(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド部は、基板が突き当たるときに、基板の中心を通り、且つ、基板の進行方向に沿ったラインの左右に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
前記ガイド部は、その中心軸を上下方向に向けて、予め設定された距離だけ離れた位置に配置された2個の円柱からなり、前記保持部材は、これらの円柱の側壁面に基板の側面を突き当てることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記位置検出部の検出結果に基づいて基板処理時の前記受け渡し開始位置を求めた後、この受け渡し開始位置を新たな仮の受け渡し開始位置として、再度、基板を前記ガイド部に突き当てて、前記位置検出部の検出結果から特定される前記ずれ量が予め設定されたしきい値以下となるまで、基板処理時の前記受け渡し開始位置を求める動作を繰り返すことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板処理装置。
基板の処理を行う処理モジュールに設けられ、円形の基板を水平に載置して処理を行うための予め設定された載置位置に基板を載置するための基板の受け渡し位置の調整方法であって、
前記処理モジュールに臨む受け渡し開始位置から当該処理モジュールに向かって移動させることにより、前記載置位置に基板を受け渡すために設けられ、進退可能、及び進退方向に対して左右方向に移動可能な保持部材の予め設定された保持位置に、基板を水平に保持する工程と、
前記載置位置に対して水平方向の位置が決められ、前進する保持部材上の基板が突き当たって、前記受け渡し開始位置と仮の受け渡し開始位置とのずれ量に応じて、前記保持部材に対する基板の位置がずれるように設定された位置合わせ用のガイド部に、前記保持部材を前記仮の受け渡し開始位置から決められた量だけ移動させて、当該保持部材に保持された基板を前記ガイド部に突き当て、突き当てた後における保持部材に保持された基板の位置を検出する工程と、
この検出結果に基づいて基板処理時の前記受け渡し開始位置を求める工程と、を含むことを特徴とする調整方法。
前記ガイド部は、基板が突き当たるときに、基板の中心を通り、且つ、基板の進行方向に沿ったラインの左右に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の調整方法。
載置台上の予め設定された載置位置に円形の基板を水平に載置して基板の処理を行う処理モジュールを備えた基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項7ないし10のいずれか一つに記載された調整方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る基板処理装置を塗布、現像装置に適用した例について説明する。まず、
図1〜
図3を参照しながら塗布、現像装置の全体の概要について説明しておく。この装置は、キャリアブロックS1と、処理ブロックS2と、インターフェイスブロックS3と、を直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックS3にはさらに露光ステーションS4が接続されている。以降の説明ではブロックS1〜S3の配列方向を前後方向とする。
【0013】
キャリアブロックS1は、同一のロットの基板であるウエハWを複数枚含むキャリアCを装置内に搬入出する役割を有し、キャリアCの載置台111と、開閉部112と、開閉部112を介してキャリアCからウエハWを搬送するための移載機構113とを備えている。
【0014】
処理ブロックS2は、ウエハWに液処理を行う第1〜第6の単位ブロックB1〜B6が下から順に積層されて構成されている(
図2、
図3)。説明の便宜上ウエハWに下層側の反射防止膜を形成する処理を「BCT」、ウエハWにレジスト膜を形成する処理を「COT」、露光後のウエハWにレジストパターンを形成するための処理を「DEV」と夫々表現する場合があり、以下の説明では単位ブロックを「層」と表現して記載の繁雑化を避けている。
【0015】
この例では、下からBCT層、COT層、DEV層が2層ずつ積み上げられており、これらの層を代表してCOT層(B3、B4)の構成について
図1を参照しながら説明する。キャリアブロックS1からインターフェイスブロックS3へ向かう搬送領域R3の左右の一方側には棚ユニットU1〜U6が前後方向に配置され、他方側には夫々液処理モジュールであるレジスト塗布モジュール124と、保護膜形成モジュール125とが前後に並べて設けられている。
【0016】
レジスト塗布モジュール124は2つのカップユニット121を備え、このカップユニット121内にウエハWを保持して、薬液ノズルからレジスト液をウエハW上に供給し、スピンコーティングが行われるように構成されている。また保護膜形成モジュール125は保護膜を形成するための薬液により、同様にしてカップモジュール122を用いて処理が行われるように構成されている。
【0017】
前記搬送領域R3には、ウエハWを搬送するための搬送アームA3が設けられている。この搬送アームA3は、保持部材を成すフォーク23A、23Bと、これらのフォーク23A、23Bを進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、且つ搬送領域R3の長さ方向に移動させるための駆動部と、を備えており、単位ブロックB3の各モジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0018】
