(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遷移金属が、Cr、V、Mn、Ni、Fe、Co、Zn及びこれらの1種以上の相互の混合物又はこれらの1種以上とアルカリ金属、アルミニウム、又はマグネシウムとの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
1つ以上の別個の区分が、ポンプ、インサート、混合ユニット、湿式ミル、攪拌タンク、及び均質化器から選ばれることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
遷移金属が、Ni、Mn、Co、及び場合によりアルカリ金属、アルミニウム、及びマグネシウムから選ばれる1種以上の更なる金属から選ばれることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に記載した遷移金属水酸化物を製造するための方法は、本発明の範囲内で、簡略して本発明の方法とも称される。
【0013】
本発明の方法は、遷移金属水酸化物の製造に関する。ここで、本発明の範囲内で、「遷移金属水酸化物」は、化学量論的に純粋な遷移金属水酸化物を包含するのみならず、特に遷移金属イオン及び水酸化物イオンに加え水酸化物イオンとは異なるアニオン(例えば、酸化物イオン、カルボネートイオン)、及び/又は遷移金属イオンとは異なるカチオン(特に、アルカリ金属イオン)も有する化合物をも包含する。好ましいアルカリ金属イオンは、カリウム−及び特にナトリウムイオンである。ここで、(水酸化物イオンとは異なる)アニオン、及び(遷移金属イオンとは異なる)カチオンのモル割合は同一である必要はない。
【0014】
本発明の一実施の形態では、遷移金属水酸化物は特に、アニオンの合計数に対して、全部で0.01〜55モル%、好ましくは0.2〜50モル%の(水酸化物イオンとは異なる)アニオンを有する。水酸化物イオンとは異なる、好ましいアニオンは、オキシド(酸化物)である。
【0015】
本発明の一実施の形態では、遷移金属水酸化物は、遷移金属カチオンの含有量に対して、0.01〜10モル%、好ましくは0.2〜6.0モル%の(遷移金属イオンとは異なる)カチオンを有する。遷移金属とは異なる、好ましいカチオンは、Al
3+である。
【0016】
本発明の一実施の形態では、遷移金属水酸化物は、アニオンX又はカルボネートが検知されないオキシ水酸化物である。
【0017】
本発明の一実施の形態では、遷移金属は、Cr、V、Mn、Ni、Fe、Co、Zn、Ti、Zr及び上述したもの1種以上の混合物、又はアルカリ金属、アルミニウム、又はマグネシウムとの混合物から選ばれ、好ましくはNi、Mn、Co、及び場合によりアルカリ金属、アルミニウム及びマグネシウムから選ばれる1種以上の更なる金属の混合物から選ばれる。
【0018】
本発明の一実施の形態では、遷移金属水酸化物は、一般式(I)
Ni
aMn
bM
cO
x(OH)
yX
w(CO
3)
t (I)
(但し、記号は以下のように定義される:
Mは、Co、又はCoとZn、Cu、Ti、Zr、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素の組合せであり、
Xは、ハロゲン化物、例えば、臭化物、好ましくはクロリド、より好ましくはフルオリド、更にサルフェート、ニトレート、又はカルボキシレート、好ましくはC
1−C
7−カルボキシレート、特にベンゾエート又はアセテートから選ばれ、
aは、0.15から0.8の範囲、好ましくは0.18〜0.52の範囲の数であり、
bは、0.1〜0.8の範囲、好ましくは0.2〜0.7の範囲の数であり、
cは、0.02〜0.5の範囲、好ましくは0.05〜0.35の範囲の数であり、
ここでa+b+c=1.0であり、
0≦w≦0.3、好ましくは0.001<w<0.01であり、
0≦x<1、好ましくは0.3<x<1であり、
1<y≦2、好ましくは1<y<1.7であり、
0≦t≦0.3である)
に相当する。
【0019】
好ましい一実施の形態では、X=サルフェート、及びw=0.005である。
【0020】
本発明に従う方法は、攪拌容器内、例えば不連続的(バッチ式)又は連続的に運転される攪拌タンク内で行われる。ここで、攪拌タンクは、アドオン(追加物)、内部構造、及び/又はアディション(添加物)を有することができる。
【0021】
本発明の範囲内で、少なくとも1種の遷移金属塩の水溶液は簡略化して、遷移金属塩の水溶液とも称される。
【0022】
遷移金属塩の水溶液は、少なくとも1種の遷移金属塩を含むことができ、好ましくは2種、又は3種の遷移金属、特に2種又は3種の遷移金属の塩を含むことができる。遷移金属塩としては特に、遷移金属(複数種類の場合を含む)の水溶性塩が適切であり、すなわち蒸留水に対して、少なくとも25g/lの溶解度(室温で測定)を有する、好ましくは少なくとも50g/lの溶解度を有する塩が適切である。好ましい遷移金属塩、特にニッケル、コバルト、及びマンガンの塩は例えば、遷移金属のカルボン酸塩、特にアセテート、更にサルフェート、ニトレート、ハロゲン化物、特に臭化物、クロリドで、ここで遷移金属(複数種類の場合も含む)は好ましくは、酸化状態が+2で存在する。このような溶液は好ましくは、pH値が2〜7の範囲、特に好ましくは2.5〜6の範囲である。
【0023】
遷移金属として例えば、第1周期の遷移金属が適切であり、更にジルコニウム、及びモリブデンが適切である。好ましくは、Cr、V、Ni、Mn、Co、Fe、Zn、Zr、Cr及びTiである。好ましくは、上述した遷移金属の少なくとも2種の混合物が選択され、特に好ましくは、上述した遷移金属の少なくとも3種、又は少なくとも2種と、マグネシウム、アルミニウム又はカルシウムの混合物が選択される。
【0024】
本発明の一実施の形態では、遷移金属は、Cr、V、Ni、Mn、Co、Fe、Zn、Zr、Cr及びTi、及び上記遷移金属の1種以上の混合物から選ばれ、及び特に好ましくは上記遷移金属の少なくとも3種、又は少なくとも2種と、マグネシウム、アルミニウム又はカルシウムの混合物から選ばれる。
【0025】
本発明の一実施の形態では、遷移金属は、Ni、Mn及びCoの組合せとして選択される。
【0026】
本発明の一実施の形態では、遷移金属(複数種の場合も含む)の水溶液(該水溶液は、水の他に、1種以上の有機溶媒、例えばエタノール、メタノール、又はイソプロパノールを、水に対して例えば15体積%以下で含む)から進行することができる。本発明の他の実施の形態では、遷移金属塩(複数種の場合も含む)の水溶液(該水溶液は、有機溶媒を、水に対して0.1質量%(重量%)未満の量で含むか、又は好ましくは有機溶媒を含まない)から進行することができる。
【0027】
本発明の一実施の形態では、使用される遷移金属(複数種の場合も含む)の水溶液は、アンモニア、アンモニウム塩、又は1種以上の有機アミン、例えばメチルアミン、又はエチレンジアミンを含む。アンモニア又は有機アミンは、別個に加えることができ、又はこれらは、遷移金属塩の錯体塩の解離(分裂)によって、水溶液中に形成されることができる。好ましくは、遷移金属(複数種の場合も含む)の水溶液は、遷移金属Mに対して、10モル%未満のアンニア、又は有機アミンを含む。本発明の特に好ましい実施の形態では、遷移金属の水溶液は、アンモニア又は有機アミンを測定可能な割合で含まない。
