(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1ないし4のいずれかに記載の送信装置から複数の搬送波を用いて送信されたデータをそれぞれ受信して合成し、所定のトランスポートストリームを分離して出力する受信装置であって、
前記複数の搬送波のそれぞれに対して設けられた複数のチューナと、
前記各チューナで受信した信号を、受信した信号の変調方式に応じた復調方式で復調する復調部と、
前記復調部で復調されたデータを搬送波毎に格納するバッファと、
前記複数の搬送波の中の最大伝送速度よりも遅い伝送速度を持つ搬送波について、前記バッファに格納されたデータに対して、所定のデータ間隔でダミースロットを付加するダミースロット付加部と、
前記バッファに搬送波毎に格納されたトランスポートストリームを合成する合成部と、
合成により得られたトランスポートストリームから所定のトランスポートストリームを分離して出力する抽出部と
を備えたことを特徴とする受信装置。
前記復調部で復調されたデータからヘッダを検出し、当該ヘッダから所定のパラメータを取り出し、前記所定のパラメータに含まれる前記所定の割り当て順序を示す情報に基づき前記トランスポートストリームの合成順序を決定するヘッダ検出合成順決定部をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の受信装置。
前記抽出部は、前記合成により得られたトランスポートストリームにおいて、選局されたチャンネルに関連するデータ以外のデータについてはNullデータを挿入する、ことを特徴とする請求項5記載の受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0017】
(実施の形態1)
以下、添付の図面を用いて通信システムの実施の形態を説明する。通信システムは、データを送信する送信装置と、送信装置からのデータを受信する受信装置とを含む。
【0018】
1.送信装置
1−1 送信装置の構成
【0019】
本実施形態の送信装置は、複数のトランスポートストリーム(以下「TS」という)を入力し多重化して、複数の搬送波(系統)を用いて送信可能な装置である。本実施形態では、一例として、入力するTSの数は15とし、搬送波及び系統の数は4とする。また、第1及び第3系統は第1及び第3搬送波を用いてデータを伝送するとし、その伝送速度は31.644Mbps(64QAM変調方式による)とする。第2及び第4系統は第2及び第4搬送波を用いてデータを伝送し、その伝送速度は42.192Mbps(256QAM変調方式による)とする。TSは188バイトのパケット(以下「TSパケット」という)列で構成される。伝送するTS(トランスポートストリーム)は一例としてMPEG−2 TSとする。
【0020】
図1に、本実施形態の送信装置の構成を示す。送信装置100は、入力したTSパケットのPCR(Program Clock Reference)値を書き換えるPCR書き換え部11と、ダミースロットを生成するダミースロット生成部13と、各TSを複数の系統(搬送波)を介して伝送するために系統(搬送波)毎にTSパケットを割り当てていく分割部15と、ダミースロットを削除するダミースロット削除部17と、各TSについて系統毎に分割されたTSパケットを多重化する多重化部18とを備える。送信装置100は、分割部15で搬送波毎に分割され、多重化部18で多重化されるべきデータを格納するバッファ部20を備えている。バッファ部20は、TS毎にバッファセット(詳細は後述)を有し、各バッファセットは、第1ないし第4搬送波のそれぞれに対して設けられた4つのバッファを含む(例えば、
図7、
図12、
図13参照)。
【0021】
さらに送信装置100は、系統(搬送波)毎に設けられた4つのQAM変調部19a〜19dと、変調されたデータを送信する送信部21a〜21dとを備える。第1及び第3系統に接続されるQAM変調部19a、19cは64QAM変調を行い、第2及び第4系統に接続されるQAM変調部19b、19dは256QAM変調を行う。
【0022】
さらに、送信装置100は、多重フレームヘッダを生成する多重フレームヘッダ生成部23と、TSパケットのフレーム内のスロットへの割り当てを決定するフレームスロット割当部25と、TSの系統(搬送波)に対する割り当てを決定する搬送波グループ割当部27と、系統(搬送波)に対する分割方法を決定する搬送波分割方法決定部29とを備える。
【0023】
1−2 フレーム、多重化フレームヘッダ
図2は、本実施形態の送信装置で採用する複数のトランスポートストリームを1つの搬送波に多重化して送信するためのフレームの構成を説明した図である。
【0024】
1フレームは53スロット(53パケット)で構成される。フレームの先頭すなわち第0番目のスロットには、同期のための多重フレームヘッダが割り当てられる。それ以後の第1番目から第52番目のスロットにTSパケット(188バイト)が割り当てられる。
図2は、1つのフレームにおいて2つのストリームTS1、TS2が多重化されている例を示しており、第1、5、6、51番目のスロットにはTS1が割り当てられ、第2〜4、52番目のスロットにはTS2が割り当てられている。
【0025】
所定数のフレーム群をスーパーフレームとして管理する。スーパーフレームに含まれるフレームの数は伝送速度(すなわち、変調方式)に応じて決定する。例えば、64QAMの変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波と、256QAMの変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波とを用いる場合、それら2つの搬送波のスーパーフレームの周期が同じになるように、各搬送波に対するスーパーフレーム中のフレームの数を決定する。例えば、
図3に示すように、64QAMの変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波においては、スーパーフレーム中のフレーム数は3とし、256QAMの変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波においては、スーパーフレーム中のフレーム数は4とする。
【0026】
図4は、多重フレームヘッダの構成を説明した図である。多重フレームヘッダは、同期に用いる情報51と、多重化のための情報53と、private_data55と、CRC(誤り検出符号)57とを含む。
【0027】
同期に用い得る情報51には、同期バイト(sync_byte)、frame_PID、continuity_counter、frame_sync、が含まれる。同期バイト(sync_byte)は"0x47"の値をとり、スロットの先頭となる。同期バイト(sync_byte)およびframe_syncは多重フレームヘッダの先頭を検出するために使用される。これらの情報に基づいて受信装置は受信したストリームの中から多重フレームヘッダを検出することができる。
【0028】
多重化のための情報53には、version_number、relative_ts_number_mode、frame_type、emergency_indicatorや、以下の情報が含まれる。
・ts_status
各TS(TS1〜TS15)の有効/無効の状態を示す。
・ts_idとnetwork_id
各TSについてのTSのID(ts_id)とネットワークID(network_id)の値の組を、TS1〜T15それぞれについて順に記述している。ts_id、network_idはそれぞれ16ビットで記述される。
・receive status
各TSの受信状態を示す。
・relative_ts_number
52個の各スロットにTS1〜TS15のいずれのTSが格納されるかを示す情報。先頭から4ビット毎に第1番目のスロット〜第52番目のスロットに格納されるTSの情報を格納する。例えば、
図2に示すように第1番目のスロットにTS1が格納され、第2番目のスロットにTS2が格納されている場合、relative_ts_numberの最初の4ビットにTS1を示す相対的な番号が格納され、次の4ビットにTS2を示す相対的な番号が格納される。relative_ts_numberを参照することで、どのスロットにどのTSが格納されているかを把握することができる。
【0029】
図5は、private_data55の構成を示した図である。private_data55は単一のストリームを複数の系統(搬送波)に分割して伝送するための情報を含む。private_dataは具体的には下記の情報を含む。
