特許第5871929号(P5871929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5871929-集光光学系 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5871929
(24)【登録日】2016年1月22日
(45)【発行日】2016年3月1日
(54)【発明の名称】集光光学系
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20160216BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-527225(P2013-527225)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-536947(P2013-536947A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】US2011049757
(87)【国際公開番号】WO2012030837
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年7月1日
(31)【優先権主張番号】12/873,387
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カドクライ アズミ
【審査官】 森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭61−046810(JP,B1)
【文献】 国際公開第2009/046137(WO,A1)
【文献】 特表2005−522293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の検査のための画像システムであって、
凹面の非球面反射面および第1の距離以下である外径を有する後方反射体であって、前記後方反射体内に開口が形成され、前記開口が、視野から前記画像システムへと光を受け入れる後方反射体と、
凹面の非球面反射面および前記第1の距離以下である外径を有する前方反射体であって、前記前方反射体内に開口が形成され、前記開口が、前記画像システムから像面へと前記光を送り出す前方反射体と、
前記前方反射体からの光を受けて、前記光を前記前方反射体内の前記開口を介して前記画像システムから送り出すための凸面の非球面反射面を有する中央反射体と、
を含み、
前記後方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの最初の反射の後に後方反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、前記前方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの二回目の反射の後に中央反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、
前記中央反射体の曲率半径は、前記周辺光線が画像システムから出ていくために必要とされる前方反射鏡の開口のサイズを小さくするように選択される、
画像システム。
【請求項2】
前記視野から前記画像システムへと受け入れた前記光は、前記前方反射体において2回反射し、前記後方反射体および前記中央反射体の両方において、それぞれ1回ずつ反射する、請求項1に記載の画像システム。
【請求項3】
前記画像システムは、純粋な反射光学システムである、請求項1に記載の画像システム。
【請求項4】
前記第1の距離は、約172ミリメートル以下である、請求項1に記載の画像システム。
【請求項5】
前記中央反射体は、前記後方反射体と前記前方反射体との間に配置される、請求項1に記載の画像システム。
【請求項6】
前記後方反射体の前記反射面は、前記前方反射体の前記反射面に向き合う、請求項1に記載の画像システム。
【請求項7】
前記システムは、約0.375から約0.93の開口数を有する扇状の光を前記視野から受け入れて、前記像面へ送り出す、請求項1に記載の画像システム。
【請求項8】
前記中央反射体から放出された前記光を、前記後方反射体内の前記開口を介して受け取るように配置された屈折光学要素をさらに備える、請求項1に記載の画像システム。
【請求項9】
前記視野からの前記光の一部分を捉えて、前記光の一部分を、前記前方反射体と前記後方反射体との間の前記システムから送り出すために、前記後方反射体と前記中央反射体との間に配置された直角屈折プリズムをさらに備える、請求項1に記載の画像システム。
【請求項10】
前記直角屈折プリズムは、湾曲した入力面および出力面を有する、請求項9に記載の画像システム。
【請求項11】
前記直角屈折プリズムは、約0.3の開口数を有する扇状の光を前記視野から受け入れて、前記システムから送り出す、請求項9に記載の画像システム。
【請求項12】
前記後方反射体と前記前方反射体との間の前記システム内、前記直角屈折プリズム内および前記視野上へ照射光を向けるための光源をさらに備える、請求項9に記載の画像システム。
【請求項13】
