(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記互いに隣り合う2枚の負レンズは、両凹レンズと、該両凹レンズに対して前記光の入射側に配置されて前記光の入射側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の投影光学系では、境界レンズと像面(第2面)との間の光路中に1.1よりも大きい屈折率を有する媒質を介在させることにより、像側開口数NAの増大を図っている。ちなみに、M.Switkes氏およびM.Rothschild氏が「SPIE2002 Microlithography」において「MassachusettsInstitute of Technology」に発表した「Resolution Enhancement of 157-nm Lithography by LiquidImmersion」には、波長λが200nm以下の光に対して所要の透過率を有する媒質として、フロリナート(Perfluoropolyethers:米国スリーエム社の商品名)や脱イオン水(DeionizedWater)などが候補として挙げられている。
【0021】
また、本発明の投影光学系では、境界レンズの物体側(第1面側)の光学面に正の屈折力を付与することにより、この光学面での反射損失を低減させ、ひいては大きな実効的な像側開口数を確保することができる。このように、像側に液体等の高屈折率物質を媒質として有する光学系では、実効的な像側開口数を1.0以上に高めることが可能であり、ひいては解像度を高めることができる。しかしながら、投影倍率が一定の場合、像側開口数の増大に伴って物体側開口数も大きくなるため、投影光学系を屈折部材だけで構成すると、ペッツバール条件を満足することが難しく、光学系の大型化も避けられない。
【0022】
そこで、本発明の投影光学系では、少なくとも2枚の反射鏡を含み、すべての透過部材および屈折力(パワー)を有するすべての反射部材が単一光軸に沿って配置され、光軸を含まない所定形状の有効結像領域を有するタイプの反射屈折型光学系を採用している。このタイプの投影光学系では、たとえば凹面反射鏡の作用により、色収差を良好に補正するとともに、ペッツバール条件を容易に満足して像面湾曲を良好に補正することができ、しかも光学系の小型化が可能である。
【0023】
また、このタイプの投影光学系では、すべての透過部材(レンズなど)およびパワーを有するすべての反射部材(凹面反射鏡など)が単一光軸に沿って配置されているので、光学部材が複数の光軸に沿ってそれぞれ配置される複数軸構成に比して製造上の難易度が格段に低くなり好適である。ただし、光学部材が単一光軸に沿って配置される単一軸構成の場合、色収差を良好に補正することが困難な傾向にあるが、たとえばArFレーザ光のように、スペクトル幅を狭帯化したレーザ光を用いることにより、この色収差補正の課題を克服することができる。
【0024】
こうして、本発明では、色収差や像面湾曲などの諸収差が良好に補正されて優れた結像性能を有し、光学面での反射損失を良好に抑えて大きな実効的な像側開口数を確保することのできる比較的小型の投影光学系を実現することができる。したがって、本発明の投影光学系を用いる露光装置および露光方法では、優れた結像性能を有し且つ大きな実効的な像側開口数ひいては高い解像度を有する投影光学系を介して、微細なパターンを高精度に転写露光することができる。
【0025】
なお、本発明では、投影光学系が偶数個の反射鏡を有するように構成すること、すなわち偶数回の反射を経て第1面の像が第2面上に形成されるように構成することが好ましい。この構成により、たとえば露光装置や露光方法に適用する場合、ウェハ上にはマスクパターンの裏面像ではなく表面像(正立像または倒立像)が形成されることになるので、屈折型投影光学系を搭載する露光装置と同様に通常のマスク(レチクル)を用いることができる。
【0026】
ところで、本発明の反射屈折型投影光学系を単一光軸で構成するには、瞳位置近傍に中間像を形成する必要があるため、投影光学系は再結像光学系であることが望ましい。また、第1結像の瞳位置近傍に中間像を形成して光路分離を行いつつ光学部材同士の機械的干渉を避けるには、物体側開口数が大きくなった場合でも第1結像の瞳径をできるだけ小さくする必要があるので、開口数の小さい第1結像光学系が反射屈折光学系であることが望ましい。
【0027】
したがって、本発明では、少なくとも2つの反射鏡を含み第1面の中間像を形成するための第1結像光学系と、この中間像からの光束に基づいて最終像を第2面上に形成するための第2結像光学系とにより投影光学系を構成することが好ましい。この場合、具体的には、正屈折力の第1レンズ群と、この第1レンズ群と中間像との間の光路中に配置された第1反射鏡と、この第1反射鏡と中間像との間の光路中に配置された第2反射鏡とを用いて、第1結像光学系を構成することができる。
【0028】
また、第1反射鏡は、第1結像光学系の瞳面の近傍に配置された凹面反射鏡であり、この凹面反射鏡が形成する往復光路中には少なくとも1つの負レンズが配置されていることが好ましい。このように、第1結像光学系において凹面反射鏡が形成する往復光路中に負レンズを配置することにより、ペッツバール条件を容易に満足して像面湾曲を良好に補正することが可能になるとともに、色収差も良好に補正することが可能になる。
【0029】
また、往復光路中の負レンズは瞳位置近傍に配置されることが望ましいが、第1結像の瞳径をできるだけ小さくする必要があるので負レンズの有効径も小さくなるため、当該負レンズではフルエンス(=単位面積・単位パルスあたりのエネルギー量)が高くなり易い。したがって、石英を用いて当該負レンズを形成すると、レーザ光の照射を受けて体積収縮による局所的屈折率変化すなわちコンパクションが起こり易く、ひいては投影光学系の結像性能が低下する。
【0030】
同様に、像面に近接して配置される境界レンズも有効径が小さく、フルエンスが高くなり易い。したがって、石英を用いて境界レンズを形成すると、コンパクションが起こり易く結像性能が低下する。本発明では、第1結像光学系において凹面反射鏡が形成する往復光路中に配置された負レンズ、および第2結像光学系において像面に近接して配置された境界レンズを蛍石で形成することにより、コンパクションに起因する結像性能の低下を回避することができる。