【0030】
・stream_type(1bit×15)
各ストリームが、TSであるかTLV(Type Length Value)であるかを識別する情報。「0」はTLVパケット、「1」はTSパケットまたはストリームなしを示す。例えば、TS1=0(TLVパケット)、TS2〜15=1(streamなし)であれば、‘011111111111111’に設定される。
・group_id(8bit)
TSまたはTLVのストリームを分割伝送する搬送波群(グループ)を識別するためのID。例えば、放送局Aであれば0x00に、放送局Bであれば0x01に設定される。
・number_of_carriers(8bit)
当該多重フレームヘッダを伝送する搬送波を含んだ複数のチャンネル(搬送波)で構成される、ストリームを伝送するための搬送波群(group_id)に属する搬送波の総数。例えば放送局A(group_id=0x00)のチャンネルの総数が1であれば0x01、総数が2であれば、0x02、総数が3であれば、0x03が設定される。
・carrier_sequence(4bit)
受信機側で複数のチャンネル(搬送波)を介して受信したデータを復調して得られる出力から、元のTSまたはTLVのストリームを再生するための合成の順序(チャンネルまたは搬送波の順序)を示す情報。例えば、number_of_carriersが3で40chのcarrier_sequenceを0、41chのcarrier_sequenceを1、50chのcarrier_sequenceが2に設定されている場合、受信機側で、40chの復調出力→41chの復調出力→50chの復調出力の順に合成する。
・frame_number(4bit)
1つのスーパーフレームの中のフレームの数を示す。64QAMなら0x03、256QAMなら0x04に設定される。
・frame_position(4bit)
スーパーフレーム中におけるフレーム位置を示す情報。すなわち、スーパーフレームにおいて何番目のフレームかを示す情報。
図3に示すように64QAMなら0〜2の値、256QAMなら0〜3の値のいずれかをとる。
・CRC(32bit)
CRC値を格納するための32bitのフィールド。CRC値はISO/IEC13818 Annex Bで定義される。
【0031】
1−3 先行技術の課題と本開示の考え方
特許文献2(特開2012−209675号公報)において開示された複数の搬送波を用いた伝送技術の問題点について説明する。特許文献2の方法では、搬送波毎にパケットを分割する際に、carrier_sequence(搬送波の合成順序)と、受信装置側でのパケットの到達順とに基づいて、TSパケットをどの搬送波に割り当てるかを決定する。例えば、第1〜第4搬送波の4つの搬送波を用い、carrier_sequenceが第1搬送波→第2搬送波→第3搬送波→第4搬送波の順に決定され、第1及び第3搬送波の伝送速度が31.644Mbps(64QAM)であり、第2及び第4搬送波の伝送速度が42.192Mbps(256QAM)である場合、特許文献2の方法では、
図6(a)に示すように、各搬送波に対して各パケットが割り当てられる。このような割り当てでは、受信装置は、最初に受信するパケット群(1〜4)については、パケットの本来の順序とcarrier_sequenceとが一致しているため、各搬送波で受信したパケットをcarrier_sequenceに基づいて合成することで、元のパケット順序で合成されたデータが得られる。しかし、2番目に受信したパケット群(5〜8)については、パケット本来の順序とcarrier_sequenceとが一致しておらず、この場合、carrier_sequenceに基づいて合成すると、正しくデータが合成できないという問題がある。このため、受信装置側において正しく合成するためには、carrier_sequence、搬送波の数、搬送波の変調方式の種類等を考慮して合成順序を規定する必要があり、複雑な処理を要する。また、carrier_sequence、搬送波の数、搬送波の変調方式の種類等を考慮して合成順序を規定したテーブルが必要となり、搬送波の数や変調方式の種類が増加すると、用意すべきテーブルの数も膨大なものとなり、受信装置において実装上の問題がある。また、送信装置側においても、搬送波毎にパケットを分割する際に、carrier_sequenceと、受信装置側でのパケットの到達順とを考慮する必要があり、搬送波へのパケットの割り当て処理が複雑になるという問題がある。
【0032】
そこで、本実施形態では、送信装置100は、
図6(b)に示すように、TSを搬送波毎に分割する際に、仮想的に搬送波間の伝送速度が同じになるように伝送速度が低い搬送波において所定の間隔でダミースロットを挿入してパケットを搬送波に割り当てる。その後、変調部へ出力する際には、ダミースロットを削除した後、各パケットを変調部へ出力する。そして、受信装置側においては、各搬送波からデータを受信した際に、伝送速度が低い搬送波から受信したパケット列において適宜ダミースロットを挿入することで、各搬送波から得られたパケットをcarrier_sequence等に基づいて順に合成することで、本来のデータ順にしたがった合成データを容易に得ることができる。以下、このような機能を実現するための送信装置100の動作を説明する。
【0033】
1−4 送信装置の動作
1−4−1 全体動作
図1に示す送信装置100の動作を説明する。本実施形態の送信装置100は複数のトランスポートストリームTS1〜TS15を受信し、各TSを多重化して複数の系統(搬送波)を用いて送信する装置である。具体的には、送信装置100は、1つのTSについてパケット単位で4つの系統(第1搬送波〜第4搬送波)に振り分け、系統(搬送波)毎に、各TSのデータを多重化して送信する。これにより、実質的に4つの搬送波の伝送レートを合計したレートでの伝送が可能になり、1つの搬送波だけでは送信できない大容量のデータの伝送を可能とする。
【0034】
フレームスロット割当部25は、各TSをフレーム内のどのスロットに割り当てるかを示す情報を出力する。以下、フレームスロット割当部25により決定された、各系統におけるフレーム内の各パケットを割り当てるスロット数及びスロット位置を示す情報を「スロット多重情報」という。
【0035】
搬送波分割方法決定部29は、搬送波(系統)の数、各搬送波のQAM変調方式の種類、各搬送波に割り当てられるTSに関する情報、スロットを割り当てる搬送波(系統)の順番を決定する。また、搬送波分割方法決定部29は、トランスポートストリーム(TS)の分割方法(例えば、
図21、22に例示した内容)を決定する。受信装置は、この分割方法を認識している。
【0036】
搬送波グループ割当部27は、複数の搬送波が所属するグループに関する情報を出力する。本実施形態では、第1搬送波から第4搬送波が1つの搬送波グループに所属している。
【0037】
多重フレームヘッダ生成部23は、搬送波グループ割当部27からのグループに関する情報、搬送波分割方法決定部29からのTS分割に関する情報、フレームスロット割当部25からのスロット多重情報に基づき、下記のパラメータ(
図4、
図5参照)を含む多重フレームヘッダを生成する。
ts_id
network_id
relative_ts_number
stream_type
group_id
number_of_carriers
carrier_sequence
frame_number
frame_position
多重フレームヘッダ生成部23は、生成した多重フレームヘッダをダミースロット生成部13及び多重化部18に出力する。
【0038】
PCR書き換え部11は、入力したパケットにPCR(Program Clock Reference)が含まれている場合、後述する仮想的なレート変換を考慮して、入力したパケットのPCR値を書き換える。
【0039】
ダミースロット生成部13は、入力したTSパケットまたは多重化フレームヘッダを出力する。また、ダミースロット生成部13は、所定の条件を満たす場合は、入力したTSパケットまたは多重化フレームヘッダではなく、ダミースロット(ダミーパケット)を出力する。
【0040】
分割部15は、フレームスロット割当部25からのスロット多重情報に基づき、入力ストリームをパケット単位で搬送波毎に分割し、送信用入力ポート16に出力する。すなわち、分割部15は入力したTSパケットをいずれかの搬送波に割り当てる。分割部15は、搬送波分割方法決定部29から搬送波の割り当て順に関する情報を取得し、その割り当て順に基づき、入力したTSパケットの搬送波への割り当て順を決定する。なお、分割部15は、1つの搬送波(系統)に割り当てられた連続した52個のパケット毎に、ダミースロット生成部13から多重化フレームヘッダを受けるようになっている。これにより、