【0028】
好ましいアンモニア塩は、例えばアンモニウムサルフェート、及びアンモニウムスルフィットであっても良い。
【0029】
遷移金属塩の水溶液は例えば、遷移金属の合計濃度が0.01〜5モル/1l溶液の範囲、好ましくは1〜3モル/1l溶液の範囲であることができる。
【0030】
本発明の一実施の形態では、遷移金属塩の水溶液中の遷移金属のモル割合は、カソード材料、もしくは遷移金属混合酸化物の所望の化学量論に適合される。ここで、種々の遷移金属カーボネートは、溶解度がそれぞれ異なっていることが、場合によっては配慮される。
【0031】
遷移金属の水溶液は、(1種以上の)遷移金属塩の対イオン(counter ion)の他に、1種以上の更なる塩を含むことができる。ここで、塩は好ましくは、Mと(やや)溶けにくい塩を形成するものではなく、又は例えば(pHが変化した時にカーボネートの沈殿を形成可能な)ナトリウム、カリウム、マグネシウム、又はカルシウムの炭酸水素塩である。
【0032】
本発明の他の実施の形態では、1種以上の遷移金属塩の水溶液は、更なる塩を含まない。
【0033】
本発明の一実施の形態では、遷移金属の水溶液は、1種以上の添加剤、例えばバイオサイド、錯化剤、例えばアンモニア、キレート剤、界面活性剤、カルボン酸、及びバッファーを含むことができる。本発明の他の実施の形態では、遷移金属塩の水溶液は、添加剤を含まない。
【0034】
遷移金属塩の水溶液中に存在可能な、適切な還元剤の例は、スルフィット、特にナトリムスルフィット、ナトリムハイドロージェンスルフィット、カリウムスルフィット、カリウムビスルフィット、アンモニウムスルフィット、更にヒドラジン、及びヒドラジンの塩、例えばハドロージェンサルフェート、更に水溶性の有機還元剤、例えばアスコルビン酸、又はアルデビドである。
【0035】
例えば、遷移金属塩の水溶液にアルカリ金属水酸化物の溶液を加えることによって、少なくとも1種のアルカリ金属水酸化物の水溶液と組合せて良い。特に好ましいアルカリ金属水酸化物(アルカリ金属ヒドロキシド)は、ナトリウムヒドロキシド、及びカリウムヒドロキシドである。
【0036】
本発明の一実施の形態では、ナトリウムヒドロキシド又はカリウムヒドロキシドの水溶液を、遷移金属のアセテート、サルフェート、又はニトレートの水溶液に加えることによって、沈殿が行われる。
【0037】
アルカリ金属ヒドロキシドの水溶液は、ヒドロキシドの濃度が、0.1〜3モル/lであることができ、これは1〜2.5モル/lであることが好ましい。
【0038】
アルカリ金属水酸化物の水溶液は、1種以上の更なる塩、例えばアンモニウム塩、特にアンモニウムヒドロキシド、アンモニウムサルフェート、又はアンモニウムスルフィットを含むことができる。一実施の形態では、モル割合NH
3:遷移金属を、0.01〜0.9、特に好ましくは0.08〜0.65に設定することができる。
【0039】
本発明の一実施の形態では、アルカリ金属水酸化物の水溶液は、アンモニア、又は1種以上の有機アミン、例えばメラミンを含むことができる。
【0040】
本発明の他の実施の形態では、1種以上のアンモニウム塩、アンモニア、又は1種以上の有機アミンを、別個に反応混合物に加えることができる。
【0041】
この組合せは、1工程以上で、それぞれ連続的に、又は不連続的に行うことができる。1つ以上の供給個所を介して、アルカリ金属水酸化物の溶液を、攪拌容器に供給することができ、及びそれぞれの供給個所を液体レベルの上側、又は下側に設けることができる。特に、攪拌器によって形成された(攪拌タンクの)渦に(正確に)計量導入することができる。従って更に、遷移金属塩の水溶液を、1つ以上の供給個所を介して、攪拌容器に計量導入することができる(特定の供給個所が、液体レベルの上側、又は下側に設けられている)。特に、攪拌器によって形成された(攪拌タンクの)渦に、正確に計量導入することができる。
【0042】
本発明の一実施の形態では、アルカリ金属水酸化物の溶液が、1種の遷移金属塩の水溶液の複数種のものと一緒に、それぞれ分離された供給個所を介して、攪拌容器内に供給される。本発明の他の実施の形態では、一体化(組合せ)は、アルカリ金属水酸化物の溶液を、本発明の方法を行うための所望の全ての遷移金属を塩として含む水溶液と一緒に、それぞれ分離した供給個所を介して攪拌容器に供給することによって行われる。後者の手順では、種々の遷移金属の濃度割合の不均一正が容易に防止できるという長所を有している。
【0043】
遷移金属塩の水溶液と少なくとも1種のアルカリ金属水酸化物の溶液を一体化することによって、遷移金属水酸化物の水性懸濁物が得られ、ここで遷移金属水酸化物が沈殿する。ここで、水性の連続相は、本発明の範囲内では母液とも称され、水溶性の塩、及び場合により、更なる、溶液中に存在する添加剤を含む。水溶性の塩として、例えば、対象となる遷移金属の対イオンのアルカリ金属塩、例えばナトリウムアセテート、カリウムアセテート、ナトリウムサルフェート、カリウムサルフェート、ナトリウムニトレート、カリウムニトレート、ナトリウムハロゲン化物、カリウムハロゲン化物が例示され、これには、対応するアンモニウム塩、例えばアンモニウムニトレート、アンモニウムサルフェート、及び/又はアンモニウムハロゲン化物が含まれる。極めて好ましくは、母液は、ナトリウムクロリド、カリウムクロリド、又はアンモニウムクロリドを含む。更に、母液は追加的に、塩、場合により(導入される)添加剤、及び過剰のアルカリ金属水酸化物を含むことができ、更に沈殿しない遷移金属を遷移金属塩として含むことができる。
【0044】
母液のpH値は、(母液を23℃に冷却した後に測定して)好ましくは9〜12.7の範囲、特に好ましくは10.5〜12.2の範囲である。
【0045】
遷移金属混合物の形態学、及び表面特性は、か焼工程のみならず前駆体を製造する工程にも影響し得ることがわかった。ここで、機械的な出力を大きな値で導入することによって、形態学(モーホロジー)を制御することができることがわかった。より大きな値の機械的なエネルギーを、より大きな体積に投入することは、機械的に困難である。このような困難性を克服するために、少なくとも1つの更なる区分内で、懸濁物の一部に、(懸濁物の一部に対して)50〜10000W/lの範囲、好ましくは200〜2500W/l(リットル当たりのワット)の機械的な出力を連続的に導入し、そしてその後に、前記一部を攪拌容器に戻す。
【0046】
本発明の一実施の形態では、更なる区分に導入される出力密度、従って単位体積当たりの出力は、攪拌容器におけるものの、約50〜100倍高い。
【0047】
ここで個別の区分として、ポンプ、インサート、混合ユニット、湿式ミル、攪拌タンク、及び均質化器を選ぶことができ、ここで、更なる区分として選ばれた攪拌タンクは、好ましくは、上記に記載した攪拌容器の体積よりも明確に小さい体積を有する。
【0048】
特に好ましいポンプの例は、遠心力ポンプ、及び周囲ホイールポンプ(peripheral wheel pump)である。
