特許第5884988号(P5884988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5884988ウレタン化合物を含む高耐擦傷性インプリント材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5884988
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】ウレタン化合物を含む高耐擦傷性インプリント材料
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20160301BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20160301BHJP
   C08F 2/50 20060101ALI20160301BHJP
   C08G 18/67 20060101ALI20160301BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20160301BHJP
   C08F 299/02 20060101ALI20160301BHJP
   B29K 75/00 20060101ALN20160301BHJP
【FI】
   H01L21/30 502D
   B29C59/02 Z
   C08F2/50
   C08G18/67
   C08F290/06
   C08F299/02
   B29K75:00
【請求項の数】12
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2012-553751(P2012-553751)
(86)(22)【出願日】2012年1月18日
(86)【国際出願番号】JP2012050960
(87)【国際公開番号】WO2012099164
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2011-8928(P2011-8928)
(32)【優先日】2011年1月19日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2011-139403(P2011-139403)
(32)【優先日】2011年6月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】小林 淳平
(72)【発明者】
【氏名】首藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正睦
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−358810(JP,A)
【文献】 特開2004−244426(JP,A)
【文献】 特開2008−169373(JP,A)
【文献】 特開2008−202022(JP,A)
【文献】 特開平06−298887(JP,A)
【文献】 特開平09−040729(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/029361(WO,A1)
【文献】 特開2011−224957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C33/00 −33/76 、39/26 −39/36 、
41/38 −41/44 、43/36 −43/42 、
43/50 、45/26 −45/44 、
45/64 −45/68 、45/73 、
49/48 −49/56 、49/70 、
51/30 −51/40 、51/44 、
53/00 −53/84 、57/00 −59/18 、
B81B 1/00 − 7/04 、
B81C 1/00 −99/00 、
B82Y 5/00 −99/00 、
C08F 2/00 − 2/60 、283/01、
290/00−290/14、299/00−299/08、
C08G18/00 −18/87 、71/00 −71/04 、
G03C 3/00 、
G03F 7/004− 7/04 、 7/06 、
7/075− 7/115、 7/16 − 7/18 、
G11B 7/24−7/24027、
7/24035−7/24041、
7/24047−7/2405、7/24062、
7/2407−7/24085、7/24091、
7/24097−7/243、7/244、7/253、
7/2533−7/2535、7/2537、7/254、
7/2548−7/257、7/258、7/26、
H01L21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:エチレンオキサイドユニットを少なくとも1つ有し、かつ少なくとも1つの重合性基を有する化合物、
(B)成分:炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基及び重合性基を少なくとも1つ有し、ポリカプロラクトン変性されたウレタン化合物、及び
(C)成分:光重合開始剤
を含むインプリント材料であって
前記(A)成分の化合物1分子あたりのエチレンオキサイドユニット濃度は20%以上80%以下であり、前記エチレンオキサイドユニット濃度は前記(A)成分である化合物の分子量に対する当該化合物のエチレンオキサイドユニットの分子量の割合を表す、インプリント材料。
【請求項2】
前記(A)成分が2種の化合物からなる、請求項1に記載のインプリント材料。
【請求項3】
前記(A)成分及び前記(B)成分の総質量に対する該(B)成分の割合は10乃至90質量%である、請求項1又は請求項2に記載のインプリント材料。
【請求項4】
