(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被加工体として、半導体装置基板、あるいは該半導体装置基板に金属膜、合金膜、金属炭化膜、金属酸化膜、金属窒化膜、金属酸化炭化膜、及び金属酸化窒化膜のいずれかが成膜されたものを用いることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
前記被加工体を構成する金属がケイ素、ガリウム、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウム、銅、アルミニウム、及び鉄のいずれか、あるいはこれらの合金であることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
従来、ポジ型フォトレジストでは、露光前のフォトレジスト膜の膜質と露光後のアルカリ現像で形成されたパターン(以後、「ポジ型パターン」と呼ぶ)の膜質は同じ膜質である。そこで、ポジ型パターンとレジスト下層膜との密着性を向上させるために、フォトレジストとレジスト下層膜の純水に対する接触角(以後、「接触角」と呼ぶ)を近似させることで、ポジ型パターンとレジスト下層膜との密着性向上やラフネスの低減に効果があった。
【0037】
しかしながら、ネガ現像で得られるパターン(以後、「ネガ型パターン」と呼ぶ)では、露光前のフォトレジスト膜と露光後のネガ型パターンの膜質を比較すると、ネガ型パターンは露光で発生した酸により酸不安定基が外れ、カルボキシル基やフェノール性水酸基等の親水性基の量が多くなることにより、接触角が露光前のフォトレジスト膜より親水性側、即ちより低い値に変化している。そのため、上述したネガ現像とポジ現像を両方用いるパターン形成方法において、露光前のフォトレジスト膜の接触角に接触角を合わせた従来のポジ型用のレジスト下層膜をそのまま使用したのでは、露光後のネガ型パターンとの接触角に乖離が生じ、ネガ型パターンの倒れやラフネスに影響が発生することが判明した。
【0038】
そこで本発明者らは、ポジ型パターンは未露光部のフォトレジスト膜であり、ネガ型パターンは露光部のフォトレジスト膜であることを利用して、露光前は未露光部のフォトレジスト膜と純水との接触角に近似した接触角を有し、露光部においては、露光後のフォトレジスト膜の接触角に近似した接触角を有することができれば、いずれのプロセスにおいても最適な表面状態をもつレジスト下層膜となることを見出した。そこで、露光部においてのみ接触角が低下するケイ素含有レジスト下層膜材料について鋭意検討したところ、酸不安定基で置換された水酸基又はカルボン酸基を有する有機基を含むケイ素含有表面改質剤を適切な比率でレジスト下層膜組成物に配合することにより、露光部においてのみ接触角の低下するケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0039】
すなわち、本発明のケイ素含有表面改質剤は、下記一般式(A)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(A)」ということもある)、及び下記一般式(C)で表される部分構造(以下、「部分構造(C)」ということもある)のいずれか1つ以上を含有することを特徴とする。
【化3】
(式中、R
1は酸不安定基(好ましくは、環式、非環式のアセタール又は3級アルキル基)で置換された水酸基又はカルボン酸基を有する有機基である。R
2、R
3はそれぞれ独立に、R
1と同じか、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。)
【0040】
ここで、本発明において有機基とは、炭素を含む基の意味であり、更に水素を含み、また窒素、酸素、硫黄、ケイ素、ハロゲン原子等を含んでもよい。
【0041】
また、本発明のケイ素含有表面改質剤は、さらに下記一般式(B)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(B)」ということもある)を含有していてもよい。
【化4】
(式中、R
1、R
2は上記と同様である。)
【0042】
本発明のケイ素含有表面改質剤を構成する繰り返し単位(A)、(B)、部分構造(C)中、R
1として示される酸不安定基で置換された水酸基又はカルボン酸基を有する有機基としては、下記式で表された構造を例示出来る。尚、下記式中において、(Si)はSiとの結合箇所を示すために記載した。
【0049】
本発明の表面改質剤を形成するための原料として使用される加水分解性モノマーとしては、上記構造をケイ素上に有し、他方加水分解性基として1個、2個又は3個の塩素、臭素、ヨウ素、アセトキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基等と、R
2、R
3として水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を含んでいるものを使用できる。
【0050】
さらに、以下に示すその他の加水分解性モノマーを含んでいてもよく、このような混合物を加水分解縮合することにより本発明のケイ素含有表面改質剤を製造出来る。
【0051】
その他の加水分解性モノマーとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリイソプロポキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリプロポキシシラン、sec−ブチルトリイソプロポキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリプロポキシシラン、t−ブチルトリイソプロポキシシラン、シクロプロピルトリメトキシシラン、シクロプロピルトリエトキシシラン、シクロプロピルトリプロポキシシラン、シクロプロピルトリイソプロポキシシラン、シクロブチルトリメトキシシラン、シクロブチルトリエトキシシラン、シクロブチルトリプロポキシシラン、シクロブチルトリイソプロポキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルトリプロポキシシラン、シクロヘキセニルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリプロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリイソプロポキシシラン、シクロオクチルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリエトキシシラン、シクロオクチルトリプロポキシシラン、シクロオクチルトリイソプロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリメトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリエトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリプロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリイソプロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリメトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリプロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリイソプロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリメトキシシラン、ビシクロヘプチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプチルトリプロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリイソプロポキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、アダマンチルトリプロポキシシラン、アダマンチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリプロポキシシラン、ベンジルトリイソプロポキシシラン、アニシルトリメトキシシラン、アニシルトリエトキシシラン、アニシルトリプロポキシシラン、アニシルトリイソプロポキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリプロポキシシラン、トリルトリイソプロポキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、フェネチルトリプロポキシシラン、フェネチルトリイソプロポキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリプロポキシシラン、ナフチルトリイソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルジイソプロポキシシラン、ジsec−ブチルジメトキシシラン、ジsec−ブチルジエトキシシラン、ジsec−ブチルジプロポキシシラン、ジsec−ブチルジイソプロポキシシラン、ジt−ブチルジメトキシシラン、ジt−ブチルジエトキシシラン、ジt−ブチルジプロポキシシラン、ジt−ブチルジイソプロポキシシラン、ジシクロプロピルジメトキシシラン、ジシクロプロピルジエトキシシラン、ジシクロプロピルジプロポキシシラン、ジシクロプロピルジイソプロポキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロブチルジエトキシシラン、ジシクロブチルジプロポキシシラン、ジシクロブチルジイソプロポキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルジメトキシシラン、ジシクロヘキセニルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニルジプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジメトキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジイソプロポキシシラン、ジシクロオクチルジメトキシシラン、ジシクロオクチルジエトキシシラン、ジシクロオクチルジプロポキシシラン、ジシクロオクチルジイソプロポキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジエトキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジプロポキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジイソプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジメトキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジエトキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジイソプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジメトキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジエトキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジイソプロポキシシラン、ジアダマンチルジメトキシシラン、ジアダマンチルジエトキシシラン、ジアダマンチルジプロポキシシラン、ジアダマンチルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルベンジルエトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン、ジメチルフェネチルエトキシシラン等を例示できる。