【0049】
別個の区分として、別個の容器が使用可能であり、又は攪拌容器中のインサートが使用可能である。ここで、インサートは、本来の攪拌容器の体積内に存在し、しかしながら区分けされており、及び独自の混合ユニットを有している設備部分であると理解される。例えばインサートとして、攪拌容器内に存在し及び反応混合物に浸漬し、そして更なる攪拌器、例えばプロペラを有する攪拌器を使用して攪拌される管を選ぶことができる。これにより、攪拌容器内に区分が形成される。区分体積の全体積に対する割合は、0.01〜15体積%、好ましくは0.1〜10体積%である。一変形例では、このような区分が複数存在し、これらの区分は同じ、又は異なる大きさを有することができる。
【0050】
ここで「連続的に導入する(与える)」は、沈殿を行う間、発生した懸濁物の複数の小さな体積を、より短い間隔で、又は発生した懸濁物の所定の部分流を絶え間なく、攪拌容器から取り出し、混合エネルギーを導入し、そして次にその部分を再度攪拌容器に戻すことを意味すると理解される。
【0051】
攪拌タンク内への機械的エネルギーの導入は、例えば、強力な攪拌によって行うことができる。このような攪拌は、(大きな)攪拌容器内のものよりも、相当に単純である。
【0052】
本発明の一変形例では、機械的エネルギーを、少なくとも部分的に、超音波によって導入することができる。
【0053】
ここで小さな体積は、例えば攪拌タンクの場合には、上述した攪拌容器の0.1〜10%であることができ、これに対してポンプ、又は湿式ミル(湿式グラインダー)の場合には、より小さく、0.01〜0.0099%であることができる。
本発明の一実施の形態では、攪拌容器に、別個の容器が設置され、例えばこれは、ポンプ循環系によって攪拌容器と結合されている。本発明の他の実施の形態では、攪拌容器は2つ又は複数の分離した容器(これらは1つ以上のポンプ循環系で攪拌容器と結合されている)で構成されている。
【0054】
「ポンプ循環系」は、好ましくは、反応器の部分量を反応器から連続的に取り出し、これを別箇の容器に導入し、及び別箇の容器に流した後に、反応器に再度戻す装置であると理解される。ここで、流れを維持するために、ポンプが使用される。特定の実施の形態では、別個の容器内に存在する装置がポンプ作用を有し、これにより別個のポンプユニット無しで運転することができる。
【0055】
本発明の一実施の形態では、本発明の方法を行う際、合計懸濁物に対して、2〜25W/lの範囲、好ましくは3〜17W/lの範囲の平均出力が投入される。
【0056】
本発明の一実施の形態では、機械的出力の20〜80%、好ましくは少なくとも30%、特に好ましくは少なくとも40%の機械的出力が、更なる区分に投入される。
【0057】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う方法は、20〜90℃の温度範囲、好ましくは30〜80℃の温度範囲、特に好ましくは35〜75℃の温度範囲で行われる。ここで、攪拌容器内の温度が測定される。一つ以上の更なる容器内の温度は、攪拌容器内の温度とは異なることができる。
【0058】
本発明に従う方法は、空気下、不活性雰囲気下、例えば希ガス−又は窒素雰囲気下で、又は還元性雰囲気下で行うことができる。還元性ガスの例として、例えば、CO及びSO
2が挙げられる。不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
【0059】
本発明に従う方法は、水溶液及び懸濁液の蒸気圧を下回ることがなければ、任意の圧力で行うことができる。適切なものは例えば、1〜10バール、好ましくは標準圧力である。
【0060】
本発明の一実施の形態では、攪拌容器内で測定して、平均固体含有量を70〜1000g/lの範囲、好ましくは80〜500g/lの範囲に処理する。
【0061】
本発明の一実施の形態では、攪拌容器内の平均滞留時間を、2〜18時間の範囲、好ましくは4〜14時間の範囲に処理する。
【0062】
本発明の一実施の形態では、容器内の平均滞留時間を、0.01〜0.5秒の範囲、好ましくは0.2秒の範囲に処理する。
【0063】
本発明の一実施の形態では、更なる容器内の平均滞留時間は、攪拌容器内の平均滞留時間の千分の一以下であるが、しかしながら少なくとも100万分の1である。
【0064】
本発明に従う方法は、定常状態(steady state)、又は非定常状態で行うことができ、ここで、定常状態が好ましい。
【0065】
本発明に従う方法に従って製造される遷移金属水酸化物では、非常に良好な形態学(モーホロジー)が得られる。すなわちこれは、平均粒子径(D50)が、6〜12μm、好ましくは7〜12μmを有する。ここで、平均粒子径(D50)は、本発明の範囲内で、(例えば光散乱によって求めることができるような)体積ベースの粒子径の中央値を示す。
【0066】
本発明の一実施の形態では、沈殿した遷移金属水酸化物を、母液から分離する。「母液」の概念については前に説明した。
【0067】
分離を連続的に行う場合、それぞれ生成する懸濁物の代表的な部分、又は非代表的な部分を、例えば一定量で反応容器から取り出すことができる。従って例えば、反応容器からの取出しの過程で、分離された母液、又は遷移金属水酸化物を取出すことが可能である。反応容器からの取出しにおいて、所定の粒子径を有する遷移金属水酸化物を、取出すことも可能であり、好ましい。後者の両方の実施の形態は通常、非定常状態のモードで反応を行うことに適用される。
【0068】
分離は例えば、ろ過、遠心力、デカンテーション、スプレー乾燥、又は沈殿によって行われるか、又は上述した操作の2つ以上の組合せによって行われる。装置として例えば、フィルタープレス、ベルトフィルター、ハイドロサイクロン、傾斜板浄化器、又は上記装置の組合せが適切である。
【0069】
分離において特に、分離がろ過によって行われる場合には、1工程以上の洗浄工程を後に行うことができる。例えば、純粋な水で洗浄するか、又はアルカリ金属カーボネート又はアルカリ金属水酸化物の水溶液で、特にナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、リチウムヒドロキシド、又はアンモニアの水溶液で洗浄することができる。水が好ましい。
【0070】
洗浄工程は例えば、圧力を上昇させて、又は温度を上昇させて、例えば30〜50℃で行うことができる。他の変形例では、1工程以上の洗浄工程が室温で行われる。
【0071】
洗浄工程の効率は、分析的処理で調べることができる。例えば、洗浄水中の遷移金属Mの含有量を分析することができる。
【0072】
アルカリ金属カルボネートの水溶液の替りに水を使用して洗浄する場合、洗浄水の導電性試験を使用して、水溶性物質、例えば水溶性塩を洗浄除去可能か否か調べることができる。
【0073】
分離において、1工程以上の乾燥工程を後に行うことができる。乾燥工程は、室温で、又はより高い温度で行うことができる。例えば、30〜150℃の温度で乾燥させることができる。
【0074】
乾燥工程は、標準圧力、又は減圧下、例えば10mbar〜500mbarの範囲の圧力で行うことができる。
【0075】
