特許第5878883号(P5878883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5878883
(24)【登録日】2016年2月5日
(45)【発行日】2016年3月8日
(54)【発明の名称】磁気センサの温度特性補正方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/07 20060101AFI20160223BHJP
【FI】
   G01R33/06 H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-35857(P2013-35857)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-163825(P2014-163825A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】森 隆嗣
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−265751(JP,A)
【文献】 特開平03−231159(JP,A)
【文献】 特開2006−284375(JP,A)
【文献】 特開平06−294664(JP,A)
【文献】 特開2012−220437(JP,A)
【文献】 実開平05−084880(JP,U)
【文献】 特開2008−008883(JP,A)
【文献】 特開平01−150831(JP,A)
【文献】 特表2008−541050(JP,A)
【文献】 特開2004−109093(JP,A)
【文献】 米国特許第05361218(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/00 −33/26
G01D 3/028− 3/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気センサの温度特性補正方法であって、
室温よりも高い基準温度に設定するステップと、
1次の温度特性を有する第1電圧温度特性生成回路で生成する第1電圧生成ステップと、
前記基準温度における前記第1電圧の値と同じとなる電圧値の第2電圧を調整して生成する第2電圧調整ステップと、
前記第1電圧と前記第2電圧の差分を、1次補正値調整回路において第1の増幅率で増幅して第3電圧を生成する第3電圧生成ステップと、
前記第3電圧を関数回路へ入力して、前記関数回路の出力を関数出力調整回路において所定の電圧レベルで変換して第4電圧を生成する第4電圧生成ステップと、
前記第3電圧と前記第4電圧を加算して第5電圧を生成する第5電圧生成ステップと、
前記第5電圧に基づいた駆動電圧又は駆動電流で前記磁気センサを駆動して、起電力を測定する測定ステップと、
室温に設定するステップと、
前記室温で、前記第1電圧生成ステップ、前記調整した第2電圧を生成するステップ、前記第3電圧生成ステップ、前記第4電圧生成ステップ、前記第5電圧生成ステップ、前記測定ステップを実行するステップと、
前記基準温度及び前記室温で測定した起電力に基づいて、前記1次補正値調整回路の前記第1の増幅率を調整するステップと、
を有する磁気センサの温度特性補正方法。
【請求項2】
前記室温よりも低い低温に設定するステップと、
前記低温で、前記第1電圧生成ステップ、前記調整した第2電圧を生成するステップ、前記第3電圧生成ステップ、前記第4電圧生成ステップ、前記第5電圧生成ステップ、前記測定ステップを実行するステップと、
前記基準温度及び前記室温で測定した起電力に基づいて、前記1次補正値調整回路の増幅率と関数出力調整回路の電圧レベルを調整するステップと、
を有する請求項に記載の磁気センサの温度特性補正方法。
【請求項3】
前記磁気センサは、温度特性の1次成分と高次成分に相関関係を有する請求項1又は2に記載の磁気センサの温度特性補正方法。
【請求項4】
前記磁気センサは、InAs系の磁気センサである請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気センサの温度特性補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサの温度特性補正方法に関し、より詳細には、温度特性を簡単な回路構成及び手順でキャンセルすることができる磁気センサの温度特性補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から磁気ホールセンサは、携帯電話の開閉SWや電流センサなど様々な分野で使用されている。この磁気ホールセンサのメリットとして、非接触型であること、汚れに強いことなどが挙げられる。
図1は、従来の定電圧駆動した磁気ホールセンサを説明するための構成図である。この磁気ホールセンサは、ホール素子とホール素子の定電圧源とを備えている。駆動電圧Vと印加磁場Bからホール素子の起電力VHVは、下式で与えられる。
HV=SV・V・B
なお、SVは、ホール素子を定電圧駆動した場合の磁気感度を示している。
【0003】
図2は、従来の定電流駆動した磁気ホールセンサを説明するための構成図である。この磁気ホールセンサは、ホール素子とホール素子の定電流源とを備えている。駆動電流Iと印加磁場Bからホール素子の起電力VHIは、下式で与えられる。
HI=SI・I・B
なお、SVは、ホール素子を定電流駆動した場合の磁気感度を示している。
図3は、従来のホール素子の電源端子と主力端子の関係を示す図である。図1及び図2に示したホール素子は、図3に示す電源端子C,Cに電圧又は電流を印加し、それらと対向した位置に設けられている出力端子V,Vから起電力を取り出す構成となっている。
