(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5881609
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/20 20060101AFI20160225BHJP
C08G 59/62 20060101ALI20160225BHJP
C08G 77/14 20060101ALI20160225BHJP
C09J 183/06 20060101ALI20160225BHJP
C09J 161/14 20060101ALI20160225BHJP
C09J 163/00 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
C08G59/20
C08G59/62
C08G77/14
C09J183/06
C09J161/14
C09J163/00
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-540658(P2012-540658)
(86)(22)【出願日】2011年9月26日
(86)【国際出願番号】JP2011005373
(87)【国際公開番号】WO2012056629
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2014年8月1日
(31)【優先権主張番号】特願2010-239408(P2010-239408)
(32)【優先日】2010年10月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100087631
【弁理士】
【氏名又は名称】滝田 清暉
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】福田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】森 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】菊池 孝明
(72)【発明者】
【氏名】出口 雄一郎
【審査官】
繁田 えい子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−363316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 59
C09J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して、少なくとも、(B)側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂33.3〜800質量部及び(C)エポキシ樹脂用硬化剤0.17〜100質量部を含有する樹脂組成物であって、前記(B)成分の側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂が、下記一般式(II)で表される化合物であると共に、その前記樹脂組成物中の含有量が20〜80質量%であることを特徴とする樹脂組成物;
一般式(II):
但し、一般式II中のR
1は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、sは、10〜300の整数、tは1〜100の整数を表す。
【請求項2】
前記ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂が、下記一般式(I)で表される化合物である、請求項1に記載された樹脂組成物;
一般式(I):
【請求項3】
更に(D)成分として、硬化触媒、反応性又は非反応性の希釈剤(可塑剤)、繊維類、充填剤(フィラー)、顔料、増粘剤、チキソトロピック剤、難燃剤、消泡剤、防錆剤、及び粘着性の樹脂類からなる群の中から選択された少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載された樹脂組成物。
【請求項4】
樹脂組成物中における前記(D)成分の含有量が69.9質量%未満である、請求項3に記載された樹脂組成物。
【請求項5】
樹脂組成物中における前記(C)成分の含有量が0.1〜10質量%である、請求項1〜4の何れかに記載された樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5に記載された何れかの樹脂組成物からなることを特徴とする接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低弾性化した樹脂組成物に関し、詳しくは、少なくとも、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂及び側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂からなる、応力緩和性能、相溶性、及び接着性に優れた樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン樹脂は、撥水性、電気絶縁性、柔軟性、及び流動性に優れた樹脂であるが、一般的に他の樹脂材料との相溶性に劣り、均一な硬化系を得る為には配合量が制限される上、接着性についても劣るという欠点がある。
【0003】
また、ビフェニル型エポキシ樹脂とジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を含むフェノール樹脂を硬化剤としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物中に少量のエポキシ変性シリコーンオイルを添加する場合に、特定のフェノール樹脂とエポキシ変性シリコーンの組み合わせが相溶性に優れるということが知られている。しかしながら、得られた樹脂組成物が優れた接着性を有するか否かに関しては全く知られていない(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−228275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の第1の目的は、シリコーン樹脂を利用した、接着性及び絶縁性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、シリコーン樹脂を利用したエポキシ系接着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂と側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂とが相溶性に優れること、及び、得られた樹脂組成物が絶縁性及び接着性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、(A)ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して、少なくとも、(B)側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂33.3〜800質量部及び(C)エポキシ樹脂用硬化剤0.17〜100質量部を含有する
樹脂組成物であって、前記(B)成分の側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂が、下記一般式(II)で表される化合物であると共に、その前記樹脂組成物中の含有量が20〜80質量%であることを特徴とする樹脂組成物、及び、該樹脂組成物からなる接着剤である。
一般式(II):
但し、一般式II中のR1は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、sは、10〜300の整数、tは1〜100の整数を表す。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、シリコーン樹脂に基づいて、撥水性、電気絶縁性、及び柔軟性が改善され、応力緩和性が良好となる上、シリコンウエハに対して強固に接着するという特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、(A)ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して、少なくとも、(B)側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂33.3〜800質量部及び(C)エポキシ樹脂用硬化剤0.17〜100質量部を含有する
樹脂組成物であって、前記(B)成分の側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂が、後記する一般式(II)で表される化合物であると共に、その前記樹脂組成物中の含有量が20〜80質量%であることを特徴とする樹脂組成物、及び、該樹脂組成物からなる接着剤であるので、以下、これらの構成要素について詳細に説明する。
【0010】
本発明に使用される(A)成分のジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂としては、下記一般式(I)で表される化合物が好適に使用される。
一般式(I):
【0011】
上記、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂の使用量は、樹脂組成物中の10〜60質量%であることが必要であり、15〜50質量%であることが好ましい。10質量%未満では接着性のみならず絶縁性能も低下し、60質量%を超えて使用した場合には、弾性率が高くなって応力緩和性能が損なわれるので好ましくない。
【0012】
本発明に使用される、
前記した(B)成分の前記側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂は、下記一般式(II)で表される化合物であ
る。
一般式(II):
但し、上式中のR
1は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、sは10〜300の整数、tは1〜100の整数を表す。
【0013】
