【実施例】
【0185】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0186】
(数平均分子量及び重量平均分子量)
実施例において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により、ポリスチレン換算で、求めた。測定する化合物を、約0.5質量%の濃度になるようテトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)に溶解させ、溶液をGPCに30μL注入した。GPCの移動相にはTHFを用い、0.6mL/分の流速で流した。カラムには、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げたものを用いた。検出器には、示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
【0187】
(NMR測定)
実施例において、単量体のNMR測定は、以下の条件で行った。
装置 : 核磁気共鳴装置、INOVA300(商品名)、バリアン社製
測定溶媒 : 重水素化クロロホルム又は重水素化テトラヒドロフラン
サンプル濃度 : 約1質量%
測定温度 : 25℃
【0188】
(LC−MS測定)
LC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はそれらの混合溶液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒子径3μm)を用いた。
【0189】
(重合に用いられる化合物の合成)
<合成例1:化合物3Aの合成>
4口フラスコ内の気体を窒素置換し、上記フラスコ内で、2,7−ジブロモフルオレノン16.5質量部をジフェニルエーテルに懸濁させた。懸濁液を120℃まで加熱し、2,7−ジブロモフルオレノンを溶解させた後、溶液に水酸化カリウム15.5質量部を加え、160℃まで昇温し、2.5時間撹拌した。溶液を室温まで放冷後、ヘキサンを加えて、ろ過し、得られた固形分をヘキサンで洗浄した。4口フラスコ内の気体を窒素置換し、上記フラスコ内で、得られた物を脱水N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)に溶解させた。90℃に昇温した該溶液に、反応を追跡しながら合計53.0質量部のヨウ化メチルを加えた。反応時間は合計10時間であった。室温まで放冷した溶液を0℃に冷却した水の中に滴下し、反応生成物をヘキサンで2回抽出した。シリカゲルを敷いたグラスフィルターでろ過後、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1Aを13.3質量部得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=3.68(s,3H)、7.15(d,2H)、7.20(d,1H)、7.52(d,2H)、7.65(d,1H)、8.00(brs,1H).
13C−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=52.6、121.8、122.2、130.1、131.6、132.3、132.4、133.2、134.7、139.4、140.6、167.8.
【化19】
【0190】
3口丸底フラスコに1−ブロモ−4−n−ヘキシルベンゼン7.5質量部及び無水テトラヒドロフランを加え、−78℃に冷却した。ゆっくりと1.6Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−4−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)を加え、−78℃で2時間撹拌した。温度を保ちながら化合物1A 4.95質量部を無水テトラヒドロフランに溶かし、滴下ロートを用いて、該溶液を−70℃以下に保ちながら滴下した。滴下終了後、−78℃で2時間撹拌し、ゆっくりと室温まで昇温した。該溶液に塩化アンモニウム飽和水溶液を加えて撹拌し、分液ロートに移して水層を除去した。溶液をさらに水で2回洗浄し、得られたテトラヒドロフラン溶液に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。シリカゲルの層を敷いたグラスフィルターに、上記テトラヒドロフラン溶液を通じてろ過し、テトラヒドロフランで洗浄した。得られた溶液を濃縮し乾燥した。次いで、ヘキサン300mLに懸濁させて攪拌した後、ろ過することにより洗浄し、化合物2Aを6.0質量部得た。
【化20】
【0191】
3口フラスコに化合物2A(6.0質量部)及びジクロロメタンを加え、氷浴を用いて0℃に冷却した。溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(27質量部)を、滴下ロートを用いて滴下した。溶液を2時間0℃で撹拌した後、該溶液を水と氷が加えられたビーカーに注加して反応を停止した。溶液を分液ロートへ移して分液し、ジクロロメタンで抽出した後、有機層を合わせて水で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。シリカゲルの層を敷いたグラスフィルターを用いて硫酸ナトリウムをろ過し、濃縮した。得られた油状物にトルエンを加えて加熱還流し、70℃まで冷却後イソプロピルアルコールを加えて撹拌し、室温まで放置して冷却した。生じた結晶をろ過し、乾燥した。得られた結晶をナスフラスコに加え、さらにヘキサン及び活性炭を加えて加熱還流を2時間行った。ラジオライト(昭和化学工業品)、その上にセライトを敷いたグラスフィルターを、加熱(70℃)しておき、これを用いて活性炭をろ過して取り除いた。得られたろ液を半量濃縮し、加熱還流した後室温で1時間撹拌した。さらに氷浴を用いて冷やしながら2時間撹拌し、生じた結晶をろ過して集めた。目的とする化合物3Aを5.4質量部得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.87(t,6H)、1.28〜1.37(m,12H)、1.50〜1.62(m,4H)、2.54(t,4H)、7.04(s,8H)、7.45(d,2H)、7.49(s,2H)、7.55(d,2H).
13C−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=14.4、22.9、29.4、31.6、32.0、35.8、65.4、121.8、122.1、128.1、128.7、129.7、131.1、138.3、141.9、142.1、153.7.
