(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る試料位置決め装置106を搭載した測長SEM100の構成を示す側断面図である。はじめに
図1を用いて測長SEM100の全体構成を説明し、
図2以降で試料位置決め装置106の詳細構成を説明する。
【0014】
真空チャンバ102内部には、観察対象であるウェハなどの試料110を位置決めするためのステージ103が設置されている。ステージ103は、リニアモータにより推力を与えられ駆動される。
【0015】
試料位置決め装置106はステージ103の上に設置されており、圧電アクチュエータ107によりステージ103と同一の方向に駆動される。制御部111は、例えばマイクロコントローラなどの演算装置であり、圧電アクチュエータ107を駆動制御する他、測長SEM100の全体動作を制御する。
【0016】
試料位置決め装置106の上には、試料110を搭載するためのトップテーブル104が設置されている。試料位置決め装置106およびトップテーブル104は、中間テーブル108の上に載置されている。
【0017】
レーザ干渉計105は、トップテーブル104の位置を計測することによって試料110の位置を計測し、その結果を制御部111に通知する、位置計測部である。制御部111は、その計測結果に基づきフィードバック制御演算を実施し、試料110の観察点が鏡筒101の真下に来るようにトップテーブル104の位置制御指令を作成し、指定位置と測定結果の差が数十ナノメートル以内となるように、ステージ103を位置決めする。
【0018】
鏡筒101は、トップテーブル104上の試料110に対して電子線を照射する。制御部111は、試料110から発生する二次電子に基づいて試料110の観察像を取得し、試料110上の回路パターンの線幅などの情報を取得する。
【0019】
ステージ103は、リニアモータにより常時駆動されているため、微小振動が継続的に発生し、この微小振動がトップテーブル104の位置決め精度に影響する。そこで、試料位置決め装置106は、リニアモータがステージ103を駆動することにより発生する残留振動をアクティブ除振する。
【0020】
ステージ103と試料位置決め装置106は、どちらも真空チャンバ102内において試料110を位置決めする位置決め機構である点は共通する。しかし、ステージ103が数百ミリメートルオーダの可動ストローク内において試料110を位置決めすることに対して、試料位置決め装置106は数十ナノメートルの微小な可動ストローク内において高速に位置決めする点で、その特性が異なっている。これら特性の違いについては以下に詳述する。
【0021】
図2は、試料位置決め装置106を搭載したステージ103の構成を示す図である。以下
図2にしたがって、ステージ103の構成を説明する。
【0022】
ベース201上には、X軸方向の案内であるX軸リニアガイド207aとY軸方向の案内であるY軸リニアガイド208aが固定されている。X軸リニアガイド207a上にはX軸方向に移動するX軸中間スライダ202aが固定され、Y軸リニアガイド208a上にはY軸方向に移動するY軸中間スライダ202bが固定されている。
【0023】
X軸中間スライダ202aは、X軸方向に推力を発生する二つのX軸リニアモータ209aによりX軸方向に駆動される。Y軸中間スライダ202bは、Y軸方向に推力を発生する二つのY軸リニアモータ209bによりY軸方向に駆動される。
【0024】
Y軸中間スライダ202b上には、X軸方向の案内であるX軸リニアガイド207bが固定されている。X軸リニアガイド207bにより中間テーブル108が支持され、中間テーブル108をX軸方向へ移動させることができる。また、X軸方向に推力を発生する2つのX軸リニアモータ209aによりX軸方向の推力が得られ、X軸中間スライダ202aおよびX軸中間スライダ202a上のY軸リニアガイド208bを介して中間テーブル108にX軸方向の推力が伝達される。
【0025】
上記構成により、X軸およびY軸方向の案内および駆動が実現され、中間テーブル108を水平面内において任意の位置に移動させることができる。
【0026】
