特許第5881514号(P5881514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881514
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】アミン誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 513/04 20060101AFI20160225BHJP
   A61P 27/06 20060101ALN20160225BHJP
   A61K 31/542 20060101ALN20160225BHJP
【FI】
   C07D513/04 371
   !A61P27/06
   !A61K31/542
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-88194(P2012-88194)
(22)【出願日】2012年4月9日
(65)【公開番号】特開2013-216611(P2013-216611A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2014年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(72)【発明者】
【氏名】平澤 興一
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−002835(JP,A)
【文献】 特表平05−508832(JP,A)
【文献】 特表2005−518333(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/103115(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/062463(WO,A1)
【文献】 米国特許第05378703(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02348026(EP,A1)
【文献】 Przemyst Chemiczny,2012年,91,307−312
【文献】 Organic Process Research & Development,1999年,3,114−120
【文献】 Chemical Research and Application,2010年,22,1075−1078
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 513/04
A61K 31/542
A61P 27/06
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシドと、塩化スルホニル化合物とを、塩基の存在下に反応させ、次いで、当該反応により得られたスルホニル化物とモノエチルアミンとを反応させることにより、(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシドを製造する方法において、
上記塩化スルホニル化合物として塩化ベンジルスルホニルを使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
上記(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド−1,1−ジオキシド1モルに対して、上記塩化ベンジルスルホニルを1.0モル以上1.5モル以下使用する請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑内障治療薬として有用なブリンゾラミド(化学名:(R)−3,4−ジヒドロ−4−エチルアミノ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド−1,1−ジオキシド)の新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記式(1)
【0003】
【化1】
【0004】
で示されるブリンゾラミドは緑内障治療薬として用いられ、下記式(2)
【0005】
【化2】
【0006】
で示される(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド−1,1−ジオキシド(以下、スルホンアミド体とも言う。)より、下記式(3)
【0007】
【化3】
【0008】
で示される(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(以下、イミダート体とも言う。)を経て、製造される。
【0009】
即ち、スルホンアミド体の、上記式(2)における6位の炭素原子(以下、C6位とも言う。)のスルホンアミド官能基を保護してイミダート体とし(段階1)、イミダート体の、上記式(2)における4位の炭素原子(以下、C4位とも言う。)の水酸基を活性化した後(段階2)、活性化したC4位の水酸基をアミンでの置換、及びC6位のスルホンアミド官能基から保護基を除去してブリンゾラミドを得る(段階3)、という方法が一般的に知られている(特許文献1および非特許文献1)。具体的には、段階1は、スルホンアミド体及び過剰のオルト酢酸トリメチル等のオルト酢酸低級アルキルのアセトニトリル溶液を12〜48時間還流することによって達成される。段階2では、溶媒を除去した後、溶媒をテトラヒドロフランに置き換え、段階1で得られたイミダート体をピリジン、トリエチルアミンまたはジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下に無水メタンスルホン酸または塩化p−トルエンスルホニル、塩化p−ブロモトルエンスルホニル若しくは塩化p−ニトロトルエンスルホニル等の芳香族が置換したハロゲン化スルホニル化合物(以下、塩化芳香族スルホニル化合物とも言う。)と反応させることによって、達成されるものであり、好ましくは、−10〜15℃の温度で1〜4時間、2.0〜2.5当量の塩化p−トルエンスルホニル及びトリエチルアミンを用いて行われる。続いて、段階3は、10〜40当量の適切なアミンを冷溶液に添加することによって達成され、8〜60時間後、生成物を酸−塩基処理によってブリンゾラミドを単離していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許2854798