【化21】
【0192】
<合成例2:化合物4Aの合成>
不活性雰囲気下、化合物3A(6.1質量部)及び無水テトラヒドロフランからなる溶液に、−78〜−70℃にて2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(化合物3Aに対して2.5モル当量)を滴下し、さらに6時間撹拌した。次いで、−70℃以下にて化合物5A(イソプロピルピナコールボレート)(5.2質量部)を滴下し、室温にて一晩撹拌した。得られた反応混合物に、塩酸エーテル溶液を−30℃にて滴下した。滴下後に室温まで戻し、減圧濃縮し、トルエンを加え撹拌し、シリカゲルを敷き詰めたろ過器を通じてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し固体を得た。得られた固体をアセトニトリルとトルエンから再結晶を行い、目的とする化合物4Aを4.5質量部得た。
【化22】
【0193】
<合成例3:化合物2Bの合成>
アルゴン気流下、反応容器に1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(20.0質量部)とテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、該溶液を−69℃まで冷却した。該溶液に2.76Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)を−68℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、化合物1B−1(9.0質量部)とテトラヒドロフランからなる溶液を−70℃で1時間かけて滴下し、−70℃で2時間撹拌した。次いで、該溶液に−70℃にてメタノール、蒸留水を加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて一晩撹拌した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘプタン、水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウム加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、化合物1Bを23.4質量部得た。
【化23】
【0194】
アルゴン気流下、反応容器に化合物1B(48.0質量部)及びジクロロメタンを加え、均一溶液を調製し、−30℃に冷却した。該溶液に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Bに対して1モル当量)を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、反応混合物を−20℃に冷却し、蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を有機層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。得られた有機層に10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層を濃縮し溶媒を除去した。次いで、トルエン及びヘプタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、酢酸ブチルとメタノールを用い再結晶することにより、目的とする化合物2Bを23.2質量部得た。
【化24】
【0195】
<合成例4:化合物3Bの合成>
アルゴン気流下、4口フラスコに化合物2B(9.5質量部)、化合物3B−1(6.6質量部)、1,4−ジオキサン、酢酸カリウム(7.05質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、0.1質量部)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2、0.15質量部)を加え、100〜102℃で5時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライト及びシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、濃縮して溶媒を除去した。
次いで、トルエン及びアセトニトリルで再結晶を行うことにより、目的とする化合物3Bを10.1質量部得た。
【化25】
【0196】
<合成例5:化合物2Cの合成>
不活性雰囲気下、3口フラスコに、3−n−ヘキシル−5−メチルブロモベンゼン(26.2質量部)及び無水テトラヒドロフランを加え均一溶液とし、−70℃に冷却した。得られた溶液に、2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(3−n−ヘキシル−5−メチルブロモベンゼンに対して0.93モル当量)を、溶液の温度が−70℃に保たれるように滴下し、同温度にて4時間撹拌し、溶液(以下、「溶液A」と言う。)を調製した。
別途、2口フラスコに、2−メトキシカルボニル−4,4’−ジブロモビフェニル(16.0質量部)及び無水テトラヒドロフランを加え、溶液(以下、「溶液B」と言う。
)を調製した。
溶液Aに溶液Bを、溶液Aの温度が−70℃に保たれるように滴下し、撹拌した。次いで、反応液を室温にて15時間撹拌した。次いで、反応液に水を0℃にて加え、撹拌した。次いで、減圧下濃縮操作により溶媒を留去し、残留物にヘキサン及び水を加え、撹拌し、静置して生成した水層を除去し有機層を得た。この有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、減圧下で濃縮することにより、下記式で表される化合物1Cを白色固体として得た。
【化26】
【0197】
不活性雰囲気下、3口フラスコに、化合物1C(30.0質量部)及び無水ジクロロメタンを加え、5℃に冷却した。得られた混合物に、温度が0〜5℃の範囲内に保たれるように、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Cに対して4.2モル当量)を滴下した後、室温にて終夜撹拌した。反応液を、氷水に注意深く注ぎ、30分撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。この有機層に10質量%リン酸カリウム水溶液を加え、2時間撹拌した後、静置して生成した水層を有機層から除去した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、濃縮することにより溶媒を留去し、オイル状の液体を得た。このオイル状の液体にメタノールを加え、固体を得た。この固体をn−ブチルアセテート及びメタノールから再結晶を行うことにより、下記式で表される化合物2Cを24.0質量部得た。
【化27】
【0198】
<合成例6:化合物3Cの合成>
3口フラスコに、化合物2C(8.0質量部)、ビス(ピナコレート)ジボロン(6.6質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(Pd(dppf)・CH
2Cl
2、0.15質量部)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.099質量部)、無水1,4−ジオキサン及び酢酸カリウム(7.0質量部)を加え、100℃で20時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、シリカゲルを通液させ、シリカゲルをトルエンで洗浄し、得られた溶液の溶媒を濃縮することにより留去し、褐色の液体を得た。この液体を、ヘキサンを展開溶媒とし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した後、濃縮することにより得られた液体にアセトニトリルを加え、固体を得た。この固体をアセトニトリル及びトルエンから再結晶を1回行い、ジクロロメタン及びメタノールから再結晶を1回行い、減圧下で乾燥させることにより、下記式で表される化合物3Cを2.9質量部得た。
【化28】
【0199】
<合成例7:化合物2Dの合成>
3口フラスコ内の気体を窒素置換し、3口フラスコ内で、1−ブロモ−3−n−ヘキシルベンゼン22.6質量部を、無水テトラヒドロフランに溶解させた。得られた溶液を−75℃以下に冷却し、2.5M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3−n−ヘキシルベンゼンに対して0.96モル当量)を滴下し、−75℃以下に保ちながら5時間撹拌した。そこに、2−メトキシカルボニル−4,4’−ジブロモビフェニル15.0質量部を無水テトラヒドロフランに溶解させた溶液を−70℃以下に保ちながら滴下した。得られた溶液を室温までゆっくりと昇温後、終夜撹拌した。反応液を0℃で撹拌しながら、水を滴下した。反応液から溶媒を留去した後、残渣に水を加え、ヘキサン3回で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、水層をヘキサンで再抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去したところ、26.4質量部の化合物1Dの粗生成物を得た。
【化29】
【0200】
3口フラスコ内で、上記で合成した化合物1D 26.4質量部を、ジクロロメタンに溶解させ、該フラスコ内の気体を窒素置換した。得られた溶液を0℃以下に冷却し、5℃以下に保ちながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Dに対して5モル当量)を滴下した。室温までゆっくり昇温後、終夜撹拌した。反応液を氷水中に撹拌しながら注ぎ、30分撹拌した。反応液を分液し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、10質量%リン酸カリウム水溶液を加えて分液し、有機層を水2回で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去して得られたオイルをトルエンに溶解させ、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通し、ろ過した。溶媒を留去した後、メタノールを加えて激しく撹拌した。得られた結晶をろ過し、メタノールで洗浄した。
ヘキサン/酢酸ブチル混合溶媒で再結晶して、化合物2Dを12.1質量部得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.86(6H,t)、1.26(12H,m)、1.52(4H,m)、2.51(4H,t)、6.87(2H,d)、7.00(2H,s)、7.04(2H,d)、7.12(2H,t)、7.46(2H,dd)、7.48(2H,d)、7.55(2H,d).
【化30】
【0201】
<合成例8:化合物3Dの合成>
3口フラスコに化合物2D 5.0質量部を加え、該フラスコ内の気体を窒素置換した。そこに、無水テトラヒドロフランを加え、−70℃以下に冷却した。得られた溶液を−70℃以下に保ちながら2.5M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(化合物2Dに対して2.2モル当量)を滴下した。滴下後、温度を保ちながら4時間撹拌した。そこに、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(化合物2Dに対して2.8モル当量)を加えた後、室温までゆっくり昇温し終夜撹拌した。反応液を−30℃に冷却し、2M塩酸/ジエチルエーテル溶液を滴下した後、室温まで昇温した。そこから溶媒を留去した後、トルエンを加えて溶解させ、シリカゲルを敷いたグラスフィルターに通してろ過し、得られた溶液の溶媒を留去して、5.0質量部の粗生成物を得た。この粗生成物を、窒素雰囲気下でトルエン/アセトニトリル混合溶媒から再結晶し、化合物3Dを3.4質量部得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.86(6H,t)、1.26−1.29(12H,m)、1.31(24H,s)、1.52−1.53(4H,m)、2.50(4H,t)、6.92(2H,d)、7.00(2H,d)、7.08(2H,t)、7.13(2H,s)、7.77(2H,d)、7.81−7.82(4H,m).
