含んでよい。特に、フローコントローラ19は、熱調整流体リザーバ7の各々に(およびから)流れる調整流体の流量を制御するように構成される。
【0071】
[0084] フローコントローラ19は、様々な方法で構成することができる。例えば、フローコントローラ19には、システムの1つ以上の部分における瞬間流量を検出するように構成された1つ以上の任意のフローセンサが設けられてよい。本実施形態(図1および図2Aを参照)では、フローコントローラ19は、(供給ダクト11、リザーバ7、戻りダクト12および流体調整器18の間で)流体を循環させて所望の流量を達成するように構成された1つ以上の制御可能流体ポンプを含んでよい。図2Aにおいて矢印Fは流体の循環を示す。
【0072】
[0085] 一実施形態では、フローコントローラ19には、ダクトシステム11および12への流体フローおよび/またはダクトシステム11および12を通る流体フローを調整するために1つ以上の制御可能な弁が設けられてもよい。その場合、フローコントローラ19は、上記の第1流量および第2流量を設定するために1つ以上の弁の動作状態を調整することができる。
【0073】
[0086] さらに、フローコントローラ19には、1つ以上のポンプおよび1つ以上の弁の組み合わせが設けられてもよく、ここでポンプおよび/または弁は制御可能である。
【0074】
[0087] 上述したように、放射源SOが設けられてもよく、この放射源SOは、照射ステップ中に光学要素を少なくとも部分的に照射する放射を生成するように構成される(例えば、パターニングデバイスMAから基板W上にパターンを転写する)。放射源SOの動作を制御するように構成された放射源コントローラLCが設けられてもよい。その後、放射源SOのコントローラLCおよび調整流体フローコントローラ19は、放射源動作によって流体流量を設定するために協同するように構成されてよい。例えば、動作中、フローコントローラ19は、熱調整流体の流量を所定の流量に調整する(例えば、上昇または低下させる)ために放射源制御ユニットLCによって制御されてよい。
【0075】
[0088] 例えば、さらなる実施形態では、フローコントローラ19は、例えばリソグラフィ装置の別の制御ユニットLCなどの放射源制御ユニットLCと結合されていてもよい。例えば、フローコントローラおよび放射源制御ユニットLCはお互いに組み込まれてもよく、あるいは、放射源制御ユニットLCは、流体フローコントローラ19の動作を制御するように構成されてよい。放射源制御ユニットLCは、リソグラフィ装置の総括制御(またはその一部)であってもよい。
【0076】
[0089] フローコントローラ19は、(例えば放射源制御ユニットと協同して)それぞれの光学要素2の休止(idle)モード中に第1流量を提供し(図2Aを参照)、かつ光学要素2の放射投影モード中に第2流量を提供するように構成されてよく(図2Dを参照)、ここで第2流量は第1流量より低い。上述したように、(コントローラ19による)流量の設定は放射源SOの動作に依存することが望ましい。このために、フローコントローラ19は、本実施形態のように、放射源制御ユニットLCによって制御可能であってよい。
一実施形態では、放射を検出するために1つ以上の放射センサ(図示せず)が設けられてよく、フローコントローラ19の動作は、その1つ以上のセンサによる放射の検出に依存する。
【0077】
[0090] 例えば、フローコントローラ19は、光学要素の非照射ステップ中に流体の流量を第1流量に上昇させ(図2Aを参照)、かつ光学要素2の照射ステップ(すなわち、放射ビームBの少なくとも一部がその要素2を照明するときのステップ、図2Dを参照)の直前(例えば、1秒または数秒前)に流体の流量を第2流量に低下させることを達成するように構成されてよい。
【0078】
[0091] 熱調整システムTCSは、ダクトシステム11、12およびリザーバ7内に相対的に高い第1流量を提供するように構成されており、それによって各リザーバ7の容積を素早く一新することができる。例えば、熱調整システムは、動作中、各リザーバ7の実質的に完全な補充を60秒以内(具体的には10秒以内、より具体的には1秒以内)で可能にする第1流量を提供するように構成されてもよい。一実施形態によると、システムTSCは、動作中、少なくとも1リットル/1分、特に少なくとも5リットル/1分(例えば、6リットル/1分)の第1流体流量を達成できる。
【0079】
[0092] フローコントローラ19によって設定される第2流体流量は、各リザーバ7の補充が達成されないように設定されてよい。例えば、第2流量は1リットル/1分より小さくてよい。具体的には、第2流量はゼロである。したがって、フローコントローラ19は、照射ステップ中、第2流体流量をゼロに設定するように構成されてよい。
【0080】
[0093] 例えば、熱交換器は、実質的に静止した調整流体(すなわち、実質的にゼロの流量を有する)と光学要素2との間に熱交換を可能にするように構成されてよい。
【0081】
