(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め加熱された前記基板に前記塩基性溶液を塗布し、前記基板上で前記塩基性溶液を加熱することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1〜
図5を参照しながら、本実施形態に係る酸化亜鉛薄膜の製造方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
【0013】
本実施形態の酸化亜鉛薄膜の製造方法は、基板上にテトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンを含有する塩基性溶液を用意することと、、前記塩基性溶液をpH8.5以下となるように希釈すること、前記塩基性溶液を基板に塗布することと、前記塩基性溶液を加熱することと、を有するものである。
【0014】
図1、2は、本実施形態に係る酸化亜鉛薄膜の製造方法を示す説明図であり、
図1は、塗布溶液の調整方法を示すフローチャート、
図2は、酸化亜鉛薄膜の製造方法の一例を示す工程図である。
【0015】
まず、
図1に示すように、亜鉛塩を溶解させた溶液(亜鉛塩溶液)と塩基性溶液とを混合し(ステップS1)、室温にて攪拌した後、30分ほど静置する(ステップS2)。これらの溶液の溶媒には水が好適に用いられ、亜鉛塩水溶液と塩基性水溶液とを混合することが好ましい。本実施形態においては、溶媒として水を用いる。
【0016】
亜鉛塩としては、水溶性の塩を用いることができ、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛などを例示することができる。
【0017】
また、塩基性溶液の溶質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなどを例示することができる。
【0018】
上記操作により、溶液中に溶解する亜鉛イオン(Zn
2+)は、水酸化物イオン(OH
−)と結合して水酸化亜鉛(Zn(OH)
2)となり、コロイド状の白色沈殿を生じる。さらに、溶液のpHを10以上とすることで、白色沈殿である水酸化亜鉛は、水酸化物イオンと結合してテトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオン([Zn(OH)
4]
2−)を生じ、溶液中に溶解する。
【0019】
次いで、溶液に残存する水酸化亜鉛の白色沈殿を、遠心分離機を用いて分離し、上清を採取する(ステップS3)。こうして得られた溶液は、「テトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンを含有する塩基性溶液」であり、基板に塗布する塗布溶液として用いることができる。以下の説明においては、「テトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンを含有する塩基性溶液」を「溶液S」、または「塗布溶液」と称することがある。
【0020】
次に、
図2に示すように、酸化亜鉛薄膜を形成する基板を準備し、溶液Sを用いて、目的とする酸化亜鉛薄膜を形成する。
【0021】
図2(a)に示すように、基板10に溶液Sを塗布する。基板10の形成材料には、ガラスや樹脂材料など種々の材料を用いることができる。溶液Sの塗布の方法としては、通常知られた種々の方法を採用することができ、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、スリットコート法等を例示することができる。
【0022】
また、溶液Sの塗布と同時に、または溶液Sを塗布する前に、溶液Sに純水Wを加えて希釈する。希釈することにより、溶液SのpHが低下し、テトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンから水酸化亜鉛が生じる反応が促進されて、基板10の表面に水酸化亜鉛が析出し薄膜20が生じやすくなる。
【0023】
この希釈は、溶液SのpHが8.5以下となるように制御して行う。これにより、得られる薄膜には、
図1のステップS1で用いた塩基性溶液のイオンに由来する夾雑物が析出しにくくなる。夾雑物としては、塩基性溶液の溶質として金属水酸化物を用いた場合、陽イオン(金属イオン)に由来する金属化合物が考えられる。また、塩基性溶液の溶質としてアンモニアを用いた場合には、アンモニアと亜鉛イオンとの反応により生成するテトラアンミン亜鉛(II)イオン([Zn(NH
3)
4]
2+)から脱離するアンモニアが考えられる。夾雑物の存在は、基板表面に生成する薄膜を分析することにより確かめることができる。
【0024】
図3、4は、溶液SのpHの変化と、基板表面に生成する薄膜の様子と、の関係を示す図であり、
図3は夾雑物の量を示す図、
図4は薄膜のSEM像である。
【0025】
