(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸素バリア層の外側に積層された1つ又は複数の任意選択の層の合計厚さがXにより表され、容器の合計厚さがYにより表され、比X/Yが0.01〜0.25である、請求項6に記載のプロセス。
炭素−炭素二重結合を有する化合物が、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(2−エチルブタジエン)、ポリ(2−ブチルブタジエン)、ポリオクテニレン、ポリペンテニレン、ポリノルボルネン、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、ポリブタジエン、及びポリオクテニレンからなる群から選択される、請求項18に記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]
図1は、本発明の実施形態を例示して酸素スカベンジャーを有するバリアIMLラベルの構造を示す。
【0012】
【
図2】[0012]
図2は、容器に使用される従来の収縮ラップラベルを例示する。
【0013】
【
図3】[0013]
図3は、従来のインモールドラベルを例示する。
【0014】
[本発明の詳細な説明]
定義
[0014]用語「(少なくとも)酸素吸収性樹脂層を有する(又は含む)多層ラベル」は、少なくとも1つが酸素吸収性樹脂層である複数の層を有するラベルを指す。このラベルは、ラベル自体の上に見られる、好ましくは、インモールドラベル付き容器に組み込まれたときに見られる、書付け、レターシンボル、図案、マークなどの1つ又は複数の表示(indicium or indicia)をさらに含む。そのような1つ又は複数の表示は、印刷インクその他により付けることができる。1つ又は複数の表示が存在しない場合、構造物は「少なくとも酸素吸収性樹脂層を有する多層化されたシート」と称する。
【0015】
[0015]用語「層」は、それに隣接する(即ち、それと接触している)どの材料(複数可)と比較しても組成が独特の、及び/又は別々に適用された/形成された、単一の目立たない厚さの材料を指し、又は連続して互いに接触していて、一緒になって特別の機能を提供することができる、本質的に、ひと続きの下部構造の層を指すこともできる。以下の記載において、両方の用語の「層」を使用する。
【0016】
本発明
[0016]一態様において、本発明は、インモールドラベル付き容器を製造するプロセスを提供する。該プロセスは、酸素吸収性樹脂層を含む多層ラベルを、メス型部の内壁表面又はオス型部の外壁表面に取り付けてから溶融樹脂をオス型部とメス型部との間のキャビティに注入することを含む。これらのプロセスにより、容器が成形と同時にラベルされて、及び多層ラベルが容器の外表面又は内表面を全て覆う容器が製造される。このようにして、比較的長期間、例えば、1〜18ヵ月にわたって貯蔵したときでさえ、容器中及びその内容物への酸素の透過を制限する、インモールドラベル付き容器が製造される。
【0017】
[0017]一実施形態において、プロセスは、酸素バリア層を有する多層ラベルを型中に取り付けて、溶融樹脂を型に注入し、それにより容器を形成することを含み、酸素バリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び酸素吸収剤を含有する酸素吸収性樹脂層を少なくとも含む。
【0018】
[0018]好ましい実施形態において、製造された、インモールドラベル付き容器は、レトルト可能な容器である。
【0019】
[0019]好ましい実施形態において、多層ラベルは、覆うのに十分なサイズであり、型中に取り付けて容器の外部の表面を全て覆う。
【0020】
[0020]好ましい実施形態において、多層ラベルは、耐湿性樹脂層及び酸素バリア層を含む積層構造を少なくとも有し、多層ラベルの最外層は耐湿性樹脂層である。
【0021】
[0021]好ましい実施形態において、多層ラベルは、耐湿性樹脂層/酸素バリア層/他の耐湿性樹脂層を含む少なくとも1つの積層構造を有する。
【0022】
[0022]好ましい実施形態において、酸素バリア層は、酸素バリア樹脂副層/酸素吸収性副層/他の酸素バリア樹脂副層を含む積層構造を有する。
【0023】
[0023]好ましい実施形態において、多層ラベルは、約50〜約300μmの厚さを有する。
【0024】
[0024]好ましい実施形態において、酸素バリア層は、約5〜約100μmの厚さを有する。
【0025】
[0025]好ましい実施形態において、バリア層の外層の合計厚さは、約20〜約150μmである。
【0026】
[0026]好ましい実施形態において、酸素吸収性樹脂層は、遷移金属塩をさらに含有する。
【0027】
[0027]好ましい実施形態において、温度約40℃の温度及び相対湿度約90%で約40g・30μm/m
2・日以下の透湿率を有する防湿性樹脂層が存在する。
【0028】
[0028]好ましい実施形態において、防湿性樹脂層は、溶融樹脂と同一の樹脂で作製される。
【0029】
[0029]好ましい実施形態において、防湿性樹脂層は、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートで作製される。
【0030】
[0030]好ましい実施形態において、比X/Y(Xは酸素バリア層の外側に積層された防湿性樹脂層と1つ又は複数の任意選択の層との合計厚さを表し、Yは容器の厚さを表す)は、約0.01〜約0.25である。
【0031】
[0031]好ましい実施形態において、インモールドラベル付き容器はレトルト可能な容器、例えば、レトルト可能なパッケージである。
【0032】
[0032]
図2及び
図3は、
図1と比較したとき、従来のラベル及び容器と本発明のラベル及び容器との間の相違を例示する。
図2におけるラベルは、飲料などの製品のためのレトルトされない容器で通常使用される。このタイプの容器の構造を、
図3に示す。一般的に、これらのラベルは容器を完全には包囲しない。さらに、この構造を有するIMLはレトルトに耐える強度を有しない。対照的に、本発明の容器はレトルト可能である。
【0033】
[0033]一実施形態において、
図1に示すIML構造は予め印刷されている。次に、本発明の容器を製造するために、予め印刷されたIMLラベルを型中に置く。次にポリプロピレンの本体を、容器本体(container body)が、それに溶融したIMLにより完全に(側面及び底部)包囲されるように、同じ型中で形成する。容器及びIML層を示す断面の図面を
図1に示す。容器本体構造と一緒になった二重のEVOH層が、レトルトに耐えるために必要な強度を付与する。IML中の酸素除去層及びインクによる光バリアが、酸化に対して製品が貯蔵寿命(shelf−life)を通じて安定であることを可能にする。IMLを備えた容器は、形成された後、次に本明細書で記載したようにして、充填され、封じられて、レトルトされる。相違は、ラベルが本発明では容器の一部であること、ラベルが容器上の位置に留まらないという問題がないことである。
