(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による電子機器1の外観模式図である。
図1において、符号11は表示画面である。即ち、
図1(a)は表示画面11を手前側にして立てた状態の斜視図、
図1(b)は表示画面11を上にして寝かせた状態の斜視図、
図1(c)は表示画面11を下にして寝かせた状態の斜視図である。
【0015】
電子機器1は、
図1(a)〜(c)に示すように、前面部10、側面部20、30、40、50及び背面部60を有する。前面部10及び背面部60は正方形であって、電子機器1は、外形上、上下左右の区別なく使用される。後述する電子機器2、3についても同様である。
側面部20上の符号120Rは、側面センサ120(
図2参照)の検出領域である。側面部30上の符号130R、側面部40上の符号140R、及び、側面部50上の符号150Rについても同様である。
【0016】
図2は、電子機器1の機能ブロック図の一例である。
図3は、記憶部400に記憶される情報の一例である。
図3は、記憶部400に記憶される情報の一例である。
電子機器1は、また、
図2に示すように、センサ部100、推定部200、操作受付部300及び記憶部400を備える。センサ部100は、複数の側面センサ(側面センサ120、130、140、150)から構成されている。
側面センサ120は、検出領域120R(
図1参照)への接触量に応じた検出値を推定部200及び操作受付部300に出力する。側面センサ130は、検出領域130R(
図1参照)への接触量に応じた検出値を推定部200及び操作受付部300に出力する。側面センサ140は、検出領域140R(
図1参照)への接触量に応じた検出値を推定部200及び操作受付部300に出力する。側面センサ150は、検出領域150R(
図1参照)への接触量に応じた検出値を推定部200及び操作受付部300に出力する。
【0017】
つまり、側面センサ120の構成は、検出領域120R内の接触位置を認識し、接触位置を特定する情報を検出値として出力する構成(接触位置に係る分解能を有する構成)ではなく、検出領域120R全体の接触量を認識し、接触量を1つの検出値として出力する構成(接触量に係る分解能を有する構成)である。換言すれば、側面センサ120は、検出領域120R上の何れかの接触位置における接触の有無を検出値として単に出力するのではなく、何れかの接触位置における接触の接触面積に応じた検出値を出力するように構成されている。側面センサ130、140、150についても同様である。また、後述する、他の側面センサ121、122−X、131、132−X、141、142−X、151、152−X、背面センサ161〜167についても同様である。
【0018】
なお、側面センサ120の方式は、何れかの接触位置における接触の接触面積に応じた検出値を出力するものであれば、特に限定しない。
例えば、投影型静電容量方式とする場合、側面センサ120を構成する電極(電極数は1つ)を側面部20の面の内側(内部)に配置する(検出領域120Rの位置及び形状は、内側に配置した電極の位置及び形状に依存する)。
側面部20の面の内側に配置した電極の静電容量は、検出領域120R上への接触面積に応じて変化する。従って、側面センサ120は、当該検出領域120R上への接触面積に応じた検出値として、例えば、電極の静電容量又は電極間の電圧を出力する。側面センサ130、140、150についても同様である。また、後述する、他の側面センサ121、122−X、131、132−X、141、142−X、151、152−X、背面センサ161〜167についても同様である。
【0019】
推定部200は、側面センサ120、130、140、150から検出値を取得する。推定部200は、側面センサ120、130、140、150から取得した検出値に基づいて側面部20、30、40、50に接触している指を推定する。即ち、推定部200は、検出領域120R、130R、140R、150Rの夫々の接触量に基づいて、側面部20、30、40、50に接触している指を推定する。なお、推定部200の処理の詳細については後述する。
【0020】
操作受付部300は、筐体への接触を入力操作として受け付ける。換言すれば、操作受付部は、センサ部100から入力情報として検出値を受け付ける。
