【実施例】
【0057】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0058】
(合成例1)
4−クロロ−5−(4−ヘキシルフェニルエチニル)フタロニトリルの合成
【0059】
【化13】
【0060】
窒素気流下で反応を行った。反応容器に、4,5−ジクロロフタロニトリル0.86g(4.37×10
−3mol)、1−エチニル−4−ヘキシルベンゼン1.0ml(4.78×10
−3mol)、トリエチルアミン6.0ml、トルエン3.0ml、ヨウ化銅(I)17mg(8.93×10
−5mol)、トリフェニルホスフィン23mg(8.77×10
−5mol)を順に加え、脱気し、50℃で10分撹拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)100mg(8.65×10
−5mol)、を加え脱気し、80℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を水に注ぎ入れ、有機層を酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮を行った。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を行い減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0061】
収率:0.769g(51%)
【0062】
1H NMR(CDCl
3,400.13MHz):δ=7.92(s,1H,ArH),7.84(s,1H,ArH),7.50(d,J=8.4Hz,2H,ArH),7.22(d,J=8.4Hz,2H,ArH),2.67−2.63(m,2H,−CH
2−),1.66−1.58(m,2H,−CH
2−),1.35−1.28(m,6H,−CH
2−),0.903−0.867(m,3H,−CH
3).
【0063】
1aの合成
【0064】
【化14】
【0065】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4−クロロ5−(4−ヘキシルフェニルエチニル)フタロニトリル100mg(2.88×10
−4mol)、尿素35mg(5.83×10
−4mol)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素3.0mlを加え、脱気し、60℃で15分撹拌した。酢酸銅一水和物14mg(7.01×10
−5mol)を加え、脱気し、160℃で12時間撹拌還流した。60℃まで冷却し、メタノール3.0mlを加え10分撹拌した後、目的物を濾取した。これをメタノールで洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0066】
収率:51mg(49%)
【0067】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1449.23,caluculated for C
88H
76Cl
4CuN
8; 1450.96.
【0068】
1bの合成
【0069】
【化15】
【0070】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に1a 50mg(3.45×10
−5mol)、N−メチルピロリドン10mlを加え、脱気し、撹拌した。硫化ナトリウム九水和物66mg(2.75×10
−4mol)を加え、脱気し、190℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液100mlに注ぎ入れ、30分撹拌した後、目的物を濾取した。これを水、メタノールの順に洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0071】
収率:18mg(36%)
【0072】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1441.43,caluculated for C
88H
76CuN
8S
4; 1441.44.
【0073】
(合成例2)
4−クロロ−5−(4−ドデシルフェニルエチニル)フタロニトリルの合成
【0074】
【化16】
【0075】
窒素気流下で反応を行った。反応容器に、4,5−ジクロロフタロニトリル0.38g(1.93×10
−3mol)、1−エチニル−4−ドデシルベンゼン0.79g(2.92×10
−3mol)、トリエチルアミン6.0ml、トルエン3.0ml、ヨウ化銅(I) 7mg(3.68×10
−5mol)、トリフェニルホスフィン10mg(3.81×10
−5mol)を順に加え、脱気し、50℃で10分撹拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)45mg(3.89×10
−5mol)、を加え脱気し、80℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を水に注ぎ入れ、有機層を酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮を行った。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を行い減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0076】
収率:0.412g(51%)
【0077】
1H NMR(CDCl
3,400.13MHz):δ=7.90(s,1H,ArH),7.82(s,1H,ArH),7.48(d,J=8.0Hz,2H,ArH),7.22(d,J=8.4Hz,2H,ArH),2.66−2.62(m,2H,−CH
2−),1.66−1.58(m,2H,−CH
2−),1.32−1.26(m,18H,−CH
2−),0.895−0.861(m,3H,−CH
3).
【0078】
2aの合成
【0079】
【化17】
【0080】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4−クロロ5−(4−ドデシルフェニルエチニル)フタロニトリル100mg(2.32×10
−4mol)、尿素28mg(4.66×10
−4mol)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素3.0mlを加え、脱気し、60℃で15分撹拌した。酢酸銅一水和物12mg(6.01×10
−5mol)を加え、脱気し、160℃で12時間撹拌還流した。60℃まで冷却し、メタノール3.0mlを加え10分撹拌した後、目的物を濾取した。これをメタノールで洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0081】
収率:53mg(51%)
【0082】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1786.04,caluculated for C
112H
124C
l4CuN
8; 1787.59.