図2に示すフレームが、送信用入力ポート16に出力されるようになっている。
【0041】
ダミースロット削除部17は、ダミースロット生成部13により生成され送信用入力ポート16に入力されたダミースロットを削除する。
【0042】
バッファ部20は、分割部15により入力TS毎に各搬送波に分割されたTSパケットを格納するためのバッファ群を含む。
【0043】
多重化部18は、入力TS毎に各搬送波に分割されたTSパケットを、搬送波毎に多重化する。多重化部18は、フレームスロット割当部25および多重フレームヘッダ生成部23からの情報を受けて多重化を行う。
【0044】
QAM変調部19a及び19cは64QAM変調方式でTSパケットの変調を行う変調手段である。QAM変調部19b及び19dは256QAM変調方式でTSパケットの変調を行う変調手段である。
【0045】
送信部21aは、QAM変調部19a(64QAM)により変調されたデータを、第1搬送波を介して送信する。送信部21bは、QAM変調部19b(256QAM)により変調されたデータを、第2搬送波を介して送信する。送信部21cは、QAM変調部19c(64QAM)により変調されたデータを、第3搬送波を介して送信する。送信部21dは、QAM変調部19d(256QAM)により変調されたデータを、第4搬送波を介して送信する。
【0046】
以上の構成を有する送信装置100は、複数のTS1〜15をそれぞれの入力ポートを介してパケット単位で入力する。各TSについて、入力されたストリームは分割部15によりパケット単位で各搬送波に順に割り当てられる。その後、搬送波毎に、多重化部18により各TSのデータが多重化される。搬送波毎に多重化されたデータは、搬送波毎に、QAM変調部19a〜19dにより変調され、送信部21a〜21dから送信される。以下、送信装置の各部の動作についてより詳細に説明する。
【0047】
1−4−2 TSの搬送波(系統)への分割
以下、ダミースロット生成部13、分割部15、及びダミースロット削除部17の動作について、
図7〜
図10を用いて具体的に説明する。説明の便宜上、一つのストリームTS1についての処理を例として説明する。すなわち、
図7(a)に示すように、TS入力ポート1に、パケットTS1−1、TS1−2、TS1−3、TS1−4、…、TS1−n、・・・の順に入力されている状況における処理を説明する。
【0048】
図7(b)に示すように、送信装置100は、分割部15により搬送波毎に分割されたデータを格納するためのバッファセット20−1を有し、バッファセット20−1はバッファ1〜4を含む。
【0049】
分割部15は、送出したパケットの数を搬送波毎にカウントするカウンタを含む。第1ないし第4搬送波それぞれに対するカウンタを「Hカウンタ1」、「Hカウンタ2」、「Hカウンタ3」、「Hカウンタ4」という。Hカウンタ1〜4は多重フレームヘッダ(以下「TSMF(Transport Stream Multiplexing Frame)ヘッダ」という)及びTSパケットはカウントするが、ダミースロットはカウントしない。Hカウンタ1〜4は52までカウントした後、0にリセットされる。
【0050】
さらに、分割部15は、4パケットの送信毎(1周期毎)に1だけカウントアップされる4Pカウンタ15bを含む。すなわち、4Pカウンタ15bは第1搬送波から第4搬送波まで順に1つずつパケットが送信されたときに1だけカウントアップされる。4Pカウンタ15bは3までカウントした後、0にリセットされる。4Pカウンタ15bがリセットされるときのカウンタ値(3)は、ダミースロットが生成される搬送波に対する1スーパーフレーム当たりのフレーム数に基づき決定される。なお、各カウンタの初期値は0であるとする。
【0051】
また、分割部15はPCR間隔カウンタ15cを備える。PCR間隔カウンタ15cは、送信装置100が新たにPCR値を含むパケット(以下「PCRパケット」)を入力したときに、前回のPCRパケットを入力してから新たなPCRパケットを入力するまでに分割部15が送信用入力ポート16a〜16dに送信したパケットの総数をカウントする。PCR間隔カウンタ15cは、新たにPCRパケットが入力されるとリセットされる。
【0052】
TS1入力ポート10−1に対してTS1がパケット単位で入力される。ダミースロット生成部13は、Hカウンタ1〜4及び4Pカウンタ15bの値に基づいて、TSMFヘッダ、入力TSパケットおよびダミースロット(ダミーパケット)のいずれかを選択し、分割部15に出力する。
【0053】
具体的には、ダミースロット生成部13は、分割部15が入力パケットを割り当てようとしている搬送波に対応するHカウンタを参照し、その値が0の場合、TSMFヘッダを出力する。なお、TSMFヘッダは多重フレームヘッダ生成部23から取得される。例えば、分割部15が入力パケットを第1搬送波に割り当てようとしている場合、Hカウンタ1の値が0であれば、ダミースロット生成部13はTSMFヘッダを分割部15に出力する。これにより、フレーム先頭にTSMFヘッダが配置される。
【0054】
または、分割部15が入力パケットを割り当てようとしている系統(搬送波)が第1搬送波または第3搬送波の場合、ダミースロット生成部13は、4Pカウンタ15bを参照し、その値が「3」であれば、ダミースロットを分割部15に出力する。本実施形態では、第1及び第3搬送波の変調方式が64QAM(31.644Mbps)であり、第2及び第4搬送波の変調方式が256QAM(42.192Mbps)であることから、
図6(b)に示すように、第1及び第3搬送波により伝送されるフレームにおいて、3パケット毎にダミースロットを挿入する。これにより、受信側においてデータの合成が容易となる、TSパケットの配置が実現される。これを実現するために、第1搬送波または第3搬送波に対して、4Pカウンタ15bの値が「3」のときにダミースロットを生成している。
【0055】
ダミースロット生成部13は、TSMFヘッダ及びダミースロットのいずれも出力しない場合は、入力したTSパケットを分割部15に出力する。
【0056】
分割部15は、搬送波分割方法決定部29からの情報に基づき、ダミースロット生成部13から入力したパケット(TSパケット、TSMFヘッダまたはダミースロット)を、4つの第1搬送波〜第4搬送波のうちのいずれかに順番に割り当てていく。ここでは、第1搬送波→第2搬送波→第3搬送波→第4搬送波→第1搬送波→…の順に割り当てるとする。すなわち、分割部15は入力したパケット(TSパケット、TSMFヘッダ、ダミースロット)を、割り当てる搬送波に対応した送信用入力ポート16a〜16dに出力する。なお、Hカウンタ1〜4は、ダミースロット生成部13からTSパケットまたはTSMFヘッダを受信する毎にカウントアップされるが、ダミースロットを受信した場合は、カウントアップされない。
【0057】
入力ポート16a〜16dに出力されたパケットは、ダミースロットを除き、搬送波毎に設けられたバッファ1〜4に入力され、格納される。
【0058】
ダミースロット削除部17は、送信用入力ポート16a〜16dに入力されたパケットがダミースロットである場合、それを削除する。したがって、分割部15からダミースロットが送信された場合でも、ダミースロットがバッファ1〜4に格納されることはない。
【0059】
図8は、ダミースロット生成部13、分割部15及びダミースロット削除部17の上記の動作によるバッファ1〜4の格納状態の変化を説明した図である。
図7(a)に示すように、送信装置100に対して、TS1−1、TS1−2、TS1−3、TS1−4、…、TS1−n、…の順にTSパケットが入力される。
【0060】
時刻T0では、バッファ1〜4には未だパケットが格納されていない状態であり、Hカウンタ1〜4は全て0である。
【0061】
時刻T1において、入力パケットは第1搬送波へ割り当てられる。その際、Hカウンタ1の値は0であるため、ダミースロット生成部13はTSMFヘッダを出力し、分割部15は入力したTSMFヘッダをバッファ1に接続した送信用入力ポート16aに出力する。これにより、バッファ1にTSMFヘッダが格納される。Hカウンタ1はカウントアップされ、1になる。
【0062】
時刻T2において、入力パケットは第2搬送波へ割り当てられる。その際、Hカウンタ2の値は0であるため、ダミースロット生成部13はTSMFヘッダを出力し、分割部15は入力したTSMFヘッダをバッファ2に接続した送信用入力ポート16bに出力する。これにより、バッファ2にTSMFヘッダが格納される。Hカウンタ2はカウントアップされ、1になる。