【化31】
【0202】
<合成例9:化合物1Eの合成>
ピレン(8.8質量部)にクロロホルムを加えて調製した溶液に、臭素(13.4質量部)とクロロホルムからなる溶液を20〜25℃にて7時間かけて滴下し、さらに20〜25℃にて3時間撹拌した。次いで、20〜25℃にて3時間静置した後、析出した固体をろ過し、クロロホルムで洗浄し、減圧乾燥を行い、固体A9.7質量部を得た。次いで、得られた固体A(4.0質量部)にトルエンを加え30〜35℃にて1時間撹拌し、5℃にて18時間静置した。析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄し、減圧乾燥することにより、目的とする化合物1E(2.66質量部)を得た。
LC−MS(APPI−MS(posi)):358 [M]
+
【化32】
【0203】
<合成例10:化合物4Iの合成>
反応容器をアルゴン雰囲気下とし、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(58.4g)およびテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、−75℃まで冷却した。該溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)(71.2ml)を−75℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、2,7−ジブロモフルオレノン(55.2g)とテトラヒドロフランからなる溶液を−75℃で1時間かけて滴下し、反応液を室温まで昇温させ4時間撹拌した。次いで、該溶液を0℃まで冷却させ、アセトン、2mol%塩酸水をゆっくり加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて静置した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサン、水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、化合物1I(30.2g)を得た。
【化33】
【0204】
反応容器をアルゴン気流下とし、化合物1I(27.7g)およびトリフルオロ酢酸(36ml)を加えた。該溶液にトリメチルシラン(8.4ml)とヘキサン(25ml)の混合溶液を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応液を10℃に冷却し、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を有機層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサンおよびジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、メタノールで洗浄することにより、目的とする化合物2I(12.1g)を得た。
【化34】
【0205】
反応容器をアルゴン気流下とし、化合物2I(12.0g)、ジメチルスルホキシド(60ml)、水(2ml)及び水酸化カリウム(4.85g)を加えた。該溶液にヨウ化メチル(4.1ml)を滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応液を室温にて、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を有機層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。該有機層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した有機層から水層を除去した。有機層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、メタノールと酢酸ブチルを用いて再結晶することにより、目的とする化合物3I(4.3g)を得た。
【化35】
【0206】
反応容器をアルゴン雰囲気下とし、化合物3I(4.2g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(4.0g)、1,4−ジオキサン(45ml)、酢酸カリウム(4.2g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、59mg)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2、88mg)を加え、100℃で20時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライトおよびシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、トルエンおよびメタノールで再結晶を行うことにより、目的とする化合物4I(3.9g)を得た。
【化36】
【0207】
<合成例11:化合物1Tの合成>
100mLの3口フラスコを窒素置換し、2−エチルヘキシルマグネシウムブロミド(1.0Mジエチルエーテル溶液、25mL、25mmol)を取り、還流した。この溶液に2−ブロモアントラセン(5.34g、20.8mmol)とPdCl2(dppf)・CH2Cl2(33mg、0.04mmol)とを50mlの脱水シクロペンチルメチルエーテルに懸濁させた懸濁液を35分間で滴下した。1時間還流後、氷浴につけて冷却し、2M塩酸(5mL)を滴下した。トルエン50mLを加え、50mL、30mLの水で分液洗浄した。水層を合わせ、トルエンで再抽出した。トルエン層を合わせ、飽和食塩水30mLで洗浄した。シリカゲル20gを敷いたグラスフィルターを通して濾過し、トルエンで洗浄した。濾液の溶媒を留去したところ、7.45gの粗生成物を得た。
5.40gの粗生成物をイソプロピルアルコール(54mL)で再結晶をおこなった。加熱、溶解を確認した後、放冷し、内温65℃で結晶化が見られ、この温度で2時間保温した。その後、ゆっくり冷却し、室温まで放冷した後、濾過、イソプロピルアルコールで洗浄した。イソプロピルアルコールによる再結晶を更に2回繰り返し、3.81gの2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(収率67.2%)を白色固体として得た。
LC−MS(APPI positive):291([M+H]
+、exact mass=290)
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.87〜0.94(6H、m)、1.27〜1.48(8H、m)、1.68〜1.75(1H、m)、2.71(2H、d)、7.29(1H、d)、7.40〜7.46(2H、m)、7.71(s、1H)、7.91(1H、d)、7.95〜7.98(2H、m)、8.32(1H、s)、8.36(1H、s).
13C−NMR(75MHz/CDCl
3):
δ(ppm)=11.1、14.4、23.4、25.9、29.2、32.8、40.9、41.0、125.2、125.5、125.6、126.2、127.2、128.2、128.3、128.4、128.5、131.0、131.8、132.2、139.2.
【化37】
【0208】
300mLの4口フラスコを窒素置換し、2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(3.50g、12.1mmol)を取り、105mLの脱水ジクロロメタンに溶解させた。反応マスを氷浴につけて冷却し、20分で臭素(4.17g、26.1mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、45分攪拌した後、1%チオ硫酸ナトリウム水溶液を5分で滴下し、反応をクエンチした。分液し、有機層をクロロホルム100mLで抽出した。有機層を合わせ、水洗した。シリカゲル20gを敷いたグラスフィルターを通して濾過し、ヘキサンで洗浄した。濾洗液を濃縮し、5.47gの粗生成物を黄色粘性オイルとして得た。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ120g、展開溶媒ヘキサンのみ)にて精製し、4.26gの黄色粘性オイルとして得た。次いでメタノール1Lを加え加熱溶解し、一晩静置して結晶を得た。このスラリー溶液を約150mLまで濃縮した後、濾過し、3.91gの淡黄色固体を得た。
得られた固体をヘキサン(50mL)に溶解させ、活性炭1.00gを加え、1時間攪拌した。セライト13gを敷いたグラスフィルターを通して濾過、ヘキサン洗浄し、濾洗液を濃縮した。これにイソプロピルアルコール(100mL)を加えて加熱した後、35℃まで放冷し、種晶を加えた。攪拌後、濾過、イソプロピルアルコールで洗浄し、2.76g(収率51%)の9,10ジブロモ−2−(2−エチルヘキシル)アントラセン(化合物1T)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.86〜0.97(6H、m)、1.20〜1.40(8H、m)、1.72〜1.77(1H、m)、2.78(2H、d)、7.43(1H、d)、7.55〜7.59(2H、m)、8.28(1H、s)、8.46(1H、d)、8.51〜8.54(2H、m).