本発明の一実施の形態では、乾燥は空気下に行われる。
【0076】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う方法で製造された前駆体は、場合によっては行われる1工程以上の乾燥工程の後に、なお物理的に結合した水を含んでいる。
【0077】
本発明の一実施の形態では、分離の後に、1工程以上の洗浄工程、及び場合により1工程以上の乾燥工程が行われる。
【0078】
遷移金属混合酸化物の前駆体の水分含有量、及び粒子径は、母液の分離後、好ましくは乾燥の後に測定される。
【0079】
本発明の一実施の形態では、直径が20μmを超える遷移金属水酸化物の粒子を、例えば篩分けによって分離する。篩分けを所望する場合、好ましくは乾燥の後に篩分けが行われる。好ましくは、直径が32μmを超える、特に好ましくは50μmを超える遷移金属水酸化物の粒子が分離される。
【0080】
本発明に従う方法によれば、遷移金属水酸化物は粒子状体で得ることができ、これは簡略化して前駆体とも称される。本発明に従う方法により製造された前駆体は、リチウムイオン電池のためのカソード用の電極材料の製造に非常に適している。
【0081】
本発明の更なる対象は、Cr、V、Mn、Ni、Fe、Co、Zn、Ti及びZrの水酸化物から選ばれる少なくとも1種の遷移金属水酸化物を含む、粒子状態の遷移金属水酸化物であって、基本的に球状であり、直径が50μmを超える粒子部分が0.1質量%未満であり、平均直径(D50)が6〜12μmの範囲であり、及びタンプ密度が少なくとも(1.95+0.03・(D50)/μm)kg/lであることを特徴とする遷移金属水酸化物である。このような粒子状体の遷移金属水酸化物は、本発明の範囲内で、簡略化して、本発明に従う遷移金属水酸化物とも称される。
【0082】
本発明の一実施の形態では、遷移金属は、Cr、V、Mn、Ni、Fe、Co、Zn、Ti、Zr及び上述したものの1種以上の混合物、又はアルカリ金属、アルミニウム、又はマグネシウムとの混合物から選ばれ、好ましくは、Ni、Mn、Co及び場合により(アルカリ金属、アルミニウム及びマグネシウムから選ばれる)1種以上の更なる金属の混合物から選ばれる。
【0083】
本発明の一実施の形態では、遷移金属水酸化物は、一般式(I)
Ni
aMn
bM
cO
x(OH)
yX
w(CO
3)
t (I)
(但し、記号は以下のように定義される:
Mは、Co、又はCoとZn、Cu、Ti、Zr、Al及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素の組合せであり、
Xは、ハロゲン化物、例えばブロミド、好ましくはクロリド、特に好ましくはフルオリド、更にサルフェート、ニトレート、又はカルボキシレート、好ましくはC
1−C
7−カルボキシレート、特にベンゾエート、又はアセテートから選ばれ、
aは、0.15から0.8の範囲の数、好ましくは0.18〜0.52の範囲の数であり、
bは、0.1〜0.8の範囲の数、好ましくは0.2〜0.7の範囲の数であり、
cは、0.02〜0.5の範囲の数、好ましくは0.05〜0.35の範囲の数であり、
ここでa+b+c=1.0であり、
0≦w≦0.3、好ましくは0.001≦w≦0.01であり、
0≦x<1、好ましくは0.3<x<1であり、
1<y≦2、好ましくは1<y<1.7であり、
0≦t≦0.3である)
に相当する。
【0084】
好ましい一実施の形態では、X=サルフェート、及びw=0.005である。
【0085】
本発明に従う遷移金属水酸化物は、基本的に球状である。このことは、遷移金属水酸化物の粒子は、基本的に球状形状であることを意味すると理解される。
【0086】
好ましくは、本発明に従う遷移金属水酸化物は、少なくとも2種の異なる遷移金属を含み、及び特にカチオンとして、特に酸化状態が+2のカチオンとして含む。特に好ましくは、本発明に従う遷移金属水酸化物は、Ni、Mn、Coの混合物を含み、及び特にカチオンとして、特に酸化状態が+2のカチオンとして含み、及び場合により、アルカリ金属、アルミニウム、及びマグネシウムから選ばれる1種以上の更なる金属を含む。
【0087】
ここで「基本的に球状であり」は、厳格に球状ではないものも含み、例えば長径と短径のだ最大で10%異なる楕円形形状も含む。遷移金属水酸化物の形態学は、顕微鏡検査によって決定され、例えば光顕微鏡検査(LMI)又は操作電子顕微鏡検査(SEM)によって決定される。
【0088】
ここで「基本的に球状であり」は、代表的な試料中、(粒子の少なくとも95%(質量平均)が、基本的に球状の含有量である)厳格に球状ではないものも含む。
【0089】
本発明に従う遷移金属水酸化物の粒子径(D50)は、2〜25μmの範囲、好ましくは7〜16μmの範囲、及び特に好ましくは12μm以下である。ここで、本発明の範囲内で、粒子径(D50)は、平均粒子径(質量平均)を表し、これは例えば、光散乱によって求められる。
【0090】
本発明に従う遷移金属水酸化物では、直径が50μmを超える粒子の割合が0.1質量%(重量%)未満、好ましくは0.001〜0.05質量%である。
【0091】
本発明に従う遷移金属水酸化物では、直径が32μmよりも大きい粒子の部分が、好ましくは0.1質量%未満、好ましくは0.001〜0.05質量%(重量%)である。
【0092】
本発明に従う遷移金属水酸化物では、直径が20μmよりも大きい粒子の部分が、特に好ましくは0.1質量%未満、好ましくは0.001〜0.05質量%(重量%)である。
【0093】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う遷移金属水酸化物の粒子は、体積−又は質量平均として測定して、直径(D99)が、最大50μm以下、好ましくは最大32μm、及び特に好ましくは最大20μmである。
【0094】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う遷移金属水酸化物は、微粉部分が僅か微量のみであり、例えば直径が1μm未満の粒子が2質量%未満である。
【0095】
本発明に従う遷移金属水酸化物のタンプ密度は、少なくとも(1.95+0.03・(D50)/μm)kg/lである。
【0096】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う遷移金属水酸化物のタンプ密度は、最大で(2.30+0.03・(D50)/μm)kg/lである。
【0097】
タンプ密度は例えば、基本的にDIN53194又はDIN ISO787−11に従って測定可能でるが、有利なことには1250インパクト以下であり、及びより小さなシリンダーを有している。
【0098】
本発明の一実施の形態では、遷移金属カチオンが、本発明に従う遷移金属水酸化物の粒子内に、ドメイン(専有領域)を形成することなく分散している。種々のドメインが、例えば、電子線−マイクロ分析(EPMA、英語ではElectron Probe X−ray Microanalysis)によって検知される。