【0052】
上記その他の加水分解性モノマーとして好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、アニシルトリメトキシシラン、アニシルトリエトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン等を例示出来る。
【0053】
尚、上記R
2、R
3が炭素数1〜30の有機基である場合、該有機基の例として、炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基を挙げることができる。具体的には、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基からなる群から選択される1以上の基を有する有機基である。この例として次の一般式(1)で示されるものを挙げることができる。
【0054】
(P−Q
1−(S
1)
v1−Q
2−)
u−(T)
v2−Q
3−(S
2)
v3−Q
4− (1)
(上記式中、Pは水素原子、ヒドロキシル基、
【化11】
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、Q
1とQ
2とQ
3とQ
4は各々独立して−C
qH
(2q−p)P
p−(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数(但し、q=0は単結合であることを示す。)である。)、uは0〜3の整数であり、S
1とS
2は各々独立して−O−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−OCOO−を表す。v1、v2、v3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tはヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環からなる2価の基であり、Tの酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環の例を以下に示す。TにおいてQ
2とQ
3と結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。)
【0056】
上記一般式(1)で示される炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1以上有する有機基の好ましい例として、以下のものが挙げられる。尚、下記式中において、(Si)はSiとの結合箇所を示すために記載した。
【0060】
また、R
2、R
3の有機基の例として、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基を用いることもできる。具体的には下記のものを挙げることができる。
【0062】
〔ケイ素含有表面改質剤の合成方法〕
(合成方法1:酸触媒)
本発明のケイ素含有表面改質剤は、例えば上述の加水分解性モノマー1種又は2種以上の混合物を、酸触媒の存在下、加水分解縮合を行うことで製造することができる。
【0063】
このとき使用される酸触媒は、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸等の有機酸、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができる。触媒の使用量は、モノマー1モルに対して1×10
−6〜10モル、好ましくは1×10
−5〜5モル、より好ましくは1×10
−4〜1モルである。
【0064】
これらのモノマーから加水分解縮合によりケイ素含有表面改質剤を得るときの水の量は、モノマーに結合している加水分解性置換基1モル当たり0.01〜100モル、より好ましくは0.05〜50モル、更に好ましくは0.1〜30モルを添加することが好ましい。100モル以下であれば、反応に使用する装置が小さくなり経済的になる。
【0065】
操作方法として、触媒水溶液にモノマーを添加して加水分解縮合反応を開始させる。このとき、触媒水溶液に有機溶剤を加えてもよいし、モノマーを有機溶剤で希釈しておいてもよいし、両方行ってもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは5〜80℃である。モノマーの滴下時に5〜80℃に温度を保ち、その後20〜80℃で熟成させる方法が好ましい。
【0066】
触媒水溶液に加えることのできる、又はモノマーを希釈することのできる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル
、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクト
ン等及びこれらの混合物等が好ましい。
【0067】
これらの溶剤の中で好ましいものは水溶性のものである。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。この中で特に好ましいのは、沸点が100℃以下のものである。
【0068】
尚、有機溶剤の使用量は、モノマー1モルに対して0〜1,000ml、特に0〜500mlが好ましい。有機溶剤の使用量が少ない方が反応容器が小さくなり経済的である。
【0069】
その後、必要であれば触媒の中和反応を行い、反応混合物水溶液を得る。このとき、中和に使用することのできるアルカリ性物質の量は、触媒で使用された酸に対して0.1〜2当量が好ましい。このアルカリ性物質は水中でアルカリ性を示すものであれば、任意の物質でよい。
【0070】
続いて、反応混合物から加水分解縮合反応で生成したアルコール等の副生物を減圧除去等で取り除くことが好ましい。このとき反応混合物を加熱する温度は、添加した有機溶剤と反応で発生したアルコール等の種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき有機溶剤及びアルコール等の種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。この際除去されるアルコール量を正確に知ることは難しいが、生成したアルコール等のおよそ80質量%以上が除かれることが望ましい。
【0071】
次に、反応混合物から加水分解縮合に使用した酸触媒を除去してもよい。酸触媒を除去する方法として、水とケイ素含有表面改質剤を混合し、ケイ素含有表面改質剤を有機溶剤で抽出する。このとき使用する有機溶剤としては、ケイ素含有表面改質剤を溶解でき、水と混合させると2層分離するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル
、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンチルメチルエーテ
ル等及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0072】
更に、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物を使用することも可能である。例えばメタノール−酢酸エチル混合物、エタノール−酢酸エチル混合物、1−プロパノール−酢酸エチル混合物、2−プロパノール−酢酸エチル混合物、ブタンジオールモノメチルエーテル−酢酸エチル混合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル−酢酸エチル混合物、エチレングリコールモノメチルエーテル−酢酸エチル混合物、ブタンジオールモノエチルエーテル−酢酸エチル混合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル−酢酸エチル混合物、エチレングリコールモノエチルエーテル−酢酸エチル混合物、ブタンジオールモノプロピルエーテル−酢酸エチル混合物、プロピレングリコールモノプロピルエーテル−酢酸エチル混合物、エチレングリコールモノプロピルエーテル−酢酸エチル混合物、メタノール−メチルイソブチルケトン混合物、エタノール−メチルイソブチルケトン混合物、1−プロパノール−メチルイソブチルケトン混合物、2−プロパノール−メチルイソブチルケトン混合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、エチレングリコールモノメチルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、エチレングリコールモノエチルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、プロピレングリコールモノプロピルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、エチレングリコールモノプロピルエーテル−メチルイソブチルケトン混合物、メタノール−シクロペンチルメチルエーテル混合物、エタノール−シクロペンチルメチルエーテル混合物、1−プロパノール−シクロペンチルメチルエーテル混合物、2−プロパノール−シクロペンチルメチルエーテル混合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、エチレングリコールモノメチルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、エチレングリコールモノエチルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、プロピレングリコールモノプロピルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、エチレングリコールモノプロピルエーテル−シクロペンチルメチルエーテル混合物、メタノール−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、エタノール−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、1−プロパノール−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、2−プロパノール−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、エチレングリコールモノメチルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、エチレングリコールモノエチルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、プロピレングリコールモノプロピルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物、エチレングリコールモノプロピルエーテル−プロピレングリコールメチルエーテルアセテート混合物等が好ましいが、組み合わせはこれらに限定されることはない。