13C−NMR(75MHz/CDCl
3):δ(ppm)=11.2、14.5、23.3、25.9、29.1、32.7、40.7、40.9、122.8、123.6、127.2、127.3、127.6、128.3、128.4、128.5、130.3、130.8、131.4、141.7.
【化38】
【0209】
<合成例12:化合物3Pの合成>
窒素雰囲気下、1,5−ナフチルビス(トリフルオロメタンスルホネート)(化合物1P、25.0g)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメチレン付加体(0.24g)と、tert−ブチルメチルエーテル(410mL)を仕込み、10℃以下で、2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド(1mol/L ジエチルエーテル溶液173mL)を滴下し、室温にて4時間攪拌した。反応終了後、水と2N塩酸の混合液に反応液を注加し、水層を酢酸エチルにより抽出した後、得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン)により精製を行い、化合物2Pを淡黄色油状物として21.3g得た。
MS(ESI、positive):[M
+]353
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.75−1.00(12H,m),1.10−1.50(16H,m),1.69−1.85(2H,m),2.90−3.05(4H,m),7.24−7.38(3H,m),7.35−7.44(3H,m),7.90−7.95(3H,m).
【化39】
【0210】
窒素雰囲気下、化合物2P(21.3g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(46.0g)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(0.24g)(アルドリッチ社製)、4,4’−ジtert−ブチル−2,2’−ジピリジル(0.19g)及びジオキサン(140mL)の混合物を、100℃で3時間攪拌した。得られた混合物を冷却後、ジオキサンを減圧下で留去し、残留物にメタノールを加え、析出した固体をろ取し、乾燥させた。この固体をトルエンに溶解させ、活性白土を加え、60℃で30分撹拌した。その後、混合物を、シリカゲルをプレコートした濾過機にて熱時ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた濃縮残渣にメタノールを加え、析出した固体をろ取し、乾燥させて、化合物3Pを白色粉末固体として28.0g得た。
LC−MS(ESI、positive):[M
+]605
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.85−0.95(12H,m),1.24−1.50(16H,m),1.66−1.85(2H,m),2.90−3.18(4H,m),7.60(2H,s),8.47(2H,s).
【0211】
【化40】
【0212】
<合成例13:化合物6Mの合成>
5Lの三つ口フラスコに、マグネシウム(60.5g、2.485mol)、脱水ジエチルエーテル(1500mL)、1,2−ジブロモエタン(1mL、0.0115mol)を加え、そこに、2−エチルヘキシルブロミドをゆっくり加え、40℃にて2時間攪拌し、室温に戻し溶液Aを調製した。次いで、5Lの三つ口フラスコに、3,4−ジブロモチオフェン(100g、0.4233mol)、ビス(ジフェニルフォスフィノプロパン)ニッケル(II)及び脱水ジエチルエーテル(1500mL)を加えて溶液を調製し、そこに、溶液Aを室温にて加え、室温で4時間攪拌し、さらに40℃にて14時間攪拌した。得られた反応液を、1.5N塩酸水溶液と氷の混合物に加え攪拌し、分離した有機層を水層と分離した。該有機層を水(1000mL)、飽和食塩水(1000mL)で洗浄し、濃縮乾固した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする化合物1Mを得た(124g、収率97%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.96〜1.03(12H、m)、1.19〜1.38(16H、m)、1.55〜1.60(2H、m)、2.44(4H、d)、6.86(2H、s).
【化41】
【0213】
5Lの三つ口フラスコに、化合物1M(124g、0.4018mol)及びジクロロメタン(2.5L)を加え、そこに攪拌しながらメタクロロ過安息香酸(m−CPBA)をゆっくり加え、室温にて14時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン(1L)を加え、NaHSO3水溶液(500mL)にて2回、NaHCO3水溶液(500mL)にて2回、飽和食塩水(500mL)にて2回洗浄し、有機層を濃縮乾固して粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、目的とする化合物2Mを得た(80g、収率59%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.86〜0.92(12H、m)、1.27〜1.39(16H、m)、1.40〜1.60(2H、m)、2.22(4H、d)、6.20(2H、s).
【化42】
【0214】
2Lの三つ口フラスコに、化合物2M(80g、0.2349mol)、1,4−ナフタレンジオン(63.15g、0.3993mol)及びジメチルスルホキシド(1600mL)を加え、110℃にて60時間攪拌した。次いで、得られた反応液を、室温にて水(1L)にゆっくり加え攪拌し、ジクロロメタン(2L)を加え攪拌し、得られた有機層を水層と分離した。該有機層を、水(500mL)で2回、飽和食塩水(1000mL)で1回洗浄し、濃縮乾固して粗生成物を得た。次いで、該粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする化合物3Mを得た(51g、収率49%)
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.92〜0.99(12H、m)、1.26〜1.39(16H、m)、1.66〜1.68(2H、m)、2.71(4H、d)、7.78(2H、dd)、8.05(2H、s)、8.31(2H、dd).