(D)成分として界面活性剤をさらに含有する、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインプリント材料。
【請求項5】
(E)成分として溶剤をさらに含有する、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインプリント材料。
【請求項6】
前記(A)成分および(B)成分は重合性基として、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のインプリント材料。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインプリント材料を基材に塗布して膜を形成する工程、及び
光インプリント装置を用いて、形成された前記膜に、パターンが形成されたモールドを接触させ、そして該膜を加圧するとともに光硬化させ、その後離型することにより、前記パターンが転写された膜を作製する工程、を含む、
パターン転写膜の作製方法
【請求項8】
請求項に記載のパターン転写膜を基材上に備えた部材を使用する固体撮像装置の製造方法
【請求項9】
請求項に記載のパターン転写膜を基材上に備えた部材を使用するLEDデバイスの製造方法
【請求項10】
請求項に記載のパターン転写膜を基材上に備えた部材を使用する太陽電池の製造方法
【請求項11】
請求項に記載のパターン転写膜を基材上に備えた部材を使用するディスプレイの製造方法
【請求項12】
請求項に記載のパターン転写膜を基材上に備えた部材を使用する屋外に設置される表示板の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント材料及び当該材料から作製され、パターンが転写された膜に関する。より詳しくは、パターンが転写された後も高い耐擦傷性を有する膜を形成するインプリント材料、並びに当該材料から作製され、パターンが転写された膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1995年、現プリンストン大学のチョウ教授らがナノインプリントリソグラフィという新たな技術を提唱した(特許文献1)。ナノインプリントリソグラフィは、任意のパターンを有する、モールドを樹脂膜が形成された基材と接触させ、当該樹脂膜を加圧すると共に、熱又は光を外部刺激として用い、目的のパターンを硬化された当該樹脂膜に形成する技術であり、このナノインプリントリソグラフィは、従来の半導体デバイス製造における光リソグラフィ等に比べて簡便・安価にナノスケールの加工が可能であるという利点を有する。
したがって、ナノインプリントリソグラフィは、光リソグラフィ技術に代わり、半導体デバイス、オプトデバイス、ディスプレイ、記憶媒体、バイオチップ等の製造への適用が期待されている技術であることから、ナノインプリントリソグラフィに用いる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物について様々な報告がなされている(特許文献2、特許文献3)。
【0003】
しかし、これまでにナノインプリントリソグラフィに用いる材料(以下、本明細書では「インプリント材料」という。)として種々の材料が開示されているものの、凹凸パターン等の構造物を作製した後に擦傷性試験を行い、その結果高い耐擦傷性を保持していることを示した材料の報告はなされていない。一方で、固体撮像装置、太陽電池、LEDデバイス、ディスプレイなどの製品では、その内部または表面に作製した構造物に対して耐擦傷性を求められることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5772905号明細書
【特許文献2】特開2008−105414号公報
【特許文献3】特開2008−202022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、パターンが転写された後も高い耐擦傷性を有する膜を形成するインプリント材料を提供することであり、当該材料から作製され、パターンが転写された膜を提供することである。具体的には、パターンを転写した後の膜に対してスチールウール擦傷試験を行ったときに傷の本数が少ない、例えば20本以下の前記膜を形成するインプリント材料を提供することを目的とする。
また、本明細書では、形成されるパターンサイズがナノメートルオーダーに限らず、例えば、マイクロメートルオーダーである場合を含む光ナノインプリント技術を光インプリントと称する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、エチレンオキサイドユニットを含有しかつ重合性基を有する化合物、ウレタン化合物、及び光重合開始剤を含む材料をインプリント材料として使用することにより、該材料より作製したパターン転写された膜はパターン上でスチールウール擦傷試験を行っても傷の発生が少ないという驚くべき知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1観点として、
(A)成分:エチレンオキサイドユニットを少なくとも1つ有し、かつ少なくとも1つの重合性基を有する化合物、
(B)成分:炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基及び重合性基を少なくとも1つ有し、ポリカプロラクトン変性されたウレタン化合物、及び
(C)成分:光重合開始剤
を含むインプリント材料に関する。
第2観点として、前記(A)成分の化合物1分子あたりのエチレンオキサイドユニット濃度は20%以上80%以下である、第1観点に記載のインプリント材料に関する。