また、前記棚ユニットU1〜U6は、搬送領域R3の長さ方向に沿って配列され、棚ユニットU1〜U5は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュール126が例えば2段に積層されて構成されている。棚ユニットU6は、互いに積層された周縁露光モジュール14により構成される。この周縁露光モジュール14は、レジスト塗布後のウエハWの周縁部を露光するためのものである。
【0019】
他の単位ブロックB1、B2、B5及びB6は、ウエハWに供給する薬液が異なること及び周縁露光モジュール4の代わりに加熱モジュール126が設けられることなどを除き、単位ブロックB3、B4と同様に構成される。単位ブロックB1、B2は、レジスト塗布モジュール124、保護膜形成モジュール125の代わりに反射防止膜形成モジュールを備え、単位ブロックB5、B6は、現像モジュールを備える。
図3では各単位ブロックB1〜B6の搬送アームはA1〜A6として示している。
【0020】
ここで、例えば単位ブロックB1、B2にてウエハWを搬送する搬送機構である搬送アームA1、A2には、フォーク23A、23B上に保持されたウエハWの中心と、フォーク23A、23BにおけるウエハWの保持位置の中心とのずれ量、及びずれ方向を検出するための位置検出部を成すセンサ32A〜32Dが設けられているが、その詳細な構成については後述する。
【0021】
処理ブロックS2におけるキャリアブロックS1側には、各単位ブロックB1〜B6に跨って上下に伸びるタワーT1と、タワーT1に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構である受け渡しアーム130とが設けられている。タワーT1は、互いに積層された複数のモジュールにより構成されている。
【0022】
これらのモジュールとしては、実際には各単位ブロックの高さ位置に設けられた受け渡しモジュールと、ウエハWの受け渡しを行う温調モジュール、複数枚のウエハWを一時的に保管するバッファモジュールと、ウエハWの表面を疎水化する疎水化処理モジュールなどが設けられている。本例では、説明を簡素化するために、受け渡しアーム130と各単位ブロックB1〜B6の搬送アームA1〜A6との間でウエハWを受け渡すための受け渡しモジュールTRSとする。但し、搬送アームA1、A2がウエハWを搬送する位置の補正を行うためのガイド部45が設けられている疎水化処理モジュールについては、
図3のタワーT1内にADH1〜ADH4の符号を用いて特記してある。
【0023】
インターフェイスブロックS3は単位ブロックB1〜B6に跨って上下に伸びるタワーT2、T9、T10を備えており、タワーT2とタワーT9に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構であるインターフェイスアーム3Aと、タワーT2とタワーT10に対してウエハWの受け渡しを行うための昇降自在な受け渡し機構であるインターフェイスアーム3Bと、タワー2と露光装置S4の間でウエハWの受け渡しを行うためのインターフェイスアーム3Cが設けられている。タワーT2は、受け渡しモジュールTRSが互いに積層されて構成されている。尚T9、T10もタワーであるがここでは説明を省略する。
【0024】
この塗布、現像装置及び露光ステーションS4からなるシステムの通常時におけるウエハWの搬送経路の概略について簡単に説明する。ウエハWは、キャリアC→移載機構113→タワーT1の受け渡しモジュールTRS→タワーT1の疎水化処理モジュールADH1、2(またはADH3、4)→タワーT1の受け渡しモジュールTRS→単位ブロックB1(B2)→タワーT1の受け渡しモジュールTRS→単位ブロックB3(B4)→インターフェイスブロックS3→露光ステーションS4→インターフェイスブロックS3→単位ブロックB5(B6)→タワーT1の受け渡しモジュールTRS→移載機構113→キャリアCの順で流れていく。
【0025】
処理ブロックS2内のウエハWの流れについてより詳しく述べると、反射防止膜を形成する単位ブロックB1、B2、レジスト膜を形成する単位ブロックB3、B4及び現像を行う単位ブロックB5、B6は二重化されており、これら二重化された単位ブロックに対して、同じロット内の複数のウエハWが振り分けられて、つまり交互に単位ブロックに搬送される。例えばウエハWを単位ブロックB1に受け渡す場合には、タワーT1の受け渡しモジュールTRSのうち、単位ブロックB1に対応する受け渡しモジュールTRS1(搬送アームA3によりウエハWの受け渡しが可能な受け渡しモジュール)に対して、受け渡しアーム130によりウエハWが受け渡されることになる。タワーT1における受け渡しアーム130の受け取り元のモジュールは、移載機構113により搬入される受け渡しモジュールTRS0である。
【0026】
また単位ブロックB2に対応する受け渡しモジュールをTRS2とすれば、受け渡しモジュールTRS0のウエハWは受け渡しアーム130により受け渡しモジュールTRS2に受け渡される。従って同じロット内のウエハWは、受け渡しアーム130により受け渡しモジュールをTRS1、TRS2に対して交互に振り分けられることになる。
【0027】
また単位ブロックB1あるいはB2にて反射防止膜の形成を終えたウエハWは、例えば受け渡しモジュールTRS1あるいはTRS2を介して、受け渡しアーム30により単位ブロックB3に対応する受け渡しモジュールTRS3と単位ブロックB4に対応する受け渡しモジュールTRS4との間で交互に振り分け搬送されることになる。
