【文献】
VEINOT, J. G. C.,Synthesis, surface functionalization, and properties of freestanding silicon nanocrystals,Chem. Commun.,2006年,p. 4160-4168
【文献】
白幡直人他,有機単分子安定化Siナノ粒子の1ステップ合成,第61回コロイドおよび界面化学討論会講演要旨集,2008年,p. 141
【文献】
保田英洋他,有機分子表面修飾Siナノ粒子の光学特性と電子構造,真空・表面科学合同講演会 第30回表面科学学術講演会要旨集 第51回真空に関する連合講演会予稿集,2010年,p. 13
【文献】
今村真幸他,硬X線光電子分光による有機分子表面修飾Siナノ粒子の電子状態の研究,日本物理学会講演概要集,2009年,第64巻第2号第4分冊,p. 635
【文献】
SHIRAHATA, N. et al.,Micro-emulsion synthesis of blue-luminescent silicon nanoparticles stabilized with alkoxy monolayers,Journal of Crystal Growth,2009年,Vol. 311,p. 634-637
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
図1は、この発明の実施の形態によるナノ粒子の概念図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態によるナノ粒子10は、炭化水素1と、シリコンナノ粒子2とを備える。
【0015】
炭化水素1は、カーボン(C)と水素(H)とが結合した構造、またはカーボン(C)、酸素(O)および水素(H)が結合した構造からなる。シリコンナノ粒子2は炭化水素1に接続される。そして、シリコンナノ粒子は、2〜3nmの粒径を有する。
【0016】
図2は、
図1に示すナノ粒子10の第1の具体例を示す概念図である。
図2を参照して、ナノ粒子10−1は、オクテン1−1と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクテン1−1は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクテン1−1は、8個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、15個の水素(H)が8個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)は、二重結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった8個のカーボン(C)のうち、右端のカーボン(C)に接続される。
【0017】
図3は、
図1に示すナノ粒子10の第2の具体例を示す概念図である。
図3を参照して、ナノ粒子10−2は、オクテン1−2と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクテン1−2は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクテン1−2は、8個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、14個の水素(H)が7個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)は、二重結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった8個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)に接続される。
【0018】
図4は、
図1に示すナノ粒子10の第3の具体例を示す概念図である。
図4を参照して、ナノ粒子10−3は、オクテン1−3と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクテン1−3は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクテン1−3は、8個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、15個の水素(H)が7個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)は、二重結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった8個のカーボン(C)のうち、右端から2個目のカーボン(C)に接続される。
【0019】
図5は、
図1に示すナノ粒子10の第4の具体例を示す概念図である。
図5を参照して、ナノ粒子10−4は、オクタン1−4と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクタン1−4は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクタン1−4は、8個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、17個の水素(H)が8個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった8個のカーボン(C)のうち、右端から2個目のカーボン(C)に接続される。
【0020】
図6は、
図1に示すナノ粒子10の第5の具体例を示す概念図である。
