【文献】
Bin Yu et.al.,"Confinment-Induced Novel Morphologies of Block Copolymers",PHYSICAL REVIEW LETTERS,2006年 4月 7日,vol.96,138306
【文献】
Gregory S. Doerk et.al.,"Pattern Placement Accuracy in Block Copolymer Directed Self-Assembly Based on Chemical Epitaxy",ACS NANO,American Chemical Society,2012年11月30日,Vol.7, No.1,pp.276-285
【文献】
Sang Ouk Kim, et al.,"Eptaxial self-assembly of block copolymers on lithographically defined nanopatterned substrates",nature,2003年 7月24日,vol.424,pp.411-414
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レジストパターンのスペース部は、前記ポリマー分離工程において相分離する第1のポリマー又は第2のポリマーのいずれかの1層以上2層未満の幅を有することを特徴とする、請求項3に記載の基板処理方法。
前記中性層処理工程の表面処理において、前記中性層の露出面に紫外線を照射して、当該露出面を親水化することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
前記相分離したブロック共重合体から、前記第1のポリマー又は前記第2のポリマーのいずれかを選択的に除去するポリマー除去工程を有していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる基板処理システム1の構成の概略を示す説明図である。
【0040】
基板処理システム1は、
図1に示すように基板としてのウェハにフォトリソグラフィー処理を行う塗布現像処理装置2と、ウェハにエッチング処理を行うエッチング処理装置3とを有している。なお、基板処理システム1で処理されるウェハ上には、予め被処理膜(図示せず)が形成されている。
【0041】
塗布現像処理装置2は、
図2に示すように例えば外部との間で複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション10と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接する露光装置12との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション13とを一体に接続した構成を有している。
【0042】
カセットステーション10には、カセット載置台20が設けられている。カセット載置台20には、複数、例えば4つのカセット載置板21が設けられている。カセット載置板21は、水平方向のX方向(
図2中の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置板21には、塗布現像処理装置2の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0043】
カセットステーション10には、
図2に示すようにX方向に延びる搬送路22上を移動自在なウェハ搬送装置23が設けられている。ウェハ搬送装置23は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板21上のカセットCと、後述する処理ステーション11の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0044】
処理ステーション11には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション11の正面側(
図2のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション11の背面側(
図2のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション11のカセットステーション10側(
図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション11のインターフェイスステーション13側(
図2のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0045】
例えば第1のブロックG1には、
図3に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像装置30、ウェハW上に有機溶剤を塗布してウェハWを洗浄する洗浄装置31、ウェハW上に反射防止膜を形成する反射防止膜形成装置32、ウェハW上に中性剤を塗布して中性層を形成する中性層形成装置33、ウェハW上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置34、ウェハW上にブロック共重合体を塗布するブロック共重合体塗布装置35が下から順に重ねられている。
【0046】