【0083】
2bの合成
【0084】
【化18】
【0085】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に2a 27mg(1.51×10
−5mol)、N−メチルピロリドン5.0mlを加え、脱気し、撹拌した。硫化ナトリウム九水和物29mg(1.21×10
−4mol)を加え、脱気し、190℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液50mlに注ぎ入れ、30分撹拌した後、目的物を濾取した。これを水、メタノールの順に洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0086】
収率:15mg(56%)
【0087】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1778.23, caluculated for C
112H
128CuN
8S
4; 1778.07.
【0088】
(合成例3)
4−クロロ−5−(1−オクチニル)フタロニトリルの合成
【0089】
【化19】
【0090】
窒素気流下で反応を行った。反応容器に、4,5−ジクロロフタロニトリル0.40g(2.03×10
−3mol)、1−オクチン0.45ml(3.06×10
−3mol)、トリエチルアミン5.0ml、トルエン3.0ml、ヨウ化銅(I)12mg(6.30×10
−5mol)、を順に加え、脱気し、50℃で10分撹拌した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)43mg(6.13×10
−5mol)、を加え脱気し、80℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を水に注ぎ入れ、有機層をジクロロメタンで抽出し、減圧濃縮を行った。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を行い減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0091】
収率:0.304g(55%)
【0092】
1H NMR(CDCl
3,400.13MHz):δ=7.80(s,1H,ArH),2.54−2.50(m,2H,−CH
2−),1.69−1.61(m,2H,−CH
2−),1.51−1.45(m,2H,−CH
2−),1.35−1.31(m,4H,−CH
2−),0.926−0.892(m,3H,−CH
3).
【0093】
3aの合成
【0094】
【化20】
【0095】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4−クロロ5−(1−オクチニル)フタロニトリル150mg(5.54×10
−4mol)、尿素66mg(1.10×10
−3mol)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素3.0mlを加え、脱気し、60℃で15分撹拌した。酢酸銅一水和物28mg(1.40×10
−4mol)を加え、脱気し、160℃で12時間撹拌還流した。60℃まで冷却し、メタノール3.0mlを加え10分撹拌した後、目的物を濾取した。これをメタノールで洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0096】
収率:53mg(33%)
【0097】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1146.53, caluculated for C
64H
60Cl
4CuN
8; 1146.57.
【0098】
3bの合成
【0099】
【化21】
【0100】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に3a 27mg(2.35×10
−5mol)、N−メチルピロリドン5.0mlを加え、脱気し、撹拌した。硫化ナトリウム九水和物45mg(1.87×10
−4mol)を加え、脱気し、190℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液50mlに注ぎ入れ、30分撹拌した後、目的物を濾取した。これを水、メタノールの順に洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0101】
収率:11mg(41%)
【0102】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1135.11, caluculated for C
64H
64CuN
8S
4; 1137.65.
【0103】
(合成例4)
4−クロロ−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−エチニル)フタロニトリルの合成
【0104】
【化22】
【0105】
窒素気流下で反応を行った。反応容器に、4,5−ジクロロフタロニトリル0.558g(2.83×10
−3mol)、2−エチニル−5−ヘキシルチオフェン0.817g(4.25×10
−3mol)、トリエチルアミン6.0ml、THF4.0ml、ヨウ化銅(I)16mg(8.40×10
−5mol)、を順に加え、脱気し、50℃で10分撹拌した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)80mg(1.14×10
−4mol)、を加え脱気し、80℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を水に注ぎ入れ、有機層をジクロロメタンで抽出し、減圧濃縮を行った。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を行い減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0106】
収率:0.418g(42%)
【0107】
1H NMR(CDCl
3,400.13MHz):δ=7.88(s,1H,ArH),7.83(s,1H,ArH),7.27(d,J=3.6Hz,1H,ArH),6.76(d,J=3.6Hz,1H,ArH),2.84(t,J=7.6Hz,2H,−CH
2−),1.73−1.65(m,2H,−CH
2−),1.40−1.29(m,6H,−CH
2−),0.894(t,J=6.8Hz,3H,−CH
3).