第3観点として、前記(B)成分は、1分子中に少なくとも3つのイソシアネート基を有する有機イソシアネートと炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基を有するアルコールとの反応生成物及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる化合物である、第1観点又は第2観点に記載のインプリント材料に関する。
第4観点として、前記(A)成分が少なくとも2種の化合物からなる、第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のインプリント材料に関する。
第5観点として、前記(A)成分及び前記(B)成分の総質量に対する該(B)成分の割合は10乃至90質量%である、第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のインプリント材料に関する。
第6観点として、(D)成分として界面活性剤をさらに含有する、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のインプリント材料に関する。
第7観点として、(E)成分として溶剤をさらに含有する、第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のインプリント材料に関する。
第8観点として、前記(A)成分および(B)成分は重合性基として、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物であることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載のインプリント材料に関する。
第9観点として、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のインプリント材料から作製され、パターンが転写された膜に関する。
第10観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えた部材に関する。
第11観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えた固体撮像装置に関する。
第12観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えたLEDデバイスに関する。
第13観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えた太陽電池に関する。
第14観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えたディスプレイに関する。
第15観点として、第9観点に記載のパターンが転写された膜を基材上に備えた電子デバイスに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のインプリント材料では、分子内にエチレンオキサイドユニットを少なくとも1つ有し、かつ少なくとも1つの重合性基を有する化合物、及び炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基と重合性基を少なくとも1つ有し、ポリカプロラクトン変性されたウレタン化合物を使用しているため、当該インプリント材料から作製され、パターンが転写された膜はパターン上でスチールウール擦傷試験を行っても傷の発生が少ない。
本発明のインプリント材料は、光硬化が可能であり、かつモールドの離型時にパターンの一部の剥がれが生じないため、所望のパターンが正確に形成された膜が得られる。したがって、良好な光インプリントのパターン形成が可能である。
また、本発明のインプリント材料は、任意の基材上に製膜することができ、インプリント後に形成されるパターンが転写された膜は、太陽電池、LEDデバイス、ディスプレイなどの、耐擦傷性が求められる部材を使用する製品へ好適に用いることができる。
さらに、本発明のインプリント材料は、上記(A)成分の化合物の種類及び含有割合を変更することで、硬化速度、動的粘度、膜厚をコントロールすることができる。したがって、本発明のインプリント材料は、製造するデバイス種と露光プロセス及び焼成プロセスの種類に対応した材料の設計が可能であり、プロセスマージンを拡大できるため、光学部材の製造に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、パターン転写後の膜へ耐擦傷性を付与するという課題の解決を目的とし、インプリント材料においてエチレンオキサイドユニットを少なくとも1つ有し、かつ少なくとも1つの重合性基を有する化合物、及び炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基と重合性基を少なくとも1つ有し、ポリカプロラクトン変性されたウレタン化合物を採用した点に特徴がある。
すなわち本発明は、(A)成分:エチレンオキサイドユニットを少なくとも1つ有し、かつ少なくとも1つの重合性基を有する化合物、(B)成分:炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基及び重合性基を少なくとも1つ有し、ポリカプロラクトン変性されたウレタン化合物、及び(C)成分:光重合開始剤を含有するインプリント材料である。また本発明は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分に加えて、更に、(D)成分として界面活性剤、及び(E)成分として溶剤、更には所望によりその他成分をも含有することのできるインプリント材料である。
以下、各成分について詳細に説明する。
【0009】
<(A)成分>
(A)成分である化合物は、1分子内にエチレンオキサイドユニットを1つ以上有し、かつ重合性基を分子末端に1つ以上有する化合物である。本発明に含まれる(A)成分は、パターン転写後の膜に対して耐擦傷性を付与することができる。