【0034】
[0034]したがって、本発明によると、酸素バリア性の優れたインモールドラベル付き容器、好ましくはレトルトすることができる容器を製造するプロセスが提供される。
【0035】
[0035]他の態様において、本発明は、本発明のプロセスにより製造された、インモールドラベル付き容器を提供する。
【0036】
[0036]他の態様において、本発明は、インモールドラベル付き容器を提供する。該容器は、酸素吸収性樹脂層を含む多層ラベルと、樹脂の容器本体とを備え、多層ラベルが容器の外部表面又は内部表面を全て覆う。一実施形態において、インモールドラベル付き容器は、上記容器の内部に1種又は複数種の可食性又は非可食性組成物をさらに含む。種々の実施形態において、可食性組成物は、ヒトの食物組成物、ペットの食物組成物、イヌの食物組成物、魚類の食物組成物、又はネコの食物組成物である。好ましい実施形態において、インモールドラベル付き容器は封じられてレトルトされている。種々の実施形態において、非可食性組成物は、塗料、肥料、動物の寝わら、洗剤等である。
【0037】
[0037]他の態様において、本発明は、本発明の容器及び容器中に含有される1種又は複数種の物質を含む製品を提供する。種々の実施形態において、物質は可食性組成物、例えば、ヒト又はペットの食物などの食物である。他の実施形態において、物質は、液体、例えば、エネルギー飲料又はミルク代替品などの飲料である。種々の実施形態において、物質はレトルト可能な物質である。物質は容器と適合する限り限定されず、例えば、物質は塗料、肥料等であってもよい。
【0038】
[0038]さらなる態様において、本発明は、インモールドラベル付き容器を製造するプロセスを提供する。プロセスは、酸素バリア層を有する多層ラベルを、型中で型体(mold body)に隣接して取り付け、溶融樹脂を型中に注入して型体と溶融樹脂との間にラベルを残し、それにより、容器を形成することを含む。好ましい実施形態において、酸素バリア層は、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)及び/又は他の樹脂と酸素吸収剤とを含む、酸素吸収性(スカベンジャー)樹脂層を少なくとも含む。
【0039】
[0039]本発明のプロセス及び容器において、酸素吸収性樹脂層に含有されるEVOH中の百分率によるエチレンの含有量、及びEVOHのケン化度は、特に限定されない。酸素吸収性樹脂層に含有されるEVOH中の百分率によるエチレンの含有量は、好ましくは約5〜約60モル%、より好ましくは約10〜約55モル%、及びさらにより好ましくは約20〜約50モル%である。酸素吸収性樹脂層に含有されるEVOHのケン化度は、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上、及びさらにより好ましくは約98%以上である。
【0040】
[0040]EVOHに関して、それらの1種のみを使用することもでき、又はそれらの互いに異なった、例えば、百分率によるエチレンの含有量において異なる2種以上を同じ層で一緒に使用することもできる。2種以上のEVOH種を一緒に使用する場合、種間の重量によるブレンド比から計算される2つ以上の種中における個々の百分率によるエチレンの含有量の平均が、使用されたEVOH種の百分率によるエチレンの含有量と定義される。この場合、最大と最小の百分率によるエチレンの含有量を有するEVOH種に関して、それぞれ、百分率によるエチレンの含有量の差が約30モル%以下であり、そのケン化度の差が約10%以下であることが好ましい。百分率によるエチレンの含有量の差は、より好ましくは約20モル%以下、及びさらにより好ましくは約15モル%以下である。ケン化度の差は、より好ましくは約7%以下、及びさらにより好ましくは約5%以下である。
【0041】
[0041]EVOH中における、百分率によるエチレンの含有量、及びケン化度は、核磁気共鳴(NMR)により得ることができる。
【0042】
[0042]酸素吸収性樹脂層に含有される酸素吸収剤は、材料が酸素を吸収し得る限り特に限定されない。酸素吸収性樹脂層に含有される酸素吸収剤は、例えば、炭素−炭素二重結合を有する化合物、第二級又は第三級炭素原子を有する重合体、又はポリアミド樹脂などの有機化合物;又は還元可能な鉄又は還元可能な亜鉛などの還元可能な金属の粉末であってもよい。
【0043】
[0043]炭素−炭素二重結合を有する化合物の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(2−エチルブタジエン)、ポリ(2−ブチルブタジエン)及び任意の他のポリジエンであって、主として、1,4−位におけるモノマー分子の重合により、それぞれ得られるもの(1,4−ポリブタジエンなど);任意のシクロオレフィンの開環メタセシス重合体(ポリオクテニレン、ポリペンテニレン、及びポリノルボルネンなど);及びスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体などの各ポリジエンブロックを有するブロック共重合体が挙げられる。これらの例のうち、ポリブタジエン及びポリオクテニレンが好ましい。
【0044】
[0044]炭素−炭素二重結合を有する化合物に関して、「炭素−炭素二重結合」という用語は、それらの範囲に、芳香環に含有されるいかなる炭素−炭素二重結合も含まない。
【0045】
[0045]酸素バリア層は、酸素吸収性樹脂層のみから作製された単層構造、又は酸素吸収性樹脂層を副層として含む多層化された構造を有することができる。酸素バリア層は、好ましくは、第一酸素バリア樹脂副層/酸素吸収性副層/第一と同じでも異なってもよい第二酸素バリア樹脂副層を含有する積層構造を有し、「スタック」又は「サンドイッチ」構造と記載されるように配列して互いに接触する。例えば、
図1における接着剤層間の酸素バリア層(バリア層/O
2スカベンジャー/バリア層)を見られたい。1層の酸素バリア樹脂副層のみを使用することも、所望であれば数層であってもよい。2つ以上の酸素バリア樹脂副層が存在する場合、それらは
図1におけるように互いに同一であることも、又は互いに異なることもできる。一般的に、酸素吸収性樹脂は、酸素バリア樹脂よりコストが高く、したがって、酸素バリア樹脂副層が酸素吸収性副層の両側に置かれる場合に、優れた酸素バリア性を有する容器が低コストで得られる。
【0046】
[0046]酸素バリア樹脂は特に限定されず、それらの例として、EVOH(上に記載した)、ナイロン、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びポリアクリロニトリル樹脂が、それらのブレンドを含めて挙げられる。
