【文献】
大槻知明他,マルチキャリア重畳伝送における残留電力に基づく干渉波検出 −干渉帯域検出−,電子情報通信学会2012年総合大会,2012年 3月 6日,B-5-146,p. 545
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが異なる所定の中心周波数に位置するデータサブキャリアとパイロットサブキャリアとを含む受信信号から抽出されたパイロットサブキャリアごとに基準の伝送路推定値を求める基準伝送路推定値算出部と、
受信信号において希望波に干渉波が重畳している干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用して、受信信号におけるデータサブキャリアの伝送路推定値を求める伝送路推定部とを備え、
前記伝送路推定部は、
干渉帯域に含まれていない2つのパイロットサブキャリアの間に存在するデータサブキャリアの伝送路推定値を、前記2つのパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用した内挿補間によって算出する内挿補間部と、
干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアと干渉帯域に含まれるパイロットサブキャリアとの間に存在するデータサブキャリアの伝送路推定値を、前記干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用した外挿補間によって算出する外挿補間部と、
干渉帯域に存在するデータサブキャリアについてゼロの伝送路推定値を設定するマスキング部とを備える
伝送路推定器。
それぞれが異なる所定の中心周波数に位置するデータサブキャリアとパイロットサブキャリアとを含む受信信号から抽出されたパイロットサブキャリアごとに基準の伝送路推定値を求める基準伝送路推定値算出ステップと、
受信信号において希望波に干渉波が重畳している干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用して、受信信号におけるデータサブキャリアの伝送路推定値を求める伝送路推定ステップとを備え、
前記伝送路推定ステップは、
干渉帯域に含まれていない2つのパイロットサブキャリアの間に存在するデータサブキャリアの伝送路推定値を、前記2つのパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用した内挿補間によって算出する内挿補間ステップと、
干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアと干渉帯域に含まれるパイロットサブキャリアとの間に存在するデータサブキャリアの伝送路推定値を、前記干渉帯域に含まれていないパイロットサブキャリアの伝送路推定値を利用した外挿補間によって算出する外挿補間ステップと、
干渉帯域に存在するデータサブキャリアについてゼロの伝送路推定値を設定するマスキングステップとを備える
伝送路推定方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[受信装置の構成例]
以下、本実施形態の受信装置について説明する。
本実施形態の受信装置は、送信装置が等電力変調方式により変調し、マルチキャリア重畳伝送方式により伝送する送信信号を受信し、受信信号について復調と誤り訂正符号化を行って受信データを得る。
ここで、等電力変調方式とは、ビット列を複数のシンボルに変調するデジタル変調方式のうち、振幅が一定であり位相の違いにより各シンボルを識別するデジタル変調方式のことをいう。例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying:二位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)などが等電力変調方式である。また、以降においては、マルチキャリア重畳伝送方式として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)伝送方式を採用した場合について説明する。
また、本実施形態において送信装置と受信装置との間で伝送される信号はそれぞれが異なる中心周波数のサブキャリアが多重化されて形成される。また、サブキャリアは、データの信号に対応するデータサブキャリアと、伝送路推定のための基準信号に対応するパイロットサブキャリアとを含む。
【0021】
図1は、本実施形態における受信装置の構成例を示す図である。
図1に示す受信装置100は、アンテナ101、復調復号部102、伝送路推定器103及び干渉帯域検出部104を備える。
【0022】
復調復号部102は、アンテナ101を介して受信した受信信号について復調及び復号(復調復号)を実行する。
復調復号部102は、バンドパスフィルタ111、OFDM復調器112、振幅位相歪補正器113、復調器114、信号抑圧器115、並直列変換器116及びFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)復号器117を備える。
【0023】
復調復号部102において、バンドパスフィルタ111は、アンテナ101を介して受信した受信信号のうち、自装置が復調復号の対象としている信号を含む希望波が存在している周波数帯域以外の成分を抑圧(帯域制限)し、当該周波数帯域の成分を含む信号を出力する。
【0024】
OFDM復調器112は、バンドパスフィルタ111が出力する信号に対してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して、サブキャリア(データサブキャリア及びパイロットサブキャリア)ごとの信号を復調する。
【0025】