ここでは、0.1mol/Lの硝酸亜鉛水溶液に対し水酸化ナトリウム水溶液を加えpH10以上に調整して十分に攪拌した後、30分ほど静置し、遠心分離機にて10000rpmで、10分程度分離して採取した上清を溶液Sとして用いた。採取した溶液Sを純水で希釈することによってpH8〜10の範囲で塗布溶液を作製し、ガラス基板上に直接滴下したモデルサンプルについて評価した。
【0026】
図3は、上述の方法でガラス基板上に形成した薄膜について、薄膜に含まれる亜鉛原子とナトリウム原子の原子数の比を示したグラフである。各元素の原子数は、エネルギー分散型X線分析法(Energy Dispersive X-ray spectrometry:EDX)により、薄膜における原子数濃度として求められた値を採用した。
【0027】
図3に示すように、上記モデルサンプルにおいては、亜鉛を含む化合物とナトリウムを含む化合物とが等量(1:1)で析出するためには、pHが8.5〜9の間、概ねpH8.7程度となるまでpHを低下させる必要があることが分かる。また、pH8.5以下では亜鉛を含む化合物が優先的に析出していることより、pH8.5以下となる量まで純水で希釈することが望ましい。
【0028】
図4は、pHが異なる塗布溶液を用いて作成した薄膜の様子を示すSEM画像である。図に示すように、pHの低下に伴い、薄膜を構成する粒子は、粒子同士の凝集が緩和されて析出する傾向にある。塗布溶液のpHを8.5以下となるまで希釈すると、得られる薄膜が密なものとなり望ましい。
【0029】
図2に戻って、
図2(b)に示すように薄膜20を加熱する。図では基板10を加熱することで薄膜20を加熱することとして示している。もちろん、基板10が配置された空間の温度を高め、薄膜20と基板10との全体を加熱することとしてもよい。さらに、図では、
図2(a)で示した溶液Sが除かれているが、加熱時に溶液Sが基板10上に存在していてもよい。
【0030】
加熱により、薄膜20を構成する水酸化亜鉛から水が脱離し、酸化亜鉛(ZnO)が生じる。加熱温度は、60℃以上となることが好ましく、80℃以上がより好ましい。また、加熱温度は150℃以下であることが好ましい。例えば、加熱温度は、約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、又は160°にできる。この加熱により、基板10の表面には、酸化亜鉛の薄膜30が生じる。
【0031】
次いで、
図2(c)に示すように、純水Wを用いて基板10の表面の薄膜30を水洗する。一般に、薄膜20を構成する水酸化亜鉛、または薄膜30を構成する酸化亜鉛は、これらの薄膜に析出する夾雑物よりも水に対する溶解度が低いため、水洗により夾雑物を容易に除去することが可能である。
【0032】
上記水洗に用いる純水Wは、環境温度よりも高い温度を有する温水を用いると、夾雑物の溶解・洗浄が促進されるため好ましい。例えば、水洗には70℃程度の温水を用いると良い。
【0033】
水洗の方法としては、薄膜30への純水Wの噴霧や、純水Wへの薄膜30が形成された基板10の浸漬など、種々の方法を採用することができる。
【0034】
なお、
図2においては、
図2(a)に示した溶液Sの塗布と、
図2(b)に示した加熱とを分けて説明しているが、予め基板10を加熱しておき、加熱された基板10に溶液Sを塗布することとしてもよい。
【0035】
また、
図2では、基板10へ溶液Sを塗布した後に加熱することとして説明しているが、溶液Sを予め加熱しておき、加熱された溶液Sを基板10に塗布することとしてもよい。
【0036】
このようにして、純度が高い酸化亜鉛薄膜を製造することができる。
【0037】
図5は、本実施形態の酸化亜鉛の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。図に示すように、製造装置100は、基板10を載置する載置台101、溶液Sを基板に塗布するノズル102、純水を噴霧する噴霧ノズル103と、を有している。載置台101には、不図示のヒーターが内蔵され、載置台101上の基板10を加熱可能となっている。
【0038】
このような製造装置100を用いて酸化亜鉛薄膜を製造する場合、載置台101に基板10を載置した後、この基板10を150℃以下に加熱し、溶液Sを滴下する。基板10の表面では、滴下された溶液Sが加熱され、水酸化亜鉛が析出し、酸化亜鉛の生成が進行する。
【0039】
また、溶液Sが滴下、塗布され、半乾きとなっているところへ、溶液Sを滴下しながら噴霧ノズル103から純水Wを噴霧する。噴霧ノズル103から噴霧された純水Wにより、滴下された溶液Sが局所的に希釈され、水酸化亜鉛の析出が促進される。また、基板10の表面に生成する薄膜の水洗も同時に行われる。
【0040】
最後に、基板10の表面が乾燥した後、該表面に形成された薄膜を70℃程度の温水(純水)を用いて軽く濯ぐことで、酸化亜鉛薄膜が得られる。
【0041】
なお、
図5では、基板10が載置台101に載置されていることとして示しているが、基板10を搬送しながら成膜することも可能である。
【0042】
以上のような酸化亜鉛薄膜の製造方法によれば、脱真空かつ低温の成膜プロセスにより、純度が高く高品質な酸化亜鉛薄膜を製造することができる。
【0043】
[実施例]