例えば現像装置30、洗浄装置31、反射防止膜形成装置32、中性層形成装置33、レジスト塗布装置34、ブロック共重合体塗布装置35は、それぞれ水平方向に3つ並べて配置されている。なお、これら現像装置30、洗浄装置31、反射防止膜形成装置32、中性層形成装置33、レジスト塗布装置34、ブロック共重合体塗布装置35の数や配置は、任意に選択できる。
【0047】
これら現像装置30、洗浄装置31、反射防止膜形成装置32、中性層形成装置33、レジスト塗布装置34、ブロック共重合体塗布装置35では、例えばウェハW上に所定の塗布液を塗布するスピンコーティングが行われる。スピンコーティングでは、例えば塗布ノズルからウェハW上に塗布液を吐出すると共に、ウェハWを回転させて、塗布液をウェハWの表面に拡散させる。
【0048】
なお、ブロック共重合体塗布装置35でウェハW上に塗布されるブロック共重合体は、第1のポリマーと第2のポリマーとを有する。第1のポリマーとしては、疎水性(非極性)を有する疎水性ポリマーが用いられ、第2のポリマーとしては、親水性(極性)を有する親水性ポリマーが用いられる。本実施の形態では、親水性ポリマーとして例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)が用いられ、疎水性ポリマーとしては例えばポリスチレン(PS)が用いられる。また、ブロック共重合体における親水性ポリマーの分子量の比率は40%〜60%であり、ブロック共重合体における疎水
性ポリマーの分子量の比率は60%〜40%である。そして、ブロック共重合体は、これら親水性ポリマーと疎水性ポリマーが、直線的に化合した高分子である。
【0049】
また、中性層形成装置33でウェハW上に形成される中性層は、親水性ポリマーと疎水性ポリマーに対して中間の親和性を有する。本実施の形態では、中性層として例えばポリメタクリル酸メチルとポリスチレンとのランダム共重合体や交互共重合体が用いられる。以下において、「中性」という場合は、このように親水性ポリマーと疎水性ポリマーに対して中間の親和性を有することを意味する。
【0050】
例えば第2のブロックG2には、
図4に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置40、ウェハW上の中性層に紫外線を照射して当該中性層を表面処理する中性層処理装置としての紫外線照射装置41、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置42、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置43が上下方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理装置40は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。紫外線照射装置41は、ウェハWを載置する載置台と、載置台上のウェハWに対して、例えば波長が172nmの紫外線を照射する紫外線照射部を有している。なお、複数の熱処理装置40のうち、一部の熱処理装置40は、ブロック共重合体塗布装置35でウェハW上に塗布されたブロック共重合体を親水性ポリマーと疎水性ポリマーに相分離させるポリマー分離装置として機能する。また、熱処理装置40、紫外線照射装置41、アドヒージョン装置42、周辺露光装置43の数や配置は、任意に選択できる。
【0051】
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
【0052】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置70が配置されている。
【0053】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0054】
ウェハ搬送装置70は、例えば
図4に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0055】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0056】
シャトル搬送装置80は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0057】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置100が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0058】
インターフェイスステーション13には、ウェハ搬送装置110と受け渡し装置111が設けられている。ウェハ搬送装置110は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置110は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置、受け渡し装置111及び露光装置12との間でウェハWを搬送できる。
【0059】
エッチング処理装置3は、
図5に示すようにエッチング処理装置3に対するウェハWの搬入出を行うカセットステーション200、ウェハWの搬送を行う共通搬送部201、ウェハW上で相分離したブロック共重合体にエッチング処理を行い、親水性ポリマーまたは疎水性ポリマーのいずれかを選択的に除去するポリマー除去装置としてのエッチング装置202、203、ウェハW上の被処理膜を所定のパターンにエッチングするエッチング装置204、205を有している。
【0060】