【0028】
なおTRS、TRSn(n=自然数)で表示してある受け渡しモジュールはウエハWを複数枚保持できる構造についても含んでいる。
更に受け渡しモジュールTRSは1つのモジュールで構成されるものに限らず、複数のモジュールで構成されていてもよい。
更にまた露光を終えたウエハWは、インターフェイスブロックS3の受け渡しアームにより、タワーT2の受け渡しモジュールTRSを介して単位ブロックB5、B6に対して交互に搬入されることになる。
【0029】
次に、
図4〜
図6を参照しながら、単位ブロックB1、B2に設けられた搬送アームA1、A2の構成について説明する。
図4、
図5に示すように、搬送アームA1、A2には、2枚のフォーク23A、23B、基台231、回転軸232、進退部233A、233B、及び昇降台234(
図1参照)が設けられている。
【0030】
フォーク23A、23Bは、進退部233A、233Bによって支持され、間隔をおいて上下に重なるように配置されており、この進退部233A、233Bは、基台231内に納められたモータとボールネジ機構やタイミングベルト等からなる駆動機構に連結されている。
図1に示すように、回転軸232を下方側から支持する昇降台234は、この昇降台234を上下方向に昇降させるための昇降レール235に支持され、当該昇降レール235の基端部を水平レール236に沿って移動させることにより、フォーク23A、23Bを前後方向(
図1中に示すy方向)に移動させることができる。さらに、昇降台234から上方へ向けて伸びだして基台231を下面側から支持する回転軸232は、フォーク23A、23Bの進退方向と水平に直交する左右方向に、フォーク23A、23Bを支持する位置を移動させる微調整を行うことができる。進退部233A、233Bやこれらに連結された基台231内の伝達機構、昇降レール235や昇降台234の昇降機構、回転軸232を左右に移動させる機構は、本例に係わる搬送アームA1、A2の駆動部に相当する。
【0031】
図4に示すようにフォーク23A、23Bは、搬送するウエハWの周囲を囲む円弧状の先端部を備えており、この円弧状の先端部の内側には4つの保持爪24A、24B、24C、24Dが設けられている。保持爪24A〜24Dは、フォーク23A、23Bの先端部の内縁から各々内方に突出するとともに、当該内縁に沿って間隔をおいて設けられている。なお、図示の例では4つの保持爪24A〜24Dが設けられているが、3つ以上の保持爪が設けられていればウエハWを保持することは可能である。
【0032】
図6の拡大平面図に示すように、フォーク23A、23Bの保持爪24A〜24Dには、吸着孔241と、各吸着孔241の周囲を囲み、ゴムなどの弾性を有する材料により構成されたリング状のパッド242とが設けられている。吸着孔241は、フォーク23A、23Bの内部や下面などに形成された真空配管243を介して真空排気部240に接続されている。
【0033】
保持爪24A〜24Dに設けられた吸着孔241、及びパッド242はバキュームチャック機構を構成しており、保持爪24A〜24D上にウエハWを保持した状態で真空排気部240による真空排気を行うと、当該保持爪24A〜24DにウエハWが吸着保持される。ウエハWの吸着保持、解除は、真空配管243に設けられた開閉バルブV1、V2を開閉することにより行われる。
【0034】
また、
図5に示すように真空配管243には、圧力検出部251が設けられており、真空排気部240の作動時における真空配管243内の圧力を検出することにより、各フォーク23A、23B上に載置されたウエハWが吸着保持されているか否かを検出することができる。圧力検出部251の出力は、後述の制御部5に入力される。
【0035】
以上に説明した搬送アームA1、A2には、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの位置を検出する位置検出部が設けられている。位置検出部の一例として基台231側まで後退したフォーク23Aの上方には、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの周縁の位置を検出するためのセンサ32A〜32Dが配置されている。
【0036】
図6に一点鎖線で示すように、フォーク23A、23Bの上面側から見ると、これらのセンサ32A〜32Dは、フォーク23A、23Bの先端部の円弧に沿って互いに間隔をおいて設けられている。また例えばセンサ32A〜32Dは、細長いCCDラインセンサによって構成され、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの周縁を横切るように、フォーク23A、23Bの先端部が成す円弧の径方向内側へ向けて伸び出している。
【0037】
図4、
図5に示すように、各センサ32A〜32Dは、基台231の基端部側から立ち上がり、途中で水平方向に折れ曲がってフォーク23A、23Bの上方に伸び出す支持部材33に支持されている。
【0038】
一方、支持部材33に支持された各センサ32A〜32Dの下方側には、光源31A、31B、31C、31Dが設けられている。光源31A〜31Dは例えば基台231の上面に設けられ、各センサ32A〜32Dから上方へ向けて放射された光が、その上方に配置されたセンサ32A〜32Dに入射するように配置されている。本例の光源31A〜31Dは、例えば直線状に配列された複数の発光ダイオード(LED)により構成されている。
【0039】
