【実施例1】
【0038】
様々な組成物:「AC-PU/VAE」と表示される本発明による組成物、並びに、個別に加えられた「AC-PU」及び「VAE」の各ポリマーに基づく組成物を試験した。これらの組成物は、以下の成分から、以下に記載される方法によって製造された。
【0039】
【表4】
【0040】
それぞれの調製のために、表1に列挙された成分を加え、60ミクロン未満の粒径を達成するまで、溶解機で激しく撹拌した。
製造処理が終了したところで、AC-PU/VAE生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 23℃での密度:1.33〜1.37kg/l
・ 液体生成物を一定質量に達するまで105℃の温度に暴露することによって試験した、固体含量:64.5〜66.5%
・ 20℃の温度で、415rpmの速度にて、3番のスクリューを用い、Rheomat粘度計(Contraves)で測定した粘度:4000〜5000mPas
【0041】
製造処理が終了したところで、AC-PU生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 特徴:密度(23℃):1.31kg/l
・ 固体含量:64.0質量%
・ 粘度(23度):3070mPas(415rpm/S3)(Contraves)
・ 適用:撹拌により生成物を均質化し、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m
2の二層として適用する。
【0042】
製造処理が終了したところで、VAE生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 特徴:密度(23℃):1.31kg/l
・ 固体含量:62.3質量%
・ 適用:撹拌により生成物を均質化し、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m
2の二層として適用する。
【0043】
これらの組成物に様々な試験を行い、屋根の継続的防水について市販の製品と比較した。
・SKL 445:商品名:SikaLastic(登録商標)445
製造者:Sika, S. A. U.
説明:単一成分(シングルパック)ポリウレタンに基づく屋根防水剤、有機溶媒を含む。
特徴:密度(23℃):1.6 kg/1
固体含量:88質量%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.6kg/m
2の二層として適用する。
・SKL822:商品名:SikaLastic 822
製造者:Sika, S. A. U.
説明:二成分ポリウレタンに基づく屋根防水剤
特徴:成分Aの密度(23℃):1.69 kg/1
成分Bの密度(23℃):1.03 kg/1
混合物の密度(23℃):1.33 kg/1
固体含量:96質量%超
適用:成分A及びBを混合して完全に均質化させ、切り込み付きこてで、2.6kg/m
2の使用量で適用する。
・DRYFLEX:商品名:Dryflex P. U. M. P.
製造者:RLA Tile Adhesives
説明:水性変性ポリウレタンに基づく屋根防水剤
特徴:密度(23℃):1.25kg/1
固体含量:63(質量)%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.5l/m
2の二層として適用する。
・SIKAFILL:商品名:Sikafill
製造者:Sika, S. A. U.
説明:水性エマルション状態のスチレン−アクリルコポリマーに基づく屋根防水剤
特徴:密度(23℃):1.20kg/1
固体含量:60質量%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m
2の二層として適用する。
・UV-CRS:組込UV架橋系を有するベースとしてアクリル樹脂を使用して製剤された生成物
ポリウレタンまたはビニルアセテート/エチレンエマルションに基づかない内部実験製剤
特徴:密度(23℃):1.28kg/1
固体含量:62.6質量%
粘度(23℃):5300mPas(200rpm/S4)(Contraves)
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m
2の二層として適用する。
【0044】
試験プログラムを、その機能が屋根を防水することになる、最も重要な生成物のパラメーターを確認及び評価するために、上述の全ての生成物を用いて実施した。これらの試験とは、以下の通りであった。
1)水吸収性
2)液体水浸透性(UNE-EN 1063-3:2008)
3)日光に暴露した後の色の変化