基板の検査のための画像システムであって、
凹面の非球面反射面および第1の距離以下である外径を有する後方反射体であって、前記後方反射体内に開口が形成され、前記開口が、視野から前記画像システムへと光を受け入れる後方反射体と、
凹面の非球面反射面および前記第1の距離以下である外径を有する前方反射体であって、前記前方反射体内に開口が形成され、前記開口が、前記画像システムから像面へと前記光を送り出す前方反射体において、前記後方反射体の前記反射面は、前記前方反射体の前記反射面に向き合う前方反射体と、
前記後方反射体と前記前方反射体との間に配置され、前記前方反射体からの光を受けて、前記光を前記前方反射体内の前記開口を介して前記画像システムから送り出すための凸面の非球面反射面を有する中央反射体において、前記視野から前記画像システムへと受け入れた前記光は、前記前方反射体において2回反射し、前記後方反射体および前記中央反射体の両方において、それぞれ1回ずつ反射する中央反射体と、
を備え、
前記後方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの最初の反射の後に後方反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、前記前方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの二回目の反射の後に中央反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、
前記中央反射体の曲率半径は、前記周辺光線が画像システムから出ていくために必要とされる前方反射鏡の開口のサイズを小さくするように選択される、
画像システム。
【請求項14】
前記システムは、約0.375から約0.93の開口数を有する扇状の光を前記視野から受け入れて、前記像面へ送り出す、請求項13に記載の画像システム。
【請求項15】
前記中央反射体から放出された前記光を、前記後方反射体内の前記開口を介して受け取るように配置された屈折光学要素をさらに備える、請求項13に記載の画像システム。
【請求項16】
前記視野からの前記光の一部分を捉えて、前記光の一部分を、前記前方反射体と前記後方反射体との間の前記システムから送り出すために、前記後方反射体と前記中央反射体との間に配置された直角屈折プリズムをさらに備える、請求項13に記載の画像システム。
【請求項17】
前記直角屈折プリズムは、湾曲した入力面および出力面を有する、請求項16に記載の画像システム。
【請求項18】
前記直角屈折プリズムは、約0.3までの開口数を有する扇状の光を前記視野から受け入れて、前記システムから送り出す、請求項16に記載の画像システム。
【請求項19】
前記後方反射体と前記前方反射体との間の前記システム内、前記直角屈折プリズム内および前記視野上へ照射光を向けるための光源をさらに備える、請求項16に記載の画像システム。
【請求項20】
基板の検査のための画像システムであって、
凹面の非球面反射面および第1の距離以下である外径を有する後方反射体であって、前記後方反射体内に開口が形成され、前記開口が、視野から前記画像システムへと光を受け入れる後方反射体と、
凹面の非球面反射面および前記第1の距離以下である外径を有する前方反射体であって、前記前方反射体内に開口が形成され、前記開口が、前記画像システムから像面へと前記光を送り出す前方反射体において、前記後方反射体の前記反射面は、前記前方反射体の前記反射面に向き合う前方反射体と、
前記後方反射体と前記前方反射体との間に配置され、前記前方反射体からの光を受けて、前記光を前記前方反射体内の前記開口を介して前記画像システムから送り出すための凸面の非球面反射面を有する中央反射体と、
湾曲した入力面および出力面を有する直角屈折プリズムであって、約0.3までの開口数を有する前記視野からの前記光の一部分を捉えて、前記光の一部分を、前記前方反射体と前記後方反射体との間の前記システムから送り出すために、前記後方反射体と前記中央反射体との間に配置される直角屈折プリズムと、
を備える画像システムであって、
前記視野から前記画像システムへと受け入れた前記光が、前記前方反射体において2回反射し、前記後方反射体および前記中央反射体の両方において、それぞれ1回ずつ反射し、前記中央反射体を離れて前記システムから送り出されるときに約0.375から約0.93の開口数を有し、
前記後方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの最初の反射の後に後方反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、前記前方反射体の曲率半径は前記前方反射体からの二回目の反射の後に中央反射体に当たる際に周辺光線の収束を低減させるように選択され、
前記中央反射体の曲率半径は、前記周辺光線が画像システムから出ていくために必要とされる前方反射鏡の開口のサイズを小さくするように選択される、
画像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路製造の分野に関する。より詳細には、本発明は、集積回路の紫外線光学検査に関する。