【0047】
[0047]酸素バリア層の厚さは、特に限定されず、好ましくは約5〜約100μm、さらにより好ましくは約10〜約60μmである。
【0048】
[0048]本発明の効果及び有利な性質が過度に損なわれない限り、種々の添加剤を酸素吸収性樹脂層に加えることができる。そのような添加剤の例としてEVOH以外の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンなど)、遷移金属塩、可塑剤、熱的安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填材、乾燥剤、増量剤、顔料、染料、加工助剤、難燃剤、及び防曇剤が挙げられる。2種以上の添加剤を利用することができる。
【0049】
[0049]酸素吸収剤が特に有機化合物である場合、1種又は複数種の遷移金属塩を層に組み込むと、酸素吸収性樹脂層の酸素吸収性能を改善することが可能になる。
【0050】
[0050]遷移金属塩の例として、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、マンガン塩、コバルト塩、ロジウム塩、チタン塩、クロム塩、バナジウム塩、及びルテニウム塩が挙げられる。しかしながら、金属塩はそれらに限定されない。これらの塩のうち、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、マンガン塩、及びコバルト塩が好ましく、マンガン塩及びコバルト塩がさらに好ましく、コバルト塩がさらに一層好ましい。
【0051】
[0051]遷移金属塩において、遷移金属の対イオンは、有機酸又は塩化物に由来するアニオンである。有機酸の例として、酢酸、ステアリン酸、アセチルアセトン、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、及びナフテン酸が挙げられる。遷移金属塩の特に好ましい例は、2−エチルヘキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、及びステアリン酸コバルトである。
【0052】
[0052]100重量部の酸素吸収性樹脂中に配合する遷移金属塩量は、好ましくは約0.001〜約0.5重量部(10〜5000ppm)、より好ましくは約0.01〜約0.1重量部(100〜1000ppm)、及びさらにより好ましくは約0.02〜約0.08重量部(200〜800ppm)であり、塩の量は金属に換算した量である。
【0053】
[0053]酸素吸収剤及びEVOHが酸素吸収性樹脂層中でとる物理的形態は、特に限定されず、好ましくは、例えば、酸素吸収剤がEVOH中に分散した形態である。酸素吸収剤をEVOH中に分散する方法は、例えば、酸素吸収剤とEVOHとを溶融して混練し、酸素吸収剤粒子をEVOHのマトリックス中に分散する方法であってもよい。
【0054】
[0054]本発明のプロセスにおいて使用する多層ラベルは、少なくとも耐湿性及び防湿性樹脂層(防湿性樹脂層(humidity resistant resin layer)又は耐湿性樹脂層(moisture resistant resin layer)と簡単に称することもある)と上記の酸素バリア層(耐湿性樹脂層/酸素バリア層)とを有する積層構造を有し、多層ラベルの最外層が耐湿性及び防湿性樹脂層であることが好ましい。本発明の製造プロセスにおいて使用する多層ラベルは、防湿性樹脂層/酸素バリア層/もう一つの防湿性樹脂層を有する積層構造を少なくとも有することが特に好ましい。この場合、酸素バリア層をはさむ防湿性樹脂層は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0055】
[0055]防湿性樹脂は、樹脂が防湿性を有する樹脂である限り特に限定されない。それらの例として、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエチレンテレフタレートが挙げられる。樹脂は、特に好ましくは約40℃の温度及び約90%の相対湿度で約40g・30μm/m
2・日以下の透湿率を有する防湿性樹脂、より好ましくは同じ温度及び同じ相対湿度で約35g・30μm/m
2・日以下の透湿率を有する防湿性樹脂、及びさらにより好ましくは同じ温度及び同じ相対湿度で約20g・30μm/m
2・日以下の透湿率を有する防湿性樹脂である。そのような防湿性樹脂は、特に好ましくはポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートである。ブレンドを使用することができる。
【0056】
[0056]好ましい実施形態において、防湿性樹脂層は、接着剤層を介して酸素バリア層上に積層される(防湿性樹脂層/接着剤層/酸素バリア層)。接着剤層に使用される接着剤は無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどの接着剤樹脂であってもよい。
【0057】
[0057]多層ラベルは、通常のパッケージ材料が製造されるときに使用される、共押出法(共押出フィルム成形、共押出シート成形又は共押出インフレーション成形など)又はラミネート法(押出ラミネート、サンドラミネート、共押出ラミネート、ドライラミネート、又は無溶剤型ドライラミネートなど)により得ることができる。
【0058】
[0058]多層ラベルを製造するときの押出工程の溶融温度は、使用される樹脂の融点にしたがって適宜設定することができ、通常約120〜約330℃、好ましくは約150〜約300℃である。
【0059】
[0059]多層ラベルの厚さは特に限定されず、好ましくは約50〜約300μm、及びより好ましくは約70〜約200μmである。さらに、バリア層の外層の合計厚さは、好ましくは約20〜約150μm、及びより好ましくは約30〜約120μmである。
【0060】
[0060]インモールドラベル付き(IML)容器は、容器本体の成形及び本体上へのラベル付けを同時に行うことにより得られる容器であり、IML法により得られる。IML法は、オス型部(male mold part)とメス型部(female mold part)とからなる型を使用して、オス型部とメス型部とを互いに固定/挿入することにより生ずるキャビティ中で、メス型部の内壁表面及び/又はオス型部の外壁表面の1つ又は複数に多層ラベルを取り付け、次に溶融樹脂をキャビティ中に注入し、それにより容器本体の成形及び本体のラベル付け同時に行う技法である。
【0061】