【0099】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う遷移金属水酸化物の試料は、一様(均一)な組成を有する。このことは、個々の粒子の組成が、試料の平均値から(それぞれの遷移金属の含有量に対して)15モル%以上逸れることがないことを意味すると理解される。
【0100】
本発明に従う遷移金属酸化物は、遷移金属混合酸化物(これはリチウムイオン電池の電極の製造に使用可能である)に良好に処理できる。本発明の更なる対象は、本発明に従う遷移金属水酸化物を、遷移金属混合酸化物の製造に使用する方法である。更なる対象は、本発明に従う遷移金属水酸化物を使用して、遷移金属混合酸化物を製造するための方法である。
【0101】
遷移金属混合酸化物を製造するために、少なくとも1種の、本発明に従う遷移金属水酸化物、及び少なくとも1種のリチウム化合物の混合物を、600〜1000℃の範囲の温度で熱処理して処理することができる。
【0102】
リチウム化合物として例えば、有機金属−、及び好ましくは無機金属リチウム化合物が適している。特に好ましい有機リチウム化合物は、LiOH、Li
2CO
3、Li
2O及びLiNO
3、及び対応する水和物、例えばLiOH・H
2Oから選ばれる。混合するために例えば、本発明に従う遷移金属水酸化物をリチウム化合物と、固体混合器内で混合して処理することができる。
【0103】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う遷移金属水酸化物とリチウム化合物の混合物で、遷移金属混合酸化物の化学量論的量を設定し、特に、リチウムの遷移金属の合計に対するモル割合が、0.9〜1.6の範囲、好ましくは1〜1.25の範囲、及び特に好ましくは1.1の範囲であるように設定される。他の実施の形態では、化学量論的量は、リチウムの遷移金属の合計に対するモル割合が約0.5になるように設定され、これは例えば0.4〜0.6の範囲であることができる。
【0104】
一実施の形態では、化学量論的量は、リチウムの遷移金属の合計に対するモル割合が約1.4になるように設定され、これは例えば1.28〜1.52の範囲であることができる。
【0105】
本発明に従い製造された遷移金属混合酸化物は、(例えばその良好な流動性のために)加工するのに非常に良好であり、及び(本発明に従い製造された遷移金属混合酸化物の使用下に、電気化学電池を製造した場合には)非常に良好な履歴安定性(サイクル安定性)を示す。
【0106】
本発明に従う電極を製造するために、遷移金属混合酸化物を最初に電極材料に加工して(処理を)進行させることができる。
【0107】
電極材料は、遷移金属混合酸化物に加え、更に炭素を導電的な状態(多形体状態)で、例えば、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、又は活性炭の状態で含んでいる。
【0108】
電極材料は更に、少なくとも1種のバインダー、例えばポリマー性バインダーを含んでいる。
【0109】
適切なバインダーは好ましくは、有機(コ)ポリマーから選ばれる。適切な(コ)ポリマー、すなわちホモポリマー、又はコポリマーは、例えばアニオン性、カチオン性、又はラジカル(共)重合によって得られる(コ)ポリマーから選ぶことができ、特に、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリスチレン、及び以下の、エチレン、プロピレン、スチレン、(メト)アクリロニトリル、及び1,3−ブタジエンから選ばれる少なくとも2種のコポリマーから選ぶことができる。更にポリプロピレンも適切である。更に、ポリイソプレン、及びポリアクリレートも適切である。ポリアクリロニトリルが特に好ましい。
【0110】
ポリアクリロニトリルについては、本発明の範囲内で、ポリアクリロニトリルホモポリマーであるのみならず、アクリロニトリルと1,3−ブタジエン、又はスチレンのコポリマーでもあると理解される。ポリアクリロニトリルホモポリマーが好ましい。
【0111】
本発明の範囲内で、ポリエチレンは、ホモポリエチレンであるのみならず、エチレンの所定のコポリマーであるとも理解される。ここでこの所定のコポリマーは、少なくとも50モル%のエチレンを重合状態で含み、及び50モル%以下の少なくとも1種の更なるコモノマー例えば、α−オレフィン、例えばプロピレン、ブチレン(1−ブテン)、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ペンテン、更にイソブテン、ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、更に(メト)アクリル酸、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、(メト)アクリル酸のC
1−C
10−アルキルエステル、特にメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、更にマレイン酸、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸を含むものである。ポリエーテルについては、HDPE又はLDPEであっても良い。
【0112】
本発明の範囲内で、ポリプロピレンは、ホモポリプロピレンのみならず、プロピレンの所定のコポリマーをも表すと理解される。ここで、このプロピレンの所定のコポリマーは、少なくとも50モル%のプロピレンを重合状態で含み、及び50モル%以下の少なくとも1種の更なるコモノマー、例えば、エチレン、及びα−オレフィン、例えばブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−ペンテンを含むものである。ポリプロピレンについては、好ましくはイソタクチック、又は基本的にイソタクチックのポリプロピレンである。
【0113】
本発明の範囲内で、ポリスチレンは、スチレンのホモポリマーを意味するのみならず、アクリルニトリル、1,3−ブタジエン、(メト)アクリル酸、(メト)アクリル酸のC
1−C
10−アルキルエステル、ジビニルベンゾール、特に1,3−ジビニルベンゾール、1,2−ジフェニルエチレン、及びα−メチルスチレンとのコポリマーをも意味すると理解される。
【0114】
他の好ましいバインダーは、ポリブタジエンである。
【0115】
他の適切なバインダーは、ポリエチレンオキシド(PEO)、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド及びポリビニルアルコールから選ばれる。
【0116】
本発明の一実施の形態では、バインダーは、平均モル質量M
wが、50000〜1000000g/モルの範囲、好ましくは500000g/モル以下の範囲の(コ)ポリマーである。
【0117】
バインダーは架橋した、又は架橋していない(コ)ポリマーであることができる。
【0118】
本発明の他の特に好ましい実施の形態では、バインダーは、ハロゲン化(コ)ポリマー、特にフッ素化(コ)ポリマーから選ばれる。ここで、ハロゲン化及びフッ素化(コ)ポリマーは、少なくとも1つのハロゲン原子、又は少なくとも1つのフッ素原子を含む、好ましくは少なくとも2つのハロゲン原子、又は少なくとも2つのフッ素原子を含む、少なくとも1種の(コ)モノマーを重合状態で含む(コ)ポリマーであると理解される。