また、操作受付部300は、所定の指による一の側面部(側面部20、30、40、50の何れかの側面部)への接触が推定部200によって推定された場合には、以後、当該側面部の検出領域への接触を入力操作として受け付ける(他の検出領域への接触を無視する)。例えば、所定の指として記憶部400に親指が定義され(後述)、かつ、親指による側面部50への接触が推定部200によって推定された場合、操作受付部200は、以後、側面部50上の検出領域150Rへの接触を入力操作として受け付ける。つまり、操作受付部300は、所定の指である親指による接触が以後もなされると推定される側面部50への操作を入力として受け付ける。
【0021】
記憶部400は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部400は、操作受付部300が入力操作として受け付ける所定の指に関する情報を記憶する。例えば、記憶部400は、所定の指に関する情報として、電子機器1の動作状態を表したステータスIDと、電子機器1における各指の操作許否の組合せを表した拒否パターンIDとの関係(
図3(a)参照)、及び、拒否パターンIDと拒否パターンとの関係(
図3(b))を記憶する。
図3に示す例によれば、例えば、電子機器1の状態が、アプリケーション1の実行中における状態B(例えば、アラーム、メール受信通知等の割込発生状態)の場合(ステータスID「ST−102」)、操作受付部300が入力操作として受け付ける所定の指として親指を定義している(許否パターンID「P2」)
【0022】
(推定部200の第1の処理態様)
図4及び
図5は、側面部認定部210の第1の処理態様を説明するための説明図である。推定部200は、
図1に示すように、側面部認定部210及び指判定部220を備える。側面部認定部210は、検出値が最大の側面センサを配した側面部を第1側面部と認定し、第1側面部に対向する側面部(反対側の側面部)を第2側面部と認定する(第1の処理態様)。指判定部220は、第2側面部に接触している指を親指であると判定し、第1側面部に接触している指を親指以外の指であると判定する。
【0023】
例えば、
図4(a)の如く、ユーザが、前面部10を手前側、側面部20を上側にして、電子機器1を持った場合、側面部20、30、40、50上の接触状態は、例えば、
図4(b)に示すように表される。なお、「×」印は、接触位置を模式的に表したものである。「×」印の数は、接触量を表している。
【0024】
側面部推定部210は、側面センサ120、130、140、150の夫々から検出値を取得し、各側面センサから取得した検出値を比較する。各側面センサの夫々から取得する検出値は、上述の如く、夫々の側面部(接触領域)への接触量に応じた値であるため、
図4の例の場合、各側面センサの夫々から取得した検出値は、
図5に示すような大小関係となる。続いて、側面部推定部210は、比較の結果、検出値が最大の側面センサを配した側面部を第1側面部と認定し、第1側面部に対向する位置関係にある側面部を第2側面部と認定する。例えば、
図4の例の場合、側面部推定部210は、検出値が最大の側面センサ130を配した側面部30を第1側面部と認定し、側面部30に対向する位置関係にある側面部50を第2側面部と認定する。
【0025】
指判定部220は、第2側面部である側面部50(検出領域150R)に接触している指を親指であると判定し、第1側面部である側面部30(検出領域130R)に接触している指を親指以外の指であると判定する。
【0026】
図6は、電子機器1の処理の流れを示すフローチャートの一例である。なお、
図6に示すフローチャートは、側面部推定部210が上述の第1の処理態様にて処理を行う場合の処理の流れを示している。
【0027】
側面部推定部210は、側面センサ120、130、140、150から接触量に応じた検出値を取得する(ステップS10)。側面部推定部210は、検出値が最大の側面センサを配した側面部を第1側面部と認定し、第1側面部に対向する側面部を第2側面部と認定する(ステップS20)。指判定部220は、第2側面部に接触している指を親指であると判定し、第1側面部に接触している指を親指以外の指であると判定する(ステップS30)。
【0028】
操作受付部300は、指判定部220の判定結果と、記憶部400に記憶された所定の指に関する情報とに基づいて、所定の指による筐体への接触を入力操作として受け付ける(ステップS40)。例えば、操作受付部300は、側面部50に接触している指が親指であって、側面部30に接触している指が親指以外の指である旨の判定情報を指判定部220から得るとともに、所定の指が親指である旨の定義情報を記憶部400から得たときは、以後、側面部50上の検出領域150Rへの接触を入力操作として受け付ける。そして、本フローチャートは終了する。
【0029】
(推定部200の第2の処理態様)
図7及び