各光源31A〜31D、やセンサ32A〜32Dは、LEDを駆動させるLED制御部、デジタルアナログコンバータ(DAC)やアナログデジタルコンバータ(ADC)を介して後述の制御部5に接続されている。なお、LED制御部、DAC、ADCは、図示を省略した。各光源31A〜31Dは直線状に光を発光し、光源31Aから発光された光は、センサ32A〜32Dにより受光される。光を受光したセンサ32A〜32Dは、LED制御部からの制御信号のタイミングと受光量とに基づいて、いずれのCCDにて受光された光であるかを検出信号として制御部に出力することができる。以上に説明したセンサ32A〜32B、光源31A〜31D、LED制御部やDAC/ADCは、本例の位置検出部を構成している。
【0040】
次に、上述の位置検出部を備えた搬送アームA1、A2によりウエハWの搬入出が行われる処理モジュールの一例として、タワーT1に設けられている疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の構成について
図7〜
図9を参照しながら説明する。
【0041】
疎水化処理モジュールADH1〜ADH4は、
図7、
図8に示すように例えば直方体形状の筐体41内の空間を底板431により上下に分割し、この底板431の中央部に、抵抗発熱体からなる円板状の熱板43を嵌め込んだ構造となっている。熱板43は、不図示の給電部と接続されており、熱板43上に水平に載置されたウエハWを例えば90℃に加熱することができる。
図9に示すように、処理対象のウエハWは、この熱板43上に破線で示した載置位置430内に載置されることにより、ウエハWの面内が均一に処理される。熱板43は、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の載置台に相当する。
【0042】
熱板43の下方側の空間には、昇降機構442によって支持された例えば3本の支持ピン441が配置されている。そして、熱板43に設けられた貫通孔432を介してこれら支持ピン441を熱板43の板面から突没させることにより、フォーク23A、23Bとの間でのウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0043】
一方、熱板43の上方側の空間(処理空間40)の天井部にはガス供給ライン414が接続されており、このガス供給ライン414は上流側で分岐して各々HMDS供給部461、及び窒素ガス供給部462に接続されている。HMDS供給部461は、ウエハWの表面を疎水化するためのガスであるHMDS(hexamethyl disilazane)の蒸気を処理空間40内に供給し、窒素ガス供給部462は置換用の窒素ガスを供給する。HMDSや窒素ガスの給断は、開閉バルブV3、V4により行われる。
【0044】
また、筐体41の3面の側壁の内側には、各側壁の内面との間に隙間が形成されるようにして、これらの側壁と平行に配置された内壁411が設けられている。各内壁411の下端部と底板431との間にはスリット413が形成されており、処理空間40に供給されたHMDSや窒素ガスはこのスリット413を介して内壁411と筐体41の側壁との隙間(排気空間412)に排出される。
【0045】
この排気空間412は、真空ポンプなどからなる排気部464が設けられた排気管463と接続されており、排気空間412に流れ込んだHMDSや窒素ガスはこの排気管463を介して外部に排気される。なお、
図12〜
図16においては内壁411や排気空間412、排気管463等の記載は省略してある。
【0046】
一方、内壁411が設けられていない筐体41の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口42が設けられている。ウエハWを保持した搬送アーム24A、24Bは、この搬入出口42を介して処理空間40内に進入する。搬入出口42は、蓋部材421により開閉され、この蓋部材421により処理空間40内を密閉した状態でウエハWの処理を行うことができる。なお、図示の便宜上、
図8以外の図では蓋部材421の記載を省略してある。
【0047】
このように構成された疎水化処理モジュールADH1〜ADH4にウエハWを搬入した後、熱板43上に載置して蓋部材421を閉じ、ウエハWを加熱してガス供給ライン414からHMDSの蒸気を供給すると、親水性のウエハWの表面が疎水性に変化する。この結果、ウエハWの表面と、単位ブロックB1、B2にて形成される反射防止膜との密着性を向上させる疎水化処理が行われる。疎水化処理を終えた後は、ガス供給ライン414から供給するガスを窒素ガスに切り替えて、処理空間40内のHMDSと置換し、しかる後、蓋部材421を開いてウエハWが搬出される。
【0048】
このように、熱板43上に載置されたウエハWの加熱を行いながら疎水化処理を行う疎水化処理モジュールADH1〜ADH4において、ウエハWを載置する位置が載置位置430からずれると、ウエハWの一部の領域で十分な加熱が行われず、疎水化処理の状態が他の領域とは異なってしまう場合がある。一方で、背景技術にて説明したように、塗布、現像装置を据え付けた後や、搬送アームA1、A2のメンテナンスを行った後などには、設計時に予め設定された位置にウエハWを搬送したとしても、適正な載置位置430にウエハを搬送できない場合がある。
【0049】
そこで、本実施の形態に係わる疎水化処理モジュールADH1〜ADH4には、熱板43の載置位置430とウエハWを搬入するフォーク23A、23Bとの相対的な位置ずれを補正するためのガイド部45が設けられている。
【0050】