【0031】
また、本発明では、次の条件式(1)を満足することが望ましい。なお、条件式(1)において、F1は第1レンズ群の焦点距離であり、Y
0は第2面上における最大像高である。
5<F1/Y
0<15 (1)
【0032】
条件式(1)の上限値を上回ると、第1結像の瞳径が大きくなりすぎて、上述したように光学部材同士の機械的干渉を避けることが困難になるので好ましくない。一方、条件式(1)の下限値を下回ると、反射鏡への入射光の角度の物体高による差(画角差)が大きく発生し、コマ収差や像面湾曲等の収差の補正が困難になるので好ましくない。なお、本発明の効果をさらに良好に発揮するには、条件式(1)の上限値を13に設定し、その下限値を7に設定することがさらに好ましい。
【0033】
また、本発明では、第1レンズ群が少なくとも2つの正レンズを有することが好ましい。この構成により、第1レンズ群の正屈折力を大きく設定して条件式(1)を容易に満足することができ、ひいてはコマ収差、歪曲収差、非点収差等を良好に補正することができる。
【0034】
また、反射率が高く且つ耐久性に富んだ反射鏡を製造することは難しく、数多くの反射面を設けることは光量損失につながる。このため、本発明では、たとえば露光装置や露光方法に投影光学系を適用する場合、スループット向上の観点から、第2結像光学系は複数の透過部材のみにより構成された屈折光学系であることが好ましい。
【0035】
また、蛍石は固有複屈折性を有する結晶材料であり、蛍石で形成された透過部材では特に200nm以下の波長の光に対する複屈折の影響が大きい。このため、蛍石透過部材を含む光学系では、結晶軸方位の異なる蛍石透過部材を組み合わせて複屈折による結像性能の低下を抑える必要があるが、このような対策を講じても、複屈折による性能低下を完全に抑えることはできない。
【0036】
さらに、蛍石では内部の屈折率分布が高周波成分を有することが知られており、この高周波成分を含む屈折率のばらつきがフレアの発生を招いて投影光学系の結像性能を低下させ易いため、蛍石の使用を可能な限り減らすことが好ましい。そこで、本発明では、蛍石の使用を可能な限り減らすために、屈折光学系である第2結像光学系を構成する透過部材のうち、70%以上の透過部材が石英により形成されていることが好ましい。
【0037】
また、本発明では、有効結像領域が円弧形状を有し、次の条件式(2)を満足することが望ましい。なお、条件式(2)において、Rは有効結像領域を規定する円弧の曲率半径の大きさであり、Y
0は上述したように第2面上における最大像高である。
1.05<R/Y
0<12 (2)
【0038】
本発明では、光軸を含まない円弧形状の有効結像領域を有することにより、光学系の大型化を回避しつつ光路分離を容易に行うことができる。しかしながら、たとえば露光装置や露光方法に適用する場合、マスク上において円弧形状の照明領域を均一に照明することは難しい。したがって、円弧形状の領域を含む矩形状の領域に対応する矩形状の照明光束を、円弧形状の開口部(光透過部)を有する視野絞りにより制限する手法を採用することになる。この場合、視野絞りにおける光量損失を抑えるには、有効結像領域を規定する円弧の曲率半径の大きさRができるだけ大きいことが必要である。
【0039】
すなわち、条件式(2)の下限値を下回ると、曲率半径の大きさRが小さくなりすぎて、視野絞りにおける光束損失が大きくなり、この照明効率の低下によりスループットが低下するので好ましくない。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、曲率半径の大きさRが大きくなりすぎて、スキャン露光時のオーバーラン長の短縮化のために所要幅の有効結像領域を確保しようとすると必要な収差補正領域が大きくなるため、光学系が大型化するので好ましくない。なお、本発明の効果をさらに良好に発揮するには、条件式(2)の上限値を8に設定し、その下限値を1.07に設定することがさらに好ましい。
【0040】
なお、上述タイプの反射屈折型の投影光学系では、像面(第2面)との間の光路を液体のような媒質で満たさない場合であっても、条件式(2)を満足することにより、照明効率の低下によるスループットの低下や必要な収差補正領域の増大による光学系の大型化を回避することができる。また、本発明の投影光学系を露光装置や露光方法に適用する場合、境界レンズと像面との間に満たされる媒質(液体など)の透過率や、レーザ光の狭帯化の程度などを考慮すると、たとえばArFレーザ光(波長193.306nm)を露光光として用いることが好ましい。
【0041】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、
図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において
図1の紙面に平行にY軸を、
図1の紙面に垂直にX軸をそれぞれ設定している。
【0042】
図示の露光装置は、紫外領域の照明光を供給するための光源100として、ArFエキシマレーザ光源を備えている。光源100から射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成されたレチクルRを重畳的に照明する。なお、光源100と照明光学系ILとの間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源100から照明光学系IL中の最もレチクル側の光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0043】
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルRには転写すべきパターンが形成されており、光軸AXを含むことなくX方向に延びる円弧形状のパターン領域が照明される。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にレチクルパターン像を形成する。