【0004】
従来から各種分野で使用され、普及してきた磁気ホールセンサであるが、磁気検出精度への要求はますます厳しくなっている。ここで問題となるのは、ホールセンサに使用されているホール素子の温度特性である。ホール素子が置かれている環境温度Taに依存して、磁気感度SV又はSIが変化することで、起電力VHV又はVHIが変化する。つまり、温度変化に対し一定の起電力VHV又はVHIを得られないこととなる。
【0005】
例えば、特許文献1に記載のものは、1つの屈折点を持つ2本の直線を物理量センサの駆動電流に反映させることで物理量センサの温度特性をキャンセルしている。つまり、この特許文献1は、簡単な回路構成で物理量センサの温度補償が行える物理量センサ温度補償回路に関するもので、2次の温度特性を持つ物理量センサのオフセット電圧温度特性を、一つの屈折点を有する2本の直線による折れ線で示される温度特性補償信号に基づき補償するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−58327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1のように、2本の直線で物理量センサの温度特性をキャンセルするためには、すべての物理量センサ素子で少なくとも3温度での検査と調整が必要となる。
したがって、本発明のように、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、1次成分の調整と高次成分の調整を連動させることで、2温度での調整で高次成分まで調整でき、温度特性を簡単な回路構成及び手順でキャンセルすることができる磁気センサの温度特性補正回路及び温度特性補正方法を実現することはできない。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、温度特性を簡単な回路構成及び手順でキャンセルすることができる磁気センサの温度特性補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、磁気センサの温度特性補正方法であって、室温よりも高い基準温度に設定するステップと、1次の温度特性を有する第1電圧(V1(T))温度特性生成回路で生成する第1電圧生成ステップと、前記基準温度における前記第1電圧の値と同じとなる電圧値の第2電圧(V2)を調整して生成する第2電圧調整ステップと、前記第1電圧と前記第2電圧の差分を、1次補正値調整回路において第1の増幅率で増幅して第3電圧(V3(T))を生成する第3電圧生成ステップと、前記第3電圧を関数回路へ入力して、前記関数回路の出力を関数出力調整回路において所定の電圧レベルで変換して第4電圧(V4(T))を生成する第4電圧生成ステップと、前記第3電圧と前記第4電圧を加算して第5電圧(V5(T))を生成する第5電圧生成ステップと、前記第5電圧に基づいた駆動電圧又は駆動電流で前記磁気センサを駆動して、起電力を測定する測定ステップと、室温に設定するステップと、前記室温で、前記第1電圧生成ステップ、前記調整した第2電圧を生成するステップ、前記第3電圧生成ステップ、前記第4電圧生成ステップ、前記第5電圧生成ステップ、前記測定ステップを実行するステップと、前記基準温度及び前記室温で測定した起電力に基づいて、前記1次補正値調整回路の前記第1の増幅率を調整するステップと、を有する。
【0011】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記室温よりも低い低温に設定するステップと、前記低温で、前記第1電圧生成ステップ、前記調整した第2電圧を生成するステップ、前記第3電圧生成ステップ、前記第4電圧生成ステップ、前記第5電圧生成ステップ、前記測定ステップを実行するステップと、前記基準温度及び前記室温で測定した起電力に基づいて、前記1次補正値調整回路の増幅率と関数出力調整回路の電圧レベルを調整するステップと、を有する。
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記磁気センサは、温度特性の1次成分と高次成分に相関関係を有する。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記磁気センサは、InAs系の磁気センサである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、1次成分の調整と高次成分の調整を連動させることで、2温度での調整で高次成分まで調整でき、温度特性を簡単な回路構成及び手順でキャンセルすることができる磁気センサの温度特性補正方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来の定電圧駆動した磁気ホールセンサを説明するための構成図である。
図2】従来の定電流駆動した磁気ホールセンサを説明するための構成図である。
図3】従来のホール素子の電源端子と主力端子の関係を示す図である。
図4】本発明に係る磁気センサの温度特性補正回路の実施例1を説明するためのブロック構成図である。
図5】磁気センサの温度特性のバラツキを示す図である。
図6】磁気センサの温度特性の補正した温度特性を示す図である。
図7】本発明に係る磁気センサの温度特性補正回路の実施例2を説明するためのブロック構成図である。
図8図5から抜き出した代表例を示す磁気センサの温度特性を示す図である。
図9】基準温度調整を示す図である。
図10】高温と室温における磁気センサの温度特性を示す図である。
図11】補正後の磁気センサの温度特性を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