振幅位相歪補正器113は、伝送路推定器103がパイロットサブキャリアを利用して推定したデータサブキャリアの伝送路特性(伝送路推定値)Stpを利用して、伝送路において生じた振幅及び位相の歪みの補正を各データサブキャリアの信号に対して行う。
【0026】
復調器114は、振幅位相歪補正器113が補正するデータサブキャリアの信号ごとに、送信装置において用いられている変調方式に対応した復調を行う。復調器114は、復調により得られたデータサブキャリアの信号を信号抑圧器115に出力する。なお、復調器114において用いられる復調は、前述の等電力変調方式に対応する復調である。
【0027】
信号抑圧器115は、干渉帯域検出部104が検出した干渉帯域を示す干渉帯域情報Sinfに基づいて干渉帯域の信号を抑圧する。
【0028】
ここで、干渉帯域について説明する。
図2は、希望波に干渉波が重畳した状態例を示す図である。
図2(A)は、受信装置100が本来受信すべき希望波Wdsを周波数領域により示している。
図2(B)は、希望波Wdsの送信元ではない他の送信装置が送信する送信波Wtxを周波数領域により示している。希望波Wdsと送信波Wtxの周波数帯域は異なっているが、互いに重複している帯域部分が存在する。
例えば、受信装置100が送信波Wtxを送信する送信装置の通信範囲内に位置しているような場合、受信装置100は、希望波Wdsと送信波Wtxとが空間で合成された電波を受信する。これにより、受信装置100は、
図2(C)に示すように、希望波Wdsに対して送信波Wtxが干渉波Winfとして重畳された受信信号を受信する。
そして、
図2(C)の受信信号において、希望波Wdsに干渉波Winfが重畳している周波数帯域が干渉帯域Binfである。
【0029】
受信信号に干渉帯域Binfが存在している場合、干渉帯域Binfにおいて希望波Wdsの信号に干渉波Winfの信号が重畳するため、例えば誤り訂正復号による誤り訂正率を低下させるなどの通信特性の劣化を招く。このために、受信信号の復調復号にあたっては干渉波Winfの影響による通信特性の劣化を抑制することが求められる。
【0030】
そこで、本実施形態においては、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアの信号を信号抑圧器115により抑圧することで干渉波Winfの影響を抑制する。
具体的に、信号抑圧器115は、復調器114により復調された各データサブキャリアの信号のうち、干渉帯域情報Sinfが示す干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアの信号を「0」(ゼロ)に置換することにより抑圧する。一方、信号抑圧器115は、復調器114が復調した各サブキャリアの信号のうち、干渉帯域情報Sinfが示す干渉帯域Binfに含まれないサブキャリアの信号については、「0」に置換することなくそのままの値を出力する。
なお、信号抑圧器115は、データサブキャリアの信号を「0」に置換するのに代えて、以下のように信号を抑圧してもよい。つまり、信号抑圧器115は、干渉帯域検出部104が干渉帯域Binfを検出する過程において算出する誤差電力などに応じた重み付け値によりデータサブキャリアの信号の値を変換することにより抑圧を行ってもよい。
【0031】
並直列変換器116は、信号抑圧器115から入力される信号列に対してパラレル−シリアル変換を行い、1つの信号列に変換して、FEC復号器117に出力する。
FEC復号器117は、並直列変換器116から入力される信号列に対して誤り訂正復号を実行することにより受信データとしてのビット列を復元する。FEC復号器117は、復元した受信ビット列を不図示の上位の装置などに出力する。
【0032】
伝送路推定器103は、OFDM復調器112が復調する受信信号と干渉帯域検出部104が出力する干渉帯域情報Sinfとを利用して伝送路推定値を算出する。伝送路推定値は、伝送路推定器103が推定した送信装置と自装置との間の伝送路特性についての推定結果であり、例えば、受信信号が伝送路を経由したことによる振幅及び位相の変化を示す。
伝送路推定器103は、OFDM復調器112が復調するサブキャリアごとの信号を入力し、入力したサブキャリアにおけるパイロットサブキャリアを基準信号として利用してデータサブキャリアごとに伝送路推定値を算出する。
【0033】
干渉帯域検出部104は、バンドパスフィルタ111から入力する受信信号において希望波Wdsに干渉波Winfが重畳している干渉帯域Binfを検出する。干渉帯域検出部104は、検出した干渉帯域Binfを示す干渉帯域情報Sinfを復調復号部102における信号抑圧器115と、伝送路推定器103に出力する。
【0034】
[基本的な伝送路推定処理例]
図3は、パイロットサブキャリアを利用した基本的な伝送路推定の処理の一例を示す図である。
図3を参照して、本実施形態の伝送路推定器103が実行する伝送路推定としての基本的な処理の一例について説明する。
図3(A)は、希望波Wdsに対応する受信信号を周波数領域により示している。このように、希望波Wdsの受信信号は、それぞれが異なる中心周波数による複数のサブキャリアが配置されて形成される。同図においては、中心周波数fo1〜fo25によるサブキャリアが配置されている。前述のように、サブキャリアは、種別としてパイロットサブキャリアとデータサブキャリアがある。
図3(A)において、パイロットサブキャリアpscは、中心周波数fo1、fo5、fo12、fo16、fo21及びfo25のサブキャリアとして配置されている。データサブキャリアdscは、中心周波数fo2〜fo4、fo6〜fo11、fo13〜fo15、fo17〜fo20、fo22〜fo24のサブキャリアとして配置されている。
【0035】
伝送路推定器103は、