【0108】
4aの合成
【0109】
【化23】
【0110】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4−クロロ−5−(5−ヘキシルチオフェン−2−エチニル)フタロニトリル100mg(2.83×10
−4mol)、尿素34mg(5.66×10
−4mol)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素3.0mlを加え、脱気し、60℃で15分撹拌した。酢酸銅一水和物14mg(7.01×10
−5mol)を加え、脱気し、160℃で12時間撹拌還流した。60℃まで冷却し、メタノール3.0mlを加え10分撹拌した後、目的物を濾取した。これをメタノールで洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0111】
収率:57mg(54%)
【0112】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1472.67, caluculated for C
80H
68C
l4CuN
8S
4; 1475.07.
【0113】
4bの合成
【0114】
【化24】
【0115】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4a 14mg(9.49×10
−5mol)、N−メチルピロリドン3.0mlを加え、脱気し、撹拌した。硫化ナトリウム九水和物18mg(7.49×10
−5mol)を加え、脱気し、190℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液30mlに注ぎ入れ、30分撹拌した後、目的物を濾取した。これを水、メタノールの順に洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0116】
収率:7mg(50%)
【0117】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1463.27, caluculated for C
80H
72CuN
8S
8; 1465.55.
【0118】
(合成例5)
4−クロロ−5−(3−ヘキシルチオフェン−2−エチニル)フタロニトリルの合成
【0119】
【化25】
【0120】
窒素気流下で反応を行った。反応容器に、4,5−ジクロロフタロニトリル0.567g(2.88×10
−3mol)、2−エチニル−3−ヘキシルチオフェン0.826g(4.29×10
−3mol)、トリエチルアミン6.0ml、THF4.0ml、ヨウ化銅(I)17mg(8.93×10
−5mol)、を順に加え、脱気し、50℃で10分撹拌した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)61mg(8.69×10
−5mol)、を加え脱気し、80℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を水に注ぎ入れ、有機層をジクロロメタンで抽出し、減圧濃縮を行った。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=1:1)を行い減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0121】
収率:0.256g(25%)
【0122】
1H NMR(CDCl
3,400.13MHz):δ=7.89(s,1H,ArH),7.85(s,1H,ArH),7.37(d,J=5.2Hz,1H,ArH),6.96(d,J=5.2Hz,1H,ArH),2.81(t,J=7.6Hz,2H,−CH
2−),1.70−1.63(m,2H,−CH
2−),1.37−1.28(m,6H,−CH
2−),0.877(t,J=6.8Hz,3H,−CH
3).
【0123】
5aの合成
【0124】
【化26】
【0125】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に4−クロロ−5−(3−ヘキシルチオフェン−2−エチニル)フタロニトリル100mg(2.83×10
−4mol)、尿素34mg(5.66×10
−4mol)、N,N’−ジメチルプロピレン尿素3.0mlを加え、脱気し、60℃で15分撹拌した。酢酸銅一水和物14mg(7.01×10
−5mol)を加え、脱気し、160℃で12時間撹拌還流した。60℃まで冷却し、メタノール3.0mlを加え10分撹拌した後、目的物を濾取した。これをメタノールで洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0126】
収率:69mg(66%)
【0127】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1473.70, caluculated for C
80H
68C
l4CuN
8S
4; 1475.07.
【0128】
5bの合成
【0129】
【化27】
【0130】
窒素気流下で以下の反応を行った。反応容器に5a 33mg(2.24×10
−5mol)、N−メチルピロリドン5.0mlを加え、脱気し、撹拌した。硫化ナトリウム九水和物43mg(1.79×10
−4mol)を加え、脱気し、190℃で12時間撹拌還流した。室温まで冷却し、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液50mlに注ぎ入れ、30分撹拌した後、目的物を濾取した。これを水、メタノールの順に洗浄し、クロロホルムに溶解させ減圧濃縮した。アルミナのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)を行い、減圧濃縮した。さらに高速液体クロマトグラフィー(クロロホルム)で精製を行い、減圧乾燥で目的物を得た。
【0131】
収率:14mg(43%)
【0132】
MALDI−TOF−Ms: m/z=1464.74, caluculated for C
80H
72CuN
8S
8; 1465.55.