【背景技術】
【0002】
光学検査システムは、集積回路が形成される基板および構造における微小欠陥の検出に使用されている。本明細書で使用される場合、「集積回路」という用語は、シリコンもしくはゲルマニウムのような第IV族材料、もしくは、ガリウムヒ素のような第III‐V族化合物、または、こうした材料の混合物から形成される基板などのモノリシック半導体基板上に形成されるような装置を含む。この用語は、メモリおよび論理回路など、あらゆる種類の形成された装置、ならびに、MOSおよびバイポーラなど、あらゆる設計のこうした装置を含む。この用語は、フラットパネルディスプレイ、太陽電池および電荷結合素子(CCD)などの適用をも包含する。
【0003】
このような検査システムは、その処理量および検出感度の双方を高めることが常に求められている。光学系に基づく検査手段において、開口数(NA)が非常に高い光学系の使用、および、パルス放出レーザによる高出力、短波長(λ)照射(通常、遠紫外域内)が、これらの目標を達成する方法である。このようなシステムの光学的分解能(R)は、R=(0.61)λ/ΝΑであるレイリーの基準によって規定される。光学的分解能(R)の値が小さくなるほど、光学系の分解能は高くなる。
【0004】
パルス紫外線レーザは、検査手段が要求された処理量および検出感度を達成可能にするために十分な高さの出力を発生する、現在のところ唯一の発生源である。これらのレーザ光源は、純粋に単一波長の放出源である傾向がある低出力連続波レーザ光源と比較すると、かなり広い放出波長帯域を有する傾向がある。
【0005】
屈折(ガラス)素子にのみ基づく光学システムには、紫外線透過特性の良好なガラス材料の選択に限りがあるため、紫外線領域において色補正が困難であるという問題および色収差の問題がある。このように、屈折光学系は、より高い開口数において画質が劣る傾向がある。この問題への1つの解決方法は、反射要素および屈折要素の組み合わせである反射屈折システムを使用することである。これらのシステムでは、光源光の小さな帯域内において色収差を限定的に補正できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述したような問題を、少なくとも部分的に減らすシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記およびその他の要求は、凹面の非球面反射面および第1の距離以下である外径を有し、その内部に、視野から画像システムへと光を受け入れるための開口が形成された後方平面反射体と、凹面の非球面反射面および第1の距離以下である外径を有し、画像システムから像面へと光を送り出すための開口が形成された前方平面反射体と、前方平面反射体からの光を受けて、その光を前方平面反射体内の開口を介して画像システムから送り出すための凸面の非球面反射面を有する中央反射体とを含む画像システムによって満たされる。
【0008】
上述の反射光学要素のみを用いて主となる画像(イメージング)チャネルを形成することにより、システムは、広範な開口数を示し、波長無依存であり、著しく高い分解能を有し、非常に小型である。
【0009】
本発明のこの様態に基づく様々な実施形態において、画像システムは、純粋な反射光学システムである。いくつかの実施形態において、第1の距離は、約172ミリメートル以下である。いくつかの実施形態において、中央反射体は、後方平面反射体と前方平面反射体との間に配置される。いくつかの実施形態において、後方平面反射体の反射面は、前方平面反射体の反射面に向き合う。いくつかの実施形態において、視野から画像システムへと受け入れた光は、前方平面反射体において2回反射し、後方平面反射体および中央反射体の両方において、それぞれ1回ずつ反射する。いくつかの実施形態において、システムは、約0.375から約0.93の開口数を有する扇状の光(fan of light)を視野から受け入れて、像面へ送り出す。いくつかの実施形態において、屈折光学要素は、中央反射体から放出された光を、後方平面反射体内の開口を介して受け取るように配置される。
【0010】
いくつかの実施形態において、直角屈折プリズムは、視野からの光の一部分を捉えて、その光の一部分を、前方平面反射体と後方平面反射体との間のシステムから送り出すために、後方平面反射体と中央反射体との間に配置される。いくつかの実施形態において、直角屈折プリズムは、湾曲した入力面および出力面を有する。いくつかの実施形態において、直角屈折プリズムは、約0.3の開口数を有する扇状の光を視野から受け入れて、システムから送り出す。いくつかの実施形態は、後方平面反射体と前方平面反射体との間のシステム内、直角屈折プリズム内および視野上へ照射光を向けるための光源を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の構成を示す図である。
【0012】
