(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属処理工程後、前記レジストパターンにおいて前記金属が浸潤した側面の内側であって、前記金属が浸潤していない部分を除去し、基板上に他のレジストパターンを形成することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
前記金属処理工程において、前記処理剤中に前記金属を含有する金属含有剤を基板上に供給し、前記レジストパターンの側面に前記金属含有剤を進入させて、前記レジストパターンの側面に前記金属を浸潤させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
前記金属処理工程において、基板上に前記処理剤を供給して前記レジストパターンの側面に前記処理剤を進入させた後、前記金属を含有する金属含有剤を基板上に供給して前記レジストパターンの側面に前記金属を浸潤させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理方法。
前記金属処理装置で前記金属が浸潤した前記レジストパターンの側面の内側であって、前記金属が浸潤していない部分を除去し、基板上に他のレジストパターンを形成するレジストパターン除去装置をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の基板処理システム。
前記金属処理装置は、基板上に前記処理剤を供給する処理剤供給部と、前記金属を含有する金属含有剤を基板上に供給する金属含有剤供給部とを有することを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。なお、本実施の形態の基板処理システム1で処理される基板としてのウェハ上には、後述するように予め被処理膜が形成されている。
【0035】
基板処理システム1は、
図1に示すようにウェハにフォトリソグラフィー処理を行う塗布現像処理装置2と、ウェハにエッチング処理を行うエッチング処理装置3とを有している。
【0036】
塗布現像処理装置2は、
図2に示すように例えば外部との間で複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
【0037】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、複数、例えば4つのカセット載置板21が設けられている。カセット載置板21は、水平方向のX方向(
図2中の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置板21には、塗布現像処理装置2の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0038】
カセットステーション10には、
図2に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0039】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数、例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(
図2のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(
図2のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(
図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(
図2のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0040】
例えば第1のブロックG1には、
図3に示すように複数の液処理装置が鉛直方向に積層されている。例えばウェハWを現像処理する現像装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下、「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハW上にレジスト膜を形成すると共に、第1のレジストパターンの側面に金属を浸潤させる塗布処理装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下、「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下から順に4段に重ねられている。なお、塗布処理装置32は、本発明におけるレジスト膜形成装置として機能すると共に、金属処理装置として機能する。
【0041】
現像装置30、下部反射防止膜形成装置31、上部反射防止膜形成装置33は、それぞれ処理時にウェハWを収容するカップPを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。塗布処理装置32の詳細な構成については後述する。
【0042】
なお、これら現像装置30、下部反射防止膜形成装置31、塗布処理装置32、上部反射防止膜形成装置33の数や配置は、任意に選択できる。また第1のブロックG1には、ウェハWに撥水性の保護膜を形成するための処理液を供給して露光用の保護膜を形成する保護膜形成装置や、ウェハWの裏面及び周縁のベベル部に洗浄液を供給してウェハWの裏面を洗浄する裏面洗浄装置等が配置されていてもよい。
【0043】
例えば第2のブロックG2には、
図4に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置40や、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理装置40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。なお、熱処理装置40、アドヒージョン装置41及び周辺露光装置42の数や配置は、任意に選択できる。
【0044】
例えば第3のブロックG3には、
図2及び
図3に示すように複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
【0045】
図2に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置70が配置されている。