[0061]本発明の多層ラベルを、メス型部の内壁表面(複数可)、オス型部の外壁表面(複数可)及びそれらの両方(2枚の多層ラベルを使用して)に取り付けることが可能である。多層ラベルは、メス型部の内壁表面(複数可)の全面に取り付けられ、成形容器の外部表面(複数可)の全体をラベルが覆うことが好ましい。容器の外部(及び/又は内部)表面(複数可)全体を多層ラベルが覆わない、本発明の実施形態において、容器の覆われていない領域は、酸素バリア性が低いことがあり、したがって、得られる容器は全体として優れた酸素バリア性を有しないことがある。
【0062】
[0062]成形容器の外部表面(複数可)の全体を多層ラベルが覆う、本発明のプロセスにおいては、型の中(オス及びメス型部を互いに固定することにより生ずるキャビティ中で、メス型部の内壁表面(複数可))への多層ラベルの取り付け後に、溶融樹脂を型中に注入し、それにより容器を成形する。具体的には、多層ラベルが取り付けられているメス型部に、オス型部を上から押し込んでから、ラベルをメス型の表面に残してオス型部とメス型部との間のキャビティ中に溶融樹脂を注入し、成形容器の外部表面(複数可)の全体を多層ラベルが覆うIML容器を成形する。
【0063】
[0063]溶融樹脂は、IML容器の材料として通常使用される樹脂であってもよい。それらの例として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、及びポリエチレンテレフタレートが挙げられる。溶融樹脂は、好ましくは防湿性樹脂と同一の樹脂である。防湿性樹脂と同一の樹脂が溶融樹脂として使用される場合は、多層ラベルと容器本体との間の接着性が良く、外見の良いIML容器が得られる。
【0064】
[0064]溶融すべき樹脂を溶融する温度は、使用する樹脂の融点にしたがって適切に設定することができ、通常約120〜約330℃、好ましくは約150〜約300℃である。
【0065】
[0065]ラベルの酸素バリア層の外側(即ち、注入された溶融樹脂から遠い側)に積層された1つ又は複数の任意選択の層(例えば、防湿性及び耐湿性樹脂層)の合計厚さをXで表し、容器の厚さ(即ち、多層ラベルと容器本体を合計した厚さ)をYで表したとき、比X/Yは、好ましくは約0.01〜約0.25、より好ましくは約0.02〜約0.2、より好ましくは約0.04〜約0.1、及びさらにより好ましくは約0.06〜約0.1である。食物をIML容器中に充填してから容器をレトルトしたとき、比X/Yを約0.01〜約0.25の範囲に設定することにより、IML容器を貯蔵中の酸素バリア層の相対湿度を比較的低く保つことができる。酸素バリア層に含有されるEVOHの酸素バリア性は湿度に依存する。したがって、相対湿度が低く保たれる場合、IML容器は優れた酸素バリア性を保つ。
【0066】
[0066]本発明に係るIML容器は、優れた酸素バリア性を示すので、該容器は、可食性組成物を入れる食品包材として使用することができる。可食性組成物の例として、ヒトの食物組成物、動物(イヌ又はネコなど)の食物組成物が挙げられる。可食性組成物は、液体及び固体を含む任意の形態のものであってもよい。好ましい実施形態において、容器は、封じてレトルトすることができる。
【0067】
[0067]容器は、レトルトされた後でさえ、優れた酸素バリア性を示すので、レトルトパック食物又はペット食物用としても使用することができる。
【0068】
[0068]他の態様において、本発明は、酸素により劣化しやすい製品の劣化を防止して、酸素により劣化しやすい製品の貯蔵寿命を延長するプロセスを提供する。プロセスは、酸素吸収性樹脂層を含む多層ラベルを、メス型部の内壁表面又はオス型部の外壁表面に取り付けるステップ、溶融樹脂をオス型部とメス型部との間のキャビティに注入し、それによりインモールドラベル付き容器の製造とラベル付けを同時に行うステップ、容器中に製品を入れるステップ、及び容器を封ずるステップを含む。ひとたび封じられると、容器は容器中に進入することができる酸素の量を制限する。
【0069】
[0069]本発明のプロセス及び容器は、所与の期間に容器に進入する酸素の量を制限する。そのような制限により、酸素が容器の内容物を劣化することが防止されて、製品の貯蔵寿命が延長する。
【0070】
[0070]本明細書に記載した特定の方法論、プロトコル及び試薬は変化し得るので、本発明はそれらに限定されない。さらに、本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0071】
[0071]本明細書で使用するように、範囲は、範囲内の各値及び全ての値を掲載し及び記載することを避けるために、略記して本明細書で使用する。範囲内の任意の適当な値を、必要に応じて、上限値、下限値として、又は範囲の終端として選択することができる。
【0072】
[0072]特に断らない限り、本明細書で使用する全ての技術的及び科学的用語及び任意の頭字語は、本発明の分野における当業者により共通的に理解される同じ意味を有する。本明細書に記載した任意の組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料と同様な又は同等な任意の組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料を、本発明の実施に際して使用することができるが、好ましい組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料を本明細書は記載している。
【0073】
[0073]本明細書に引用又は参照した全ての特許、特許出願、公開物、及び他の文献は、法規の許す限度まで参照により本明細書に組み込まれる。これらの文献の議論は、本明細書においてなされる主張を単にまとめることを意図している。いかなるそのような特許、特許出願、出版物又は文献、又はそれらの任意の部分も、本発明に対して関連する先行技術であることは認めず、そのような特許、特許出願、公開物、及び他の文献の正確さ及び適切さに異議を申し立てる権利を特に留保する。
【0074】
[実施例]
[0074]本発明を以下の実施例によりさらに例示するが、実施例は例示の目的のみで含まれ、他の特別の指示がない限り、本発明の範囲を限定することを意図しないことは理解されるであろう。
【0075】
実施例1 ポリオクテニレンの調製
[0075]撹拌機及び温度計を備えた3つ口フラスコを乾燥窒素で置換した。110重量部のcis−シクロオクテン及び0.187重量部のcis−4−オクテンを溶解した624重量部のヘプタンを3つ口フラスコに入れた。次に、0.0424重量部の[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムを3重量部のトルエンに溶解して、触媒液を調製した。この触媒液を3つ口フラスコ中にすばやく入れて、溶液を55℃で撹拌し、開環メタセシス重合を起こさせた。1時間後、反応液をガスクロマトグラフ(GC−14B、株式会社島津製作所製;カラム:G−100、財団法人化学物質評価研究機構製)により分析した。結果として、cis−シクロオクテンが消失したことが確認された。次に、1.08重量部のエチルビニルエーテルを3つ口フラスコに入れて、混合液をさらに10分間撹拌した。