本発明のさらなる利点は、図面と合わせて考慮する際、詳細な説明を参照すれば明らかである。図面は、詳細をより明確に示すために原寸に比例せず、類似の参照番号は類似の要素を一貫して指し、本発明の実施形態に基づく画像システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の様々な実施形態は、屈折要素をもたない、3つの反射体からなる全反射型の反射光学画像システムに向けられているため、いかなる形態の色収差もなく、原則として、レーザ源のあらゆる帯域および全波長で作動する。
【0014】
様々な実施形態は、単一倍率段階の有限共役系を含む。反射体の表面のうちの1つは2回使用されるため、この反射体によって、光源から発せられる光が全て2回反射され、その結果、回折限界のレンズの要求する性能にかなう4回反射型システムが得られる。
【0015】
ここで図面を参照すると、本発明の実施形態100が図示されている。システム100は、3つの反射面を使用し、前方平面反射体104と、後方平面反射体102と、中央反射体106とを含み、このうち1つの反射体104の表面は2回使用される。このため、対物面124から発せられた光118は、像面(図示せず)に結像する前に、4つの反射108、110、112および114を経る。4つの反射108、110、112および114を(より少ない反射数の代わりに)用いる理由の1つは、これら4つの反射が、折り畳みを行う反射体による閉じ込めを出て像を形成する光束を、より高開口数のものできるためである。
【0016】
曲率半径および全ての反射面の反射体離間距離は、特定の設計要求を達成するために選択される。反射体104の曲率半径は、対物面124から発した周辺光線116の高さが、反射体104からの第1の反射の後、反射体102に当たる際に減少する(収束)ように選択される。反射体102の曲率半径は、周辺光線116が、反射体104からの第2の反射の後、反射体106に当たる際に、その収束が低減されるように選択され、それによって、オブスキュレーション比を低減する。最後に、反射体106の曲率半径は、周辺光線116がシステム100から出るために必要な反射体104の孔の寸法を縮小するように選択され、これもまた、オブスキュレーション(obscuration)比を低減する。
【0017】
この周辺光線の収束により、オブスキュレーション比を低減するとともにシステムを非常に小型化できる。その他の反射システムにおいて、第1および第2の鏡は、さらに離間して配置され、所望のとおりに光束を収束させる。反射体102、104および106の土台部分の曲率を選択することによってこの速やかな収束を達成した後、非球形係数が加えられて、光学システム100の第1収差、および、より高次の収差を補正する。非球形係数を有する表面の球欠高さ(sag)は、次の多項式によって規定される。
【数1】
【0018】
ただし、sは、表面の球欠高さ、
cは、土台部分の曲率半径、
hは、軸からの高さ、
kは、コーニック定数、
A’は、非球形係数である。
【0019】
A’は、最適化手法の間、体系的に加えられて、対物面124から発せられる光線の収差を所望の程度に補正されるまで低減し、一方で、周辺光線の速やかな収束という設計の第1原理を維持する。
【0020】
直列の反射光学システムは、中心オブスキュレーションを有して、開口数の部分的な集光を阻み、検出感度を低下させる。システム100において、反射体106の配置および寸法は、中心オブスキュレーションを低減させるように選択される。反射体106を反射体104に近づけると、中心オブスキュレーションは低減する。しかしながら、周辺光線116がシステム100から出る際に、反射体106から外れないように注意する必要がある。外れてしまうとシステム100の開口数が低下する。
【0021】
このバランスは、反射体106を非球形の表面形状に形成することにより本システム100において達成される。この実施形態においては、より高い多項式係数の非球面形状である。一般的なシュヴァルツシルト対物鏡は約20パーセントのオブスキュレーションを有するのに対し、システム100において、反射体106の配置および寸法は、オブスキュレーションを約16パーセント以下に低減する。
【0022】
システム100の全長120および反射体どうしの離間距離もまた調整されて、上述の結果を達成し、かつ、システム100の寸法を縮小する。結果として、図示のように、認められた開口数は、約0.375(光束の境界118)から約0.93(光束の境界116)までである。この設計は、小型のシステム100を生み出し、これは1つの実施形態において、円筒状のハウジング内に囲まれており、直径122がわずか約172ミリメートル、長さ120が約65ミリメートルである。
【0023】
この実施形態における3つの反射面102、104および106は、視野124内に回折限界スポットを生成するために使用され、この直径は、約150ミクロンから約300ミクロンである。この収束スポットは、システム100により像面(図示せず)において約52.8倍に拡大される。このシステム100のコンパクト性のために、反射光学システムにおいて一般にみられる中間像の形成が阻まれる。システム100のコンパクト性は、反射体102および104に求められる直径をも減らす。反射体104の直径は、対物面124からのその物理的な距離によって決定され、また、反射体102の直径は、周辺光線116の光路によって決定される。