ベース201上にはブレーキプレート212が固定されている。試料位置決め装置106のアクティブブレーキ(詳細は後述)を作動させることにより、アクティブブレーキのブレーキパッド304(
図3で後述)が下方に押し出されてブレーキプレート212に押し付けられ、水平方向のブレーキ力が得られる。
【0027】
中間テーブル108、X軸中間スライダ202a、Y軸中間スライダ202bには、ブレーキパッド304の動作と干渉しないようにするため、中央にブレーキパッド304の通る穴を設けた枠型の構造としている。
【0028】
中間テーブル108の上には試料位置決め装置106が固定され、さらにその上にトップテーブル104が固定される。トップテーブル104には、X軸レーザ干渉計105aが照射したX軸方向のレーザ光を反射するX軸平面ミラー109aと、Y軸レーザ干渉計105bが照射したY軸方向のレーザ光を反射するY軸平面ミラー109bとが設けられている。
【0029】
図3は、試料位置決め装置106を斜め下方向から見た斜視図である。以下
図3にしたがって、試料位置決め装置106の詳細構成を説明する。
【0030】
ブレーキパッド304は、ブレーキプレート212に押し付けることによってXY平面内のブレーキ力を得るための部材であり、中央のブレーキパッド固定部305に固定されている。ブレーキパッド固定部305には、梁状部材である4つのブレーキ接続ロッド301a、301b、301c、301dが接続されている。
【0031】
各ブレーキ接続ロッド301a〜301dの外側には、4つの圧電アクチュエータ107a、107b、107c、107dがそれぞれ配置されている。圧電アクチュエータ107a〜107dとブレーキ接続ロッド301a〜301dの間には、内枠306が配置されている。
【0032】
全ての圧電アクチュエータ107a〜107dに同極性の電圧を印加して伸縮させることにより、内枠306が変形してブレーキ接続ロッド301a〜301dが内枠306の中心に向かって変位する。これにより、ブレーキパッド固定部305が下方向に押し出され、ブレーキパッド304がブレーキプレート212と接触し、XY平面内におけるブレーキ力が得られる。すなわち、ブレーキ接続ロッド301a〜301d、圧電アクチュエータ107a〜107d、ブレーキパッド304、ブレーキパッド固定部305が協調動作することにより、アクティブブレーキとしての機能を発揮することができる。
【0033】
圧電アクチュエータ107a〜107dの外側には、外枠307が配置されている。外枠307の上には、トップテーブル104が固定される。内枠306の4隅と外枠307の4隅は、弾性支持部303a、303b、303c、303dで接続されている。弾性支持部303a〜303dは、圧電アクチュエータ107a〜107dを動作させるときに内枠306または外枠307がXY平面に対して傾かないように支持する。
【0034】
図4は、試料位置決め装置106の上面図および側面図である。以下
図4にしたがって試料位置決め装置106の概略動作を説明する。
【0035】
試料位置決め装置106は、主に弾性フレームと圧電アクチュエータ107a〜107dから構成される。弾性フレームは、内枠306、内枠306を囲むように配置された外枠307、内枠306の外側の隅と外枠307の内側の隅をつなぐ4つの弾性支持部303a〜303dから構成される。
【0036】
内枠306は中間テーブル108上に固定されており、外枠307上にトップテーブル104が固定される。内枠306と外枠307の間は、4つの圧電アクチュエータ303a〜303dで架橋されている。
【0037】
圧電アクチュエータ107a〜107dを全て伸ばすと、ブレーキ接続ロッド301a〜301dがブレーキパッド固定部305を下方向に押し出し、ブレーキパッド304をブレーキプレート212に押し付ける。これにより、内枠306がブレーキプレート212に対して動かないように制動力を得ることができる。
【0038】
また、対向する圧電アクチュエータ107aと107bの組み合わせ、あるいは圧電アクチュエータ107cと107dの組み合わせを用いて、外枠307に対して力を与えることにより、弾性支持部303a〜303dを変形させ、内枠306に対して外枠307を変位させることができる。例えば、ブレーキパッド304をブレーキプレート212に押し付けた後、圧電アクチュエータ107aを伸ばし圧電アクチュエータ107bを縮めると、