図3(A)の受信信号からパイロットサブキャリアpscを抽出し、抽出したパイロットサブキャリアpscごとに伝送路推定を実行する。本実施形態における伝送路推定器103は、伝送路推定として、伝送路特性を示す所定のパラメータの値(伝送路特性値)を算出する。具体的に、伝送路推定器103は、伝送路推定値として、パイロットサブキャリアpscの信号の振幅及び位相を求める。
図3(B)は、
図3(A)のパイロットサブキャリアpscごとの伝送路推定値である振幅についての算出結果の一例を示している。
図3(C)は、
図3(A)のパイロットサブキャリアpscごとの伝送路推定値である位相についての算出結果の一例を示している。
図3(B)と
図3(C)のように求められたパイロットサブキャリアpscごとの伝送路推定値(振幅、位相)は、以降説明するようにデータサブキャリアdscの伝送路推定を行う(伝送路推定値を算出する)ための基準値である。
【0036】
そして、伝送路推定器103は、
図3(B)のように求められたパイロットサブキャリアpscの振幅を利用してデータサブキャリアdscの伝送路推定値としての振幅を算出する。
この際、伝送路推定器103は、推定対象のデータサブキャリアdscの前後において最も近接している2つのパイロットサブキャリアpscの振幅を利用して内挿補間を実行する。この内挿補間により求められた値が、推定対象のデータサブキャリアdscの振幅である。
【0037】
具体的に、伝送路推定器103は、中心周波数fo2〜fo4のデータサブキャリアdscについては、それぞれ、中心周波数fo1、fo5のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間により振幅を算出する。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo6〜fo11のデータサブキャリアdscについては、それぞれ、中心周波数fo5、fo12のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間により振幅を算出する。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo13〜fo15のデータサブキャリアdscについては、それぞれ、中心周波数fo12、fo16のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間により振幅を算出する。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo17〜fo20のデータサブキャリアdscについては、それぞれ、中心周波数fo16、fo21のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間により振幅を算出する。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo22〜fo24のデータサブキャリアdscについては、それぞれ、中心周波数fo21、fo25のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間により振幅を算出する。
図3(D)は、上記のように伝送路推定器103が内挿補間を行って算出したデータサブキャリアdscごとの伝送路推定値としての振幅を示している。
【0038】
また、伝送路推定器103は、伝送路推定値としての位相についても、振幅と同様に、
図3(c)に示すパイロットサブキャリアpscのうち、推定対象のデータサブキャリアdscに最も近接している2つのパイロットサブキャリアpscの位相を利用した内挿補間により算出する。
図3(E)は、上記のように伝送路推定器103が内挿補間を行って算出したデータサブキャリアdscごとの伝送路推定値としての位相を示している。
【0039】
図4は、基本的な伝送路推定の処理を干渉波が重畳した受信信号に適用した場合の結果例を示す図である。
図4(A)は、
図3(A)に示した希望波Wdsの信号成分に対して干渉波Winfが重畳した状態の受信信号を周波数領域により示している。
図4(A)では、干渉波Winfが、中心周波数fo20〜fo25のサブキャリアを含む周波数帯域と重複している状態が示されている。この場合の干渉帯域Binfは、中心周波数fo20〜fo25のサブキャリアを含む周波数帯域になる。
干渉帯域Binfにおいては干渉波Winfの信号の成分が重畳しているために、干渉帯域Binfに含まれるサブキャリアの信号には誤差が生じている。このため、伝送路推定器103が、干渉波Winfに含まれているパイロットサブキャリアpscの伝送路推定を行った場合には、誤った伝送路推定値が求められる場合がある。
【0040】
図4(B)においては、伝送路推定器103が伝送路推定値としての振幅をパイロットサブキャリアpscごとに求めた結果として、干渉帯域Binfに含まれる中心周波数fo21のパイロットサブキャリアpscについて、誤った値が求められた例を示している。
また、
図4(C)においては、伝送路推定器103が伝送路推定値としての位相をパイロットサブキャリアpscごとに求めた結果として、同じ中心周波数fo21のパイロットサブキャリアpscについて、誤った値が求められた例を示している。
【0041】
例えば、伝送路推定器103が、
図4(B)に示すパイロットサブキャリアpscの振幅を利用した内挿補間によりデータサブキャリアdscの振幅を求めた場合には、データサブキャリアdscの振幅についても誤った値が求められる。
つまり、例えば
図4(D)に示すように、中心周波数fo16、fo21のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用して内挿補間により求められる中心周波数fo17〜fo20のデータサブキャリアdscの振幅は、
