(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、(1)音声系伝言登録閲覧システムが、電話端末からの伝言確認要求に基づき文字系伝言登録閲覧システムからテキストの安否情報を収集し、音声に変換して当該電話端末に向けて送信し、(2)文字系伝言登録閲覧システムが、情報処理端末からの伝言確認要求に基づき音声系伝言登録閲覧システムから音声の安否情報を収集し、テキストに変換して当該情報処理端末に送信することにより、安否確認システムの利便性を向上するようにしている。以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る安否確認システム100の全体構成を示す図である。本安否確認システム100は、電話端末5から送信された音声の安否情報を提供する音声系伝言登録閲覧システム1と、情報処理端末7から送信されたテキストの安否情報を提供する文字系伝言登録閲覧システム3とを備えて構成される。音声系伝言登録閲覧システム1は、特許請求の範囲の音声安否情報提供部や音声安否情報提供装置に相当し、文字系伝言登録閲覧システム3は、特許請求の範囲の文字安否情報提供部や文字安否情報提供装置に相当する。なお、電話端末5とは、例えば、固定電話、携帯電話、スマートフォン端末等である。また、情報処理端末7とは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン端末、タブレット端末等である。
【0018】
図2は、それら各システム1,3の機能ブロック構成を示す図である。まず、音声系伝言登録閲覧システム1の機能について説明する。音声系伝言登録閲覧システム1は、安否情報受付部11と、安否情報記憶部12と、安否情報提供部13と、安否情報収集部14と、テキスト/音声変換部15と、第1の安否情報送信部16と、第2の安否情報送信部17とを備えている。
【0019】
安否情報受付部11は、電話端末5からの音声呼に基づいてMSサーバ(Media Server:音声呼終端装置。
図1参照)9から送信される要求を受け付ける機能部である。その音声呼の種別が伝言録音要求呼であれば、ユーザの発話音声データを安否情報記憶部12に録音する。一方、伝言確認要求呼であれば、文字系伝言登録閲覧システム3から伝言ファイルを収集するための伝言ファイル収集要求を安否情報収集部14に送信する。なお、伝言確認要求呼の場合、従来通り自システム1内の安否情報記憶部12から音声伝言ファイルを取得してもよい。
【0020】
安否情報記憶部12は、安否情報受付部11で受け付けた発話音声データを音声伝言ファイルとして電話端末5の電話番号等に関連付けて録音しておく機能部である。
【0021】
安否情報提供部13は、文字系伝言登録閲覧システム3からの伝言ファイル収集要求に基づき、安否情報記憶部12に録音されている音声伝言ファイルを提供する機能部である。
【0022】
安否情報収集部14は、安否情報受付部11からの伝言ファイル収集要求に基づき、文字系伝言登録閲覧システム3から伝言ファイルを収集する機能部である。ここで収集する伝言ファイルの種別は、テキスト伝言ファイルに限らず、文字系伝言登録閲覧システム3に音声伝言ファイルがアップロードされていればそれも収集対象とする。
【0023】
テキスト/音声変換部15は、安否情報収集部14で収集した伝言ファイルがテキスト伝言ファイルであれば、そのテキスト伝言ファイル内のテキストデータを音声データに変換する機能部である。変換後の音声データは再利用するために一定時間保持される。
【0024】
第1の安否情報送信部16は、テキスト/音声変換部15で変換した音声データの音声伝言ファイルを電話端末5に向けて送信する機能部である。実際にはMSサーバ9に送信され、そのMSサーバ9が再生することにより電話端末5から音声出力される。一方、安否情報収集部14で収集した伝言ファイルが音声伝言ファイルであれば、その音声伝言ファイルを送信する。なお、従来通り自システム1内の安否情報記憶部12から取得した音声伝言ファイルを送信してもよい。
【0025】
第2の安否情報送信部17は、安否情報収集部14で収集した伝言ファイルを電子メールで電話端末5のメールサーバ8aへ送信する機能部である。
【0026】