【化43】
【0215】
1,4−ジブロモベンゼン(31.20g、132mmol)及び脱水ジエチルエーテル(279mL)からなる溶液に、1.67Mのn−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(79.2mL、132mmol)を−78℃にて滴下し、同温度にて1時間攪拌し、溶液Bを調製した。次いで、化合物3M(14.31g、33mmol)及び脱水ジエチルエーテル(28mL)からなる溶液に、溶液Bを−78℃にて滴下し、同温度にて1時間攪拌した。次いで、室温にて3時間攪拌し、0℃にて水(140mL)を加え攪拌した。次いで、酢酸エチルを加え攪拌して得られた有機層を水層と分離した。得られた有機層を濃縮乾固し、目的とする化合物4Mを得た(32.8g)。
【化44】
【0216】
化合物4M(24.69g)、酢酸(165mL)、ヨウ化カリウム(14.27g)及びNaHPO
2・H
2O(31.54g)を125℃にて3時間攪拌した。得られた反応液を氷水に加え攪拌し、さらにトルエンを加え攪拌し、得られた有機層を水層と分離した。該有機層を濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする化合物5Mを得た(21.83g)。
【化45】
【0217】
不活性ガス雰囲気下、化合物5M(1.70g、2.39mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(1.33g、5.25mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(Pd(dppf)・CH
2Cl
2、38mg、0.05mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(30mg、0.05mmol)、無水1,4−ジオキサン(20mL)及び酢酸カリウム(1.4g、14.31mmol)を加え、還流下6時間攪拌した。得られた混合物を室温に戻した後、水、トルエンを加え攪拌し、得られた有機層を水層と分離し、濃縮乾固し、粗生成物を得た。該粗生成物に、ヘキサン(100mL)、活性炭(0.3g)を加え40℃にて30分攪拌し、セライトを敷き詰めた濾過器にて濾過を行い、濃縮乾固し固体を得た。該固体をヘキサンにて再結晶を行い、目的とする化合物6Mを得た(0.43g)。
【化46】
【0218】
<合成例14:化合物5Nの合成>
まず、化合物1Nを用いて下記のとおり化合物2Nを合成した。
【化47】
(式中、波線は、当該波線を有する化合物が幾何異性体混合物であることを示す。)
【0219】
撹拌器を備えた1Lの四つ口フラスコにヘプチルトリフェニルホスホニウムブロミド(115.0g)入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。このフラスコ内に、トルエン(375g)を入れ、5℃以下に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(29.2g)を入れ、室温まで昇温した後、室温で3時間保温撹拌した。反応液中に生じた赤色スラリーに、化合物1N(15.0g)を入れ、室温で12時間保温撹拌した。反応液に酢酸(10.0g)を入れて15分撹拌した後、濾過し、濾過残渣をトルエンで複数回洗浄した。複数回分のろ液を合わせて濃縮し、ヘキサンを入れたところスラリーが生じたので、このスラリーを50℃で、1時間保温しながら撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、濾過した。濾過残渣をヘキサンで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮することで粗生成物が得られた。この粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製することで、無色透明液体として化合物2Nを21.7g得た。
LC−MS(ESI、positive):[M+K]
+491
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.87(6H、t)、1.20〜1.36(16H、m)、1.82〜1.97(4H、m)、2.57〜2.81(8H、m)、5.20(2H、br)、7.23〜7.32(4H、m)、7.41〜7.48(2H、m)、7.87〜7.90(2H、m).
【0220】
次いで、化合物2Nを用いて下記のとおり化合物3Nを合成した。
【化48】
(式中、波線は、当該波線を有する化合物が幾何異性体混合物であることを示す。また、式中、*は、それを付した炭素原子が不斉炭素原子であることを示す。)
【0221】
撹拌器を備えた1Lの四つ口フラスコに化合物2N(21.7g)を入れた後、酢酸エチル(152.4g)とエタノール(151.6g)を入れ、フラスコ内の気体を窒素で置換した。5重量%Pd/C(約50重量%含水品)(4.3g)を入れた後、フラスコ内の気体を水素で置換し、水素雰囲気下、40℃で27時間保温しながら撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣を酢酸エチルで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製することで、無色透明液体として化合物3Nを21.7g得た。
LC−MS(APPI、positive):[M]
+456
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.66〜0.98(6H、m)、1.00〜2.22(34H、m)、7.13〜7.50(6H、m)、7.80〜7.98(2H、m).
【0222】
次いで、化合物3Nを用いて下記のとおり化合物4Nを合成した。
【化49】
(式中、*は、それを付した炭素原子が不斉炭素原子であることを示す。)
【0223】
撹拌器を備えた500mLの四つ口フラスコに化合物3N(21.7g)、クロロホルム(261.1g)及びトリフルオロ酢酸(44g)を入れ、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した。四つ口フラスコ全体を遮光し、臭素(19.0g)とクロロホルム(65.3g)の混合物を室温で、15分かけてフラスコ内に滴下し、その後35℃まで昇温した。
【0224】
35℃で7時間、保温しながら撹拌した後、15℃以下に冷却した。反応液に10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(109g)入れ、室温まで昇温した。反応液から水層を分離し、有機層を水、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、ろ液を濃縮することにより、粗生成物を得た。この粗生成物をエタノールとヘキサンの混合液で、2回再結晶を行った。得られた固体をヘキサンに溶解させ、シリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン)を用いて精製し、得られたヘキサン溶液に活性炭(2.1g)を加え、45℃で1時間、保温しながら撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をヘキサンで複数回洗浄し、複数回分のろ液を合わせて一部濃縮しヘキサン溶液を得た。このヘキサン溶液にエタノールを加えて、再結晶することにより、化合物4Nを白色固体として18.8g得た。
LC−MS(ESI、negative):[M+Cl]
−648
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)=0.66〜0.98(6H、m)、1.00〜2.20(34H、m)、7.22〜7.78(6H、m).
【0225】
1H−NMRの測定結果から、化合物4Nが立体化学の異なる異性体(4a:4b:4c=51:39:10)(モル比)の混合物であることを確認した。
【化50】
【0226】
次いで、化合物4Nを用いて下記のとおり化合物5Nを合成した。
【化51】
(式中、*は、それを付した炭素原子が不斉炭素原子であることを示す。)
【0227】
200mLの4つ口フラスコに、化合物4N(9.70g)、ビスピナコレートジボロン(8.82g)及び酢酸カリウム(9.25g)を入れた後、フラスコ内の気体を窒素で置換した。そこに、1,4−ジオキサン(95mL)、塩化パラジウム(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロメタン付加体(PdCl
2(dppf)(CH
2Cl
2)(0.195g)及びジフェニルホスフィノフェロセン(dppf)(0.131g)を加え、105℃で7時間攪拌した。得られた溶液を、室温まで冷却した後、セライトをプレコートした漏斗で濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた濃縮物をヘキサンに溶解させた後、活性炭を加えて40℃で1時間加熱しながら攪拌した。得られた混合物を、室温まで冷却した後、セライトをプレコートした漏斗で濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた固体を、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒で再結晶することで白色固体として化合物5Nを9.0g得た。
LC−MS(ESI、positive、KCl添加):[M+K]
+747
【0228】
<合成例15:化合物2Qの合成>
下記化合物1Q(3.00g)、ビスピナコレートジボロン(2.84g)、酢酸カリウム(2.99g)、1,4−ジオキサン(30g)、塩化パラジウム(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロメタン付加体(PdCl
2(dppf)(CH
2Cl
2)(83mg)及びジフェニルホスフィノフェロセン(dppf)(56mg)を、103℃で6時間攪拌した。得られた溶液を、室温まで冷却した後、セライトを敷き詰めた漏斗で濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた濃縮物をヘキサンに溶解させた後、活性炭を加えて40℃で1時間加熱しながら攪拌した。得られた混合物を、室温まで冷却した後、セライトを敷き詰めた漏斗で濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた固体を、トルエンとアセトニトリルの混合溶媒で再結晶することで白色固体として化合物2Qを2.6g得た。
【化52】
【0229】
(重合体の製造)
【0230】
<重合例1:重合体1の合成>
不活性雰囲気下、化合物3C(13.380g、17.45mmol)、下記式:
【化53】
で表される化合物(F8BE:3.702g、6.98mmol)、化合物2D(16.121g、24.93mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.5mg)及びトルエン(478mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(83.7g)を滴下し、4.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(300mg)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.5mg)を加え、さらに14時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体1(14.75g)を得た。重合体1のポリスチレン換算の数平均分子量は6.1×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.1×10
5であった。
【0231】
重合体1は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化54】
で表される構成単位と、下記式:
【化55】
で表される構成単位と、下記式:
【化56】
で表される構成単位とを、36:14:50のモル比で有する共重合体であった。
【0232】
<重合例2:重合実施例1となる重合体2の合成>
不活性雰囲気下、化合物3A(2.218g、3.00mmol)、下記式:
【化57】
で表される化合物(化合物1F:1.008g、3.02mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(75mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、5.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(36.6mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに14時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体2(高分子化合物:1.33g)を得た。重合体2(高分子化合物)のポリスチレン換算の数平均分子量は1.4×10
5であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.2×10
5であった。
【0233】
重合体2は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化58】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化59】
で表されるYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有しており、上述の重合シミュレーションによれば、一般式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0234】
<重合例3:重合実施例2となる重合体3の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(2.694g、2.97mmol)、化合物1F(1.008g、3.00mmol)、フェニルボロン酸(7.3mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(71mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、6.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(36.5mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに16.5時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体3(高分子化合物:2.13g)を得た。重合体3のポリスチレン換算の数平均分子量は2.9×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.6×10
4であった。
【0235】
重合体3は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化60】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化61】
で表されるYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0236】
<重合例4:重合実施例3となる重合体4の合成>
不活性雰囲気下、化合物3C(2.300g、3.00mmol)、化合物1F(1.008g、3.00mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(71mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、3.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(37.0mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに16時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体4(高分子化合物:1.50g)を得た。重合体4のポリスチレン換算の数平均分子量は1.3×10
5であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.6×10