【0044】
ウェハWは、ウェハホルダテーブルWTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、レチクルR上での円弧形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上においても光軸AXを含むことなくX方向に延びる円弧形状の静止露光領域(すなわち実効露光領域:投影光学系PLの有効結像領域)にパターン像が形成される。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0045】
図2は、本実施形態においてウェハ上に形成される円弧形状の実効露光領域と光軸との位置関係を示す図である。本実施形態では、
図2に示すように、収差が良好に補正された領域すなわち収差補正領域ARが、光軸AXを中心とした外径(半径)Roの円と、内径(半径)Riの円と、距離Hだけ間隔を隔てたY方向に平行な2つの線分とにより円弧形状に規定されている。そして、実効露光領域(有効結像領域)ERは、円弧形状の収差補正領域ARにほぼ内接するように、曲率半径の大きさがRでY方向に間隔を隔てた2つの円弧と、距離Hだけ間隔を隔てたY方向に平行な長さDの2つの線分とにより円弧形状に設定されている。
【0046】
こうして、投影光学系PLが有するすべての有効結像領域ERは、光軸AXから外れた領域に存在している。そして、円弧形状の実効露光領域ERのX方向に沿った寸法はHであり、Y方向に沿った寸法はDである。したがって、図示を省略したが、レチクルR上には、円弧形状の実効露光領域ERに光学的に対応した大きさおよび形状を有する円弧形状の照明領域(すなわち実効照明領域)が、光軸AXを含むことなく形成されていることになる。
【0047】
また、本実施形態の露光装置では、投影光学系PLを構成する光学部材のうち最もレチクル側に配置された光学部材(各実施例ではレンズL11)と境界レンズLb(各実施例ではレンズL217)との間で投影光学系PLの内部が気密状態を保つように構成され、投影光学系PLの内部の気体はヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。さらに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の狭い光路には、レチクルRおよびレチクルステージRSなどが配置されているが、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0048】
図3は、本実施形態の第1実施例における境界レンズとウェハとの間の構成を概略的に示す図である。
図3を参照すると、第1実施例では、境界レンズLbは、レチクル側(第1面側)に向かって凸面を有する。換言すれば、境界レンズLbのレチクル側の面Sbは、正の屈折力を有する。そして、境界レンズLbとウェハWとの間の光路は、1.1よりも大きい屈折率を有する媒質Lmで満たされている。第1実施例では、媒質Lmとして、脱イオン水を用いている。
【0049】
図4は、本実施形態の第2実施例における境界レンズとウェハとの間の構成を概略的に示す図である。
図4を参照すると、第2実施例においても第1実施例と同様に、境界レンズLbはレチクル側に向かって凸面を有し、そのレチクル側の面Sbは正の屈折力を有する。しかしながら、第2実施例では、第1実施例とは異なり、境界レンズLbとウェハWとの間の光路中に平行平面板Lpが挿脱自在に配置され、境界レンズLbと平行平面板Lpとの間の光路および平行平面板LpとウェハWとの間の光路は、1.1よりも大きい屈折率を有する媒質Lmで満たされている。第2実施例においても第1実施例と同様に、媒
質Lmとして脱イオン水を用いている。
【0050】
なお、投影光学系PLに対してウェハWを相対移動させつつ走査露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の露光装置において、走査露光の開始から終了まで投影光学系PLの境界レンズLbとウェハWとの間の光路中に液体媒質Lmを満たし続けるには、たとえば国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術や、特開平10−303114号公報に開示された技術などを用いることができる。
【0051】
国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術では、液体供給装置から供給管および排出ノズルを介して所定の温度に調整された液体(媒質Lm)を境界レンズLbとウェハWとの間の光路を満たすように供給し、液体供給装置により回収管および流入ノズルを介してウェハW上から液体を回収する。液体の供給量および回収量は、投影光学系PLに対するウェハWの相対移動速度に応じて調整されることになる。
【0052】
一方、特開平10−303114号公報に開示された技術では、液体(媒質Lm)を収容することができるようにウェハホルダテーブルWTを容器状に構成し、その内底部の中央において(液体中において)ウェハWを真空吸着により位置決め保持する。また、投影光学系PLの鏡筒先端部が液体中に達し、ひいては境界レンズLbのウェハ側の光学面が液体中に達するように構成する。
【0053】
このように、光源100からウェハWまでの光路の全体に亘って、露光光がほとんど吸収されることのない雰囲気が形成されている。また、上述したように、レチクルR上の照明領域およびウェハW上の露光領域(すなわち実効露光領域ER)は、X方向に延びる円弧形状である。したがって、駆動系および干渉計(RIF、WIF)などを用いてレチクルRおよびウェハWの位置制御を行いながら、Y方向に沿ってレチクルステージRSとウェハステージWSとを、ひいてはレチクルRとウェハWとを同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には実効露光領域ERのX方向寸法Hに等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有する露光領域に対してレチクルパターンが走査露光される。