上記重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイルオキシ基、メタアクリロイル基、ビニル基及びアリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機基のことを指す。ここで、アクリロイルオキシ基はアクリロキシ基と、メタアクリロイルオキシ基はメタアクリロキシ基と表現されることがある。
【0010】
(A)成分の化合物1分子あたりのエチレンオキサイドユニットの含有量は、分子量計算において1分子あたりのエチレンオキサイドユニット濃度が、好ましくは20%以上80%以下である。ここで本発明において、エチレンオキサイドユニット濃度とは、(A)成分である化合物の分子量に対する当該化合物のエチレンオキサイドユニットの分子量の割合を表す。本発明に含まれる(A)成分が2種の化合物からなる場合は、後述する式(F)を適用したエチレンオキサイドユニット濃度が20%以上80%以下である。
【0011】
上記(A)成分が化合物A1及び化合物A2から成り、当該化合物A1をx質量%(xは0<x≦100を満たす正数)及び化合物A2を(100−x)質量%含む場合の、エチレンオキサイドユニット濃度(%)は、下記式(F)で表される。ただし、化合物A1及び化合物A2のエチレンオキサイドユニット1個当たりの分子量を44、化合物A1及びA2の1分子当たりのエチレンオキサイドユニットの数をそれぞれnA1,nA2、化合物A1及びA2の分子量をそれぞれMA1,MA2とする。
100[(44×nA1×x)+〔44×nA2×(100−x)]/[(MA1×x)+〔MA2×(100−x)〕]・・・(F)
上記(A)成分が1種の化合物A1から成る場合のエチレンオキサイドユニット濃度は、上記式(F)においてx=100が適用された下記式(G)で表される。
100(44×nA1)/MA1・・・(G)
【0012】
上記(A)成分である化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。
【0013】
上記(A)成分である化合物は、市販品として入手が可能であり、その具体例としては、NKエステルAM−30G、同AM−90G、同AM−130G、同AM−230G、同AMP−10G、同AMP−20GY、同AMP−60G、同PHE−1G、同A−200、同A−400、同A−600、同A−1000、同1G、同2G、同3G、同4G、同9G、同14G、同23G、同ABE−300、同A−BPE−4、同A−BPE−6、同A−BPE−10、同A−BPE−20、同A−BPE−30、同BPE−80N、同BPE−100N、同BPE−200、同BPE−500、同BPE−900、同BPE−1300N、同A−GLY−3E、同A−GLY−9E、同A−GLY−20E、同A−TMPT−3EO、同A−TMPT−9EO、同ATM−4E、同ATM−35E(以上、新中村化学工業株式会社製)、KAYARAD(登録商標)DPEA−12、同PEG400DA、同THE−330、同RP−1040(以上、日本化薬株式会社製)、M−210、M−350(以上、東亞合成株式会社製)を挙げることができる。
【0014】
上記(A)成分である化合物は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0015】
<(B)成分>
(B)成分であるウレタン化合物は、炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基と重合性基を1つ以上有し、ポリカプロラクトン変性されたことを特徴としている。
上記重合性基としては、(A)成分の化合物の説明において挙げた基、例えば、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイルオキシ基、メタアクリロイル基、ビニル基及びアリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機基を挙げることができる。
上記本発明の(B)成分であるウレタン化合物は、後述するように、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネート(a)と炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基を有するアルコール(以下、本明細書において「長鎖アルキルアルコール」とも称する)(b)を混合して両者を反応させた後、さらにポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)を加えて反応させることによって得られるウレタン化合物であることが好ましい。
【0016】
上記有機イソシアネート(a)は、イソシアネート基を2個有するジイソシアネートモノマー(a−1)を変性することによって得られるもので、1分子中に少なくとも3つのイソシアネート基を有している。ジイソシアネートモノマー(a−1)の変性方法としては、例えば、イソシアヌレート変性、アダクト変性、ビウレット変性が挙げられる。
【0017】
ジイソシアネートモノマー(a−1)としては、例えば下記式(1)で表されるトリレンジイソシアネート(TDI)、
【化1】
【0018】
下記式(2)で表されるナフタレンジイソシアネート(NDI)、
【化2】
【0019】
下記式(3)で表されるナフタレンジイソシアネート(MDI)、
【化3】
【0020】
下記式(4)で表されるイソホロンジイソシアネート(IPDI)、
【化4】
【0021】
下記式(5)で表されるキシレンジイソシアネート(XDI)、
【化5】
【0022】
下記式(6)で表されるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
【化6】
【0023】