続いて、文字系伝言登録閲覧システム3の機能について説明する。文字系伝言登録閲覧システム3は、安否情報受付部31と、安否情報記憶部32と、安否情報提供部33と、安否情報収集部34と、音声/テキスト変換部35と、安否情報送信部36とを備えている。
【0027】
安否情報受付部31は、情報処理端末7からの要求を受け付ける機能部である。その要求の種別が伝言登録要求であれば、情報処理端末7のブラウザ画面上で入力されたテキストデータ又はアップロードされた発話音声データを安否情報記憶部32に登録する。一方、伝言確認要求であれば、音声系伝言登録閲覧システム1から伝言ファイルを収集するための伝言ファイル収集要求を安否情報収集部34に送信する。なお、伝言確認要求の場合、従来通り自システム3内の安否情報記憶部32から伝言ファイルを取得してもよい。
【0028】
安否情報記憶部32は、安否情報受付部31で受け付けたテキストデータをテキスト伝言ファイルとし、アップロードされた発話音声データを音声伝言ファイルとして、その受付時に入力された電話番号、登録日時、登録者等に関連付けて登録しておく機能部である。
【0029】
安否情報提供部33は、音声系伝言登録閲覧システム1からの伝言ファイル収集要求に基づき、安否情報記憶部32に登録されている伝言ファイル(テキスト伝言ファイル、音声伝言ファイル)を提供する機能部である。
【0030】
安否情報収集部34は、安否情報受付部31からの伝言ファイル収集要求に基づき、音声系伝言登録閲覧システム1から音声伝言ファイルを収集する機能部である。
【0031】
音声/テキスト変換部35は、安否情報収集部34で収集した音声伝言ファイル内の音声データをテキストデータに変換する機能部である。
【0032】
安否情報送信部36は、音声/テキスト変換部35で変換したテキストデータのテキスト伝言ファイルを情報処理端末7にHTTPで送信し、その情報処理端末7のブラウザ画面に表示させる機能部である。また、安否情報収集部34で収集した音声伝言ファイルを情報処理端末7からのダウンロード要求に基づいて転送する機能も備えている。更に、そのテキスト伝言ファイルやその音声伝言ファイルを電子メールで情報処理端末7のメールサーバ8bへ送信する機能も備えている。なお、従来通り自システム3内の安否情報記憶部32から取得したテキスト伝言ファイル内のテキストデータを表示させてもよい。
【0033】
次に、本実施の形態に係る安否確認システムの動作を説明する。最初に、文字系伝言登録閲覧システム3に登録されたテキスト伝言を音声系伝言登録閲覧システム1から音声で提供するテキスト伝言音声提供動作について説明する。
図3は、テキスト伝言音声提供処理を示すシーケンス図である。
【0034】
まず、ステップS101において、文字系伝言登録閲覧システム3の安否情報受付部31は、情報処理端末7のブラウザ画面上から安否に関するテキスト伝言が入力されると、そのテキストデータをテキスト伝言ファイルとして安否情報記憶部32に登録する。本ステップはテキスト伝言が入力される度に繰り返し実行され、複数のテキスト伝言ファイルが登録される。
【0035】
次に、ステップS102において、音声系伝言登録閲覧システム1の安否情報受付部11が、電話端末5からの伝言確認要求呼(例えば、171+2+○○○)に基づいてMSサーバ9から伝言確認要求を受け付けると、同システム1の安否情報収集部14は、該当のテキスト伝言ファイルを収集するために伝言ファイル収集要求を文字系伝言登録閲覧システム3へ送信する。
【0036】
次に、ステップS103において、文字系伝言登録閲覧システム3の安否情報提供部33は、音声系伝言登録閲覧システム1からの伝言ファイル収集要求に基づき、安否情報記憶部32に登録されている該当のテキスト伝言ファイルを送信する。
【0037】
次に、ステップS104において、音声系伝言登録閲覧システム1の安否情報収集部14が文字系伝言登録閲覧システム3からテキスト伝言ファイルを収集すると、同システム1のテキスト/音声変換部15は、収集したテキスト伝言ファイル内のテキストデータを音声データに変換する。
【0038】