図6を参照して、ナノ粒子10−5は、オクタン1−5と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクタン1−5は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクタン1−5は、8個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、17個の水素(H)が8個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった8個のカーボン(C)のうち、右端のカーボン(C)に接続される。
【0021】
図7は、
図1に示すナノ粒子10の第6の具体例を示す概念図である。
図7を参照して、ナノ粒子10−6は、ヘキサン1−6と、シリコンナノ粒子2とを備える。ヘキサン1−6は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。ヘキサン1−6は、6個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、12個の水素(H)が6個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、6個のカーボン(C)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった6個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)に接続される。
【0022】
図8は、
図1に示すナノ粒子10の第7の具体例を示す概念図である。
図8を参照して、ナノ粒子10−7は、ヘキセン1−7と、シリコンナノ粒子2とを備える。ヘキセン1−7は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。ヘキセン1−7は、6個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、11個の水素(H)が5個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、6個のカーボン(C)のうち、右端の2個のカーボン(C)は、二重結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった6個のカーボン(C)のうち、右端から2個目のカーボン(C)に接続される。
【0023】
図9は、
図1に示すナノ粒子10の第8の具体例を示す概念図である。
図9を参照して、ナノ粒子10−8は、ヘキサン1−8と、シリコンナノ粒子2とを備える。ヘキサン1−8は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。ヘキサン1−8は、6個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、13個の水素(H)が6個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、6個のカーボン(C)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった6個のカーボン(C)のうち、右端から2個目のカーボン(C)に接続される。
【0024】
図10は、
図1に示すナノ粒子10の第9の具体例を示す概念図である。
図10を参照して、ナノ粒子10−9は、ヘキサン1−9と、シリコンナノ粒子2とを備える。ヘキサン1−9は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。ヘキサン1−9は、6個のカーボン(C)が直鎖状に繋がり、13個の水素(H)が6個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、6個のカーボン(C)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった6個のカーボン(C)のうち、右端のカーボン(C)に接続される。
【0025】
図11は、
図1に示すナノ粒子10の第10の具体例を示す概念図である。
図11を参照して、ナノ粒子10−10は、オクタノール1−10と、シリコンナノ粒子2とを備える。オクタノール1−10は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。オクタノール1−10は、8個のカーボン(C)および1個の酸素(O)が直鎖状に繋がり、17個の水素(H)が8個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、8個のカーボン(C)および1個の酸素(O)は、単結合からなり、1個の酸素(O)は、右端に配置される。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった1個の酸素(O)に接続される。この1個の酸素(O)には、本来、1個の水素(H)が結合しているが、酸素(O)と水素(H)との結合が切れて酸素(O)がシリコンナノ粒子2に接続される。
【0026】
図12は、
図1に示すナノ粒子10の第11の具体例を示す概念図である。
図12を参照して、ナノ粒子10−11は、エタノール1−11と、シリコンナノ粒子2とを備える。エタノール1−11は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。エタノール1−11は、2個のカーボン(C)および1個の酸素(O)が直鎖状に繋がり、5個のHが2個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、2個のカーボン(C)および1個の酸素(O)は、単結合からなり、1個の酸素(O)は、右端に配置される。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった1個の酸素(O)に接続される。この1個の酸素(O)には、本来、1個の水素(H)が結合しているが、酸素(O)と水素(H)との結合が切れて酸素(O)がシリコンナノ粒子2に接続される。
