(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルは、収容空間に収容された状態で、長手方向の外端側は、ステータ側のコネクタ部に接続されるとともに、長手方向の内端側は、ロテータ側のコネクタ部に接続される。
【0003】
コネクタ部の内部には、回転コネクタ外部に有する相手側端子との接続を許容するターミナル片を差し込み収容可能なコネクタ内部空間としてのターミナル片収容空間を備えている。
【0004】
上述した回転コネクタを組み立てる際には、ステータとロテータとを組み立てる前に、フラットケーブルを巻き回した状態で収容空間に収容するとともに、フラットケーブルの長手方向の両端側に接続したターミナル片をターミナル片収容空間に差し込んで収容する。
【0005】
さらに、その際に、ステータ側とロテータ側とのそれぞれにおいて、収容空間とターミナル片収容空間との間においてフラットケーブルをガイドするガイド溝に、フラットケーブルを差し込んで収容しておく。
【0006】
例えば、特許文献1に開示の「回転コネクタ」も上述と同様の構成を備えた回転コネクタの一つである。
特許文献1の「回転コネクタ」は、互いに重合した2枚一組のフラットケーブルを収容空間に収容するとともに、リードブロック(ターミナル片)をステータ側とロテータ側とのそれぞれのコネクタ部の内部に有するリードブロック収容空間(ターミナル片収容空間)に収容する。さらに、その際に、ステータ側とロテータ側とのそれぞれにおいて、収容空間とリードブロック収容空間との間に有するガイド溝に、一組のフラットケーブルを差し込んで収容する構成である。
【0007】
しかし、回転コネクタを組み立てる際には、回転コネクタをステータとロテータとが分離したり、ステータをステータ底面とステータ外周側面とが分離した状態となる。
【0008】
一方、フラットケーブルは、可撓性を有するとともに長尺であるため、意に反して変形し易く、回転コネクタの組み立て作業をしている最中において、ガイド溝に差し込んで収容しているフラットケーブルがガイド溝から浮き上がり易い。このため、フラットケーブルをガイド溝に押し戻すなどの作業や、ガイド溝に対するフラットケーブルの浮き上がりを確認する作業が必要となり、回転コネクタの組み立て作業を効率よく行うことができないという課題が生じていた。
【0009】
具体的には、リードブロックをリードブロック収容空間に差し込んで収容するとともに、フラットケーブルをガイド溝に差し込んで収容できても、ステータとロテータとを分離したり、ステータ底面とステータ外周側面とに分離した状態において、例えば、回転コネクタの組み立て作業を行っている最中に、収容空間に巻き回した状態で収容しているフラットケーブルに手を触れたり、ステータを動かすなどして何らかの外力が加わるなどした場合は、可撓性を有するフラットケーブルは、巻き崩れなど意に反して変形するおそれがあった。
【0010】
そうすると、その反動で、一旦、ガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルがガイド溝に対して差し込み方向と逆方向へ浮き上がり、回転コネクタの組み立て作業を効率よく行うことができないという課題が生じていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこでこの発明は、フラットケーブルを前記コネクタ内部空間と前記収容空間との間に有する前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが差し込み方向とは逆方向への浮き上がりを防止することで組み立て作業を容易に行うことができる回転コネクタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、ステータと、該ステータに対してステアリングシャフトと同心状に回転するロテータとで構成
され、前記ステータ側と前記ロテータ側とを電気的に接続するフラットケーブルを収容する収容空間
が内部に備え
られるとともに、前記ステータの周方向の所定箇所に、フラットケーブルの一端側を外部の相手側端子に接続するコネクタ部
が備え
られた回転コネクタであって、前記コネクタ部の内部に有するコネクタ内部空間と前記収容空間との間
にフラットケーブル
が差し込まれるケーブルガイド溝
が構成
され、前記ケーブルガイド溝を構成するケーブルガイド壁に、前記ケーブルガイド溝
からの前記フラットケーブルの抜出しを防止する係合手段
が形成