図8は、側面部認定部210の第2の処理態様を説明するための説明図である。側面部認定部210の第1の処理態様は、上述の如く、検出値の最大値に基づいて側面部を認定するものであったが、側面部認定部210の第2の処理態様は、検出値の増減率の最大値に基づいて側面部を認定するものである。なお、指判定部220の処理は、第1の処理態様と同一である。
【0030】
側面部認定部210は、経時的な検出値の増減率が最大の側面センサを配した側面部を第2側面部と認定し、第2側面部に対向する側面部を第1側面部と認定する(第2の処理態様)。
【0031】
例えば、
図4(a)の状態から、側面部30から離していた人差し指を付けたり離したりさせた場合(即ち、人差し指をタップさせた場合)、側面部30上の接触状態は、例えば、
図7(b)の如く、経時的に変化する。また、
図4(a)の状態から、側面部50に付けていた親指を離したり付けたりさせた場合(即ち、親指をタップさせた場合)、側面部50上の接触状態は、例えば、
図7(d)の如く、経時的に変化する。なお、「×」印の数の増減は、接触量の増減を表している。また、親指のタップの場合、及び、人差し指のタップの場合、側面部20上の接触状態、側面部40上の接触状態は、通常、
図7(a)(c)の如く、変化しない。
【0032】
側面部推定部210は、第2の処理態様の場合、経時的に、側面センサ120、130、140、150の夫々から検出値を取得し、各側面センサから取得した検出値の増減率を算出する。
図7の例の場合、各側面センサの検出値の増減率は、
図8に示すような大小関係となる。なお、検出値の増減率の算出には種々の方法が考えられるが、例えば、側面部推定部210は、{(「一定時間内の検出値の最大値」−「一定時間内の検出値の最小値」)/「一定時間内の検出値の最大値」}を「検出値の増減率」としている(但し、最大値がゼロの場合はゼロ)。続いて、側面部推定部210は、算出の結果、検出値の増減率が最大の側面センサを配した側面部を第2側面部と認定し、第2側面部に対向する位置関係にある側面部を第1側面部と認定する。例えば、
図8の例の場合、側面部推定部210は、検出値の増減率が最大の側面センサ150を配した側面部50を第2側面部と認定し、側面部50に対向する位置関係にある側面部30を第1側面部と認定する。
【0033】
指判定部220は、第2側面部である側面部50(検出領域150R)に接触している指を親指であると判定し、第1側面部である側面部30(検出領域130R)に接触している指を親指以外の指であると判定する。
【0034】
(推定部200の第3の処理態様)
図9及び
図10は、側面部認定部210の第3の処理態様を説明するための説明図である。
図9(a)は表示画面11を手前側にして立てた状態の斜視図、
図9(b)は各側面部20、30、40、50における検出領域、
図9(c)は、センサ部102の構成である。
側面部認定部210の第2の処理態様は、タップ時の検出値の増減率の最大値に基づいて側面部を認定するものであったが、側面部認定部210の第3の処理態様は、スライド時の検出値の増減率の最大値に基づいて側面部を認定するものである。なお、指判定部220の処理は、第1の処理態様と同一である。
【0035】
第3の処理態様の場合、各側面センサの検出領域の形状は、第1、2の処理態様の場合の検出領域の形状とは異なる。即ち、各側面センサの検出領域の形状は、第1、第2の処理態様の場合、側面部の長手方向の位置によらず短手方向の長さが一定(例えば、
図1の如く長方形)であってもよいが、第3の処理態様の場合には、側面部の長手方向の位置に応じて短手方向の長さが異なる。例えば、第3の処理態様の場合、各側面センサの検出領域は、
図9(a)(b)に示すような形状になる。
【0036】
即ち、第3の処理態様の場合には、電子機器1は、検出領域120Rを有する側面センサ120、検出領域130Rを有する側面センサ130、検出領域140Rを有する側面センサ140及び検出領域150Rを有する側面センサ150を備えるセンサ部100に代えて、
図9(c)に示すように、検出領域121Rを有する側面センサ121、検出領域131Rを有する側面センサ131、検出領域141Rを有する側面センサ141及び検出領域151Rを有する側面センサ151を備えるセンサ部102を備える。
【0037】
検出領域121R、131R、141R、151Rは、スライド方向(長手方向)の位置に応じて、スライド方向と垂直方向(短手方向)の長さが異なるため、側面センサ121、131、141、151は、スライドに応じて変化する検出値を出力する。
【0038】
例えば、