【0073】
尚、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤との混合割合は、適宜選定されるが、水難溶性有機溶剤100質量部に対して、水溶性有機溶剤0.1〜1,000質量部、好ましくは1〜500質量部、更に好ましくは2〜100質量部である。
【0074】
続いて、中性水で洗浄してもよい。この水は、通常脱イオン水や超純水と呼ばれているものを使用すればよい。この水の量は、ケイ素含有表面改質剤溶液1Lに対して、0.01〜100L、好ましくは0.05〜50L、より好ましくは0.1〜5Lである。この洗浄の方法は、両方を同一の容器にいれ掻き混ぜた後、静置して水層を分離すればよい。洗浄回数は、1回以上あればよいが、10回以上洗浄しても洗浄しただけの効果は得られないため、好ましくは1〜5回程度である。
【0075】
その他に酸触媒を除去する方法として、イオン交換樹脂による方法や、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキシ化合物で中和したのち除去する方法を挙げることができる。これらの方法は、反応に使用された酸触媒に合わせて適宜選択することができる。
【0076】
このときの水洗操作により、ケイ素含有表面改質剤の一部が水層に逃げ、実質的に分画操作と同等の効果が得られている場合があるため、水洗回数や洗浄水の量は触媒除去効果と分画効果を鑑みて適宜選択すればよい。
【0077】
酸触媒が残留しているケイ素含有表面改質剤及び酸触媒が除去されたケイ素含有表面改質剤溶液、いずれの場合においても、最終的な溶剤を加え、減圧で溶剤交換することで所望のケイ素含有表面改質剤溶液を得る。このときの溶剤交換の温度は、除去すべき反応溶剤や抽出溶剤の種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき抽出溶剤の種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。
【0078】
このとき、溶剤が変わることによりケイ素含有表面改質剤が不安定になる場合がある。これは最終的な溶剤とケイ素含有表面改質剤との相性により発生するが、これを防止するため、安定剤として、特開2009−126940号公報(0181)〜(0182)段落に記載されている環状エーテルを置換基として有する1価又は2価以上のアルコールを加えてもよい。加える量としては溶剤交換前の溶液中のケイ素含有表面改質剤100質量部に対して0〜25質量部、好ましくは0〜15質量部、より好ましくは0〜5質量部であるが、添加する場合は0.5質量部以上が好ましい。溶剤交換前の溶液に必要であれば、環状エーテルを置換基として有する1価又は2価以上のアルコールを添加して溶剤交換操作を行えばよい。
【0079】
ケイ素含有表面改質剤は、ある濃度以上に濃縮すると更に縮合反応が進行し、有機溶剤に対して再溶解不可能な状態に変化してしまう恐れがあるため、適度な濃度の溶液状態にしておくことが好ましい。また、あまり薄すぎると、溶剤の量が過大となるため、適度な濃度の溶液状態にしておくことが経済的で好ましい。このときの濃度としては、0.1〜20質量%が好ましい。
【0080】
ケイ素含有表面改質剤溶液に加える最終的な溶剤として好ましいものはアルコール系溶剤であり、特に好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等のモノアルキルエーテル誘導体である。具体的には、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等が好ましい。
【0081】
これらの溶剤が主成分であれば、補助溶剤として、非アルコール系溶剤を添加する事も可能である。この補助溶剤としては、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンチルメチルエーテル等を例示できる。
【0082】
また、酸触媒を用いた別の反応操作としては、モノマー又はモノマーの有機溶液に、水又は含水有機溶剤を添加し、加水分解反応を開始させる。このとき触媒はモノマー又はモノマーの有機溶液に添加してもよいし、水又は含水有機溶剤に添加しておいてもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後20〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
【0083】
有機溶剤を使用する場合は、水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体及びこれらの混合物等を挙げることができる。
【0084】
有機溶剤の使用量は、モノマー1モルに対して0〜1,000ml、特に0〜500mlが好ましい。有機溶剤の使用量が少ない方が反応容器が小さくなり経済的である。得られた反応混合物の後処理は、前記の方法と同様で後処理し、ケイ素含有表面改質剤を得ることができる。
【0085】
(合成方法2:アルカリ触媒)
また、ケイ素含有表面改質剤は、例えば上述の加水分解性モノマー1種又は2種以上の混合物を、アルカリ触媒の存在下、加水分解縮合を行うことで製造することもできる。
【0086】
このとき使用されるアルカリ触媒は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリンハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。触媒の使用量は、ケイ素モノマー1モルに対して1×10
−6モル〜10モル、好ましくは1×10
−5モル〜5モル、より好ましくは1×10
−4モル〜1モルである。
【0087】
上記のモノマーから加水分解縮合によりケイ素含有表面改質剤を得るときの水の量は、モノマーに結合している加水分解性置換基1モル当たり0.1〜50モルを添加することが好ましい。50モル以下であれば、反応に使用する装置が小さくなり経済的になる。
【0088】
操作方法として、触媒水溶液にモノマーを添加して加水分解縮合反応を開始させる。このとき、触媒水溶液に有機溶媒を加えてもよいし、モノマーを有機溶媒で希釈しておいてもよいし、両方行っても良い。反応温度は0〜100℃、好ましくは5〜80℃である。モノマーの滴下時に5〜80℃に温度を保ち、その後20〜80℃で熟成させる方法が好ましい。
【0089】
アルカリ触媒水溶液に加えることのできる、又はモノマーを希釈することのできる有機溶媒としては、酸触媒水溶液に加えることのできるものとして例示した有機溶剤と同様のものが好ましく用いられる。尚、有機溶媒の使用量は、経済的に反応を行えるため、モノマー1モルに対して0〜1,000mlが好ましい。
【0090】
その後、必要であれば触媒の中和反応を行い、反応混合物水溶液を得る。このとき、中和に使用することのできる酸性物質の量は、触媒で使用されたアルカリ性物質に対して0.1〜2当量が好ましい。この酸性物質は水中で酸性を示すものであれば、任意の物質でよい。
【0091】
続いて、反応混合物から加水分解縮合反応で生成したアルコール等の副生物を減圧除去等で取り除くことが好ましい。このとき反応混合物を加熱する温度は、添加した有機溶媒と反応で発生したアルコールの種類に依るが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき有機溶剤及びアルコールの種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。この際除去されるアルコール量を正確に知ることは難しいが、生成したアルコールのおよそ80質量%以上が除かれることが望ましい。
【0092】
次に加水分解縮合に使用したアルカリ触媒を除去するため、ケイ素含有表面改質剤を有機溶剤で抽出する。このとき使用する有機溶剤としては、ケイ素含有表面改質剤を溶解でき、水と混合させると2層分離するものが好ましい。更に、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物を使用することも可能である。
【0093】
アルカリ触媒を除去する際に用いられる有機溶剤の具体例は、酸触媒を除去する際に用いられるものとして具体的に例示した上述の有機溶剤や、水溶性有機溶剤と水難性有機溶剤の混合物と同様のものを用いることができる。
【0094】
尚、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤との混合割合は、適宜選定されるが、難溶性有機溶剤100質量部に対して、水溶性有機溶剤0.1〜1,000質量部、好ましくは1〜500質量部、更に好ましくは2〜100質量部である。
【0095】
続いて、中性水で洗浄する。この水は、通常脱イオン水や超純水と呼ばれているものを使用すればよい。この水の量は、ケイ素含有表面改質剤溶液1Lに対して、0.01〜100L、好ましくは0.05〜50L、より好ましくは0.1〜5Lである。この洗浄の方法は、両方を同一の容器にいれ掻き混ぜた後、静置して水層を分離すればよい。洗浄回数は、1回以上あればよいが、10回以上洗浄しても洗浄しただけの効果は得られないため、好ましくは1〜5回程度である。
【0096】
洗浄済みのケイ素含有表面改質剤溶液に最終的な溶媒を加え、減圧で溶媒交換することで所望のケイ素含有表面改質剤溶液を得る。このときの溶媒交換の温度は、除去すべき抽出溶剤の種類に依るが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき抽出溶剤の種類、排気装置、凝縮装置及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。
【0097】
ケイ素含有表面改質剤溶液に加える最終的な溶媒として好ましいものはアルコール系溶媒であり、特に好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のモノアルキルエーテルである。具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等が好ましい。
【0098】
また、アルカリ触媒を用いた別の反応操作としては、モノマー又はモノマーの有機溶液に、水又は含水有機溶媒を添加し、加水分解反応を開始させる。このとき触媒はモノマー又はモノマーの有機溶液に添加しても良いし、水又は含水有機溶媒に添加しておいてもよい。反応温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後20〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。
【0099】
モノマーの有機溶液又は含水有機溶媒として使用できる有機溶媒としては、水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト等の多価アルコール縮合物誘導体及びこれらの混合物等を挙げることができる。
【0100】
上記合成方法1又は2により得られるケイ素含有表面改質剤の分子量は、モノマーの選択だけでなく、重合時の反応条件制御により調整することができるが、100,000以下、より好ましくは200〜50,000、更には300〜30,000のものを用いることが好ましい。重量平均分子量が100,000以下であれば、異物の発生や塗布斑が生じることもない。