図3(D)とは異なる値が求められる。
同様に、同じ
図4(D)に示すように、中心周波数fo21、fo25のパイロットサブキャリアpscの振幅を利用して内挿補間により求められる中心周波数fo22〜fo24のデータサブキャリアdscの振幅も、
図3(D)とは異なる値が求められる。
【0042】
また、中心周波数fo17〜fo20と中心周波数fo22〜fo24の各データサブキャリアdscの位相についても、例えば
図4(E)に示すように、
図3(E)とは異なる値が求められる。
【0043】
このように誤った値の伝送路推定値(振幅、位相)を利用して
図1の振幅位相歪補正器113が信号の補正を行った場合には、最終的にFEC復号器117が出力する信号についての誤り率(エラーレート)が高くなってしまい、受信データの品質を劣化させることになる。
【0044】
[基本的な伝送路推定処理例]
そこで、本実施形態の伝送路推定器103は、以下のようにして干渉波Winfの影響による推定精度の低下を抑制する。
図5は、本実施形態の伝送路推定器が実行する伝送路推定の処理の一例を示す図である。
図5(A)は、
図4(A)と同様の状態により希望波Wdsに対して干渉波Winfが重畳している受信信号を示している。
伝送路推定器103は、例えば、まず受信信号におけるパイロットサブキャリアpscごとに伝送路推定を行い、伝送路推定値としての振幅、位相を求める。
図5(B)と
図5(C)には、それぞれ、パイロットサブキャリアpscごとに求めた伝送路推定値としての振幅、位相が示されている。なお、
図5(B)と
図5(C)は、それぞれ、
図4(B)と
図4(C)と同様の結果が示されている。つまり、
図5(B)と
図5(C)には、中心周波数fo21のパイロットサブキャリアpscにおける伝送路推定値(振幅、位相)が誤って求められた例が示されている。
【0045】
本実施形態の伝送路推定器103は、干渉帯域検出部104から干渉帯域情報Sinfを入力することにより、干渉帯域情報Sinfが示す干渉帯域を認識する。
伝送路推定器103は、干渉帯域Binfに含まれていない2つのパイロットサブキャリアpscの間に含まれるデータサブキャリアdscについては、
図3にて説明したのと同様に内挿補間を行って伝送路推定値(振幅、位相)を算出する。
【0046】
図5の例では、中心周波数fo1、fo5、fo12、fo16のパイロットサブキャリアpscが干渉帯域Binfに含まれていない。
そこで、伝送路推定器103は、中心周波数fo2〜fo4のデータサブキャリアdscについては、
図5(D)及び
図5(E)に示すように、中心周波数fo1、fo5のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用した内挿補間により伝送路推定値を求める。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo6〜fo11のデータサブキャリアdscについては、中心周波数fo5、fo12のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用した内挿補間により伝送路推定値を求める。
伝送路推定器103は、中心周波数fo13〜fo15のデータサブキャリアdscについては、中心周波数fo12、fo16のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用した内挿補間により伝送路推定値を求める。
【0047】
また、伝送路推定器103は、干渉帯域Binfに含まれていないデータサブキャリアdscのうちで、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに存在するパイロットサブキャリアpscとの間に含まれるデータサブキャリアdscについては、以下のように伝送路推定値(振幅、位相)を算出する。
この場合、伝送路推定器103は、最も近接する2つのパイロットサブキャリアpscのうち、干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscは使用しない。伝送路推定器103は、2つのパイロットサブキャリアpscのうち、干渉帯域Binfに含まれていないほうのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用して外挿補間することにより伝送路推定値(振幅、位相)を求める。
【0048】
具体的に、
図5の例では、干渉帯域Binfに含まれていないデータサブキャリアdscのうち、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに存在するパイロットサブキャリアpscとの間に含まれるデータサブキャリアdscは、中心周波数fo17、fo18、fo19のデータサブキャリアdscである。
これらのデータサブキャリアdscの前後に含まれるパイロットサブキャリアpscは、中心周波数fo16、fo21のパイロットサブキャリアpscである。中心周波数fo16のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれ
ないが、中心周波数fo21のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれる。
【0049】
そこで、伝送路推定器103は、
図5(D)及び
図5(E)に示すように、中心周波数fo17、fo18、fo19のデータサブキャリアdscについては、干渉帯域Binfに含まれていない中心周波数fo16のパイロットサブキャリアpscを利用した外挿補間によって振幅と位相の各伝送路推定値を算出する。
【0050】