され、前記ケーブルガイド壁は、折返し形状である前記フラットケーブルの折返し部分の内側でガイドする内側ガイド壁部と、前記折返し部分の外側でガイドする外側ガイド壁部とで構成され、前記係合手段は、前記内側ガイド壁におけるフラットケーブルの前記折返し部分に相当する端部に形成され、前記内側ケーブルガイド壁から前記ケーブルガイド溝に向けて突出した係合突部で構成され、前記ケーブルガイド壁の先端と前記係合突部における下方の端部に、テーパ状の差込み案内部が形成され、前記ケーブルガイド溝は、前記フラットケーブルの厚みよりも広い幅で形成されるとともに、前記係合突部の先端と前記外側ガイド壁部との間の溝が前記フラットケーブルの1本分の厚みに相当する隙間であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、フラットケーブルを前記コネクタ内部空間と前記収容空間との間でフラットケーブルをガイドする前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが差し込み方向とは逆方向への浮き上がることを防止することができる。
従って、回転コネクタの組み立て作業を容易に行うことができる。
【0015】
詳述すると、例えば、回転コネクタを組み立てる際に、可撓性を有するフラットケーブルに外力がかかるなどした場合、前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がるなどして、前記ケーブルガイド溝から意に反して抜け出すおそれがあるが、このような事態を防ぐことができる。
【0016】
これに対して本発明の回転コネクタは、前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが、前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がらないように、前記係合手段をフラットケーブルに係合することができる。
【0017】
これにより、回転コネクタの組み立て作業の際にも同様に、前記ケーブルガイド溝に差し込んで収容したフラットケーブルが前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がるなどして、意に反して抜け出すといった事態を防ぐことができる。
【0018】
すなわち、作業者は、現場において、一旦、前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが差し込み方向と反対側へ浮き上がったフラットケーブルを前記ケーブルガイド溝に押し込むなどの作業をする必要がなく、また、フラットケーブルの浮き上がりが生じていないかについて確認する手間や時間を省くことができる。
従って、回転コネクタの組み立て作業の作業効率を向上させることができる。
【0019】
ここで、前記ケーブルガイド溝は、前記ケーブルガイド壁によって形成されるが、該ケーブルガイド壁のみで形成するに限らず、該ケーブルガイド壁と前記ステータの内周側面で形成してもよい。
また、本発明の回転コネクタは、1枚のフラットケーブルを備えるに限らず、複数枚のフラットケーブルを備えてもよい。
【0020】
また、前記ケーブルガイド壁は、折返し形状である前記フラットケーブルの折返し部分の内側でガイドする内側ガイド壁部と、前記折返し部分の外側でガイドする外側ガイド壁部とで構成され、前記内側ガイド壁におけるフラットケーブルの前記折返し部分に相当する端部に、前記係合手段を形成することにより、前記ケーブルガイド壁を前記内側ガイド壁部と前記外側ガイド壁部と構成することで、フラットケーブルを折り返し形状にガイドすることができる。
【0021】
このように、フラットケーブルを折り返し形状にガイドすることにより、可撓性を有するフラットケーブルは、折返し前の形状に復元しようとする復元力が作用する。この復元力により、折返し部分において前記外側ガイド壁部に積極的に当接し、その摩擦力により、前記ケーブルガイド溝に対して差し込み方向と反対側への浮き上がりを防ぐことができる。
【0022】
しかも、上述した構成によれば、前記内側ガイド壁におけるフラットケーブルの前記折返し部分に相当する端部に、前記係合手段を形成したため、フラットケーブルの前記折返し部分を該折返し部分の内側から前記係合手段で係合することができる。
【0023】
これにより、フラットケーブルを前記折返し部分において前記内側ガイド壁に形成した前記係合手段と、前記外側ガイド壁との両側からしっかりとガイドすることができ、フラットケーブルの浮き上がりを確実に防ぐことができる。
【0024】
また、前記係合手段を、前記内側ケーブルガイド壁から前記ケーブルガイド溝に向けて突出した係合突部で形成する
ため、前記内側ケーブルガイド壁から前記ケーブルガイド溝に向けて突出した係合突部により、前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルに対して積極的に係合させることができるため、フラットケーブルが前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がることを防ぐことができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記フラットケーブルの長手方向における前記係合手段に相当する箇所に、前記フラットケーブルを幅方向に沿って折り曲げた折り曲げ部を形成することができる。