[0094] 流体リザーバ7自体は、様々な方法で構成されてもよく、いくつかの例を図面に示す。リザーバ7は、光学要素2のサポート4内、または光学要素内の中空の内部空間7であることが望ましく、ここで空間7は1つ以上の供給ポート11aおよび放出ポート12aと流体連通している。
【0082】
[0095] 図2Bは、単一の供給ポート11aおよび単一の放出ポート12aが提供された一実施形態の断面図を示す。あるいは(図2Cを参照)、複数の供給ポート11aを設けてリザーバ7の素早い補充を可能にすることができる。(図2Cのように)同様に、複数の放出ポート12bが設けられてもよい。例えば、供給ポート11aおよび放出ポート12bは、お互い反対側に配置されてもよい。より具体的には、コンパクトな構成は、リザーバ7を通る(熱調整流体の)流体フローの方向が光学要素2の放射受入面2aに対して実質的に平行であるシステムを含んでよい。
【0083】
[0096] 特に第1流量が適用された場合、動作中に実質的に層流の流体をリザーバ7内に達成することができる。例えば、リザーバ7は、層流誘導物質を含んでよい。リザーバ7は、新しく供給された流体とリザーバ7内に既に存在する流体との混合を防止または減少するように構成されてよい。一実施形態では、例えば、リザーバ7は、供給部分11aおよび放出部分11bとの間に配置された多数の並行チャネル(図4を参照)を含んでよく、これらのチャネルは、そのような混合を防止するように構成されてよい。
【0084】
[0097] 図2Aおよび図2Bは、それぞれの光学要素2の後方に延在するリザーバ7(すなわち、光学要素の裏面の向かい側であり、この裏面は、動作中に放射Bを受ける前面2aと反対を向いている)の一例を示す。例えば、要素2の放射受入面と並行に測定されたリザーバ7の断面は、(同じ方向で測定された)放射受入面2aのサイズの同等またはそれより大きくてもよい。
【0085】
[0098] 動作
【0086】
[0099] 図1図2の実施形態の動作は、光学要素、特に投影システムPSの1つ以上の光学要素2を熱調整する方法を含んでよい。
【0087】
[00100] 方法は、放射Bによって光学要素2を照射することを含む多数の照射ステッ
プQ(図2D図8Aおよび図8Bを参照)を提供することを含んでよい。本実施形態では、放射Bは、基板W上にパターンを転写するために使用される放射ビームB(の一部)である。
【0088】
[00101] 方法は、光学要素2が放射によって照射されない多数のステップを提供する
ことと(図2Aを参照)、熱調整された流体をリザーバに供給するために調整流体フローを提供すること(図2Aを参照)とをさらに含む。これらの非照射ステップNIの各々の間、例えば、熱調整システムは、所定温度T0を有する熱調整流体の量を熱交換器3のリザーバ7に供給することができ、この量は、光学要素2の温度を所定の動作範囲内で維持するために十分である。さらに、例えば、ステップは、リザーバ7の中身(content)を光
学要素2の(所望の)最小閾値温度より低い温度に熱調整するために所定温度T0を有する熱調整流体をリザーバに供給することを含んでもよい。
【0089】
[00102] 熱流は、照射ステップおよび非照射ステップNIの両方の間、光学要素と調
整流体リザーバに保持された調整流体との間で可能である(図2Aおよび図2Dの両方、ならびに図8のグラフを参照)。熱流は、光学要素2および光学要素2とリザーバ7との間に延在するサポート4の一部を通る伝導による熱流を含んでよい。リザーバ7が光学要素2の一部であった場合、伝導による流体への熱流は、自然に、光学要素2自体を主に通ることができる。熱流は、リザーバ7内に保持された流体内の熱流を含んでよい。
【0090】
[00103] フローコントローラ19は、(リザーバ7を通る)流量が、照射ステップ中
、非照射ステップNI中の(リザーバ7を通る)流体流量より低い、例えば実質的にゼロになるように流体の流量を制御してよい。したがって、リザーバ7内の流体が、各照射ステップ中、(光学要素2の放射受入面2aに対して)実質的に静止状態であることが望ましい。例えば(上述したように)、動作中、フローコントローラ19は放射源制御システムLCと協同することができ、それによって、例えば、放射源SOが活動状態になる直前に(第2流量を達成するために)流体フローを止め、かつ放射源SOが非活動状態になったときまたはその後に(第1流量を達成するために)流れを開始する。
【0091】
[00104] 図8Aは、続いて起こる照射ステップQおよび流量R1を利用した流体補充
ステップの時系列の一例を示す。リザーバ7内の流体の結果温度の一例を図8Bのグラフに示す。流体温度調整器18によって提供される流体の初期温度は、点線50で示す。図面によると、流体が実質的に静止状態であるときにリザーバ内の温度は光学要素2の照射中に上昇するが、各補充ステップ中に初期温度T0に素早く戻ることができる。さらに、リザーバ7を通る流体フローは、それぞれの光学要素2の熱調整を提供するために各非照射ステップNI中に連続的に維持されることが望ましい。
【0092】