本発明における(B)成分である側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂の使用量は、(A)成分のジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して33.3〜800質量部であるが、樹脂組成物中の20〜80質量%であることが必要であり、25〜75質量%であることが好ましい。20質量%未満では弾性率が高くなって応力緩和性能が損なわれ、80質量%を超えて使用した場合には接着性が低下するだけでなく、絶縁性能も低下するため好ましくない。
【0014】
本発明で使用する(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤は、通常エポキシ樹脂用として使用する公知の硬化剤の中から適宜選択して使用することができる。上記硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン等のアルキレンジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;
【0015】
ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のグアナミン類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール類;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類;
【0016】
N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジアリルアミノエチルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジベンジルアミノエチルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジアリルアミノプロピルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)ピロリジン、N−(3−アミノプロピル)ピロリジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)−N’−メチルピペリジン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ベンジルアミン、N,N,−ジメチルイソホロンジアミン、N,N−ジメチルビスアミノシクロヘキサン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N’−エチル−N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン;N,N−(ビスアミノプロピル)−N−メチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルエチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルプロピルアミン、N,N−ビスアミノプロピルブチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルペンチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルベンジルアミン、N,N−ビスアミノプロピルアリルアミン、ビス〔3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジイソプロピルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジブチルアミノプロピル)〕アミン等があげられる。
【0017】
また、これらのポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;これらの有機ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の、核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性箇所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物等の硬化剤も使用することができる。更に、ジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類等の潜在性硬化剤も使用することができる。
【0018】
本発明においては、これらのエポキシ樹脂用硬化剤の中でも、ウレア型硬化剤を使用する事が、接着性に優れた樹脂組成物を得ることができるため好ましい。上記ウレア型硬化剤としては、分子構造中にウレア結合を有する硬化剤であり、具体的製品としては、例えば、アデカハードナーEH-5001P((株)ADEKA製ウレア構造含有アミン系硬化剤)、U-CAT 3502T(サンアプロ(株)製芳香族ジメチルウレア化合物)、U-CAT 3503N(サンアプロ(株)製脂肪族ジメチルウレア化合物)、Dyhard UR 500(デグサジャパン(株)製芳香族ジメチルウレア化合物)、Dyhard UR 300(デグサジャパン(株)製芳香族ジメチルウレア化合物)、Dyhard UR 200(デグサジャパン(株)製芳香族ジメチルウレア化合物)等があげられる。
【0019】
本発明における(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、(A)成分のジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して0.17〜100質量部であるが、樹脂組成物中の0.1〜10質量%であることが必要であり、好ましくは1〜5質量%である。0.1質量%未満では、硬化不良となって接着性等の物性が得られない。また、10質量%を超えて使用した場合には、過剰分による絶縁性能への悪影響が懸念されるため好ましくない。
【0020】
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、及びコールタール等の、反応性又は非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維等の繊維類;セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質、金属粒子、金属で被覆された樹脂粒子等の充填剤(フィラー)又は顔料;増粘剤;チキソトロピック剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物;等を更に含有させてもよく、又、キシレン樹脂や石油樹脂等の、粘着性の樹脂類を(D)成分として併用することもできる。
本発明においては、特に、シリカフィラーを併用することが、組成物の熱線膨張係数の制御が容易となるだけでなく、弾性率を向上させて高強度とすることができるので好ましい。本発明で使用する(D)成分は種々組み合わせて使用することもできるが、その全使用量は、接着剤として使用する上から、(A)成分のジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂100質量部に対して699質量部以下であり、樹脂組成物中の69.9質量%未満であることが好ましい。
以下、実施例によって本発明の樹脂組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
エポキシ変性シリコーン樹脂(EP−1)〔一般式(II)におけるR
1が
−C
3H
6−、sが200、tが80である化合物〕100質量部に対して、下記〔表1〕に示した量のフェノール樹脂100質量部を混合して相溶性を確認した。評価基準は、下記の三段階で評価した。
○:濁りなし
△:濁りあり
×:分離(乳化)
【0022】
【表1】
【実施例2】
【0023】
下記〔表2〕及び〔表3〕に示した配合(質量部)に従ってエポキシ樹脂とフェノール樹脂をフラスコに仕込み、80℃で3時間加熱混合してフェノール樹脂を溶解させ、冷却後に抜き取って、試験溶液を得た。得られた試験溶液に、硬化剤及びフィラーを添加し、3本ロールを用い、均一分散して接着剤を作製し、以下の評価を実施して、前記表2及び3に結果を示した。
【0024】
〔耐湿テスト後接着性〕
作製した接着剤をシリコンウエハに塗布し、予備加熱(130℃×10分)した後、本硬化(180℃×60分)させた。JIS D0202の碁盤目試験方法に準拠した、粘着テープによるピールテストを行って残マス数を計測し、接着性の評価を行った。更に、耐湿テスト後の評価として、前記シリコンウエハ上で硬化させた試験片をHAST条件下(130℃、85%RH)に24時間投入して処理し、処理後の接着力を碁盤目試験方法で評価した。
【0025】
〔層間絶縁性〕
電解銅箔のマット面に接着剤を塗布し、130℃で10分間予備加熱した後、真空ラミネーターを用いて基板にラミネートし、次いで、180℃で60分間加熱して本硬化させた。銅箔の一部を電極として残し、残りをエッチングによって除去し、評価サンプルを得た。得られたサンプルについて、接着剤の層間絶縁性をHAST条件下(130℃、85%RH、バイアス:3.3V)で、評価した。
【0026】
〔弾性率〕
PETフィルム上に接着剤を塗布し、予備加熱(130℃で10分間)した後、本硬化(180℃で60分間)させた。PETフィルムから硬化物シートを剥がして、試験片を得た。動的粘弾性装置にて、−100℃〜200℃の温度範囲で測定し、硬化物の弾性率を評価した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
実施例から明らかなように、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール樹脂及び側鎖型エポキシ変性シリコーン樹脂を含有してなる本発明の樹脂組成物は、接着性のみならず、層間絶縁性にも優れたものであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の樹脂組成物は、シリコンウエハに対して良好な接着性を有する樹脂組成物であり、金属シリコンに対して他の材料を接着する場合や半導体素子を他の基材に直接実装する場合、或いは、組成物それ自体を層間絶縁膜や保護膜として機能させる場合等に好適であるので、産業上極めて有用である。