【0026】
上記構成によれば、前記フラットケーブルの長手方向における前記係合手段に相当する箇所に、折り曲げ部を形成することで、該折り曲げ部が前記係合手段に係合し易くなり、折り曲げ部が存在しない場合と比較して、フラットケーブルを前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がることを確実に防ぐことができる。
【0027】
また、前記折り曲げ部は、互いに重合した複数のフラットケーブルを一組としたフラットケーブルにおいては、複数のフラットケーブルを一体に屈曲させたり、複数のフラットケーブルのうちの一部のフラットケーブルを屈曲させるなど、少なくとも1つのフラットケーブを屈曲させることができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記折り曲げ部を、前記係合手段に向けて山折りした山折り部で形成することができる。
【0029】
上記構成によれば、前記折り曲げ部を前記山折り部で形成することにより、フラットケーブルの前記山折り部を、前記係合手段に対して積極的に当接させることができる。
【0030】
よって、前記山折り部と前記係合手段との摩擦力を向上させることができ、フラットケーブルを前記ケーブルガイド溝への差し込み方向と反対側へ浮き上がることを確実に防ぐことができる。
【0031】
なお、前記山折り部は、前記係合手段の先端部分に当接させて係合するに限らず、前記係合手段の突出方向に対して側面に当接させて係合させてもよい。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、フラットケーブルを前記コネクタ内部空間と前記収容空間との間に有する前記ケーブルガイド溝に差し込み収容したフラットケーブルが差し込み方向とは逆方向への浮き上がりを防止することで組み立て作業を容易に行うことができる回転コネクタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
本実施形態の回転コネクタ1(ステアリングロールコネクタ)は、コンビネーションスイッチ側(下方側)に固定する固定側部材としてのステータ200と、ステアリングホイール側(上方側)に位置するとともに、ステータ200に対して相対回転可能なロテータ300と、少なくとも1本のフラットケーブルFCを備え、中心部にステアリングシャフトを貫通可能な貫通孔Hを有した円筒状に形成している。
【0035】
フラットケーブルは、所定間隔を隔てて幅方向に一列に配置した複数の平角導体と、これら複数の平角導体を被覆した絶縁被覆とで一体に構成している。
【0036】
なお、以下の説明において、シャフト軸方向の下方Ddとは、ステアリングシャフトの軸方向におけるコンビネーションスイッチ側を示し、シャフト軸方向の上方Duとは、ステアリングシャフトの軸方向におけるステアリングホイール側を示すものとする。
【0037】
ステータ200は、ステアリングコラムに取り付けたコンビネーションスイッチに固定され、
図1乃至
図3に示すように、固定側リング板部材220と外周筒部材230とで一体に構成している。
なお、
図1は回転コネクタ1を上方から視た外観図であり、
図2は回転コネクタ1を下方から視た分解斜視図である。
図3は回転コネクタ1を底面側から視た構成説明図であり、詳しくは、
図3(a)は回転コネクタ1の底面におけるコネクタフランジ部250を含む略片側半分を示した構成説明図であり、
図3(b)は
図3(a)に示す状態から固定側リング板部材220を外した状態の回転コネクタ1の底面におけるコネクタフランジ部250を含む略片側半分を示した構成説明図である。
【0038】
固定側リング板部材220は、中央に円形の孔を有した略円環状に形成し、回転コネクタ1の底面部を構成している。なお、固定側リング板部材220の下部には、図示しないがステアリングシャフトの回転角度を検出する舵角センサが装着される。
【0039】
外周筒部材230は、シャフト軸方向の上下方向で開口する筒状に構成し、回転コネクタ1の円筒状の外周面を構成している。
外周筒部材230と固定側リング板部材220とは、外周筒部材230におけるシャフト軸方向の下方Ddで開口するステータ底面開口部Aを、固定側リング板部材220によって閉塞するように、ステータ底面開口部Aの外周縁部を固定側リング板部材220に係合して一体化している。
【0040】
また、ステータ200における外周筒部材230を固定する位置よりも外周側の所定箇所には、径外方向へ張出したコネクタフランジ部250を介して、ステータ側コネクタ部240を下方への突出形状で形成している。