【実施例1】
【0016】
図4は、本発明に係る磁気センサの温度特性補正回路の実施例1を説明するためのブロック構成図である。図5は、磁気センサの温度特性のバラツキを示す図である。図中符号1は温度特性生成回路、2は補正基準温度調整回路、3は1次補正値調整回路、4は関数回路、5は関数出力調整回路、6は加算回路、7は駆動回路(電圧生成回路)を示している。
【0017】
本発明の温度特性補正回路は、図5に示すように、InAs系の磁気センサの温度特性でみられるような、温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に有効である。
本発明に係る磁気センサの温度特性補正回路は、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、1次成分の調整と高次成分の調整を連動させることで、2温度での調整で高次成分まで調整できる磁気センサの温度特性補正回路である。
【0018】
温度特性生成回路1は、温度特性を有する第1の電圧V1(T)を生成するものである。また、補正基準温度調整回路2は、温度特性を補正しても起電力VHV又はVHIに影響が出ない第2の電圧V2を設定するためのものである。
また、1次補正値調整回路3は、温度特性生成回路1からの第1の電圧V1(T)と補正基準温度調整回路2からの第2の電圧V2との差分を増幅するものである。また、関数回路4は、1次補正値調整回路3で調整した第3の電圧V3(T)をリファレンスとして任意の温度特性を有する電流I1(V3(T))を生成するものである。
【0019】
また、関数出力調整回路5は、関数回路4の出力電流I1(V3(T))を電圧に変換し、電圧レベルを調整して磁気センサのバラツキに対応した第4の電圧V4(V3(T))を生成するものである。また、加算回路6は、第3の電圧V3(T)を1次の補正成分とし、第4の電圧V4(V3(T))を高次の補正成分とし、これらの2つを加算した第5の電圧V5(V3(T)=V3(T)+V4(V3(T))を生成するものである。
また、電圧生成回路7は、磁気センサを電圧駆動するために、第5の電圧(V5(V3(T)))をリファレンスとして、駆動電圧V6(T),V7(T)を生成し、それぞれの電源端子CpとCnに与えて磁気センサを電圧駆動するものである。
【0020】
上述した各構成要素をさらに詳細に以下に説明する。
温度特性(温特)生成回路1は、異なる温度特性を持つ抵抗を使用したり、バンドギャップ回路を用いたりする回路などを用いて温度特性を持った第1の電圧V1(T)を生成する。また、補正基準温度調整回路2は、温度特性を補正してもVHVやVHIに影響が出ない温度を設定するための回路である。
【0021】
図6に示すように、温度特性を補正した場合にリファレンスとなる温度での、起電力VHVやVHIが変化した場合には補正が正しく行えないため、温度特性の補正を行ってもリファレンスとなる温度での、起電力VHVやVHIが変化しないように調整を行う必要がある。温度特性補正のリファレンスとなる温度で、V1(T)=V2となるように設定することで、起電力VHVやVHIが変化しない調整を行う。
【0022】
また、1次補正値調整回路3は、第1の電圧V1(T)と第2の電圧V2の差分を増幅する回路である。基準電圧をVaとすると、1次補正値調整回路の出力は、第3の電圧V3(T)=A・{V1(T)−V2}+Vaとして与えられる。個々での増幅率Aは、磁気センサの温度特性のバラツキに応じて個々に設定する値である。
また、関数回路4は、1次補正値調整回路で調整したV3(T)をリファレンスとして任意の温度特性を持つI1(V3(T))を生成する。1次の温度特性を持つ電圧V3(T)をリファレンスとしているため、1次補正値調整回路3の増幅率Aを調整しV3(T)の値が変化すると連動して出力I1(V3(T))の値も変化する。
また、関数出力調整回路5は、関数回路4の出力I1(V3(T))を電圧へと変換し、電圧レベルを調整し磁気センサのバラツキに対応した第4の電圧V4(I1(V3(T)))、つまり、V4(V3(T))を生成することができる。
【0023】
また、加算回路6は、V3(T)を1次の補正成分とし、V4(V3(T))を高次の補正成分とし、この2つを加算した第5の電圧V5(V3(T))=V3(T)+V4(V3(T))を生成する。
また、駆動回路(電圧生成回路)7は、磁気センサを定電圧駆動するための回路である。第5の電圧V5(V3(T))をリファレンスとして、第6の電圧V6(V5)、つまりV6(V3(T))とV7(V5)、つまり、第7の電圧V7(V3(T))を生成し、それぞれCpとCnに与え磁気センサを定電圧駆動する。
【実施例2】
【0024】
図7は、本発明に係る磁気センサの温度特性補正回路の実施例2を説明するためのブロック構成図である。図中符号17は駆動回路(電流生成回路)を示している。なお、図4と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。図7のように駆動回路17でI2(T)=I2(V3(T))のような電流生成する回路を用いることで磁気センサを定電流駆動することもできる。つまり、電圧生成回路17は、磁気センサを電流駆動するために、第5の電圧V5(V3(T))をリファレンスとして、駆動電流I2(T)を生成し、それぞれの電源端子CpとCnに与えて磁気センサを電流駆動するものである。
【0025】
このように、駆動電圧又は駆動電流をV3(T)の関数とすることで、V3(T)のみの調整で、温度特性の1次成分及び関数成分を補正することができる。
次に、本発明に係る磁気センサの温度特性補正方法について以下に説明する。