【0054】
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をC
nとしたとき、以下の数式(a)で表される。各実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0055】
z=(y
2/r)/[1+{1−(1+κ)・y
2/r
2}
1/2]
+C
4・y
4+C
6・y
6+C
8・y
8+C
10・y
10
+C
12・y
12+C
14・y
14 (a)
【0056】
また、各実施例において、投影光学系PLは、物体面(第1面)に配置されたレチクルRのパターンの中間像を形成するための第1結像光学系G1と、中間像からの光に基づいて像面(第2面)に配置されたウェハW上にレチクルパターンの縮小像を形成するための第2結像光学系G2とにより構成されている。ここで、第1結像光学系G1は第1凹面反射鏡CM1と第2凹面反射鏡CM2とを含む反射屈折光学系であり、第2結像光学系G2は屈折光学系である。
【0057】
(第1実施例)
図5は、本実施形態の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
図5を参照すると、第1実施例にかかる投影光学系PLにおいて、第1結像光学系G1は、光の進行方向に沿ってレチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凸面を向けた両凸レンズL11と、両凸レンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL13と、第1凹面反射鏡CM1とを備えている。また、第1結像光学系G1では、第1凹面反射鏡CM1で反射され且つ負メニスカスレンズL13を介した光を第2結像光学系G2に向かって反射するための第2凹面反射鏡CM2の反射面が、両凸レンズL12と負メニスカスレンズL13との間において光軸AXを含まない領域に配置されている。したがって、両凸レンズL11および両凸レンズL12が、正の屈折力を有する第1レンズ群を構成している。また、第1凹面反射鏡CM1が、第1結像光学系G1の瞳面の近傍に配置された凹面反射鏡を構成している。
【0058】
一方、第2結像光学系G2は、光の進行方向に沿ってレチクル側から順に、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凸レンズL22と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL23と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL24と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL26と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL27と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL28と、両凸レンズL29と、両凸レンズL210と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL211と、開口絞りASと、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL212と、両凸レンズL213と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL214と、レチクルに凸面を向けた正メニスカスレンズL215と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL216と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL217(境界レンズLb)とにより構成されている。
【0059】
第1実施例では、投影光学系PLを構成するすべての透過部材(レンズ)およびパワーを有するすべての反射部材(第1凹面反射鏡CM1,第2凹面反射鏡CM2)は単一の光軸AXに沿って配置されている。すなわち、第2結像光学系G2を構成する透過部材のうち、100%の透過部材が石英により形成されている。そして、境界レンズLbとしての平凸レンズL217とウェハWとの間の光路には、脱イオン水からなる媒質Lmが満たされている。第1実施例では、レチクルRからの光が、レンズL11〜L13を介して、第1凹面反射鏡CM1に入射する。第1凹面反射鏡CM1で反射された光は、レンズL13および第2凹面反射鏡CM2を介して、第1凹面反射鏡CM1の近傍にレチクルRの中間像を形成する。第2凹面反射鏡CM2で反射された光は、レンズL21〜L217(Lb)を介して、ウェハW上にレチクルRの縮小像を形成する。
【0060】
第1実施例では、投影光学系PLを構成するすべての透過部材(レンズ)が、石英(SiO
2)により形成されている。露光光であるArFエキシマレーザ光の発振中心波長は、193.306nmであり、193.306nm付近において石英の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−1.591×10
-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+1.591×10
-6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、石英の屈折率の分散(dn/dλ)は、−1.591×10
-6/pmである。また、193.306nm付近において脱イオン水の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−2.6×10
-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+2.6×10
-6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、脱イオン水の屈折率の分散(dn/dλ)は、−2.6×10