【0063】
同様にして、時刻T3、T4において、バッファ3、4にTSMFヘッダが格納され、Hカウンタ3、4はカウントアップされる。バッファ4へTSMFヘッダが送信されたときに4Pカウンタ15bがカウントアップされ、1になる。
【0064】
時刻T5において、入力パケットは第1搬送波へ割り当てられる。その際、Hカウンタ1の値は1であり、0ではない。また、4Pカウンタの値も3ではない。このため、ダミースロット生成部13は入力したTSパケット(TS1-1)を出力し、分割部15は入力したTSパケット(TS1-1)をバッファ1に接続した送信用入力ポート16aに出力する。これにより、バッファ1において、TSMFヘッダの次にTSパケット(TS1-1)が格納される。また、Hカウンタ1がカウントアップされる。同様に、時刻T6において、バッファ2にTSパケット(TS1-2)が格納される。
【0065】
以降同様にして、入力したTSパケットがバッファ1〜4に順に割り振られながら格納されていく。なお、Hカウンタ1〜4は、52までカウントした後0にリセットされる。よって、バッファ1〜4においてTSMFヘッダが周期的(53パケット毎)に格納される。
【0066】
1−4−3 ダミースロットの生成、削除
図9、
図10を用いてダミースロットの生成、削除について説明する。
図9は、ダミースロットの生成、削除を説明するための図である。説明の便宜上、
図9では、第1搬送波に対するダミースロットの生成、削除を説明している。ダミースロット生成部13は、4Pカウンタ15bを参照し、その値が3であれば、ダミースロット13bを生成して分割部15に出力する。分割部15は、ダミースロット生成部13から受けたダミースロット13bをバッファ1に接続する第1搬送波用の送信用入力ポート16aに出力する。このとき、Hカウンタ1のカウントアップを行われない。しかしながら、PCR間隔カウンタ15cはカウントアップされる。ダミースロット削除部17は、送信用入力ポート16aを介して受信したダミースロットを削除する。結果として、バッファ1にダミースロットが格納されない。ダミースロット削除部17は、送信用入力ポート16aを介して受信したパケットがダミースロットでない場合は、そのままバッファ1に送信する。
【0067】
図10は、ダミースロットの生成/削除を行った際のバッファ1〜4の格納状態の変化を示した図である。時刻T12においてバッファ4にTSパケット(TS1-8)が記録された時点で、4Pカウンタ15bの値は3になる。このため、時刻T13において、ダミースロット生成部13によりダミースロット13bが生成され、分割部15により送信用入力ポート16aに出力される。しかし、ダミースロット削除部17により、ダミースロット13bは削除されることから、バッファ1に対しては何も入力されない。
【0068】
時刻T14では、バッファ1の次のバッファ2にTSパケット(TS1-9)が記録される。
【0069】
時刻T15において、4Pカウンタ15bの値は3であるため、ダミースロット生成部13によりダミースロット13bが生成され、分割部15により送信用入力ポート16に出力されるが、ダミースロット13bはダミースロット削除部17により即座に削除される。このため、バッファ3に対しては何も入力されない。
【0070】
以上のように、本実施形態では、64QAMの変調方式により変調された信号を送信する第1搬送波及び第3搬送波において送信するデータにおいて、4Pカウンタの値が3をカウントする毎にダミースロットの生成/削除を行い、バッファ1〜4へ配置するパケットの順序を調整する。このように、第1搬送波及び第3搬送波において、ダミースロットの生成/削除を行い各搬送波に割り当てるパケット順を調整することで、送信装置側において、所定の割り当て順にしたがい順にパケットを割り当てていけばよく、各搬送波へのパケットの割り当て処理を単純化でき、実装が容易になる。また、このようにパケット順が調整されることで、受信装置側においても、複数の系統から受信したデータの合成が容易となり、受信装置側の実装を簡易化できる。
【0071】
1−4−4 PCRの書き換え
PCR書き換え部11の動作について説明する。なお、PCR値は27MHzのクロックでカウントされるカウント値である。また、本実施形態では、QAM変調部19a〜19dにおける変調処理において、188バイトのパケットに16バイトの誤り訂正符号が付加されて204バイトのパケットが生成され、この204バイトのパケットが伝送される。よって、PCR値は204バイトのパケットが伝送されることを前提として計算される。
(1)固定ビットレートの場合
本実施形態では、送信装置側において、入力したTSパケットの伝送速度をモニタしながら、PCR値を調整する。最初に、42.192(Mbps)×4(搬送波の数)の固定ビットレートでの伝送を実現する場合のPCR値の調整方法を説明する。ここで、第1及び第3搬送波については、64QAMの変調方式を用いるため伝送速度は31.644(Mbps)であるが、ダミースロットを挿入することで仮想的に42.192(Mbps)に調整している。
【0072】
PCR書き換え部11はPCR値を含むパケット(以下「PCRパケット」という)を入力したときにそのPCR値を書き換える処理を行う。
図11のフローチャートを用いてその動作を説明する。
【0073】
PCR書き換え部11は、新たにPCRパケットを入力したときに(S21)、新たにPCRパケットのPCR値(PCRn)と、前回のPCRパケットのPCR値(PCRn-1)と、前回のPCRパケットを受信してから新たにPCRパケットを受信するまでに送信したパケット総数(n)とに基づき補正値(Δt)を求める(S22)。そして、新たに入力したPCRパケットのPCR値を補正値に基づき補正し、補正後のPCR値(PCRn+Δt)を用いて書き換える処理を行う(S23)。補正値Δtは次式により算出される。
42192000×4=
(packet_count×packet_size×8)/{(PCRn+Δt)−PCRn-1}/27000000 (1.1)
ここで、packet_countは、前回のPCRパケットを入力してから新たにPCRパケットを入力するまでに送信したパケットの総数であり、PCR間隔カウンタ15cから得られる。packet_sizeは1パケットのサイズであり、具体的には204バイトである。27000000は受信装置のカウンタの周波数である。
【0074】
補正後のPCR値(PCR’n)は次式で得られる。
PCR’n=PCRn+Δt (1.2)
【0075】
(2)可変ビットレートの場合
上記では、42192000(bps)×4(搬送波の数)の固定ビットレートでの伝送を前提としたPCR値の補正を説明したが、以下では、可変ビットレートでの伝送の場合のPCR値の補正について以下に説明する。
【0076】
後述するように、本実施形態の多重化処理においては、スロット多重情報を参照して、フレーム中のどのスロットにどのTSを格納すればよいかを判断する。
【0077】
スロット多重情報は、1フレーム中の各スロットにどのTSを割り当てるかを示す情報である。スロット多重情報の内容はTSMFヘッダに格納されるrelative_ts_numberと同じである。スロット多重情報は、フレームスロット割当部25から取得する。スロット多重情報は搬送波毎に設定される。
図13に、スロット多重情報の具体例を示している。このスロット多重情報61では、第1番目、第2番目のスロットにTS1が割り当てられ、第3番目のスロットにTS2が割り当てられ、第52番目のスロットにTS15が割り当てられている。ここで、あるTSについて、そのTSが割り当てられたスロットを「有効スロット」と称す。よって、第1番目および第2番目のスロットは、TS1に対する有効スロットであり、第3番目のスロットはTS2に対する有効スロットとなり、第52番目のスロットはTS15に対する有効スロットとなる。
【0078】
可変ビットレートの場合、PCR間隔カウンタ15cのカウントの仕方が前述の固定ビットレートの場合と異なる。すなわち、PCR間隔カウンタ15cは、有効スロット(スロット多重情報において、TSが割り当てられたスロット)に対して送信されたパケットのみをカウントする。
【0079】
受信装置側において選択されたTSを出力(抽出)する場合にダミースロットを追加する場合、可変ビットレートの場合、補正値Δt’は次式により算出される。