【0119】
例は、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−コポリマー、ビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプロピレン−コポリマー(PVdF−HFP)、ビニリデンフルオリド−テトラフルオロエチレン−コポリマー、ペルフルオロアルキルビニルエーテル−コポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン−コポリマー、ビニリデンフルオリド−クロロトリフルオロエチレン−コポリマー、及びエチレン−クロロフルオロエチレン−コポリマーである。
【0120】
適切なバインダーは特に、ポリビニルアルコール、及びハロゲン化(コ)ポリマー、例えばポリビニルクロリド、又はポビニリデンクロリド、特にフッ素化(コ)ポリマー、例えばポリビニルフルオリド、及び特にポリビニリデンフルオリド、及びポリテトラフルオロエチレンである。
【0121】
導電性の炭素含有材料を例えば、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、又は上述した物質の少なくとも2種の混合物から選ぶことができる。本発明の範囲内で、導電性の炭素含有材料は、簡略化して、カーボン(B)とも称される。
【0122】
本発明の一実施の形態では、導電性の炭素含有材料は、カーボンブラックである。カーボンブラックは、例えば、ランプブラック、ファーネスブラック、フレームブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びインダストリアルブラックから選ぶことができる。カーボンブラックは、不純物をも含むことができ、例えば炭化水素、特に芳香族炭化水素、又は酸素含有化合物、又は酸素含有基、例えばOH−基を含むことができる。更に、硫黄−又は鉄−含有の不純物をカーボンブラックに含むこともできる。
【0123】
一変形例では、導電性の炭素含有材料は部分的に酸化されたカーボンブラックである。
【0124】
本発明の一実施の形態では、導電性の炭素含有材料は、カーボンナノチューブ(英語ではcarbon nanotubes)である。カーボンナノチューブ(簡略化してCNT)は例えば、シングルウォールカーボンナノチューブ(英語ではsingle−walled carbonn nanotubes、SW CNT)及び好ましくはマルチウォールカーボンナノチューブ(英語では、multi−walled carbon nanotubes、MW CNT)が公知である。製造方法と特性については、例えばA.Jess et al.in Chemie Ingenieur Technik2006,78,94−100に記載されている。
【0125】
本発明の一実施の形態では、カーボンナノチューブは、直径が0.4〜50nmの範囲、好ましくは1〜25nmの範囲である。
【0126】
本発明の一実施の形態では、カーボンナノチューブは、長さが10nm〜1mmの範囲、好ましくは100nm〜500nmの範囲である。
【0127】
カーボンナノチューブは、それ自身公知の方法によって製造することができる。例えば、揮発性の炭素含有化合物、例えばメタン、又は一酸化炭素、アセチレン、又はエチレン、又は揮発性の炭素含有化合物の混合物、例えば合成ガスを、1種以上の還元剤、例えば水素、及び/又は更なるガス、例えば窒素ガスの存在下に分解することができる。他の適切なガス混合物は、一酸化炭素とエチレンの混合物である。分解のための適切な温度は例えば、400〜1000℃、好ましくは500〜800℃の範囲である。分解のための適切な圧力条件は例えば、標準圧力〜100バール、好ましくは10バール以下である。
【0128】
1重(シングル)以上のウォールカーボンナノチューブは例えば、炭素含有化合物をアーク(電弧)内で分解することによって得ることができ、及びこれは分解触媒の存在下、又は不存在下に行うことができる。
【0129】
一実施の形態では、(1種以上の)揮発性の炭素含有化合物を、分解触媒、例えばFe、Co又は好ましくはNiの存在下に行うことができる。
【0130】
グラフェンは、本発明の範囲内で、ほぼ理想的、又は理想的な二次元的な六角形の炭素結晶であると理解され、個々のグラファイト層に類似して構成されている。
【0131】
本発明の一実施の形態では、本発明に従い変性された遷移金属混合酸化物、及び導電性炭素含有材料の質量割合は、200:1〜5:1、好ましくは100:1〜10:1の範囲である。
【0132】
本発明の更なる局面は、少なくとも1種の上述したように製造された遷移金属混合物、少なくとも1種の導電性炭素含有材料、及び少なくとも1種のバインダーを含む電極である。
【0133】
遷移金属混合酸化物、及び導電性炭素含有材料については上述した。
【0134】
本発明の更なる対象は、少なくとも1つの本発明に従う電極を使用して製造される、電気化学セル(電気化学電池)である。本発明の更なる対象は、少なくとも1つの本発明に従う電極を含む電気化学セルである。
【0135】
本発明の一実施の形態では、本発明に従い製造される電極材料は、以下のものを含む:
60〜98質量%(重量%)、好ましくは70〜96質量%の遷移金青く混合酸化物、
1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%のバインダー、
1〜25質量%、好ましくは2〜20質量%の導電性炭素含有材料。
【0136】
本発明に従う電極材料のジオメトリー(幾何学形状)は広い範囲で選択することができる。好ましくは、本発明に従う電極は、薄いフィルムに形成することができ、例えば厚さが10μm〜250μmの範囲、好ましくは20〜130μmの範囲のフィルムに形成することができる。
【0137】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う電極は、ホイル(箔)、例えば金属ホイル、特にアルミニウムホイル、又はポリマーホイル、例えばポリエステルホイル(これらは未処理であっても良く、又はシリコン処理されていても良い)を含む。
【0138】
本発明の更なる対象は、本発明に従う電極材料、又は本発明に従う電極を、電気化学セルに使用する方法である。本発明の更なる対象は、本発明に従う電極材料又は本発明に従う電極の使用下に、電気化学セルを製造するための方法である。本発明の更なる対象は、少なくとも1種の本発明に従う電極材料、又は少なくとも1つの本発明に従う電極を含む、電気化学セルである。
【0139】
本発明に従う電極は、本発明に従う電気化学的セル内で、(定義に従って)カソードとして作用する。本発明に従う電気化学セルは、本発明の範囲内でアノードとして定義された対極を含み、及びこえは例えば、カーボン−アノード、特にグラファイト−アノード、リチウム−アノード、ケイ素−アノード、又はリチウム−チタネート−アノードであることができる。
【0140】
本発明に従う電気化学セルは、例えばバッテリー又は蓄電池(二次電池)であることができる。
【0141】
