【実施例】
【0101】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
また、本実施例においては、化合物の構造決定を以下に示す分析方法により行った。
【0102】
核磁気共鳴分析は、日本電子社製フーリエ変換高分解能核磁気共鳴装置(NMR)、JNM−AL400を使用した。
1H NMR(300MHz)溶媒:クロロホルム−d(CDCl
3),メタノール−d
4(CD
3OD)またはアセトン−d
6(Acetone−d
6),内部標準:テトラメチルシラン(TMS).
13C NMR(75MHz)溶媒:クロロホルム−d(CDCl
3),メタノール−d
4(CD
3OD)またはアセトン−d
6(Acetone−d
6),内部標準:クロロホルム−d(CDCl
3).
19F NMR(283MHz)溶媒:クロロホルム−d(CDCl
3),メタノール−d
4(CD
3OD)またはアセトン−d
6(Acetone−d
6),内部標準:ヘキサフルオロベンゼン(C
6F
6)を−163ppmとした(CFCl
3を0ppmとする)
【0103】
赤外吸収分光は、日本分光社製フーリエ変換赤外分光高度計(FT−IR)、FT/IR−4100を使用した。
元素分析は、パーキンエルマー社製全自動元素分析装置2400シリーズIIを使用した。
融点測定は、ヤマト科学社製融点測定器MP−21を使用した。
HRMSは日本電子社製JMS−700を用い、正電荷モードで測定した。
蛍光スペクトルは、日本分光社製分光蛍光高度計(FP−6500)を使用した。
【0104】
<実施例1−a:化合物(a)の合成>
9,10−アントラキノン(東京化成社製、2.082g,10mmol)及び炭酸カリウム(関東化学社製、0.553g,4.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬社製、20mL)溶液に0℃でCF
3TMS(東ソー・エフテック社製、3.30mL,22mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。その後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)と1N HCl(5.0mL)の混合物に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリーエバポレータを用いて有機溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(関東化学社製、シリカゲル60(球状、63−210μm)、展開溶媒:ヘキサン)にて精製した。目的の化合物(a)(4.039g、82%収率)を白色固体として得た。
【0105】
(分析結果)
m.p. 118−120℃
1H NMR δ −0.10(s,18H),7.48−7.55(m,4H),7.93−7.99(m,4H).
13C NMR δ 1.7,75.9(q,J=27.9Hz),125.7(q,J=289.0Hz),130.0,130.7(q,J=3.1Hz),134.1.
19F NMR δ −79.29(s).
IR(KBr) ν 3073,2968,1487,1447,1441,1237,1175,1075,944,930,876,846cm
−1
Anal.Calcd for:C,53.64;H,5.32.Found:C,53.54;H,5.38.
【0106】
【化16】
【0107】
<実施例1−b:化合物(b)の合成>
化合物(a)(3.541g,7.2mmol)をエタノール(15mL)に溶解し、濃塩酸(和光純薬社製、2.0mL,24mmol)を加え、還流した。3時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2:1)にて精製した。目的の化合物(b)(2.198g、88%収率)を白色固体として得た。
【0108】
(分析結果)
m.p.197−199℃
1H NMR(Acetone−d
6) δ 6.52−6.54(m,2H),7.55−7.63(m,4H),8.02−8.16(m,4H).
13C NMR(Acetone−d
6) δ 73.7(q,J=27.3Hz),125.7(q,J=287.8Hz),129.4(q,J=3.1Hz),129.7,135.0.
19F NMR(Acetone−d
6) δ −76.98(s).
IR(KBr) ν 3534,3078,1658,1488,1450,1333,1212,1176,1042,912cm
−1.
Anal.Calcd for:C,53.64;H,5.32.Found:C,53.54;H,5.38.
【0109】
【化17】
【0110】
<実施例1−c:化合物(c)の合成(参考例)>
化合物(b)(0.104g,0.3mmol)と四臭化炭素(東京化成社製、0.298g,0.9mmol)のジクロロメタン(関東化学社製、2.0mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(関東化学社製、0.367g,1.4mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。15時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)にて精製した。目的の化合物(c)(0.062g,66%収率)を黄色の固体として得た。
(分析結果)
m.p.152−154℃
1H NMR δ 7.56−7.64(m,4H),8.45−8.56(m,4H).
19F NMR δ −49.81(s).
IR(KBr) ν 3153,3097,3047,1535,1450,1379,1289,1210,1184,1126,1105,956,765,675cm
−1
HRMS(APCI)found:m/z 314.0504.Calcd for C
16H
8F
6(M
+):314.0530.
【0111】
【化18】
【0112】
<実施例2−a:化合物(d)の合成>
実施例1−aのアントラキノンを2−ブロモアントラキノン(1.57g、4.68mmol)に変え、室温で12時間撹拌した以外は同様の操作を行った。12時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液と1N HClに注ぎ、粗生成物をジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。濃縮によって得られた粗生成物にエタノール(10mL)と濃塩酸(1mL)を加え、3時間還流した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2:1)にて精製した。目的の化合物(d)(2.018g、91%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 8.19(1H,t,J=2.1Hz),8.04−8.01(2H,m),7.91(1H,dq,J=8.7,2.3Hz),7.71(1H,dd,J=2.1Hz),7.60(2H,dd,J=3.3,6.0Hz).
13C NMR δ 135.2,133.0,132.8,132.7,132.2,131.5(q,J=3.1Hz),130.2(q,J=2.9Hz),129.9,129.8,128.3(q,J=2.9Hz),124.3,123.8(q,J=285.7Hz),123.7(q,J=285.7Hz),73.0(q,J=28.0Hz),72.9(q,J=28.0Hz).
