【実施例】
【0043】
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、
図1、
図3及び
図5は、各実施例に係る変倍光学系ZL(ZL1〜ZL3)の構成及び屈折力配分並びに無限遠合焦状態から近距離合焦状態への合焦状態の変化における各レンズ群の移動の様子を示す断面図である。また、これらの変倍光学系ZL1〜ZL3の断面図の下部には、広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群G1〜G6(またはG7)の光軸に沿った移動方向が矢印で示されている。
【0044】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をκとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で表される。なお、以降の実施例において、「E−n」は「×10
-n」を示す。
【0045】
S(y)=(y
2/r)/{1+(1−κ×y
2/r
2)
1/2}
+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 (a)
【0046】
なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0である。また、各実施例の表中において、非球面には面番号の左側に*印を付している。
【0047】
〔第1実施例〕
図1は、第1実施例に係る変倍光学系ZL1の構成を示す図である。この変倍光学系ZL1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズL31から構成される。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸レンズL42との接合レンズ、及び、両凸レンズL43から構成される。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53から構成される。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ形状の非球面正レンズL61、及び、両凸レンズL62と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL63との接合レンズから構成される。なお、開口絞りSは、第3レンズ群G3の両凸レンズL31の像側に隣接して配置されてる。また、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する非球面負レンズL21は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成され、最も像側に位置する非球面負レンズL24は、その像側のガラスレンズ面に非球面が形成されている。また、第6レンズ群G6の最も物体側に位置する非球面正レンズL61は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成されている。
【0048】
このような構成である本第1実施例に係る変倍光学系ZL1では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。なお、開口絞りSは、変倍に際し、両凸レンズL31とともに移動する。
【0049】
また、本第1実施例に係る変倍光学系ZL1では、無限遠から近距離物点への合焦に際して、第2レンズ群G2が像側から物体側に向かって光軸上を移動する。
【0050】
また、本第1実施例に係る変倍光学系ZL1では、第5レンズ群G5における物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズを光軸と直交する方向の成分を持つように移動させることにより、ぶれ発生時の像面補正を行うように構成されている。
【0051】
以下の表1に、本第1実施例に係る変倍光学系ZL1の諸元の値を掲げる。この表1の全体諸元において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角、TLは全長、Bfはバックフォーカスを表しており、それぞれについて、広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における値を示している。なお、全長は、無限遠合焦時のレンズ面の第1面から像面Iまでの光軸上の距離を表している。また、レンズデータにおいて、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、面間隔は各光学面から次の光学面までの光軸上の間隔を、アッベ数及び屈折率はそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を示している。なお、この表1に示す面番号1〜31は、
図1に示す番号1〜31に対応している。また、曲率半径0.0000はレンズ面においては平面を示し、開口絞りSにおいては開口を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、レンズ群焦点距離は、第1〜第6レンズ群G1〜G6の各々の始面と焦点距離を示している。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離、曲率半径、面間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
【0052】
(表1)
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 25.9 〜 50.3 〜 117.1
FNO= 4.1 〜 4.1 〜 4.1
2ω = 81.6 〜 44.8 〜 20.0
TL = 147.7 〜 160.4 〜 188.7
Bf = 37.3 〜 52.0 〜 65.5
[レンズデータ]
面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 219.6899 2.000 23.78 1.84666
2 87.5000 7.463 67.91 1.59318
3 -1118.0649 0.100
4 53.9477 5.279 52.31 1.75499
5 123.7200 (d1)
*6 1768.0436 1.350 42.72 1.83480
7 16.6860 7.500
8 -35.0924 1.000 42.72 1.83480
9 -306.6108 0.100
10 57.7753 4.750 23.78 1.84666
11 -32.5822 0.508
12 -27.0776 1.000 40.94 1.80610
*13 -164.8289 (d2)
14 49.9402 2.558 52.31 1.75499
15 -948.0052 1.400
16 0.0000 (d3) 開口絞りS