カセットステーション200は、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構210が内部に設けられた搬送室211を有している。ウェハ搬送機構210は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム210a、210bを有しており、これら搬送アーム210a、210bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。搬送室211の側方には、ウェハWを複数枚並べて収容可能なカセットCが載置されるカセット載置台212が備えられている。図示の例では、カセット載置台212には、カセットCを複数、例えば3つ載置できるようになっている。
【0061】
搬送室211と共通搬送部201は、真空引き可能な2つのロードロック装置213a、213bを介して互いに連結させられている。
【0062】
共通搬送部201は、例えば上方からみて略多角形状(図示の例では六角形状)をなすように形成された密閉可能な構造の搬送室チャンバー214を有している。搬送室チャンバー214内には、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構215が設けられている。ウェハ搬送機構215は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム215a、215bを有しており、これら搬送アーム215a、215bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。
【0063】
搬送室チャンバー214の外側には、エッチング装置202、203、204、205、ロードロック装置213b、213aが、搬送室チャンバー214の周囲を囲むように配置されている。エッチング装置202、203、204、205、ロードロック装置213b、213aは、例えば上方からみて時計回転方向においてこの順に並ぶように、また、搬送室チャンバー214の6つの側面部に対してそれぞれ対向するようにして配置されている。
【0064】
なお、エッチング装置202〜205としては、例えば例えばRIE(Reactive Ion Eching)装置が用いられる。すなわち、エッチング装置202〜205では、反応性の気体(エッチングガス)やイオン、ラジカルによって、疎水性ポリマーや被処理膜をエッチングするドライエッチングが行われる。
【0065】
以上の基板処理システム1には、
図1に示すように制御部300が設けられている。制御部300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1における後述の剥離処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部300にインストールされたものであってもよい。
【0066】
次に、以上のように構成された
基板処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。
図6は、かかるウェハ処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
【0067】
先ず、複数のウェハWを収納したカセットCが、塗布現像処理装置2のカセットステーション10に搬入され、所定のカセット載置板21に載置される。その後、ウェハ搬送装置23によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の受け渡し装置53に搬送される。
【0068】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって反射防止膜形成装置32に搬送され、
図7に示すようにウェハW上に反射防止膜400が形成される(
図6の工程S1)。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節される。
【0069】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって中性層形成装置33に搬送される。中性層形成装置33では、
図7に示すようにウェハWの反射防止膜400上に中性剤が塗布されて、中性層401が形成される(
図6の工程S2)。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節され、その後受け渡し装置53に戻される。
【0070】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置100によって受け渡し装置54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってアドヒージョン装置42に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置34に搬送され、ウェハWの中性層401上にレジスト液が塗布されて、レジスト膜が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置55に搬送される。
【0071】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって周辺露光装置43に搬送され、周辺露光処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置56に搬送される。