【0024】
反射体104の表面形状が、周辺光線116の光路および方向を決定づける。反射108の後、反射体104から光線116が発散してしまうと、位置108よりも半径方向に中心からより遠ざかる位置110において反射体102に当たることになるため、反射体102の直径は、図示の実施形態にあるよりも大きくする必要があろう。
【0025】
いくつかの実施形態において、システム100の収差は、反射体102、104および106のうちのいくつかまたは全てを非球面の表面形状として形成することにより低減される。球面の形状を有する表面は、高開口数の光学システムの収差を補正するために限られた性能しか有していない。他方、非球面の形状の表面は、設計の自由度を増すことができ、このことにより、より高い開口数の入力に付随するレンズの収差を低減するために使用できる。この実施形態100において、反射体102、104および106は、非球面の形状を有して、システム100の寸法を縮小し、集光効率を改善する。
【0026】
基板平面124からのより低い開口数の散乱を集光するために(低い開口数の暗視野)、1つの実施形態において、第2の光チャネル126がシステム100に加えられる。これは、実行焦点距離が約19.28ミリメートルの湾曲した直角屈折プリズム128を利用する。湾曲した入力面および出力面を有する屈折プリズム128により、第2のチャネル126は非常に小型化することができて、反射体システム100の使用可能領域を塞ぐことなく、大きな開口数の集光光学系の空所に収まるようにする。プリズム128の入力面および出力面の曲率は、開口数0.3の扇状の光線130を捉えて、反射体102および104の間の入手可能な空き空間内に、そこを出るまでは、収容するように構成される。
【0027】
第2のチャネル126の要素132の全ては、屈折性であるため、比較的高い分散を示す。したがって、第2のチャネル126は、設計波長266ナノメートル+半値幅150ピコメートル(266nm+150pmFWHM)に対して補正される。このチャネル126の散乱は、開口数の範囲が主となるチャネルよりもかなり低いため、許容し得る。
【0028】
第2のチャネル126が開口数約0.3まで集光するため、主となる光チャネルは、約0.375から約0.93までを集光し、開口数が約0.30から約0.375の範囲内の開口数だけは、システム100は集光されない。
【0029】
第2のチャネル126における屈折プリズム128もまた、光源136を用いて、照射チャネル134の一部として使用できる。図示の実施形態は、焦点面124上に直径約1.5ミクロンの収束スポットを生成し、照射野直径約150ミクロンにまで延びる。
【0030】
上述したように、表面102、104および106の非球面の構成要素は、高度な補正および高分解能を達成するために重要な役割を担う。土台となる球面の湾曲は、対物面124からの光線束を速やかに収束させるように設定されている。このことは、システムの収差を補正するそれらの性能を制限することから、より高次の多項式係数の要求に至る。
【0031】
この設計の別の特性は、反射体104における反射を2回用いることである。このことは費用削減の利点を有するが、この表面により達成可能な補正の程度に制限を課すことになる。最初に、周辺光線116は、表面104に108において当たって発散し、表面102からの第2の反射の後に収束する。光線の方向余弦は、その過程で符号を変え、光線の収差特性を生み出す。このことは、非球形係数なしでは事実上補正不可能として、設計にさらなる制約を課す。
【0032】
その他の反射設計において、各反射体は1度だけ使用されて、純粋に休憩を有することができる。しかしながら、そのようなシステムもまた、本システム100より大型となる。
【0033】
システム100のこれら2つの特性である、周辺光線の速やかな収束をもたらす土台部分の湾曲と、システムの収差を補正するための非球形係数の体系的な追加とによって、システム100は、光学設計技術において独自のものとなる。
【0034】
別の実施形態において、薄型の屈折要素138は、反射体106の下流、鏡の箱であるシステム100のすぐ外側に追加されて、軸外の場の追加的な補正を提供する。この要素138は、システム100の色補正に対していかなる影響をも及ぼさないほど十分に薄いが、照射野面積124を2倍にしてしまう。
【0035】
上述の本発明の実施形態の説明は、説明と解説を目的として提示されている。これは、全てを網羅している訳ではなく、また、開示されるそのままの形態に本発明を限定するものでもない。上記の教示を踏まえて、自明な改変または変更をすることができる。実施形態は、本発明の原理およびその実際的な用途の説明を提供し、それによって当業者が本発明を様々な実施形態で、また企図される特定の用途に適するように様々な修正を行って利用できるようにすることを目的として選択され説明された。その能力に基づいて解釈された時、その能力に対して公正に、法的に、そして、公平に資格を与えられているのであるが、このような修正および改変の全ては添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内である。
図1