【0076】
[0076]得られた反応液に200重量部の水を加えて、混合液を40℃で30分間撹拌した。次に、該液体を40℃で1時間静置すると2層の液相に分離した。次に水相を除去した。100重量部の水を残った液に再び加えて、及び混合液を45℃で30分間撹拌した。次に、液体を40℃で1時間静置すると2層の液相に分離した。次に水相を除去した。次に、残液からヘプタンを減圧下で留去した。真空乾燥機を使用して得られた固体を1Pa及び100℃で6時間乾燥し、1000以下の分子量を各々有するオリゴマー部分が9.2%である、重量平均分子量(MW)14200の重合体102.1重量部を得た(収率:92%)。この重合体(ポリオクテニレン)において、全ての炭素−炭素二重結合に対する、側鎖中の炭素−炭素二重結合の比は0%であった。
【0077】
[0077]得られた重合体を1mm平方の細片に破砕して、細片を、撹拌機、還流冷却管及び温度計を備えたセパラブルフラスコに入れた。次に、300重量部のアセトンをセパラブルフラスコに入れて、混合物を40℃で3時間撹拌した。次にアセトンをデカンテーションにより除去した。300重量部のアセトンを再びセパラブルフラスコに入れて、混合物を40℃で3時間撹拌した。次にアセトンをデカンテーションにより除去した。アセトンの残留部分を減圧下で留去した。真空乾燥機を使用して得られた固体を1Pa及び100℃で6時間乾燥し、1000以下の分子量を各々有するオリゴマー部分が3.1%である、重量平均分子量(Mw)150000及び数平均分子量37000のポリオクテニレン99重量部を得た。
【0078】
実施例2 スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体の調製
[0078]600体積部のシクロヘキサン、0.16体積部のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)及び開始剤として0.094体積部のn−ブチルリチウムを乾燥窒素で浄化した撹拌型オートクレーブ中に装填した。温度を50℃に上げて、次に4.25体積部のスチレンモノマーをその中に供給し1.5時間重合させた。次に、温度を30℃に下げてから、その中に120体積部のイソプレンを供給し、2.5時間重合させた。さらに、温度を再び50℃に上げて、次に4.25体積部のスチレンモノマーをその中に供給し、1.5時間重合させた。
【0079】
[0079]得られた反応液に、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、及びペンタエリトリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)を酸化防止剤として加え、その各々の量は、使用したスチレン及びイソプレンの100重量部につき0.15重量部であった。反応液をメタノール中に注いで生成物を沈殿させた。これを分離して乾燥し、酸化防止剤が添加されたスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体を得た。
【0080】
[0080]得られたトリブロック共重合体の数平均分子量は85000であり、共重合体中のスチレンブロックの分子量は8500であった。その中の、百分率によるスチレンの含有量は14モル%であり、全炭素−炭素二重結合に対する、その側鎖中の炭素−炭素二重結合の比は55%であった。得られたトリブロック共重合体中の炭素−炭素二重結合の含有量は0.014eq/gであった。メルトフローレート(melt flow rate)は7.7g/10分であった。樹脂は0.12重量%の2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、及び0.12重量%のペンタエリトリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)を含有した。
【0081】
実施例3 ラベルの作製
[0081]百分率によるエチレンの含有量27モル%、ケン化度99.8%、及びMFR4.0g/10分(2160g荷重下、210℃で)のEVOH96重量部をEVOH(a−1)として、実施例1で得られたポリオクテニレン4重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(金属コバルトへの換算量:200ppm)を、直径25mmの二軸押出機(株式会社東洋精機製LABO PLASTOMILモデル15C300)中に投入した。成分を、210℃、スクリュー回転数100rpm及び押出樹脂量4kg/時間で押出して酸素吸収性樹脂組成物ペレットを得た。
【0082】
[0082]次に、得られた酸素吸収性樹脂組成物ペレット、ポリプロピレン(PP)(日本ポリプロピレン株式会社製のノバテック(NOVATEC)EA7A)、及び接着性樹脂(AD)(アドマー QF500、三井化学株式会社製)を個別の押出機中で別々に溶融混練し、共押出機を使用して、押出温度220℃で、3種5層の多層ラベル(PP層/AD層/酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)/AD層/PP層、それらの厚さはそれぞれ40μm、10μm、20μm、10μm、及び40μmであった)を作製した。
【0083】
IML容器の成形
[0083]得られた多層ラベルを、容器形成型のメス型部の内壁表面の形状にあわせて切った。切断された多層ラベルを型のメス型部の内壁表面に取り付けた。次に、オス型部をメス型部中に上から押し込んで、次に、溶融樹脂(ポリプロピレン(ノバテックEA7A))をオス型部とメス型部の間のキャビティに220℃で注入した。このようにして、射出成形を実施しIML容器を成形した。容器本体の厚さは700μmであり、表面積は83cm
2であった。容器の外側全体がラベルで覆われた。Xが多層ラベルの酸素バリア層の外側の層(プロピレン層/接着剤層)の合計厚さ(50μm)を表し、Yが容器の厚さ(820μm)を表す場合、比X/Yは0.061であった。
【0084】
累積酸素透過量の測定
[0084]得られたIML容器に関して、酸素の容器中への累積透過量を以下のようにして測定した。IML容器を121℃で25分間レトルト処理にかけ、次に容器の酸素透過率における変化を、温度が20℃、外側の相対湿度が65%及び内側の相対湿度が100%の条件下で経時的に測定した。得られた酸素透過率の経時変化から、容器を空気中で18ヵ月貯蔵したときの累積酸素透過量を計算した。結果を表1に示す。
【0085】
実施例4