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例及び比較例における物性測定方法は次のとおりである。
【0045】
(膜組成)
エネルギー分散型X線分析法(Energy Dispersive X-ray spectrometry:EDX)を用いて求めた。
(表面形状)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた酸化亜鉛薄膜の表面形状を観察した。
(結晶構造解析)
X線回折法により、θ−2θスキャンを行い測定した。
(表面組成)
X線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy)により、含有元素のスペクトルの積分強度比から算出した。
【0046】
(実施例1)
0.1mol/Lの硝酸亜鉛水溶液10mlに対し0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えpH12の塗布溶液を作製した。十分に攪拌した後、30分ほど静置し、遠心分離機を用い10000rpm、10分の運転条件で、コロイド状の白色沈殿を分離し、上清を塗布溶液として採取した。
100℃に加熱したガラス基板上に塗布溶液を滴下し、同時に塗布溶液のpHが8となるように純水(約70℃)を基板上に噴霧して、基板上での塗布溶液の希釈および不純物の水洗を行った。
次いで、基板表面を乾燥させた後に、さらに70℃程度の温水で基板表面を軽く濯いだ後、完全に乾燥させることで目的とする薄膜を得た。
【0047】
図6Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図6Bは、薄膜のEDXスペクトルである。
【0048】
図6Aに示すように、基板上には1μm以下の粒子が成長していることが分かる。また、
図6Bに示すように、薄膜の構成として亜鉛原子と酸素原子とが主成分となっていることが分かる。
【0049】
図7にX線回折装置を用いθ−2θ法で測定した薄膜のX線回折結果を示す。測定の結果、酸化亜鉛の(100)面、(002)面、(101)面が確認され、薄膜を構成する粒子が酸化亜鉛結晶であることがわかる。
【0050】
(比較例1)
基板への塗布溶液の滴下時に純水の噴霧を行わないこと、および成膜後の温水での水洗を行わないこと以外は実施例1と同様にして、成膜を行った。
【0051】
図8Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図8Bは、EDXによる薄膜の組成解析の結果である。
【0052】
図8Bに示すように、目的の生成物である酸化亜鉛に含まれる亜鉛原子に対し、塩基性溶液である水酸化ナトリウム水溶液に由来したNa原子が同等程度混合している。なお、
図8Bにおいて検出されているケイ素原子および酸素原子の一部は、基板であるガラスについて測定された値である。
【0053】
また、
図8Aに示すように、数10μmのNa化合物に酸化亜鉛の結晶粒が覆われているため、目的物である酸化亜鉛以外の夾雑物が多く含まれる結晶が成長していることがわかる。
【0054】
(実施例2)
実施例1と同様の方法にて塗布溶液を作製した後、純水を用いて塗布溶液をpH8.5になるまで希釈した。
次いで、塗布溶液を80℃程度に加熱し、該塗布溶液に基板を浸漬して基板上への塗布を行った。そして、基板を塗布溶液から取り出し、乾燥させることにより成膜を行った。塗布(浸漬)および乾燥の工程を1セットとして計10セット繰り返し、基板上への成膜を行った。
【0055】
図9Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図9Bは、EDXによる組成解析の結果である。
【0056】
図9Aに示すように、1μm下の粒子が成長して薄膜を形成している。また、
図9Bに示すように、薄膜には、塩基性溶液である水酸化ナトリウム水溶液に由来したNa原子よりも、目的の生成物である酸化亜鉛に含まれる亜鉛原子が多く含まれている。なお、
図9Bにおいて検出されているケイ素原子および酸素原子の一部は、基板であるガラスについて測定された値である。
【0057】
図10にX線回折装置を用いθ−2θ法で測定した薄膜のX線回折結果を示す。測定の結果、酸化亜鉛の(100)面、(002)面、(101)面が確認され、薄膜を構成する粒子が酸化亜鉛結晶であることがわかる。
【0058】
(比較例2)
実施例1と同様の方法にて塗布溶液を作製した後、純水による希釈を行わないこと以外は実施例2と同様にして成膜を行った。希釈を行わない塗布溶液のpHは12であった。
【0059】
図11Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図11Bは、EDXによる組成解析の結果である。
【0060】
図11Aに示すように、実施例2とは異なり、薄膜は針状結晶で構成されていることが分かり、実施例2とは異なる組成の結晶が成長していることが推認された。
図11Bに示すように、薄膜には、塩基性溶液である水酸化ナトリウム水溶液に由来したNa原子が、目的の生成物である酸化亜鉛に含まれる亜鉛原子よりも多く含まれており、亜鉛結晶よりもNa化合物が成長していることがわかる。