図7に示すように、本例のガイド部45は、例えば円柱状の部材からなり、搬入出口42の下方側の筐体41の外側面に、位置調節のための支持板451を介して支持されている。ガイド部45は、例えば直径が等しい2つの円柱の中心軸を上下方向に向け、互いに間隔をあけて配置されている。
【0051】
図9に示すように、2つのガイド部45の距離Dは、これらガイド部45の側周面にウエハWの側面に突き当たったウエハWの中心Oが、載置位置430の中心P’をフォーク23A、23Bの進退方向に距離Lだけ手前側に水平移動させた位置と一致するように設定されている。
【0052】
この結果、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に臨むフォーク23A、23Bとの受け渡し開始位置において、進退方向及び水平方向のずれがない場合には、ウエハWの中心Oと、各フォーク23A、23B上の正しい保持位置の中心Pとが一致する。この状態で各フォーク23A、23Bを進退方向へLだけ前進させることにより、正しい載置位置430にウエハWを載置することができることになる。
【0053】
一方でこれらフォーク23A、23Bの受け渡し開始位置が疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対してずれている場合には、ガイド部45を利用した位置補正が行われるが、その詳細な動作については後段の作用説明にて述べる。ガイド部45は、4つの疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の各々に設けてもよいし、例えば単位ブロックB1の疎水化処理モジュールADH1、ADH2と、単位ブロックB2の疎水化処理モジュールADH3、ADH4とに1組ずつ設けてもよい。
【0054】
以上に説明した構成を備えた塗布、現像装置は、
図1、
図5、
図8に示すように制御部5と接続されている。制御部5は例えば図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には塗布、現像装置の作用、即ちキャリアCから取り出したウエハWを既述の搬送経路に沿って搬送しながら、反射防止膜の形成やレジスト膜の塗布、露光後の現像処理を行ってウエハWを搬出するまでの制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0055】
特に本例の制御部5は、
図5に示すように搬送アームA1、A2やセンサ32A〜32Dに接続されており、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの位置の検出、及びフォーク23A、23Bの位置が疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対してずれている場合に、その位置補正を行う機能を備えている。以下、
図10〜
図14を参照しながらフォーク23A、23Bの位置ずれを補正する手法について説明する。
【0056】
まず、塗布、現像装置を据え付けた後や、搬送アームA1、A2のメンテナンスを行った後などに、ウエハWの処理を開始する前に、フォーク23A、23Bの位置を補正するアラインメントを行う。
図7、
図8に示すように本例のガイド部45は、搬入出口42の下方側に設けられているので、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの側面をガイド部45に突き当てるためには、搬入出口42への進入位置よりも下方側へフォーク23A、23Bを降下させる必要がある。このとき、ガイド部45の高さ位置に対してフォーク23A、23Bの高さがずれていると、ウエハWを正しくガイド部45に突き当てることができず、その後の位置補正が行えなくなってしまうので、フォーク23A、23Bの高さ位置を把握する動作を実行する。
【0057】
まず、フォーク23A、23Bが、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の搬入出口42に対向する位置に来るように、設計時に予め設定された位置まで搬送アームA1、A2を移動させる。この設定位置は、フォーク23A、23Bが搬入出口42を通過できるように、概略の位置調整が済んでいる。
【0058】
しかる後、搬入出口42を介して、高さ位置の把握を行うフォーク23A、23Bを筐体41内に進入させる。
図10に示すように、筐体41内においては、支持ピン441を熱板43の上面から突出させた状態で待機している。フォーク23A、23Bが支持ピン441の上方に到達したら、保持爪24A〜24Dの吸着孔241を介したウエハWの吸着保持を解除して、フォーク23A、23Bの降下を開始する。
【0059】
このとき、
図10に下向きの矢印で示すように、フォーク23A、23Bの降下量を小刻みなステップに分け、例えば0.1mmだけ下降した後、停止する。しかる後、真空排気部240を起動して圧力検出部251の出力に基づいて、保持爪24A〜24D上にウエハWが載置されているか否かを判断する。ウエハWが保持されている場合には、真空配管243内の減圧状態が維持されるので、この減圧状態に対応する圧力が検出される(
図10の右側のグラフの「減圧」の位置のプロットに相当する)。
【0060】
こうしてウエハWが保持爪24A〜24D上に載置されていることが検知された場合には、真空排気部240を停止し、さらに1ステップだけフォーク23A、23Bを降下させた後、再び保持爪24A〜24D上のウエハWの有無を検知する。
【0061】