最後に、ステップS105において、音声系伝言登録閲覧システム1の第1の安否情報送信部16が、ステップS104で変換された音声データの音声伝言ファイル(テキスト伝言ファイルを変換した音声伝言ファイル)を伝言確認要求元のMSサーバ9へ送信する。このとき、音声伝言ファイルをそのまま送信してもよいし、電話端末5で対応可能なコーデックに変換した後に送信してもよい。その後、MSサーバ9により、その音声伝言ファイルが再生されて電話端末5から音声出力される。
【0039】
なお、音声系伝言登録閲覧システム1の安否情報収集部14は、文字系伝言登録閲覧システム3に音声伝言ファイルがアップロードされており、その音声伝言ファイルが伝言確認要求の対象ファイルに該当する場合には、該当のテキスト伝言ファイルと共に該当の音声伝言ファイルも併せて文字系伝言登録閲覧システム3から収集し、同システム1の第1の安否情報送信部16は、その音声伝言ファイルを安否情報収集部14から直接受け取りMSサーバ9へ送信する。
【0040】
また、音声系伝言登録閲覧システム1の第2の安否情報送信部17は、文字系伝言登録閲覧システム3から収集した伝言ファイルがテキスト伝言ファイルであれば、そのテキスト伝言ファイルから伝言データを抽出し、電子メールのメッセージ欄に入力してメールサーバ8aを介して電話端末5へ送信してもよい。また、収集した伝言ファイルが音声伝言ファイルである場合や、テキスト/音声変換部15で音声データに変換された場合、それらの音声伝言ファイルを電子メールに添付して送信してもよい。
【0041】
以上がテキスト伝言音声提供動作である。本動作例によれば、音声系伝言登録閲覧システム1が、電話端末5からの伝言確認要求に基づき文字系伝言登録閲覧システム3からテキスト伝言ファイルを収集し、そのテキスト伝言ファイル内のテキストデータを音声データに変換して電話端末5に向けて送信するので、テキスト伝言を音声で提供可能となる。
【0042】
ここで、音声系伝言登録閲覧システム1からMSサーバ9への音声伝言ファイルの送信順序、つまりMSサーバ9による伝言の再生順序を保証するための方法について説明する。
【0043】
まず、文字系伝言登録閲覧システム3は、登録対象のテキスト伝言を受け付けると、そのテキスト伝言を登録日時に関連付けて管理する。一方、登録対象が音声伝言の場合には、音声伝言ファイルがアップロードされた際にHTTP入力パラメータに含まれる日時を安否情報記憶部32への登録日時として管理する。これは、音声伝言がファイルプロパティのタイムスタンプを使用できないためであり、タイムスタンプの代わりにHTTPパラメータに入力された日時情報を利用し、アップロードされた音声伝言ファイルをバイナリ形式に変換して登録日時を管理・保証するようにしている。
【0044】
その後、音声系伝言登録閲覧システム1は、文字系伝言登録閲覧システム3から該当する複数の伝言ファイルを収集すると、各伝言ファイルの登録日時を参照し、例えば登録日時の新しい順番や電話番号等でソートして電話端末5に向けて順次送信する。これにより、音声伝言ファイルが登録日時の新しい順番で再生される。また、音声伝言をバイナリ化して管理・送受信するため、個々のMSサーバ9がそれぞれサポートしている形式(コーデック)の音声伝言ファイルに変換でき、更には網内の通信帯域等を効率良く有効に活用することができる。
【0045】
次に、音声系伝言登録閲覧システム1に録音された音声伝言を文字系伝言登録閲覧システム3からテキストで提供する音声伝言テキスト提供動作について説明する。
図4は、音声伝言テキスト提供処理を示すシーケンス図である。
【0046】
まず、ステップS201において、音声系伝言登録閲覧システム1の安否情報受付部11は、電話端末5からの伝言録音要求呼(例えば、171+1+○○○)に基づいてMSサーバ9から伝言録音要求を受け付けると、ユーザの発話音声データを音声伝言ファイルとして安否情報記憶部12に録音する。本ステップは発話音声伝言が入力される度に繰り返し実行され、複数の音声伝言ファイルが登録される。
【0047】
次に、ステップS202において、文字系伝言登録閲覧システム3の安否情報受付部31が情報処理端末7からの伝言確認要求を受け付けると、同システム3の安否情報収集部34は、該当の音声伝言ファイルを収集するために伝言ファイル収集要求を音声系伝言登録閲覧システム1へ送信する。
【0048】
次に、ステップS203において、音声系伝言登録閲覧システム1の安否情報提供部13は、文字系伝言登録閲覧システム3からの伝言ファイル収集要求に基づき、安否情報記憶部12に録音されている該当の音声伝言ファイルを送信する。