【0072】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置100によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって受け渡し装置62に搬送される。
【0073】
その後ウェハWは、インターフェイスステーション13のウェハ搬送装置110によって露光装置12に搬送され、露光処理される。
【0074】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置110によって露光装置12から受け渡し装置60に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像装置30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。こうして、
図8に示すようにウェハWの中性層401上に所定のレジストパターン402が形成される(
図6の工程S3)本実施の形態では、レジストパターン402は、平面視において直線状のライン部402aと直線状のスペース部402bを有し、いわゆるラインアンドスペースのレジストパターンである。なお、スペース部402bの幅は、後述するようにスペース部402bに親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に奇数層に配置されるように設定される。
【0075】
レジストパターン402が形成されたウェハWは、ウェハ搬送装置70によって紫外線照射装置41に搬送される。紫外線照射装置41では、
図9に示すようにレジストパターン402(スペース部402b)から露出した中性層401の露出面に紫外線が照射される。このとき、172nmの波長を有する紫外線が照射される。そうすると、当該中性層401の露出面が酸化して親水化される(
図6の工程S4)。以下、このように親水化された中性層401の領域を親水性領域403という場合がある。
【0076】
なお、発明者らが鋭意検討した結果、中性層401に親水性領域403を形成するための紫外線の波長は300nm以下であればよいことが分かった。具体的には、300nm以下の波長を有する紫外線を照射すると、処理雰囲気中の酸素から活性酸素を生成でき、この活性酸素によって中性層401の露出面が酸化して親水化する。なお、活性酸素をより容易に生成するためには、処理雰囲気としてオゾンを用いたほうがよいことが分かっている。また、特に紫外線の波長が172nmである場合、処理雰囲気としてオゾンを用いた場合はもちろんのこと、処理雰囲気が大気雰囲気であっても、当該大気雰囲気中の酸素から効率よく活性酸素を生成できることも分かっている。
【0077】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって洗浄装置31に搬送される。洗浄装置31では、ウェハW上に有機溶剤が供給され、
図10に示すようにウェハW上のレジストパターン402が除去される(
図6の工程S5)。そうすると、中性層401において、親水性領域403の表面は親水性を有し、その他の領域の表面は中性を有する。そして、中性層401の表面は平坦に維持される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置50に搬送される。
【0078】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置100によって受け渡し装置55に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってブロック共重合体塗布装置35に搬送される。ブロック共重合体塗布装置35では、
図11に示すようにウェハWの中性層401上にブロック共重合体404が塗布される(
図6の工程S6)。このとき、中性層401の表面は平坦に維持されているので、ブロック共重合体404もその膜厚が均一になるように塗布される。
【0079】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送される。熱処理装置40では、ウェハWに所定の温度の熱処理が行われる。そうすると、
図12及び
図13に示すようにウェハW上のブロック共重合体404が、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に相分離される(
図6の工程S7)。
【0080】
ここで、上述したようにブロック共重合体404において、親水性ポリマー405の分子量の比率は40%〜60%であり、疎水
性ポリマー406の分子量の比率は60%〜40%である。そうすると、工程S6において、
図12及び
図13に示すように親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406はラメラ構造に相分離される。また、上述した工程S3においてレジストパターン402のスペース部402bの幅が所定の幅に形成されているので、中性層401の親水性領域403上には、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に奇数層、例えば3層に配置される。具体的には、親水性領域403の表面は親水性を有するので、当該親水性領域403上の真中に親水性ポリマー405が配置され、その両側に疎水性ポリマー406、406が配置される。そして、中性層401のその他の領域上にも、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に配置される。