【0046】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム71を有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0047】
ウェハ搬送装置70は、例えば
図4に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0048】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0049】
シャトル搬送装置80は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0050】
図2に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0051】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置101及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0052】
次に、上述した塗布処理装置32の構成について説明する。塗布処理装置32は、
図5に示すように内部を閉鎖可能な処理容器110を有している。処理容器110のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が例えば3箇所に形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。また、これら3つの搬入出口は、後述する金属処理部120、レジスト膜形成部121、122に対応する位置に形成されている。なお、金属処理部120は本発明における金属処理装置として機能し、レジスト膜形成部121、122は本発明におけるレジスト膜形成装置として機能する。
【0053】
処理容器110の内部には、例えば後述するようにウェハW上の第1のレジストパターンの側面に形成された中間露光領域に処理剤としてのアルコールを進入させ、且つ中間露光領域にアルコールを介して金属を浸潤させる金属処理部120と、ウェハW上にレジスト膜を形成する2つのレジスト膜形成部121、122とが設けられている。金属処理部120、レジスト膜形成部121、122は、Y方向負方向(
図5の左方向)側からY方向正方向(
図5の右方向)側にこの順で並べて配置されている。
【0054】
金属処理部120には、
図6に示すようにウェハWを保持して回転させるスピンチャック130が設けられている。スピンチャック130は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック130上に吸着保持できる。
【0055】
スピンチャック130の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部131が設けられている。スピンチャック130は、チャック駆動部131により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部131には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック130は昇降自在になっている。
【0056】
スピンチャック130の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ132が設けられている。カップ132の下面には、回収した液体を排出する排出管133と、カップ132内の雰囲気を排気する排気管134が接続されている。
【0057】
図5に示すようにカップ132のX方向負方向(
図5中の下方向)側には、Y方向(
図5中の左右方向)に沿って延伸するレール140が形成されている。レール140は、例えばカップ132のY方向負方向(
図5中の左方向)側の外方からY方向正方向(
図5中の右方向)側の外方まで形成されている。レール140には、アーム141が取り付けられている。
【0058】
アーム141には、
図5及び
図6に示すようにウェハW上に金属含有剤としての液体状の金属含有液を供給する、金属含有剤供給部としての金属含有液ノズル142が支持されている。アーム141は、
図5に示すノズル駆動部143により、レール140上を移動自在である。これにより、金属含有液ノズル142は、カップ132のY方向正方向側の外方に設置された待機部144からカップ132内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハW上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム141は、ノズル駆動部143によって昇降自在であり、金属含有液ノズル142の高さを調整できる。
【0059】
金属含有液ノズル142には、
図6に示すように金属含有液供給源145に連通する供給管146が接続されている。金属含有液供給源145内には、金属含有液が貯留されている。供給管146には、金属含有液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群147が設けられている。
【0060】
金属含有液供給源145内には、処理剤としてのアルコールに金属が溶解した金属含有液が貯留されている。アルコールとしては、例えばIPA(イソプロピルアルコール)、エタノール、ブタノール、MIBC(メチルイソブチルカルビノール)等が用いられる。また金属としては、例えばZr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)等が用いられる。なお、この金属は微小な径を有し、例えば5nm以下の径のナノパーティクルである。
【0061】
レジスト膜形成部121には、
図6に示すようにウェハWを保持して回転させるスピンチャック150が設けられている。スピンチャック150は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック150上に吸着保持できる。
【0062】
スピンチャック150の下方には、例えばモータなどを備えたチャック駆動部151が設けられている。スピンチャック150は、チャック駆動部151により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部151には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック150は昇降自在になっている。
【0063】