図4のX軸負方向にブレーキパッド固定部305を変位させることができる。
【0039】
試料110を位置決めする際には、まず所望位置にステージ103を移動させた後、圧電アクチュエータ107a〜107dを駆動してアクティブブレーキを作動させ、ステージ103に対するトップテーブル104の位置を数百ミリメートルオーダで調整する。その後、対向する圧電アクチュエータを反対方向に動作させてトップテーブル104の位置を数十ナノメートルオーダで微調整する。
【0040】
トップテーブル104の位置を微調整する際には、ブレーキパッド304がブレーキプレート212と接触して押し付けられているので、圧電アクチュエータを動作させても内枠306はほぼ変形せず、外枠307のみを変位させることができる。また、外枠307を変位させる際に圧電アクチュエータが動作する量は、ブレーキパッド304を押し出す際の動作量と比較してごく僅かである。すなわち、トップテーブル104の位置を微調整する際に内枠306が変形することによってトップテーブル104の位置決め精度に及ぼす影響はほとんどない。
【0041】
また、本実施形態1における弾性フレームは、弾性支持部303a〜303dのX軸方向に対する角度である弾性支持部角度401を45度とし、内枠306および外枠307に対して斜め方向に弾性支持部303a〜303dを形成している。これにより、単一の弾性支持部によって内枠306および外枠307をX方向およびY方向に案内することができるため、X方向およびY方向それぞれに案内機構を設ける必要がない。
【0042】
なお、
図4に示した弾性フレームは、内枠306および外枠307の形状が正方形であり、弾性支持部303a〜303dの弾性支持部角度401が45度、すなわち、内枠306および外枠307の対角線方向となっているが、これに限られるものではない。例えば、弾性支持部角度401が45度以外の角度であっても、外枠307がX方向およびY方向の両方向に変位できれば、弾性支持部としての機能を果たすことができる。さらに、弾性支持部角度401の設計値を変えることにより、外枠307のX方向およびY方向における変位量を調整することができる。
【0043】
図5は、ブレーキ接続ロッド301a〜301dの角度を様々に変えた場合における試料位置決め装置106の形状例を示す図である。
図5(a)(b)(c)に示すように、ブレーキパッド固定部305と内枠306を接続するブレーキ接続ロッド301の斜め方向の角度を変化させることにより、ロッドヒンジ部511aの水平方向の変位に対するロッドヒンジ部511bの垂直方向の可動量を変えることができる。ただし、ブレーキ接続ロッド長さ512を一定値Lとする。
【0044】
図6は、ブレーキ接続ロッド301の傾きとロッドヒンジ部の位置との間の関係を示す図である。ロッドヒンジ部座標601が
図5のロッドヒンジ部511aに対応し、ロッドヒンジ部座標602が
図5のロッドヒンジ部511bに対応している。
【0045】
ロッドヒンジ部511aは水平方向にのみ変位し、ロッドヒンジ部511bは垂直方向にのみ変位する場合を考える。すなわち、ロッドヒンジ部座標601のY座標を0、ロッドヒンジ部602のX座標を0とする。ブレーキ接続ロッド301の長さを一定とするため、ロッドヒンジ部座標601とロッドヒンジ部座標602との間の距離は一定値Lとする。ブレーキ接続ロッド301がXY平面に対して形成する角度は、ロッド角度603とする。
【0046】
図7は、
図6で説明した条件の下で、ロッドヒンジ部座標601を(X,0)、ロッドヒンジ部座標602を(0,Y)とし、−L<X<0および−L<Y<0の範囲でヒンジ部座標を変化させたときのX/LとY/Lの関係を示すグラフである。
【0047】
点702は、X/L=0すなわちブレーキ接続ロッド301が水平である場合に対応しており、Xの変化に対するYの変化が最大である。すなわち、ブレーキ接続ロッド301を水平にすることにより、
図5におけるロッドヒンジ部511aの水平方向の変位に対するロッドヒンジ部511bの変位が最大となり、圧電アクチュエータ107の変位に対するブレーキパッド固定部305の変位が最大となる。