19F NMR δ −79.34(s,3F),−79.40(s,3F).
IR(KBr) ν 3678,3516,3302,3175,2926,2851,2668,2859,1754,1622,1591,1481,1448,1397,1335,1284,1185,940,753,637cm
−1.
【0113】
【化19】
【0114】
<実施例2−b:化合物(e)の合成>
実施例1−cの化合物(b)を化合物(d)(2.015g、4.73mmol)に変え、室温で1晩撹拌した以外は同様の操作を行った。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)にて精製した。目的の化合物e(1.742g、94%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 79−80°C.
1H NMR δ 8.69(1H,t,J=1.7Hz),8.49(2H,m),8.38(1H,dd,J=2.0,9.8Hz),7.69(1H,d,J=1.8Hz),7.64(2H,dd,J=3.3,6.9Hz).
19F NMR δ −49.82(s,3F),−49.98(s,3F).
IR (KBr) ν 3168,3088,3044,2923,2852,2237,1921,1741,1607,1280,1115,957,813,702cm
−1.
Anal.Calcd for C
24H
12F
6:C,48.88;H,1.79.Found:C,48.48;H,1.80.
【0115】
【化20】
【0116】
<実施例3−a:化合物(f)の合成>
実施例2−aの2−ブロモアントラキノンを2−ヨードアントラキノン(1.57g、4.68mmol)に変えた以外は同様の操作を行った。目的の化合物(f)(2.018g、91%収率)を淡黄色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 8.39(1H,t,J=2.1Hz),8.04−8.00(2H,m),7.91(1H,dd,J=1.8,8.4Hz),7.75(1H,dq,J=2.2,8.5Hz),7.56(2H,dd,J=1.8,6.0Hz).
13C NMR δ 138.4,138.3,137.4(q,J=3.1Hz),135.4,133.2,133.0,131,5(q,J=290.0Hz),130.1(q,J=2.9Hz),129.4,129.4,129.3,129.3(q,J=2.3Hz,2C),123.9(q,J=279.5Hz),73.6(q,J=34.0Hz),73.5(q,J=27.8Hz).
19F NMR δ −79.34(s,3F),−79.42(s,3F).
IR(KBr) ν 3677,3514,3317,3193,3083,2821,2366,2359,2352,2112,1956,1932,1709,1621,1585,1478,1219,934,714,633cm
−1.
【0117】
【化21】
【0118】
<実施例3−b:化合物(g)の合成>
実施例1−cの化合物(b)を化合物(f)(2.018g、4.26mmol)に変え、室温で1晩撹拌した以外は同様の操作を行った。目的の化合物(g)(1.114g、59%収率)を黄色固体として得た。
【0119】
(分析結果)
1H NMR δ 8.90(1H,s),8.49(2H,dd,J=2.1,5.4Hz),8.21(1H,dd,J=1.8,9.6Hz),7.81(1H,dd,J=1.4,9.8Hz),7.63(2H,dd,J=3.3,6.9Hz).
13C NMR δ 135.5,133.3(q,J=6.4Hz),133.3(q,J=6.2Hz),130.0,129.6,129.3,129.1(q,J=233.7Hz),129.1(q,J=234.9Hz),127.7,127.5,127.1,126.2(q,J=28.7Hz),124.6(q,J=5.8Hz),124.6(q,J=6.0Hz),123.4,119.7.
19F NMR δ −49.83(s,3F),−49.84(s,3F).
IR (KBr) ν 3164,3158,3146,3139,3117,3087,3064,3050,3033,2369,2352,1925,1600,1523,1492,1461,1434,1378,1342,1281,1120,1051,955,764,685,625cm
−1.
【0120】
【化22】
【0121】
<実施例4:化合物(h)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、化合物(g)(0.318g、0.866mmol)、トリエチルアミン(和光純薬社製、15.4mL)、ピペリジン(和光純薬社製、3.1mL)、フェニルアセチレン(東京化成社製、0.11mL、1.0mmol)、ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリド(0.009g、1.5mol%)、ヨウ化銅(I)(0.002g、1.5mol%)を加え、80℃で2時間加熱した後、室温で一晩撹拌した。1N塩酸でクエンチし、ヘキサンにて抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。ヘキサン溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、得られた固体をヘキサン溶媒で再結晶した。目的の化合物(h)(0.1157g、32%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 110−112°C.
1H NMR δ 8.69(1H,t,J=2.1Hz),8.52−8.45(3H,m),7.69−7.61(5H,m),7.42−7.38(3H,m).
13C NMR δ 132.5,131.4,130.9,130.9,129.7,129.7,129.1,128.8,128.5(q,J=41.9Hz),128.5(q,J=41.3Hz),128.4,128.4,127.7(q,J=5.7Hz),127.4,127.4,125.4(q,J=275.4Hz),125.4(q,J=275.6Hz),124.7(q,J=5.8Hz),124.7(q,J=5.7Hz),122.6,122.4,122.3,92.4,89.1.
19F NMR δ −49.77(s,3F),−49.88(s,3F).
IR(KBr) ν 3432,3142,3129,3087,3065,3053,3042,2930,2925,2364,2347,2335,2218,1960,1615,1495,1434,1364,1288,1027,921,852,713,644cm
−1.
Anal. Calcd for C
24H
12F
6:C,69.57;H,2.92.Found:C,69.48;H,2.57.
UV:207,222,280,395nm(λ
max=222nm).
蛍光(222nmにおける吸収波長):304,330,446,462,664nm(λ
max=446nm).