【0027】
図13は、
図1に示すナノ粒子10の第12の具体例を示す概念図である。
図13を参照して、ナノ粒子10−12は、メタノール1−12と、シリコンナノ粒子2とを備える。メタノール1−12は、
図1に示す炭化水素1の具体例である。メタノール1−12は、1個のカーボン(C)および1個の酸素(O)が直鎖状に繋がり、3個の水素(H)が1個のカーボン(C)に結合した構造からなる。そして、1個のカーボン(C)および1個の酸素(O)は、単結合からなる。シリコンナノ粒子2は、直鎖状に繋がった1個の酸素(O)に接続される。この1個の酸素(O)には、本来、1個の水素(H)が結合しているが、酸素(O)と水素(H)との結合が切れて酸素(O)がシリコンナノ粒子2に接続される。
【0028】
なお、上記においては、1個のオクテン1−1〜1−3、1個のオクタン1−4,1−5、1個のヘキサン1−6,1−8,1−9、1個のヘキセン1−7、1個のオクタノール1−10、1個のエタノール1−11および1個のメタノール1−12がシリコンナノ粒子2に結合していると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、オクテン1−1〜1−3、オクタン1−4,1−5、ヘキサン1−6,1−8,1−9、ヘキセン1−7、オクタノール1−10、エタノール1−11およびメタノール1−12は、複数個がシリコンナノ粒子2に結合していてもよい。
【0029】
また、オクテン1−1〜1−3、オクタン1−4,1−5、ヘキサン1−6,1−8,1−9、ヘキセン1−7、オクタノール1−10、エタノール1−11およびメタノール1−12は、カーボン(C)、またはカーボン(C)および酸素(O)が直鎖状に繋がった構造でなくてもよく、ジグザグ状に繋がった構造、または枝分かれした構造等であってもよく、一般的には、どのような構造からなっていてもよい。
【0030】
図14は、
図1に示すナノ粒子10を製造する製造装置の概略図である。
図14を参照して、製造装置100は、スターラー110と、攪拌子120と、容器130と、ミラー140,160,170,180と、レンズ150と、レーザ装置190とを備える。
【0031】
容器130は、四角柱の形状を有し、ガラス、石英およびサファイアのいずれかからなる。なお、容器130は、四角柱以外の形状からなっていてもよい。攪拌子120は、容器130の内部に設置される。そして、攪拌子120が入れられた容器130は、スターラー110上に設置される。
【0032】
レーザ装置190は、例えば、Nd:YAGレーザからなり、Nd:YAGレーザの2倍波である532nmの波長を有するレーザ光を出射する。このレーザ光は、パルス幅が10nsecであり、繰返し周波数が20Hzであり、フルーエンスが0.8J/cm
2であるパルス光からなる。
【0033】
ミラー180は、レーザ装置190から出射されたレーザ光をミラー170の方向へ反射する。ミラー170は、ミラー180によって反射されたレーザ光をミラー160の方向へ反射する。ミラー160は、ミラー170によって反射されたレーザ光をレンズ150の方向へ反射する。
【0034】
レンズ150は、ミラー160によって反射されたレーザ光を集光してミラー140に導く。ミラー140は、レンズ150によって集光されたレーザ光を容器130へ照射する。
【0035】
攪拌子120は、スターラー110から磁力を受け、その受けた磁力によって回転し、容器130内の溶液200を攪拌する。この場合、攪拌子120の回転数は、1200rpmである。スターラー110は、磁力によって攪拌子120を回転させる。
【0036】
図15は、
図14に示す攪拌子120の概略図である。
図15を参照して、攪拌子120は、磁石121と、保護膜122と、帯状部材123とを含む。磁石121は、角柱形状からなり、例えば、六角形の断面形状を有する。そして、磁石121は、スターラー110に保持された磁石と逆極性を有する。
【0037】
保護膜122は、例えば、テフロン(登録商標)からなり、磁石121を覆う。なお、保護膜122が磁石121を覆うのは、磁石121が容器130の内壁を傷付けるのを防止するためである。帯状部材123は、テフロン(登録商標)からなり、磁石121の長さ方向の略中央部において保護膜122を覆うように配置される。
【0038】
攪拌子120の磁石121は、スターラー110の磁石と逆極性を有するため、例えば、スターラー110の磁石が反時計回りに回転すると、磁石121は、スターラー110の磁石から矢印127の方向へ磁力を受け、攪拌子120は、矢印124の方向へ回転する。その結果、攪拌子120は、容器130内の溶液200を攪拌する。この場合、攪拌子120は、帯状部材123を有するので、保護膜122のうち、帯状部材123によって覆われた部分以外の部分は、容器130の底面に接しず、保護膜122と容器130との間に隙間が形成される。その結果、攪拌子120は、スターラー110の磁石が反時計回りに回転することによって、矢印124の方向に回転し易くなる。
【0039】
再び、
図8を参照して、溶液200は、例えば、シリコンの粉体とオクチンとからなる。そして、溶液200は、2mgのシリコンの粉体を3mlのオクチンに入れることによって作製される。この場合、シリコンの粉体は、例えば、100μmの粒径を有する。
【0040】
なお、溶液200は、オクチンに代えて、オクタノール、メタノール、エタノール、およびヘキセンのいずれかを含んでいてもよい。この場合も、溶液200は、2mgのシリコンの粉体を3mlの有機溶媒(=オクタノール、メタノール、エタノール、およびヘキセンのいずれか)に入れることによって作製される。