[0085]実施例3で得た酸素吸収性樹脂組成物ペレット、EVOH(a−1)、ポリプロピレン(PP)(ノバテックEA7A、日本ポリプロピレン株式会社製)、及び接着性樹脂(AD)(アドマー QF500、三井化学株式会社製)を個別の押出機中で別々に溶融混練し、共押出機を使用して、押出温度220℃で、4種7層の多層ラベル(PP層/AD層/EVOH層/酸素吸収性樹脂層/EVOH層/AD層/PP層、それらの厚さはそれぞれ40μm、10μm、10μm、10μm、10μm、10μm、及び40μmであった)を作製した。このように作製した、多層ラベルを使用したことを除いて実施例3を繰り返し、IML容器を成形し、その累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0086】
実施例5
[0086]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを30μmに設定したことを除いて実施例3を繰り返し、IML容器を成形して、その累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0087】
実施例6
[0087]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例5を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、ポリブタジエン(日本ゼオン株式会社製のポリブタジエンゴム(Nipol BR1220))8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0088】
実施例7
[0088]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例5を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
92重量部のEVOH(a−1)、実施例2で得られたスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体8重量部、及びのステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0089】
実施例8
[0089]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを25μm及び容器本体の厚さを900μmに設定したことを除いて、実施例3を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0090】
実施例9
[0090]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを40μmに設定したことを除いて、実施例8を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0091】
実施例10
[0091]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを50μmに設定したことを除いて、実施例8を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0092】
実施例11
[0092]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例10を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、ポリブタジエン(日本ゼオン株式会社製のポリブタジエンゴム(ニポール(Nipol) BR1220))8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0093】
実施例12
[0093]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例10を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、実施例2で得られたスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0094】
実施例13
[0094]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ80μm及び20μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さを、それぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを800μmに設定したことを除いて、実施例8を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0095】
実施例14
[0095]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを40μmに設定したことを除いて、実施例13を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0096】
実施例15
[0096]酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)の厚さを50μmに設定したことを除いて、実施例13を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表1に示す。
【0097】
実施例16
[0097]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例15を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、ポリブタジエン(日本ゼオン株式会社製のポリブタジエンゴム(ニポール BR1220))8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0098】
実施例17
[0098]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例15を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、実施例2で得られたスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表1に示す。
【0099】
実施例18
[0099]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))を酸素吸収性樹脂層の代わりに使用したことを除いて、実施例3を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0100】
実施例19
