(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のダイアフラムの一つを前進及び後退させて、前記ダイアフラムを前記光線経路に対して選択的に前進及び後退させる駆動ユニットを備える、請求項2に記載の光学システム。
【背景技術】
【0002】
光学式撮像装置のシステムダイアフラムとして、種々のダイアフラムが利用されている
ことが一般的に知られている。光学式撮像装置の光線経路における光線束の直径は、特に
、開口径を変更可能なこれらダイアフラムによって変更することができる。
【0003】
一般的に鎌形状からなり、一端が固定マウントに回転自在に支持された薄いブレイドを
少なくとも4つ、大抵はそれ以上備えた所謂アイリスダイアフラムが特に普及している。
この配置では、ブレイドの他端が、回転リングの溝やスロットに挿入されたピンを備えた
案内装置として設けられ、回転リングが回転することによって、ブレイドが移動し、ダイ
アフラムの残存開口径を変更できる。
【0004】
ドイツ特許公報DE 101 11 299 A1は、そのようなアイリスダイアフラムを
開示しており、特に、半導体リソグラフィにおける露光目的のものであって、複数のブレ
イドを備え、これらのブレイドが案内部材によって案内され、ダイアフラムの開口部を調
整する目的で設けられた少なくとも1つの駆動装置によって、これらのブレイドが駆動可
能なものを開示している。案内部材は、アイリスダイアフラムの光軸に対する放射方向で
少なくともほぼ直線的にブレイドを移動可能に設計されている。
【0005】
ドイツ特許公報DE 199 55 984 A1は、光学式撮像装置を絞るための更なる
ダイアフラムを開示している。
既知のダイアフラムのうち、特に、ブレイドによって連続的な調整が可能なアイリスダ
イアフラムは、主にEUVL分野におけるマイクロリソグラフィ用の光学システムを絞る
用途には不適合となっている。それは、この分野において、取付可能な空間に関してより
厳しい要求がなされ、これらの構造では満たし得なくなっているからである。
【0006】
そこで、小さな取付空間しか必要としないダイアフラムを用いて絞ることが可能な最初
に述べた形式の光学撮像装置を開発することを本発明の目的とする。
この目的は、ダイアフラム装置が、複数の異なるダイアフラム開口部を格納したダイアフ
ラム格納部を備え、各ダイアフラム開口部が、固定された形状を有し、光線経路に導入さ
れ得るという事実に基づく本発明により達成される。
【0007】
本発明による方策は、単純且つ有利な方法で、ダイアフラム開口部形状が不変で、非常
に小さな空間に格納可能なダイアフラム機構を備えた光学式撮像装置を開発することであ
る。ダイアフラム開口部形状の幾何学形状に制限がなく、円形や、楕円形、または他の幾
何学形状をダイアフラム開口部に用いることができる。既知のブレイド型アイリスダイア
フラムに対して、移動される質量が比較的小さく、光学式撮像装置におけるダイアフラム
の交換を非常に迅速に行うことができる。最も多彩な形式の複数のダイアフラムが、ダイ
アフラム開口部を備えた既存のダイアフラム格納部によって使用されるようになる。
【0008】
ダイアフラム格納部が回転ディスクダイアフラム群として設計される場合、具体的には
、ダイアフラム格納部が光学式撮像装置の外部に配置される場合、更に、ダイアフラム開
口部を設けられた複数の回転ディスクダイアフラムを備え、更に、具体的には、回転ディ
スクダイアフラムが別体のプラグインユニットに収容される場合に、非常に有利である。
【0009】
これらの方策によって、具体的には、光学式撮像装置外部におけるダイアフラム装置の
設計における更なる空間の節約が可能となる。その結果、回転ディスクダイアグラム群に
比較的多くの異なる回転ディスクダイアフラムを積み重ねることができる。内部に配置す
ることと対比してみると、光学式撮像装置外部にダイアフラム装置を配置することは、更
に、ダイアフラム装置による光学式撮像装置の汚染を最小限にする。更に、このダイアフ
ラム装置は、光学式撮像装置における光学素子にひどい振動を誘発しないように光学式撮
像装置と力学的に分離することができる。
【0010】
更に、2つのローラに巻かれて張力がかけられた板金ストリップをダイアフラム格納部
として設け、この板金ストリップが複数の固定形状のダイアフラム開口部を備え、具体的
には、種々の固定形状のダイアフラム開口部を複数備え、ローラを回転させてダイアフラ
ム開口部を変更することで、ダイアフラムの調整が可能である本発明の一体構造形態を提
供できる。
【0011】