【0101】
尚、上記重量平均分子量に関するデータは、検出器としてRI、溶離溶剤としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算で分子量を表したものである。
【0102】
また本発明では、このような本発明のケイ素含有表面改質剤と、ポリシロキサン化合物を含有するケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を提供する。
ケイ素含有表面改質剤の配合量は、ベースポリマーであるポリシロキサン化合物100に対して、質量比で0.01〜50、好ましくは0.1〜10である。
【0103】
本発明のケイ素含有表面改質剤を用いて製造されるレジスト下層膜組成物に含まれるポリシロキサン化合物としては、例えば前記その他の加水分解性モノマーを前記の酸又はアルカリ触媒を用いた条件で製造することが出来る。
【0104】
さらに、このモノマーと下記一般式(2)で示される加水分解性金属化合物の混合物を前記の酸又はアルカリ触媒を用いた条件で製造したポリシロキサン誘導体をレジスト下層膜組成物の成分として用いることが出来る。
U(OR
7)
m7(OR
8)
m8 (2)
(式中、R
7、R
8は炭素数1〜30の有機基であり、m7+m8はUの種類により決まる価数と同数であり、m7、m8は0以上の整数、Uは周期律表のIII族、IV族、又はV族の元素で炭素及びケイ素を除くものである。)
【0105】
このとき使用される加水分解性金属化合物(2)として、以下のものを例示出来る。Uがホウ素の場合、上記一般式(2)で示される化合物として、ボロンメトキシド、ボロンエトキシド、ボロンプロポキシド、ボロンブトキシド、ボロンアミロキシド、ボロンヘキシロキシド、ボロンシクロペントキシド、ボロンシクロヘキシロキシド、ボロンアリロキシド、ボロンフェノキシド、ボロンメトキシエトキシド、ホウ酸、酸化ホウ素等をモノマーとして例示出来る。
【0106】
Uがアルミニウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムアミロキシド、アルミニウムヘキシロキシド、アルミニウムシクロペントキシド、アルミニウムシクロヘキシロキシド、アルミニウムアリロキシド、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムメトキシエトキシド、アルミニウムエトキシエトキシド、アルミニウムジプロポキシエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウムブトキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウム2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0107】
Uがガリウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、ガリウムメトキシド、ガリウムエトキシド、ガリウムプロポキシド、ガリウムブトキシド、ガリウムアミロキシド、ガリウムヘキシロキシド、ガリウムシクロペントキシド、ガリウムシクロヘキシロキシド、ガリウムアリロキシド、ガリウムフェノキシド、ガリウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシエトキシド、ガリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、ガリウムジブトキシエチルアセトアセテート、ガリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、ガリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、ガリウム2,4−ペンタンジオネート、ガリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0108】
Uがイットリウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、イットリウムメトキシド、イットリウムエトキシド、イットリウムプロポキシド、イットリウムブトキシド、イットリウムアミロキシド、イットリウムヘキシロキシド、イットリウムシクロペントキシド、イットリウムシクロヘキシロキシド、イットリウムアリロキシド、イットリウムフェノキシド、イットリウムメトキシエトキシド、イットリウムエトキシエトキシド、イットリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、イットリウムジブトキシエチルアセトアセテート、イットリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、イットリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、イットリウム2,4−ペンタンジオネート、イットリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0109】
Uがゲルマニウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムプロポキシド、ゲルマニウムブトキシド、ゲルマニウムアミロキシド、ゲルマニウムヘキシロキシド、ゲルマニウムシクロペントキシド、ゲルマニウムシクロヘキシロキシド、ゲルマニウムアリロキシド、ゲルマニウムフェノキシド、ゲルマニウムメトキシエトキシド、ゲルマニウムエトキシエトキシド等をモノマーとして例示出来る。
【0110】
Uがチタンの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシド、チタンアミロキシド、チタンヘキシロキシド、チタンシクロペントキシド、チタンシクロヘキシロキシド、チタンアリロキシド、チタンフェノキシド、チタンメトキシエトキシド、チタンエトキシエトキシド、チタンジプロポキシビスエチルアセトアセテート、チタンジブトキシビスエチルアセトアセテート、チタンジプロポキシビス2,4−ペンタンジオネート、チタンジブトキシビス2,4−ペンタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0111】
Uがハフニウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、ハフニウムメトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムプロポキシド、ハフニウムブトキシド、ハフニウムアミロキシド、ハフニウムヘキシロキシド、ハフニウムシクロペントキシド、ハフニウムシクロヘキシロキシド、ハフニウムアリロキシド、ハフニウムフェノキシド、ハフニウムメトキシエトキシド、ハフニウムエトキシエトキシド、ハフニウムジプロポキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジブトキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジプロポキシビス2,4−ペンタンジオネート、ハフニウムジブトキシビス2,4−ペンタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0112】
Uがスズの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシスズ、エトキシスズ、プロポキシスズ、ブトキシスズ、フェノキシスズ、メトキシエトキシスズ、エトキシエトキシスズ、スズ2,4−ペンタンジオネート、スズ2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート等をモノマーとして例示出来る。
【0113】
Uがヒ素の場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシヒ素、エトキシヒ素、プロポキシヒ素、ブトキシヒ素、フェノキシヒ素等をモノマーとして例示出来る。
【0114】
Uがアンチモンの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシアンチモン、エトキシアンチモン、プロポキシアンチモン、ブトキシアンチモン、フェノキシアンチモン、酢酸アンチモン、プロピオン酸アンチモン等をモノマーとして例示出来る。
【0115】
Uがニオブの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシニオブ、エトキシニオブ、プロポキシニオブ、ブトキシニオブ、フェノキシニオブ等をモノマーとして例示出来る。
【0116】
Uがタンタルの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシタンタル、エトキシタンタル、プロポキシタンタル、ブトキシタンタル、フェノキシタンタル等をモノマーとして例示出来る。
【0117】
Uがビスマスの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシビスマス、エトキシビスマス、プロポキシビスマス、ブトキシビスマス、フェノキシビスマス等をモノマーとして例示出来る。
【0118】
Uがリンの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト、トリプロピルフォスフェイト、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリプロピルフォスファイト、五酸化ニリン等をモノマーとして例示出来る。
【0119】
Uがバナジウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、バナジウムオキシドビス(2、4−ペンタンジオネート)、バナジウム2、4−ペンタンジオネート、バナジウムトリブトキシドオキシド、バナジウムトリプロポキシドオキシド等をモノマーとして例示出来る。
【0120】
Uがジルコニウムの場合、上記一般式(2)で示される化合物として、メトキシジルコニウム、エトキシジルコニウム、プロポキシジルコニウム、ブトキシジルコニウム、フェノキシジルコニウム、ジルコニウムジブトキシドビス(2、4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジプロポキシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)等をモノマーとして例示出来る。
【0121】
ポリシロキサン化合物としては、前記ポリシロキサン化合物中の成分として、4官能加水分解性モノマー由来成分がポリシロキサン中70モル%以上であるものがより好ましい。
【0122】
〔その他の成分〕
(熱架橋促進剤)
本発明においては、熱架橋促進剤をケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物に配合してもよい。配合可能な熱架橋促進剤として、下記一般式(3)又は(4)で示される化合物を挙げることができる。具体的には、特許文献6に記載されている材料を添加することができる。
L
aH
bX (3)
