【実施例】
【0023】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0024】
[実施例1] 塩基の比較
テアビゴ
TM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、表1に示す各塩基(4.0当量)とヨウ化メチル(144.8μL、2.4mmol、8.0当量)とを加え、大気雰囲気下、100℃または室温で、5〜600分間撹拌した。その後、ODS−HPLC[カラム:Mightysil RP−18GP 20x250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製、展開溶媒:アセトニトリル:水:酢酸(2:18:1)、流速:5.0mL/min、検出波長210nm]により分離・精製を行い、保持時間27.7分に未反応のEGCgを得、保持時間44.9分に下記構造式で表される4”Me−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−(4−O−メチル)ガレート)を得た。
【化6】
【0025】
得られた4”Me−EGCgは、旋光度、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
4”Me-EGCg
[α]
D20 -157.1°(c = 1.0, acetone)
1H-NMR (500 MHz, CD
3OD): 2.84 (1H, dd, J = 17.4, 2.5), 2.98 (1H, dd, J = 17.4, 4.4), 3.81 (3H, s), 4.97 (1H, bs), 5.53(1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.49 (2H, bs), 6.91 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD
3OD): 26.8, 60.7, 70.3, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.3, 126.6, 130.7, 133.8, 141.2, 146.7, 151.5, 157.2, 157.8, 157.9, 167.1
MS (ESI) m/z : 471.1 (M
-)
【0026】
用いた塩基の種類、反応温度および反応時間、並びに、目的物の収率および原料回収率を、表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1のNo.1〜7では、反応温度100℃、反応時間5分の一定条件下で、塩基の種類のみを変えて反応を行った。No.1〜3が示すように、酢酸金属塩を用いた場合には、金属の種類に関わらず、33%〜47%と非常に高い収率にて目的物である4”Me−EGCgを得ることができた。さらに、未反応の原料であるEGCgも47%〜55%の高回収率にて回収することができ、目的物の収率と原料回収率との合計は88%〜95%と非常に高く、酸化や重合などの副反応は、ほとんど起こらなかった。これに対し、酢酸のアンモニウム塩を用いたNo.4では、反応自体がほとんど進行せず、96%の原料回収率となった。
また、No.5が示すように、酢酸金属塩の他に、炭酸リチウムを反応系内に共存させた場合であっても、酢酸金属塩のみを塩基として用いたNo.1〜3と同様に、高い収率で目的物を生成し、原料も高回収率にて回収することができた。
【0029】
No.6および7では、酢酸塩以外の塩基を用いたが、炭酸カリウムを用いたNo.6では、酸化や重合などの目的以外の反応が進行してしまい、原料を回収することも、目的物を得ることもできなかった。
炭酸リチウムを用いたNo.7では、目的物を生成し、未反応の原料を回収することはできたが、目的物の収率は、酢酸金属塩を用いたNo.1〜4に比べて低い値となった。なお、塩基に炭酸リチウムを用いて、反応温度は100℃のまま、反応時間を120分〜480分に延長した場合には、No.8〜10が示すように、時間の経過とともに酸化や重合などの目的以外の反応が主に進行してしまい、目的物の収率と原料回収率との合計は、反応時間120分の場合で43%、240分の場合で35%、そして、480分の場合で26%と著しく低下した。また、これらの目的以外の反応が進行するのを抑制するべく、室温という低い温度で反応を行った場合には、No.11が示すように、目的とするメチル化反応はほとんど進行しなかった。
【0030】
以上の結果が示すように、ポリフェノールに、酢酸塩とアルキル化剤とを作用させることによって、反応系内に酸素が存在していても、また、反応温度が100℃という高温であっても、酸化や重合、エピメリ化などの副反応を抑制しながら、非常に短時間で、ポリフェノールから対応するポリフェノールのアルキル誘導体を製造することが可能である。
【0031】
[実施例2] 反応時間の比較
塩基に酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)を用い、反応温度を100℃、そして、反応時間を2分〜600分間とした以外は、実施例1に記載の方法に従って、EGCgから4”Me−EGCgを製造した。
結果を、表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2のNo.1およびNo.2が示すように、反応開始直後には既に、目的物である4”Me−EGCgが35%生成し、反応開始5分後には47%生成していた。この結果が示すように、ポリフェノールに、酢酸塩とアルキル化剤とを作用させることによって、非常に短時間で、ポリフェノールから対応するポリフェノールのアルキル誘導体を製造することができる。