スピンチャック150の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ152が設けられている。カップ152の下面には、回収した液体を排出する排出管153と、カップ152内の雰囲気を排気する排気管154が接続されている。
【0064】
なお、レジスト膜形成部122にも、上記レジスト膜形成部121と同様に、スピンチャック150、チャック駆動部151、カップ152、排出管153、排気管154が設けられている。
【0065】
図5に示すようにレジスト膜形成部121、122のカップ152のX方向負方向(
図5中の下方向)側には、Y方向(
図5中の左右方向)に沿って延伸するレール160が形成されている。レール160は、例えばレジスト膜形成部121のカップ152のY方向負方向(
図5中の左方向)側の外方から、レジスト膜形成部122のカップ152のY方向正方向(
図5中の右方向)側の外方まで形成されている。レール160には、例えばアーム161が取り付けられている。
【0066】
アーム161には、
図5及び
図6に示すようにウェハWにレジスト液を供給するレジスト液ノズル162が支持されている。アーム161は、
図5に示すノズル駆動部163により、レール160上を移動自在である。これにより、レジスト液ノズル162は、レジスト膜形成部121のカップ152とレジスト膜形成部122のカップ152との間に設置された待機部164からカップ152内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハW上をウェハWの径方向に移動できる。また、アーム161は、ノズル駆動部163によって昇降自在であり、レジスト液ノズル162の高さを調整できる。
【0067】
レジスト液ノズル162には、
図6に示すようにレジスト液供給源165に連通する供給管166が接続されている。レジスト液供給源165内には、レジスト液が貯留されている。供給管166には、レジスト液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群167が設けられている。
【0068】
次に、上述したエッチング処理装置3の構成について説明する。エッチング処理装置3は、
図7に示すようにエッチング処理装置3に対するウェハWの搬入出を行うカセットステーション200、ウェハWの搬送を行う共通搬送部201、後述するようにウェハW上の第1のレジストパターンの中間露光領域の内側であって、金属が浸潤していない未露光領域を除去し、ウェハ上に第2のレジストパターンを形成するレジストパターン除去装置としての第1のエッチング装置202、203、ウェハW上の第2のレジストパターンをマスクとして下部反射防止膜及び被処理膜を所定のパターンにエッチングする第2のエッチング装置204、205を有している。
【0069】
カセットステーション200は、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構210が内部に設けられた搬送室211を有している。ウェハ搬送機構210は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム210a、210bを有しており、これら搬送アーム210a、210bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。搬送室211の側方には、ウェハWを複数枚並べて収容可能なカセットCが載置されるカセット載置台212が備えられている。図示の例では、カセット載置台212には、カセットCを複数、例えば3つ載置できるようになっている。
【0070】
搬送室211と共通搬送部201は、真空引き可能な2つのロードロック装置213a、213bを介して互いに連結させられている。
【0071】
共通搬送部201は、例えば上方からみて略多角形状(図示の例では六角形状)をなすように形成された密閉可能な構造の搬送室チャンバ214を有している。搬送室チャンバ214内には、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構215が設けられている。ウェハ搬送機構215は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム215a、215bを有しており、これら搬送アーム215a、215bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。
【0072】
搬送室チャンバ214の外側には、第1のエッチング装置202、203、第2のエッチング装置204、205、ロードロック装置213b、213aが、搬送室チャンバ214の周囲を囲むように配置されている。第1のエッチング装置202、203、第2のエッチング装置204、205、ロードロック装置213b、213aは、例えば上方からみて時計回転方向においてこの順に並ぶように、また、搬送室チャンバ214の6つの側面部に対してそれぞれ対向するようにして配置されている。
【0073】
なお、第1のエッチング装置202、203、第2のエッチング装置204、205としては、例えば例えばRIE(Reactive Ion Eching)装置が用いられる。すなわち、第1のエッチング装置202、203、第2のエッチング装置204、205では、反応性の気体(エッチングガス)やイオン、ラジカルによって、レジスト膜や下部反射防止膜、被処理膜をエッチングするドライエッチングが行われる。
【0074】
以上の基板処理システム1には、
図1に示すように制御装置300が設けられている。制御装置300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置300にインストールされたものであってもよい。
【0075】
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われるウェハWの処理方法について説明する。
図8は、ウェハ処理の各工程におけるウェハWの状態を模式的に示している。なお、
図8(a)に示すように基板処理システム1で処理されるウェハW上には、予め被処理膜400が形成されている。
【0076】
先ず、複数枚のウェハWを収容したカセットCが、塗布現像処理装置2のカセットステーション10に搬入され、所定のカセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の受け渡し装置53に搬送される。