【0049】
次に、ステップS204において、文字系伝言登録閲覧システム3の安否情報収集部34が音声系伝言登録閲覧システム1から音声伝言ファイルを収集すると、同システム3の音声/テキスト変換部35は、収集した音声伝言ファイル内の音声データをテキストデータに変換する。
【0050】
最後に、ステップS205において、文字系伝言登録閲覧システム3の安否情報送信部36が、ステップS204で変換されたテキストデータを伝言確認要求元の情報処理端末7にHTTP又は電子メールで送信する。
【0051】
なお、伝言データの送信方法については複数の態様が考えられる。例えば、1つ目の方法としては、変換後のテキストデータを情報処理端末7のブラウザ画面に表示させる。
【0052】
また、2つ目の方法としては、変換前の音声伝言ファイルを情報処理端末7からのダウンロード要求に基づいて転送する。その2つ目の方法の別例として、音声伝言ファイルを電話網内のサーバへ送信し、そのサーバから電話端末5に送信(ストリーミング再生,ファイル転送)して可聴させるようにしてもよい。音声伝言ファイルをそのまま転送又は送信してもよいし、情報処理端末7や電話端末5で対応可能なコーデックに変換した後に転送等してもよい。
【0053】
また、1つ目や2つ目の方法において、
図5に示すように、伝言登録画面とダウンロード画面とで通信プロトコルを変更するようにしてもよい。例えば、伝言登録画面をHTTPSで表示し、ダウンロードへのリンクボタンがクリックされた後にダウンロード画面をHTTPで表示する。更に、同図(1)のように、テキスト伝言の表示と音声伝言のダウンロード表示とを同一のブラウザ画面に混在させて表示してもよい。
【0054】
以上が音声伝言テキスト提供動作である。本動作例によれば、文字系伝言登録閲覧システム3が、情報処理端末7からの伝言確認要求に基づき音声系伝言登録閲覧システム1から音声伝言ファイルを収集し、その音声伝言ファイル内の音声データをテキストデータに変換して情報処理端末7に送信するので、音声伝言をテキストで提供可能となる。
【0055】
ここで、音声又はテキストへの変換処理技術について説明する。この変換処理は、テキスト/音声変換部15及び音声/テキスト変換部35に備わるトランスコーディング機能により実現される。例えば、全てのテキストデータをG.711μ−law形式へ一意に変換したり、再生する端末の種別に合わせてAMR−WB形式やMP3形式に変換したりする。任意のトランスコーディング技術を利用可能であり特定のものには何ら限定されない。
【0056】
続いて、上述したステップS201で行われる音声伝言の録音動作について詳述する。
図6は、音声伝言録音処理を示すシーケンス図である。
【0057】
まず、ステップS301において、MSサーバ9は、電話端末5から伝言録音要求呼が送信されると、音声伝言を録音できるか否かを問い合わせる音声録音可否問合せ要求を音声系伝言登録閲覧システム1へ送信する。
【0058】
次に、ステップS302において、音声系伝言登録閲覧システム1は、MSサーバ9から音声録音可否問合せ要求を受信した後、安否情報記憶部12に録音されている音声伝言ファイルの数等に基づき音声伝言を更に追加できるか否かを判定し、ステップS303において、その判定結果を返信する。
【0059】
例えば、追加することによりシステム総伝言数が上限システム伝言数(例えば800万件)を超過するか否か、ストレージの残容量により要求元のBOX(電話端末に対して割り当てられる登録領域)を新規に作成可能か否か、追加することによりBOX総伝言数が上限BOX伝言数(例えば20件)を超過するか否か、同一のBOX内に上書き登録可能か否か等を判定する。そして、追加可能であれば追加予定件数分の音声伝言をシステム総伝言数及びBOX総伝言数にそれぞれ仮加算する。
【0060】
次に、ステップS304において、MSサーバ9は、音声系伝言登録閲覧システム1から音声録音可否問合せ要求に対する応答を受信した後、その応答内の判定結果に応じた音声ガイダンスを要求元の電話端末5へ送信する。
【0061】
次に、ステップS305において、電話端末5は、音声伝言を録音可能であればユーザの発話音声データを送信し、ステップS306において、MSサーバ9との呼接続を切断する。