この結果、各種のダイアフラムの非常に高い動的調整が可能となり、各種のダイアフラ
ムを非常に小さな空間に格納することができる。移動される質量が比較的小さく、ダイア
フラム開口部の幾何学形状に制限がない。ダイアフラムの交換を迅速に行うことができる
。
【0012】
本発明の有利な改良と展開は、更なる従属請求項に挙げられている。本発明の各実施形
態は、図面を用いて以下に概ね説明されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1aは、EUVL分野で使用される投影対物レンズ1の詳細を示している。投影対物
レンズ1は、投影対物レンズ1における破線で描かれたハウジング1aに付設されたミラ
ー3間に標準的な光線経路2と、対象面4(
図14に詳細を説明する)とを有している。
【0015】
光線経路2内に配設されているのは、投影対物レンズ1の光線を絞るためのダイアフラ
ム開口部6を有したダイアフラム5である。図に示すように、ここでは、ダイアフラム5
の特性と取付空間に関して厳しい要求がなされている。この要求は、主に円で強調された
ダイアフラム5の側面5’に対してされている。したがって、
図1bに図示されているよ
うに、ダイアフラム開口部6は、中心からずらされているべきである。ダイアフラム5に
おけるダイアフラム開口部6のこのような不可欠な配置と、投影対物レンズ1における小
さな取付空間とが、従来の連続的に調整可能な(例えば、ブレイドによる)アイリスダイ
アフラムをこのような投影対物レンズ1、特に、EUVL分野における動作波長に使用す
ることを困難にしている。
【0016】
図2は、投影対物レンズ1の詳細を示す。投影対物レンズ1は、回転ディスクダイアフ
ラム群7a,7bを有するダイアフラム装置7を備える。回転ディスクダイアフラム群7
a,7bは、個別のダイアフラム5を備える。ダイアフラム5は、固定された形状を有す
る(
図1b参照)回転ディスクダイアフラムとして設計され、上下に積み重ねられている
。ダイアフラム開口部6は、図示された円形状に代えて、楕円形やその他の形状となって
いてもよい。回転ディスクダイアフラム5は、好ましくは、ダイアフラム群7a,b内の
第1位置から、矢印8で示された方向に沿って、投影対物レンズ1の光線経路2内の第2
位置へ導入され、作動位置9(点線で示す)へ至る。
図1bに示すように、回転ディスク
ダイアフラム5は、光線に隣接する側に幅の狭い縁を備え、残りの外周全体に幅が広い縁
を備えるように成形されている。
【0017】
図3a〜
図3cに示すように、光線方向の上流側に配設されたミラー3に対する回転デ
ィスクダイアフラム5a〜5cの最適な物理的間隔は、ダイアフラムのサイズの違いによ
って異なる。これを確実にするため、回転ディスクダイアフラム5a〜5cをミラー3に
対して一定の高さhに配置する際に、ミラー3には、これらの配置のレンジ10に対して
異なる高さが付与される。ダイアフラム5bおよび5cは、それぞれ、第1領域Iおよび
第2領域IIを有し、第2領域Iは、ダイアフラム5bおよび5cの径方向に沿って第1
領域Iの内側に位置する。さらに、ダイアフラム5bおよび5cは、第1領域Iおよび第
2領域IIの間に、第1領域Iおよび第2領域IIに対して平行ではない第3領域III
を有する。
【0018】
図4aに図示するように、回転ディスクダイアフラム群7aは、複数の回転ディスクダ
イアフラム5を備え、これら回転ディスクダイアフラム5は、個別のプラグインユニット
11に収容されている。各プラグインユニット11は、全てのプラグインユニット11に
対して共通な連接部材(図示せず)によって、個別に回し出される(
図4aの矢印12に
よって示す)。いずれ後述するように、この回し出されによって、各回転ディスクダイア
フラム5が回し出されたのち、投影対物レンズ1の光線経路2を通って作動位置9へとリ
フトされ得る(
図4aに点線矢印8によって示す)。プラグインユニット11の回転動作
は、歯車駆動部によってなされる。歯車駆動部は、リフト機構もしくはモジュールハウジ
ングに取り付けられ、プラグインユニット11が通過する際に当該駆動部の歯車の歯を動
かすように配置される。あるいは、他の実施形態においては、他の駆動機構、具体的には
、摩擦車、電磁クラッチ、あるいはロータが組み込まれた特別なモータをプラグインユニ
ット11に設けることも可能であると考えられる。
【0019】
本実施形態では、プラグインユニット11は全て同一の高さを有している。しかしなが
ら他の実施形態では、種々のサイズのダイアフラム(
図3a〜3cを比較)を使用できる