【0041】
図16は、
図1に示すナノ粒子10の製造方法を示す工程図である。
【0042】
図16を参照して、ナノ粒子10の製造が開始されると、上述した方法によって、シリコンの粉体と有機溶媒(=オクチン、オクタノール、メタノール、エタノール、およびヘキセンのいずれか)とを容器130に入れ、溶液200を作製する(ステップS1)。
【0043】
そして、溶液200を入れた容器130をスターラー110上に配置し、攪拌子120を容器200内に入れる。この場合、容器130の温度は、室温であり、圧力は、大気圧である。つまり、容器130は、常温および常圧下でスターラー110上に配置される。
【0044】
その後、スターラー110の磁石を所定の方向に回転し、攪拌子120によってシリコンの粉体および有機溶媒の攪拌を開始する(ステップS2)。
【0045】
そうすると、攪拌子120によってシリコンの粉体および有機溶媒を攪拌しながら、レーザ装置190を用いて、上述したレーザ光(パルス光)を容器130内の溶液200に照射する(ステップS3)。
【0046】
そして、5分〜100分、レーザ光を溶液200に照射すると、レーザ光の照射を停止する。これによって、ナノ粒子10が製造される。
【0047】
このように、ナノ粒子10は、シリコンの粉体と有機溶媒とからなる溶液200を攪拌しながらレーザ光を照射して製造される。これは、ナノ粒子10の製造効率を高くするとともに、ナノ粒子10の粒径を均一化するためである。つまり、シリコンの粉体と有機溶媒とを攪拌しない場合、レーザ光がシリコンの粉体に照射される割合が減少し、製造されるナノ粒子10の量が減少するとともに、ナノ粒子10の粒径が不均一になるので、シリコンの粉体と有機溶媒とを攪拌し、レーザ光がシリコンの粉体に照射される割合を高くし、粒径の均一性が良い多くのナノ粒子10を製造するためである。
【0048】
従って、この発明の実施の形態においては、シリコンの粉体と有機溶媒とを攪拌しながらレーザ光を溶液200に照射することにしている(ステップS2,S3参照)。
【0049】
なお、ステップS1において、オクチンを有機溶媒として容器130に入れると、
図2から
図6に示すナノ粒子10−1〜10−5が製造され、ヘキセンを有機溶媒として容器130に入れると、
図7から
図10に示すナノ粒子10−6〜10−9が製造され、オクタノールを有機溶媒として容器130に入れると、
図11に示すナノ粒子10−10が製造され、エタノールを有機溶媒として容器130に入れると、
図12に示すナノ粒子10−11が製造され、メタノールを有機溶媒として容器130に入れると、
図13に示すナノ粒子10−12が製造される。
【0050】
図17は、
図16に示す工程に従ってナノ粒子を製造するときの概念図である。
図17を参照して、レーザ光を照射する前、100μmの粒径を有するシリコンの粉体210が溶液200中に存在する((a)参照)。
【0051】
そして、レーザ光を溶液200に照射してアブレーションを行なうと、ナノ粒子10とシリコンの粉体210とが溶液200中に存在する((b)参照)。
【0052】
ナノ粒子10およびシリコンの粉体210が存在する溶液200を遠心分離器にセットし、ナノ粒子10とシリコンの粉体210とを分離する。この場合、回転数は、4500rpmであり、時間は、120分である。
【0053】
ナノ粒子10とシリコンの粉体210とが分離すると、ナノ粒子10は、溶液200の上部に集まり、シリコンの粉体210は、溶液200の下部に集まる。そこで、ナノ粒子10だけをすくい、別の容器に入れる。
【0054】
ナノ粒子10だけが存在する溶液に波長457.9nmのレーザ光を照射し、ナノ粒子10のフォトルミネッセンスを測定した。
図18は、フォトルミネッセンスの測定結果を示す図である。
図18において、縦軸は、強度を表し、横軸は、波長およびフォトンエネルギーを表す。また、曲線k1〜k5は、それぞれ、有機溶媒としてオクチン、オクタノール、エタノール、メタノールおよびヘキセンを用いて製造されたナノ粒子のフォトルミネッセンスを示す。
【0055】
図18を参照して、ナノ粒子は、白色で発光し、ナノ粒子の発光のピーク波長は、約530nmである(曲線k1〜k5参照)。そして、有機溶媒としてオクチンを用いた場合、ナノ粒子の発光強度が最も強く(曲線k1参照)、超臨界流体中のレーザアブレーションによって製造したシリコンナノ粒子の発光強度よりも約100倍以上強い。
【0056】
このように、常温および常圧下の有機溶媒中におけるシリコンのレーザアブレーションによって製造されたナノ粒子10は、従来の超臨界流体中のレーザアブレーションによって製造したシリコンナノ粒子よりも100倍以上強く発光することが実証された。
【0057】
図19は、ナノ粒子の粒径の分布を示す図である。
図19において、縦軸は、粒子の個数を表し、横軸は、粒径を表す。なお、
図19に示す粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した画像を解析して得られたものである。
【0058】
図19を参照して、ナノ粒子10の粒径は、2〜3nmが最も多い。2〜3nmの粒径は、超臨界流体中のレーザアブレーションによって製造したシリコンナノ粒子の粒径よりも小さい。
【0059】
従って、常温および常圧下の有機溶媒中におけるシリコンのレーザアブレーションという非常に簡単な製造方法を用いて、2〜3nmの粒径を有するナノ粒子10を得られることが実証された。
【0060】
上述したように、この発明の実施の形態によるナノ粒子は、炭化水素1にシリコンナノ粒子2が接続されたものからなる。そして、シリコンナノ粒子は、炭化水素1を構成するカーボンまたは酸素に接続される。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。