【0122】
【化23】
【0123】
<実施例5:化合物(i)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、化合物(g)(0.868g、1.97mmol)、1,2−ジメトキシエタン(東京化成社製、10mL)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(和光純薬社製、0.161g、1mol%)を加え、20分撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液6mL,フェニルボロン酸(東京化成社製、0.268g、2.2mmol)を加え、14時間還流した。水でクエンチし、ジクロロメタンにて抽出、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。ヘキサン溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、得られた固体をヘキサン溶媒で再結晶した。目的の化合物(i)(0.5683g、74%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 105−106°C.
1H NMR δ 8.69(1H,t,J=2.0Hz),8.60(1H,dd,J=2.1,9.6Hz),8.51(2H,m),7.90(1H,dd,J=1.7,9.5Hz),7.78(2H,dd,J=1.2,8.4Hz),7.62(2H,dd,J=3.6,6.6Hz),7.55(2H,dt,J=1.7,6.6Hz),7.46−7.43(1H,m).
13C NMR δ 139.8,139.8,139.2,139.2,129.6(q,J=1.6Hz),129.1,128.4128.4,128.3,127.4,127.2(q,J=1.2Hz),127.0,127.0,125.7(q,J=275.4Hz),125.7(q,J=276.0Hz),125.6(q,J=28.0Hz),125.6(q,J=28.8Hz),125.5(q,J=29.0Hz),125.2(q,J=5.6Hz),124.6(q,J=5.8Hz),124.5(q,J=6.0Hz),121.9(q,J=5.6Hz).
19F NMR δ −49.70(s,3F),−49.83(s,3F).
IR (KBr) ν 3447,3065,3037,2957,2923,2852,2361,2352,1920,1631,1581,1525,1493,1466,1492,1381,1290,1186,1110,961,884,782,731,673,638cm
−1.
Anal.Calcd for C
22H
12F
6:C,67.70;H,3.10.Found:C,67.83;H,2.80.
UV:413,388,282,207nm(λ
max=207nm).
【0124】
【化24】
【0125】
<実施例6−a:化合物(j)の合成>
実施例1−aのアントラキノンを2,6−ジブロモアントラキノン(0.744g、2.04mmol)に変え、室温で12時間撹拌した以外は同様の操作を行った。目的の化合物(j)(0.875g、85%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR(CD
3CD) δ 8.36(2H,dq,J=2.1,2.1Hz),7.93(2H,dd,J=1.8,8.7Hz),7.73(2H,dq,J=8.4,2.2Hz).
13C NMR(CD
3CD) δ 137.6,133.4,133.3,132.5(q,J=2.9Hz),131.6(q,J=2.7Hz),125.6(q,J=285.7Hz)73.7(q,J=27.5Hz).
19F NMR(CD
3CD) δ −77.55(s).
【0126】
【化25】
【0127】
<実施例6−b:化合物(k)の合成>
実施例1−cの化合物(b)を化合物(j)(2.14g、4.24mmol)に変え、室温で1晩撹拌した以外は同様の操作を行った。目的の化合物(k)(1.52g、76%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 8.66(2H,s),8.36(2H,d,J=9.6Hz),7.69(2H,dd,J=1.7,9.8Hz).
19F NMR δ −50.00(s).
【0128】
【化26】
【0129】
<実施例6−c:化合物(l)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、化合物k(0.047g、0.1mmol)、トルエン(和光純薬社製、1.25mL)、水(0.625mL)、エタノール(0.31mL)、炭酸カリウム(関東化学社製、0.163g、1.2mmol)、フェニルボロン酸(東京化成社製、0.026g、0.22mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(和光純薬社製、0.012g、10mol%)を加え、12時間還流した。水でクエンチし、酢酸エチルにて抽出、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。ヘキサン溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、目的の化合物(l)(0.0291g、62%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 211−213°C.
1H NMR δ 8.70(2H,s),8.61(2H,d,J=9.6Hz),7.93(2H,dt,J=2.0,9.7Hz),7.79(4H,dd,J=1.8,7.2Hz),7.56(4H,dt,J=2.3,7.4Hz),7.48(2H,dd,J=2.3,7.4Hz).
19F NMR δ −49.75(s).
IR (KBr) ν 3426,3080,3068,3045,3032,2361,1632,1520,1468,1411,1371,1321,1279,1210,1141,1112,962,880,821,765cm
−1.
Anal. Calcd for C
28H
16F
6:C,72.10;H,3.46.Found:C,72.25;H,3.18.
UV:207,221,300,406,429nm(λ
max=300nm).
蛍光(300nmにおける吸収波長):300,460,600nm(λ
max=460nm)
【0130】
【化27】
【0131】
<実施例7−a:化合物(m)の合成>
6,13−ペンタキノン(0.585g,1.9mmol)及び炭酸カリウム(関東化学社製、0.240g,1.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬社製、5mL)溶液に0℃でCF
3TMS(東ソー・エフテック社製、0.85mL,5.7mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。その後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)と1N HCl(5.0mL)の混合物に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリーエバポレータを用いて有機溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(関東化学社製、シリカゲル60(球状、63−210μm)、展開溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン=5:1)にて精製した。目的の化合物(m)(0.498g、42%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 261−263°C.
1H NMR δ −0.00(s,18H),7.58−7.65(m,4H),7.96−8.04(m,4H),8.52(d,J=2.1Hz,4H).
13C NMR δ 1.9,75.9(q,J=27.9Hz),120.9(q,J=287.2Hz),126.7,128.2,130.1(q,J=2.5Hz),130.3,132.7.
19F NMR δ −80.27(s).
IR (KBr) ν 3055,2983,2961,2896,1597,1405,1254,1234,1176,1163,1122,1048,992,907,843cm
−1.