このようにしてフォーク23A、23Bの降下とウエハWの検知を繰り返すと、やがてウエハWは支持ピン441の上端に到達し、支持ピン441に受け渡される。このとき、保持爪24A〜24D上のウエハWの検知を行うと、吸着孔241がウエハWで覆われていないので、真空配管243内が減圧されず、大気圧に近い圧力が検出される(
図10の右側のグラフの「大気圧」の位置のプロットに相当する)。
【0062】
この結果は、保持爪24A〜24D上にウエハWが載置されていないことが検知された最初の高さ位置が、フォーク23A、23Bから支持ピン441にウエハWが引き渡される引き渡し位置であることが検知される。搬送アームA1、A2は、この引き渡し位置をエンコーダ値で記憶する。この引き渡し位置は、フォーク23A、23Bと支持ピン441との間でのウエハWを受け渡す高さ位置に相当する。この観点において、真空配管243に設けられた圧力検出部251やフォーク23A、23Bの昇降量を把握するエンコーダは、熱板43にウエハWを受け渡すための高さ位置を検出する高さ検出部としての役割を果たす。
【0063】
一方、ガイド部45は、この引き渡し位置から下方側に予め設定された距離だけ降下した位置に配置されており、搬送アームA1、A2は上記の動作で記憶した引き渡し位置から所定の距離だけフォーク23A、23Bを降下させることにより、当該フォーク23A、23Bに保持されたウエハWをガイド部45に正しく突き当てることができる。
【0064】
ここで、フォーク23A、23Bと支持ピン441との間でのウエハWを受け渡す高さ位置を特定する手法は、上述のものに限定されない。例えば支持ピン441に支持されたウエハWの下方側からフォーク23A、23Bをステップ刻みで上昇させ、保持爪24A〜24D上にウエハWが検出された受け取り位置を前記高さ位置としてもよい。
【0065】
こうしてフォーク23A、23Bの昇降動作の基準となる高さ位置を記憶したら、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの側面をガイド部45に突き当てて、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対するフォーク23A、23Bのずれ量を把握する。
【0066】
このずれ量を把握する動作を説明する前に、センサ32A〜32Dを用いてフォーク23A、23B上のウエハWのずれ量を把握する手法について説明しておく。フォーク23A、23Bの下方に設けられている光源31A〜31Dから上方に向けて光を放射すると、その光は上方のセンサ32A〜32Dに受光される。
【0067】
既述のように、センサ32A〜32Dは、ウエハWの径方向に沿ってCCDが直線状に配列されてなるCCDラインセンサであり、各CCDの検出値に基づいて、受光したCCDと受光しないCCDとの境界の位置を決定することができる。この結果、ウエハWの周縁部の位置を計測することができる。
【0068】
ここで、
図11に示すように、4個のセンサ32A〜32Dが伸びる方向とY軸とのなす角をθ1、θ2、θ3、θ4とし、フォーク23A、23Bの正しい位置(ずれていない位置)にウエハWが保持されている場合(ウエハWを一点鎖線で示してある)におけるセンサ32A〜32D上のウエハWの周縁部の位置を、それぞれa点、b点、c点、d点とする。また、フォーク23A、23Bに保持されているウエハWの(現実の)位置におけるセンサ32A〜32D上のウエハWの周縁部の位置(ウエハWを破線で示してある)を、それぞれa'点、b'点、c'点、d'点とする。
【0069】
各センサ32A〜32Dにおけるa点とa'点の距離をΔaとし、b点とb'点の距離をΔbとし、c点とc'点の距離をΔcとし、d点とd'点との距離をΔdとすると、距離Δa、Δb、Δc、Δdは、
Δa[mm]={(a'点の画素数)−(a点の画素数)}×画素間隔[mm]
…(1)
Δb[mm]={(b'点の画素数)−(b点の画素数)}×画素間隔[mm]
…(2)
Δc[mm]={(c'点の画素数)−(c点の画素数)}×画素間隔[mm]
…(3)
Δd[mm]={(d'点の画素数)−(d点の画素数)}×画素間隔[mm]
…(4)
と表すことができる。なお、a点の画素数とは、センサ32A〜32DのウエハWの中心側における始点からa点までにおける画素の数である。
【0070】
a点〜d点、a'点〜d'点の座標は、次のように表される。
a点 (X1,Y1)=(X−Rsinθ1,Y−Rcosθ1) …(5)
a'点 (X1',Y1')=(X1−Δasinθ1,Y1−Δacosθ1)
=(X−(R+Δa)sinθ1,Y−(R+Δa)cosθ1) …(6)
b点 (X2,Y2)=(X−Rsinθ2,Y+Rcosθ2) …(7)
b'点 (X2',Y2')=(X2−Δbsinθ2,Y2+Δbcosθ2)
=(X−(R+Δb)sinθ2,Y+(R+Δb)cosθ2) …(8)
c点 (X3,Y3)=(X+Rsinθ3,Y+Rcosθ3) …(9)
c'点 (X3',Y3')=(X3+Δcsinθ3,Y3+Δccosθ3)
=(X+(R+Δc)sinθ3,Y+(R+Δc)cosθ3) …(10)
d点 (X4,Y4)=(X+Rsinθ4,Y−Rcosθ4) … (11)
d'点 (X4',Y4')=(X4+Δdsinθ4,Y4−Δdcosθ4)
=(X+(R+Δd)sinθ4,Y−(R+Δd)cosθ4) …(12)
したがって、式(6)、式(8)、式(10)、式(12)により、a'点(X1',Y1')、b'点(X2',Y2')、c'点(X3',Y3')、d'点(X4',Y4')の座標を求めることができる。