また、伝送路推定器103は、干渉帯域Binfに含まれる中心周波数fo20、fo22、fo23、fo24の各データサブキャリアdscについては、
図5(D)及び
図5(E)に示すように、振幅及び位相の伝送路推定値について、それぞれ、「0」(ゼロ)の値を設定するというマスキングを行う。
「0」の振幅及び位相としての伝送路推定値は、最も曖昧であり、中間的な値である。例えば、誤った値によるパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を内挿補間して求められるデータサブキャリアdscの伝送路推定値は、正しい値から大きく乖離している可能性があり、この場合の推定精度は著しく低下する。このような状況と比較した場合、「0」の伝送路推定値のほうが推定精度は高くなる。そこで、本実施形態においては、推定精度の著しい低下を抑制して一定水準以上の推定精度を維持するために、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアdscの伝送路推定値について「0」を設定する。
【0051】
なお、例えば、伝送路推定器103は、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアdscについて、例えば、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscのうちで最も近いパイロットサブキャリアpscを利用した外挿補間により伝送路推定値を算出してもよい。ただし、この場合には、外挿補間に利用するパイロットサブキャリアpscからの距離が遠くなるのに応じて伝送路推定値の精度は低く場合がある。
図5(D)、
図5(E)に示したように、「0」の伝送路推定値を設定すれば、パイロットサブキャリアpscからの距離に応じた精度の低下を抑制することが可能になる。
【0052】
図5の例は、希望波よりも高い周波数帯域の干渉波Winfが重畳した場合に対応している。しかし、本実施形態の伝送路推定器103は、希望波よりも低い周波数帯域の干渉波Winfが重畳した場合にも対応して伝送路推定値を求めることができる。
図6は、本実施形態の伝送路推定器が実行する伝送路推定の処理の一例を示す図である。
図6(A)は、
図5(A)と同じ希望波Wdsにおける中心周波数fo1〜fo3のサブキャリアに対して干渉波Winfが重畳した状態の受信信号を示している。つまり、
図6(A)の場合には、希望波Wdsよりも低い周波数帯域の干渉波Winfが重畳している。また、
図6(A)の例での干渉帯域Binfには、中心周波数fo1のパイロットサブキャリアpscと、中心周波数fo2、fo3のデータサブキャリアdscとが含まれる。
【0053】
図6(B)と
図6(C)には、それぞれ、パイロットサブキャリアpscごとに伝送路推定値としての振幅、位相を求めた結果として、中心周波数fo1のパイロットサブキャリアpscにおける伝送路推定値(振幅、位相)が誤って求められた例が示されている。
【0054】
図6(A)の例の場合、中心周波数fo5、fo12、fo16、fo21及びfo25のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれていない。
そこで、伝送路推定器103は、中心周波数fo5〜fo25の間に含まれるデータサブキャリアdscについては、
図6(D)、
図6(E)に示すように、内挿補間により伝送路推定値(振幅、位相)を算出する。
【0055】
また、
図6の例において、干渉帯域Binfに含まれていないデータサブキャリアdscのうちで、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscとの間に含まれるデータサブキャリアdscは、中心周波数fo4のデータサブキャリアdscである。
中心周波数fo4のデータサブキャリアdscの前後において含まれる2つのパイロットサブキャリアpscは、中心周波数fo1、fo5のパイロットサブキャリアpscである。中心周波数fo1のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれている。一方、中心周波数fo5のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれていない。
【0056】
そこで、伝送路推定器103は、
図5(D)及び
図5(E)に示すように、中心周波数fo5のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用した外挿補間によって、中心周波数fo4のデータサブキャリアdscの伝送路推定値(振幅、位相)を算出する。
【0057】
また、
図6の例において、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアdscは、中心周波数fo2、fo3のデータサブキャリアdscである。
そこで、伝送路推定器103は、
図6(D)、
図6(E)に示すように、中心周波数fo2、fo3のデータサブキャリアdscの振幅、位相としての伝送路推定値について、それぞれ「0」を設定する。
このように、伝送路推定器103は、希望波Wdsよりも低い干渉波Winfが重畳している状態においても、データサブキャリアdscの伝送路推定にあたり、内挿補間と外挿補間とゼロ置換とを適切に切り替えることができる。
【0058】
次に、
図7は、本実施形態の伝送路推定器が実行する伝送路推定の処理の一例を示す図である。
図7(A)は、希望波Wdsの中間の周波数帯域において干渉波Winfが重畳している状態の一例を示している。同図においては、中間周波数fo8〜fo13のサブキャリアが含まれる周波数帯域において干渉波Winfが重畳している例を示している。
【0059】
図7(B)と