[00105] このようにして、例えば水などの調整流体を用いた光学要素2の正確および
均一な熱調整を達成することができる。この要素2は、所望の動作温度(例えば、相対的に狭い温度範囲)でまたはその付近で維持することができる一方、照射ステップ中に相対的に大きい熱負荷を受ける。その後、非照射ステップ(すなわち、リザーバ補充ステップ)中に余剰熱を除去することができる。(入射とのある相互作用、例えば、図2Dのように入射Bの少なくとも一部の反射を含み得る)光学要素2の動作は、高い正確性を有して達成することができる。特に、光学要素2の所望の動作を損なうことがある流体フローによって誘導される振動は、照射ステップ中における(流れる流体の代わりに)静止状態の熱調整流体の適用によって除去することができる。
【0093】
[00106] 流体リザーバ7内の流体は、大きくて効率的な熱緩衝として機能し、特に光
学要素2の照射に繋がる放射源SOの活動化中に熱を「吸収する」(すなわち、光学要素2から熱を排出する)ための相対的に大きい熱容量を提供することができる。これは、各照射ステップ(リザーバ7内の流体が実質的に静止している望ましい場合)および各流体補充ステップ(例えば、照射ステップの前および/または後)を保つ。
【0094】
[00107] 放射源SOが非活動状態になった場合、例えば基板Wの基板交換中、または
別の中間期間中(続いて起こるリソグラフィ照射ステップの間)、熱を受けたことによって温まったリザーバ流体は、供給ダクトシステム11を介して供給される(例えば、温度制御ユニット18によって提供される上記の温度を有する)新しくてより冷たい流体によって実質的に取り替えることができる。例えば、本実施形態では、温まったリザーバ流体は、所望の熱調整温度まで冷却するために放出システム12を介して温度制御ユニット18に供給されてよい。
【0095】
[00108] 照射ステップ中の流体の流量と非照射ステップ中の流体の流量との差が少な
くとも100ml/sであった場合、良い結果を達成することができる。
【0096】
[00109] リザーバ7内の調整流体は、各照射ステップの直前または各照射ステップの
直後、あるいは各照射ステップの前後両方に、新しい熱調整された調整流体によって実質的に補充することができる。さらに、上述したように、各照射ステップ中、リザーバ7内の調整流体は補充されないことが望ましい。
【0097】
[00110] 動作中、任意の圧力維持デバイス20は、ダクトシステム11および12と
通じて(例えば、図面のように戻りダクトシステム12を介して)流体圧を所定の圧力レベル(例えば、所定の流体圧の範囲)でまたはその付近で保つことができる。例えば、圧力維持デバイス20は、変動する流体温度に関連する流体の圧力変動を打ち消すことができる。
【0098】
[00111] 調整システムの更なるいくつかの例を図3図7に示す。これらの例は、図
1および/または図2A図2Dに示す実施形態と組み合わされても、またはそれらの一部であってもよく、さらに上記の方法に適用されてもよい。
【0099】
[00112] 図3は、複数の光学要素2およびそれぞれの複数の熱交換器3が設けられる
という点について図2A図2Dの実施形態と異なるさらなる実施形態を示す。熱交換器3は、それぞれの流体供給ダクトシステム11および12に対して並行に構成されることが望ましい。各熱交換器3は、それぞれ流体リザーバ7を含む。このようにして、全ての流体リザーバ7内の流体を、流体補充ステップ中に素早く補充することができる。代替的に、または追加として、複数の熱交換器3は、それぞれの流体供給ダクトシステム11および12に対して直列構成で構成されてもよい。
【0100】
[00113] 図4Aおよび図4Bは、熱交換器3のリザーバ107に複数の流体チャネル
107aが設けられるという点について図1図3の実施形態と異なるシステムの一部の実施形態を示す。チャネル107aは、システムの流体入口ポート11aおよび出口ポート12aに対して並行に構成されることが望ましい。例えば、チャネル107の各々は、様々な断面、例えば正方形(図4Bのように)、長方形、円形、六辺形および/または異なる断面を有してもよい。
【0101】
[00114] 図5は、熱交換器3が入口11aと出口11bとの間に延在する単一の細長
流体ダクト207を含むという点について図1図4の実施形態と異なる。ダクト207は、高熱容量、例えば(20℃で)1kJ/kgKより高い容量を有するダクト埋込材料に埋め込まれる。例えば。ダクト埋込材料は固体であってもよい。動作中、熱調整システムTCSは、ダクト埋込材料208を冷却するために相対的に低い温度を有する流体をダクト207を通って供給することができる。例えば、入口ポート11aを介してダクト207に供給される流体の温度は、熱調整されるそれぞれの光学要素2の所望の動作温度より低くてもよい。この場合、ダクト埋込材料208は、熱緩衝として機能することができ、動作中に光学要素2から熱負荷を吸収する。ここで、過剰熱をダクト207に受け入れられる低温流体に移動することができる。再び、流体を光学要素2の照射中に静止状態に保つことができ、さらに照射ステップの前後に(新しい冷却流体によって)補充することができる。例えば、流体は、0〜20℃の範囲、例えば0〜10℃の範囲の温度を有する水であってもよい。