【0132】
【化28】
【0133】
<実施例7−b:化合物(n)の合成>
化合物(m)(0.593g,1.0mmol)をテトラヒドロフラン(4.0mL)に溶解し、濃塩酸(0.3mL,3.6mmol)を加え、還流した。3時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2:1)にて精製した。目的の化合物(n)(0.400g、89%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
m.p. >300°C.
1H NMR(CD
3OD) δ 4.88(brs,2H),7.57−7.62(m,4H),7.94−8.06(m,4H),8.60(d,J=1.8Hz,4H).
13C NMR(Acetone−d
6) δ 74.5(q,J=27.2Hz),125.8(q,J=286.5Hz),128.3,129.1,129.7(q,J=2.5Hz),132.2,134.0.
19F NMR(CD
3OD) δ −77.96(s).
IR (KBr) ν 3455,3071,1971,1815,1710,1600,1496,1307,1218,1173,1121,1005,869,751cm
−1.
【0134】
【化29】
【0135】
<実施例7−c:化合物(o)の合成>
化合物(n)(0.134g,0.3mmol)と四臭化炭素(東京化成社製、0.298g,0.9mmol)のジクロロメタン(関東化学社製、2.0mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(関東化学社製、0.367g,1.4mmol)を加え、2時間還流した。2時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/トルエン=20:1)にて精製した。熱メタノール/クロロホルム=10:1で再結晶し、目的の化合物(o)(0.025g,20%収率)を暗青色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 209°C(分解).
1H NMR δ 7.38−7.48(m,4H),7.91−7.97(m,4H),9.10(d,J=1.2Hz,4H).
19F NMR δ −49.59(s).IR (KBr) ν 3057,2925,2855,1359,1219,1179,1161,1108,869,738cm
−1.
HRMS(FAB)found:m/z 414.0835.Calcd for C
24H
12F
6(M
+):414.0843.
【0136】
【化30】
【0137】
<実施例8−a:化合物(p)の合成>
実施例7−aの6,13−ペンタキノンを5,7,12,14−テトラヒドロペンタセン−5,7,12,14−テトラオン(0.0788g,0.23mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(p)(0.0328g、16%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 0.09(18H,s),7.26−7.56(2H,m),7.98−8.01(2H,m),8.62(1H,s).
13C NMR δ 75.8(q,J=28.2Hz),125.7(q,J=288.1Hz),130.8,131.3(q,J=3.3Hz),131.6(sept,J=3.3Hz),133.3,136.5.
19F NMR δ −78.11(s).
IR (KBr) ν 2969,1487,1450,1410,1255,1121,987,960,910,761,728,685,657,630cm
−1.
Anal.Calcd for C
38H
46F
12O
4Si
4:C,50.32;H,5.11.Found:C,50.16;H,5.57.
【0138】
【化31】
【0139】
<実施例8−b:化合物(q)の合成>
実施例7−bの化合物(n)を化合物(p)(0.075g,0.083mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(q)(0.045g、89%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 2.82(4H,s),7.62−7.67(2H,m),8.12(2H,s),8.83(1H,s).
13C NMR δ 73.9(q,J=27.6Hz),126.0(q,J=287.8Hz),129.7,129.9,130.83(sept,J=3.1Hz),135.5,136.6.
19F NMR δ −76.68(s).
IR (KBr) ν 3629,3420,3137,2956,1491,1416,1354,1229,1176,1120,1052,985,920,897,776,744,689,646,629cm
−1.
【0140】
【化32】
【0141】
<実施例8−c:化合物(r)の合成>
実施例7−cの化合物(n)を化合物(q)(0.040g,0.064mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(r)(0.051g、14%収率)を青紫色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 7.52−7.56(4H,m),8.44(4H,s),9.96(2H,s).
19F NMR δ −50.27(s).
HRMS(FAB)found:m/z 550.0546,Calcd for C
26H
10F
12(M
+):550.0591.
【0142】
【化33】
【0143】
<実施例9:化合物(s)の合成>
実施例5のフェニルボロン酸を4−メトキシフェニルボロン酸(0.082g,0.60mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(s)(0.167g、80%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 7.61(2H,m),7.727(1H,q,J=5.0Hz),7.728(1H,d,J=8.7Hz),7.89(1H,dd,J=2.1,9.6Hz),8.50(2H,dquint,J=7.6,2.5Hz),8.57(1H,ddq,J=0.6,9.6,2.3Hz),8.62(1H,quint,J=2.0Hz).
13C NMR δ 55.3,114.5,120.7(q,J=5.6Hz),124.5(q,J=5.6Hz),124.6(q,J=5.6Hz),125.1(q,J=5.6Hz),125.2(q,J=26.3Hz),125.5(q,J=26.7Hz),125.6(q,J=275.8Hz),126.9,125.7(q,J=125.7Hz),127.07,127.10,128.20,128.22,128.8,128.9,129.6,128.7,132.1,138.7,159.9.
19F NMR δ −49.88(s),−49.82(s).
IR (KBr) ν 3434,3132,3046,3005,2964,2936,2898,2837,2784,2550,2360,2058,1609,1578,1522,1496,1467,1252,1187,1115,959,812,718,643cm
−1.
Anal.Calcd for C
23H
14F
6O:C,65.72;H,3.36.Found:C,65.46;H,3.10.
【0144】
【化34】
【0145】
<実施例10:化合物(t)の合成>
実施例5のフェニルボロン酸を4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(0.021g,0.11mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(t)(0.041g、90%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 114.5−116.0°C.