(式中、Lはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムのいずれか、Xは水酸基、又は炭素数1〜30の1価又は2価以上の有機酸基であり、aは1以上の整数、bは0又は1以上の整数で、a+bは水酸基又は有機酸基の価数である。)
MY (4)
(式中、Mはスルホニウム、ヨードニウム、及びアンモニウムのいずれかであり、Yは非求核性対向イオンである。)
【0123】
尚、上記熱架橋促進剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱架橋促進剤の添加量は、ベースポリマーであるポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.1〜40質量部である。
【0124】
(有機酸)
本発明のケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物の安定性を向上させるため、炭素数が1〜30の1価又は2価以上の有機酸を添加することが好ましい。このとき添加する酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クエン酸等を例示することができる。特にシュウ酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸等が好ましい。また、安定性を保つため、2種以上の酸を混合して使用してもよい。添加量は組成物に含まれるケイ素100質量部に対して0.001〜25質量部、好ましくは0.01〜15質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
【0125】
あるいは、上記有機酸を組成物のpHに換算して、好ましくは0≦pH≦7、より好ましくは0.3≦pH≦6.5、更に好ましくは0.5≦pH≦6となるように配合することがよい。
【0126】
(水)
本発明では組成物に水を添加してもよい。水を添加すると、組成物中のポリシロキサン化合物が水和されるため、リソグラフィー性能が向上する。組成物の溶剤成分における水の含有率は0質量%を超え50質量%未満であり、特に好ましくは0.3〜30質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。それぞれの成分は、添加量が多すぎると、ケイ素含有レジスト下層膜の均一性が悪くなり、最悪の場合はじきが発生してしまう恐れがある。一方、添加量が少ないとリソグラフィー性能が低下する恐れがある。
【0127】
水を含む全溶剤の使用量は、ベースポリマーであるポリシロキサン化合物100質量部に対して100〜100,000質量部、特に200〜50,000質量部が好適である。
【0128】
(光酸発生剤)
本発明では組成物に光酸発生剤を添加してもよい。本発明で使用される光酸発生剤として、具体的には、特開2009−126940号公報(0160)〜(0179)段落に記載されている材料を添加することができる。
【0129】
(安定剤)
更に、本発明では組成物に安定剤を添加することができる。安定剤として環状エーテルを置換基として有する1価又は2価以上のアルコールを添加することができる。特に特開2009−126940号公報(0181)〜(0182)段落に記載されている安定剤を添加するとケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物の安定性を向上させることができる。
【0130】
(界面活性剤)
更に、本発明では必要に応じて組成物に界面活性剤を配合することが可能である。このようなものとして、具体的には、特開2009−126940号公報(0185)段落に記載されている材料を添加することができる。
【0131】
(その他成分)
更に、本発明では必要に応じて組成物に沸点が180度以上の高沸点溶剤を添加する事も可能である。この高沸点溶剤としては、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、酢酸n−ノニル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジアセトキシエタン、1−アセトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジアセトキシプロパン、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等を例示できる。
【0132】
沸点が180度以上の高沸点溶剤を含有することにより、上層レジストパターンとの密着性が良好なレジスト下層膜を形成することができる。
【0133】
〔ネガ型パターン形成方法〕
(ネガ型パターン形成方法1)
本発明では、被加工体上に塗布型有機下層膜材料を用いて有機下層膜を形成し、該有機下層膜の上に前記ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜を形成し、該ケイ素含有レジスト下層膜上に化学増幅型レジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で前記フォトレジスト膜を露光し、有機溶剤の現像液を用いて前記フォトレジスト膜の未露光部を溶解させることによりネガ型パターンを形成し、該ネガ型パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記ケイ素含有レジスト下層膜にドライエッチングでパターン転写し、該パターンが転写されたケイ素含有レジスト下層膜をマスクにして前記有機下層膜をドライエッチングでパターン転写し、さらに該パターンが転写された有機下層膜をマスクにして前記被加工体にドライエッチングでパターンを転写することを特徴とするパターン形成方法を提供する(所謂「多層レジスト法」)。
【0134】
(ネガ型パターン形成方法2)
また、本発明では、被加工体上に炭素を主成分とする有機ハードマスクをCVD法で形成し、該有機ハードマスクの上に前記ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜を形成し、該ケイ素含有レジスト下層膜上に化学増幅型レジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で前記フォトレジスト膜を露光し、有機溶剤の現像液を用いて前記フォトレジスト膜の未露光部を溶解させることによりネガ型パターンを形成し、該ネガ型パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記ケイ素含有レジスト下層膜にドライエッチングでパターン転写し、該パターンが転写されたケイ素含有レジスト下層膜をマスクにして前記有機ハードマスクをドライエッチングでパターン転写し、さらに該パターンが転写された前記有機ハードマスクをマスクにして被加工体にドライエッチングでパターンを転写することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0135】
本発明のレジスト下層膜を使用してネガ型パターンを形成すると、上記のように、CVD膜や有機下層膜の組み合わせを最適化することで、サイズ変換差を生じさせることなくフォトレジストで形成されたパターンを基板上に形成できる。
【0136】
さらに、前記フォトレジスト膜の露光において、前記露光されたフォトレジスト膜の露光部に対応する前記ケイ素含有レジスト下層膜の部分の露光後の接触角が、露光前と比較して10度以上低下することが好ましい。
【0137】
ケイ素含有レジスト下層膜の露光部の接触角が露光前に比べて10度以上低下すると、ネガ現像後のレジストパターンとの接触角の差が小さくなり、密着性が向上しパターン倒れが防止され、微細なパターンを形成することができる。
【0138】
本発明のパターンの形成方法に使用されるケイ素含有レジスト下層膜は、本発明のケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物からフォトレジスト膜と同様にスピンコート法等で被加工体上に作製することが可能である。スピンコート後、溶剤を蒸発させ、フォトレジスト膜とのミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークをすることが望ましい。ベーク温度は50〜500℃の範囲内で、ベーク時間は10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。特に好ましい温度範囲は、製造されるデバイスの構造にもよるが、デバイスへの熱ダメージを少なくするため、400℃以下が好ましい。
【0139】
ここで、被加工体は、半導体装置基板、又は、半導体装置基板に被加工層(被加工部分)として、金属膜、合金膜、金属炭化膜、金属酸化膜、金属窒化膜、金属酸化炭化膜、及び金属酸化窒化膜のいずれかが成膜されたもの等を用いることができる。
【0140】
半導体装置基板としては、シリコン基板が一般的に用いられるが、特に限定されるものではなく、Si、アモルファスシリコン(α−Si)、p−Si、SiO
2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工層と異なる材質のものが用いられてもよい。
【0141】
被加工体を構成する金属としては、ケイ素、ガリウム、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウム、銅、アルミニウム、及び鉄のいずれか、あるいはこれらの合金であるものを用いることができる。このような金属を含む被加工層としては、例えば、Si、SiO
2、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、WSi、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等及び種々の低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が用いられ、通常50〜10,000nm、特に100〜5,000nmの厚さに形成し得る。
【0142】
本発明のネガ型パターン形成方法において、フォトレジスト膜は、化学増幅型であり、有機溶剤の現像液を用いた現像によりネガ型のパターンを形成できるものであれば、特に限定されない。
【0143】
例えば、本発明における露光工程を、ArFエキシマレーザー光による露光プロセスとする場合、フォトレジスト膜としては、通常のArFエキシマレーザー光用レジスト組成物をいずれも使用可能である。
【0144】
このようなArFエキシマレーザー光用レジスト組成物は多数の候補がすでに公知であり、すでに公知の樹脂を大別すると、ポリ(メタ)アクリル系、COMA(Cyclo Olefin Maleic Anhydride)系、COMA−(メタ)アクリルハイブリッド系、ROMP(Ring Opening Methathesis Polymerization)系、ポリノルボルネン系等があるが、このうち、ポリ(メタ)アクリル系樹脂を使用したレジスト組成物は、側鎖に脂環式骨格を導入することでエッチング耐性を確保しているため、解像性能は、他の樹脂系に比較して優れる。
【0145】