【0081】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション10のウェハ搬送装置23によって所定のカセット載置板21のカセットCに搬送される。
【0082】
塗布現像処理装置2においてウェハWに所定の処理が行われると、ウェハWを収納したカセットCは、塗布現像処理装置2から搬出され、次にエッチング処理装置3に搬入される。
【0083】
エッチング処理装置3では、先ず、ウェハ搬送機構210によって、カセット載置台212上のカセットCから1枚のウェハWが取り出され、ロードロック装置213a内に搬入される。ロードロック装置213a内にウェハWが搬入されると、ロードロック装置213a内が密閉され、減圧される。その後、ロードロック装置213a内と大気圧に対して減圧された状態(例えば略真空状態)の搬送室チャンバー214内とが連通させられる。そして、ウェハ搬送機構215によって、ウェハWがロードロック装置213aから搬出され、搬送室チャンバー214内に搬入される。
【0084】
搬送室チャンバー214内に搬入されたウェハWは、次にウェハ搬送機構215によってエッチング装置202に搬送される。エッチング装置202では、ウェハWにエッチング処理を行い、
図14に示すように親水性ポリマー405を選択的に除去し、疎水性ポリマー406の所定のパターンが形成される(
図6の工程S8)。このとき、ブロック共重合体404の膜厚は均一であるので、疎水性ポリマー406のパターン高さも均一になる。
【0085】
その後ウェハWは、ウェハ搬送機構215によってエッチング装置204に搬送される。エッチング装置204では、ウェハW上の疎水性ポリマー406をマスクとして、ウェハW上の被処理膜がエッチングされる。その後、疎水性ポリマー406及び反射防止膜が除去されて、被処理膜に所定のパターンが形成される(
図6の工程S9)。
【0086】
その後ウェハWは、ウェハ搬送機構215によって再び搬送室チャンバー214内に戻される。そして、ロードロック装置213bを介してウェハ搬送機構210に受け渡され、カセットCに収納される。その後、ウェハWを収納したカセットCがエッチング処理装置3から搬出されて一連のウェハ処理が終了する。
【0087】
以上の実施の形態によれば、工程S4において、レジストパターン402(スペース部402b)から露出した中性層401の露出面を表面処理して親水化しており、中性層401の表面は平坦に維持されている。そうすると、その後の工程S6において中性層401上にブロック共重合体404を塗布しても、当該ブロック共重合体404の表面は平坦に形成される。このため、その後の工程S7と工程S8を行ってウェハW上に形成される、疎水性ポリマー406のパターン高さを均一にすることができる。このようにウェハW上に疎水性ポリマー406の所定の微細なパターンを適切に形成することができるので、工程S9において当該パターンをマスクとした被処理膜のエッチング処理を適切に行うことができ、被処理膜に所定のパターンを形成することができる。
【0088】
ここで、従来、工程S4のようにウェハW上に親水性を有する領域と中性を有する領域とを形成するため、レジストパターンをマスクとして中性層をエッチングすることも行われていた。そうすると、中性層が除去された面は反射防止膜が露出して親水性を有し、中性層が残存する面は中性を有する。しかしながら、かかる場合、中性層をエッチングするため、ウェハWを一旦塗布現像処理装置2から搬出し、エッチング処理装置3に搬送する必要があった。
【0089】
この点、本実施の形態の工程S4では、塗布現像処理装置2内の紫外線照射装置41において、中性層401の露出面を紫外線照射により表面処理して親水化している。したがって、上述した塗布現像処理装置2からエッチング処理装置3へのウェハWの搬送を省略することができる。そして、工程S1〜S7のウェハ処理は一の塗布現像処理装置2で行われる。したがって、基板処理システム1におけるウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0090】
また、工程S4において中性層401の露出面に照射される紫外線の波長は172nmであるので、他の波長の紫外線を用いる場合に比べて、大気雰囲気中の酸素から効率よく活性酸素を生成することができる。したがって、中性層401の露出面の親水化をより容易に行うことができる。
【0091】
また、工程S3で形成されるレジストパターン402はラインアンドスペースのレジストパターンであり、ブロック共重合体404において親水性ポリマー405の分子量の比率は40%〜60%であり、疎水
性ポリマー406の分子量の比率は60%〜40%であるので、工程S7において、ブロック共重合体404を親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406にラメラ構造に相分離できる。しかも、上述した工程S3においてレジストパターン402のスペース部402bの幅が所定の幅に形成されているので、中性層401の親水性領域403上には、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に奇数層、例えば3層に配置される。そうすると、ウェハW上に親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406を適切なラメラ構造で形成することができる。