【0077】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって下部反射防止膜形成装置31に搬送され、
図8(a)に示すようにウェハW上に下部反射防止膜401が形成される。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節され、その後受け渡し装置53に戻される。
【0078】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってアドヒージョン装置41に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって塗布処理装置32のレジスト膜形成部121に搬送される。
【0079】
レジスト膜形成部121に搬送されたウェハWは、スピンチャック150に吸着保持される。続いて、アーム161によって待機部164のレジスト液ノズル162をウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、スピンチャック150によってウェハWを回転させながら、レジスト液ノズル162からウェハWの中心部にレジスト液を供給する。ウェハW上に供給された供給されたレジスト液ノズル162は、ウェハWの回転により生じる遠心力によってウェハWの表面全面に拡散する。こうしてウェハW上にレジスト液が塗布され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0080】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置55に搬送される。
【0081】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜(図示せず)が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって周辺露光装置42に搬送されて、ウェハW上のレジスト膜の周縁部に対して周辺露光処理が行わる。
【0082】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置56に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって受け渡し装置62に搬送される。
【0083】
次にウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置100によって露光装置12に搬送される。露光装置12では、ウェハW上のレジスト膜に光が照射され、当該レジスト膜に所定のパターンが選択的に露光される。
【0084】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって露光装置12から受け渡し装置60に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。
【0085】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像装置30に搬送される。現像装置30では、ウェハW上のレジスト膜に現像液が供給されて現像される。具体的には、現像液によって、露光装置12で露光されたレジスト膜が選択的に除去される。そして、露光されていないレジスト膜が残存し、
図8(a)に示すようにウェハW上に第1のレジストパターン402が形成される。
【0086】
このとき、
図9に示すように第1のレジストパターン402の両側面には、いわゆる中間露光領域403、403が形成される。第1のレジストパターン402は、本来、露光装置12で露光されていないレジスト膜が残存して形成されるが、当該第1のレジストパターン402の側面は、実際には若干程度露光されている。すなわち、第1のレジストパターン402の側面には、現像液に不溶であるはずの領域にも関わらず、僅かな可溶性基が発生する、といった可溶層と不溶層との中間的な性質を持つ領域、上述した中間露光領域403が形成される。そして、この中間露光領域403には、露光されることによってOH基(水酸基)が形成されている。また第1のレジストパターン402において、中間露光領域403、403の間には、露光されていない未露光領域404が形成されている。なお、上述した中間露光領域403が形成される原因としては、例えば半導体デバイスの微細化が進むにつれ、露光される領域と露光されない領域との境界に充分な露光量のコントラストを確保することが難しくなってきていることが挙げられる。
【0087】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置50に搬送される。
【0088】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって塗布処理装置32の金属処理部120に搬送される。
【0089】
金属処理部120に搬送されたウェハWは、スピンチャック130に吸着保持される。続いて、アーム141によって待機部144の金属含有液ノズル142をウェハWの中心部の上方まで移動させる。その後、スピンチャック130によってウェハWを回転させながら、金属含有液ノズル142からウェハWの中心部に金属含有液を供給する。ウェハW上に供給された供給された金属含有液は、ウェハWの回転により生じる遠心力によってウェハWの表面全面に拡散する。
【0090】
このようにウェハW上に金属含有液が塗布されると、金属含有液中のアルコールは、第1のレジストパターン402の中間露光領域403中のOH基等、親和性の良い官能基をターゲットにして中間露光領域403に進入する。この中間露光領域403へのアルコールの進入に伴い、当該アルコールを進入経路として金属も中間露光領域403に進入する。そして、金属は中間露光領域403中のOH基と結合して、
図10に示すように金属405が中間露光領域403に浸潤する。そして、
図8(b)に示すように第1のレジストパターン402の両側面に金属405が浸潤した、金属浸潤層である中間露光領域403が形成される。
【0091】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置54に搬送され、その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。
【0092】
塗布現像処理装置2においてウェハWに所定の処理が行われると、ウェハWを収納したカセットCは、塗布現像処理装置2から搬出され、次にエッチング処理装置3に搬入される。