ように、これらのプラグインユニット11は異なる高さを有していてもよい。
【0020】
回転ディスクダイアフラム5が作動位置9へ到達すると、回転ディスクダイアフラム5
は、保持装置もしくは絞り13に連結する。保持装置13によって、回転ディスクダイア
フラム5を繰り返しマイクロメートル範囲で精密に位置決めできる。これにより、個別の
プラグインユニット11や、全体的なリフト機構(矢印8で示す)の精度要求が削減され
る。
【0021】
図4bから明らかなように、別の実施形態においては、作動位置9へ回転ディスクダイ
アフラム5をリフトする代わりに、適切な回転ディスクダイアフラム5が保持装置13と
実質的に同じ高さに到達するまで回転ディスクダイアフラム群7bを垂直方向(矢印8’
で示す)に移動させたのち、適切な回転ディスクダイアフラム5を収容したプラグインユ
ニット11を回し出し、更に一可能性として僅かな垂直移動(矢印8)を加えて、保持装
置13に連結することも可能である。この実施形態は、ダイアフラム交換機構がミラー3
の前に非常に小さな空間を必要とするだけで、この空間を追加システム(ミラークリーニ
ングシステムなど)のために空けることができるという利点がある。垂直移動可能な回転
ディスクダイアフラム群7bの作動領域14は、
図4cにおいて、破線もしくは点線で図
示されている。追加システム15のための自由領域15も同様である。
【0022】
特に、EUVL分野において、投影対物レンズ1は、例えばミラー3といった投影対物
レンズ1における個別の光学素子の互いに対する動きとこれらの取付機構に対する動きと
の双方に対して非常に敏感である。干渉的な振動の伝達を最小限とするために、投影対物
レンズ1は、振動から分離されている。更に、投影対物レンズ1内部の個別の部材は、互
いに堅く(高い固有振動数を有するよう)連結されており、通常は低い振動数からなる残
留振動によって揺動しても、剛体として互いに動くようになっている。
【0023】
全体として十分に高い固有振動数を有するダイアフラム装置7の実施形態を開発するの
は困難である。そのためには、比較的大きな質量を移動させなければならないとともに、
取付空間が制限されているからである。結果として、動力運動(振動)は、ダイアフラム
装置7によって投影対物レンズ1全体に伝達される。しかしながら、投影対物レンズ1の
他の光学素子に対するダイアフラム5の相対位置は、一般的に、あまり重大ではない。
【0024】
この問題に対する可能な解決策は、ダイアフラム装置7全体を投影対物レンズ1から力
学的に分離した別体の機構に取り付けることである。しかしながら、これでは、投影対物
レンズ1にてダイアフラムを正確に位置決めすることがより難しくなる。
【0025】
別の解決策は、選択された回転ディスクダイアフラム5を保持装置13とともにダイア
フラム装置7の他の部分(回転ディスクダイアフラム群7a,7b、プラグインユニット
11、リフト機構、ハウジングなど)から分離して、これらを異なる構造体に配設し、保
持装置13を光学式撮像装置もしくは投影対物レンズ1に直接固定することである。ダイ
アフラム装置7の他の部分は、別体の機構に取り付ければよい。
【0026】
別の可能な解決策は、保持装置13とリフト機構16との双方を投影対物レンズ1に固
定するとともに、ダイアフラム装置7の他の部分を別体の構造体に取り付けることである
。
保持装置13によって、回転ディスクダイアフラム5は、確実に、6自由度を有する状態
で、投影対物レンズ1に対して精密に位置決めされる。更に、重力や他の干渉力に抗して
、回転ディスクダイアフラム5を保持装置3に保持もしくは固定する必要もある。ミラー
表面を粒子で汚染してしまうことを防止するために、回転ディスクダイアフラム5は、で
きる限り静かに固定されるべきである。
【0027】
図5に描かれているように、回転ディスクダイアフラム5は、リフト装置16によって
離脱位置から作動位置9へと搬送され、そこで保持装置13に保持される。
図5に図示さ
れたダイアフラム装置7の場合、主としてダイアフラム交換機構における回転機構を用い
ることが好ましい。それは、並進機構に比べ、例えば摩擦力によって生じる、汚染を引き
起こす粒子がほとんど発生しないからである。
図5に更に図示されているように、保持装
置13において回転ディスクダイアフラム5を保持する実質的に一定の力は、剛性の低い
スプリング部材17による単純且つ有利な方法で発生されている。スプリング部材17は
、回転ディスクダイアフラム5の作動位置9に対してスプリング部材17が大きな圧縮偏
差を生じてしまうことを防止するために、予め圧縮されているべきである。矢印18は、