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Organic Process Reseach & Development (1999), 3(2), 114−120
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の方法では、上記段階2であるイミダート体のC4位の水酸基を活性化する反応において、水酸基がスルホニルオキシ基となった状態ではスルホニルオキシ基が脱離し易く、下記式(4)
【0013】
【化4】
【0014】
で示される化合物(以下、オレフィン体とも言う。)が多量に生成することから低純度となってしまい、また所望の純度を得るためには複数回の精製をする必要があり、結果として収率が低下するという問題があった。
【0015】
したがって、本発明の目的は、(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(イミダート体)から(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシド(ブリンゾラミド)を得る方法において、上記不純物の生成を抑制し、効率よく、高収率で、高純度のブリンゾラミドを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した。具体的には、イミダート体からブリンゾラミドを得る反応において、上記オレフィン体の生成を抑制する方法を検討した。その結果、イミダート体のC4位を活性化する反応において、従来使用されている塩化芳香族スルホニル化合物を、スルホニルにメチレン基が結合した塩化スルホニル化合物に変更することによって上記オレフィン体の生成を抑制することが可能であることを見出した。これは、イミダート体のC4位の水酸基が活性化されスルホニルオキシ基となった状態において、従来の芳香族スルホニル基と比較して、メチレンスルホニル基は安定性が高くスルホニルオキシ基が脱離し難いためと考えられる。
【0017】
即ち、本発明は、(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(イミダート体)と、塩化スルホニル化合物とを、塩基の存在下に反応させ、次いで、当該反応により得られたスルホニル化物とモノエチルアミンとを反応させることにより、(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシド(ブリンゾラミド)を製造する方法において、上記塩化スルホニル化合物として塩化ベンジルスルホニルを使用することを特徴とする方法である。
上記本発明において、上記塩化ベンジルスルホニルの使用量は、上記(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(イミダート体)1モルに対して、1.0モル以上1.5モル以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(イミダート体)から、高純度の(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシド(ブリンゾラミド)を効率よく、高収率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の方法では、(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−メトキシメチルスルホンイミダート1,1−ジオキシド(イミダート体)と、塩化スルホニル化合物とを、塩基の存在下に反応させ、次いで、当該反応により得られたスルホニル化物とモノエチルアミンとを反応させることによって、(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシド(ブリンゾラミド)を製造するに際し、上記塩化スルホニル化合物として、スルホニルにメチレン基が結合した化合物を使用する。以下、本発明について順を追って説明する。
【0020】
(スルホニル化反応)
本発明の方法では、まず、イミダート体とハロゲン化スルホニル化合物とを塩基の存在下に反応させて、イミダート体のC4位のヒドロキシ基をスルホニル化し、イミダート体を活性化する。
上記スルホニル化反応で使用するイミダート体は特に制限されるものではなく、既知の方法、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載の方法でスルホンアミド体より製造することができる。具体的には、スルホンアミド体と過剰のオルト酢酸トリメチルなどのオルト酢酸低級アルキルのアセトニトリル溶液を12〜48時間還流することによって、イミダート体が得られる。このようにして得られたイミダート体は、溶媒除去して濃縮液とするか乾固して、本発明に使用することができる。
【0021】
上記スルホニル化反応で使用する塩化スルホニル化合物は、スルホニルにメチレン基が結合している化合物である。該メチレン基は、スルホニルにメチレン基が隣接する官能基であれば特に限定されないが、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、ベンジル基が特に好ましい。具体的な化合物としては、塩化メタンスルホニルもしくは塩化ベンジルスルホニルが好ましい。また、本発明において、塩化スルホニル化合物の使用量は、イミダート体1モルに対して、1.0モル以上1.5モル以下であることが好ましい。この範囲内であれば、イミダート体のC4位のヒドロキシ基を活性化させる事が可能である。1.0モル当量未満では、反応が完全に進行せず、1.5モルより多いと、反応後の処理などが煩雑となって操作性が低下する。
【0022】
上記スルホニル化反応で使用する塩基は、特に制限されず公知のものが使用できるが、操作性などによりアミンを使用することが好ましい。該アミンは、公知のものが使用でき、具体的にはトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられ、操作性、反応性を考慮するとトリエチルアミンが好ましい。本発明で使用する塩基の量は、上記イミダート体と塩化スルホニル化合物との反応によって副生する塩酸を失活することができればよく、塩化スルホニル化合物1モルに対して1モル以上あればよい。
【0023】