【0093】
エッチング処理装置3では、先ず、ウェハ搬送機構210によって、カセット載置台212上のカセットCから1枚のウェハWが取り出され、ロードロック装置213a内に搬入される。ロードロック装置213a内にウェハWが搬入されると、ロードロック装置213a内が密閉され、減圧される。その後、ロードロック装置213a内と大気圧に対して減圧された状態(例えば略真空状態)の搬送室チャンバ214内とが連通させられる。そして、ウェハ搬送機構215によって、ウェハWがロードロック装置213aから搬出され、搬送室チャンバ214内に搬入される。
【0094】
搬送室チャンバ214内に搬入されたウェハWは、次にウェハ搬送機構215によって第1のエッチング装置202に搬送される。第1のエッチング装置202では、例えばO
2ガス(O
2プラズマ)を用いてウェハWにエッチング処理を行う。このとき、第1のレジストパターン402の中間露光領域403は金属405を含有するため、未露光領域404に比べてエッチング耐性が高い。このため、ウェハWにエッチング処理を行うと、未露光領域404のみが選択的に除去され、中間露光領域403が残る。そして
図8(c)に示すようにウェハW上に他のレジストパターンとしての第2のレジストパターン406(中間露光領域403)が形成される。
【0095】
次にウェハWは、ウェハ搬送機構215によって第2のエッチング装置204に搬送される。第2のエッチング装置204では、例えばO
2ガス(O
2プラズマ)やCFガス(CFプラズマ)を用いてウェハW上の第2のレジストパターン406をマスクとして、ウェハW上の下部反射防止膜401と被処理膜400がそれぞれエッチングされる。このとき、第2のレジストパターン406は下部反射防止膜401と被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有しているので、
図8(d)に示すように下部反射防止膜401に所定のパターン407が適切な形状で形成されると共に、被処理膜400に所定のパターン408が適切な形状で形成される。
【0096】
その後ウェハWは、ウェハ搬送機構215によって再び搬送室チャンバ214内に戻される。そして、ロードロック装置213bを介してウェハ搬送機構210に受け渡され、カセットCに収納される。その後、ウェハWを収納したカセットCがエッチング処理装置3から搬出されて一連のウェハ処理が終了する。
【0097】
以上の実施の形態によれば、第1のレジストパターン402の中間露光領域403にはOH基が形成されている。そうすると、塗布処理装置32の金属処理部120において、中間露光領域403にアルコールを進入させ、当該アルコールを進入経路として金属405を中間露光領域403に進入させて浸潤させることができる。すなわち、第1のレジストパターン402において、中間露光領域403は金属405を含有する分、未露光領域404に比べてエッチング耐性を高くなる。このため、第1のエッチング装置202において、未露光領域404のみを選択的に除去することができ、中間露光領域403を残して、ウェハ上に微細な第2のレジストパターン406を適切に形成することができる。したがって、本実施の形態は近年の微細化した半導体デバイスを製造する際にも適用することができ、いわゆるSaDP(Self Aligned Double Patterning)と呼ばれるダブルパターニングにも適用することができる。
【0098】
また、金属405を含有する第2のレジストパターン406はウェハW上の被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有している。このため、第2のレジストパターン406の高さが低くても(レジスト膜の膜厚が小さくても)、当該第2のレジストパターン406は、第2のエッチング装置204において被処理膜400をエッチングする際のマスクとしての機能を十分に発揮する。したがって、第2のレジストパターン406のアスペクト比を小さくすることができるので、パターン倒れを抑制することができ、ウェハW上に第2のレジストパターン406を適切に形成することができる。
【0099】
さらに、このように第2のレジストパターン406は被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有しているので、第2のエッチング装置204において第2のレジストパターン406をマスクとして被処理膜400をエッチングすると、当該被処理膜400に所定のパターン408を適切に形成することができる。
【0100】
しかも本実施の形態によれば、従来のように被処理膜400に対して高いエッチング選択比の取れるシリコン膜等を別途形成してエッチングする必要がなく、第1のレジストパターン402を改質するだけでよい。このため、ウェハ処理を簡易化でき、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0101】
以上の実施の形態において、第1のレジストパターン402の中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量、すなわち中間露光領域403中の金属405の濃度又は中間露光領域403中の金属405の浸潤深さは、例えば以下の4つのパラメータのいずれか又はすべてを調整することによって制御される。なお、これら4つのパラメータを調整することで、中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤速度も制御できる。
【0102】
1つめのパラメータとしては、例えば塗布処理装置32の金属処理部120における金属405の浸潤時間が挙げられる。金属含有液ノズル142から金属含有液を供給する時間を長くすれば、中間露光領域403に金属405を浸潤させる時間を長くすることができ、当該金属405の浸潤量を多くすることができる。一方、金属405の浸潤時間を短くすれば、当該金属405の浸潤量を少なくすることができる。
【0103】
2つめのパラメータとしては、例えば塗布処理装置32の金属処理部120において金属含有液ノズル142から供給される金属含有液中のアルコールの温度が挙げられる。金属含有液ノズル142からのアルコールの温度を高くすると、中間露光領域403に金属405が浸潤し易くなり、当該金属405の浸潤量を多くすることができる。一方、アルコールの温度を低くすると、当該金属405の浸潤量を少なくすることができる。