図7(C)には、それぞれ、パイロットサブキャリアpscごとに伝送路推定値としての振幅、位相を求めた結果として、中心周波数fo12のパイロットサブキャリアpscにおける伝送路推定値(振幅、位相)が誤って求められた例が示されている。
【0060】
図7の例において、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscは、中心周波数fo1、fo5、fo16、fo21及びfo25である。
そこで、伝送路推定器103は、中心周波数fo1〜fo5の範囲に対応する周波数帯域に含まれる各データサブキャリアdscについては、
図7(D)及び
図7(E)に示すように、伝送路推定対象のデータサブキャリアdscの前後に存在する2つのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用して内挿補間を行う。これにより、中心周波数fo1〜fo5の間に存在する各データサブキャリアdscの伝送路推定値(振幅、位相)が算出される。
【0061】
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo16〜fo21の範囲に対応する周波数帯域に含まれる各データサブキャリアdscについても、同様に
図7(D)及び
図7(E)に示すように、伝送路推定対象のデータサブキャリアdscの前後に存在する2つのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用して内挿補間を行う。
また、伝送路推定器103は、中心周波数fo21〜fo25の間に含まれる各データサブキャリアdscについても、伝送路推定対象のデータサブキャリアdscの前後に存在する2つのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用して内挿補間を行う。
これにより、中心周波数fo16〜fo25に対応する周波数帯域に含まれる各データサブキャリアdscの伝送路推定値(振幅、位相)が算出される。
【0062】
また、
図7の例において、干渉帯域Binfに含まれていないデータサブキャリアdscのうちで、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscの間に存在しているのは、中心周波数fo6、fo7、fo8、fo14、fo15のデータサブキャリアdscである。
中心周波数fo6、fo7、fo8のデータサブキャリアdscの前方に存在する中心周波数fo5のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに存在していない。一方、中心周波数fo6、fo7、fo8の後方に存在する中心周波数fo12のパイロットサブキャリアpscは、干渉帯域Binfに含まれている。
また、中心周波数fo14、fo15の前方に存在する中心周波数fo12のパイロットサブキャリアpscは干渉帯域Binfに含まれている。一方、中心周波数fo14、fo15の後方に存在する中心周波数fo16のパイロットサブキャリアpscは、干渉帯域Binfに含まれていない。
【0063】
伝送路推定器103は、
図7(D)及び
図7(E)に示すように、中心周波数fo6、fo7、fo8のデータサブキャリアdscについて、中心周波数fo5のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用した外挿補間を行う。
また、伝送路推定器103は、同じく
図7(D)及び
図7(E)に示すように、中心周波数fo14、fo15のデータサブキャリアdscについて、中心周波数fo16のパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値(振幅、位相)を利用した外挿補間を行う。
これにより、中心周波数fo6、fo7、fo8、fo14、fo15の各データサブキャリアdscの伝送路推定値(振幅、位相)が算出される。
【0064】
また、
図7の例において、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアdscは、中心周波数fo9、fo10、fo11、fo13のデータサブキャリアdscである。
そこで、伝送路推定器103は、中心周波数fo9、fo10、fo11、fo13のデータサブキャリアdscの振幅、位相としての伝送路推定値について、それぞれ「0」を設定する。
このように、伝送路推定器103は、希望波Wdsの周波数帯域の中間において干渉波Winfが重畳している状態においても、データサブキャリアdscの伝送路推定にあたり、内挿補間と外挿補間とゼロ置換とを適切に切り替えることができる。
【0065】
[伝送路推定器の構成例]
次に、
図5〜
図7により説明した伝送路推定を実行するための本実施形態の伝送路推定器103の構成例について説明する。
【0066】
図8は、本実施形態の伝送路推定器103の構成例を示す図である。
図8の伝送路推定器103は、パイロットサブキャリア抽出部121、基準伝送路推定値算出部122、データサブキャリア選別部123及び伝送路推定部124を備える。
また、
図8においては、
図1の復調復号部102におけるOFDM復調器112も示されている。なお、
図1に示したように、OFDM復調器112から伝送路推定器103にはサブキャリアごとの信号が入力されるが、ここでは、図示を簡易なものとすることの便宜上、複数のサブキャリアの信号を1系統にまとめて示している。
【0067】
パイロットサブキャリア抽出部121は、ODFM復調器112から入力する信号からパイロットサブキャリアpscの信号を抽出する。