17 29.9522 2.000 23.78 1.84666
18 17.5705 7.250 70.40 1.48749
19 -105.7939 0.100
20 41.8156 2.700 67.91 1.59318
21 -629.5059 (d4)
22 -56.1850 3.330 32.34 1.85026
23 -16.8047 1.000 52.31 1.75499
24 69.3978 2.745
25 -30.7946 1.000 52.31 1.75499
26 -48.9788 (d5)
*27 252.2562 5.500 61.16 1.58913
28 -24.0846 0.100
29 472.1281 6.640 70.40 1.48749
30 -20.9950 1.200 32.34 1.85026
31 -106.8897 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 104.16
第2レンズ群 6 -17.94
第3レンズ群 14 62.90
第4レンズ群 17 37.43
第5レンズ群 22 -33.28
第6レンズ群 27 51.33
【0053】
この第1実施例において、第6面、第13面、及び、第27面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表2に、非球面のデータ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0054】
(表2)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 1.30512E-05 -2.68206E-08 3.30474E-11 -5.95313E-15
第13面 10.0000 2.88979E-06 -1.22276E-08 -2.33664E-11 1.00000E-14
第27面 -30.0000 -1.22508E-05 8.08264E-09 -7.11494E-11 2.79122E-13
【0055】
また、上述したように、この第1実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4、及び、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔d5は、変倍に際して変化する。次の表3に、無限遠合焦状態における広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
【0056】
(表3)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 2.88 17.44 42.44
d2 23.20 9.90 1.19
d3 4.50 2.50 0.50
d4 3.53 6.45 9.18
d5 7.71 3.58 1.34
【0057】
次の表4に、この第1実施例に係る変倍光学系ZL1の各条件式対応値を示す。なおこの表4において、f2は第2レンズ群G2の焦点距離を、f3は第3レンズ群G3の焦点距離を、f4は第4レンズ群G4の焦点距離を、f6は第6レンズ群G6の焦点距離を、それぞれ表している。以上の符号の説明は以降の実施例においても同様である。
【0058】
(表4)
(1)f3/f4=1.7
(2)f3/(−f2)=3.5
(3)f3/f6=1.2
【0059】
このように、第1実施例に係る変倍光学系ZL1は、上記条件式(1)〜(3)を全て満足している。
【0060】
図2に、この第1実施例に係る変倍光学系ZL1の広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは半画角に対する像高を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.6nm)を、それぞれ示している。また、非点収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。これらの収差図の説明は、以降の実施例においても同様である。
図2に示す各収差図から明らかなように、この第1実施例に係る変倍光学系ZL1では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0061】
[第2実施例]
図3は、第2実施例に係る変倍光学系ZL2の構成を示す図である。この変倍光学系ZL2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズL31から構成される。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸レンズL42との接合レンズ、及び、両凸レンズL43から構成される。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53から構成される。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ形状の非球面正レンズL61、及び、両凸レンズL62と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL63との接合レンズから構成される。なお、開口絞りSは、第3レンズ群G3の両凸レンズL31の物体側に隣接して配置されている。また、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する非球面負レンズL21は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成され、最も像側に位置する非球面負レンズL24は、その像側のガラスレンズ面に非球面形状が形成されている。また、第6レンズ群G6の最も物体側に位置する非球面正レンズL61は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成されている。
【0062】
このような構成である本第2実施例に係る変倍光学系ZL2では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。なお、開口絞りSは、変倍に際し、両凸レンズL31とともに移動する。
【0063】
また、本第2実施例に係る変倍光学系ZL2では、無限遠物点から近距離物点への合焦に際して、第2レンズ群G2が像側から物体側に向かって光軸上を移動する。
【0064】
また、本第2実施例に係る変倍光学系ZL2では、第5レンズ群G5における物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズを光軸と直交する方向の成分を持つように移動させることにより、ぶれ発生時の像面補正を行うように構成されている。
【0065】
以下の表5に、本第2実施例に係る変倍光学系ZL2の諸元の値を掲げる。なお、この表5に示す面番号1〜32は、
図3に示す番号1〜32に対応している。
【0066】
(表5)