1H NMR δ 7.65(2H,dd,J=3.3,7.2Hz),7.80(2H,d,J=7.8Hz),7.89(3H,m),8.53(2H,m),8.64(1H,ddq,J=0.4,9.4,2.0Hz),8.70(1H,quint,J=2.1Hz).
13C NMR δ 124.1(q,J=270.0Hz),124.6(q,J=5.9Hz),124.7(q,J=5.9Hz),125.5(q,J=275.8Hz),125.6(q,J=275.8Hz),125.6(q,J=5.6Hz),126.0(q,J=4.4Hz),126.6,127.4,127.5,127.7,124.8,128.5,129.2,129.3,123.36,129.39,129.68,129.71,139.3(q,J=32.3Hz),137.7,143.3.
19F NMR δ −63.85(s,3F),−49.89(s,3F),−49.68(s,3F).
IR (KBr) ν 3416,3139,3056,2930,2823,2851,2646,2360,1970,1924,1799,1726,1677,1630,1617,1580,1557,1529,1496,1440,1383,1174,1135,1074,1053,961,817,728,678,624 cm
−1.
Anal.Calcd for C
23H
11F
9:C,60.27;H,2.42.Found:C,60.10;H,2.36.
【0146】
【化35】
【0147】
<実施例11:化合物(u)の合成>
実施例5のフェニルボロン酸をチオフェン−2−ボロン酸(0.077g,0.60mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(u)(0.200g、99%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 137−138°C.
1H NMR δ 7.18(1H,dd,J=3.6,5.1Hz),7.43(1H,dd,J=0.9,5.1Hz),7.61(1H,dd,J=2.9,4.1Hz),7.61(1H,dd,J=0.8,10.4Hz),7.89(1H,dd,J=2.1,9.6Hz),8.52(3H,m),8.69(1H,quint,J=2.1Hz).
13C NMR δ 119.7(q,J=5.8Hz),124.5(q,J=5.6Hz),124.7(q,J=5.6Hz),125.3(q,J=5.8Hz),125.5(q,J=276.2Hz),125.6(q,J=276.1Hz),125.7(q,J=27.7Hz),126.0,126.6,127.0,127.3,127.4,128.5,128.97,128.99,129.46,129.48,129.8,132.6,143.1.
19F NMR δ −49.87(s,3F),−49.92(s,3F).
IR (KBr) ν 3154,3155,3080,3048,2924,2849,1968,1920,1836,1800,1772,1742,1720,1631,1616,1559,1532,1517,1501,1474,1438,1350,1285,1192,1169,952,763,687,633 cm
−1.
Anal.Calcd for C
20H
10F
6S:C,60.61;H,2.52.Found:C,60.22;H,2.27.
【0148】
【化36】
【0149】
<実施例12−a:化合物(v)の合成>
実施例1−aのアントラキノンを2,6−ジヨードアントラキノン(0.8578g、1.867mmol)に変え、室温で12時間撹拌した以外は同様の操作を行った。目的の化合物(v)(0.2825g、25%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR(CD
3OD) δ 8.31(2H,dq,J=2.1,2.1Hz),7.91(1H,dd,J=2.1,8.7Hz),7.72(2H,dq,J=8.4,2.2Hz).
13C NMR(CD
3OD) δ 139.2,138.7(q,J=2.8Hz),137.3,134.9,131.4(q,J=2.5Hz),125.2(q,J=286.1Hz),95.9,73.6(q,J=27.3Hz).
19F NMR(CD
3OD) δ −79.56(s,3F).
【0150】
【化37】
【0151】
<実施例12−b:化合物(w)の合成>
実施例1−cの化合物(b)を化合物(v)(0.2825g、0.471mmol)に変え、室温で1晩撹拌した以外は同様の操作を行った。目的の化合物w(0.2100g、79%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 8.66(2H,s),8.36(2H,d,J=9.6Hz),7.69(2H,dd,J=1.7,9.8Hz).
19F NMR δ −50.00(s).
Anal.Calcd for C
16H
6F
6I
2:C,33.35;H,1.07.Found:C,33.91;H,1.00.
【0152】
【化38】
【0153】
<実施例13−a:化合物(x)の合成>
実施例6−cの化合物(k)を化合物(w)(0.045g,0.08mmol)に、フェニルボロン酸を4−メトキシフェニルボロン酸(0.022g,0.18mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(x)(0.030g、85%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 8.62(2H,s),8.57(2H,d,J=9.3Hz),7.89(2H,d,J=9.6Hz),7.73(4H,d,J=8.7Hz),7.08(4H,d,J=8.7Hz),3.90(6H,s).
19F NMR δ −49.86(s).
HRMS(FAB)found:m/z 526.1336,Calcd for C
30H
20F
6O
2(M
+):526.1367.
【0154】
【化39】
【0155】
<実施例13−b:化合物(y)の合成>
実施例6−cの化合物(k)を化合物(w)(0.082g,0.6mmol)に、フェニルボロン酸を4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(0.021g,0.11mmol)に変えた以外は同様の操作を行い、目的の化合物(y)(0.025g、90%収率)を黄色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 216.8−218.0℃
1H NMR δ 8.72(2H,s),8.68(2H,d,J=8.4Hz),7.92(2H,dd,J=1.5,9.1Hz),7.89(4H,d,J=8.1Hz),7.81(4H,d,J=8.1Hz).
19F NMR δ −63.86(s,6F),−49.70(s,6F).
IR (KBr) ν 3428,3127,3047,2934,2850,2643,1928,1803,1781,1630,1399,1209,1073,847,768,698,605 cm
−1.