【0061】
(比較例3)
実施例1と同様の方法にて塗布溶液を作製した後、純水を用いてpH10になるまで希釈したこと以外は実施例2と同様にして成膜を行った。
【0062】
図12Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図12Bは、EDXによる組成解析の結果である。
【0063】
図12Aに示すように、比較例2とは異なり、薄膜での針状結晶の成長は抑制されていることが分かった。しかし、
図12Bに示すように、薄膜には、比較例2よりは減少しているものの、塩基性溶液である水酸化ナトリウム水溶液に由来したNa原子が、目的の生成物である酸化亜鉛に含まれる亜鉛原子よりも多く含まれており、亜鉛結晶よりもNa化合物が多く含まれることがわかる。
【0064】
図13は、実施例2(塗布溶液pH8.5)および比較例3(塗布溶液pH10)で薄膜を形成したサンプルについて、薄膜による表面被覆の程度を示したグラフである。図は、薄膜についてXPSによる測定を行い、得られるスペクトルから算出した表面近傍のケイ素原子の割合を示している。基板表面に形成される薄膜を構成する結晶は、XPSの光電子放出深さよりも厚いことから、検出されるケイ素原子の割合が小さいほど酸化亜鉛の被覆率が高いといえる。
【0065】
図に示すように、pH10(比較例3)からpH8.5(実施例2)に希釈程度を変化させた場合、測定結果におけるケイ素原子の割合が相対的に減少している。このことから、pHが低いほど、薄膜を構成する粒子同士の凝集が緩和され、薄膜の表面被覆の程度が上昇していることが伺える。
【0066】
(実施例3)
実施例1と同様に塗布溶液を調整した後、100℃に加熱したガラス基板上に塗布溶液を滴下し乾燥させることで薄膜を形成した。
次いで、基板表面を乾燥させた後に、70℃程度の温水中に基板を浸漬させて基板洗浄を行った。その後、温水から取り出し完全に乾燥させることで目的とする薄膜を得た。
【0067】
図14Aは、作製した薄膜のSEM像であり、
図14Bは、EDXによる組成解析の結果である。
【0068】
図14Aに示すように、1μm下の粒子が成長して薄膜を形成している。また、
図14Bに示すように、薄膜には、塩基性溶液である水酸化ナトリウム水溶液に由来したNa原子よりも、目的の生成物である酸化亜鉛に含まれる亜鉛原子が多く含まれている。まず希釈を行わない塗布溶液を用いて成膜を行っているため、温水への浸漬前には、上述の比較例2と同様の組成の薄膜が形成されていることが考えられる。しかし、
図14Bに示すようにナトリウム原子の含有量が亜鉛原子の含有量よりも少ないことから、温水での洗浄により、薄膜中のナトリウム化合物が除去されていると考えられる。
【0069】
なお、
図14Bにおいて検出されているケイ素原子および酸素原子の一部は、基板であるガラスについて測定された値である。
【0070】
図15にX線回折装置を用いθ−2θ法で測定した薄膜のX線回折結果を示す。測定の結果、酸化亜鉛の(100)面、(002)面、(101)面が確認され、薄膜を構成する粒子が酸化亜鉛結晶であることがわかる。
【0071】
以上の結果より、本発明の有用性が確かめられた。
【0072】
本発明の一実施形態において、酸化亜鉛薄膜の製造方法は、テトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンを含有するpH10以上の塩基性溶液を用意することと、前記塩基性溶液をpH8.5以下となるように希釈すること、前記塩基性溶液を基板に塗布することと、前記塩基性溶液を加熱することと、を有する。
【0073】
上記実施形態の一例において、製造方法は、前記塩基性溶液を前記基板上で希釈しながら前記基板の表面に塗布すること、を有することができる。
【0074】
また、上記実施形態の一例において、製造方法は、前記塩基性溶液を純水で希釈すること、を有することができる。
【0075】
また、上記実施形態の一例において、製造方法は、前記基板上に形成した酸化亜鉛薄膜を水洗すること、を有することができる。
【0076】
また、上記実施形態の一例において、製造方法は、予め加熱された前記基板に前記塩基性溶液を塗布し、前記基板上で前記塩基性溶液を加熱すること、を有することができる。
【0077】
また、上記実施形態の一例において、製造方法は、前記基板上に、予め加熱された前記塩基性溶液を塗布すること、を有することができる。
【0078】
本発明の別の一実施形態において、酸化亜鉛薄膜の製造方法は、テトラヒドロキシ亜鉛(II)酸イオンを含有する塩基性溶液を基板に塗布すること、および前記塩基性溶液を加熱すること、を含み、前記塩基性溶液をpH8.5以下となるように希釈すること、および前記基板の表面に析出する化合物を水洗すること、の少なくともいずれか一方をさらに有する。
【0079】
上記実施形態の一例において、製造方法は、前記塩基性溶液をpH8.5以下となるように希釈すること、および前記基板の表面に析出する化合物を水洗すること、の両方を有することができる。