【0041】
ステータ側コネクタ部240は、後述する収容空間Sに巻き回した状態のフラットケーブルFCの外周側の端部と接続され、コンビネーションスイッチ側から配索された図示しないケーブルに備えた外部コネクタと接続可能に形成している。
【0042】
ロテータ300は、
図1に示したように、ステータ200の固定側リング板部材220の上面側と外周筒部材230の内周側との間に、図示しないフラットケーブルFCを収容するための環状をなす収容空間Sが形成できるように、平面視リング状をなす天板部320と、この天板部320の内周縁からシャフト軸方向の下方Ddへ突設された内周筒部330とを一体に構成している。
【0043】
ロテータ300の下部内周側には、ステータ200の底面中央における貫通孔Hの外周側から下方へ円筒状に突出した筒状張出部400を形成している。筒状張出部400の先端側には、自動車の曲る方向を指示するターンレバーを、ステアリングホイールの回動によって左折指示回動位置又は右折指示回動位置から中立位置に回動復帰させるキャンセルカム410を備えている。
【0044】
天板部320は、外周筒部材230の上端に被さるが、該外周筒部材230には接触しないように配置されている。また、天板部320の外周側における所定箇所には、ロテータ側コネクタ340がシャフト軸方向の上方Duに向けて突設され、ロテータ側コネクタ340は、収容空間S側でフラットケーブルFCの内周側端部FCbにおいて絶縁被覆に対して露出する露出導体に接続されるとともに、収容空間Sの外側でステアリングホイール側のホーンやエアーバックシステムなどの電気回路へと接続される。
【0045】
円筒状の回転コネクタ1のシャフト軸方向の中央側上部には、内周筒部330と凹底部350とで、ステアリングホイールのボス部610を嵌挿可能な凹形状のボス嵌挿許容部Hbを構成している。
【0046】
続いて、ステータ200の外周筒部材230に備えた上述したステータ側コネクタ部240、及びコネクタフランジ部250の構成について
図4乃至
図6を用いて詳述する。
【0047】
なお、
図4は
図3(a)中のA−B−B−C線断面図であり、
図5は
図4中のE−E線断面図であり、
図6はコネクタフランジ部250の内部構成を示す構成説明図であり、
図5中の領域Z1を拡大して示した構成説明図である。
図7は係合突部261に対するフラットケーブルFCの係合状態を断面で示した構成説明図であり、詳しくは、
図7は
図6中のF−F断面である。
【0048】
ステータ側コネクタ部240は、ステータ側コネクタハウジング241(以下、「コネクタハウジング241」という。)と、ターミナル片245とを備えている。
コネクタハウジング241の内部には、ターミナル片245を収容可能なターミナル片収容空間242を備えている。ターミナル片収容空間242には、ターミナル片245を差し込みにより装着するターミナル片装着部242aを形成している。
【0049】
ターミナル片245は、巻き回したフラットケーブルFCの外周側の端部FCaに外部コネクタと接続可能に接続され、
図3(a)、(b)及び
図4に示すように、先端部分に、外部コネクタの端子と接続可能な外部接続端子246fを形成するとともに、基端部分に、フラットケーブルFCの外周側端部FCaの露出導体と接続するハーネス接続端子246cを形成している。
コネクタフランジ部250は、該ステータ側コネクタ部240と外周筒部材230との間に有し、該コネクタフランジ部250の内部(以下「フランジ内部」という。)には、収容空間Sとターミナル片収容空間242との間においてフラットケーブルFCをガイドするケーブルガイド溝260gを構成している。
【0050】
ケーブルガイド溝260gは、フラットケーブルFCを差し込んだ状態で収容可能にフラットケーブルFCの厚みよりも広い幅を有して形成している。
【0051】
ケーブルガイド溝260gに対して幅方向の両側には、
図4に示すように、コネクタフランジ部250の上面、すなわちフランジ上面250uから下方へ垂下した状態で立設するケーブルガイド壁260を配設している。
【0052】
前記ケーブルガイド壁260は、フラットケーブルFCを略180度で折り返す折返し形状にガイド可能に、フラットケーブルFCの折返し部分FCtの内側でガイドする内側ガイド壁部260aと、前記折返し部分FCtの外側でガイドする外側ガイド壁部260bとで構成している。
【0053】
図6、及び
図7に示すように、内側ガイド壁部260aは、フラットケーブルFCの長手方向の折返し部分FCtに対して一方側部分と他方側部分との間に介在するように底面視直線状に立設している。
【0054】
外側ガイド壁部260bは、内側ガイド壁部260aに対してケーブルガイド溝260gを隔てて外側に配設している。
【0055】