-6/pmである。
【0061】
こうして、第1実施例において、中心波長193.306nmに対する石英の屈折率は1.5603261であり、193.306nm+0.1pm=193.3061nmに対する石英の屈折率は1.560325941であり、193.306nm−0.1pm=193.3059nmに対する石英の屈折率は1.560326259である。また、中心波長193.306nmに対する脱イオン水の屈折率は1.47であり、193.306nm+0.1pm=193.3061nmに対する脱イオン水の屈折率は1.46999974であり、193.306nm−0.1pm=193.3059nmに対する脱イオン水の屈折率は1.47000026である。
【0062】
次の表(1)に、第1実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。表(1)において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率(全系の結像倍率)を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、RoおよびRiは収差補正領域ARの外半径および内半径を、HおよびDは実効露光領域ERのX方向寸法およびY方向寸法を、Rは円弧形状の実効露光領域ER(有効結像領域)を規定する円弧の曲率半径の大きさを、Y
0は最大像高をそれぞれ表している。また、面番号は物体面(第1面)であるレチクル面から像面(第2面)であるウェハ面への光線の進行する方向に沿ったレチクル側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、nは中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0063】
なお、面間隔dは、反射される度にその符号を変えるものとする。したがって、面間隔dの符号は、第1凹面反射鏡CM1から第2凹面反射鏡CM2までの光路中では負とし、その他の光路中では正としている。そして、光の入射方向にかかわらず、レチクル側に向かって凸面の曲率半径を正とし、凹面の曲率半径を負としている。なお、表(1)における表記は、以降の表(2)においても同様である。
【0064】
表(1)
(主要諸元)
λ=193.306nm
β=+1/4
NA=1.04
Ro=17.0mm
Ri=11.5mm
H=26.0mm
D=4.0mm
R=20.86mm
Y
0=17.0mm
(光学部材諸元)
面番号 r d n 光学部材
(レチクル面) 70.25543
1 444.28100 45.45677 1.5603261 (L11)
2* -192.24078 1.00000
3 471.20391 35.53423 1.5603261 (L12)
4 -254.24538 122.19951
5* -159.65514 13.00000 1.5603261 (L13)
6 -562.86259 9.00564
7 -206.23868 -9.00564 (CM1)
8 -562.86259 -13.00000 1.5603261 (L13)
9* -159.65514 -107.19951
10 3162.83419 144.20515 (CM2)
11 -389.01215 43.15699 1.5603261 (L21)
12 -198.92113 1.00000
13 3915.27567 42.01089 1.5603261 (L22)
14 -432.52137 1.00000
15 203.16777 62.58039 1.5603261 (L23)
16* 515.92133 18.52516
17* 356.67027 20.00000 1.5603261 (L24)
18 269.51733 285.26014
19 665.61079 35.16606 1.5603261 (L25)
20 240.55938 32.43496
21* -307.83344 15.00000 1.5603261 (L26)
22 258.17867 58.24284
23 -1143.34122 51.43638 1.5603261 (L27)
24 -236.25969 6.67292
25* 1067.55487 15.00000 1.5603261 (L28)
26 504.02619 18.88857
27 4056.97655 54.00381 1.5603261 (L29)
28 -283.04360 1.00000
29 772.31002 28.96307 1.5603261 (L210)
30 -8599.87899 1.00000
31 667.92225 52.94747 1.5603261 (L211)
32 36408.68946 2.30202
33 ∞ 42.27703 (AS)
34 -2053.34123 30.00000 1.5603261 (L212)
35 -514.67146 1.00000
36 1530.45141 39.99974 1.5603261 (L213)
37 -540.23726 1.00000
38 370.56341 36.15464 1.5603261 (L214)
39* 12719.40982 1.00000
40 118.92655 41.83608 1.5603261 (L215)
41 190.40194 1.00000
42 151.52892 52.42553 1.5603261 (L216)
43* 108.67474 1.12668
44 91.54078 35.50067 1.5603261 (L217:Lb)
45 ∞ 6.00000 1.47 (Lm)
(ウェハ面)
(非球面データ)
2面
κ=0
C
4=−8.63025×10
-9 C
6=2.90424×10
-13
C
8=5.43348×10
-17 C
10=1.65523×10
-21
C
12=8.78237×10
-26 C
14=6.53360×10
-30
5面および9面(同一面)
κ=0
C
4=7.66590×10
-9 C
6=6.09920×10
-13