温度特性の1次成分と高次成分に相関がある磁気センサの温度特性をキャンセルする場合に、補正の基準温度(リファレンス)を高温とし、高温と室温で温度特性を補正する場合の手順について説明する。
【0026】
本発明に係る磁気センサの温度特性補正方法は、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、1次成分の調整と高次成分の調整を連動させることで、2温度での調整で高次成分まで調整できる磁気センサの温度特性補正方法である。
まず、1次温特生成ステップにおいて、1次の温度特性を有する信号を生成する。次に、所定温特生成ステップにおいて、1次の温度特性を有する信号をもとに所定の温度特性を有する信号を生成する。
【0027】
次に、加算ステップにおいて、1次の温度特性を有する信号と所定の温度特性を有する信号とを加算する。次に、反映ステップにおいて、加算した結果を磁気センサの駆動電圧又は駆動電流に反映させる。
また、1次温特生成ステップは、補正後の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流と補正後の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流が第1の温度において一致するように、1次の温度特性を有する信号を生成する。
【0028】
また、所定温特生成ステップは、第1の温度における補正後の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流と第2の温度における補正後の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流が一致するように、所定の温度特性を有する信号を生成する。
また、磁気センサに対して上述した各ステップを実行する実行ステップと、磁気センサとは他の磁気センサに対して、磁気センサに対する実行ステップと同じ設定をするステップと、補正後の他の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流と補正後の他の磁気センサの駆動電圧又は駆動電流が第3の温度において一致するように、1次の温度特性を有する信号を生成するステップとを有している。
【0029】
以下に、各手順について詳細に説明する。
[手順1]
図8は、図5から抜き出した代表例を示す磁気センサの温度特性を示す図である。まず、高温で補正基準温度調整回路2を用いて基準温度の調整を行う。温度特性のないV2の値が温度特性を持つV1(T)値と同じになるようにV2を調整する。図9は、基準温度調整を示す図である。
[手順2]
高温(基準温度)での起電力VHV又はVHIを測定する。この値をリファレンスにして温度特性の補正を行う。
【0030】
[手順3]
室温での起電力VHV又はVHIを測定しながら、1次補正値調整回路3の調整と同時に関数出力調整回路5の調整を行う。このとき、図10に示すように、高温(基準温度)と室温の起電力VHV又はVHIを測定しただけでは1次補正値調整回路3と関数出力調整回路5の調整値の組み合わせで最適な調整値が複数とれるので、それぞれの調整値を記録しておく。
【0031】
[手順4]
低温での起電力VHV又はVHIを測定し、手順2(高温(基準温度))で測定した起電力VHV又はVHIの値と同じ1次補正値調整回路3と関数出力調整回路5の調整値の組み合わせを最終補正値とする。
上述した手順1乃至手順4を行うことで温度特性をキャンセルすることができる。
つまり、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、あるサンプルを用いて手順4で決定した関数出力調整回路5の調整値を、他のサンプルにも適用することで、高温(基準温度)と室温の2温度での精度が良い補正ができる。
手順4で関数出力調整回路5の調整値を次のサンプルを補正する場合に適用し、手順1から手順3までの調整をおこなう。このとき関数出力調整回路5の調整値は決まっているので、手順は以下のようになる。
【0032】
[手順5]
高温で補正基準温度調整回路2を用いて基準温度の調整を行い、温度特性のないV2の値が温度特性を持つV1(T)と同じ値になるように調整する。
[手順6]
高温(基準温度)での起電力VHV又はVHIを測定する。この値をリファレンスにして温度特性の補正を行う。
【0033】
[手順7]
室温において、手順4で決めた調整値で関数出力調整回路の値を決めておき、起電力VHV又はVHIを測定しながら、1次補正値調整回路3の調整を行う。このとき、1次補正値調整回路3の出力V3(T)が変動すると、関数回路4の出力I1(V3(T))も連動して変動するので、1次の温度特性と高次の温度特性に相関がある場合に精度よく温度特性の補正を行うことができる。
【0034】
図11は、補正後の磁気センサの温度特性を示す図である。実際に調整を行った温度以外では最適な補正がされていないが、温度特性は十分低減される。
以上のように、本発明によれば、磁気センサの温度特性の1次成分と高次成分に相関がある場合に、1次成分の調整と高次成分の調整を連動させることで、2温度での調整で高次成分まで調整でき、温度特性を簡単な回路構成及び手順でキャンセルすることができる磁気センサの温度特性補正回路及び温度特性補正方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 温度特性生成回路(温特生成回路)
2 補正基準温度調整回路
3 1次補正値調整回路
4 関数回路
5 関数出力調整回路
6 加算回路
7 駆動回路(電圧生成回路)
17 駆動回路(電流生成回路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11