ここで、ケーブルガイド溝260gの溝形成方向Dgにおける折返し部分FCtに対して一方側、すなわち、内側ガイド壁部260aの幅方向における、ターミナル片収容空間242と連通する側のケーブルガイド溝260gを、コネクタ側ケーブルガイド溝260g2に設定するとともに、ケーブルガイド溝260gの溝形成方向Dgにおける折返し部分FCtに対して他方側、すなわち、内側ガイド壁部260aの厚み方向(溝形成方向Dgと直交方向)における、収容空間Sと連通する側のケーブルガイド溝260gを、収容空間側ケーブルガイド溝260g1に設定する。
【0056】
さらに、内側ガイド壁部260aにおけるフラットケーブルFCの折返し部分FCtに相当する端部を内側ガイド壁折返し側端部260aaに設定する。
【0057】
内側ガイド壁折返し側端部260aaには、フラットケーブルFCのケーブルガイド溝260gへの差し込み方向においてフラットケーブルFCに係合する係合突部261を形成している。
【0058】
係合突部261は、内側ガイド壁折返し側端部260aaからケーブルガイド溝260gに向けて突出して形成している。
詳しくは、
図6に示すように、係合突部261は、内側ガイド壁折返し側端部260aaから直線状の内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgに対して直角に収容空間側ケーブルガイド溝260g1に向けて突出するとともに、該収容空間側ケーブルガイド溝260g1における係合突部261の先端部261aと外側ガイド壁260bとの間の溝幅がフラットケーブルFC少なくとも1本分の厚みに相当する隙間となる突出長さで突出している。
【0059】
また、
図6、及び
図7に示すように、内側ガイド壁部260aにおける内側ガイド壁折返し側端部260aaと係合突部261とは、コネクタフランジ部250のフランジ上面250Uに対してシャフト軸方向の下方Duへ垂下する下端部分を、ケーブルガイド溝260gの溝幅がステータ底面開口部Aに向けて徐々に拡大するようにテーパ状に形成し、フラットケーブルFCをケーブルガイド溝260gへ差し込み案内可能とする差込み案内部260Tを構成している。
【0060】
上述した回転コネクタ1を組み立てる際に行う手順の一つとして、フラットケーブルFCをステータ200に取り付ける手順について簡単に説明する。
【0061】
まず、
図3(a)、
図4、及び
図5に示すように、ステータ200とロテータ300とを組み立てる前に、ステータ200は、ステータ200の外周側面に相当する外周筒部材230対してステータ200の底部に相当する固定側リング板部材220を外して底面のステータ底面開口部Aが開口した状態において、フラットケーブルFCを巻き回した状態で収容空間Sに収容するとともに、ステータ側コネクタ部240においては、フラットケーブルFCの外周側の端部FCaの露出導体に接続したターミナル片245を、ターミナル片収容空間242にステータ底面開口部Aを通じて差し込んでターミナル片装着部242aに収容する。
【0062】
さらに、その際に、
図6に示すように、コネクタフランジ部250の内部のケーブルガイド溝260gに、ステータ底面開口部Aを通じてフラットケーブルFCの一端FCa側を差し込んで収容することで、フラットケーブルFCをステータ200に取り付けることができる。
【0063】
上述した構成の回転コネクタ1は、以下の作用、効果を奏することができる。
例えば、回転コネクタ1の組み立て作業の際を行う際には、回転コネクタ1をステータ200とロテータ300に分解したり、ステータ200を固定側リング板部材220と外周筒部材230とに分解した状態にする。
【0064】
このように、外周筒部材230に対して固定側リング板部材220を取り外し、ステータ底面開口部Aが開口した状態であっても、本実施形態の回転コネクタ1は、コネクタフランジ部250の内部において、ケーブルガイド壁260に、フラットケーブルFCを係合する係合突部261を形成したため、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容したフラットケーブルFCが差し込み方向とは逆方向、すなわち、ケーブルガイド溝260gからフラットケーブルFCが抜け出す下方Ddへ不用意に位置ズレすることを防止することができる(
図6、及び
図7参照)。
【0065】
従って、回転コネクタ1の組み立て作業を容易に行うことができる。
詳述すると、本実施形態の回転コネクタ1は、ケーブルガイド壁260に、前記フラットケーブルFCを係合する係合突部261を形成したため、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容したフラットケーブルFCをしっかりと係合することができる。
【0066】