【0133】
(実施例1)光電池の初期性能評価
20mm×20mmの、フッ素をドープした酸化スズ層を有する透明導電性ガラス(日本板硝子(株)製、表面抵抗約10Ω/cm
2)の導電面側にダイソル社製DSL 18NR−Tをスクリーン印刷で塗布した。塗布後25℃で30分間乾燥し、ホットプレートにて、500℃にて30分間焼成した。二酸化チタンの塗布量は15.5g/m
2であり、膜厚は9μmであった。同様にダイソル製WER2−0を用いて印刷、焼成し、膜厚4μmの散乱層を作成した。焼成終了後、冷却し、本発明の金属錯体色素、及び比較の比較化合物1の0.2mmol/l(溶媒:エタノールとアセトニトリルの1:1混合物)にそれぞれ20時間浸漬した。比較化合物1の構造を以下に示す。続いて色素の染着した二酸化チタン電極をエタノールおよびアセトニトリルで順次洗浄し、窒素気流下暗所において乾燥して二酸化チタン電極を作製した。
【0134】
上述のようにして作製した色素増感TiO
2電極基板(20mm×20mm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液A(アセトニトリルにヨウ化1,3−ジメチルイミダゾリウム(0.65mol/l)およびヨウ素(0.05mol/l)を溶解した溶液)をしみこませTiO
2電極中に導入して、表1に示す各光電池を得た。本実施例により、
図1に示すように導電性ガラスからなる導電性支持体層1、色素増感21とチタニア半導体層22からなる感光層2、上記電解液からなる電荷移動層3、及び白金からなる対極導電層基板4を順に積層しエポキシ系封止剤で封止された光電池を作製した。
【0135】
[長波長IPCEの評価]
オプテル社製のIPCE(Incident Photon to Current Conversion Efficiency)測定装置を用いて、上記各光電池の400〜900nmの単色光変換効率(IPCE)を10nm間隔で測定したところ、いずれの光電池も550〜650nmの波長範囲にIPCEの極大値を有し700nmより長波長側で徐々に減衰する曲線を示した。表1に各光電池の800nmにおけるIPCE値(IPCE(%)=(発生した電子数/照射された光子数)×100)をピーク波長でのIPCEを100として規格化した値を示す。この値が大きい光電池ほど長波長光の変換効率が高く、本発明の目的に適うものであるといえる。
【0136】
[変換効率等の評価]
上記各光電池の導電性ガラスの端部に銀ペーストを塗布して負極とし、この負極と白金蒸着ガラス(正極)を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)に接続した。これらの光電池に、500Wのキセノンランプ(ウシオ電気(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製AM1.5)を通すことにより発生させた模擬太陽光を垂直に照射しながら発生電流を測定した。光の強度は垂直面において100mW/cm
2であった。各光電池の太陽電池特性(短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、形状因子(FF)および変換効率(η))を併せて表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】
表1より、本発明の光電池(試験No.)10
1は比較化合物C−1を用いた光電池(試験No.)C01に比べて800nmにおけるIPCEが高く、長波長光の増感効率に優れていることがわかる。また、本発明によれば、形状因子を良好な範囲に維持し、開放電圧、短絡電流、変換効率のすべてにおいて性能の向上が見られることが分かる。
【0139】
【化28】
【0140】
(実施例2)
下記の表2に記載の化合物をITOをコートしたガラス板を両電極としたサンドイッチ型セルのセルギャップ(約15ミクロン)に液体温度で毛細管現象を利用して注入、注意深く冷却した。
【0141】
これを温度制御機構付きステージにセットして電場を印加、正極及び負極にそれぞれパルスチッソガスレーザ(波長:337nm、 パルス幅:800ピコ秒)を照射することにより光電流を発生させ、その光電流過渡減衰波形をオシロスコープにて検出して得た光電流の減衰波形より電極間を走行したキャリアの走行時間を求め、そのキャリア移動度を求めたところ表2に示すようなキャリア移動度の温度特性を得た。正負両電荷(正極照射時に得られた電流は正電荷により、負極照射時に得られた電流は負電荷による)はいずれも高いキャリア移動度を示した。
【0142】
【表2】
【0143】
【化29】
【0144】
上記の結果より、本発明の有機半導体材料は、ホール及び電子のキャリア移動度が、いずれも10
−1cm2V
−1s
−1以上と非常に高く、有機薄膜トランジスタ、有機薄膜太陽電池及び電子写真感光体などの用途に好適に用いることができることが分かる。
【0145】
(実施例3)
該化合物をクロロホルムに溶解させ、スピンコータでガラス基板上に塗布し製膜したところ、良好な製膜性を示すことが分かった。