ネガ型パターン形成方法では、ケイ素含有レジスト下層膜を形成した後、その上にフォトレジスト組成物溶液を用いてフォトレジスト膜を形成するが、ケイ素含有レジスト下層膜と同様にスピンコート法が好ましく用いられる。フォトレジスト組成物をスピンコート後、プリベークを行うが、温度は80〜180℃の範囲で、時間は10〜300秒の範囲が好ましい。その後露光を行い、有機溶剤現像を行い、ネガ型のレジストパターンを得る。また、露光後にポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行うことが好ましい。
【0146】
当該有機溶剤の現像液としては、2−オクタノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ブテニル、酢酸イソアミル、酢酸フェニル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸アミル、乳酸イソアミル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル
、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸−2−フェニルエチルから選ばれる1種以上を成分として含む現像液等を使用することができ、現像液成分1種又は2種以上の合計が、50質量%以上である現像液を使用することが、パターン倒れ改善等の観点から好ましい。
【0147】
本発明のパターン形成方法において、ケイ素含有レジスト下層膜をエッチングする場合、フロン系ガス等のフッ素を含有したガスを主成分としたガスを使ってエッチングを行う。フォトレジスト膜の膜減りを小さくするため、ケイ素含有レジスト下層膜は前記ガスに対するエッチング速度が速いことが好ましい。
【0148】
このような多層レジスト法において、ケイ素含有レジスト下層膜と被加工体との間に有機下層膜を設けて、有機下層膜を被加工体のエッチングマスクとする場合には、有機下層膜は芳香族骨格を有する有機膜であることが好ましいが、有機下層膜が犠牲膜である場合等は、ケイ素含量が15質量%以下のものであればケイ素含有有機下層膜であってもよい。
【0149】
このような有機下層膜としては、既に3層レジスト法用、あるいはシリコンレジスト組成物を使用した2層レジスト法用の下層膜として公知のもの、特開2005−128509号公報記載の4,4’−(9−フルオレニリデン)ビスフェノールノボラック樹脂(分子量11,000)の他、ノボラック樹脂をはじめとする多数の樹脂であって、2層レジスト法や3層レジスト法のレジスト下層膜材料として公知のもの等を使用することができる。また、通常のノボラックよりも耐熱性を上げたい場合には、6,6’−(9−フルオレニリデン)−ジ(2−ナフトール)ノボラック樹脂のような多環式骨格を入れることもでき、更にポリイミド系樹脂を選択することもできる(例えば、特開2004−153125号公報)。
【0150】
上記有機下層膜は、組成物溶液を用い、フォトレジスト組成物と同様にスピンコート法等で被加工体上に形成することが可能である。スピンコート法等で有機下層膜を形成した後、有機溶剤を蒸発させるためベークをすることが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、ベーク時間は10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。
【0151】
尚、特に限定されるものではなく、エッチング加工条件により異なるが、有機下層膜の厚さは5nm以上、特に20nm以上であり、50,000nm以下であることが好ましく、本発明に係るケイ素含有レジスト下層膜の厚さは1nm以上500nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下である。また、フォトレジスト膜の厚さは1nm以上200nm以下であることが好ましい。
【0152】
〔3層レジスト法による本発明のパターン形成方法〕
以上のような3層レジスト法による本発明のネガ型パターン形成方法は次の通りである(
図1参照)。このプロセスにおいては、まず被加工体1上に有機下層膜2をスピンコートで作製する(
図1(I−A))。この有機下層膜2は、被加工体1をエッチングするときのマスクとして作用するので、エッチング耐性が高いことが望ましく、上層のケイ素含有レジスト下層膜とミキシングしないことが求められるため、スピンコートで形成した後に熱あるいは酸によって架橋することが望ましい。
【0153】
その上に本発明のケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜3をスピンコート法で成膜し(
図1(I−B))、その上にフォトレジスト膜4をスピンコート法で成膜する(
図1(I−C))。尚、ケイ素含有レジスト下層膜3は、フォトレジスト膜4が露光された時に、該露光部に対応する前記ケイ素含有レジスト下層膜3の露光後の純水に対する接触角が40度以上70度未満となる組成物を用いて形成することができる。
【0154】
フォトレジスト膜4は、定法に従い、マスク5を用いて、フォトレジスト膜4に応じた光源P、例えばKrFエキシマレーザー光や、ArFエキシマレーザー光、F
2レーザー光、あるいはEUV光を用いたパターン露光により、好ましくは、波長が10nm以上300nm以下の光リソグラフィー、電子線による直接描画、及びナノインプリンティングのいずれか、あるいはこれらの組み合わせによりパターン形成し(
図1(I−D))、個々のフォトレジスト膜に合わせた条件による加熱処理の後(
図1(I−E))、有機現像液による現像操作(ネガ現像)、その後必要に応じてリンスを行うことで、ネガ型のレジストパターン4aを得ることができる(
図1(I−F))。
【0155】
次に、このネガ型レジストパターン4aをエッチングマスクとして、フォトレジスト膜に対し、ケイ素含有レジスト下層膜3のエッチング速度が優位に高いドライエッチング条件、例えばフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングでのエッチングを行う。結果としてレジスト膜のサイドエッチングによるパターン変化の影響を殆ど受けずに、ネガ型のケイ素含有レジスト下層膜パターン3aを得ることができる(
図1(I−G))。
【0156】
次に、上記で得たネガ型レジストパターン4aが転写されたネガ型ケイ素含有レジスト下層膜パターン3aを持つ基板に対し、有機下層膜2のエッチング速度が優位に高いドライエッチング条件、例えば酸素を含有するガスプラズマによる反応性ドライエッチングや、水素−窒素を含有するガスプラズマによる反応性ドライエッチングを行い、有機下層膜2をエッチング加工する。このエッチング工程によりネガ型の有機下層膜パターン2aが得られるが、同時に最上層のフォトレジスト膜は、通常失われる(
図1(I−H))。更に、ここで得られたネガ型有機下層膜パターン2aをエッチングマスクとして、被加工体1のドライエッチング、例えば、フッ素系ドライエッチングや塩素系ドライエッチングを使用することで、被加工体1を精度よくエッチング加工し、被加工体1にネガ型パターン1aを転写することができる(
図1(I−I))。
【0157】
尚、上記の3層レジスト法によるプロセスにおいて、有機下層膜2の代わりにCVD法で形成された有機ハードマスクを適用することも可能である。その場合も、上記と同様の手順で被加工体1の加工が可能である。
【0158】
〔ポジ型パターン形成方法〕
(ポジ型パターン形成方法1)
また、本発明では、被加工体上に塗布型有機下層膜材料を用いて有機下層膜を形成し、該有機下層膜の上に前記ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜を形成し、該ケイ素含有レジスト下層膜上に化学増幅型レジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で前記フォトレジスト膜を露光し、アルカリ現像液を用いて前記フォトレジスト膜の露光部を溶解させることによりポジ型パターンを形成し、該ポジ型パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記ケイ素含有レジスト下層膜にドライエッチングでパターン転写し、該パターンが転写された前記ケイ素含有レジスト下層膜をマスクにして前記有機下層膜をドライエッチングでパターン転写し、さらに該パターンが転写された有機下層膜をマスクにして前記被加工体にドライエッチングでパターンを転写することを特徴とするパターン形成方法を提供することができる。
【0159】
(ポジ型パターン形成方法2)
また、本発明では、被加工体上に炭素を主成分とする有機ハードマスクをCVD法で形成し、該有機ハードマスクの上に上記ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜を形成し、該ケイ素含有レジスト下層膜上に化学増幅型レジスト組成物を用いてフォトレジスト膜を形成し、加熱処理後に高エネルギー線で前記フォトレジスト膜を露光し、アルカリ現像液を用いて前記フォトレジスト膜の露光部を溶解させることによりポジ型パターンを形成し、該ポジ型パターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして前記ケイ素含有レジスト下層膜にドライエッチングでパターン転写し、該パターンが転写されたケイ素含有レジスト下層膜をマスクにして前記有機ハードマスクをドライエッチングでパターン転写し、さらに該パターンが転写された有機ハードマスクをマスクにして前記被加工体にドライエッチングでパターンを転写することを特徴とするパターン形成方法を提供することができる。
【0160】
本発明のレジスト下層膜を使用してポジ現像でパターンを形成すると、上記のように、CVD膜や有機下層膜の組み合わせを最適化することで、サイズ変換差を生じさせることなくフォトレジストで形成されたパターンを基板上に形成できる。
【0161】
また、前記フォトレジスト膜を形成する前のケイ素含有レジスト下層膜の純水に対する接触角と、前記露光後のフォトレジスト膜の未露光部に対応する前記ケイ素含有レジスト下層膜の純水に対する接触角との差が、10度以下であることが好ましい。このように接触角の差が10度以下であれば、フォトレジスト膜の未露光部と、これに対応するケイ素含有レジスト下層膜の部分との接触角の差も10度以下とすることができ、ポジ現像において密着性が良好であるため、微細なパターンを形成することができる。
【0162】
本発明のポジ型パターン形成方法において、フォトレジスト膜は、化学増幅型であり、アルカリの現像液を用いた現像によりポジ型のパターンを形成できるものであれば、特に限定されない。その他の成膜方法、被加工体、有機下層膜、有機ハードマスクについてはネガ型パターン形成方法で説明したものと同様とすることができる。
【0163】
ポジ型パターン形成方法では、フォトレジスト膜形成、加熱処理後に、露光を行い、アルカリ現像液を用いてアルカリ現像を行い、ポジ型のレジストパターンを得る。また、露光後にポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行うことが好ましい。
【0164】
当該アルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等を使用することができる。
【0165】
〔3層レジスト法による本発明のパターン形成方法〕
3層レジスト法による本発明のポジ型パターン形成方法は次の通りである(
図1参照)。このプロセスにおいては、まず被加工体1上に有機下層膜2をスピンコートで作製する(