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 26.4 〜 48.4 〜 116.1
FNO= 4.1 〜 4.1 〜 4.1
2ω = 81.6 〜 46.6 〜 20.4
TL = 151.7 〜 167.5 〜 198.8
Bf = 43.7 〜 53.4 〜 70.9
[レンズデータ]
面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 246.0491 2.000 23.77 1.84666
2 84.7836 7.700 67.87 1.59318
3 -885.6521 0.100
4 59.1074 5.479 46.63 1.81600
5 140.2546 (d1)
*6 824.4655 0.100 38.09 1.55389
7 195.0000 1.500 46.63 1.81600
8 15.9678 8.000
9 -34.9410 1.000 42.72 1.83481
10 -201.2418 0.100
11 54.8341 4.500 23.77 1.84666
12 -33.9457 0.537
13 -29.1034 1.200 40.94 1.80610
*14 -537.4230 (d2)
15 0.0000 1.500 開口絞りS
16 71.2839 3.000 52.29 1.75500
17 -194.6988 (d3)
18 27.7021 2.257 23.77 1.84666
19 17.0331 6.800 70.45 1.48749
20 -110.4725 0.500
21 59.2943 3.000 67.87 1.59318
22 -205.9500 (d4)
23 -61.9240 3.300 32.35 1.85026
24 -18.9306 1.000 52.29 1.75500
25 87.8977 2.411
26 -30.0963 1.000 55.52 1.69680
27 -241.7912
(d5)
*28 99.6270 6.400 61.18 1.58913
29 -21.6319 0.100
30 3925.1473 6.500 70.45 1.48749
31 -19.8799 1.350 32.35 1.85026
32 -65.5862 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 107.20
第2レンズ群 6 -17.82
第3レンズ群 15 69.44
第4レンズ群 18 38.63
第5レンズ群 23 -25.59
第6レンズ群 28 35.62
【0067】
この第2実施例において、第6面、第14面、及び、第28面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表6に、非球面のデータ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0068】
(表6)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 1.59500E-05 -3.85270E-08 5.99450E-11 -5.06110E-14
第14面 1.0000 6.16800E-07 -1.55190E-08 -1.73480E-11 0.00000E+00
第28面 -35.0909 -9.85051E-06 2.14685E-09 6.17710E-11 -2.07970E-13
【0069】
また、上述したように、この第2実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4、及び、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔d5は、変倍に際して変化する。次の表7に、無限遠合焦状態における広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
【0070】
(表7)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 3.10 20.10 44.70
d2 20.10 9.93 1.20
d3 4.10 2.10 0.10
d4 3.87 7.32 9.34
d5 5.54 3.31 1.15
【0071】
次の表8に、この第2実施例に係る変倍光学系ZL2の各条件式対応値を示す。
【0072】
(表8)
(1)f3/f4=1.8
(2)f3/(−f2)=3.9
(3)f3/f6=1.9
【0073】
このように、第2実施例に係る変倍光学系ZL2は、上記条件式(1)〜(3)を全て満足している。
【0074】
図4に、この第2実施例に係る変倍光学系ZL2の広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この
図4に示す各収差図から明らかなように、この第2実施例に係る変倍光学系ZL2では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0075】
[第3実施例]
図5は、第3実施例に係る変倍光学系ZL3の構成を示す図である。この変倍光学系ZL3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、負の屈折力を有する第7レンズ群G7と、を有して構成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL21、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ形状の非球面負レンズL24から構成される。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズL31から構成される。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸レンズL42との接合レンズ、及び、両凸レンズL43から構成される。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53から構成される。また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ形状の非球面正レンズL61、及び、両凸レンズL62と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL63との接合レンズから構成される。また、第7レンズ群G7は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL71から構成される。なお、開口絞りSは、第3レンズ群G3の両凸レンズL31の物体側に隣接して配置されている。また、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する非球面負レンズL21は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成され、最も像側に位置する非球面負レンズL24は、その像側のガラスレンズ面に非球面が形成されている。また、第6レンズ群G6の最も物体側に位置する非球面正レンズL61は、その物体側のガラスレンズ面に非球面が形成されている。