【0092】
以上の実施の形態では、工程S4において中性層401の露出面に紫外線を照射して当該露出面を親水化していたが、露出面を親水化する手段はこれに限定されない。例えば中性層401の露出面に親水性を有する親水膜を形成してもよい。
【0093】
かかる場合、
図15に示すように塗布現像処理装置2の第1のブロックG1には、ウェハW上に親水性を有する塗布液を塗布して親水膜を形成する親水膜形成装置500が設けられる。なお、親水膜形成装置500の数や配置は、任意に選択できる。親水膜形成装置500では、第1のブロックG1の他の液処理装置と同様に、例えばウェハW上に所定の塗布液を塗布するスピンコーティングが行われる。なお、親水性を有する塗布液は特に限定されないが、本実施の形態では、例えばポリメタクリル酸メチルに水酸基を結合させた液(PMMA−OH)を用いる。
【0094】
そして、工程S3でレジストパターン402が形成されたウェハWは、親水膜形成装置500に搬送される。親水膜形成装置500では、
図16に示すようにウェハWの中性層401の露出面とレジストパターン402上に塗布液が塗布されて、親水膜510が形成される。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節される。
【0095】
その後、工程S5において、洗浄装置31でウェハW上に有機溶剤が供給され、
図17に示すようにウェハW上のレジストパターン402と共に、当該レジストパターン402上の親水膜510も除去される。また、中性層401の露出面上の親水膜510の上部も併せて除去される。こうして、中性層401の露出面のみに、例えば膜厚が5nmの薄い親水膜510が形成される。なお、図示の例では親水膜510は視認できるが、実際には中性層401の膜厚に対して親水膜510の膜厚は無視できるほど小さく、中性層401の表面は平坦に維持されている。
【0096】
なお、その他の工程S1〜S3、S6〜S9の工程は上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0097】
本実施の形態によれば、中性層401の露出面に薄膜の親水膜510を形成することができるので、当該露出面を親水化することができる。したがって、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、ウェハW上に親水性ポリマー405の所定の微細なパターンを適切に形成することができ、工程S9において当該パターンをマスクとした被処理膜のエッチング処理を適切に行うことができる。また、基板処理システム1におけるウェハ処理のスループットを向上させることもできる。
【0098】
以上の実施の形態では、工程S4における表面処理として中性層401の露出面を親水化していたが、表面処理としては、当該露出面を疎水化するようにしてもよい。
【0099】
かかる場合、
図18に示すように塗布現像処理装置2の第1のブロックG1には、ウェハW上に疎水性を有する塗布液を塗布して疎水膜を形成する疎水膜形成装置550が設けられる。なお、疎水膜形成装置550の数や配置は、任意に選択できる。疎水膜形成装置550では、第1のブロックG1の他の液処理装置と同様に、例えばウェハW上に所定の塗布液を塗布するスピンコーティングが行われる。なお、疎水性を有する塗布液は特に限定されないが、本実施の形態では、例えばポリスチレンに水酸基を結合させた液(PS−OH)を用いる。
【0100】
そして、工程S3でレジストパターン402が形成されたウェハWは、疎水膜形成装置550に搬送される。疎水膜形成装置550では、ウェハWの中性層401の露出面とレジストパターン402上に塗布液が塗布されて、疎水膜が形成される。その後ウェハWは、熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節される。
【0101】
その後、工程S5において、ウェハW上に有機溶剤が供給され、
図19に示すようにウェハW上のレジストパターン402と共に、当該レジストパターン402上の疎水膜も除去される。また、中性層401の露出面上の疎水膜の上部も併せて除去される。こうして、中性層401の露出面のみに、例えば膜厚が5nmの薄い疎水膜560が形成される。
【0102】
なお、その他の工程S1〜S3、S6〜S9の工程は上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。但し、工程S7において、中性層401の露出面は疎水化されているため、
図19に示すように疎水膜560上には、当該疎水膜560上の真中に疎水性ポリマー406が配置され、その両側に親水性ポリマー405、405が配置される。そして、ウェハW上には、中性層401の露出面を親水化した場合と反対の配置で、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に配置される。
【0103】
本実施の形態によれば、中性層401の露出面に薄膜の疎水膜560を形成することができるので、当該露出面を疎水化することができる。したがって、上記実施の形態と同様の効果を享受することができる。すなわち、ウェハW上に親水性ポリマー405の所定の微細なパターンを適切に形成することができ、工程S9において当該パターンをマスクとした被処理膜のエッチング処理を適切に行うことができる。また、基板処理システム1におけるウェハ処理のスループットを向上させることもできる。
【0104】