図1(II−A))。この有機下層膜2は、被加工体1をエッチングするときのマスクとして作用するので、エッチング耐性が高いことが望ましく、上層のケイ素含有レジスト下層膜とミキシングしないことが求められるため、スピンコートで形成した後に熱あるいは酸によって架橋することが望ましい。
【0166】
その上に本発明のケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物を用いてケイ素含有レジスト下層膜3をスピンコート法で成膜し(
図1(II−B))、フォトレジスト膜4をスピンコート法で成膜する(
図1(II−C))。尚、ケイ素含有レジスト下層膜3は、フォトレジスト膜4が露光された時に、該露光部に対応する前記ケイ素含有レジスト下層膜3の露光後の純水に対する接触角が40度以上70度未満となる組成物を用いて形成することができる。
【0167】
フォトレジスト膜4は、定法に従い、マスク5を用いて、フォトレジスト膜4に応じた光源P、例えばKrFエキシマレーザー光や、ArFエキシマレーザー光、F
2レーザー光、あるいはEUV光を用いたパターン露光により、好ましくは、波長が10nm以上300nm以下の光リソグラフィー、電子線による直接描画、及びナノインプリンティングのいずれか、あるいはこれらの組み合わせによりパターン形成し(
図1(II−D))、個々のフォトレジスト膜に合わせた条件による加熱処理の後(
図1(II−E))、アルカリ現像液による現像操作、その後必要に応じてリンスを行うことで、ポジ型のレジストパターン4bを得ることができる(
図1(II−F))。
【0168】
次に、このレジストパターン4bをエッチングマスクとして、フォトレジスト膜に対し、ケイ素含有レジスト下層膜3のエッチング速度が優位に高いドライエッチング条件、例えばフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングでのエッチングを行う。結果としてレジスト膜のサイドエッチングによるパターン変化の影響を殆ど受けずに、ポジ型のケイ素含有レジスト下層膜パターン3bを得ることができる(
図1(II−G))。
【0169】
次に、上記で得たポジ型レジストパターンが転写されたポジ型ケイ素含有レジスト下層膜パターン3bを持つ基板に対し、有機下層膜2のエッチング速度が優位に高いドライエッチング条件、例えば酸素を含有するガスプラズマによる反応性ドライエッチングや、水素−窒素を含有するガスプラズマによる反応性ドライエッチングを行い、有機下層膜2をエッチング加工する。このエッチング工程によりポジ型の有機下層膜パターン2bが得られるが、同時に最上層のフォトレジスト膜は、通常失われる(
図1(II−H))。更に、ここで得られたポジ型有機下層膜パターン2bをエッチングマスクとして、被加工体1のドライエッチング、例えば、フッ素系ドライエッチングや塩素系ドライエッチングを使用することで、被加工体を精度よくエッチング加工し、被加工体1にポジ型パターン1bを転写することができる(
図1(II−I))。
【0170】
尚、上記の3層レジスト法によるプロセスにおいて、有機下層膜2の代わりにCVD法で形成された有機ハードマスクを適用することも可能である。その場合も、上記と同様の手順で被加工体1の加工が可能である。
【実施例】
【0171】
以下、合成例及び実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。尚、下記例で%は質量%を示し、分子量測定はGPCによった。
【0172】
表面改質剤成分の合成
[合成例1−1]
メタノール200g、メタンスルホン酸0.1g及び脱イオン水60gの混合物にモノマー101 27.2g、モノマー102 22.8g及びモノマー120 44.8gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、プロピレングリコールエチルエーテル(PGEE)200gを加え、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1000ml及びPGEE300gを加え、水層を分液した。残った有機層に、イオン交換水100mlを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層を減圧で濃縮してケイ素含有化合物1−1のPGEE溶液280g(化合物濃度20%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,100であった。
【0173】
合成例1−1と同様の条件で、表1に示してあるモノマーを使用して、[合成例1−2]から[合成例1−4]、[合成例1−6]から[合成例1−10]、[合成例1−13]から[合成例1−20]及び[合成例1−25]から[合成例1−31]まで行い、それぞれ目的物を得た。
【0174】
[合成例1−5]
エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g及び脱イオン水200gの混合物にモノマー101 13.6g、モノマー102 38.1g及びモノマー122 40.6gの混合物を添加し、4時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1200ml及びPGEE400gを加え、水層を分液した。残った有機層に、イオン交換水100mlを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層を減圧で濃縮してケイ素含有化合物1−5のPGEE溶液260g(化合物濃度20%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,000であった。
【0175】
[合成例1−5]と同様の条件で表1に示してあるモノマーを使用して、[合成例1−11]、[合成例1−12]、[合成例1−21]から[合成例1−24]を行い、それぞれ目的物を得た。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
ポリマー成分の合成
[合成例2−1]
メタノール120g、70%硝酸0.1g及び脱イオン水60gの混合物にモノマー100 5.0g、モノマー101 3.4g、及びモノマー102 68.5gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去して、ポリシロキサン化合物2−1のPGEE溶液320g(ポリマー濃度10%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,300であった。
【0179】
合成例2−1と同様の条件で、表
3に示してあるモノマーを使用して[合成例2−2]から[合成例2−8]まで行い、それぞれ目的物を得た。
【0180】
【表3】
【0181】
[実施例、比較例]
上記合成例で得られたケイ素含有表面改質剤(1−1)〜(1−31)、ポリマー成分としてのポリシロキサン化合物(2−1)〜(2−8)、酸、熱架橋促進剤、溶剤、添加剤を表
4−1〜表
4−3に示す割合で混合し、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物溶液をそれぞれ調製し、それぞれSol.1〜52とした。
【0182】
【表4-1】
【0183】
【表4-2】
【0184】
【表4-3】
【0185】
TPSOH :水酸化トリフェニルスルホニウム
TPSHCO
3 :炭酸モノ(トリフェニルスルホニウム)
TPSOx :シュウ酸モノ(トリフェニルスルホニウム)
TPSTFA :トリフルオロ酢酸トリフェニルスルホニウム
TPSOCOPh :安息香酸トリフェニルスルホニウム
TPSH
2PO
4 :リン酸モノ(トリフェニルスルホニウム)
TPSMA :マレイン酸モノ(トリフェニルスルホニウム)
TPSNf :ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム
QMAMA :マレイン酸モノ(テトラメチルアンモニウム)
QMATFA :トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム
QBANO
3 :硝酸テトラブチルアンモニウム
Ph
2ICl :塩化ジフェニルヨードニウム
PGEE :プロピレングリコールエチルエーテル
GBL :ガンマブチルラクトン
【0186】
接触角の測定
<下層膜だけの接触角サンプル>
シリコンウエハー上に、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.1〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film1〜52を作製し、純水との接触角(CA1)を測定した(表5)。
【0187】
<下層膜上にポジ現像用レジストを塗布剥離した下層膜の未露光部の接触角サンプル>
シリコンウエハー上に、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.1〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film1〜52を作製した。更にその上に表10記載のArFレジスト溶液(PR−1)を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。次いで、レジスト膜を全てプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)でリンス除去し、ケイ素含有膜の未露光部と同等の膜を得た。これらについて、純水との接触角(CA2)を測定した(表6)。
【0188】
<下層膜上にネガ現像用レジストを塗布剥離した下層膜の未露光部の接触角サンプル>
シリコンウエハー上に、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.1〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film1〜52を作製した。その上に表13記載のネガ現像用ArFレジスト溶液(PR−3)を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。更にフォトレジスト膜上に表11記載の液浸保護膜(TC−1)を塗布し90℃で60秒間ベークし膜厚50nmの保護膜を形成した。次いで、液浸保護膜及び上層レジスト膜を全てPGMEでリンス除去し、ケイ素含有膜の未露光部と同等の膜を得た。これらについて、純水との接触角(CA3)を測定した(表7)。
【0189】
<下層膜上にネガ現像用レジストを塗布露光後、剥離した下層膜の露光部の接触角サンプル>
シリコンウエハー上に、ケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.1〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film1〜52を作製した。その上に表10記載のネガ現像用ArFレジスト溶液(PR−3)を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。更にフォトレジスト膜上に表11記載の液浸保護膜(TC−1)を塗布し90℃で60秒間ベークし膜厚50nmの保護膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置((株)ニコン製;NSR−S610Cで全面露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)し、30rpmで回転させながら現像ノズルから現像液として酢酸ブチルを3秒間吐出し、その後回転を止めてパドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。残ったレジスト膜を全てPGMEでリンス除去した後、ケイ素含有膜の露光部の膜を得た。これらについて、純水との接触角(CA4)を測定した(表8)。