【0104】
3つめのパラメータとしては、例えば塗布処理装置32の金属処理部120において処理される第1のレジストパターン402中の溶剤の量が挙げられる。この溶剤の量の調整は種々の方法を用いることができる。
【0105】
例えば塗布処理装置32のレジスト膜形成部121でウェハW上にレジスト膜が形成された後、熱処理装置40で熱処理(プリベーク処理)を行う際、当該熱処理の温度や時間を調整することで、レジスト膜中の溶剤の量、すなわち第1のレジストパターン402中の溶剤の量を調整することができる。熱処理の温度を低く、或いは熱処理の時間を短くすれば、第1のレジストパターン402中の溶剤の量を多くすることができる。そうすると、第1のレジストパターン402の中間露光領域403に進入するアルコールの量を多くすることができ、さらに中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量を多くすることができる。一方、熱処理の温度を高く、或いは熱処理の時間を長くすれば、第1のレジストパターン402中の溶剤の量が少なくなり、中間露光領域403に進入するアルコールの量を少なくすることができ、さらに中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量を少なくすることができる。
【0106】
また、例えば別途設けられた溶剤供給装置(図示せず)においてレジスト膜に溶剤を供給して、当該レジスト膜中の溶剤の量を積極的に増加させてもよい。さらに、例えばレジスト膜形成部121のレジスト液ノズル162から供給されるレジスト液の材料を変更することで、レジスト膜中の溶剤の量を調整してもよい。
【0107】
4つめのパラメータとしては、例えば露光装置12における露光量(ドーズ量)が挙げられる。露光量を大きくすると、第1のレジストパターン402の中間露光領域403中にOH基が多く形成される。そうすると、中間露光領域403に進入するアルコールの量を多くすることができ、さらに中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量を多くすることができる。一方、露光量を小さくすると、中間露光領域403中に形成されるOH基が少なくなり、中間露光領域403に進入するアルコールの量を少なくすることができ、さらに中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量を少なくすることができる。
【0108】
以上のように第1のレジストパターン402の中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量を制御することができる。また、この中間露光領域403に浸潤する金属405の浸潤量は、第2のエッチング装置204におけるエッチング処理で必要とされるエッチング選択比に応じて制御できる。このため、当該エッチング処理をより適切に行うことができる。
【0109】
なお以上の実施の形態では、第1のエッチング装置202において第1のレジストパターン402の未露光領域404を除去し、第2のエッチング装置204において下部反射防止膜401と被処理膜400をエッチングしていたが、これら未露光領域404の除去と下部反射防止膜401及び被処理膜400のエッチング処理を、同一のエッチング装置内においてエッチングガスを切り替えて行ってもよい。
【0110】
以上の実施の形態では、被処理膜400をエッチングする際のマスクとして、ウェハW上に第2のレジストパターン406を形成していたが、第1のレジストパターン402を用いてもよい。
【0111】
上記実施の形態において
図9に示したように、ウェハW上に形成された第1のレジストパターン402の側面には、中間露光領域403が形成されている。本実施の形態では、このように第1のレジストパターン402が形成されたウェハWを再び露光装置12に搬送し、当該露光装置12において第1のレジストパターン402の上面のみを露光する。そうすると、
図11に示すように第1のレジストパターン402の上面に露光領域410が形成される。この露光領域410にはOH基が形成される。すなわち、第1のレジストパターン402では、中間露光領域403と露光領域410にOH基が形成されている。
【0112】
その後、熱処理装置40においてウェハWをポストベーク処理した後、当該ウェハWを塗布処理装置32の金属処理部120に搬送する。
【0113】
金属処理部120では、スピンチャック130に吸着保持されたウェハWを回転させながら、金属含有液ノズル142からウェハWの中心部に金属含有液を供給する。ウェハW上に供給された供給された金属含有液は、ウェハWの回転により生じる遠心力によってウェハWの表面全面に拡散する。
【0114】
このようにウェハW上に金属含有液が塗布されると、金属含有液中のアルコールは、第1のレジストパターン402の中間露光領域403と露光領域410中のOH基等、親和性の良い官能基をターゲットにして当該中間露光領域403と露光領域410に進入する。この中間露光領域403と露光領域410へのアルコールの進入に伴い、当該アルコールを進入経路として金属405も中間露光領域403と露光領域410に進入する。そして、金属405は中間露光領域403と露光領域410中のOH基と結合して、
図12に示すように金属405が中間露光領域403と露光領域410に浸潤する。そして、
図13(a)に示すように第1のレジストパターン402の両側面と上面に、金属405が浸潤した中間露光領域403と露光領域410がそれぞれ形成される。
【0115】
その後、ウェハWをエッチング処理装置3の第2のエッチング装置204に搬送する。第2のエッチング装置204では、例えばO
2ガス(O
2プラズマ)やCFガス(CFプラズマ)を用いてウェハW上の第1のレジストパターン402をマスクとして、ウェハW上の下部反射防止膜401と被処理膜400がそれぞれエッチングされる。このとき、エッチングガス(エッチングプラズマ)に晒される第1のレジストパターン402の上面(露光領域410)と側面(中間露光領域403)は、金属405を含有しているので、下部反射防止膜401と被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有する。このため、
図13(b)に示すように下部反射防止膜401に所定のパターン407を適切な形状で形成できると共に、被処理膜400に所定のパターン408を適切な形状で形成することができる。