図4(a)の状態から、側面部30に人差し指を付けてスライドさせた場合(即ち、人差し指をスライドさせた場合)、側面部30上の接触状態は、例えば、
図10(a)の如く、経時的に変化する。
図10(a)の場合、スライド時に、側面部30への接触面積は変化しないが、検出領域131R上の接触面積は変化するため、スライドに応じて検出値は変化する。また、
図4(a)の状態から、側面部50に付けている親指をスライドさせた場合(即ち、親指をスライドさせた場合)、側面部50上の接触状態は、例えば、
図10(b)の如く、経時的に変化する。なお、
図10(b)の場合には、スライド時に、検出領域151R上の接触面積に加え、側面部50への接触面積も変化している。なお、
図10における、「×」印の数の増減は、接触量の増減を表している。
【0039】
側面部推定部210は、第3の処理態様の場合、経時的に、側面センサ121、131、141、151の夫々から検出値を取得し、第2の処理態様と同様の方法を用いて、各側面センサから取得した検出値の増減率を算出する。続いて、側面部推定部210は、第2の処理態様、検出値の増減率が最大の側面センサを配した側面部を第2側面部と認定し、第2側面部に対向する位置関係にある側面部を第1側面部と認定する。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態による電子機器2の外観模式図である。
図11(a)は表示画面11を手前側にして立てた状態の斜視図、
図11(b)は表示画面11を上にして寝かせた状態の斜視図、
図11(c)は表示画面11を下にして寝かせた状態の斜視図である。
【0041】
電子機器2は、
図11(a)〜(c)に示すように、第1の実施形態の電子機器1と同様、前面部10、側面部20、30、40、50及び背面部60を有する。また、電子機器2は、第1の実施形態(第1、2の処理態様)と同様、各側面部20、30、40、50に、検出領域120R、130R、140R、150Rを有する。
電子機器2は、背面部60に、背面センサ161(
図12参照)の検出領域161R、背面センサ162(
図12参照)の検出領域162R、背面センサ163(
図12参照)の検出領域163Rを有する。検出領域161R(検出領域162R、検出領域163Rも同様)の形状は幅が段々と狭くなる形状(例えば、楔形、鋭角の三角形)である。
【0042】
図12は、電子機器2の機能ブロック図の一例である。
電子機器2は、また、
図12に示すように、センサ部104、推定部202、操作受付部300及び記憶部400を備える。操作受付部300及び記憶部400は、第1の実施形態の電子機器1が備えるものと同様である。センサ部104は、複数の側面センサ(側面センサ120、130、140、150、背面センサ161、162、163)から構成されている。側面センサ120、130、140、150は、第1の実施形態の電子機器1が備えるものと同様である。なお、電子機器2は、加速度センサ(非図示)を備える。
【0043】
背面センサ161は、検出領域161R(
図11参照)への接触量に応じた検出値を推定部202及び操作受付部300に出力する。背面センサ162は、検出領域162R(
図11参照)への接触量に応じた検出値を推定部202及び操作受付部300に出力する。側面センサ163は、検出領域163R(
図11参照)への接触量に応じた検出値を推定部202及び操作受付部300に出力する。
【0044】
推定部202は、
図12に示すように、側面部認定部212及び指判定部220を備える。指判定部220は、第1の実施形態の電子機器1が備えるものと同様である。
側面部認定部212は、側面センサ120、130、140、150、背面センサ161、162、163から検出値を取得する。側面部認定部212は、側面センサ120、130、140、150、背面センサ161、162、163から取得した検出値に基づいて上述の第1側面部及び第2側面部側面部を認定する。
【0045】
側面部認定部212は、例えば、側面センサ120、130、140、150から取得した検出値に基づいて第1側面部及び第2側面部側面部を仮認定し、背面センサ161、162、163から取得した検出値に基づいて電子機器2を持っている左右の手を判別し、仮認定の認定結果と左右の手の判別結果の整合性を判断し、整合状態である場合(又は、不整合状態でない場合)、仮認定の認定結果が妥当である判断する(仮認定の認定結果を以って第1側面部及び第2側面部側面部を認定する)。
【0046】
図13は、側面部推定部212の処理を説明するための説明図である。