5であった。
【0237】
重合体4は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化62】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化63】
で表されるYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0238】
<重合例5:重合実施例4となる重合体5の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(1.785g、1.97mmol)、化合物1E(0.720g、2.00mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7mL)を滴下し、4時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.3mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7mL)を加え、さらに19時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体5(高分子化合物:1.41g)を得た。重合体5のポリスチレン換算の数平均分子量は6.1×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.5×10
5であった。
【0239】
重合体5は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化64】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化65】
で表されるYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0240】
<重合例6:重合実施例5となる重合体6の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(1.805g、1.99mmol)、下記式:
【化66】
で表される化合物1G(1.024g、2.00mmol)、酢酸パラジウム(0.5mg)、トリス(トリ−o−メトキシフェニルホスフィン)(2.8mg)及びトルエン(60mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7mL)を滴下し、3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、酢酸パラジウム(0.5mg)、トリス(トリ−o−メトキシフェニルホスフィン)(2.8mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7mL)を加え、さらに18.5時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体6(高分子化合物:0.87g)を得た。重合体6のポリスチレン換算の数平均分子量は5.6×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.1×10
5であった。
【0241】
重合体6は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化67】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化68】
で表されるYに該当する構成単位とを、50:50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=2)のみからなる交互共重合体であった。
【0242】
<重合例7:重合体7の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(2.688g、2.96mmol)、下記式:
【化69】
で表される化合物1H(1.640g、1.80mmol)、下記式:
【化70】
で表される化合物(F8BR:0.411g、0.75mmol)、下記式:
【化71】
で表される化合物1J(0.238g、0.45mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(62mL)を混合し、105℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、3時間20分還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(36.8mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに16時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体7(3.12g)を得た。重合体7のポリスチレン換算の数平均分子量は8.0×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×10
5であった。
【0243】
重合体7は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化72】
で表される構成単位と、下記式:
【化73】
で表される構成単位と、下記式:
【化74】
で表される構成単位と、下記式:
【化75】
で表される構成単位とを、50:30:12.5:7.5のモル比で有する共重合体であった。
【0244】
<重合例8:重合実施例6となる重合体8の合成>
不活性雰囲気下、化合物4I(1.725g、2.55mmol)、化合物1F(0.8401g、2.50mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(39mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、2.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(30.5mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(18mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(18mL)で2回、水(18mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(253mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(52mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(253mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体8(高分子化合物:6.4g)を得た。重合体8のポリスチレン換算の数平均分子量は1.2×10
5であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は4.8×10
5であった。
【0245】
重合体8は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化76】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化77】
で表されるYに該当する構成単位とを、50/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0246】
<重合例9:重合実施例7である重合体9の合成>
不活性雰囲気下、化合物4I(1.999g、3.0mmol)、化合物1T(1.345g、3.0mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.7mg)及びトルエン(55mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、6.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(37mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.7mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(30mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(30mL)で2回、水(30mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(360mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(123mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(360mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体9(高分子化合物:1.37g)を得た。重合体9のポリスチレン換算の数平均分子量は9.4×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×10
5であった。
【0247】
重合体9は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化78】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化79】
で表されるYに該当する構成単位とを、50/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる交互共重合体であった。
【0248】
<重合例10:重合実施例8である重合体10の合成)
不活性雰囲気下、化合物3P(1.782g、2.95mmol)、化合物1T(1.345g、3.00mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.7mg)及びトルエン(50mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を滴下し、3.0時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(37mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.7mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(27mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(27mL)で2回、水(27mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(323mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(199mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(323mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体10(高分子化合物:1.60g)を得た。重合体10のポリスチレン換算の数平均分子量は4.4×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.9×10
5であった。
【0249】
重合体10は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化80】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化81】
で表されるYに該当する構成単位とを、50/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖のみ(n=1)からなる交互共重合体であった。
【0250】
<重合例12:重合実施例10である重合体12の合成>
不活性雰囲気下、化合物3P(0.7300g、1.21mmol)、化合物5N(0.8858g、1.25mmol)、化合物1T(1.1206g、2.50mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(45mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、4時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(31mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(24mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(24mL)で2回、水(24mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(292mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(120mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(292mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体12(高分子化合物:1.25g)を得た。重合体12のポリスチレン換算の数平均分子量は7.0×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は8.0×10
5であった。
【0251】
重合体12は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化82】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化83】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化84】
で表されるYに該当する構成単位とを、25/25/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる共重合体であった。
【0252】
<重合例13:重合実施例11となる重合体13の合成>
不活性雰囲気下、化合物2Q(1.3419g、1.960mmol)、化合物4I(0.3383g、0.500mmol)、化合物1T(1.1206g、2.50mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(46mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、4時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(31mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(25mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(25mL)で2回、水(25mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(303mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(124mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(673mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体13(高分子化合物:1.36g)を得た。重合体13のポリスチレン換算の数平均分子量は7.5×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.0×10
5であった。
【0253】
重合体13は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化85】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化86】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化87】
で表されるYに該当する構成単位とを、40/10/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる共重合体であった。