【0048】
点703は、Y/L=0すなわちブレーキ接続ロッド301が垂直である場合に対応しており、圧電アクチュエータ107の変位に対するブレーキパッド固定部305の変位が最小となる。
【0049】
したがって、
図5(a)のようにブレーキ接続ロッドが水平に近い場合にブレーキパッド304の変位量が最大となり、
図5(b)あるいは(c)のようにロッド角度603が大きくなるのにともなって、ブレーキパッド304の変位量は小さくなる。
【0050】
ブレーキ接続ロッド301が水平になるほど、ロッドヒンジ部511bが下方向ではなく上方向に変位する可能性が大きくなり、安定したブレーキ力が得られない。また、ブレーキパッド304がブレーキプレート212に接触することによる衝撃力が問題となる場合は、ロッド角度603を調整してブレーキパッド304の変位を抑えることが有効である。この関係を利用して、ブレーキパッド304を変位させる必要がある量に基づき、ブレーキ接続ロッド301の角度を設計することができる。
【0051】
図8は、測長シーケンスとトップテーブル104の振動との関係を示すグラフである。測長シーケンスでは、はじめに例えば数十ミリメートルオーダで測長点へステージを移動させた後、測長点へのアドレッシングおよび高倍率へのオートフォーカスが実施され、続いて高倍率で画像が取得される。試料位置決め装置106は、高倍率で画像取得するときにおけるナノメートルオーダの微小残留振動801を抑制するために用いられる。すなわち、制御部111は、主に測長シーケンスにおける高倍率画像取得を実施しているときに試料位置決め装置106を制御する。
【0052】
図9は、
図8の測長シーケンスにおけるリニアモータ、試料位置決め装置106、および試料位置決め装置106が備えるアクティブブレーキそれぞれの出力変動を示す図である。以下
図9にしたがって、測長シーケンスにおける各要素の動作を説明する。
【0053】
測長点へステージ103を移動させるときは、リニアモータのみでステージ103を位置決めする。すなわち、リニアモータの推力最大値には制限をかけず100%とし、試料位置決め装置106およびアクティブブレーキを使用しない。
【0054】
測長点へのアドレッシングおよび高倍率へのオートフォーカスを実施する段階で、リニアモータ推力を減少させるべく、推力の最大値に制限をかける。同時にアクティブブレーキを徐々に作用させるために、全ての圧電アクチュエータ107a〜107dに対する印加電圧を徐々に増大させる。これによりブレーキパッド304の変位が次第に増加し、ブレーキパッド304とブレーキプレート212が接触した時点で最大値に達する。
【0055】
ブレーキパッド304の変位が最大値に達した後、対向する圧電アクチュエータ107間の印加電圧の差分の最大値を徐々に増加させる。これにより、外枠307が変位できる最大幅が次第に増加する。
【0056】
以上のように、制御部111は、リニアモータによってステージ103を高速移動させている状態から、試料位置決め装置106によってアクティブ除振する状態への遷移を連続的に実施し、急峻なステップ状の出力変化によってインパルス状の振動が発生することを防止する。
【0057】
図10は、圧電アクチュエータ107に対する印加電圧と試料位置決め装置106の変位との間の関係を示す図である。
図10(a)(b)は、対向する圧電アクチュエータ107aと107bに対する印加電圧の変化を示す。
図10(c)は、ブレーキパッド304の変位を示す。
図10(d)は、ブレーキパッド304がブレーキプレート212と接触した以降における外枠307の変位を示す。
【0058】
図10(a)〜(c)に示すように、アクティブブレーキを作動させるときは、制御部111は圧電アクチュエータ107aと107bともに正極性の電圧を印加する。これら印加電圧の和がブレーキパッド304の変位となる。アクティブブレーキが作動してブレーキパッド304の変位が最大に達した後、そのときの印加電圧を維持する。
【0059】
アクティブブレーキを作動させた後、外枠307を微小変位させることによってトップテーブル104の位置を微調整するときは、制御部111は圧電アクチュエータ107aと107bへ反対極性の電圧を印加する。これら印加電圧の差によって、圧電アクチュエータ107aと107bは逆向きに動作し、外枠307を微小変位させてトップテーブル104の位置を微調整する。このときの微小変位は、トップテーブル104の振動を打ち消す方向とする。