以下、側面部推定部212の処理について詳しく説明する。側面部推定部212は、まず、側面センサ120、130、140、150から取得した検出値に基づいて第1側面部及び第2側面部側面部を仮認定する。なお、側面部推定部212による第1側面部及び第2側面部側面部の仮認定は、第1の実施形態の電子機器1の側面部推定部210による第1側面部及び第2側面部側面部の認定と同様の処理である。
【0047】
続いて、側面部推定部212は、背面センサ161、162、163から取得した検出値に基づいて電子機器2を持っている左右の手を判別する。
例えば、
図4(a)の如く、ユーザが、前面部10を手前側、側面部20を上側にして、電子機器2を左手で持った場合、人差し指側に位置する側面部30側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部50側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(a)の1点鎖線の下部として表される。一方、同じ向きにおいて右手で持った場合、人差し指側に位置する側面部50側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部30側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(a)の2点鎖線の下部として表される。
【0048】
また、ユーザが、前面部10を手前側、側面部50を上側にして(
図4(a)において前面部10を基準に時計回りに90度回転させた姿勢にて)、電子機器2を左手で持った場合、人差し指側に位置する側面部20側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部40側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(b)の1点鎖線の下部として表される。一方、同じ向きにおいて右手で持った場合、人差し指側に位置する側面部40側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部20側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(b)の2点鎖線の下部として表される。
また、ユーザが、前面部10を手前側、側面部40を上側にして、電子機器2を左手で持った場合、人差し指側に位置する側面部50側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部30側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(c)の1点鎖線の下部として表される。一方、同じ向きにおいて右手で持った場合、人差し指側に位置する側面部30側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部50側に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(c)の2点鎖線の下部として表される。
また、ユーザが、前面部10を手前側、側面部30を上側にして(
図4(a)において前面部10を基準に反時計回りに90度回転した姿勢にて)、電子機器2を左手で持った場合、人差し指側に位置する側面部40側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部20側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(d)の1点鎖線の下部として表される。一方、同じ向きにおいて右手で持った場合、人差し指側に位置する側面部40側の接触領域の位置が親指側に位置する側面部20側の接触領域の位置に比べ高くなるため、背面部60上の接触部分は、
図13(d)の2点鎖線の下部として表される。
なお、側面部推定部212は、加速度センサの検出値に基づいて、電子機器2の姿勢(上側に位置する側面部)を判断する。
【0049】
従って、側面部推定部212は、側面部20が上側である場合、
図13(a)に示すように、背面センサ161の検出値>背面センサ163の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ163の検出値>背面センサ161の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。同様に、側面部推定部212は、側面部40が上側である場合、