投影対物レンズ1における分離配置されたハウジング1a(破線で示す)と、同様に分離
配置された投影対物レンズ1の残りの部分(破線ボックス19)との力学的な分離もしく
は振動の分離を表している。
【0028】
図6a〜6cは、回転ディスクダイアフラム5を固定及び/または位置決めする保持装
置13の種々の実施形態を図示している。
【0029】
図6aから明らかなように、保持装置13aは、永久磁石20と、コイル巻線22を施
された軟鋼コア21とを備えている。回転ディスクダイアフラム5(ここでは詳細を図示
せず)も同様に、軟鋼コア21’を対向側に備え、その電磁力によって保持されている。
これは、更なる粒子汚染の事例につながり得る、むき出しの機械的可動部品をごく僅かに
する、もしくは一切なくすという効果がある。
【0030】
図6bに図示されているように、保持装置13bは、部品23に設けられ、固定部品2
3’と永久磁石20とを備える。回転ディスクダイアフラム5は、軟鋼コア21を備え、
それによって回転ディスクダイアフラム5は保持装置13bに保持される。加えて、リフ
ト装置16(
図6bでは詳細を図示せず)は、切替可能な電磁石20’を備え、電磁石2
0’は、ダイアフラム交換時に保持装置13bからダイアフラムを緩めるように切り替え
られる。
【0031】
図6cに図示されているのは、第3実施形態の保持装置13cであり、本質的に
図6b
の保持装置13bに相当している。回転ディスクダイアフラム5の切欠25に係合した柔
軟なスプリング部材24がこの実施形態では更に挿入されている。
【0032】
図7aは、保持装置13dを回転ディスクダイアフラム5dとともに示している。ここ
では、更にミラー汚染監視手段が設けられている。これは、回転ディスクダイアフラム5
の開口部に沿って配設された複数の細いタングステン導線26によって達成されている。
この目的のため、回転ディスクダイアフラム5dは、例えばセラミックやこれに類似した
絶縁材料から作られている。タングステン導線26との電気的接続は、回転ディスクダイ
アフラム5dの軸受部位27上の3つの接点で達成されている。
【0033】
図7bは、汚染監視手段の別実施形態を示している。ここでは、複数のタングステン導
線26は、リフト装置16に一体化されている。
【0034】
図8に示されているように、垂直方向に移動可能な回転ディスクダイアフラム群7bは
、投影対物レンズ1の外部、もしくは、そのハウジング1aの外部に配設されている。こ
れは、投影対物レンズ1を回転ディスクダイアフラム群7bによる汚染から保護するもの
である。回転ディスクダイアフラム群7bは、可動するロボット把持アームとして設計さ
れた供給装置28を設けられている。供給装置28は、回転ディスクダイアフラム群7b
から対応する回転ディスクダイアフラム5を取り出し、回転ディスクダイアフラム5を投
影対物レンズ1の光線経路2へ挿入するために設けられた開口部29を介して、回転ディ
スクダイアフラム5を投影対物レンズ1の光線経路2へ挿入する。追加的なリフト装置1
6’(簡略的に図示)は、同様に投影対物レンズ1の外部に配設され、回転ディスクダイ
アフラム5を保持装置13へ搬送し、そして、回転ディスクダイアフラム5は、作動位置
9に固定される。既に上述したように、ダイアフラム交換機構及びリフト装置16’は、
力学的に分離する方法で異なる構造体に取り付け可能である。リフト装置16’の柔軟な
スプリング17によって力学的に分離された接続が確保される。投影対物レンズ1もしく
はハウジング1aの開口部29は、作動中に閉鎖される。
【0035】
図9では、リフト装置16’’が、投影対物レンズ1のハウジング1a内部へ導入され
、取り付けられている。粒子汚染を防止もしくは最小限にするために、互いに摺動もしく
は回転する表面は極力最小限に減らされている。これは、固定結合部や適切なアクチュエ
ータ(音声コイルアクチュエータ、ローレンツアクチュエータ)によって実現できる。表
面は、分子汚染の発生を防止するために最小限にされ、更に、脱ガス率の低い適切な材質
(樹脂や潤滑油が付随していない鋼)のみが使用される。軸受の潤滑は、固体結合部を使
用することで省くことができる。投射光学系の構造を力学的に損なわないように、質量は
小さく維持され、あるいは、リフト装置16’’の固有振動数はできるだけ高く維持され
る。
【0036】
図9から更に明らかなように、リフト装置16’’は、回転ディスクダイアフラム5の
ための保持装置13を備えている。回転ディスクダイアフラム5は、供給装置28上に配