bit_rate1=(packet_count2×packet_size×8)/{(PCRn+Δt’)−PCRn-1}/27000000 (2.1)
bit_rate1=42192000×(valid_slot_number/53) (2.2)
ここで、packet_count2は、前回のPCRパケットを入力してから新たにPCRパケットを入力するまでに、有効スロットに対して送信したパケットの総数であり、PCR間隔カウンタ15cから得られる。ここで、PCR間隔カウンタ15cはダミースロットも含めてカウントする。valid_slot_numberは、4搬送波分のフレーム中の全スロット(53×4)における有効スロットの数である。
【0080】
補正後のPCR値(PCR’n)は次式で得られる。
PCR’n=PCRn+Δt’ (2.3)
【0081】
また、可変ビットレートの場合であって、受信装置側において所望のTSを抽出する場合にダミースロットを追加しない場合は、補正値Δt”は次式により算出される。
bit_rate2=(packet_count3×packet_size×8)/{(PCRn+Δt”)−PCRn-1}/27000000 (3.1)
bit_rate2= 第1搬送波の伝送レート×valid_slot_number_1/53
+第2搬送波の伝送レート×valid_slot_number_2/53
+第3搬送波の伝送レート×valid_slot_number_3/53
+第4搬送波の伝送レート×valid_slot_number_4/53 (3.2)
ここで、packet_count3は、前回のPCRパケットを入力してから新たにPCRパケットを入力するまでに、有効スロットに対して送信したパケットの総数であり、PCR間隔カウンタ15cから得られる。ただし、PCR間隔カウンタ15cはダミースロットをカウントしない。valid_slot_number_i(i=1,2,3,4)は、第i搬送波に割当てられたフレームに対する有効スロット数である。
【0082】
補正後のPCR値(PCR’n)は次式で得られる。
PCR’n=PCRn+Δt” (3.3)
【0083】
以上のように、送信装置側においてPCR値を書き換えて送信することで、受信装置側において、受信パケット再生のための基準クロックを調整する必要がなく、PLL回路が不要となるため、受信装置側の構成が容易になる。
【0084】
1−4−5 多重化
多重化部18の動作を説明する。本実施形態の送信装置100は、
図1に示すように、複数のTS1〜TS15を入力するため入力ポート10−1〜10−15を有している。そして、各TS1〜TS15について(すなわち、入力ポート毎に)、
図7(b)を用いて説明したダミースロット生成部13、分割部15、ダミースロット削除部17及びバッファ1〜4の機能が実現される。
【0085】
図12に示すように、多重化部18は、搬送波毎に、多重化されたデータを格納する多重化バッファ1〜4を備える。多重化バッファ1は、TS1〜TS15各々のバッファセット20−1〜20−15におけるバッファ1に格納されたTSパケットを多重化して格納する。同様に、多重化バッファ2〜4のそれぞれは、TS1〜TS15各々のバッファセット20−1〜20−15におけるバッファ2〜4に格納されたTSパケットを多重化して格納する。各多重化バッファ1〜4に対していずれのTSをどのスロットへ多重化するかは、スロット多重情報に基づいて行われる。
【0086】
図13は、第1搬送波用のデータを格納する多重化バッファ1における多重化を説明した図である。多重化部18は、TS1〜T15それぞれのバッファ1から、スロット多重情報61に基づきTSパケットを読み出し、多重化バッファ1に格納していく。これにより、多重化バッファ1において第1搬送波用のデータのみが多重化される。なお、TSMFヘッダについては、多重化バッファ1内で新たに多重化されたデータ列について正しくフレーム管理ができるように、バッファ1内のTSMFヘッダは破棄され、多重化バッファ1において新たにTSMFヘッダが付加される。
【0087】
図13の例では、スロット多重情報61は、第1、第2スロットにTS1を格納し、第3スロットにTS2を格納し、第52スロットにはTS15を格納することを示している。多重化バッファ1においては、スロット多重情報61にしたがい下記の順で1フレーム分のTSパケットが配置される。すなわち、多重化バッファ1の第0番目にTSMFヘッダが配置される。続いて、多重化バッファ1の第1番目に、TS1のバッファ1の第1番目に格納されたパケットTS1-1が配置される。次に、多重化バッファ1の第2番目に、TS1のバッファ1の第2番目に格納されたパケットTS1-5が配置される。次に、多重化バッファ1の第3番目に、TS2のバッファ1の第3番目に格納されたパケットTS2-11が配置される。その後も同様にスロット多重情報61にしたがいTSパケットが配置され、最後に、多重化バッファ1の第52番目に、TS15のバッファ1の第52番目に格納されたパケットTS2-234が配置される。
【0088】
図14は、2つのTSを入力し多重化して4つの搬送波を用いて送信する場合の各多重化バッファ1〜4における状態の例を説明した図である。ここでは、8KのTS1と、2KのTS2を入力している。TS1は、第1ないし第3搬送波の全帯域と、第4搬送波の一部の帯域を用いて伝送され、TS2は、第4搬送波の残りの帯域を用いて伝送されるとする。
図14において、斜線ハッチングが付加されて示されたパケットTS1-8, TS1-10, TS2-1, TS2-2, TS2-3,…は、伝送レートの調整のために挿入されたパケットであり、有効なデータを含むものではない。これらのパケットには例えばNullデータが格納される。一方、斜線ハッチングが付加されていないパケットTS1-1, TS1-2, … TS2-8, …は有効なデータを含むパケットである。スロット多重情報61aは第1ないし第3搬送波に対するものであり、スロット多重情報61bは第4搬送波に対するものである。スロット多重情報61aでは、すべてのスロットにTS1が割り当てられている。これに対して、スロット多重情報61bでは、スロットにTS1とTS2の双方が割り当てられている。よって、多重化バッファ1〜3にはTS1のみが格納され、多重化バッファ4にはTS1とTS2の双方が格納される。このとき、多重化前のデータが格納されるバッファに関して、TS1については、バッファ1〜4に有効なデータを含むパケット(TS1-1, TS1-2, TS1-3, TS1-4,…)が格納される。一方、TS2については、バッファ4のみに有効なデータを含むパケット(TS2-8, TS2-10)が格納される。多重化部18は、スロット多重情報61a及びスロット多重情報61bを参照して、TS1及びTS2用それぞれのバッファ1〜4に格納された有効なデータを含むパケット(
図14においてハッチングなしで示されるパケット)のみを選択して多重化バッファ1〜4に格納する。このようにして、大容量の8KのTSについては、3つの搬送波の全帯域と1つの搬送波の一部の帯域を用いて伝送でき、かつ、1つの搬送波の残りの帯域を用いて比較的容量の小さい2KのTSを伝送することができる。
【0089】
以上のように、多重化バッファ1〜4のそれぞれに対して、各TSのバッファ1〜4のそれぞれからのパケットが多重化される。これにより、多重化バッファ1〜4毎に、第1搬送波〜第4搬送波のそれぞれで送信する多重化された送信データが生成される。多重化バッファ1〜4に入力されたパケットは順次後段のQAM変調部19a〜19dへ出力される。
【0090】
以上のように本実施形態の送信装置100によれば、1つのトランスポートストリームを複数の搬送波を用いて伝送することが可能となり、1つの搬送波では伝送できない容量が大きいトランスポートストリームであっても伝送することができる。これにより、8Kのような大容量のデータの伝送が可能となる。また、複数のトランスポートストリームを多重化して1つの搬送波で送信することもできるため、伝送帯域を有効に利用することができる。例えば、複数の搬送波を用いて容量の大きいトランスポートストリームを伝送する際の余った帯域に他のストリームを多重化することができる。
【0091】
2.受信装置
2−1 受信装置の構成
本実施形態の受信装置は、前述の送信装置100から送信された複数の搬送波を受信して復調し、送信された本来のTSデータを取得する装置である。
【0092】
図15は、本実施形態の受信装置の構成を示した図である。受信装置200は、複数のチューナ31a〜31dと、複数のQAM復調部33a〜33dと、受信バッファ35と、パケット合成部39と、パケット抽出部41と、多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43とを備える。