また、No.1〜7が示すように、反応系内に酸素が存在し、さらに、100℃という高温下であっても、酸化や重合などの副反応はほとんど起こらず、反応時間を600分としたNo.7であっても、目的物の収率と原料回収率との合計は71%と非常に高い値となった。
【0034】
[実施例3] 反応温度の比較
塩基に酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)を用い、反応時間を5分間、そして、反応温度を室温〜120℃とした以外は、実施例1に記載の方法に従って、EGCgから4”Me−EGCgを製造した。
結果を、表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
表3のNo.1が示すように、室温という低い反応温度であっても、反応開始からわずか5分後には、目的物である4”Me−EGCgが生成した。また、No.7が示すように、120℃という非常に高い反応温度であっても、原料回収率と目的物の収率との合計は90%と非常に高く、酸化や重合などの副反応は、ほとんど起こらなかった。
これらの結果が示すように、ポリフェノールに、酢酸塩とアルキル化剤とを作用させることによって、低い反応温度であっても、高い反応温度であっても、酸化や重合、エピメリ化などの副反応を抑制しながら、非常に短時間で、ポリフェノールから対応するポリフェノールのアルキル誘導体を製造することができる。特に、50℃〜120℃の範囲においては、酸化や重合、エピメリ化などの副反応をより抑制しながら、非常に短時間で、ポリフェノールからポリフェノールのアルキル誘導体を23%以上の高収率で製造することができ、さらに、70℃〜120℃の範囲においては、これらの副反応をより抑制しながら、非常に短時間で、ポリフェノールからポリフェノールのアルキル誘導体を約35%以上もの極めて高収率で製造することができる。
【0037】
[実施例4] 反応温度の比較
反応温度を100℃、反応時間を5分間と一定にし、塩基に酢酸ナトリウム(2.0当量〜8.0当量)を、そして、ヨウ化メチル(4.0当量〜16.0当量)を用いた以外は、実施例1に記載の方法に従って、EGCgから4”Me−EGCgを製造した。
結果を、表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
No.1が示すように、酢酸ナトリウムの量が2.0当量、そして、ヨウ化メチルの量が4.0当量と、原料であるEGCgに対して少過剰量を用いた場合であっても、反応開始5分後には、30%もの収率で目的物である4”Me−EGCgが生成した。
また、No.2〜No.4が示すように、酢酸ナトリウムの量が4.0当量以上であって、ヨウ化メチルの量が8.0当量以上である場合には、いずれの場合にも、約45%以上の収率で目的物を得ることが出来た。
【0040】
[実施例5] 様々なポリフェノールのアルキル化
(a)GCg
GCg(56.4mg、0.12mmol)をDMF(0.41mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(40.4mg、0.49mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(59.4μL、0.98mmol、8.0当量)とを加え、100℃で5分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間33.4分に未反応のGCg23.4mg(回収率:41.5%)を得、保持時間58.8分に下記構造式で表される4”Me−GCg24.8mg(収率:42.6%)を得た。
【0041】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表5】
【0042】
【化7】
【0043】
得られた4”Me−GCgは、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
4”Me-GCg
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 2.77 (1H, dd, J = 16.6, 5.3), 2.82 (1H, dd, J = 16.6, 4.8), 3.83 (3H, s), 5.13 (1H, d, J = 5.3), 5.40(1H, m), 5.97 (1H, d, J = 2.2), 6.05 (1H, d, J = 2.2), 6.47 (2H, bs), 7.01 (2H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d
6): 23.6, 60.6, 70.6, 78.5, 95.4, 96.3, 98.9, 106.1, 109.8, 126.3, 130.7, 133.3, 140.5, 146.5, 151.1, 156.1, 157.2, 158.0 165.8
MS (ESI) m/z : 471.1 (M
-)
【0044】
(b)ナリンゲニン
ナリンゲニン(81.7mg、0.30mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.20mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(144.8μL、2.40mmol、8.0当量)を加え、100℃で5分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間25.1分に未反応のナリンゲニン34.6mg(回収率:42.4%)を得、保持時間46.6分に下記構造式で表される7Me−ナリンゲニン27.3mg(収率:31.8%)を得た。
【0045】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表6】