4)促進老化の後の機械特性の変化
5)湿ったコンクリート及び乾燥したコンクリートへの粘着性
【0045】
得られた結果は以下の通りであった。
1.水吸収性試験
直径3cm及び厚さ1mmの寸法の全ての生成物の試料を、この試験を実施するために準備した。これら全てが一定質量に達した20日間の期間の後、これらを常温の脱塩水中に浸して、定期的に引き出して吸収紙で乾燥させた後に計量しつつ、42日間おいた。
【0046】
42日後、浸水を止め、試料を23℃及び湿度50%にて、14日間乾燥させる。この期間の後、これらを再度計量して前過程と同様に第二サイクルを開始する。
【0047】
【表5】
【表6】
【0048】
2.液体水浸透性試験
試験は、UNE-EN 10633:2008基準に記載の方法に従って実施された。液体水透過速度wが5kg/(m
2h
0.5)超であり、密度が1500〜20005kg/m
3であり、表面積が200cm
2及び最小厚さが2.5cmであるコンクリート試料を準備する。こうした試料を乾燥させ、これら生成物の該当する製品技術データシートに定められている1平方メートルあたりの生成物の量を適用することにより、試験しようとする試料でコーティングする。
【0049】
コーティングを少なくとも7日間おいて乾燥させ、水と接触することになる試料の裏と端を試験表面を少なくとも5mm、但し10mm以下重ねて密閉する。密閉に使用される製品は、いかなる撥水製品でもよく、例えばSikaflex 11FCである。試料を更に24日間に亘って23±2℃及び相対湿度50±5%にて乾燥させた。
【0050】
乾燥させた後、液体水透過速度を測定する前に、試料を老化させた。その目的のために、以下よりなる3度のサイクルを実施した。
・23±2℃の飲料水中に24時間
・50±2℃の乾燥24時間
・23±2℃及び50±5%の相対湿度にて24時間
【0051】
各乾燥フィルムの平均厚さを、UNE-EN 10633:2008基準にしたがって生成物の不揮発性材料の消費及び含量から算出した。各試料を計量し、これらを23℃の水を満たした容器中で、コーティングした表面を下向きにして金属またはプラスチックの支持体上に、前記表面が水中に1cm浸るように設置した。1時間後、2時間後、3時間後、6時間後、及び24時間後に、試料を水から取り出して、計量するために吸取紙を使用して乾燥させた。
【0052】
得られたデータで、表面(平方メートル)で除算した試料質量の増大分は、時間で表される期間の平方根の関数として、数値に表された。曲線の直線部分の傾斜が、液体水透過速度w(kg/m
2h
0.5)である。
【0053】
【表7】
【0054】
3.日光に暴露した後の色の変化
試験を、比色計を用い、生成物が硬化した時点で(適用の7日後)これらのL、a及びbの値を測定し、このデータをパターンとして確立させて実施した。前記ボードを傾斜させ(45°)、南に向け、更に建物の屋根の上に置いて日光に60日間暴露した後に測定を再度行う。最初の色に対する変化は、下式から得られるデルタEなる語によって表される。
【0055】
【数1】
【0056】
【表8】
【0057】
4.促進老化の後の機会特定の変化
・促進老化の前後の破断点伸度
0.7mmの厚さを有する別のタイプの試料を調製し、23℃及び50%にて硬化させた。硬化したところで、破断点伸度を伸縮計を200mm/分で用いて試験する。各生成物について、試料の一部を70℃のオーブンに60日間に亘って入れ、この期間の後に破断点伸度を再度試験する。最初の値と熱劣化後に得られた値との間に生じる変化を評価し、これを%で表わす。
【0058】
【表9】
【0059】
観察される通り、本発明の組成物は、非常に満足のいく伸長結果を示す。
【0060】
・QUV(2000h)での老化
前記試験のために準備された試料の一部は、QUVチャンバに2000時間に亘って入れられ、ここでは60℃にて4時間及び340nmのUV光と、UV光はなしに50℃での圧縮とからなる連続サイクルに処される。2000時間が過ぎたところで、破断点伸度を、伸縮計を200mm/分で用いて試験する。このデータを、老化の前に得られた値と比較して、その間の変化を算出し、%で表わす。
【0061】
【表10】
【0062】
本発明の組成物は、UVを2000時間適用した後にはそれほど十分ではなかったものの、とりわけ開始時の結果に十分な伸長結果を示す。
【0063】
5.湿ったコンクリート及び乾燥したコンクリートへの粘着性
様々な生成物を、その製品技術データシートに表示される通りに乾燥コンクリート(湿度4%未満)及び予め加湿したコンクリート(湿度15〜20%)に適用し、7日間おいて乾燥させ、この期間後に粘着性を直達牽引装置(Sattec)によって試験する。その目的のために、これにダイヤモンド・ビットで、直径50mm及び適用された生成物の厚さに加えて15〜20mmに等しい深さに孔を開ける。50mmのスチール粘着試験片を、二成分からなるエポキシ接着剤によってドリルで分離された部分に接着し、24時間後に測定を行う。