【0062】
次に、ステップS307において、MSサーバ9は、電話端末5からの発話音声データを録音するための伝言録音要求を音声系伝言登録閲覧システム1へ送信する。
【0063】
最後に、ステップS308において、音声系伝言登録閲覧システム1は、受信した伝言録音要求内の発話音声データを該当のBOXに録音し、システム総伝言数及びBOX総伝言数を仮加算値でそれぞれ確定して、ステップS309において、その録音結果を返信する。
【0064】
なお、音声系伝言登録閲覧システム1は、ステップS303で判定結果を送信してからの経過時間をカウントし、一定時間が経過しても伝言録音要求を受信しない場合には、追加予定件数分の確保領域を無効リソースとみなし、仮加算値から該当の件数分を減算してシステム総伝言数及びBOX総伝言数を確定する。
【0065】
引き続き、上述したステップS102〜ステップS105で行われる音声伝言の確認動作について詳述する。
図7は、音声伝言確認処理を示すシーケンス図である。
【0066】
まず、ステップS401において、MSサーバ9は、電話端末5から伝言確認要求呼が送信されると、該当する伝言の一覧を取得するための伝言一覧取得要求を音声系伝言登録閲覧システム1へ送信する。
【0067】
次に、ステップS402において、音声系伝言登録閲覧システム1は、MSサーバ9から伝言一覧取得要求を受信した後、文字系伝言登録閲覧システム3から該当のテキスト伝言ファイルを収集し、ステップS403において、収集したテキスト伝言ファイル内のテキストデータを音声データに変換する変換処理を開始し、ステップS404において、ステップS402の収集結果を返信する。
【0068】
次に、ステップS405において、MSサーバ9は、音声系伝言登録閲覧システム1から伝言一覧取得要求に対する応答を受信した後、その応答内の収集結果に応じた音声ガイダンスを要求元の電話端末5へ送信する。
【0069】
次に、ステップS406において、電話端末5は、音声ガイダンスに沿ってユーザにより行われる電話端末5でのボタン押下操作を受け付け、その操作に基づくPB(Push Button)信号を送信する。
【0070】
次に、ステップS407において、MSサーバ9は、電話端末5からのPB信号に基づき、音声伝言を取得するための伝言確認要求を音声系伝言登録閲覧システム1へ送信する。
【0071】
最後に、ステップS408において、音声系伝言登録閲覧システム1は、ステップS403で変換した音声データをMSサーバ9へ送信し、MSサーバ9は、ステップS409において、その音声データを電話端末5に対して再生出力させる。
【0072】
なお、上記ステップS403でのテキスト伝言の変換方法については複数の態様が考えられる。例えば、1つ目の方法としては、収集した全てのテキスト伝言ファイルをパラレルに音声変換する。2つ目の方法としては、プロパティ情報に再生候補として設定されているテキスト伝言数分のみを先行して音声変換する。
【0073】
前者の場合、テキスト伝言ファイルの収集件数が膨大であれば、その膨大なテキスト伝言を一度に変換することになる。一方、後者であれば、一度に行う変換処理の対象が一部の件数分のみに限定されるため、音声系伝言登録閲覧システム1での音声変換処理に係る負荷を平滑化でき、低減することができる。これにより、音声系伝言登録閲覧システム1内の処理がテキスト/音声変換処理に専有されてしまうことが抑制され、既に呼接続の確立されたインチャネルの無音区間の発生を防止することができる。
【0074】
また、音声系伝言登録閲覧システム1は、異なるユーザで同一のテキスト伝言を送信する可能性や、同一のユーザから同一のテキスト伝言を再度送信する要求(再度の再生要求)を受ける可能性があることから、再度の送信処理のために変換済みの音声伝言を一定時間保持しておくことにより、再利用性を高めるようにしてもよい。また、そのような要求の有無にかかわらず、テキストから音声へ変換された音声伝言を一旦録音し、その録音したものを送信してユーザに可聴させるようにしてもよい。
【0075】
また、音声系伝言登録閲覧システム1は、ステップS403で変換処理を開始してからの経過時間をカウントし、一定時間が経過しても伝言取得要求を受信しない場合には、実行中であった音声への変換処理を停止するようにしてもよい。
