【実施例】
【0037】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
【0038】
(実施例1−1)
実施例1−1のコンクリートの作製には、下記材料を用いた。
ポルトランドセメント(C):超早強コンクリート用セメント(住友大阪セメント社製、商品名:DAY 300)と、亜硝酸カルシウムとを混合した超早強ポルトランドセメント、具体的には、珪酸カルシウムを65質量%含有するポルトランドセメントと、該ポルトランドセメント100質量部に対して5重量部の無水石膏と、亜硝酸カルシウムとを備えており、前記ポルトランドセメントのブレーン比表面積が5910cm
2/gであり、前記無水石膏のブレーン比表面積が7110cm
2/gであり、亜硝酸カルシウムを2質量%含有する超早強ポルトランドセメント
細骨材(S):人工軽量細骨材(アサノライト、太平洋マテリアル(株)製)、表乾密度1.90g/cm
3、絶乾密度1.68g/cm
3
粗骨材(G):人工軽量粗骨材(アサノライト、太平洋マテリアル(株)製)、表乾密度1.65g/cm
3、絶乾密度1.26g/cm
3、最大寸法15mm
高性能AE減水剤(Ad):ポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤(レオビルドSP8SV、BASFポゾリス(株)製)
まず、上記材料及び水(W)を表1に示す割合で混合して、表1の割合のコンクリートを得た。なお、表1では、「W/C」は、水セメント比を意味し、「s/a」は、細骨材率(全骨材に占める細骨材の体積割合)を意味する。
【0039】
(実施例1−2)
細骨材として、人工軽量細骨材の代わりに、川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm
3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、及び、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0040】
(実施例1−3)
細骨材として、人工軽量細骨材、及び川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm
3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0041】
(実施例1−4)
粗骨材として、人工軽量粗骨材、及びJIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm
3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0042】
(実施例1−5)
粗骨材として、人工軽量粗骨材、及びJIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm
3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、細骨材として、人工軽量細骨材、及び川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm
3 、F.M.(粗粒率)2.20)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0043】
(実施例1−6)
補強繊維(バルチップPW・Jr、荻原工業(株)製、規格:30dt(g/10km)、繊維長:12mm、繊維径:0.065mm、引張強度:530MPa、引張弾性率:5000MPa)を0.05体積%含有すること以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0044】
(比較例1−1)
細骨材として、人工軽量細骨材の代わりに、川砂(栃木県鬼怒川産)(密度2.59g/cm
3 、F.M.(粗粒率)3.04)を用いたこと、粗骨材として、人工軽量粗骨材の代わりに、JIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm
3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0045】
(比較例1−2)
粗骨材として、人工軽量粗骨材の代わりに、JIS A 5005:2009「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定の砕石2005(栃木県佐野産)(密度2.74g/cm
3 、F.M.(粗粒率)6.87)を用いたこと、並びに、配合割合を表1の割合にしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてコンクリートを得た。
【0046】
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−2のコンクリートの作製直後のスランプ、空気量、及びコンクリート温度を測定した。スランプ及び空気量は、それぞれJIS A 1101:2005「コンクリートのスランプ試験方法」及びJIS A 1128:2005「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」に従って測定した。また、粗骨材のコンクリート中の体積割合、細骨材のコンクリート中の体積割合は、配合計算によって求めた。結果を表1に示す。