図13(c)に示すように、背面センサ163の検出値>背面センサ161の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ161の検出値>背面センサ163の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。なお、側面部50が上側である場合には、側面部推定部212は、
図13(b)に示すように、電子機器2を持っている左右の手を判別できない。また、側面部30が上側である場合には、側面部推定部212は、
図13(d)に示すように、電子機器2を持っている左右の手を判別できない。
【0050】
続いて、側面部推定部212は、仮認定の認定結果と左右の手の判別結果の整合性を判断する。例えば、側面部推定部212は、側面部30を第1側面部(親指以外の指側)と仮認定し、側面部50を第2側面部(親指側)と仮認定した場合において、前面部10を手前側、側面部20を上側にして、電子機器2を左手で持っていると判定した場合(
図13(a)において1点差線の下部が背面部60の接触範囲であると判定した場合)、仮認定の認定結果、及び、左右の手の判別結果による親指側の位置は共に側面部50側であって一致しているため、仮認定の認定結果と左右の手の判別結果とは整合していると判断する。一方、上述のように仮認定した場合において、前面部10を手前側、側面部20を上側にして、電子機器2を右手で持っていると判定した場合(
図13(a)において2点差線の下部が背面部60の接触範囲であると判定した場合)、左右の手の判別結果による親指側の位置は側面部30側であって仮認定の認定結果である側面部50側と一致しないため、仮認定の認定結果と左右の手の判別結果とは整合していないと判断する。
【0051】
図14は、電子機器2の処理の流れを示すフローチャートの一例である。側面部推定部212は、側面センサ120、130、140、150から接触量に応じた検出値を取得する(ステップS110)。側面部推定部212は、背面センサ161、162、163から接触量に応じた検出値を取得する(ステップS112)。側面部推定部212は、側面センサ120、130、140、150からの検出値が最大の側面センサを配した側面部を第1側面部と仮認定し、第1側面部に対向する側面部を第2側面部と仮認定する(ステップS120)。
【0052】
側面部推定部212は、背面センサ161、162、163、及び、加速度センサの検出値に基づいて、電子機器2を持っている左右の手を判別する(ステップS122)。なお、上述の如く、側面部推定部212は、電子機器2の姿勢によっては、左右の手を判別することができない場合がある(
図13(b)(d)の場合)。
【0053】
側面部推定部212は、ステップS120における仮認定の認定結果と、ステップS122における左右の手の判別結果とが整合しているか否かを判断する(ステップS124)。なお、側面部推定部212は、ステップS122において左右の手を判別することができた場合であって、判別結果が認定結果と整合している場合に真(Yes)と判断する。一方、側面部推定部212は、ステップS122において左右の手を判別することができた場合であって、判別結果が認定結果と整合していない場合、及び、ステップS122において左右の手を判別することができなかった場合に、偽(No)と判断する。
【0054】
操作受付部300が真(Yes)と判断した場合(ステップS124:Yes)、指判定部220は、仮認定されている第2側面部に接触している指を親指であると判定し、仮認定されている第1側面部に接触している指を親指以外の指であると判定する(ステップS130)。ステップS130に続いて、操作受付部300は、指判定部220の判定結果と、記憶部400に記憶された所定の指に関する情報とに基づいて、所定の指による筐体への接触を入力操作として受け付ける(ステップS140)。そして、本フローチャートは終了する。
【0055】
一方、操作受付部300が偽(No)と判断した場合(ステップS124:No)、ステップS130、S140を飛ばして、本フローチャートは終了する。
【0056】
なお、ステップS124において側面部推定部212は、仮認定の認定結果と左右の手の判別結果の整合性を判断し、整合状態である場合に真(Yes)と判断し、それ以外の場合には偽(No)と判断しているが、不整合状態である場合に偽(No)と判断し、それ以外の場合には真(Yes)と判断してもよい。つまり、側面部推定部212は、ステップS122において左右の手を判別することができなかった場合、ステップS124において真(Yes)と判断してもよい。
【0057】
図15は、電子機器2の他の例を説明する説明図である。
図15(a)は表示画面11を下にして寝かせた状態、即ち、背面部60を上にして寝かせた状態の斜視図である。