【0064】
【表11】
【0065】
この試験における本発明の組成物の結果は、試験した様々な組成物の平均結果と矛盾しないものである。
【0066】
上記の通り、ポリウレタン成分及びアクリル成分は、既述の実施態様においては、これを市販品として入手する快適さ及び容易さのために、単一の、予め混合された製品として供給されている。しかしながら、本発明者らは、双方の成分が本発明の組成物に別々に供給された場合でも、結果は実質的に同様であったろうと考える。
【0067】
要約すれば、本発明のアクリル−ポリウレタン−VAE(AC−PU/VAE)組成物は、かなりのコスト低減を伴うが、全ての試験において優れた結果を示し、ポリウレタン組成物の結果に類似する。
本発明の実施態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
屋根、ファサード、床、又は垂直壁をコーティングするための水性組成物であって、
i)少なくとも1つのアクリルポリマー、及び
ii)少なくとも1つのポリウレタンポリマー、及び
iii)組成物全質量の5〜40質量%の量の少なくとも1つのエチレンビニルアセテートエマルション
を含む水性組成物。
《態様2》
エチレンビニルアセテートが、組成物全質量の15〜30質量%、特に組成物全質量の18〜22質量%の量である、態様1に記載の組成物。
《態様3》
少なくとも1つのアクリルポリマー及び少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物の形態である、態様1又は2に記載の組成物。
《態様4》
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物中において、少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、前記複合生成物の質量の5〜85質量%の割合である、態様3に記載の組成物。
《態様5》
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物中において、少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、前記複合生成物の質量の10〜50質量%の割合、好ましくは、前記複合生成物の10〜30質量%の割合である、態様4に記載の組成物。
《態様6》
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物が、組成物の全質量の30〜40質量%の濃度であり、好ましくは組成物の全質量のおよそ37質量%の濃度である、態様6に記載の組成物。
《態様7》
前記アクリルポリマーが、外的界面活性剤水性エマルション中の熱可塑性、かつ非スチレン性のポリマーである、態様1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
《態様8》
前記ポリウレタンポリマーが、水溶液又は水性分散物状態の脂肪族ポリマーである、態様1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
《態様9》
水含量が、組成物全質量の10〜40質量%である、態様1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
《態様10》
態様1〜10のいずれか一項に記載の組成物を含む屋根、ファサード、床、又は垂直壁。
《態様11》
態様1〜10のいずれか一項の組成物で、屋根、ファサード、床、又は垂直壁をカバーする方法であって、以下の工程:
a)完全に均質になるまで機械的撹拌によって前記組成物を撹拌する工程;
b)先の工程a)から得られる組成物を、屋根、ファサード、床、又は垂直壁に、ローラー、ブラシ、こてによって、又はスプレーによって適用する工程;
を含むことを特徴とする方法。
《態様12》
c)先の工程a)から得られる組成物を、ローラー、ブラシ、こてによって、又はスプレーによって、工程b)により得られた乾燥層上に適用する工程c)を更に含む、態様12に記載の方法。
《態様13》
コーティング表面全体又はその個別の点にポリエステルメッシュを導入する工程を更に含む、態様12又は13に記載の方法。
《態様14》
屋根、ファサード、床、又は垂直壁のコーティングとしての、態様1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物の使用。