本発明に従う電気化学セルは、アノード、及び本発明に従う電極の他に、更なる構成要素、例えば、導電性塩、非水性溶媒、セパレーター、アウトプットコンダクター、例えば金属、又は合金で構成されたもの、及びケーブルコネクション、及びハウジングを含むことができる。
【0142】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う電気セルは。少なくとも1種の非水性溶媒を含み、該非水性溶媒は、室温で液体又は固体であることができ、及び好ましくはポリマー、環式又は非環式エーテル、環式及び非環式アセタール、及び環式又は非環式有機カーボネートから選ばれる。
【0143】
適切なポリマーの例は特に、ポリアルキレングリコール、好ましくはポリ−C
1−C
4−アルキレングリコール、及び特にポリエチレングリコールである。ここで、ポリエチレングリコールは、20モル%以下の1種以上のC
1−C
4−アルキレングリコールを重合した状態で含むことができる。ここで、ポリアルキレングリコールは、メチル、又はエチルが二重結合したポリアルキレングリコールであることが好ましい。
【0144】
適切なポリアルキレングリコール、及び特に適切な複数種のポリアルキレングリコールの分子量は、少なくとも400g/モルである。
【0145】
適切なポリアルキレングリコール及び特に適切なポリエチレングリコールの分子量M
wは、5000000g/モル以下であり、好ましくは2000000g/モル以下である。
【0146】
適切な非環式エーテルの例は、例えばジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンであり、好ましくは1,2−ジメトキシエタンである。
【0147】
適切な環式エーテルの例は、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンである。
【0148】
適切な非環式アセタールの例は、例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、及び1,1−ジエトキシエタンである。
【0149】
適切な環式アセタールの例は、1,3−ジオキサン、及び特に1,3−ジオキソランである。
【0150】
適切な非環式有機カーボネートの例は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートである。
【0151】
適切な環式有機カーボネートの例は、一般式(II)及び(III)
【0153】
のものであり、ここで、R
1、R
2及びR
3は、同一又は異なっていることができ、そして水素及びC
1−C
4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルであり、ここで好ましくは、R
2及びR
3は、両方がter−ブチルではない。
【0154】
特に好ましい一実施の形態では、R
1がメチル及びR
2とR
3がそれぞれ水素であるか、又はR
1、R
2及びR
3がそれぞれ水素である。
【0155】
他の好ましい環式有機カルボナートは、ビニレンカルボナート、式(IV)である。
【0157】
好ましくは、1種以上の溶媒が、いわゆる無水状態で使用され、すなわち、(Karl Fischer滴定で測定して)水の含有量が1ppm〜0.1質量%の範囲の状態で使用される。
【0158】
本発明に従う電気化学セルは更に、少なくとも1種の導電性塩を含む。適切な塩は特に、リチウム塩である。適切なリチウム塩の例は、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4、LiAsF
6、LiCF
3SO
3、LiC(C
nF
2n+1SO
2)
3、リチウムイミド、例えば、LiN(C
nF
2n+1SO
2)
2(ここで、nは1〜20の範囲の整数である)、LiN(SO
2F)
2、Li
2SiF
6、LiSbF
6、LiAlCl
4、及び一般式(C
nF
2n+1SO
2)
tYLiの塩であり、ここでtは以下のように定義される:
Yが酸素又は硫黄から選ばれる場合、t=1、
Yが窒素及び燐から選ばれる場合、t=2、
Yが炭素及びシリコンから選ばれる時、t=3。
【0159】
好ましい導電性塩は、LiC(CF
3SO
2)
3、LiN(CF
3SO
2)
2、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4から選ばれ、及び特に好ましくはLiPF
6及びLiN(CF
3SO
2)
2から選ばれる。
【0160】
本発明の一実施の形態では、本発明に従う電気化学セルは、(これによって複数の電極が機械的に分離される)1つ以上のセパレーターを含む。セパレーターとして、リチウムに対して非反応性のポリマーフィルム、特に多孔性ポリマーフィルムが適切である。セパレーターのために特に適切な材料は、ポリオレフィン、特にフィルム状の多孔性ポリエチレン、及びフィルム状の多孔性ポリプロピレンである。
【0161】
ポリオレフィン、特にポリエチレン又はポリプロピレンのセパレーターは、多孔率が35〜45%の範囲であることができる。適切な多孔径は例えば、30〜500nmの範囲である。
【0162】
本発明の他の実施の形態では、セパレーターは、無機粒子で充填されたPET不織布から選ぶことができる。このようなセパレーターは、多孔率が40〜55%であることができる。適切な孔径は、例えば80〜750nmの範囲である。
【0163】
本発明に従う電気化学セルは更にハウジングを含み、このハウジングは任意の形状を有することができ、例えば立方体、又はシリンダー状のシートの形状を有することができる。一変形例では、ハウジングは、ポーチ(袋)として作成された金属ホイルである。
【0164】
本発明に従う電気化学セルは、高い電圧を提供し、及び高いエネルギー密度と良好な安定性を有する。
【0165】
本発明に従う電気化学セルは、相互に組合せることができ、例えば直列に、又は並列に接続することができる。直列接続が好ましい。
【0166】
本発明の更なる対象は、本発明に従う電気化学セルを装置、特に可動機器(モバイル機器)に使用する方法である。可動装置の例は、乗り物、例えば、自動車、自転車、エアークラフト、又は水上機器、例えばボート、船である。可動機器(モバイル装置)のための他の例は、人が自身で操作するもの、例えばコンピューター、特にラップトップ、電話器又は電気的手動工具、例えば建設分野のもの、特にボーリング機器、逐電地式ドリル、又は逐電式鋲打器である。
【0167】
本発明に従う電気化学的セルの機器(ユニット)への使用は、再充電する前に、より長い実行時間を提供する。電気化学的セルで、より少ないエネルギー密度で、同じ事項時間を得ようすれば、電気化学セルのより重い重量(質量)を使用しなければならない。
【0168】
以下に実施例を使用して本発明を説明する。
【0169】
合計体積が6lの反応器システム内で、実施例と比較例を行った。ここで、反応器システムは、5.7lの体積を有する攪拌タンクを有し、及びアセンブリを有しておりこのアセンブリは、ポンプ循環系中に配置された体積(ポンブ内部体積)が0.04lの回転ポンプ(遠心ポンプ)の形式であり、そしてアセンブリはこれを含めて容積が0.3lであった。