【0076】
また、上記ステップS408,S409での音声伝言の返却方法についても複数の態様が考えられる。1つ目は、一覧返却方式である。本方式は、伝言一覧取得要求に対して音声伝言を一括して送信する方法である。音声系伝言登録閲覧システム1は、テキスト伝言ファイルを収集して音声へ変換する一連の処理を全てのテキスト伝言ファイルについて繰り返し実行し、その後に全ての音声伝言を一括して送信する。
【0077】
2つ目は、リスト返却方式である。本方式は、まず、該当のテキスト伝言ファイルのIDを収集してリスト化したリスト一覧データを生成し、MSサーバ9からの伝言一覧取得要求に対して当該一覧データを送信する。そして、音声伝言取得要求を受信した後、その要求内で指定されたIDに該当するテキスト伝言のみを音声変換して送信する。音声伝言取得要求で指定されたテキスト伝言のみを変換するので、不要なテキスト伝言を変換する処理を省略できる。
【0078】
以上より、本実施の形態によれば、音声系伝言登録閲覧システム1が、電話端末5からの伝言確認要求に基づき文字系伝言登録閲覧システム3からテキスト伝言ファイルを収集し、そのテキスト伝言ファイル内のテキストデータを音声データに変換して電話端末5に向けて送信するので、テキスト伝言を音声で提供可能となる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、文字系伝言登録閲覧システム3が、情報処理端末7からの伝言確認要求に基づき音声系伝言登録閲覧システム1から音声伝言ファイルを収集し、その音声伝言ファイル内の音声データをテキストデータに変換して情報処理端末7に送信するので、音声伝言をテキストで提供可能となる。
【0080】
これらの効果より、例えば音声系伝言登録閲覧システム1と文字系伝言登録閲覧システム3のうち一方にのみ安否情報を録音又は登録しておけば被災者等の安否を確認できることから、結果として安否確認システムの利便性を向上することができる。
【0081】
また、従来では1か所のMSサーバ9に音声の安否情報が蓄積・保管されるため、トラヒックボリュームによるダイナミックな負荷分散ルーティングが困難であり、かつ、そのMSサーバ9の故障時には音声の安否伝言が可聴できないというリスクがあった。しかし、本実施の形態によれば、音声の安否情報を築盛・保管する処理が安否確認システム100で行われるため、MSサーバ9を特定することなく、ダイナミックな負荷分散ルーティングが可能となる。更に、音声の安否情報とテキストの安否情報を1つのシステム内に管理できることから、従来であれば蓄積情報の確認や削除のために複数のMSサーバ9へアクセスしていたところ、1つのシステムへのアクセスのみで実現可能となる。
【0082】
最後に、本実施の形態で説明した音声系伝言登録閲覧システム1や文字系伝言登録閲覧システム3は、メモリやCPUを備えたコンピュータで実現できる。また、その処理は、プログラムによって実行される。更に、それら各システム1,3の各動作をプログラムとして構築し、コンピュータにインストールして実行させることや、通信ネットワークを介して流通させることも可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…音声系伝言登録閲覧システム(音声安否情報提供部又は装置)
11…安否情報受付部
12…安否情報記憶部
13…安否情報提供部
14…安否情報収集部(音声安否情報提供部又は装置の収集手段)
15…テキスト/音声変換部(音声安否情報提供部又は装置の変換手段)
16…第1の安否情報送信部(音声安否情報提供部又は装置の送信手段)
17…第2の安否情報送信部(音声安否情報提供部又は装置の送信手段)
3…文字系伝言登録閲覧システム(文字安否情報提供部又は装置)
31…安否情報受付部
32…安否情報記憶部
33…安否情報提供部
34…安否情報収集部(文字安否情報提供部又は装置の収集手段)
35…音声/テキスト変換部(文字安否情報提供部又は装置の変換手段)
36…安否情報送信部(文字安否情報提供部又は装置の送信手段)
5…電話端末
7…情報処理端末
8a,8b…メールサーバ
9…MSサーバ
100…安否確認システム
S101〜S105、S201〜S205、S301〜S309、S401〜S409…ステップ