【0102】
[00115] 図6Aは、光学要素302の一実施形態を示す(この例では、放射を反射す
るための反射面302aを有する)。要素302自体は、上記の流体リザーバ207を含む。例えば、要素302は、自立した要素302であってもよい。リソグラフィ装置では、要素302は、適切な取付方法を用いて保持部材のフレーム(例えば、投影光学ボックスの一部)に接続されてよい。光学要素302の一体化した流体リザーバ307は、様々な方法で構成されてよい。(上述したように)流体リザーバ307は、少なくとも0.1kgの調整流体の質量を保持するように構成されることが望ましい。光学要素302の全体積のかなりの部分がリザーバ307に含まれることが望ましい。一実施形態によると、光学要素302の全体積のうちの少なくとも50%、より具体的には少なくとも80%がリザーバ307に含まれる。図6Bは、一体化したリザーバ307が細長流体ダクト307である例を示す。リザーバ307は、様々な他の構成、例えば、図2図2Dおよび/または図4の実施形態に示すリザーバの例と同等または同様である例示的構成または別の構成を有してもよい。
【0103】
[00116] 図7は、熱交換器が、光学要素2とリザーバ407との間に延在する高熱伝
達係数を有する熱伝達部404hを含むという点について図2Aに示す実施形態と異なる別の非限定例を示す。熱伝達部404hは、光学要素2とリザーバ407に含まれた流体との間に非常に低い耐熱性を可能にするように構成された1つ以上の熱パイプ(そのようなものとして当業者に公知である)を含んでよい。あるいは、熱伝達部404h自体は、熱交換器3の別の部分4(例えば、伝達部404hを保持または含む、熱交換器3の本体4)より高い熱伝達係数を有する材料または合成物からなってもよい。
【0104】
[00117] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体
的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。
【0105】
[00118] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具
体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。
【0106】
[00119] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(U
V)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0107】
[00120] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の
態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光ディスク)の形態であってもよい。
【0108】
[00121] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業
者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
【0109】
[00122] 本願において、「備える」および「含む」という用語は他の要素または工程
を排除しないことが理解されたい。さらに、「a」および「an」という各用語は、複数状態を排除しない。クレーム内のあらゆる(1つ以上)参照記号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0110】
[00123] 例えば、本発明による方法は、各非照射ステップ中の流体の流量より低い流
体の流量を各照射ステップ中に付与することを含んでよい。
【0111】
[00124] あるいは、例えば、1つ以上の非照射ステップ中の流体流量は、非照射ステ
ップ中の流量と同じであってもよい。
【0112】
[00125] 放射によって光学要素を照射することは、様々な方法で達成することができ
、さらに、例えば、それぞれの放射を生成する放射源の動作および/または種類に依存してよい。
【0113】
[00126] 例えば、各照射ステップは、放射によって光学要素を照射するために単一の
照射期間だけ含んでもよい(例えば、放射源SOが連続的で非中断放射ビームBを提供するように作動する場合)。
【0114】
[00127] あるいは、(例えば、各)照射ステップ自体は、続いて起こる、光学要素を
照射するための照射期間および光学要素が照射されていないときの中間期間のシーケンスを含んでよい(例えば、放射源SOがパルス放射ビームBを提供するように作動する場合)。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B