【0116】
本実施の形態においても、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、第1のレジストパターン402の中間露光領域403と露光領域410が金属405を含有し、被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有しているので、第1のレジストパターン402の高さが低くても、当該第1のレジストパターン402は、被処理膜400をエッチングする際のマスクとしての機能を十分に発揮する。したがって、第1のレジストパターン402のアスペクト比を小さくすることができるので、パターン倒れを抑制することができ、ウェハW上に第1のレジストパターン402を適切に形成することができる。また第1のレジストパターン402のアスペクト比を小さくできるので、当該第1のレジストパターン402を微細化することもできる。
【0117】
さらに、このように第1のレジストパターン402は被処理膜400に対して高いエッチング選択比を有しているので、第2のエッチング装置204において第1のレジストパターン402をマスクとして被処理膜400をエッチングすると、当該被処理膜400に所定のパターン408を適切に形成することができる。
【0118】
しかも本実施の形態によれば、従来のように被処理膜400に対して高いエッチング選択比の取れるシリコン膜を別途形成してエッチングする必要がなく、第1のレジストパターン402を改質するだけでよい。このため、ウェハ処理を簡易化でき、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0119】
また従来であれば、被処理膜400上にSOC(Spin On Carbon)膜とSiARC(Silicon−containing Anti−Reflective Coating)膜を被処理膜400側からこの順で積層してエッチング耐性を向上させる場合があった。これに対して、本実施の形態では、第1のレジストパターン402自体のエッチング耐性が高いので、被処理膜400上に下部反射防止膜401のみを設けるだけでよい。すなわち、従来の3層マルチレイヤを2層バイレイヤにすることができる。したがって、ウェハ処理のスループットを向上させることができると共に、製品の製造コストも低廉化することができる。
【0120】
さらに下部反射防止膜401の膜厚も任意に設定することができるので、プロセスマージンも拡大し、ウェハ処理の自由度が向上する。
【0121】
なお、本実施の形態では、第1のレジストパターン402の未露光領域404を除去する必要がないので、エッチング処理装置3の第1のエッチング装置202、203では、第2のエッチング装置204、205と同様の処理を行うようにしてもよい。
【0122】
以上の実施の形態では、ウェハW上の第1のレジストパターン402の中間露光領域403は、当該第1のレジストパターン402の側面に形成される場合について説明した。この点、露光装置12においてウェハW上のレジスト膜を露光する際、近年のパターンの微細化やレジストの材料、露光条件等により、レチクルの下方に光が若干程度に回り込み、第1のレジストパターン402の上面が若干程度露光される場合がある。そうすると、
図14に示すように第1のレジストパターン402には、上面と側面の両方に中間露光領域403が形成される。
【0123】
かかる場合、
図8に示したように被処理膜400をエッチングする際に第2のレジストパターン406を用いる場合には、第1のレジストパターン402の上面と側面の中間露光領域403に金属405を浸潤させた後、例えばエッチング処理を行って第1のレジストパターン402の上面の中間露光領域403を除去すればよい。そうすると、
図8(b)に示したように第1のレジストパターン402の側面にのみ、金属405が浸潤した中間露光領域403を形成することができる。
【0124】
一方、
図13に示したように被処理膜400をエッチングする際に第1のレジストパターン402を用いる場合には、
図14に示した第1のレジストパターン402をそのまま用いればよい。すなわち、上記実施の形態のように第1のレジストパターン402の上面を積極的に露光して露光領域410を形成する必要はない。
【0125】
以上の実施の形態では、塗布処理装置32の金属処理部120において第1のレジストパターン402の中間露光領域403(又は露光領域410)に金属405を浸潤させるに際し、アルコールに金属405が溶解した金属含有液をウェハW上に供給していたが、これらアルコールと金属405を別々にウェハW上に供給してもよい。
【0126】
図15及び
図16に示すように金属処理部120のアーム141には、ウェハW上に処理剤としての液体状のアルコールを供給する、処理剤供給部としてのアルコールノズル500と、ウェハW上に金属405を含有する金属含有剤としての液体状の金属含有液を供給する、金属含有剤供給部としての金属含有液ノズル501とが支持されている。
【0127】
アルコールノズル500には、
図15に示すようにアルコール供給源510に連通する供給管511が接続されている。供給管511には、アルコールの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群512が設けられている。なお、アルコールとしては、上記実施の形態と同様のアルコールが用いられる。
【0128】
金属含有液ノズル501には、金属含有液供給源520に連通する供給管521が接続されている。供給管521には、金属含有液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群522が設けられている。なお、金属含有液中の金属405としては上記実施の形態と同様の金属が用いられるが、その溶媒には種々の溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば純水等、金属405を溶解し、且つレジスト膜を溶解しない材料であれば、種々の材料を用いることができる。
【0129】
金属処理部120のその他の構成は、上記実施の形態の金属処理部120と同様であるので説明を省略する。なお、以上の構成では、アルコールノズル500と金属含有液ノズル501は同一のアーム141に支持されていたが、それぞれ別々のアームに支持されていてもよい。
【0130】