置される板金として構成されている。供給装置28は、ミラー3の下の投射光学系へ回転
ディスクダイアフラム5を搬送する。回転ディスクダイアフラム5は、リフト装置16’
’が上昇する際に供給装置28から持ち上げられる。リフト装置16’’は、内部絞りの
反対に駆動する。回転ディスクダイアフラム5は、自重により保持装置13上に配置され
る。上方への持ち上がりは、例えば保護カバー(
図10aと対比)によって防止できる。
回転ディスクダイアフラム5は、脱落したり、ミラー3と衝突し得ない。
【0037】
続く
図10a〜10cは、
図9のリフト装置16’’の構造形態16a,16b,16
cを示す。これらは、操作用の音声コイルアクチュエータ(詳細は図示せず)を備えてい
る。回転結合部は、それぞれ固体結合部30として設計されている。
【0038】
図10aに図示したように、保護カバー31は、揺動体として構成されたリフト装置1
6aに回転ディスクダイアフラム5を持ち上げさせてしまうことを防止する。リフト装置
16a〜16cは、各々の持ち上がり動作の終了位置を規定する内部停止端を備えている
。リフト装置16aのステアリング動作は、矢印32によって示されている。
【0039】
図10bは、リフト装置16bを示している。リフト装置16bは、一組のスケールと
して設計され、平行四辺形状のガイドを備えている。この場合、回転ディスクダイアフラ
ム5をほぼ垂直に上方へ移動させることができるという利点がある。
【0040】
パンタグラフ型リフト装置16cが
図10cに描かれている。
【0041】
図11は、ロボット把持アームとして設計された供給装置28を示す。回転ディスクダ
イアフラム5を供給装置28のレセプタクルからリフト装置16a,16b,16cによ
って下から引き出すことができる。ロック機構33は、搬送中に回転ディスクダイアフラ
ム5を固定する。他の実施形態において、回転ディスクダイアフラム5は、両側から取り
付けることができるように、対照的に成形されていてもよい。加えて、供給装置28は、
二重把持部として、つまり、2つの回転ディスクダイアフラム5を収容するための2つの
レセプタクルを備えるように設計されていてもよい(図示せず)。それにより、ダイアフ
ラムの交換に要する時間が実質的に短くなる。交換中、供給装置28は、回転ディスクダ
イアフラム5とともに投影対物レンズ1の投射光学系へと移動する。既に投射光学系に配
置され、交換される回転ディスクダイアフラム5は、第2の(空の)レセプタクルに置か
れる。新たな回転ディスクダイアフラム5は、リフト装置16a,16b,16cによっ
て運ばれる。それゆえ、ダイアフラムの交換中、供給装置28の投射光学系への移動が1
回少なくて済む。
【0042】
投影対物レンズ1に用いるダイアフラム装置7’の更なる実施形態は、
図12に図示さ
れている。ここでの大きな利点は、小さな取付空間しか必要としないにもかかわらず、ダ
イアフラム交換の機構が改善されたことである。図示されているように、投射光線34は
、板金ストリップ7cによって絞られる。板金ストリップ7cには、開口部35が設けら
れ、開口部35は、光学的要求に応じた最適な固定的幾何学形状を有している。板金スト
リップ7c上には、ダイアフラムとして更なる開口部35が隣接して形成されている。開
口部35の配列は、要件に応じたダイアフラム交換の適切な速度を確保するために変更可
能である。
【0043】
板金ストリップ7cは、2つのローラ36に巻かれている。これらは、板金ストリップ
7cが折り目を生じないように駆動され、張力がかけられている。2つの追加的な張力案
内ローラ37は、光線方向にダイアフラムが移動することを防止するために設けられてい
る。その結果、特に、ローラ36(巻かれた板金ストリップ7cを含む)の径の変化が、
板金ストリップ7cの傾いた位置によって顕著に影響されることはない。
【0044】
ダイアフラム開口部35の最適な位置は、板金ストリップ7cのエッジにあるマーキン
グ38を介して適切なセンサ(図示せず)を使用することで測定できる。しかしながら、
別の実施形態における他の方法も考えられる。
【0045】
図12のダイアフラム装置7’の前面図は、
図13に図示されている。
【0046】
図14に示すように、EUV投射露光装置40は、光源41と、パターンベアリングマ
スクが設けられた対象面4の領域を照射するEUV照明システムと、ハウジング1aと対
象面4のパターンベアリングマスクを感光性基板43に撮像する光線経路2(破線で示す
)とを有する投影対物レンズ1とを備える。投影対物レンズ1を絞るダイアフラム5は、
点線で示されている。