基準伝送路推定値算出部122は、パイロットサブキャリア抽出部121により抽出されたパイロットサブキャリアpscごとの信号を対象として伝送路推定を行い、伝送路推定値をパイロットサブキャリアpscごとに算出する。このように基準伝送路推定値算出部122が算出する伝送路推定値は、データサブキャリアdscの伝送路推定値を内挿補間又は外挿補間により算出するのにあたり、基準として利用される伝送路推定値(基準伝送路推定値)である。
【0068】
データサブキャリア選別部123は、干渉帯域検出部104から入力した干渉帯域情報Sinfが示す干渉帯域Binfに基づいて、OFDM復調器112から入力するサブキャリアについて、以下のように選別する。
【0069】
つまり、データサブキャリア選別部123は、干渉帯域Binfに含まれていない2つのパイロットサブキャリアpscの間に存在するデータサブキャリアdscを選別する。このように選別されたデータサブキャリアdscは、内挿補間対象のデータサブキャリアdscである。
また、データサブキャリア選別部123は、干渉帯域Binfに含まれていないデータサブキャリアdscのうちで、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscとの間に存在するデータサブキャリアdscを選別する。このように選別されたデータサブキャリアdscは、外挿補間対象のデータサブキャリアdscである。
また、データサブキャリア選別部123は、干渉帯域Binfに含まれるデータサブキャリアdscを選別する。このように選別されたデータサブキャリアdscは、マスキング対象のデータサブキャリアdscである。
【0070】
伝送路推定部124は、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用して、受信信号におけるデータサブキャリアdscの伝送路推定値を求める。
伝送路推定部124は、内挿補間部124a、外挿補間部124b、マスキング部124c及び推定値出力部124dを備える。
【0071】
内挿補間部124aは、干渉帯域Binfに含まれていない2つのパイロットサブキャリアpscの間に存在するデータサブキャリアdscの伝送路推定値(振幅、位相)を、これら2つのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用した内挿補間によって算出する。
つまり、内挿補間部124aは、データサブキャリア選別部123により内挿補間対象として選別されたデータサブキャリアdscごとに内挿補間を行って伝送路推定値を算出する。内挿補間部124aは、内挿補間にあたり、伝送路推定対象のデータサブキャリアdscの前後において最も近接して存在する2つのパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用する。
【0072】
外挿補間部124bは、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscと干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscとの間に存在するデータサブキャリアdscの伝送路推定値を、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用した外挿補間によって算出する。
つまり、外挿補間部124bは、データサブキャリア選別部123により外挿補間対象として選別されたデータサブキャリアdscごとに外挿補間を行ってデータサブキャリアdscごとの伝送路推定値(振幅、位相)を算出する。外挿補間部124bは、外挿補間にあたり、伝送路推定対象のデータサブキャリアdscの前後において最も近接して存在する2つのパイロットサブキャリアpscのうちで、干渉帯域Binfに含まれていないパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値を利用する。
【0073】
マスキング部124cは、データサブキャリア選別部123によりマスキング対象として選別されたデータサブキャリアdscの各々について「0」の伝送路推定値を設定するというマスキングを実行する。
【0074】
推定値出力部124dは、内挿補間部124aと外挿補間部124bとマスキング部124cとによる伝送路推定値の算出結果を示す伝送路特性Stpを、復調復号部102の振幅位相歪補正器113と干渉帯域検出部104に出力する。
このような構成により、伝送路推定器103は、
図5〜
図7により説明したように、干渉帯域Binfの存在に対応した伝送路推定を行うことができる。
【0075】
これまでの説明から理解されるように、本実施形態の伝送路推定器103は、データサブキャリアdscの伝送路推定を実行するにあたり、干渉帯域Binfに含まれているパイロットサブキャリアpscのみを利用し、干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscについては利用しない。これにより、干渉帯域Binfに含まれるパイロットサブキャリアpscの伝送路推定値の誤差がデータサブキャリアdscに及ぶことがなくなるために、伝送路推定の精度が著しく劣化することが無くなり、一定以上の水準の精度を維持できる。
そして、復調復号部102における振幅位相歪補正器113は、一定以上の水準の精度で推定された伝送路特性(伝送路推定値)により振幅と位相の補正を行う。これにより、振幅位相歪補正器113による補正結果についても一定以上の水準が維持され、復調復号部102が出力する受信データの誤り率の低下も抑制される。
【0076】
[干渉帯域検出部の構成例]
図9は、本実施形態における干渉帯域検出器の構成例を示す図である。
図9を参照して、
図1に示した干渉帯域検出部104の一構成例について説明する。