[0100]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを30μmに設定したことを除いて、実施例18を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0101】
実施例20
[0101]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを25μmに設定し、容器本体の厚さを900μmに設定したことを除いて、実施例18を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0102】
実施例21
[0102]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを40μmに設定したことを除いて、実施例20を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0103】
実施例22
[0103]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを50μmに設定したことを除いて、実施例20を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0104】
実施例23
[0104]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ80μm及び20μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さを、それぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを800μmに設定したことを除いて、実施例20を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0105】
実施例24
[0105]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを40μmに設定したことを除いて、実施例23を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0106】
実施例25
[0106]酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))の厚さを50μmに設定したことを除いて、実施例23を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表2に示す。
【0107】
実施例26
[0107]実施例3で得た酸素吸収性樹脂組成物ペレット、EVOH(a−1)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(PET9921、Eastman Chemical Co.製)、及び接着性樹脂(AD)(アドマー(Admer) SF731、三井化学株式会社製)を個別の押出機で別々に溶融混練し、共押出機を使用して、押出温度270℃で、3種5層の多層ラベル(PET層/AD層/酸素バリア層(酸素吸収性樹脂層)/AD層/PP層、それらの厚さは、それぞれ40μm、10μm、50μm、10μm、及び40μmであった)を作製した。
【0108】
[0108]射出成形の温度を290℃に設定し、容器本体の厚さを900μmに設定したことを除いて、実施例3を繰り返し、得られた多層ラベルを使用して、ポリエチレンテレフタレート(PET9921、Eastman Chemical Co.製)を溶融樹脂として使用して、IML容器を成形し、次にその累積酸素透過量を得た。結果を表3に示す。
【0109】
実施例27
[0109]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例26を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、ポリブタジエン(日本ゼオン株式会社製のポリブタジエンゴム(ニポール BR1220))8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表3に示す。
【0110】
実施例28
[0110]酸素吸収性樹脂組成物の調製に、以下のものを用いたことを除いて、実施例26を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。
EVOH(a−1)92重量部、実施例2で得られたスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体8重量部、及びステアリン酸コバルト(II)0.2121重量部(コバルト金属換算量:200ppm)。
結果を表3に示す。
【0111】
実施例29
[0111]酸素バリア層において酸素バリア樹脂層(EVOH(a−1))を酸素吸収性樹脂層の代わりに使用したことを除いて、実施例26を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表3に示す。
【0112】
実施例30
[0112]測定条件において外側の相対湿度が80%であったことを除いて、実施例10を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表4に示す。
【0113】
実施例31
[0113]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ5μm及び5μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さを、それぞれ5μm及び5μmに設定し、容器本体の厚さを980μmに設定したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表4に示す。
【0114】
実施例32
[0114]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ60μm及び20μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さを、それぞれ20μm及び60μmに設定し、容器本体の厚さを840μmに設定したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表4に示す。
【0115】
実施例33
[0115]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さを、それぞれ80μm及び20μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さをそれぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを800μmに設定したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表4に示す。