【0093】
チューナ31a〜31dは第1〜4搬送波を受信して所望のチャンネルを選局し、選局したチャンネルの信号をQAM復調部33a〜33dに出力する。QAM復調部33a〜33dはチューナから受信した信号をそれぞれの復調方式にしたがい復調を行う。ここで、QAM復調部33a、33cは64QAMの復調を行う。QAM復調部33b、33dは256QAMの復調を行う。復調された信号は、受信バッファ35と、多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43に入力される。受信バッファ35は、図示していないが搬送波毎にバッファを有している。
【0094】
多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、受信し復調されたデータから多重フレームヘッダを検出し、ヘッダから所定のパラメータを取得する。多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、多重化フレームヘッダから取得したパラメータに基づいて、各搬送波から受信したデータの合成順序を決定する。
【0095】
ダミースロット付加部37は、受信バッファ35に格納された、第1搬送波及び第3搬送波に関する復調データにおいて所定の条件に基づきダミースロットを追加する。例えば、
図16(a)に示すように、第1搬送波及び第3搬送波について3パケット毎にダミースロットを挿入する。パケット合成部39は、多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43で抽出された情報(carrier_sequence, frame_position)に基づき各搬送波から受信したデータを合成(結合)する。パケット抽出部41は、合成したデータの中から所望のチャンネルのデータを抽出する。
【0096】
なお、受信バッファ35、ダミースロット付加部37、パケット抽出部41の順序は、
図15に示す順序に限定されない。例えば、復調されたデータにダミースロット付加部37によりダミースロットを付加した後、受信バッファ35に格納してもよい。または、復調されたデータからパケット抽出部41により所望のデータを抽出した後に、受信バッファ35に格納し、ダミースロット付加部37によりダミースロットを付加するようにしてもよい。
【0097】
2−2 受信装置の動作
2−2−1 チャンネルサーチ
図17のフローチャートを用いて、受信装置200におけるチャンネルサーチ動作について説明する。チャンネルサーチは、例えば受信装置200を新規に設置した場合に最初に実行される処理である。
【0098】
チューナ31aは第1搬送波を受信し、QAM復調部33aに出力する。QAM復調部33aは受信信号を復調してトランスポートストリーム(TS)を出力する(S41)。多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、復調してトランスポートストリーム(TS)から多重フレームヘッダを検出する(S42)。多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、多重フレームヘッダから所定のパラメータを抽出する(S43)。例えば、以下のパラメータが検出される。
ts_id
network_id
relative_ts_number
stream_type
group_id
number_of_carriers
carrier_sequence
frame_number
frame_position
【0099】
多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、最初に検出したチャンネルのgroup_id,number_of_carriersをそれぞれ変数G、Nとして保持する(S44)。なお、本実施形態では、N=4である。
【0100】
最初に検出したチャンネルのgroup_idと同じgroup_idを持つデータに対して(S45)、チャンネルの周波数情報と変調方式を検出して保持する(S46)。各チャンネルをサーチし、最初に検出したgroup_idと同じgroup_idを持つデータに対してN個(4つ)のチャンネルの周波数情報と変調方式が得られるまで上記の処理を繰り返す(S47、S48、S49)。
【0101】
以上のようにして4つのチャンネルの周波数情報と変調方式が得られると、ダミースロット付加部37は、受信バッファ35において、ダミースロットの付加が必要なTSに対して所定の間隔で(例えば3パケット毎に)ダミースロットを挿入する(S50)。例えば、
図16(a)に示すように、256QAM変調方式の場合、1スーパーフレーム当たりのフレーム数が4であり、64QAM変調方式の場合、1スーパーフレーム当たりのフレーム数が3となる。また、第1搬送波および第3搬送波で送信されたTSは変調方式が64QAMであり、第2搬送波および第4搬送波で送信されたTSは変調方式が256QAMである。これらのことから、
図16(b)に示すように、第1搬送波および第3搬送波で送信されたTSに対して、3パケット毎にダミースロットが挿入される。
【0102】
その後、多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、N個(4つ)のチャンネルそれぞれのcarrier_sequence、frame_number、frame_positionに基づき合成順序を決定し、その合成順序をパケット合成部39に通知する。ここで、合成順序の決定について具体的に説明する。
【0103】
多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、全チャンネルの情報を取得後、同じgroup_idの各チャンネルで、number_of_carriers、carrier_sequenceを見て、いくつの搬送波をどの順で合成するかを決定する。
図16の例では、各搬送波のnumber_of_carriers、carrier_sequenceは下記のとおりである。
第1搬送波:number_of_carriers=0x04、carrier_sequence=0x00
第2搬送波:number_of_carriers=0x04、carrier_sequence=0x01
第3搬送波:number_of_carriers=0x04、carrier_sequence=0x02
第4搬送波:number_of_carriers=0x04、carrier_sequence=0x03
まず、1)carrier_sequenceに基づき、搬送波間の合成順序(第1搬送波→第2搬送波→第3搬送波→第4搬送波)が決定される。また、2)TS内のパケットの取り出し順序は、frame_position=0x00であるフレーム(すなわち、スーパーフレームの先頭のフレーム)から順に、frame_number(64QAM:0x03(3フレーム)、256QAM:0x04(4フレーム))を参照して決定される。1)、2)で決定した順序にしたがい、
図16(b)に示すように合成順序(1, 2, 3, …)が決定される。
【0104】
パケット合成部39は、合成順序に基づきパケットを合成する(51)。具体的には、frame_positionから合成を開始する位置(frame_position=0の位置)を決定し、同じgroup_idのTSパケットについて、number_of_carriers(合成する搬送波の数)とcarrier_sequence(搬送波を合成する順序)に基づき合成を行う。この場合、ダミーパケットにはNullデータを挿入して合成する。これにより、例えば、
図16(b)に示す4つのTSから
図16(c)に示すようにTSが合成される。
【0105】
パケット抽出部41は、合成後のTSの中から同じts_id、network_idを有するTSパケットのみを選択し、出力する(S52)。このとき、パケット抽出部41は、
図18(b)に示すように、選択しなかったTSパケットにはNullデータを挿入して出力することにより同じts_id、network_idを有するTSを分離する。この場合のPCR値は式(1.1)〜(1.2)で求めた値となる。
【0106】
なお、可変ビットレートでの伝送の場合は、
図18(c)に示すように、選択されたTSパケットを所定期間内(例えば、3、4パケット単位の期間)で引き伸ばして出力するようにしてもよい。この場合、選択したTSにダミースロット(ダミーパケット)が含まれる場合、