図9の干渉帯域検出部104は、PN系列生成器131、直並列変換器132、変調器133、振幅位相歪付与器134、OFDM変調器135、信号バッファ136、電力算出器137、電力算出器138、減算器139、干渉帯域検出器140を備える。
【0077】
PN系列生成器131は、ランダムなビット系列であるPN(Pseudorandom Noise:疑似ランダム雑音)系列を生成し、生成したPN系列を直並列変換器132に出力する。PN系列は、送信装置が送信する希望波Wdsとしての送信信号の代替として疑似的に生成した信号である。
【0078】
直並列変換器132は、PN系列生成器131から入力されるPN系列に対してシリアル−パラレル変換を行い、例えば送信装置と自装置との間における通信で用いられるサブキャリア数分の複数のビット列に変換して変調器133に出力する。
変調器133は、直並列変換器132から入力される複数のビット列の各々を、送信装置において用いられている変調方式と同じ変調方式を用いて変調する。変調器133は、複数のビット列を変調して得られた各サブキャリアに対応する信号を振幅位相歪付与器134に出力する。
【0079】
振幅位相歪付与器134は、伝送路推定器103から入力した伝送路特性Stpとしての伝送路推定値(振幅、位相)を用いて、変調器133から入力される各サブキャリアの信号に対し、伝送路において生じる振幅の変化と同等の振幅の変化(歪み)を与える。振幅位相歪付与器134は、歪みを付与した各サブキャリアの信号をOFDM変調器135に出力する。
【0080】
OFDM変調器135は、振幅位相歪付与器134から入力される各サブキャリアの信号に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換することにより参照信号を生成する。OFDM変調器135は、生成した参照信号を電力算出器138に出力する。
OFDM変調器135が出力する参照信号は、受信装置100が受信する受信信号における希望波の成分のみを疑似的に生成した信号である。
【0081】
信号バッファ136は、バンドパスフィルタ111により希望波の周波数帯域に帯域制限された受信信号を一時的に記憶する。
電力算出器137は、信号バッファ136から入力される受信信号の電力を算出する。この際、電力算出器137は、例えば信号バッファ136から入力される受信信号の各サブキャリアの電力を算出する。また、電力算出器137は、例えば受信信号の各サブキャリアの電圧又は電流を2乗して絶対値化することにより電力を算出することができる。
電力算出器138は、OFDM変調器135が出力する参照信号の各サブキャリアにおける電力を算出する。電力算出器138も、例えば電力算出器137と同様の構成により、参照信号の各サブキャリアの電力を算出することができる。
【0082】
減算器139は、電力算出器137が算出した受信信号の電力と、電力算出器138が算出した参照信号の電力とを減算することにより誤差電力Perを算出する。
受信信号は、希望波Wdsの成分と、希望波Wdsに重畳した干渉波Winfの成分とを含む。一方、参照信号は、希望波のみに対応する成分を含み、干渉波の成分は含まない。
受信信号と参照信号とを減算すれば、希望波の成分が打ち消し合うようにして抑圧される一方で、干渉波による電力の変動成分は打ち消し合うことなく残留する。このように減算器139の演算結果である誤差電力Perは、希望波Wdsのみによる受信信号の電力と、希望波Wdsに干渉波Winfが重畳した受信信号の電力との誤差を示す。
【0083】
干渉帯域検出器140は、減算器139から入力した誤差電力Perに基づいて干渉帯域Binfを検出する。このために、干渉帯域検出器140は、例えば誤差電力Perと予め定めた閾値とを比較し、誤差電力Perのレベルが閾値以上の周波数帯域を干渉帯域Binfとして検出すればよい。干渉帯域検出器140は、検出した干渉帯域Binfを示す干渉帯域情報Sinfを復調復号部の信号抑圧器115と伝送路推定器103とに対して出力する。
【0084】
なお、
図1に示すように、伝送路推定器103は、干渉帯域検出部104が検出する干渉帯域Binfの情報(干渉帯域情報Sinf)を利用し、干渉帯域検出部104は、伝送路推定器103が推定した伝送路特性Stpを利用する。この場合、例えば干渉帯域検出部104の検出精度は、伝送路推定器103の推定結果に依存し、伝送路推定器103の推定精度は、干渉帯域検出部104の検出精度に依存するというように、相互依存の関係にある。
しかし、干渉帯域検出部104が算出する誤差電力Perは、伝送路の推定精度が低下するのに応じて大きくなる。このため、干渉帯域検出部104は、伝送路推定器103の推定精度が低い状態であっても、高い精度で干渉帯域Binfを検出することができる。そして、伝送路推定器103は、このように検出された干渉帯域Binfを利用することで伝送路特性を求めることができる。
【0085】
また、干渉帯域検出部104は、
図9に示した構成に限定されない。例えば、非特許文献2に記載されている技術に準じて、例えば復調復号部102における信号抑圧器115が信号を抑圧する周波数帯域を試行的に可変させて仮復調復号を実行し、例えば誤り率が最小となる周波数帯域を干渉帯域Binfとして検出してもよい。
【0086】
また、
図1、
図8、
図9における受信装置の各機能部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより受信信号の復調復号を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0087】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0088】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。