【0060】
このように、制御部111は、圧電アクチュエータ107aと107bに対する印加電圧の和と差によってそれぞれアクティブブレーキのブレーキ力とトップテーブル104の位置を制御するので、同じ圧電アクチュエータ107に対する動作制御でありながら、それぞれを独立に制御することができる。
【0061】
なお、トップテーブル104の位置を微調整するために圧電アクチュエータ107aと107bへ印加する反対極性の電圧は、アクティブブレーキを作動させるために印加する同極性の電圧と比べて、例えば100分の1程度の僅かなものである。そのため、圧電アクチュエータ107に対する印加電圧の大きさの観点でも、アクティブブレーキの動作制御とトップテーブル104の位置制御は、互いにほとんど干渉しない。したがって、これら2つの観点から、制御部111はアクティブブレーキのブレーキ力とトップテーブル104の位置を独立して制御することができるといえる。
【0062】
また、一般に圧電アクチュエータに対して負の印加電圧をかけると圧電アクチュエータが破損する可能性がある。
図10においては、トップテーブル104の位置を微調整するため圧電アクチュエータ107aと107bに反対極性の電圧を印加するので、このときにいずれかの圧電アクチュエータに負電圧が印加される可能性がある。そこで、圧電アクチュエータの印加電圧に対して例えば10Vのバイアス電圧をかけた上で、10Vの前後±10Vの範囲で圧電アクチュエータを使用し、破損を防止するのが一般的である。
【0063】
しかし本実施形態1では、アクティブブレーキを作動させた後にトップテーブル104の位置を微調整するので、その時点では圧電アクチュエータに対する印加電圧は反対極性の電圧よりも例えば100倍程度の大きな値になっており、圧電アクチュエータに負電圧が印加される可能性は実質的にないといえる。すなわち、本実施形態1では、アクティブブレーキを作動させることが、圧電アクチュエータにバイアス電圧を設定する役割を兼ねていることになるので、制御動作を簡易化することができる点で有利である。
【0064】
<実施の形態1:まとめ>
以上のように、本実施形態1に係る試料位置決め装置106は、ステージ103上に配置され、ブレーキパッド304をステージ103上のブレーキプレート212に押し付けてトップテーブル104を停止させた上で外枠307を変位させてトップテーブル104をアクティブ除振する。これにより、リニアモータの出力を停止させることなく試料110を精度よく位置決めすることができる。
【0065】
また、本実施形態1に係る試料位置決め装置106は、トップテーブル104の位置を微調整するときは、アクティブブレーキを作動させるときよりも例えば100分の1程度に小さい電圧を、圧電アクチュエータ107に印加する。これにより、トップテーブル104の位置を微調整するときは内枠306がほとんど動かないので、内枠306の変位が位置決め精度に及ぼす影響を抑えることができる。
【0066】
また、本実施形態1に係る試料位置決め装置106は、アクティブブレーキを作動させた後にトップテーブル104の位置を微調整する。これにより、対向する圧電アクチュエータ107に反対極性の電圧を印加するときは、印加電圧が全体として大きな値になっているので、圧電アクチュエータ107に負電圧が印加される可能性は実質的にない。すなわち、圧電アクチュエータ107にバイアス電圧を印加する必要がなくなり、制御部111の制御動作を簡易化することができる。
【0067】
<実施の形態2>
実施形態1では、本発明者によってなされた発明を具体的に説明したが、本発明は実施形態1で説明した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0068】
例えば、レーザ干渉計105、制御部111は、試料位置決め装置106の一部として構成することもできるし、これらを別部品として構成して適当な接続線などによって接続して協調動作させることもできる。その他の部品などについても同様である。