これにより、外周筒部材230に対して固定側リング板部材220を取り外してステータ底面開口部Aが開口した状態において、可撓性を有するフラットケーブルFCに外力がかかるなどして、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容したフラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gへの差し込み方向と反対側、すなわちシャフト軸方向の下方Ddへ位置ズレするなどして、意に反して前記ケーブルガイド溝260gから抜け出すといった事態を防ぐことができる。
【0067】
よって、作業者は、現場において、一旦、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容したフラットケーブルFCが位置ズレするなどして改めてケーブルガイド溝260gに差し込み収容し直す必要がなく、また、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gに適切に差し込み収容されているか否かについての確認作業が不要になるため、回転コネクタ1の組み立て作業の作業効率をスムーズに行うことができる。
【0068】
特に、本実施形態の回転コネクタ1は、ケーブルガイド壁260を、フラットケーブルFCを折返し形状にガイド可能に内側ガイド壁部260aと外側ガイド壁部260bとで構成し、内側ガイド壁部260aにおける内側ガイド壁折返し側端部260aaに係合突部261を形成した構成である。
【0069】
このように、フラットケーブルFCを折り返し形状にガイドすることにより、可撓性を有するフラットケーブルFCは、折返し部分FCtにおいて折返し前の形状に復元しようとする復元力が作用する。この復元力により、フラットケーブルFCは、折返し部分FCtにおいて外側ガイド壁部260bに積極的に当接し、外側ガイド壁部260bは、フラットケーブルFCとの摩擦力により、該フラットケーブルFCを積極的にガイドすることができる。
【0070】
その一方で、上述したように、フラットケーブルFCの折返し部分FCtは、外側ガイド壁部260bに当接しながら配索されるため、内側ガイド壁部260aに対しては隙間が生じ易くなり、該内側ガイド壁部260aによってしっかりと挟み込むようにしてガイドすることができないという事態が生じるおそれがある。
【0071】
しかし、本実施形態の回転コネクタ1によれば、内側ガイド壁部260aにおけるフラットケーブルFCの内側ガイド壁折返し側端部260aaに、係合突部261を形成したため、該係合突部261によりフラットケーブルFCの折返し部分FCtを内側からしっかりと係合することができる。
【0072】
よって、フラットケーブルFCにおける折返し部分FCtを内側ガイド壁部260aの係合突部261と外側ガイド壁260bとの両側からしっかりとガイドすることで、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容したフラットケーブルFCの位置ズレを確実に防ぐことができる。
【0073】
さらに、本実施形態の回転コネクタ1は、
図6に示すように、フラットケーブルFCを、ケーブルガイド溝260gに差し込み収容した状態において係合突部261により係合することで、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gにおいて蛇行した経路になることを抑制し、フラットケーブルFCを略最短経路となるコンパクトな経路にガイドすることができる。
【0074】
詳しくは、ケーブルガイド壁260に係合突部261を形成していない従来の回転コネクタの場合、フラットケーブルFCは、
図6中の仮想線で示した経路のように、特に折返し部分FCtにおいて大回りになるなど、ケーブルガイド溝260gにおいて大きく蛇行した経路になる。
そうすると、フラットケーブルFCに冗長部分が生じ、その分、全体の長さが長くなるため、結果として回転コネクタの重量が重くなるなどの課題が生じることになる。
【0075】
これに対して、本実施形態の回転コネクタ1は、フラットケーブルFCを係合突部261により係合することで、
図6中の実線で示したフラットケーブルFCのように、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gにおいて蛇行することがなく略最短となるコンパクトな経路になるようにガイドすることができる。
【0076】
これにより、ケーブルガイド溝260gにおいてフラットケーブルFCの配置長さを、例えば、
図6中の仮想線で示した経路のフラットケーブルFCと比較して例えば、0.3mm程度短くすることができる。
従って、回転コネクタ1の軽量化、及びコンパクト化を図ることができる。
【0077】
また、
図6に示すように、本実施形態の回転コネクタ1は、係合突部261の先端部261aの幅方向の両側の隅角部のうち、収容空間側ケーブルガイド溝260g1とコネクタ側ケーブルガイド溝260g2との境界部分に相当する、折返し部分FCtの有する側の隅角部261zを、略面取り形状に形成せずに鋭角状に形成している。