【0170】
アセンブリは、45W以下の機械的な仕事を懸濁物中に与えることができる。アセンブリは、液体を運び、及び1200l/hの体積流を維持することができる。攪拌タンク内では、30Wの機械的な攪拌出力が測定された。攪拌タンク中の平均滞留時間は10時間であった。
【0171】
体積流及び合計体積から計算して、懸濁物は平均して18s(平均滞留時間の1/2000)ごとにアセンブリ中で機械的なストレスに曝されていたことがわかった。アセンブリ中の出力導入は、1125W/lであると計算された。アセンブリ中の懸濁物の滞留時間は、平均して120ms(ミリ秒)であった。機械的な出力導入は、全体システムに対して12.5W/lであった。
【0172】
反応器システムは、ピッチドブレード攪拌器とバッフルを備えていた。攪拌出力の測定は、電気モーターを使用して、回転数と回転モーメントから構成される回転モーメント測定によって行った。更に、反応器システムは、複数の計量導入ユニット及び更にオーバーフロー(該オーバーフローを介して反応混合物が取り出される)を備えており、上記計量導入ユニットは、計量導入ポンプを有していた。
【0173】
以下の溶液を使用した:
溶液A:1kgの溶液当たり0.55モルのニッケルサルフェート、コバルトサルフェート、及びマンガンサルフェート(これはサルフェートとしてのもので、対応する水化物錯体を水に溶解することによって製造される)。
【0174】
溶液B:1kgの溶液当たり4.4モルのNaOH及び1kgの溶液当たり1.3モルのNH
3を含む。50%NaOH及び25%アンモニア溶液を水で希釈することによって製造される。
【0175】
溶液C:1kgの溶液当たり4.4モルのNaOHを含む。
【0176】
計量導入ポンプを使用して計量導入を行った。
【0177】
1.本発明に従う実施例1
40Nl/hの窒素(標準リットル)で反応器システムをパージした。そして、計量導入ポンプを使用して、溶液A及びBを一定の計量流(30g/h及び200g/h)で、(反応器システムの攪拌タンクの攪拌ブレード近傍の)乱流領域内に計量導入した。調整装置を使用して、溶液Cを加えることによって、pH値を11.3で一定に維持した。これにより懸濁物が形成された。懸濁物の温度を45℃に設定した。溶液Cを加えることによってpH−値を11.3に設定した(23℃で測定)。懸濁物の反応器システム内における平均滞留時間は、15秒間であった。3日後、定常状態に達した。
【0178】
攪拌器出力は40Wであり、アセンブリ内に導入された出力は45Wであった。アセンブリ内の流速は1200l/hであった。
【0179】
Ni:Co:Mnのモル割合が33:34:33の遷移金属水酸化物の懸濁物が得られた。オーバーフローから得られた遷移金属水酸化物の懸濁物を、サクションフィルターを介して濾過し、フィルターケーキを水、3質量%のNaOHを使用して洗浄し、及び再度、水で洗浄し、そして105℃で、12時間にわたり乾燥させた。このようにして得られた本発明に従う遷移金属水酸化物TM.1(21.2%Ni;22.1%Co;20.3%Mn;式Ni
0.33Co
0.34Mn
0.33(OH)
1.17O
0.83(SO
4)
0.003)を篩にかけ(メッシュ幅50μm)及びタンプ密度を測定した。
【0180】
電極材料中のタンプ密度(tamped density)を測定するために、遷移金属水酸化物TM.1の所定割合をリチウムカーボネートと混合し、そして900℃で熱処理した。このために、41.18gのリチウムカーボネート(99.6%LiCO
3、篩分け、100%<50μm)を、90.35gの遷移金属水酸化物TM.1と、ボールミル内で混合し、るつぼ内に導入し、そしてマッフル炉内でか焼した(107分間350℃まで加熱、4時間維持、107分間675℃まで加熱、4時間維持、75分間900℃まで加熱、6時間維持;そして炉内で室温にまで冷却)。得られた材料を<32μmに篩分けし、そしてタンプ密度を測定した。
【0181】
2.比較例C−2
アセンブリ及びポンプ循環システムを閉じたこと以外は、手順は1に記載したように行った。
【0182】
Ni:Co:Mnのモル割合が33:34:33の遷移金属水酸化物の懸濁物が得られた。オーバーフローから得られた遷移金属水酸化物の懸濁物を、サクションフィルターを介して濾過し、フィルターケーキを水、3質量%のNaOHを使用して洗浄し、及び再度、水で洗浄し、そして105℃で、12時間にわたり乾燥させた。このようにして得られた本発明に従う遷移金属水酸化物C−TM.2(22.2%Ni;22.2%Co;20.0%Mn)を篩にかけ(メッシュ幅50μm)及びタンプ密度を測定した。
【0183】
電極材料(カソード材料)中のタンプ密度を測定するために、遷移金属水酸化物C−TM.2の所定割合をリチウムカーボネートと混合し、そして900℃で熱処理した。このために、41.26gのリチウムカーボネート(99.4%LiCO
3、篩分け、100%<50μm)を、89.23gの遷移金属水酸化物C−TM.2と、ボールミル内で混合し、るつぼ内に導入し、そしてか焼した(107分間350℃まで加熱、4時間維持、107分間675℃まで加熱、4時間維持、75分間900℃まで加熱、6時間維持;そして炉内で室温にまで冷却)。得られた材料を<32μmに篩分けし、そしてタンプ密度を測定した。
【0184】
3.比較例C−3
体積が0.015lのより小さなアセンブリを選んだこと以外は、手順は1に記載したように行った。アセンブリ内の流速は300l/hであった。これにより、僅か8W/53W、すなわち機械的出力(mechanical power)の15%が区分内に、及びより高い出力密度で導入された。
【0185】
Ni:Co:Mnのモル割合が33:34:33の遷移金属水酸化物の懸濁物が得られた。オーバーフローから得られた遷移金属水酸化物の懸濁物を、サクションフィルターを介して濾過し、フィルターケーキを水、3質量%のNaOHを使用して洗浄し、及び再度、水で洗浄し、そして105℃で、12時間にわたり乾燥させた。このようにして得られた本発明に従う遷移金属水酸化物C−TM.3(21.6%Ni;22.1%Co;19.8%Mn;式Ni
0.33Co
0.34Mn
0.33(OH)
1.14O
0.86(SO
4)
0.003)を篩にかけ(メッシュ幅50μm)及びタンプ密度を測定した。
【0186】
電極材料(カソード材料)中のタンプ密度を測定するために、遷移金属水酸化物C−TM.3の所定割合をリチウムカーボネートと混合し、そして900℃で熱処理した。このために、41.26gのリチウムカーボネート(99.4%LiCO
3、篩分け、100%<50μm)を、90.64gの遷移金属水酸化物C−TM.3と、ボールミル内で混合し、るつぼ内に導入し、そしてか焼した(107分間350℃まで加熱、4時間維持、107分間675℃まで加熱、4時間維持、75分間900℃まで加熱、6時間維持;そして炉内で室温にまで冷却)。得られた材料を<32μmに篩分けし、そしてタンプ密度を測定した。
【0188】
TD:タンプ密度、タンプ体積計STAV II(Engelsmann,Ludwigshafenより、2000タップ)を使用して測定。