【0254】
<重合例14:重合実施例12となる重合体14の合成>
不活性雰囲気下、化合物3P(0.7330g、1.213mmol)、化合物4I(0.8457g、1.250mmol)、化合物1T(1.1206g、2.50mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及びトルエン(44mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を滴下し、5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(31mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.3mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(24mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(24mL)で2回、水(24mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(285mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(117mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(380mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体14(高分子化合物:1.14g)を得た。重合体14のポリスチレン換算の数平均分子量は8.0×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×10
5であった。
【0255】
重合体14は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化88】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化89】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化90】
で表されるYに該当する構成単位とを、25/25/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる共重合体であった。
【0256】
<重合例15:重合実施例13となる重合体15の合成>
不活性雰囲気下、化合物3P(4.9955g、8.264mmol)、化合物4I(1.4208g、2.100mmol)、化合物1T(4.7064g、10.500mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(9.3mg)及びトルエン(177mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(35mL)を滴下し、4時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(128mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(9.3mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(35mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(96mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(96mL)で2回、水(96mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(1158mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(237mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(1158mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体15(高分子化合物:5.0g)を得た。重合体15のポリスチレン換算の数平均分子量は7.0×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×10
5であった。
【0257】
重合体15は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化91】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化92】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化93】
で表されるYに該当する構成単位とを、40/10/50のモル比で有し、式(1)で表される構成連鎖(n=1)のみからなる共重合体であった。
【0258】
<重合例16:重合実施例14となる重合体16の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(8.888g、9.80mmol)、化合物2B(0.813g、1.00mmol)、化合物1F(3.024g、9.00mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.0mg)及びトルエン(202mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(33mL)を滴下し、6時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(122mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.0mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(33mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(129mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(129mL)で2回、水(129mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(1560mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(320mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(1560mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体16(高分子化合物:6.4g)を得た。重合体16のポリスチレン換算の数平均分子量は6.9×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.1×10
5であった。
【0259】
重合体16は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化94】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化95】
で表されるYに該当する構成単位とを、55/45のモル比で有する共重合体であった。この共重合体は、上記の重合シミュレーションを用いた場合の重合条件9に該当し、共重合体中に含まれる式(1)で表される構成連鎖(n=1、m’=9.9)を含む共重合体であった。
【0260】
<重合例17>(重合実施例15となる重合体17の合成)
不活性雰囲気下、化合物3B(8.888g、9.80mmol)、化合物2B(1.6257g、2.0mmol)、化合物1F(2.688g、8.00mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.0mg)及びトルエン(213mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(33mL)を滴下し、6時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(122mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.0mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(33mL)を加え、さらに12時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(129mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(129mL)で2回、水(129mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(1560mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(320mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(1560mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体17(高分子化合物:9.12g)を得た。重合体17のポリスチレン換算の数平均分子量は3.1×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は9.5×10
4であった。
【0261】
重合体17は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化96】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化97】
で表されるYに該当する構成単位とを、60/40のモル比で有する共重合体であった。この共重合体は、上記の重合シミュレーションを用いた場合の重合条件8に該当し、共重合体中に含まれる式(1)で表される構成連鎖(n=1、m’=5.35)を含む共重合体であった。
【0262】
<重合例18:重合体18の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(1.796g、1.98mmol)、化合物2B(0.650g、0.80mmol)、化合物1F(0.403g、1.2mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を滴下し、5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(26mL)で2回、水(26mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体18(1.74g)を得た。重合体18のポリスチレン換算の数平均分子量は1.1×10
5であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.7×10
5であった。
【0263】
重合体18は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化98】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化99】
で表されるYに該当する構成単位とを、70/30のモル比で有する共重合体であった。この共重合体は、上記の重合シミュレーションを用いた場合の重合条件6に該当し、共重合体中に含まれる式(1)で表される構成連鎖(n=1、m’=2.95)を含む共重合体であった。
【0264】
<重合例19:重合体19の合成>
不活性雰囲気下、化合物3B(1.796g、1.98mmol)、化合物3C(1.301g、1.60mmol)、化合物1F(0.131g、0.40mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を滴下し、5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(26mL)で2回、水(26mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体19(2.07g)を得た。重合体19のポリスチレン換算の数平均分子量は1.1×10
5であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は3.4×10
5であった。
【0265】
重合体19は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化100】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化101】
で表されるYに該当する構成単位とを、90/10のモル比で有する共重合体であった。この共重合体は、上記の重合シミュレーションを用いた場合に重合条件2に該当し、共重合体中に含まれる式(1)で表される構成連鎖)(n=1、m’=1.75)を含む共重合体であった。
【0266】
<重合例20:重合体20の合成>
不活性雰囲気下、化合物F8BE(1.254g、2.0mmol)、化合物1T(0.896g、2.0mmol)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)及びトルエン(47mL)を混合し、100℃に加熱した。反応液に20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を滴下し、5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.8mg)及び20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6mL)を加え、さらに20時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26mL)で2回、3質量%酢酸水溶液(26mL)で2回、水(26mL)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムを順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(311mL)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、重合体20(0.99g)を得た。重合体20のポリスチレン換算の数平均分子量は5.0×10
4であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.4×10
5であった。
【0267】
重合体20は、使用した原料の量比から求めた理論値では、下記式:
【化102】
で表されるZに該当する構成単位と、下記式:
【化103】
で表されるYに該当する構成単位とを、50/50のモル比で有する交互共重合体であった。
【0268】
<合成例16:低分子蛍光体1の合成>
不活性ガス雰囲気下、4−オクチルフェニルフェニルアミン(4.92g、17.48mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.076g、0.08mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.095g、0.33mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(2.40g、24.97mmol)にトルエン11mL加え、100℃まで加熱攪拌し、溶解させた。得られた溶液に100℃でジブロモピレン(3.00g、8.33mmol)を加え、100℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、反応液にトルエンを加えて攪拌し、シリカゲルを積層させた濾過器を通液させ、濾液を濃縮乾固した。得られた固体をトルエンとメタノールで再結晶を行い、さらにヘキサンで再結晶することにより、下記式で表される低分子蛍光体1を得た(2.53g、収率40%)。
1H−NMR(300MHz/CDCl
3):δ(ppm)= 0.89(t,6H)、1.28(m,20H)、1.58(m,4H)、2.53(t,4H)、6.90(t,2H)、7.01(m,12H)、7.18(t,4H)、7.79(d,2H)、7.89(d,2H)、8.07(d,2H),8.13(d,2H).