【0046】
【化8】
【0047】
得られた7Me−ナリンゲニンは、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
7Me--naringenin
1H-NMR (700 MHz, DMSO-d
6): 3.77 (3H, s), 2.71 (1H, dd, J = 17.3, 2.8), 3.29 (1H, dd, J = 17.3, 13.1), 5.46 (1H, dd, J = 13.1, 2.8), 6.07 (1H, d, J = 2.2), 6.09 (1H, d, J = 2.2), 6.79 (2H, d, J = 8.4), 7.31 (2H, d, J = 8.4), 12.1 (1H, bs)
13C-NMR (175 MHz, DMSO-d
6): 42.3, 56.1, 78.9, 94.0, 94.9, 102.8, 115.4, 115.4, 128.6, 128.6, 128.9, 158.0, 163.1, 163.4, 167.6, 172.3, 197.2
MS (ESI) m/z : 285.3 (M
-)
【0048】
(c)trans-レスベラトロール
trans-レスベラトロール(162.1mg、0.71mmol)をDMF(2.4mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(233.0mg、2.84mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(342.7μL、5.68mmol、8.0当量)を加え、100℃で5分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間23.4分に未反応のtrans-レスベラトロール134.2mg(回収率:82.8%)を得、保持時間46.6分に下記左側の構造式で表されるtrans-3Me−レスベラトロール3.8mg(収率:2.2%)を得、そして、下記右側の構造式で表される保持時間49.8分にtrans-4’Me−レスベラトロール5.3mg(収率:3.1%)を得た。
【0049】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表7】
【0050】
【化9】
【0051】
得られたtrans-3Me−レスベラトロール、および、trans-4’Me−レスベラトロールは、それぞれ、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
trans-4’Me-resveratrol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.80 (3H, s), 6.27 (1H, dd, J = 1.8, 1.8), 6.54 (2H, d, J = 1.8), 6.91 (2H, d, J = 8.4), 6.92 (1H, d, J = 16.4), 7.03 (1H, d, J = 16.4), 7.49 (2H, d, J = 8.4), 8.24 (2H, bs)
13C-NMR (175MHz, acetone-d
6): 55.5, 102.7, 105.7, 105.7, 114.9, 114.9, 127.5, 128.6, 128.6, 128.7, 130.9, 140.7, 159.5, 159.5, 160.3
MS (ESI) m/z : 241.3 (M
-)
trans-3Me-resveratrol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.76 (3H, s), 6.30 (1H, bs), 6.62 (2H, bs), 6.83 (2H, d, J = 8.0), 6.92 (1H, d, J = 16.0), 7.08 (1H, d, J = 16.0), 7.42 (2H, d, J = 8.0)
13C-NMR (175MHz, acetone-d
6): 55.4, 101.3, 103.9, 106.6, 116.4, 116.4, 126.6, 128.7, 128.7, 129.4, 129.8, 140.8, 158.2, 159.5, 162.0
MS (ESI) m/z : 241.3 (M
-)
【0052】
(d)trans-ピセアタンノール
trans-ピセアタンノール(131.9mg、0.54mmol)をDMF(1.8mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(177.2mg、2.16mmol、4.0当量)とヨウ化メチル(260.6μL、4.32mmol、8.0当量)を加え、100℃で5分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間24.7分に未反応のtrans-ピセアタンノール85.5mg(回収率:64.8%)を得、保持時間42.9分に下記左上の構造式で表されるtrans-3Me−ピセアタンノール11.3mg(収率:8.1%)を得、保持時間45.1分に下記右上の構造式で表されるtrans-4Me−ピセアタンノール18.0mg(収率:12.9%)を得、保持時間51.7分に下記左下の構造式で表されるtrans-3’Me−ピセアタンノール2.0mg(収率:1.4%)を、そして、保持時間54.6分に下記右下の構造式で表されるtrans-3,4diMe−ピセアタンノール1.5mg(収率:1.0%)を得た。
【0053】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表8】
【0054】
【化10】
【0055】