C
8=−6.53660×10
-17 C
10=2.44925×10
-20
C
12=−3.14967×10
-24 C
14=2.21672×10
-28
16面
κ=0
C
4=−3.79715×10
-8 C
6=2.19518×10
-12
C
8=−9.40364×10
-17 C
10=3.33573×10
-21
C
12=−7.42012×10
-26 C
14=1.05652×10
-30
17面
κ=0
C
4=−6.69596×10
-8 C
6=1.67561×10
-12
C
8=−6.18763×10
-17 C
10=2.65428×10
-21
C
12=−4.09555×10
-26 C
14=3.25841×10
-31
21面
κ=0
C
4=−8.68772×10
-8 C
6=−1.30306×10
-12
C
8=−2.65902×10
-17 C
10=−6.56830×10
-21
C
12=3.66980×10
-25 C
14=−5.05595×10
-29
25面
κ=0
C
4=−1.54049×10
-8 C
6=7.71505×10
-14
C
8=1.75760×10
-18 C
10=1.71383×10
-23
C
12=5.04584×10
-29 C
14=2.08622×10
-32
39面
κ=0
C
4=−3.91974×10
-11 C
6=5.90682×10
-14
C
8=2.85949×10
-18 C
10=−1.01828×10
-22
C
12=2.26543×10
-27 C
14=−1.90645×10
-32
43面
κ=0
C
4=8.33324×10
-8 C
6=1.42277×10
-11
C
8=−1.13452×10
-15 C
10=1.18459×10
-18
C
12=−2.83937×10
-22 C
14=5.01735×10
-26
(条件式対応値)
F1=164.15mm
Y
0=17.0mm
R=20.86mm
(1)F1/Y
0=9.66
(2)R/Y
0=1.227
【0065】
図6は、第1実施例における横収差を示す図である。収差図において、Yは像高を、実線は中心波長193.3060nmを、破線は193.306nm+0.1pm=193.3061nmを、一点鎖線は193.306nm−0.1pm=193.3059nmをそれぞれ示している。なお、
図6における表記は、以降の
図8においても同様である。
図6の収差図から明らかなように、第1実施例では、非常に大きな像側開口数(NA=1.04)および比較的大きな実効露光領域ERを確保しているにもかかわらず、波長幅が193.306nm±0.1pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
【0066】
(第2実施例)
図7は、本実施形態の第2実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
図7を参照すると、第2実施例にかかる投影光学系PLにおいて、第1結像光学系G1は、光の進行方向に沿ってレチクル側から順に、ウェハ側に非球面形状の凸面を向けた両凸レンズL11と、両凸レンズL12と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた負メニスカスレンズL13と、第1凹面反射鏡CM1とを備えている。また、第1結像光学系G1では、第1凹面反射鏡CM1で反射され且つ負メニスカスレンズL13を介した光を第2結像光学系G2に向かって反射するための第2凹面反射鏡CM2の反射面が、両凸レンズL12と負メニスカスレンズL13との間において光軸AXを含まない領域に配置されている。したがって、両凸レンズL11および両凸レンズL12が、正の屈折力を有する第1レンズ群を構成している。また、第1凹面反射鏡CM1が、第1結像光学系G1の瞳面の近傍に配置された凹面反射鏡を構成している。
【0067】
一方、第2結像光学系G2は、光の進行方向に沿ってレチクル側から順に、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凸レンズL22と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL23と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL24と、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた両凹レンズL26と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL27と、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL28と、両凸レンズL29と、両凸レンズL210と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL211と、開口絞りASと、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL212と、両凸レンズL213と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL214と、レチクルに凸面を向けた正メニスカスレンズL215と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL216と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL217(境界レンズLb)とにより構成されている。
【0068】
第2実施例では、境界レンズLbとしての平凸レンズL217とウェハWとの間の光路中に、平行平面板Lpが配置されている。そして、境界レンズLbと平行平面板Lpとの間の光路および平行平面板LpとウェハWとの間の光路には、脱イオン水からなる媒質Lmが満たされている。また、第2実施例では、投影光学系PLを構成する透過部材(レンズ)が、石英または蛍石(CaF