【0116】
実施例34
[0116]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ250μm及び50μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さをそれぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを600μmに設定したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表4に示す。
【0117】
実施例35
[0117]酸素バリア層(EVOH(a−1))を酸素吸収性樹脂層の代わりに使用したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表5に示す。
【0118】
実施例36
[0118]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ5μm及び5μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さをそれぞれ5μm及び5μmに設定し、容器本体の厚さを980μmに設定したことを除いて、実施例35を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表5に示す。
【0119】
実施例37
[0119]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ80μm及び20μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さをそれぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを800μmに設定したことを除いて、実施例35を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表5に示す。
【0120】
実施例38
[0120]多層ラベルの作製において、ラベルの外層であるポリプロピレン層及び接着剤層の厚さをそれぞれ250μm及び50μmに設定し、ラベルの内層である接着剤層及びポリプロピレン層の厚さをそれぞれ20μm及び80μmに設定し、容器本体の厚さを600μmに設定したことを除いて、実施例30を繰り返し、IML容器を成形してその累積酸素透過量を得た。結果を表5に示す。
【0121】
[0121]本発明のプロセス、例えば、酸素バリア層が酸素吸収性樹脂層を含む実施例1〜17、実施例26〜28及び実施例30〜34により得た各IML容器に関して、累積酸素透過量は、容器本体の厚さ及び多層ラベルの厚さが対応する実施例における厚さに等しく、さらに酸素吸収性樹脂層が含まれないIML容器、例えば、実施例18〜25、実施例29及び実施例35〜38の累積酸素透過量より小さいことがわかる。
【0122】
[0122]本明細書で使用するように、本明細書においては、範囲内の各値及び全ての値を掲載し記載しなければならないことを避けるために、範囲を略記して使用する。範囲内の任意の適当な値を、上限値、下限値、又は範囲の終端として、適宜選択することができる。
【0123】
[0123]本明細書で使用する、語の単数形は、特に断りのない限り、複数も含み、逆も成り立つ。したがって、「a」、「an」、及び「the」という表示は、それぞれの用語の複数も一般には含む。例えば、「a supplement」、「a method」、又は「a food」という表示は、「supplements」、「methods」、又は「foods」のような複数も同様に含む。用語「comprise」、「comprises」、及び「comprising」は、排他的ではなく包括的に解釈すべきである。同様に、用語「include」、「including」及び「又は」は、全て包括的であると、そのような構造が前後の関係から明確に禁止されていない限り、解釈すべきである。同様に、用語「例(複数可)」は、特に用語のリストが続いて挙げられている場合、単に典型的及び例示的であるにすぎず、排他的又は包括的とみなすべきではない。
【0124】
[0124]本明細書で開示した方法及び組成物及び他の進歩は、当業者が認識するようにそれらは変化し得るので、本明細書で開示した特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されない。さらに、本明細書で使用する用語法は、特定の実施形態を説明する目的のためにすぎず、開示され又は請求された事物の範囲を限定する意図はなく、限定しない。
【0125】
[0125]特に断らない限り、本明細書で使用する全ての技術的及び科学的用語、専門用語、及び頭字語は、本発明の分野(複数可)、又は該用語が使用される分野(複数可)における当業者により共通して理解される意味を有する。本明細書に記載した任意の組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料と同様な又は同等な任意の組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料を、本発明の実施において使用することができるが、好ましい組成物、方法、製造された物品、又は他の手段若しくは材料を本明細書は記載している。
【0126】
[0126]本明細書中で引用した若しくは参照した全ての特許、特許出願、公開物、技術的論文及び/又は学術論文、及び他の文献は、法が許容する限度までそれらの全体で参照により本明細書に組み込まれる。これらの文献の論議は、本明細書においてなされた主張を単にまとめることを意図するにすぎない。いかなるそのような特許、特許出願、公開物又は文献、又はそれらのいかなる部分も、関連する資料又は先行技術であると認めることはない。そのような特許、特許出願、公開物、及び他の文献のいかなる主張の正確さ、適切さに、関連する資料又は先行技術として異議を申し立てる権利を特に留保する。
【0127】
[0127]本明細書において、本発明の典型的な好ましい実施形態を開示した。特定の用語を使用したが、それらは総称的で説明の意味で使用されたにすぎず、限定する目的のためではない。本発明の範囲は請求項で述べる。上の教示に照らせば本発明の多くの改変及び変形が可能であることは明らかである。それ故、添付した請求項の範囲内で、本発明を、具体的に記載したことと別の方法で実施することができることは理解されるべきである。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【表4】
【0132】
【表5】
【0133】
【表6】