得られたtrans-3Me−ピセアタンノール、trans-4Me−ピセアタンノール、trans-3’Me−ピセアタンノール、および、trans-3,4diMe−ピセアタンノールは、それぞれ、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
trans-3Me-piceatannol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.88 (3H, s), 6.26 (1H, dd, J = 2.2, 2.2), 6.53 (2H, d, J = 2.2), 6.80 (1H, d, J = 7.9), 6.91 (1H, d, J = 16.4), 7.00 (1H, d, J = 16.4), 7.01 (1H, dd, J = 7.9, 1.9), 7.21 (1H, d, J = 1.9), 7.73 (1H, bs), 8.23 (2H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d
6): 55.4, 101.8, 104.8, 104.8, 109.2, 115.1, 120.4, 126.2, 128.6, 129.6, 140.0, 146.7, 147.7, 158.7, 158.7
MS (ESI) m/z : 257.2 (M
-)
trans-4Me-piceatannol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.83 (3H, s), 6.27 (1H, dd, J = 2.2, 2.2), 6.55 (2H, d, J = 2.2), 6.88 (1H, d, J = 16.1), 6.91 (1H, d, J = 8.5), 6.97 (1H, dd, J = 8.5, 1.9), 6.98 (1H, d, J = 16.1), 7.09 (1H, d, J = 1.9), 7.63 (1H, bs), 8.25 (2H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d
6): 55.4, 101.9, 104.9, 104.9, 111.5, 112.4, 118.9, 126.8, 128.2, 130.9, 139.9, 146.7, 147.5, 158.7, 158.7
MS (ESI) m/z : 257.1 (M
-)
trans-3’Me-piceatannol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.76 (3H, s), 6.29 (1H, dd, J = 1.8, 2.2), 6.61 (2H, bs), 6.80 (1H, d, J = 8.4), 6.86 (1H, d, J = 16.4), 6.90 (1H, dd, J = 8.4, 1.8), 7.01 (1H, d, J = 16.4), 7.08 (1H, d, J = 1.8), 8.18 (3H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d
6): 55.6, 100.4, 103.1, 105.8, 113.0, 115.4, 119.2, 125.9, 128.9, 129.8, 140.0 145.3, 145.3, 158.7, 161.3
MS (ESI) m/z : 257.2 (M
-)
trans-3,4diMe-piceatannol
1H-NMR (700 MHz, acetone-d
6): 3.81 (3H, s), 3.85 (3H, s), 6.27 (1H, dd, J = 2.2, 2.2), 6.54 (2H, d, J = 2.2), 6.92 (1H, d, J = 8.4), 6.95 (1H, d, J = 16.4), 7.02 (1H, dd, J = 16.4), 7.06 (1H, dd, J = 8.4, 1.8), 7.22 (1H, bd, J = 1.8), 8.22 (2H, bs)
13C-NMR (175 MHz, acetone-d
6): 55.2, 55.2, 101.9, 104.9, 104.9, 109.4, 111.8, 120.0, 126.8, 128.3, 130.6, 139.9, 149.5, 149.7, 158.8, 158.8
MS (ESI) m/z : 271.1 (M
-)
【0056】
以上の結果が示すように、ポリフェノールに、酢酸塩とアルキル化剤とを作用させることによって、酸化や重合、エピメリ化などの副反応を抑制しながら、非常に短時間で、様々の構造を有するポリフェノールから対応するポリフェノールのアルキル誘導体を製造することが可能である。
【0057】
[実施例6] ポリフェノールの様々なアルキル化
(a)エチル化
テアビゴ
TM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)とヨウ化エチル(193.0μL、2.4mmol、8.0当量)を加え、100℃で5分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間28.5分に未反応のEGCg66.8mg(回収率:48.6%)を得、そして、保持時間49.2分に4”Et−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−(4−O−エチル)ガレート)60.2mg(収率:41.3%)を得た。
【0058】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表9】
【0059】
得られた4”Et−EGCgは、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