図15(b)は、センサ部106の構成である。
電子機器2は、背面部60に、検出領域161R、検出領域162R、検出領域163Rに代えて、
図15(a)に示すように、検出領域164R、検出領域165R、検出領域166R、検出領域167Rを有していてもよい。即ち、電子機器2は、検出領域161を有する背面センサ161、検出領域162Rを有する背面センサ162、及び、検出領域163Rを有する背面センサ163を備えるセンサ部104に代えて、
図15(b)に示すように、検出領域164を有する背面センサ164、検出領域165Rを有する背面センサ165、検出領域166Rを有する背面センサ166、及び、検出領域167Rを有する背面センサ167を備えるセンサ部106を備えていてもよい。
【0058】
図16は、背面センサ164、165、166、167を備える場合における、側面部推定部212の処理を説明するための説明図である。
例えば、側面部推定部212は、側面部20が上側である場合、
図16(a)に示すように、背面センサ165の検出値>背面センサ167の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ167の検出値>背面センサ165の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。
同様に、側面部推定部212は、側面部50が上側である場合、
図16(b)に示すように、背面センサ164の検出値>背面センサ166の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ166の検出値>背面センサ164の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。
同様に、側面部推定部212は、側面部40が上側である場合、
図16(c)に示すように、背面センサ167の検出値>背面センサ165の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ165の検出値>背面センサ167の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。
同様に、側面部推定部212は、側面部30が上側である場合、
図16(d)に示すように、背面センサ167の検出値>背面センサ165の検出値であるときは電子機器2を左手で持っていると判別し、背面センサ165の検出値>背面センサ167の検出値であるときは電子機器2を右手で持っていると判別する。
【0059】
以上のように、電子機器2は、背面センサ164、165、166、167を備える場合、側面部推定部212は、何れの側面部が上側の場合であっても、電子機器2を持っている左右の手を判別することができる。また、左右の手の判別ができることによって、側面部による仮認定の認定結果と左右の手の判別結果との整合性の判断の精度が向上するため、指判定の精度も向上する。
【0060】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。
図17は、本発明の第3の実施形態による電子機器3を説明するための説明図である。
図17(a)は表示画面11を手前側にして立てた状態の斜視図、
図17(b)は電子機器3の各側面部20、30、40、50における検出領域を表している。
【0061】
電子機器3は、
図17(a)(b)に示すように、第1の実施形態の電子機器1と同様、前面部10、側面部20、30、40、50及び背面部60を有する。また、電子機器3は、側面部20に、側面センサ122−1R(
図18参照)の検出領域122−1R、側面センサ122−2R(
図18参照)の検出領域122−2R、側面センサ122−3R(
図18参照)の検出領域122−3R、側面センサ122−4R(
図18参照)の検出領域122−4Rを有する。側面部30、40、50についても同様である。
【0062】
図18は、電子機器3の機能ブロック図の一例である。電子機器3は、また、
図18に示すように、センサ部108、推定部204、操作受付部300及び記憶部400を備える。センサ部100は、複数の側面センサ(側面センサ122−1、…、側面センサ122−4、側面センサ132−1、…、側面センサ132−4、側面センサ142−1、…、側面センサ142−4、側面センサ152−1、…、側面センサ152−4)から構成されている。
側面センサ122−1Rは、検出領域122−1R(
図17参照)への接触量に応じた検出値を推定部204及び操作受付部300に出力する。他の側面センサについても同様である。