Anal.Calcd for C
30H
14F
12:C,58.81;H,2.34.Found:C,59.51;H,2.14.
【0156】
【化40】
【0157】
<実施例14:化合物(a1)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、そこに実施例3−bで合成した化合物(g)(0.132g,0.3mmol)、DMF(3mL)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.010g,0.015mmol,5mol%)、CuI(0.003g,0.015mmol,5mol%)、Et
3N(0.17mL,1.2mmol)、4−(methoxyphenyl)acetylene(0.042g,0.32mmol)、を順に入れ、室温で4時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を用いてクエンチし、ジエチルエーテル15mLで3回抽出、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。ヘキサン:ジクロロメタン=4:1の溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、得られた固体をヘキサン溶媒で再結晶して、目的の化合物(a1)(2−[(4−methoxyphenyl)ethynyl]−9,10−bis(trifluoromethyl)anthracene)を黄色固体として単離した(0.106g,0.239mmol,収率80%)。
(分析結果)
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 8.65(1H,t,J=1.8Hz),8.48(3H,m),7.61(5H,m),6.93(2H,m),3.86(3H,s).
19F NMR(283MHz,CDCl
3) δ −49.87(s,3F),−49.93(s,3F).
13C NMR(75MHz,CDCl
3) δ 160.0,133.4,129.63,129.61,129.4,129.31,129.29,128.82,128.80,128.11,128.09,127.42(q,J=278.1Hz),127.37,127.2(q,J=5.6Hz),125.7(q,J=28.6Hz),125.4(q,J=275.8Hz),125.0(q,J=28.4Hz),124.64(q,J=5.2Hz),124.57(q,J=5.4Hz),122.7,114.6,114.1,92.6,88.1,55.2.
Rf=0.29(Hexane:CH
2Cl
2=4:1)
IR(KBr) ν 3172,3124,3096,3050,3018,2974,2950,2938,2911,2896,2840,2812,2549,2217,2042,1968,1921,1899,1838,1770,1722,1569,1556,1435,1320,955,914,784,647cm
−1.
mp 123.5−124.1℃
Anal.Calcd for C
25H
14F
6O:C,67.57;H,3.18.Found: C,67.50;H,3.35.
【0158】
【化41】
【0159】
<実施例15:化合物(b1)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、そこに実施例12−bで得た化合物(w)(0.028g,0.05mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.002g,0.0025mmol,5mol%)、CuI(0.001g,0.005mmol,10mol%)、PPh
3(0.001g,0.005mmol,10mol%),Et
3N(0.25mL,1.79mmol)、CH
3Ph(0.3mL)、phenylacetylene(0.122g,0.12mmol)を順に入れ、室温で6.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を用いてクエンチし、酢酸エチル15mLで3回抽出、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。ヘキサン溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、得られた固体をヘキサン溶媒で再結晶させて、目的の化合物(b1)(2,6−bis(phenylethynyl)−9,10−bis(trifluoromethyl)anthracene)を黄色固体として単離した(0.022g,0.432mmol,収率86%)。
(分析結果)
1H NMR(300MHz,CDCl
3) δ 8.67(2H,s),8.48(2H,d,J=8.7Hz),7.67(6H,m),7.41(6H,quint,J=3.2Hz).
19F NMR(283MHz,CDCl
3) δ −46.20(s).
13C NMR(75MHz,CDCl
3) δ 131.9,129.7,129.0,128.9,128.7,128.5,127.7(q,J=6.0Hz),125.3(q,J=29.0Hz),125.2(q,J=304.6Hz),124.8(q,J=5.8Hz),122.7,122.5,92.7,89.1.
Rf=0.57(Hexane:CH
2Cl
2=4:1)
IR(KBr) ν 3437,3148,3100,3082,3054,3032,3019,2995,2210,1625,1496,1442,1413,1365,1326,1285,1172,994,923,881,811,720,687,659,580,542,526,480,422cm
−1.
Anal.Calcd for C
32H
16F
6:C,74.71;H,3.13.Found: C,74.67;H,2.96.
mp 215.0−215.5℃
【0160】
【化42】
【0161】
<実施例16:化合物(c1)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、そこに実施例12−bで得た化合物(w)(0.028g,0.05mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(0.002g,0.0025mmol,5mol%)、CuI(0.001g,0.005mmol,10mol%)、PPh
3(0.001g,0.005mmol,10mol%),Et
3N(1mL,7.17mmol)CH
3Ph(0.3mL)、4−methoxyphenylacetylene(0.016g,0.12mmol)を順に入れ、室温で2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を用いてクエンチし、酢酸エチル15mLで3回抽出、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。
ヘキサン:ジクロロメタン=1:1溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、得られた固体をヘキサン溶媒で再結晶させて、目的の化合物(c1)(2,6−bis(4−methoxyphenylethynyl)−9,10−bis(trifluoromethyl)anthracene)を黄色固体として単離した(0.0165g,0.0287mmol,収率57%)。
(分析結果)
1H NMR(300MHz,CDCl
3) δ 8.63(2H,m),8.45(2H,m),7.67(2H,m),7.57(4H,d,J=11.4Hz),6.93(4H,d,J=8.7Hz),3.86(6H,s).
19F NMR(283MHz,CDCl
3) δ −49.00(s).