図18(d)に示すように、ダミースロット以外のTSパケットと、ダミースロットを置き換えたNullパケットをともに出力してもよい。この場合のPCR値は式(2.1)〜(2.3)で求めた値となる。または、
図18(e)に示すように、ダミースロットを出力せずに選択TSパケットのみ(TS1-1, TS1-2, TS1-3, ...)を所定期間内(
図18(b)の1パケットの期間の16/3倍の期間)で引き伸ばして出力してもよい。この場合のPCR値は式(3.1)〜(3.3)で求めた値となる。
図18(c)〜
図18(e)に示すように、可変ビットレートで出力した場合、出力レートが遅くなり、高速なクロックが不要となるという利点がある。特に、搬送波の数が多くなり、より高速なクロックが必要となる場合に有効となる。
【0107】
多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、TSパケットからNIT(Network Information Table)情報を取得し、全チャンネルのチャンネル情報を取得する(S53)。
図19に、このようにして取得したチャンネル情報の例を示す。
【0108】
以上のようにして、複数の搬送波を用いて送信されたトランスポートストリームを受信してチャンネルサーチ動作が実行できる。
【0109】
2−2−2 選局時の動作
図20のフローチャートを用いて、受信装置200における選局時の動作について説明する。ユーザにより受信装置200に対して所望のチャンネルが指定される。受信装置200は
図19に示すチャンネル情報に基づき、指定されたチャンネルと同じgroup_idのチャンネルをチューナ31a〜31dのそれぞれで選局して、そのチャンネルの情報を受信し、QAM復調部33a〜33dで復調してTSを出力する(S61)。
【0110】
多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、復調されたトランスポートストリーム(TS)から多重フレームヘッダを検出して以下のパラメータを抽出する(S62)。
ts_id
network_id
relative_ts_number
stream_type
group_id
number_of_carriers
carrier_sequence
frame_number
frame_position
【0111】
ダミースロット付加部37は、ダミースロットの付加が必要な搬送波からのTSに対してダミースロットを挿入する(S63)。そして、多重フレームヘッダ検出・合成順決定部43は、N個(4つ)のチャンネルそれぞれのcarrier_sequence、frame_number、frame_positionに基づきパケットの合成順序を決定し、その合成順序をパケット合成部39に通知する。パケット合成部39はその合成順序に基づきパケットを合成する(64)。
【0112】
パケット抽出部41は、合成後のTSの中から同じts_id、network_idを有するTSパケットのみを出力する(S65)。この出力動作について
図21を用いて具体的に説明する。
図21(a)は、第1ないし第4搬送波のそれぞれから受信したパケット列を示す。
図21(b)は、第1搬送波から受信したパケット列の詳細を示す。
図21(c)は、ステップS62で抽出したパラメータの一部を示す。この場合、ユーザにより指定されたチャンネルのts_idが“0x4011”でnetwork_idが“0x0004”であるとすると、
図21(c)より、そのrelative_ts_numberは“2”であり、また、このデータは第1搬送波のみに含まれていることがわかる。このため、パケット抽出部41は、合成後のTSにおいて、第1搬送波から受信したrelative_ts_numberが“2”であるパケット以外のパケットについてはNullデータを挿入して、データを出力する。
【0113】
以上のようにして、本実施形態の受信装置200は、送信装置100から複数の搬送波を用いて送信されたトランスポートストリームを受信し、搬送波毎に受信したTSパケットを正しい順序で合成することができる。特に、その合成処理において、carrier_sequence、frame_number、frame_positionに基づきパケットの合成順序を容易に決定することができる。すなわち、受信装置200におけるパケットの合成機能の実装が容易になる。
【0114】
3.まとめ
(1)本実施形態の送信装置100は、トランスポートストリーム(TS)を入力し、第1ないし第4(複数)の搬送波を用いて送信する送信装置である。送信装置(100)は、トランスポートストリームをパケット単位で入力する入力ポート(10−1〜10−15)と、入力したトランスポートストリームを所定のデータ単位(例えば、パケット単位)で所定の割り当て順序(carrier sequence)にしたがい各搬送波に割り当てる分割部(15)と、分割部(15)により搬送波に割り当てられた所定のデータ単位のトランスポートストリームを、その割り当てられた搬送波に対応した所定の変調方式で変調するQAM変調部(19a〜19d)と、各搬送波に対応した所定の変調方式で変調されたデータを、変調方式に対応した搬送波を用いて送信する送信部(21a〜21d)と、を備える。さらに、送信装置100は、複数の搬送波の中の最大伝送速度(例えば、256QAMによる42.192Mbps)よりも遅い伝送速度(例えば、64QAMによる31.644Mbps)を持つ第1、第3搬送波に対して、データ伝送速度が前記最大伝送速度と仮想的に等しくなるように、所定のタイミングで(例えば、3パケット毎に)、入力したトランスポートストリームの所定のデータ単位に代えてダミースロット(13b)を分割部に出力するダミースロット生成部(13)と、分割部(15)によって搬送波に割り当てられたダミースロットを削除するダミースロット削除部(17)とを有する。
【0115】
この送信装置(100)によれば、より伝送速度が遅い搬送波に対してダミースロットを挿入することで、異なる搬送波で送信されるデータの搬送波間の相対的な位置関係を維持したままデータが送信される。これにより、送信装置におけるトランスポートストリームの搬送波への割り当て処理が単純になり実装が容易になるとともに、受信側においても合成しやすいデータ並びが実現でき、受信装置における合成処理が容易になる。よって、受信装置において合成機能の実装が容易になる。
【0116】
(2)トランスポートストリームはMPEG−2 TSであってもよい。その場合、送信装置(100)は、トランスポートストリームのパケットに含まれるPCR(Program Clock Reference)値を書き換えるPCR書き換え部(11)をさらに備えてもよい。PCR書き換え部(11)は、PCR値を含むパケットを受信したときに、当該パケットのデータ伝送速度が、最大伝送速度に複数の搬送波の数を乗じて得られる速度(42.192Mbps×4)と等しくなるように、そのPCR値を書き換える。送信側においてPCR値を書き換えることで受信側において、基準クロックを生成するためのPLL回路を設ける必要がなくなり、受信装置側の実装時の負担を軽減できる。
【0117】
(3)(1)、(2)における送信装置(100)は、複数のトランスポートストリームのそれぞれに対して、複数の搬送波毎に設けられたバッファ(20−1〜20−15)と、複数のトランスポートストリームについてデータを多重化する多重化部(18)と、をさらに備えてもよい。その場合、入力ポート(10−1〜10−15)は、複数のトランスポートストリームを入力する。分割部(15)は、各トランスポートストリームに対して、所定のデータ単位のトランスポートストリームを搬送波毎に割り当てる。多重化部(18)は、各トランスポートについて搬送波毎に割り当てられた所定単位のデータを、所定のトランスポートストリームについて搬送波毎に多重化する。この構成により、複数のトランスポートストリームを多重化して送信することが可能となる。
【0118】
(4)(1)〜(3)において、所定のデータ単位は、所定数のパケット単位または所定数のフレーム単位であってもよい。
【0119】