【化104】
【0269】
(有機EL素子の製造と評価)
<実施例1:有機EL素子1の製造と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコートにより50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で170℃で15分間乾燥し、有機EL用基材を作製した。
【0270】
次に、キシレン溶媒中に0.7質量%の濃度で溶解させた正孔輸送性重合体(重合体7)の溶液をスピンコートして、約20nmの厚みに成膜した。その後、窒素雰囲気下においてホットプレート上で180℃、60分間加熱した。
【0271】
次に、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた重合体2の溶液と、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体2:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して、組成物1を調製した。
【0272】
組成物1をスピンコート法により1200rpmの回転速度で、上記基材上に成膜し、厚さが約60nmの発光層を作製した。これを窒素雰囲気下130℃で10分間乾燥した後、陰極としてフッ化ナトリウムを約3nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、有機EL素子1を作製した。真空度が、1×10
−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
【0273】
得られた有機EL素子1に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.9Vから発光が開始し、最大発光効率は8.0cd/Aであった。
【0274】
上記で得られた有機EL素子1を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は45時間後に半減した。
【0275】
<実施例2:有機EL素子2の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた重合体3の溶液と、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体3:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子2を作製した。得られた有機EL素子2に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は4.0Vから発光が開始し、最大発光効率は5.9cd/Aであった。
【0276】
上記で得られた有機EL素子2を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は30時間後に半減した。
【0277】
<実施例3:有機EL素子3の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた重合体4の溶液と、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体4:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子3を作製した。得られた有機EL素子3に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.9Vから発光が開始し、最大発光効率は5.8cd/Aであった。
【0278】
上記で得られた有機EL素子3を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は32時間後に半減した。
【0279】
<実施例4:有機EL素子4の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた重合体5の溶液と、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体5:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子4を作製した。得られた有機EL素子4に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.9Vから発光が開始し、最大発光効率は7.4cd/Aであった。
【0280】
上記で得られた有機EL素子4を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は24時間後に半減した。
【0281】
<実施例5:有機EL素子5の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体6の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体6:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子5を作製した。得られた有機EL素子5に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.1Vから発光が開始し、最大発光効率は7.1cd/Aであった。
【0282】
上記で得られた有機EL素子5を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は84時間後に半減した。
【0283】
<実施例6:有機EL素子6の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体8の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体8:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子6を作製した。得られた有機EL素子6に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.0Vから発光が開始し、最大発光効率は8.2cd/Aであった。
【0284】
上記で得られた有機EL素子6を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は22時間後に半減した。
【0285】
<実施例7:有機EL素子7の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体9の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体9:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子7を作製した。得られた有機EL素子7に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.3Vから発光が開始し、最大発光効率は6.2cd/Aであった。
【0286】
上記で得られた有機EL素子7を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は50時間後に半減した。
【0287】
<実施例8:有機EL素子8の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体10の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体10:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物10を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子8を作製した。得られた有機EL素子8に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は4.0Vから発光が開始し、最大発光効率は5.0cd/Aであった。
【0288】
上記で得られた有機EL素子8を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は50時間後に半減した。
【0289】
<実施例9:有機EL素子9の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体12の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体12:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物12を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子9を作製した。得られた有機EL素子9に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.9Vから発光が開始し、最大発光効率は6.4cd/Aであった。
【0290】
上記で得られた有機EL素子9を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は20時間後に半減した。
【0291】
<実施例10:有機EL素子10の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体13の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体13:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物13を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作製した。得られた有機EL素子10に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.3Vから発光が開始し、最大発光効率は8.2cd/Aであった。
【0292】
上記で得られた有機EL素子10を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は50時間後に半減した。
【0293】
<実施例11:有機EL素子11の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体14の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体14:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物14を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子11を作製した。得られた有機EL素子11に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.3Vから発光が開始し、最大発光効率は6.4cd/Aであった。
【0294】
上記で得られた有機EL素子11を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は67時間後に半減した。
【0295】
<実施例12:有機EL素子12の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体15の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体15:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物15を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子12を作製した。得られた有機EL素子12に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.5Vから発光が開始し、最大発光効率は6.3cd/Aであった。
【0296】
上記で得られた有機EL素子12を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は59時間後に半減した。
【0297】
<実施例13:有機EL素子13の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体16の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体16:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物16を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子13を作製した。得られた有機EL素子13に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.8Vから発光が開始し、最大発光効率は6.8cd/Aであった。
【0298】
上記で得られた有機EL素子13を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は47時間後に半減した。
【0299】
<実施例14:有機EL素子14の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体17の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体17:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物17を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子14を作製した。得られた有機EL素子14に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.0Vから発光が開始し、最大発光効率は6.7cd/Aであった。
【0300】
上記で得られた有機EL素子14を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は24時間後に半減した。
【0301】
<比較例1:有機EL素子C1の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた重合体1の溶液と、キシレン溶媒中に1.2質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体1:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物8を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子C1を作製した。得られた有機EL素子C1に電圧を印加したところ、この素子から重合体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は2.8Vから発光が開始し、最大発光効率は6.5cd/Aであった。
【0302】
上記で得られた有機EL素子C1を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は8時間後に半減した。
【0303】
<比較例2:有機EL素子C2の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体18の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体18:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物18を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子C2を作製した。得られた有機EL素子C2に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.2Vから発光が開始し、最大発光効率は6.4cd/Aであった。
【0304】
上記で得られた有機EL素子C2を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は10時間後に半減した。
【0305】
<比較例3:有機EL素子C3の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体19の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体19:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物19を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子C3を作製した。得られた有機EL素子C3に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.6Vから発光が開始し、最大発光効率は4.8cd/Aであった。
【0306】
上記で得られた有機EL素子C3を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は5時間後に半減した。
【0307】
<比較例4:有機EL素子C4の製造と評価>
実施例1における組成物1に代えて、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた重合体20の溶液と、クロロベンゼン溶媒中に1.0質量%の濃度で溶解させた低分子蛍光体1の溶液とを質量比で、重合体20:低分子蛍光体1=95:5となるように混合して得られる、組成物20を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子C4を作製した。得られた有機EL素子C4に電圧を印加したところ、この素子から低分子蛍光体1に由来する465nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.3Vから発光が開始し、最大発光効率は5.7cd/Aであった。
【0308】
上記で得られた有機EL素子C4を初期輝度が5000cd/m
2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。その結果、輝度は17時間後に半減した。
【0309】
実施例1〜14及び比較例1〜4の評価結果をまとめて表1に示す。
【0310】
【表1】