2)により形成されている。具体的には、レンズL13、レンズL216およびレンズL217(Lb)が蛍石により形成され、その他のレンズおよび平行平面板Lpが石英により形成されている。すなわち、第2結像光学系G2を構成する透過部材のうち、約88%の透過部材が石英により形成されている。
【0069】
さらに、第2実施例では、投影光学系PLを構成するすべての透過部材(レンズ,平行平面板)およびパワーを有するすべての反射部材(第1凹面反射鏡CM1,第2凹面反射鏡CM2)は単一の光軸AXに沿って配置されている。こうして、第2実施例では、レチクルRからの光が、レンズL11〜L13を介して、第1凹面反射鏡CM1に入射する。第1凹面反射鏡CM1で反射された光は、レンズL13および第2凹面反射鏡CM2を介して、第1凹面反射鏡CM1の近傍にレチクルRの中間像を形成する。第2凹面反射鏡CM2で反射された光は、レンズL21〜L217(Lb)および平行平面板Lpを介して、ウェハW上にレチクルRの縮小像を形成する。
【0070】
第2実施例では、露光光であるArFエキシマレーザ光の発振中心波長は、193.306nmであり、193.306nm付近において石英の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−1.591×10
-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+1.591×10
-6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、石英の屈折率の分散(dn/dλ)は、−1.591×10
-6/pmである。また、193.306nm付近において蛍石の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−0.980×10
-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+0.980×10
-6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、蛍石の屈折率の分散(dn/dλ)は、−0.980×10
-6/pmである。
【0071】
さらに、193.306nm付近において脱イオン水の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−2.6×10
-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+2.6×10
-6の割合で変化する。換言すると、193.306nm付近において、脱イオン水の屈折率の分散(dn/dλ)は、−2.6×10
-6/pmである。こうして、第2実施例において、中心波長193.306nmに対する石英の屈折率は1.5603261であり、193.306nm+0.1pm=193.3061nmに対する石英の屈折率は1.560325941であり、193.306nm−0.1pm=193.3059nmに対する石英の屈折率は1.560326259である。
【0072】
また、中心波長193.306nmに対する蛍石の屈折率は1.5014548であり、193.306nm+0.1pm=193.3061nmに対する蛍石の屈折率は1.501454702であり、193.306nm−0.1pm=193.3059nmに対する蛍石の屈折率は1.501454898である。さらに、中心波長193.306nmに対する脱イオン水の屈折率は1.47であり、193.306nm+0.1pm=193.3061nmに対する脱イオン水の屈折率は1.46999974であり、193.306nm−0.1pm=193.3059nmに対する脱イオン水の屈折率は1.47000026である。次の表(2)に、第2実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。
【0073】
表(2)
(主要諸元)
λ=193.306nm
β=+1/4
NA=1.04
Ro=17.0mm
Ri=11.5mm
H=26.0mm
D=4.0mm
R=20.86mm
Y
0=17.0mm
(光学部材諸元)
面番号 r d n 光学部材
(レチクル面) 72.14497
1 295.66131 46.03088 1.5603261 (L11)
2* -228.07826 1.02581
3 847.63618 40.34103 1.5603261 (L12)
4 -207.90948 124.65407
5* -154.57886 13.00000 1.5014548 (L13)
6 -667.19164 9.58580
7 -209.52775 -9.58580 (CM1)
8 -667.19164 -13.00000 1.5014548 (L13)
9* -154.57886 -109.65407
10 2517.52751 147.23986 (CM2)
11 -357.71318 41.75496 1.5603261 (L21)
12 -196.81705 1.00000
13 8379.53651 40.00000 1.5603261 (L22)
14 -454.81020 8.23083
15 206.30063 58.07852 1.5603261 (L23)
16* 367.14898 24.95516
17* 258.66863 20.00000 1.5603261 (L24)
18 272.27694 274.16477
19 671.42370 49.62123 1.5603261 (L25)
20 225.79907 35.51978
21* -283.63484 15.10751 1.5603261 (L26)
22 261.37852 56.71822
23 -1947.68869 54.63076 1.5603261 (L27)
24 -227.05849 5.77639
25* 788.97953 15.54026 1.5603261 (L28)
26 460.12935 18.83954
27 1925.75038 56.54051 1.5603261 (L29)
28 -295.06884 1.00000