IR(KBr) ν 3807,3122,3076,3043,3028,3006,2962,2946,2849,2545,2207,1626,1604,1568,1514,1465,1444,1367,1325,1285,1252,1171,1030,1010,925,840,796,729,648,574,546,485,413cm
−1.
mp 215.0−216.2
【0162】
【化43】
【0163】
<実施例17:化合物(d1)の合成>
50mL二口フラスコをアルゴン置換し、そこに実施例12−bで得た化合物(w)(0.100g,0.177mmol)、THF(2mL)、トルエン(2mL)、2−thienylboronic acid(0.067g,0.531mmol)、Na
2CO
3aq(0.4mL,2M)、Pd(PPh
3)
4(0.020g,0.0177mmol,10mol%)を順に加え、7時間還流させた。飽和塩化アンモニウム水溶液を用いてクエンチし、酢酸エチル15mLで3回抽出、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。ヘキサン:ジクロロメタン=4:1溶媒でカラムクロマトグラフィーを行い、目的の化合物(d1)(2,6−dithienyl−9,10−bis(trifluoromethyl)anthracene)を単離した(0.069g,0.144mmol,収率82%)。
(分析結果)
1H NMR(300MHz,CDCl
3) δ 8.68(2H,s),8.52(2H,dd,J=1.2,9.6Hz),7.90(2H,dd,J=1.8,9.3Hz),7.57(2H,dd,J=0.9,3.6Hz),7.43(2H,dd,J=0.9,8.1Hz),7.19(2H,dd,J=3.6,5.1Hz).
19F NMR(283MHz,CDCl
3) δ −49.93(s).
13C NMR(75MHz,CDCl
3) δ 143.2,132.6,129.2(q,J=20.3Hz),128.5,126.6,126.3,125.6(q,J=280.5Hz),125.3(q,J=3.3Hz),124.9,119.9(q,J=5.8Hz).
IR(KBr) ν 3141,3109,3094,3085,2359,2329,1921,1810,1735,1632,1530,1481,1431,1356,1317,1281,1248,1213,1168,1109,1038,948,909.867,850,831,809,777,748,703,673,648,619,598,544,490.
mp 241.8−242.3°C
【0164】
【化44】
【0165】
<実施例18−a:化合物(e1)の合成>
6,13−ペンタキノン(0.308g,1.0mmol)及び炭酸カリウム(関東化学社製、0.055g,0.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬社製、10mL)溶液に0℃でC
2F
5TMS(アルファ・エイサー社製、0.423g,2.2mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)と1N HCl(5.0mL)の混合物に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリーエバポレータを用いて有機溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(関東化学社製、シリカゲル60(球状、63−210μm)、展開溶媒:ヘキサン)にて精製した。目的の化合物(e1)(0.215g、31%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
1H NMR δ 0.17(s,18H),7.60−7.64(m,4H),7.97−8.01(m,4H),8.49(s,4H).
13C NMR δ 2.1,77.9(t,J=21.6Hz),113.8(tq,J=268.0, 32.9Hz),119.2(qt,J=289.0, 37.3Hz),127.5,128.2,129.7,130.2,132.5.
19F NMR δ −77.30(s,6F),−119.19(s,4F).
【0166】
【化45】
【0167】
<実施例18−b:化合物(f1)の合成>
化合物(e1)(0.215g,0.31mmol)をエタノール(4.0mL)に溶解し、濃塩酸(0.4mL,4.8mmol)を加え、還流した。3時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2:1)にて精製した。目的の化合物(f1)(0.168g、99%収率)を白色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 272−274°C.
1H NMR δ 3.30(brs,2H),7.60−7.66(m,4H),7.97−8.04(m,4H),8.61(s,4H).
19F NMR δ −79.55(s,6F),−124.09(s,4F).
IR (KBr) ν 3585,3060,1497,1340,1217,1143,990,848,750cm
−1.
【0168】
【化46】
【0169】
<実施例18−c:化合物(g1)の合成>
化合物(f1)(0.180g,0.32mmol)と四臭化炭素(東京化成社製、0.298g,0.9mmol)のジクロロメタン(関東化学社製、5.0mL)溶液に、0℃でトリフェニルホスフィン(関東化学社製、0.354g,1.35mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。1時間後、再び四臭化炭素(東京化成社製、0.298g,0.9mmol)およびトリフェニルホスフィン(関東化学社製、0.354g,1.35mmol)を加え、さらに1時間撹拌した。その後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)に注ぎ、粗生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)にて精製した。熱メタノール/クロロホルム=10:1で再結晶し、目的の化合物(g1)(0.078g,47%収率)を暗青色固体として得た。
(分析結果)
m.p. 212°C(分解).
1H NMR δ 7.43−7.48(m,4H),7.91−7.98(m,4H),9.06(brs,4H).
19F NMR δ −81.50(s,6F),−95.99(s,4F).
IR (KBr) ν 3066,1311,1220,1172,1041,1013,885,737cm
−1.