上記スルホニル化反応は、塩化スルホニル化合物としてスルホニルにメチレン基が結合している化合物を使用することを除けば、従来の方法、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載の方法と同様にして行うことができる。すなわち、溶媒中でイミダート体、塩化スルホニル化合物及び塩基を混合することにより好適に行うことができる。このとき使用される溶媒は、反応に関与しない不活性溶媒であれば特に制限されるものではないが、好適に使用できる溶媒を例示すれば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の有機溶媒を挙げることができる。反応溶媒の使用量は、特に制限されるものでないが、通常は、イミダート体1質量部に対して0.5〜10質量部である。反応温度は室温以下であれば良く、特に10℃以下が安定性と反応性の点で好ましい。また、反応時間は特に制限されるものではないが、上記スルホニル化反応は直ちに進行する。
【0024】
(エチルアミノ化反応)
本発明の方法では、前記スルホニル化反応で得られたスルホニル化物、具体的にはイミダート体のC4位のヒドロキシ基がスルホニル化された化合物とモノエチルアミンとを反応させることにより、イミダート体のC4位の炭素原子にエチルアミノ基を導入(エチルアミノ化)し、ブリンゾラミドを製造する。
上記エチルアミノ化反応で使用するモノエチルアミンは特に制限されるものではなく、水溶液や液化ガス等の形態のものが好適に用いられる。
上記エチルアミノ化反応は、従来の方法、例えば特許文献1あるいは特許文献2に記載の方法と同様にして行うことができる。具体的には、前記スルホニル化反応で得られた反応液からスルホニル化物を単離することなく、当該スルホニル化合物1モルに対して22〜40モルのモノエチルアミンを冷溶液に添加して30〜80時間反応させればよい。反応終了後は、生成物を定法に従い酸−塩基処理によって単離する事によってブリンゾラミドを得ることができる。
【0025】
本発明に記載された方法によれば、高純度のブリンゾラミドを高収率で得ることができる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらの実施例によって何ら制限されることは無い。
なお、実施例、比較例で得られたオレフィン体およびブリンゾラミドの純度は、以下に示すように、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を行い、その結果に基づいて決定した。
【0027】
<ブリンゾラミドなどの純度の測定方法>
装置:WATERS社製 Alliance 型式e2695−2489
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製 商品名 Inertsil CN−3、粒径5μm、内径4.6mm、長さ25cm、
カラム温度:40℃ 一定温度
移動相:n−ヘキサン/エタノール=80/20
流量:1.0ml/分
測定時間:45分
上記条件において、HPLC測定を行った場合、ブリンゾラミドは約19分に、オレフィン体は約22分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、ブリンゾラミド、オレフィン体の純度または含有量は、上記条件で測定したとき、得られるクロマトグラムにおいて検出される全ピークの面積値の合計に対する化合物のピークの面積値の割合(百分率)で表した。また、ブリンゾラミドとオレフィン体の生成比は、両者のピーク面積値の比率で表した。
【0028】
製造例1(イミダート体の製造)
スルホンアミド体500mg(1.40mmol)をアセトニトリル2mLに溶解した。この液にオルト酢酸トリメチル189mg(1.57mmol)を加え、83℃で2時間加熱して溶媒留去しながら反応し、得られた反応液を濃縮してイミダート体588mgを得た。
【0029】
参考例
製造例1で得られたイミダート体588mg(1.44mmol)をテトラヒドロフラン1.5mLに溶解し、0℃に冷却して、トリエチルアミン213mg(2.10mmol)と塩化メタンスルホニル209mg(1.82mmol)を10℃以下で加え、5分間攪拌した。これに、70%モノエチルアミン水溶液2.5mL(31.6mol)を10℃以下で滴下して、室温で60時間攪拌した。得られた反応液について各化合物の純度を測定したところ、ブリンゾラミドとオレフィン体の生成比は88:12であった。この反応液を0℃に冷却し、12Mの塩酸2.4mLを30℃以下で加え炭酸水素ナトリウムを用いてpH8に調整し、酢酸エチルで抽出した。濃縮後、濃縮残渣にイソプロパノールを加えて再結晶すると380mg(スルホンアミド体からの収率71%)のブリンゾラミドが得られた。得られたブリンゾラミドの純度は97.5%であった。
【0030】
実施例1
塩化スルホニル化合物として、塩化ベンゼンスルホニル348mg(1.54mmol)を使用し、それ以外は参考例1と同様にして、得られた反応液におけるブリンゾラミドとオレフィン体の生成比、並びに、ブリンゾラミドの収率および純度について得られた結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
比較例1〜6
表1に示す種類および量のハロゲン化スルホニル化合物を使用し、それ以外は参考例1と同様にして、得られた反応液におけるブリンゾラミドとオレフィン体の生成比、並びに、ブリンゾラミド結晶の収率および純度について得られた結果を表1に示した。
【0033】
比較例7(非特許文献1の方法によるブリンゾラミドの製造)
スルホンアミド体4.38g(12.3mmol)をアセトニトリル40mLに溶解した液にオルト酢酸トリメチル6.30mL(28.3mmol)を加え、85℃で15時間還流した。得られた反応液を30℃に冷却した後、反応液を濃縮してイミダート化合物5.63gを得た。これをテトラヒドロフラン22mLに溶解し、窒素雰囲気下にて、−10℃に冷却し、トリエチルアミン3.77mL(27.0mmol)と塩化パラトルエンスルホニル4.69g(24.6mmol)を加え、2時間反応した。これに、70%モノエチルアミン水溶液30.0mL(370mmol)を11℃以下で滴下した後、室温で15時間攪拌した。続いて反応液を−5℃に冷却し、12M塩酸30mLを50℃以下で加えた。この反応液を室温(25℃)とし、t−ブチルメチルエーテルで洗浄し、1M塩酸2mLで再抽出してから、pH8に調整し、酢酸エチルで抽出した。乾燥、濃縮後、濃縮残渣にイソプロパノールを加えて再結晶すると2.86g(収率61%)のブリンゾラミドが得られた。得られたブリンゾラミドの純度は97.4%であった。