ところで、本発明者らによれば、上述のようにレジストパターン402から露出した露出面を表面処理により親水化または疎水化した、平坦な中性層401上にブロック共重合体404を塗布した場合、所望のパターンでラメラ構造に相分離できない場合があることが確認された。具体的には、所望のラメラ構造は例えば
図13に示すように、中性層401に表面処理をすることにより形成した親水
性領域403の長手方向に沿ったものである。しかしながら、平坦な中性層401上にブロック共重合体404を塗布してラメラ構造に相分離した場合、例えば
図20に示すように、親水
性領域403の長手方向に直交してラメラ構造が配列してしまうことがある。なお、
図20においては、表面処理していない中性層401におけるブロック共重合体404によるパターンについては描図を省略している。
【0105】
これは、親水
性領域403の幅が、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に奇数層、例えば3層に配置されるようになっているため、親水
性領域403の長手方向に直交してポリマー405、406が延伸できることが原因であると考えられる。そこで、本発明者らは、親水
性領域403の長手方向に直交してラメラ構造が配列しないように、レジストパターン402のスペース部402bの幅を、親水性ポリマー405、疎水性ポリマー406のいずれかの1層以上2層未満とすることに着想した。しかしながら、スペース部402bの幅は、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に3層に配置される場合であってもレジストによるパターニングとしては十分に微細であり、1層分のスペース部402bをレジストにより形成することはできない。
【0106】
そこで、本発明者らは、レジストパターン402を加熱し、いわゆるリフローによりレジストパターン402のライン部402aの幅を広げることで、スペース部402bの幅を広げられるものと考えた。以下に、具体的な手法について説明する。
【0107】
リフローによりレジストパターン402のライン部402aの幅を広げる場合、工程S3で現像とポストベークを終えてレジストパターン402が形成されたウェハWは、熱処理装置40に搬送される。熱処理装置40では、レジストのガラス転移点温度以上で且つレジストの耐熱温度以下の温度で所定の時間、例えば160℃で一分間加熱される。この場合、熱処理装置40はリフロー装置として機能する。そして、熱処理装置40でウェハWをガラス転移点温度以上の温度で加熱することでリフローが生じ、例えば
図21に破線で示すように、断面形状が矩形であったレジストパターン402のライン部402aが、
図21に実線で示すように下部が側方に広がった略逆U字状に変形する。この際、上述の加熱条件を適宜設定することにより、ライン部402aの広がりを制御し、スペース部402bを所望の幅、即ちラメラ構造に相分離後の親水性ポリマー405、疎水性ポリマー406のいずれかの1層以上2層未満の幅に調整する。なお、ライン部402aは、
図21に示すように、長手方向に渡ってほぼ均一に幅が広がる。
【0108】
図22(a)は、レジストのガラス転移点温度以下の140℃でウェハWを加熱した場合のレジストパターン402の平面画像であり、
図22(b)は、レジストのガラス転移点温度以上で且つレジストの耐熱温度以下の160℃でウェハWを加熱してリフローさせた後の画像である。
図22(a)では加熱温度がレジストのガラス転移点温度以下であるためリフローは生じていないが、
図22(b)ではリフローによって平面視におけるライン部402aの幅が広がり、スペース部402bの幅が狭まっていることが確認できる。
【0109】
リフローによりスペース部402bの幅が調整されたウェハWは、工程S4において紫外線照射装置41に搬送され、
図23に示すように、レジストパターン402から露出した露出したスペース部402bの中性層401に紫外線が照射される。これにより、相分離後のポリマー405、406の1層分の親水性領域403が中性層401に形成される。
【0110】
その後、工程S5においてレジストパターン402が除去され、工程S6においてブロック共重合体404が塗布される。次いで、工程S7において、ブロック共重合体404が親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に相分離される。この際、
図24に示すように、親水性領域403は親水性ポリマー405の1層分の幅となっているので、当該親水性領域403には確実に親水性ポリマー405が配置され、その両側に疎水性ポリマー406、406が配置される。そして、中性層401のその他の領域上にも、親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406が交互に配置される。
【0111】
なお、その他の工程程S1〜S2、S8〜S9の工程は上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0112】
本実施の形態によれば、リフローによりライン部402aの幅を広げることで、スペース部402bの幅を、例えば親水性ポリマー405、疎水性ポリマー406のいずれかの1層以上2層未満の幅に調整した。そのため、平坦な中性層401上にブロック共重合体404を塗布してラメラ構造に相分離した場合、親水
性領域403の長手方向に直交してラメラ構造が配列してしまうことを防止できる。したがって本実施の形態では、親水