【0170】
【化47】
【0171】
<化合物中の重金属含有量の定量試験1>
実施例7−cで得られた化合物(o)の昇華精製後の各種重金属元素のコンタミネーション分析試験を行った。
白金坩堝に試料5mgをはかりとり、ガスバーナーで灰化した。硫酸0.2mLを入れて、ホットプレート上で蒸発乾固後、温度を上げて白煙処理した。残渣を塩酸溶液で溶解し、ICP−MS法にて各種元素(Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pb、P)を定量した。装置は四重極型ICP−MS(パーキンエルマー社製ELAN−DRCII)を用いた。P定量は二重極型ICP−MS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ELEMENT2)を用いた。
結果を表1に示す。
【0172】
【表1】
【0173】
<化合物中のハロゲン含有量の定量試験2>
上記で得られた化合物(o)の昇華精製後のBr、Cl元素のコンタミネーション分析試験を行った。
試料約5mgを酸素燃焼フラスコ法による前処理で溶液化し、イオンクロマトグラフ法にてCl、Brを定量した。
該試料中のBr、Cl元素の含有量を表2に示す。
【0174】
【表2】
【0175】
表1及び表2より、本発明の製造方法により合成した含フッ素芳香族化合物は、金属不純物の含有量が非常に少ないことが分かる。市販の有機半導体の重金属含有量(25重量ppm程度)と比べると、重金属の含有量が格段に低いことが分かる。
【0176】
<化合物の溶解性試験>
実施例7−cで得られた化合物(o)のウェットプロセスへの適用性を検討するために、化合物の各種溶媒への溶解性試験を行った。また、比較としてペンタセンの溶解性試験も行った。
具体的には試料20mgを量りとり、室温で溶媒10gに溶解するかどうか(0.2重量%)、目視により判断した。
結果を、表3に示す。
【0177】
【表3】
【0178】
表3において、○は溶解、×は不溶を表す。
溶解性試験の結果、本発明において合成された化合物は、ペンタセンと比較して有機溶媒への高い溶解性を有することが明らかになった。特にヘキサンやシクロヘキサンのような低極性溶媒にも溶解することが分かった。
【0179】
<蒸着型有機半導体材料特性評価>
(1)化合物(o)
洗浄済みのシリコン基板をn−オクチルトリクロロシランのトルエン溶液に浸漬し、シリコン酸化膜表面を処理した。上記基板に対して、実施例7−cで得られた化合物(o)を真空蒸着(背圧〜10
−4Pa、蒸着レート0.1Å/s、基板温度25℃、膜厚:70nm)することにより、有機半導体層を形成した。
この有機半導体層上部にシャドウマスクを用いて金を真空蒸着し(背圧〜10
−4Pa、蒸着レート1〜2Å/s、膜厚:50nm)、ソース、ドレイン電極を形成した(チャネル長50μm、チャネル幅1mm)。電極とは異なる部位の有機半導体層及びシリコン酸化膜を削り取り、その部分に導電性ペースト(藤倉化成社製、ドータイトD−550)を付け溶媒を乾燥させた。このようにして、トップコンタクト・ボトムゲート構造の電界効果型トランジスタ(FET)素子を作成した。
この部分をゲート電極として用い、シリコン基板に電圧を印加した。得られたFET(電界効果型トランジスタ)素子の電気特性はAgilent社製半導体デバイスアナライザーB1500Aを用いて真空中(<5×10
−3Pa)で評価した。その結果、n型トランジスタ素子としての特性を示した。この有機薄膜トランジスタの電流―電圧特性における飽和領域から、電界効果移動度を求めた。キャリア移動度は2.1×10
−3cm
2/V・sであった。
【0180】
(2)化合物(r)
上記と同様の手法により、実施例8−cで得られた化合物(r)のトップコンタクト・ボトムゲート構造の電界効果型トランジスタ(FET)素子を作成した。電気特性を評価した結果、n型トランジスタ素子としての特性を示した。この有機薄膜トランジスタの電流―電圧特性における飽和領域から、電界効果移動度を求めた。キャリア移動度は4.5×10
−6cm
2/V・sであった。
【0181】
<薄膜X線回折>
上記特性評価で作成した、実施例7−cの化合物(o)の蒸着薄膜のOut−of−planeX線回折パターン測定(基板表面に平行な格子面による回折)を行った。Out−of−planeX線回折測定はRigaku社製のTTR−IIIを用いて、斜入射測定によって評価し、(110)、(200)面に相当する回折線が観測された。
また、同じ蒸着薄膜のIn−planeX線回折パターン測定(基板表面に垂直な格子面による回折)を行った。In−planeX線回折測定はRigaku社製のATX−Gを用いて評価し、d=4.5Åに相当する回折線が観測され、化合物は薄膜内において、結晶性を有していることが分かった。
【0182】
<塗布型有機半導体材料特性評価>
化合物の塗布型有機半導体材料としての特性評価のためスピンコート法を用いて電界効果型トランジスタ(塗布FET)素子を作製し、電界効果移動度(キャリア移動度)を求めた。以下に塗布FET素子の作製方法と半導体特性の評価手法を以下に示す。
【0183】
洗浄済みのシリコン酸化膜付きシリコン基板をn−オクチルトリクロロシランのトルエン溶液に浸漬させ、シリコン酸化膜表面を処理した。上記基板に対して、実施例7−cで得た化合物(o)のキシレン溶液(濃度:0.4重量%)をスピンコートすることにより、有機半導体層を形成した。
【0184】
この有機半導体層上部にシャドウマスクを用いて金を真空蒸着し(背圧〜10
−4Pa、蒸着レート1〜2Å/s、膜厚:50nm)、ソース、ドレイン電極を形成した(チャネル長50μm、チャネル幅1mm)。電極とは異なる部位の有機半導体層及びシリコン酸化膜を削り取り、その部分に導電性ペースト(藤倉化成社製、ドータイトD−550)を付け溶媒を乾燥させた。このようにして、トップコンタクト・ボトムゲート構造の電界効果型トランジスタ(FET)素子を作製した。
【0185】
作製した塗布FET素子をゲート電極として用い、シリコン基板に電圧を印加した。得られた蒸着FET素子の電気特性はAgilent社製の半導体デバイスアナライザーB1500Aを用いて真空中(<5×10
−3Pa)で評価した。
その結果、化合物を用いて形成した有機半導体素子は、pn型トランジスタ素子としての特性を示した。この有機薄膜トランジスタの電流−電圧特性における飽和領域から、キャリア移動度を求めたところ、真空中で5.5×10
−6cm
2/V・sを示した。
【0186】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2012年2月17日出願の日本特許出願(特願2012−033157)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。