【0063】
推定部204は、
図18に示すように、側面部認定部214及び指判定部220を備える。指判定部220は、第1の実施形態の電子機器1が備えるものと同様である。
側面部認定部214は、各側面センサ(側面センサ122−1、…、側面センサ122−4、側面センサ132−1、…、側面センサ132−4、側面センサ142−1、…、側面センサ142−4、側面センサ152−1、…、側面センサ152−4)から検出値を取得する。側面部認定部214は、各側面センサから取得した検出値に基づいて上述の第1側面部及び第2側面部側面部を認定する。
具体的には、側面部認定部214は、側面センサ毎の検出値を側面部単位に合算した側面部毎の検出値を算出し、検出値が最大の側面部を第1側面部と認定し、第1側面部に対向する側面部を第2側面部と認定する。具体的には、側面部認定部214は、側面部20の検出値として側面センサ122−1、…、側面センサ122−4の検出値を合算し、側面部30の検出値として側面センサ132−1、…、側面センサ132−4の検出値を合算し、側面部40の検出値として側面センサ142−1、…、側面センサ142−4の検出値を合算し、側面部50の検出値として側面センサ152−1、…、側面センサ152−4の検出値を合算し、各側面部の検出値を比較し、最大の検出値となった側面部を第1側面部と認定し、第1側面部に対向する側面部を第2側面部と認定する。
これにより、電子機器3は、第1、2の実施形態における電子機器1、2と同様、指を判定することができる。
【0064】
なお、側面部認定部214は、側面部毎の検出値(側面部単位の側面センサの検出値の合算値)に加え、側面センサ毎の検出値に基づいて、第1側面部及び第2側面部を認定してもよい。例えば、右手で持った場合の各位置の側面センサの夫々の検出値の特徴を示す情報と、左手で持った場合の各位置の側面センサの夫々の検出値の特徴を示す情報とを保持しておき、側面センサ毎の検出値から電子機器3を持っている左右の手を判定し、第2の実施形態における電子機器2と同様、第1側面部及び第2側面部を認定してもよい。即ち、側面部認定部214は、側面部毎の検出値から、第1側面部及び第2側面部を仮認定し、側面センサの夫々の検出値から左右の手を判定し、仮認定の認定結果と左右の手の判定結果とが整合しているか否かを判断し、最終的に、第1側面部及び第2側面部を認定してもよい。
【0065】
なお、第2の実施形態において、電子機器2が、背面部60に、背面センサ161〜163の検出領域161R〜163Rを有する例、及び、背面センサ164〜167の検出領域164R〜167Rを有する例を説明したが、背面センサの数量、夫々の検出領域の形状は、これに限定されない。即ち、電子機器2は、背面部60に、少なくともある1つの姿勢(例えば、側面部20を上側にした姿勢)において、左右の手を判別可能な背面センサを有していればよい。
またに、第3の実施形態において、電子機器3が、各側面部20、30、40、50に、夫々、矩形の検出領域を4つずつ有する例を説明したが、各側面部の側面センサの数量、夫々の検出領域の形状は、これに限定されない。例えば、電子機器3は、側面部毎に、スライド方向に幅が異なる検出領域(例えば、
図9の検出領域)を夫々が有する、2以上の側面センサを有していてもよい。
【0066】
なお、第2の実施形態において、電子機器2は、背面センサによって左右の手を判別しているが、電子機器2は、背面部60への接触又は接近によって上昇する温度(熱)を検知する温度センサを備え、温度センサによって左右の手を判別してもよい。即ち、側面部認定部212は、温度センサ、及び、加速度センサの検出値に基づいて、電子機器2を持っている左右の手を判別し、側面センサの検出値による第1側面部及び第2側面部の仮認定の認定結果と整合しているか否かを判断し、最終的に、第1側面部及び第2側面部を認定してもよい。
【0067】
なお、本発明の実施形態による電子機器1〜3の処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の実施形態による電子機器1〜3に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、SDカード、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0068】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0069】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。