本実施の形態の金属処理部120では、スピンチャック130でウェハWを吸着保持した後、アーム141によって待機部144のアルコールノズル500をウェハWの中心部の上方まで移動させる。続いて、スピンチャック130によってウェハWを回転させながらアルコールノズル500からウェハWの中心部にアルコールを供給する。ウェハW上に供給されたアルコールは、ウェハWの回転により生じる遠心力によってウェハWの表面全面に拡散する。
【0131】
このようにウェハW上にアルコールが塗布されると、
図17に示すようにアルコール530は、第1のレジストパターン402の中間露光領域403中のOH基等、親和性の良い官能基をターゲットにして中間露光領域403に進入する。
【0132】
その後、アーム141によって金属含有液ノズル501をウェハWの中心部の上方まで移動させる。続いて、スピンチャック130によってウェハWを回転させながら、金属含有液ノズル501からウェハWの中心部に金属含有液を供給する。ウェハW上に供給された供給された金属含有液は、ウェハWの回転により生じる遠心力によってウェハWの表面全面に拡散する。
【0133】
このようにウェハW上に金属含有液が塗布されると、中間露光領域403中のアルコール530を進入経路として金属含有液が中間露光領域403に進入する。そして、当該金属含有液中の金属405は中間露光領域403中のOH基と結合して、
図10に示したように金属405が中間露光領域403に浸潤する。
【0134】
かかる場合であっても、
図8に示したようにウェハW上に第2のレジストパターン406を適切に形成することができ、また
図13に示したように第1のレジストパターン402を適切に形成することができる。したがって、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0135】
以上のように中間露光領域403に金属405を浸潤させるに際して、アルコール530に金属405が溶解した金属含有液をウェハW上に供給してもよいし、これらアルコール530と金属405を別々にウェハW上に供給してもよく、いずれの場合でも同様の効果を享受できる。但し、スループットの観点からは、前者のようにアルコール530に金属405が溶解した金属含有液をウェハW上に供給する方が好ましい。
【0136】
以上の実施の形態では、金属含有液ノズル142からウェハWに供給される金属含有液は液体状であったが、気体状であってもよい。この気体状の金属含有剤をウェハWに供給する塗布処理装置600は、塗布現像処理装置2において任意の場所に設置することができ、例えば第1のブロックG1に設置される。
【0137】
図18に示すように塗布処理装置600は、内部を閉鎖可能な処理容器610を有している。処理容器610のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。処理容器610の底面には、内部の雰囲気を排気する排気管611が接続されている。
【0138】
処理容器610内の底面には、ウェハWが載置される載置台620が設けられている。載置台620内には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン621が例えば3本設けられている。昇降ピン621は、昇降駆動部622により上下動できる。載置台620の上面には、当該上面を厚み方向に貫通する貫通孔623が例えば3箇所に形成されている。そして昇降ピン621は、貫通孔623を挿通するようになっている。
【0139】
処理容器610内の天井面であって、載置台620の上方には、ウェハW上に気体状の金属含有剤を下方に供給するシャワーヘッド630が設けられている。シャワーヘッド630は、載置台620に載置されたウェハWに対向して配置されている。シャワーヘッド630の内部には、後述する金属含有剤供給源640から供給された金属含有剤が導入される内部空間631が形成されている。シャワーヘッド630の下面には、内部空間631に導入された金属含有剤を下方に向かって供給する複数の供給口632が、シャワーヘッド630の下面全体に分布させられた状態で設けられている。すなわち、シャワーヘッド630からウェハWに対して、気体状の金属含有剤が水平面内で均一に供給されるように複数の供給口632が形成されている。
【0140】
シャワーヘッド630には、金属含有剤供給源640に連通する供給管641が接続されている。金属含有剤供給源640の内部では、例えばアルコール530に金属405を溶解した金属含有液が液体状で貯留され、この金属含有液を加熱して気化させて気体状の金属含有剤が生成される。供給管641には、金属含有剤の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群642が設けられている。
【0141】
かかる場合、第1のレジストパターン402が形成されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって塗布処理装置600に搬送される。塗布処理装置600にウェハWが搬入されると、ウェハWは予め上昇して待機していた昇降ピン621に受け渡される。続いて昇降ピン621を下降させ、ウェハWを載置台620に載置する。その後、シャワーヘッド630からウェハW上に気体状の金属含有剤が供給される。そうすると、第1のレジストパターン402の中間露光領域403(又は露光領域410)にアルコール530が進入し、当該アルコール530を進入経路として金属405が中間露光領域403に進入する。こうして、中間露光領域403に金属405を浸潤させることができる。
【0142】
同様にアルコールノズル500から供給されるアルコール530と、金属含有液ノズル501からウェハWに供給される金属含有液とは、それぞれ液体状であったが、気体状であってもよい。かかる場合でも、塗布処理装置600と同様の装置が用いられ、ウェハW上に気体状のアルコール530と気体状の金属含有剤を供給し、第1のレジストパターン402の中間露光領域403に金属405を浸潤させることができる。
【0143】
以上の実施の形態では、金属処理部120とレジスト膜形成部121、122とは同一の塗布処理装置32内に設けられていたが、別々の装置に設けられていてもよい。
【0144】
以上の実施の形態では、第1のレジストパターン402の中間露光領域403(又は露光領域410)に金属405を進入させるための処理剤としてアルコールを用いたが、中間露光領域403に進入する材料であればこれに限定されない。
【0145】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。