4”Et-EGCg
1H-NMR (500 MHz, CD
3OD): 1.30 (3H, t, J = 7.0), 2.84 (1H, dd, J = 17.5, 2.5), 2.98 (1H, dd, J = 17.5, 5.0), 4.09 (2H, q, J = 7.0), 4.97 (1H, bs), 5.53(1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.49 (2H, bs), 6.91 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD
3OD): 15.6, 26.8, 69.3, 70.3, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.2, 126.4, 130.7, 133.8, 139.8, 146.7, 151.7, 157.2, 157.8, 157.9, 167.2
MS (ESI) m/z : 485.1 (M
-)
【0060】
(b)ペンチル化
テアビゴ
TM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)と1−ヨウ化ペンチル(312.7μL、2.4mmol、4.0当量)を加え、85℃で120分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間48.2分に4”pentyl−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−(4−O−n−ペンチル)ガレート)26.3mg(収率:16.6%)を得た。
【0061】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表10】
【0062】
得られた4”pentyl−EGCgは、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
4”pentyl-EGCg
1H-NMR (500 MHz, CD
3OD): 0.90 (3H, dd, J = 7.3, 7.0), 1.31-1.40 (4H, overlapping), 1.72 (2H, m), 2.84 (1H, dd, J = 17.4, 2.3), 2.98 (1H, dd, J = 17.4, 4.8), 4.01 (2H, t, J = 7.2), 4.97 (1H, bs), 5.53 (1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.49 (2H, bs), 6.92 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD
3OD): 14.4, 23.5, 26.9, 29.0, 30.6, 70.2, 73.9, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.3, 126.2, 130.7, 133.8, 140.2, 146.7, 151.6, 157.2, 157.8, 157.9, 167.2
MS (ESI) m/z : 527.1 (M
-)
【0063】
(c)デシル化
テアビゴ
TM(EGCg≧94%、137.5mg、0.3mmol)をDMF(1.0mL)に溶解した後、酢酸ナトリウム(98.4mg、1.2mmol、4.0当量)と1−ヨウ化デシル(510.8μL、2.4mmol、8.0当量)を加え、85℃で120分間撹拌した。その後、ODS−HPLCにより分離・精製を行い、保持時間60.4分に4”decyl−EGCg((−)−エピガロカテキン−3−(4−O−n−デシル)ガレート)30.9mg(収率:17.2%)を得た。
【0064】
<<ODS−HPLCによる分離・精製の条件>>
カラム:Mightysil RP−18GP 20×250mm(粒子径:5μm)関東化学株式会社製
検出波長:210nm
流速:5.0mL/min
展開溶媒:H
2O+5%AcOH/MeCN+5%AcOH
【表11】
【0065】
得られた4”decyl−EGCgは、
1H−NMRおよび
13C−NMRの測定、並びに、質量分析によって、目的物であると同定した。
4”decyl-EGCg
1H-NMR (500 MHz, CD
3OD): 0.87 (3H, dd, J = 7.0, 6.9), 1.22-1.32 (12H, overlapping), 1.39 (2H, m), 1.71 (2H, m), 2.85 (1H, dd, J = 17.3, 2.2), 2.98 (1H, dd, J = 17.3, 4.7), 4.01 (2H, t, J = 7.0), 4.97 (1H, bs), 5.53 (1H, m), 5.95 (2H, bs), 6.50 (2H, bs), 6.92 (2H, bs)
13C-NMR (125 MHz, CD
3OD): 14.4, 23.7, 26.8, 26.8, 30.4, 30.5, 30.7, 30.7, 30.9, 33.0, 70.2, 73.9, 78.5, 95.9, 96.5, 99.3, 106.8, 110.3, 126.2, 130.7, 133.7, 140.2, 146.7, 151.6, 157.2, 157.8, 157.9, 167.2
MS (ESI) m/z : 597.2 (M
-)
【0066】
以上の結果が示すように、ポリフェノールに、酢酸塩とアルキル化剤とを作用させることによって、酸化や重合、エピメリ化などの副反応を抑制しながら、非常に短時間で、ポリフェノールから、対応するポリフェノールの様々なアルキル誘導体を製造することが可能である。