上記の式において、Xは、ウエハWが適正位置にあるときのウエハWの中心のX座標であり、Yは、ウエハWが適正位置にあるときのウエハWの中心のY座標である。また、X軸はフォーク23A、23Bの進退方向に一致し、Y軸は微調整の際に回転軸232を移動させる左右方向に一致している。
【0071】
次に、a'点、b'点、c'点、d'点のうちいずれか3点から現実の位置におけるウエハWの中心位置Oの座標(X'、Y')を算出する。例えば、a'点(X1',Y1')、b'点(X2',Y2')、c'点(X3',Y3')の3点から、現実位置におけるウエハWの中心位置o'の座標(X'、Y')は、下記の式(13)及び(14)から求めることができる。
【数1】
【数2】
【0072】
以上の手法により、正しい位置に載置されているウエハWの中心位置の座標P(X,Y)とずれた位置に載置されているウエハWの中心位置の座標O(X'、Y')が特定される。これらの中心のX軸方向のずれ量は、ΔX=X'−Xであり、Y軸方向のずれ量はΔY=Y'−Yである。
【0073】
このように、センサ32A〜32Dを用いて、フォーク23A、23Bの正しい載置位置と、実際のウエハWの載置位置とのずれ量を把握することが可能であるとき、搬送アームA1、A2は、以下の手法により、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対するフォーク23A、23Bのずれ量を把握する。
【0074】
まず
図12に示すように、設計時に予め設定された位置を基準として、ウエハWを保持したフォーク23A、23Bをガイド部45に対向させる。この位置は、本実施の形態の仮の受け渡し開始位置に対応している。また、フォーク23A、23Bの高さ位置は、
図10を用いて特定した既述の引き渡し位置を基準として正しく調整されている。
【0075】
さらに、フォーク23A、23Bに保持されたウエハWの側面をガイド部45に確実に突き当てることができるように、予めウエハWは、フォーク23A、23Bの正しい保持位置からX軸方向にのみΔX’(例えば数mm)だけずれた位置に保持されている。なお、実際のWの中心位置Oと正しい保持位置Pとは、Y軸方向には一致している。これらの調整はセンサ32A〜32Dを用いて行われる。
【0076】
このとき、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対するフォーク23A、23Bとの間にずれがある場合、言い替えると、正しい受け渡し開始位置と前述の仮の受け渡し開始位置との間にずれがある場合には、このずれ量に応じて、ガイド部45によってガイドされるウエハWの中心位置(
図12中、P
0と示してある。)と、フォーク23A、23Bの正しい保持位置の中心Pとの間にずれが生じる(
図12)。なお、
図12〜
図14に示す一点鎖線は、ガイド部45によってガイドされるウエハWの中心位置P
0を基準としたX軸、Y軸を示し、二点鎖線は、フォーク23A、23Bの正しい保持位置の中心Pを基準としたX軸、Y軸を示している。
【0077】
この状態でフォーク23A、23Bを前進させると、
図13に示すように、2つのガイド部45の一方側の側周面にウエハWの側面が接触する。このとき、ウエハWの吸着保持を解除した状態でフォーク23A、23Bの前進を継続すると、ガイド部45と接触した位置のウエハWの前進が止まる一方、ウエハWの裏面側には、パッド242との間の摩擦力が働くので、ウエハWはガイド部45との接触位置を中心として回転を始める。
【0078】
この結果、他方側のガイド部45の側周面にウエハWの側面が接触するまでウエハWは回転し、両ガイド部45に接触したところで移動が停止する(
図13中にウエハWの輪郭を一点鎖線で示してある)。
【0079】
そして、さらにフォーク23A、23Bを前進させ、前記仮の受け渡し開始位置から予め設定した量だけ前方に移動させてフォーク23A、23Bを停止する。上述の動作の結果、2つのガイド部45に突き当てたウエハWの中心Oは、ガイド部45によってガイドされるウエハWの中心位置P
0と一致した状態となる。一方、これらガイド部45から受ける力によってフォーク23A、23B上のウエハWの位置がずれた結果、ウエハWの中心Oは、フォーク23A、23Bの正しい保持位置の中心Pに対して、X軸方向にΔX、Y軸方向にΔYだけずれた状態でフォーク23A、23Bに載置されている(
図14)。
【0080】
ここで
図9を用いて説明したように、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4とフォーク23A、23Bとの間にずれがない場合には、ガイド部45への突き当てる位置にフォーク23A、23Bを移動させたとき、正しい保持位置の中心PとウエハWの中心Oとは一致するように設定されている。従って、これらの中心O−P間のずれ量ΔX、ΔYが疎水化処理モジュールADH1〜ADH4に対するフォーク23A、23Bのずれ量と把握され、既述のようにこれらのずれ量はセンサ32A〜32Dにより特定することができる。
【0081】
制御部5は、フォーク23A、23Bの進退方向のずれ量ΔXを相殺する量だけ、進退部233A、233Bに接続された駆動機構のエンコーダ値を補正する。また、この進退方向と水平に直交する左右方向のずれ量ΔYを相殺する量だけ、回転軸232を移動させ、ウエハW処理時の受け渡し開始位置を決める。
【0082】
しかる後、上述の動作で決定したウエハW処理時の受け渡し開始位置を新たな仮の受け渡し開始位置として、再度、
図12〜