29 861.21046 52.50515 1.5603261 (L210)
30 -34592.86759 1.00000
31 614.86639 37.34179 1.5603261 (L211)
32 39181.66426 1.00000
33 ∞ 46.27520 (AS)
34 -11881.91854 30.00000 1.5603261 (L212)
35 -631.95129 1.00000
36 1465.88641 39.89113 1.5603261 (L213)
37 -542.10144 1.00000
38 336.45791 34.80369 1.5603261 (L214)
39* 2692.15238 1.00000
40 112.42843 43.53915 1.5603261 (L215)
41 189.75478 1.00000
42 149.91358 42.41577 1.5014548 (L216)
43* 107.28888 1.06533
44 90.28791 31.06087 1.5014548 (L217:Lb)
45 ∞ 1.00000 1.47 (Lm)
46 ∞ 3.00000 1.5603261 (Lp)
47 ∞ 5.00000 1.47 (Lm)
(ウェハ面)
(非球面データ)
2面
κ=0
C
4=9.57585×10
-9 C
6=7.09690×10
-13
C
8=1.30845×10
-16 C
10=−5.52152×10
-22
C
12=4.46914×10
-25 C
14=−2.07483×10
-29
5面および9面(同一面)
κ=0
C
4=1.16631×10
-8 C
6=6.70616×10
-13
C
8=−1.87976×10
-17 C
10=1.71587×10
-20
C
12=−2.34827×10
-24 C
14=1.90285×10
-28
16面
κ=0
C
4=−4.06017×10
-8 C
6=2.22513×10
-12
C
8=−9.05000×10
-17 C
10=3.29839×10
-21
C
12=−7.46596×10
-26 C
14=1.06948×10
-30
17面
κ=0
C
4=−6.69592×10
-8 C
6=1.42455×10
-12
C
8=−5.65516×10
-17 C
10=2.48078×10
-21
C
12=−2.91653×10
-26 C
14=1.53981×10
-31
21面
κ=0
C
4=−7.97186×10
-8 C
6=−1.32969×10
-12
C
8=−1.98377×10
-17 C
10=−4.95016×10
-21
C
12=2.53886×10
-25 C
14=−4.16817×10
-29
25面
κ=0
C
4=−1.55844×10
-8 C
6=7.27672×10
-14
C
8=1.90600×10
-18 C
10=1.21465×10
-23
C
12=−7.56829×10
-29 C
14=1.86889×10
-32
39面
κ=0
C
4=−6.91993×10
-11 C
6=7.80595×10
-14
C
8=3.31216×10
-18 C
10=−1.39159×10
-22
C
12=3.69991×10
-27 C
14=−4.01347×10
-32
43面
κ=0
C
4=8.30019×10
-8 C
6=1.24781×10
-11
C
8=−9.26768×10
-16 C
10=1.08933×10
-18
C
12=−3.01514×10
-22 C
14=5.41882×10
-26
(条件式対応値)
F1=178.98mm
Y
0=17.0mm
R=20.86mm
(1)F1/Y
0=10.53
(2)R/Y
0=1.227
【0074】
図8は、第2実施例における横収差を示す図である。
図8の収差図から明らかなように、第2実施例においても第1実施例と同様に、非常に大きな像側開口数(NA=1.04)および比較的大きな実効露光領域ERを確保しているにもかかわらず、波長幅が193.306nm±0.1pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
【0075】
こうして、各実施例では、波長が193.306nmのArFエキシマレーザ光に対して、1.04の高い像側開口数を確保するとともに、26.0mm×4.0mmの円弧形状の実効露光領域(静止露光領域)を確保することができ、たとえば26mm×33mmの矩形状の露光領域内に回路パターンを高解像度で走査露光することができる。
【0076】
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
先ず、
図9のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0078】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0079】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、
図10のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。
図10において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0080】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0081】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0082】
なお、上述の実施形態では、ArFエキシマレーザ光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえばF
2 レーザ光源のような他の適当な光源を用いることもできる。さらに、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系に対して本発明を適用することもできる。