【0190】
<ネガ現像用レジストの露光部の接触角サンプル>
シリコンウエハー上に、表13記載のネガ現像用ArFレジスト溶液(PR−3)を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト膜を作製し、純水との接触角を測定した。次いで、同じレジスト膜をArF露光装置((株)ニコン製;NSR−S610C)で全面露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)して、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させて、酸脱離基が外れたネガ現像時のパターン部分に相当するArFレジスト膜を作製し、純水との接触角を測定した(表9)。
【0191】
【表5】
【0192】
【表6】
【0193】
【表7】
【0194】
【表8】
【0195】
【表9】
【0196】
【表10】
【0197】
ArFレジストポリマー1:
分子量(Mw)=7,800
分散度(Mw/Mn)=1.78
【化17】
【0198】
酸発生剤:PAG1
【化18】
【0199】
塩基:Quencher
【化19】
【0200】
撥水性ポリマー1:
分子量(Mw)=8,200
分散度(Mw/Mn)=1.67
【化20】
【0201】
【表11】
【0202】
保護膜ポリマー
分子量(Mw)=8,800
分散度(Mw/Mn)=1.69
【化21】
【0203】
ポジ型現像によるパターニング試験
シリコンウエハー上に、信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボン含有量80質量%)を膜厚200nmで形成した。その上にケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.11〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film11〜52作製した。
【0204】
続いて、当該ケイ素含有膜上に表10記載のポジ現像用ArFレジスト溶液(PR−1)を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。更にフォトレジスト膜上に表11記載の液浸保護膜(TC−1)を塗布し90℃で60秒間ベークし膜厚50nmの保護膜を形成した。
【0205】
別にケイ素含有膜上に表10記載のポジ現像用ArFレジスト溶液(PR−2)を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。
【0206】
次いで、これらをArF液浸露光装置((株)ニコン製;NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.65、35度ダイポール偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、43nm 1:1のポジ型のラインアンドスペースパターンを得た。
【0207】
この寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡(CG4000)でパターン倒れを、断面形状を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−9380)で測定した(表12−1、表12−2)。
【0208】
【表12-1】
【0209】
【表12-2】
【0210】
表12−1、表12−2に示されているように、ケイ素含有膜の接触角(CA1)とポジ現像用上層レジスト塗布、剥離後のケイ素含有膜の接触角(CA2)の間の変化量が10度以下であるケイ素含有膜をレジスト下層膜として使用したところ、ポジ現像では垂直形状のレジスト断面を得ることができた。そして、パターン倒れのないことが認められた。
【0211】
ネガ型現像によるパターニング試験
シリコンウエハー上に、信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボン含有量80質量%)を膜厚200nmで形成した。その上にケイ素含有レジスト下層膜形成用組成物Sol.11〜52を塗布して240℃で60秒間加熱して、膜厚35nmのケイ素含有膜Film11〜52を作製した。
【0212】
続いて、当該ケイ素含有膜上に表13記載のネガ現像用ArFレジスト溶液(PR−3)を塗布し、100℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。フォトレジスト膜上に表11記載の液浸保護膜(TC−1)を塗布し90℃で60秒間ベークし膜厚50nmの保護膜を形成した。
【0213】
別に当該ケイ素含有膜上に表13記載のネガ現像用ArFレジスト溶液(PR−4、PR−5)を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚100nmのフォトレジスト層を形成した。
【0214】
次いで、ArF液浸露光装置((株)ニコン製;NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.65、35度ダイポール偏光照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、100℃で60秒間ベーク(PEB)し、30rpmで回転させながら現像ノズルから現像液として酢酸ブチルを3秒間吐出し、その後回転を止めてパドル現像を27秒間行い、ジイソアミルエーテルでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。
【0215】
このパターニングにより、43nm 1:1のネガ型のラインアンドスペースパターンを得た。この寸法を(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡(CG4000)でパターン倒れを、断面形状を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)で測定した(表14−1、表14−2)。
【0216】
【表13】
【0217】
ArFレジストポリマー2:
分子量(Mw)=8,600
分散度(Mw/Mn)=1.88
【化22】
【0218】
ArFレジストポリマー3:
分子量(Mw)=8,900
分散度(Mw/Mn)=1.93
【化23】
【0219】
酸発生剤:PAG2
【化24】
【0220】
塩基:Quencher
【化25】
【0221】
【表14-1】
【0222】
【表14-2】
【0223】
表14−1、表14−2に示されているように、ネガ現像用上層レジスト塗布、剥離後のケイ素含有膜の接触角(CA3)とネガ現像用上層レジスト塗布、露光、剥離後のケイ素含有膜の接触角(CA4)との間の変化量が10度以上あるケイ素含有膜をレジスト下層膜として使用したところ、ネガ現像では垂直形状のレジスト断面を得ることができた。そして、パターン倒れのないことが認められた。また特に、実施例2−1と実施例2−41との結果から、ポリシロキサン中の4官能単位(モノマー102)の比率が70モル%であれば、成膜時に本発明のケイ素含有表面改質剤が表面に偏在し易くなり、露光後の接触角変化が大きくなることが実証された。
一方、酸脱離基で置換された有機基を含まない比較例2−1のネガ現像では、接触角の変化量が小さくパターンの倒れが発生した。
【0224】
パターニング試験:現像液
上記の実施例2で示された現像液(酢酸ブチル)の代わりに、以下に示した現像液を用いて実施例2と同様手順で、43nm 1:1のネガ型のラインアンドスペースパターン実施例3の結果を得た(表15)。
【0225】
【表15】
【0226】
表15に示すように、各種現像液を用いても断面が垂直形状を有するレジストパターンを得ることができた。
【0227】
パターンエッチング試験:ポジ現像パターン
上記、ポジ型現像によるパターニング試験で作製したポジ型現像によるレジストパターンをマスクにしてケイ素含有膜の加工を条件(1)でドライエッチングし、次いで条件(2)でドライエッチングしスピンオンカーボン膜にパターンを転写した。得られたパターンの断面形状を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−9380)で、パターンラフネスを(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡(CG4000)でそれぞれ形状を比較し表16−1、表16−2にまとめた。
【0228】
(1)CHF
3/CF
4系ガスでのエッチング条件
装置:東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置Telius SP
エッチング条件(1):
チャンバー圧力 15Pa
Upper/Lower RFパワー 500W/300W
CHF
3ガス流量 50ml/min
CF
4ガス流量 150ml/min
Arガス流量 100ml/min
処理時間 40sec
【0229】
(2)O
2/N
2系ガスでのエッチング条件
装置:東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置Telius SP
エッチング条件(2):
チャンバー圧力 5Pa
Upper/Lower RFパワー 1000W/300W
O
2ガス流量 300ml/min
N
2ガス流量 100ml/min
Arガス流量 100ml/min
処理時間 30sec
【0230】
【表16-1】
【0231】
【表16-2】
【0232】
本発明では、表16−1、表16−2に示されているように現像後のレジスト形状、スピンオンカーボン膜加工後の断面形状及びパターンラフネスも良好であることが認められた。
【0233】
パターンエッチング試験:ネガ現像パターン
上記、ネガ型現像によるパターニング試験で作製したネガ型現像によるレジストパターンをマスクにしてケイ素含有膜の加工を条件(1)でドライエッチングし、次いで条件(2)でドライエッチングしスピンオンカーボン膜にパターンを転写した。得られたパターンの断面形状を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−9380)で、パターンラフネスを(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡(CG4000)でそれぞれ形状を比較し表17−1、表17−2にまとめた。
【0234】
【表17-1】
【0235】
【表17-2】
【0236】
本発明では、表17−1、表17−2に示されているように現像後のレジスト形状、スピンオンカーボン膜加工後の断面形状及びパターンラフネスも良好であることが認められた。
【0237】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。