図14を用いて説明した動作を行い、ΔX、ΔYの値が予め設定したしきい値以内の値となるまでこの動作を繰り返す。ここでΔX、ΔYがしきい値以内の値となるまで上述の動作を繰り返す工程を省略して、1回のウエハWの突き当て、位置検出動作によりウエハW処理時の受け渡し開始位置の決定を終えてもよい。
【0083】
本実施の形態に係わる塗布、現像装置によれば、以下の効果がある。搬送アームA1、A2のフォーク23A、23B上にウエハWを保持した状態で、当該ウエハWの側面をガイド部45に突き当てることにより、疎水化処理装置ADH1〜ADH4に臨むフォーク23A、23Bが移動を開始する位置の補正を行うので、大がかりな位置調節機構を必要とせずに疎水化処理モジュールADH1〜ADH4内の正しい載置位置430にウエハWを載置することができる。
【0084】
ここでガイド部45を配置する位置は、
図7、
図8に示したように疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の筐体41に設けられた搬入出口42の下方側に設ける場合に限られず、例えば搬入出口42の上方側に設けてもよい。さらに
図15に示すように、フォーク23A、23Bの進行方向奥手側に位置する筐体41の内壁面に設けてもよい。
【0085】
また、ガイド部45の形状も円柱状のものに限らず、半円柱状のものを用いてもよいし、
図16に示すようにガイドされるウエハWの側面の形状に応じた湾曲面を持つ部材をガイド部45aとしてもよい。
【0086】
このほか、ガイド部を利用して検出可能な左右方向のずれ量は、フォーク23A、23Bの進退方向やこの進退方向に対して水平に直交する方向に限定されない。例えば
図17、
図18に示すガイド部45bは、フォーク23A、23Bの進退方向に対して、基台231の回転中心であるQ点(
図5の回転軸232)の周りにフォーク23A、23Bを左右方向に移動させる(回転させる)際に発生する、正しい受け渡し開始位置(
図17中、一点鎖線で示してある)と仮の受け渡し開始位置(
図17中、二点鎖線で示してある)との間のずれ量を検出するために設けられている。
【0087】
図17、
図18のガイド部45bは、前述の正しい受け渡し開始位置にあるフォーク23A、23BをQ点の周りに左方向に90°回転させたとき、当該フォーク23A、23Bの前方にあたる位置に設けられている。ここで
図17に示すように、正しい受け渡し開始位置に対して、仮の受け渡し開始位置が、Q点の周りに右方向に角度φ(本例のずれ量に相当する)だけずれているとする。
【0088】
このとき
図18に示すように、仮の受け渡し開始位置から、Q点の周りに左方向に90°だけフォーク23A、23Bを回転させ、次いで予め設定した量だけフォーク23A、23Bを前進させてガイド部45bにウエハWを突き当てる。ここで、ウエハWの側面をガイド部45bに確実に突き当てることができるように、フォーク23A、23B上のウエハWの保持位置を正しい保持位置から前方側へずらしてもよいことは、
図12〜
図14に示した例と同様である。
【0089】
図18に示すように、仮の受け渡し開始位置からフォーク23A、23Bを左方向に90°回転させ、ガイド部材45bにウエハWの側面を突き当てた後のフォーク23A、23Bの向きは、正しい受け渡し開始位置から90°回転した向きに対して角度φだけずれている。この状態で、予め定められた位置までフォーク23A、23Bを前進させ、ガイド部45bにウエハWの側面を突き当てると、角度φに対応する量だけウエハWの保持位置がずれる。
【0090】
そして、ウエハWの中心とフォーク23A、23Bにおける保持位置の中心とのずれ量、及びずれ方向を検出することにより、回転中心Q点とウエハWの中心とを結ぶ直線(
図18中に二点鎖線で示してある)と、Q点と前記保持位置の中心とを結ぶ直線(
図18中に一点鎖線で示してある)との成す角度φを求めることができる。
【0091】
さらに、位置検出部の構成は、既述のCCDラインセンサに限られるものではなく、例えば搬送領域R3の天井部に設けたCCDカメラにより、フォーク23A、23B上のウエハWを撮像し、画像解析によりウエハWの中心Oや正しい保持位置の中心Pを求めてもよい。
【0092】
そして、本発明を適用可能な処理モジュールは、上述の疎水化処理モジュールADH1〜ADH4の例に限られるものではなく、レジスト塗布モジュール124や保護膜形成モジュール125、加熱モジュール126等、塗布、現像装置内の種々のモジュールに適用することができる。
【0093】
ここで、各処理モジュール124〜126内のウエハWの載置位置に対するフォーク23A、23Bの位置ずれを補正する手法は、これら処理モジュール124〜126と搬送アームA1〜A6との位置関係に応じて好適なものを選択することができる。例えば、
図1に記載の単位ブロックB3においては、レジスト塗布モジュール124や保護膜形成モジュール125、加熱モジュール126は、搬送アームA3を前後方向(
図1中のy方向)に移動させる水平レール236の伸びる方向に沿って並んでいる。この場合には、
図14に示したずれ量ΔYの補正は、既述の回転軸232の移動に替えて、水平レール236に沿って搬送アームA3を移動させることによって行ってもよい。
【0094】
さらには、基板処理装置の種類も塗布、現像装置に限られるものではない。枚葉式の洗浄装置の洗浄モジュールや、プラズマエッチング装置のエッチングモジュール、成膜装置の成膜モジュールなど、正しい載置位置にウエハWを載置して処理を行うことが要求される種々の基板処理装置に対して本発明は適用することができる。