【0078】
これにより、フラットケーブルFCの折返し部分FCtが係合突部261に当接した状態において、折返し部分FCtが長さ方向において滑らないように、係合突部261における鋭角状の隅角部261zを、折返し部分FCtにしっかりと係合させることができる。
【0079】
また、上述したように、内側ガイド壁折返し側端部260aaと係合突部261におけるシャフト軸方向の下方Ddの端部に、テーパ状の差込み案内部260Tを形成することにより、フラットケーブルFCをケーブルガイド溝260gに差し込んで収容する際に、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gの位置に対してずれて差し込もうとしても差込み案内部260Tによりケーブルガイド溝260gの側へ案内することで、確実、且つ容易に差し込むことができる。
【0080】
以下では、他の実施形態における回転コネクタ1A,1Bについて説明する。
但し、以下で説明する回転コネクタ1A,1Bの構成のうち、上述した第1実施形態における回転コネクタ1と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0081】
(第2実施形態)
第2実施形態の回転コネクタ1Pは、
図8、及び
図9に示すように、フラットケーブルFCにおける、折返し部分FCtには、該フラットケーブルFCを係合突部261に向けて幅方向全体に山折りした山折り状折り曲げ部FCsを形成している。
なお、
図8は第2実施形態の回転コネクタ1Pにおけるコネクタフランジ部250の内部構成を示す
図6に相当する構成説明図であり、
図9は
図8中のG−G断面である。
【0082】
上記構成によれば、山折り状折り曲げ部FCsは、係合突部261の例えば、突出方向の側方261bに当接することで(
図7参照)、係合突部261の突出方向の側方261bとの摩擦力により、フラットケーブルFCを積極的にガイドすることができる。
【0083】
よって、係合突部261の先端部261aがフラットケーブルFCに積極的に係合するとともに、フラットケーブルFCの山折り状折り曲げ部FCsが係合突部261に対して突出方向の側方261bから係合することにより、回転コネクタ1の組み立て作業を行う際に、フラットケーブルFCをケーブルガイド溝260gへの差し込み方向の反対側、すなわち、シャフト軸方向の下方Ddへ位置ズレすることを、より確実に防ぐことができる。
【0084】
なお、本発明の折り曲げ部は、第2実施形態のように、係合突部261に向けてフラットケーブルFCを山折りして形成した山折り状折り曲げ部FCsで形成するに限らず、フラットケーブルFCの長手方向における係合手段に相当する箇所に、フラットケーブルFCを幅方向に沿って折り曲げた構成であれば特に限定せず、例えば、
図10に示すように、係合突部261の先端部261aに沿って屈曲するように、フラットケーブルFCを係合突部261に対して谷折りして形成した谷折り状折り曲げ部FCvで形成してもよい。
【0085】
このように、折り曲げ部を谷折り状折り曲げ部FCvで形成することにより、フラットケーブルFCの長手方向における谷折り状折り曲げ部FCvの近傍部分が係合突部261の側方261bにしっかりと当接し、係合突部261とフラットケーブルFCとの接触による摩擦抵抗を向上させることができる。
【0086】
これにより、係合突部261をフラットケーブルFCにしっかりと係合させることができ、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gに対してシャフト軸方向の下方Ddへ位置ズレすることを、より確実に防ぐことができる。
【0087】
(第3実施形態)
第3実施形態の回転コネクタ1Aは、
図11に示すように、内側ガイド壁折返し側端部260aaに、係合突部261Aを備えている。
なお、
図11は第3実施形態の係合突部261Aを備えた回転コネクタ1Aを示す
図6に相当する構成説明図である。
【0088】
第3実施形態の係合突部261Aは、内側ガイド壁折返し側端部260aaから直線状の内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgに対して収容空間側ケーブルガイド溝260g1に向けて内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgに対して約135度のなす角で突出している。
【0089】
これにより、外側ガイド壁部260bに積極的に当接しているフラットケーブルFCの折返し部分FCtに対して、係合突部261Aは内側から係合し、外側ガイド壁部260bと係合突部261Aの先端部261AaとでフラットケーブルFCをしっかりとガイドすることができる。