また、JIS A 1132:1999「コンクリート強度試験用供試体の作り方」に従い、実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−2のコンクリートを用いて供試体を作製し、材齢12時間、1日、7日、28日及び91日の供試体の圧縮強度及び割裂引張強度を測定した。圧縮強度及び割裂引張強度は、それぞれJIS A 1108:1999「コンクリートの圧縮強度試験方法」及びJIS A 1113:1999「コンクリートの割裂引張強度試験方法」に従って測定した。結果を表2、3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
(実施例2−1〜2−6、比較例2−1〜2−2)
ポルトランドセメントとして、下記のものを用いたこと、及び、配合割合を表4の割合にしたこと以外は、実施例1−1〜1−6、及び比較例1−1〜1−2と同様にしてコンクリートを得た。
ポルトランドセメント(C):住友大阪セメント社製、商品名:DAY 300(超早強コンクリート用セメント)、珪酸カルシウムを65質量%含有するポルトランドセメントと、該ポルトランドセメント100質量部に対して5重量部の無水石膏とを備えており、前記ポルトランドセメントのブレーン比表面積が5910cm
2/gであり、前記無水石膏のブレーン比表面積が7110cm
2/gである超早強ポルトランドセメント
【0051】
実施例2−1〜1−6及び比較例2−1〜2−2のコンクリートの作製直後のスランプ、空気量、及びコンクリート温度を測定した。また、粗骨材のコンクリート中の体積割合、細骨材のコンクリート中の体積割合は、配合計算によって求めた。結果を表4に示す。
また、JIS A 1132:1999「コンクリート強度試験用供試体の作り方」に従い、実施例2−1〜1−6及び比較例2−1〜2−2のコンクリートを用いて供試体を作製し、材齢1日、3日、7日、28日及び91日の供試体の圧縮強度及び割裂引張強度を測定した。結果を表5、6に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
表2、3に示すように、本発明の範囲内である実施例1−1〜1−5のコンクリートは、比較例1−1、1−2に比して、材齢が12時間と短い場合には圧縮強度が同程度であったが、材齢が28日以上と長い場合には圧縮強度が低い値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例1−1〜1−5のコンクリートは、材齢が12時間と短くても、圧縮強度が26N/mm
2 以上となり、設計基準強度である24N/mm
2 を超える値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例1−1〜1−5のコンクリートは、比較例1−1、1−2に比して、材齢が12時間と短い場合には割裂引張強度がやや低い値であるが略同程度である一方で、材齢が28日以上と長い場合には割裂引張強度が低い値を示した。
また、表4、5に示すように、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、比較例2−1、2−2に比して、材齢が1日と短い場合には圧縮強度が同程度であったが、材齢が28日以上と長い場合には圧縮強度が低い値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、材齢が1日と短くても、圧縮強度が31N/mm
2 以上となり、設計基準強度である24N/mm
2 を超える値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例2−1〜2−5のコンクリートは、比較例2−1、2−2に比して、材齢が1日と短い場合には割裂引張強度がやや低い値であるが略同程度である一方で、材齢が28日以上と長い場合には割裂引張強度が低い値を示した。
【0056】
以上のことからも、本発明のコンクリートは、短い材齢で十分に強度が高くなり且つ材齢が長くなっても強度、特に引張強度が高くなりすぎないコンクリートであることがわかる。
すなわち、本発明のコンクリートをフィンガージョイントの設置のための間詰めコンクリートとして用いれば、劣化したフィンガージョイントを取り外すために、間詰めコンクリートをコンクリートブレーカー等で破壊するのに要する時間を短縮でき、且つ騒音や振動を抑制することができる。また、新たなフィンガージョイントを設置する際に、新たな間詰めコンクリートを打設してから12時間或いは1日で設計基準強度(圧縮強度24N/mm
2 )に到達しうるため、新たな間詰めコンクリートを打設してから橋を解放するまでの時間を短縮できる。
【0057】
また、補強繊維を用いた実施例1−6のコンクリートは、補強繊維を用いていない実施例1−1と圧縮強度及び割裂引張強度が同程度であった。また、補強繊維を用いた実施例2−6のコンクリートは、補強繊維を用いていない実施例2−1と圧縮強度及び割裂引張強度が同程度であった。このことから、実施例1−6及び2−6のコンクリートは、本願発明の効果があるとともに、補強繊維を有することで、硬化したコンクリートに関し供用中などにひび割れが発生したとしても、コンクリートの塊の飛散を抑制することができるという利点もある。