(5)本実施形態の受信装置(200)は、送信装置(100)から複数の搬送波を用いて送信されたデータをそれぞれ受信し、所定のトランスポートストリームを分離して出力する受信装置である。受信装置(200)は、複数の搬送波のそれぞれに対して設けられた複数のチューナ(31a〜31d)と、各チューナで受信した信号を、受信した信号の変調方式に応じた復調方式で復調するQAM復調部(33a〜33d)と、QAM復調部で復調されたデータを搬送波毎に格納する受信バッファ(35)と、複数の搬送波の中の最大伝送速度(例えば、256QAMによる42.192Mbps)よりも遅い伝送速度(例えば、64QAMによる31.644Mbps)を持つ第1、第3搬送波について、受信バッファ(35)に格納されたデータに対して、所定のデータ間隔でダミースロットを付加するダミースロット付加部(37)と、受信バッファ(35)に搬送波毎に格納されたトランスポートストリームを合成するパケット合成部(39)と、合成により得られたトランスポートストリームから所定のトランスポートストリームを分離して出力するパケット抽出部(41)とを備える。
【0120】
この受信装置(200)によれば、遅い伝送速度(例えば、64QAMによる31.644Mbps)を持つ第1、第3搬送波について、受信バッファ(35)に格納されたデータに対して、所定のデータ間隔でダミースロットが付加される。これにより、異なる搬送波を介して受信したデータの搬送波間での相対的な位置関係が送信側で設定した位置関係と同じになる。よって、受信バッファにおけるデータの並びが、受信側において合成しやすいデータ並びとなり、受信装置における合成処理が容易になる。よって、受信装置において合成機能の実装が容易になる。
【0121】
(6)受信装置(200)は、QAM復調部で復調されたデータからヘッダを検出し、当該ヘッダから所定のパラメータを取り出し、所定のパラメータに含まれる所定の割り当て順序を示す情報(carrier sequence)に基づきトランスポートストリームの合成順序を決定するヘッダ検出合成順決定部(43)をさらに備えてもよい。この構成により、ヘッダ中に含まれる所定の割り当て順序を示す情報(carrier sequence)に基づき合成処理を行うことができ、容易に合成処理が行える。
【0122】
(7)パケット抽出部(41)は、合成により得られたトランスポートストリームにおいて、選局されたチャンネルに関連するデータ以外のデータについてはNullデータを挿入してもよい。
【0123】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0124】
(1)実施の形態1では、
図22(a)に示すように、トランスポートストリームを1パケット毎に分割して各搬送波に割り当てた。しかし、分割する単位は1パケット単位に限定されない。例えば、所定数(2以上)のパケット毎にトランスポートストリームを分割して、各搬送波に割り当ててもよい。この場合、所定数は、例えば、
図22(b)に示すように1スーパーフレーム当たりに含まれるフレームの数に等しい値(3または4)に設定してもよい。
また、
図23に示すように、トランスポートストリームを所定数のフレーム単位で分割して各搬送波に割り当ててもよい。例えば、
図23(a)に示すように、1フレーム毎に分割して各搬送波に割り当ててもよい。また、
図23(b)に示すように、所定数(2以上)のフレーム毎にトランスポートストリームを分割して、各搬送波に割り当ててもよい。この場合、所定数は1スーパーフレーム当たりに含まれるフレームの数に等しい値(3または4)に設定してもよい。
【0125】
(2)実施の形態1では、64QAM変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波と、256QAM変調方式で変調されたデータを伝送する搬送波とを用いたが、さらに、他の変調方式を組合わせて使用してもよい。例えば、
図23(c)や
図23(c)に示す例のように、64QAM変調方式と256QAM変調方式に加えて1024QAM変調方式を組み合わせてもよい。複数の変調方式を組み合わせて使用する場合、変調方式間で、1スーパーフレームの周期が同じになるように1スーパーフレームに含まれるフレーム数(frame_number)を設定する。以下、このフレーム数(frame_number)の求め方について説明する。
【0126】
組み合わせて使用する種々の変調方式の次数の最大公約数をmとし、各変調方式の次数をnとすると、各変調方式で変調されたデータを伝送する場合の1スーパーフレームに含まれるフレームの数(frame_number)は次式で算出できる。
frame_number = n/m
【0127】
例えば、32QAM変調方式(次数5)と1024QAM変調方式(次数10)のそれぞれの変調方式で変調されたデータを2つの搬送波で送信する場合を考える。それらの変調方式の次数の最大公約数は5となる。よって、それぞれの変調方式に対するframe_numberは次式のように求まる。
32QAM変調方式に対するframe_number=5/5=1
1024QAM変調方式に対するframe_number=10/5=2
【0128】
同様に、64QAM変調方式(次数6)と256QAM変調方式(次数8)と1024QAM変調方式(次数10)のそれぞれの変調方式で変調されたデータを3つの搬送波で送信する場合は、次式のように求まる(
図22(c)参照)。
64QAM変調方式に対するframe_number=6/2=3
256QAM変調方式に対するframe_number=8/2=4
1024QAM変調方式に対するframe_number=10/2=5
【0129】
図24は、BPSK変調方式から4096QAM変調方式を複数の搬送波に割り当てる場合のダミースロットの付加の例を説明した図である。変調方式の次数に応じて、ダミースロットの付加数が異なっており、伝送速度が低い変調方式ほどダミーデータの挿入される頻度が高くなっている。
【0130】
(3)実施の形態1では、TSの送信に用いる搬送波の数は4としたが、これは一例である。要するに、単一の搬送波の伝送容量を超える容量のトランスポートストリームを伝送することを可能にするため、搬送波の数は複数であればよい。
【0131】
(4)実施の形態1では、送信装置100に入力され、多重化されるトランスポートストリームの数は15としたが、15に限定される必要はない。多重化されるトランスポートストリームの数はアプリケーションに応じて適宜設定されてよい。
【0132】
また、送信装置100は複数のトランスポートストリームの多重化を想定していなくてもよく、単一のトランスポートストリームを入力し、所定の単位に分割して複数の搬送波を用いて伝送するように構成されてもよい。この場合は、
図1に示す構成において多重化部18を削除し、単一のトランスポートストリームに対して、
図7を用いて説明した動作のみを行えばよい。その際、バッファ1〜4の出力はそれぞれ直接QAM変調部19a〜19dに出力される。
【0133】
(5)実施の形態1で示した変調方式の種類や数、変調方式と搬送波の対応は一例であり、他の種類や数、対応が考えられることは言うまでも無い。
【0134】
(6)上記の実施形態では、トランスポートストリームすなわちTSパケットを送受信する例を説明した。本実施形態で開示した送信方法及び受信方法の思想は、このようなTSパケットに代えて、TLVパケットのような可変長パケットを送信する場合であっても同様に適用することができる。TLVパケットのような可変長パケットをTSパケットと同様に送信する技術については例えば特開2013−175949号公報に開示されている。具体的には、TLVパケットのような可変長パケットを分割し、TSパケットと同サイズ(188バイト)の固定長のパケットに割り当てるとともに、多重フレームヘッダ内に可変長パケットの先頭位置を示す情報を記述する。このように可変長パケットを処理することで、TSパケットと同様に固定長のスロットで送信することが可能となる。
【0135】
(7)実施の形態1で示した送信装置100の各構成部11、13、15、17,…及び受信装置200の各構成部31a〜31d、33a〜33d、35、37、…の機能は、上述した機能が実現されるよう設計されたハードウェア回路により実現されてもよい。または、CPUやMPU等が、上述した機能が実現されるよう設計された所定のプログラムを実行することで実現されてもよい。また、上述した種々のバッファは例えば半導体記憶装置(DRAM、SRAM)で構成できる。
【0136】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0137】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0138】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。