【0090】
(第4実施形態)
第4実施形態の回転コネクタ1Bは、
図12に示すように、フラットケーブルFCに係合する係合手段として、上述したような係合突部261,261Aではなく、内側ガイド壁部260aを厚み方向、すなわち壁形成方向Dgに対して直交方向に連通させた係合孔261Bで形成している。
【0091】
係合孔261Bは、内側ガイド壁部260aを厚み方向に連通させてフラットケーブルFCを係合可能な第1係合孔261B1と第2係合孔261B2とで形成し、第1係合孔261B1と第2係合孔261B2とは、内側ガイド壁部260aにおいて、壁形成方向Dgに沿って互いに重合した少なくとも1枚のフラットケーブルFCを挿通可能な所定間隔を隔てて形成している。
【0092】
上述した構成によれば、フラットケーブルFCの長手方向における収容空間側ケーブルガイド溝260g1側に沿って配置する部分を、第1係合孔261B1と第2係合孔261B2との間部分においては、収容空間側ケーブルガイド溝260g1から第1係合孔261B1を挿通させてコネクタ側ケーブルガイド溝260g2の側へ配置させるとともに、コネクタ側ケーブルガイド溝260g2から第2係合孔261B2を挿通させて収容空間側ケーブルガイド溝260g1の側へ配置させている。
【0093】
このように、フラットケーブルFCの長手方向における収容空間側ケーブルガイド溝260g1側に沿って配置する部分の一部を、コネクタ側ケーブルガイド溝260g2の側へ迂回させて配置することで、フラットケーブルFCを、内側ガイド壁部260aにおける第1係合孔261B1の縁部と第2係合孔261B2の縁部に係合させることができる。
【0094】
よって、回転コネクタ1Bの組み立て作業を容易に行う際に、フラットケーブルFCがケーブルガイド溝260gに対してシャフト軸方向の下方Ddへ位置ズレすることを、より確実に防ぐことができる。
【0095】
また、第3実施形態の回転コネクタ1Aに備えたフラットケーブルFCでは、
図11に示すように、山折り状折り曲げ部FCsや谷折り状折り曲げ部FCvを形成していないが、フラットケーブルFCにおける係合突部261Aとの当接箇所に、必要に応じて、上述した山折り状折り曲げ部FCsと谷折り状折り曲げ部FCvとのうち少なくとも一方を形成してもよい。
【0096】
同様に、第4実施形態の回転コネクタ1Bに備えたフラットケーブルFCでは、
図12に示すように、山折り状折り曲げ部FCsや谷折り状折り曲げ部FCvを形成していないが、フラットケーブルFCにおける、第1係合孔261B1の縁部や第2係合孔261B2の縁部との当接箇所に、必要に応じて、これら山折り状折り曲げ部FCsと谷折り状折り曲げ部FCvとのうち少なくとも一方を形成してもよい。
【0097】
この発明の構成と、実施形態との対応において、
この発明のコネクタ部は、実施形態のステータ側コネクタ部240に対応し、
以下同様に、
コネクタ内部空間は、ターミナル片収容空間242に対応し、
係合手段は、係合突部261,261A、後述する係合突部261C、及び/又は係合孔261B1,261B2に対応し、
折り曲げ部は、山折り状折り曲げ部FCs、及び/又は後述する谷折り状折り曲げ部FCvに対応し、
山折り部FCsは、山折り状折り曲げ部に対応し、
フラットケーブルの長手方向における前記係合手段に相当する箇所は、内側ガイド壁折返し側端部260aaに対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本発明の回転コネクタは、第1、又は第2実施形態の係合突部261や、第3実施形態の係合突部261Aのように、内側ガイド壁折返し側端部260aaから収容空間側ケーブルガイド溝260g1に向けて突出させるに限らず、コネクタ側ケーブルガイド溝260g2に向けて突出させてもよく、また、上述したように、係合突部261を内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgに対して直角に突出させたり、135度の角度で突出させるに限らず、任意の突出角度で突出させてもよい。
【0098】
例えば、
図13に示す係合突部261Cのように、内側ガイド壁折返し側端部260aaから内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgに沿って真直ぐに突出させて形成してもよい。
【0099】
さらにまた、本発明の係合突部は、内側ガイド壁折返し側端部260aaに形成するに限らず、内側ガイド壁部260aの壁形成方向Dgのいずれの箇所に形成してもよく、一つだけ形成するに限らず、複数形成してもよい。
【0100】
また、本発明の回転コネクタは、上述したように、一枚のフラットケーブルを備えるに限らず、厚み方向に互いに重合させた複数枚を一組として構成したフラットケーブルを備えてもよい。