性領域403の長手方向沿って確実にラメラ構造を配置することができる。
【0113】
以上の実施の形態では、熱処理装置40で加熱することでリフローを行ったが、リフロー専用の熱処理装置を塗布現像処理装置2に別途設けてもよい。また、以上の実施の形態では、工程S3のポストベーク後に別途熱処理装置40で加熱してリフローを行ったが、ポストベークにおいて加熱時間と加熱温度を調整することでリフローを同時に行なってもよい。また、ウェハWを加熱する以外にも、ウェハWをレジストの溶媒雰囲気中に曝してレジストを溶解させることでリフローを行なってもよい。
【0114】
なお、リフローを行なうにあたっては、耐熱温度が高くリフローによるライン部402aの幅の調整が容易なネガレジストを用いることが好ましい。また、リフローによるライン部402aの幅の広がりは、レジストパターン402の下地となる膜の種類によっても変化する。そのため、リフローの加熱温度や加熱時間については、以上の実施の形態に限定されるものではなく、レジストやその下地膜の種類等により適宜設定される。
【0115】
なお、以上の実施の形態では、紫外線照射により中性層401を親水化する場合を例に説明したが、当然ながら、中性層401の露出面に親水膜510を形成する場合や、疎水膜560を形成する場合においてもリフローによりスペース部402bの幅を狭めてもよい。かかる場合においても、親水膜510を形成する場合を例にすると、例えば
図25に示すように、リフローにより1層分の幅に狭められたスペース部402bに露出する中性層401とレジストパターン402上に塗布液が塗布されて、親水膜510が形成される。その後、工程S5でレジストパターン402を除去することにより、レジストパターン402と共に親水膜510が除去され、リフローにより幅が狭められたスペース部402bにのみ親水膜510が形成される。
【0116】
なお、その他の工程S1〜S3、S6〜S9の工程は上記実施の形態と同様である。
【0117】
本実施の形態においても、中性層401の露出面にポリマー405、406の1層分の幅の親水膜510を形成することができる。したがって、紫外線照射により親水性領域403を形成した場合と同様の効果を享受することができる。すなわち、親水膜510の長手方向に直交してラメラ構造が配列してしまうことを防止できる。
【0118】
以上の実施の形態では、ウェハW上のブロック共重合体404をラメラ構造の親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に相分離したが、本発明のウェハ処理方法は、ブロック共重合体404をシリンダ構造の親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に相分離する場合にも適用できる。
【0119】
本実施の形態で用いられるブロック共重合体404は、親水性ポリマー405の分子量の比率が20%〜40%であり、ブロック共重合体404における疎水
性ポリマー406の分子量の比率が80%〜60%である。なお、本実施の形態でも、上記実施の形態と同様の構造を有する基板処理システム1が用いられる。
【0120】
かかる場合、工程S3では、
図26に示すようにウェハW上に、平面視において円形状のスペース部402cを有するレジストパターンが形成される。このスペース部402cの配置は、平面視において千鳥状に配置される。
【0121】
その後、工程S7においてブロック共重合体404を相分離する際、
図27に示すようにシリンダ構造の親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に相分離される。親水性ポリマー405は、親水化されたスペース部402c上と、2つのスペース部402c、402c間のレジストパターン402上に形成される。疎水性ポリマー406は、その他のレジストパターン402上に形成される。そうすると、その後工程S9において、親水性ポリマー405をマスクとしてウェハW上の被処理膜にエッチングすると、当該被処理膜にホール状の所定のパターンが形成される。
【0122】
なお、その他の工程S1、S2、S4〜S6、S8の工程は上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0123】
本実施の形態によれば、ブロック共重合体404をシリンダ構造の親水性ポリマー405と疎水性ポリマー406に適切に相分離することができ、被処理膜のエッチング処理を適切に行うことができる。
【0124】
以上の実施の形態のブロック共重合体404には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)とポリスチレン(PS)を有していたが、親水性を有する親水性ポリマーと疎水性を有する疎水性ポリマーを含めばこれに限定されない。例えば親水性ポリマーにシリコーンゴム(PDMS)を用いてもよい。
【0125】
以上の実施の形態では、工程S4における中性層401の親水化又は疎水化は、基板処理システム1の塗布現像処理装置2で行われていたが、当該中性層401の親水化又は疎水化をエッチング処理装置3のエッチング装置202〜205、例えばRIE装置で行ってもよい。
【0126】
以上の実施の形態では、工程S9においてウェハW上の被処理膜をエッチングしていたが、本発明のウェハ処理方法はウェハW自体をエッチングする際にも適用することができる。
【0127】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。