【0076】
このような構成である本第2実施例に係る変倍光学系ZL3では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が減少し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が減少し、第6レンズ群G6と第7レンズ群G7との空気間隔が増大するように、各レンズ群の間隔が変化する。なお、開口絞りSは、変倍に際し、両凸レンズL31とともに移動する。
【0077】
また、本第3実施例に係る変倍光学系ZL3では、無限遠物点から近距離物点への合焦に際して、第2レンズ群G2が像側から物体側に向かって光軸上を移動する。
【0078】
また、本第3実施例に係る変倍光学系ZL3では、第5レンズ群G5における物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL51と両凹レンズL52との接合レンズを光軸と直交する方向の成分を持つように移動させることにより、ぶれ発生時の像面補正を行うように構成されている。
【0079】
以下の表9に、本第3実施例に係る変倍光学系ZL3の諸元の値を掲げる。なお、この表9に示す面番号1〜33は、
図5に示す番号1〜33に対応している。
【0080】
(表9)
[全体諸元]
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 25.8 〜 54.1 〜 127.8
FNO= 4.3 〜 4.3 〜 4.4
2ω = 82.4 〜 41.8 〜 18.4
TL = 120.2 〜 131.5 〜 151.1
Bf = 34.1 〜 39.2 〜 45.7
[レンズデータ]
面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 180.0413 2.000 23.77 1.84666
2 81.9054 7.463 67.87 1.59318
3 -5099.7346 0.100
4 58.7905 5.279 52.29 1.75500
5 147.0393 (d1)
*6 295.9545 1.350 42.72 1.83481
7 16.0882 7.500
8 -39.5913 1.000 42.72 1.83481
9 -2106.1423 0.100
10 69.3773 4.750 23.77 1.84666
11 -29.0611 0.508
12 -24.9671 1.000 40.94 1.80610
*13 -124.2494 (d2)
14 67.9584 2.558 52.29 1.75500
15 -319.1136 1.400
16 0.0000 (d3)
17 31.1322 2.000 23.77 1.84666
18 18.1526 7.250 70.45 1.48749
19 -195.5609 0.100
20 40.9954 2.700 67.87 1.59318
21 -168.9756 (d4)
22 -56.2563 3.330 32.35 1.85026
23 -17.3446 1.000 52.29 1.75500
24 72.7521 2.745
25 -49.7257 1.000 52.29 1.75500
26 -208.3943 (d5)
*27 154.0855 5.500 61.18 1.58913
28 -24.2020 0.100
29 207.5409 6.640 70.45 1.48749
30 -22.8642 1.200 32.35 1.85026
31 -105.5544 (d6)
32 -60.3491 2.000 82.56 1.49782
33 -80.5414 (Bf)
[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 104.49
第2レンズ群 6 -18.30
第3レンズ群 14 74.41
第4レンズ群 17 37.16
第5レンズ群 22 -30.58
第6レンズ群 27 42.67
第7レンズ群 32 -500.00
【0081】
この第3実施例において、第6面、第13面、及び、第27面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表10に、非球面のデータ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
【0082】
(表10)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 9.82794E-06 -2.69137E-08 4.37827E-11 -2.73112E-14
第13面 10.0000 -1.99274E-06 -1.53403E-08 -2.85439E-11 1.00000E-14
第27面 -30.0000 -1.08758E-05 9.28259E-09 -3.10463E-11 6.70373E-14
【0083】
また、上述したように、この第3実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔d5、及び、第6レンズ群G6と第7レンズ群G7との軸上空気間隔d6は、変倍に際して変化する。次の表11に、無限遠合焦状態における広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
【0084】
(表11)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 2.30 22.00 44.24
d2 25.00 10.80 1.19
d3 4.50 2.50 0.50
d4 3.55 6.64 9.25
d5 7.18 3.87 1.26
d6 7.12 15.12 24.12
【0085】
次の表11に、この第3実施例に係る変倍光学系ZL3の各条件式対応値を示す。
【0086】
(表11)
(1)f3/f4=2.0
(2)f3/(−f2)=4.1
(3)f3/f6=1.7
【0087】
このように、第3実施例に係る変倍光学系ZL3は、上記条件式(1)〜(3)を全て満足している。
【0088】
図6に、この第3実施例に係る変倍光学系ZL3の広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この
図6に示す各収差図から明らかなように、この第3実施例に係る変倍光学系ZL3では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。