下記式(7)で表されるジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HDI)、
【化7】
【0024】
その他、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチルなどが挙げられる。
【0025】
上記ジイソシアネートモノマー(a−1)をイソシアヌレート変性した有機イソシアネート(a)としては、例えば、下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる。
【化8】
上記一般式(8)中、Rはそれぞれ独立に、下記7種の二価の炭化水素基のいずれかを表す。
【化9】
【0026】
上記ジイソシアネートモノマー(a−1)をアダクト変性した有機イソシアネート(a)としては、例えば、下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
【化10】
上記一般式(9)中、Rはそれぞれ独立に、前記7種の二価の炭化水素基のいずれかを表す。
【0027】
上記イソシアネートモノマー(a−1)をビウレット変性した有機イソシアネート(a)としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
【化11】
【0028】
上記炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキルアルコール(b)としては、例えば、トリデカノール、ミスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンモノステアリレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、グリセロールモノステアレートなどの炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキル基を有する化合物が挙げられる。
【0029】
上記ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、下記一般式(11)で表される化合物が挙げられ、当該化合物はイソシアネート基と反応性を有するヒドロキシ基を有するとともに、CH2=CH−又はCH2=C(CH3)−で表される重合性基を有している。
【化12】
上記一般式(11)中、R1はH又はCH3基を表し、nは1乃至25の整数を表すが、好ましいnの値は2乃至5の整数である。nの値が2乃至5の整数の式(11)で表される化合物を使用することにより、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する組成物の硬化不良がより抑制されるとともに、良好な耐擦傷性及び自己修復機能がより発揮されることとなる。
【0030】
本発明のインプリント材料における(B)成分の含有量は、上記(A)成分及び(B)成分の総質量に対して、好ましくは10乃至90質量%、より好ましくは40乃至60質量%である。
【0031】
<(B)成分の合成>
前述のとおり、(B)成分であるウレタン化合物として、1分子中に少なくとも3つのイソシアネート基を有する有機イソシアネート(a)と炭素原子数が13乃至25の長鎖アルキルアルコール(b)を混合して両者を反応させた後、さらにポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)を加えて反応させることにより得られるウレタン化合物であることが好ましい。
【0032】
上記両反応は、通常溶液中で行うことができ、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤などが単独又は混合溶剤として用いられる。
【0033】
また、上記両反応は、無溶剤系で行うこともでき、あるいは、重合性基を有する化合物、例えば、スチレン、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート中で行うこともできる。
【0034】
上記両反応の反応温度は、常温乃至100℃であるのが好ましく、反応時間は1乃至10時間であるのが好ましい。有機イソシアネート(a)とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)と長鎖アルキルアルコール(b)の混合比は、有機イソシアネート(a)のイソシアネート基とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)の水酸基と長鎖アルキルアルコール(b)の水酸基のモル比が1:(0.8〜1.20):(0.02〜0.33)となる混合比であるのが好ましい。
【0035】
上記両反応に際し、必要に応じてジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジエチルヘキソエート、ジブチル錫サルファイトなどの触媒を使用してもよい。触媒の添加量は、有機イソシアネート(a)、長鎖アルキルアルコール(b)及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)の合計100質量部に対して0.01乃至1質量部であるのが好ましく、0.1乃至0.5質量部であるのがより好ましい。また、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤の添加量は、有機イソシアネート(a)、長鎖アルキルアルコール(b)及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(c)の合計100質量部に対して0.01乃至1質量部であるのが好ましい。
【0036】
<(C)成分>
(C)成分である光重合開始剤としては、光硬化時に使用する光源に吸収をもつものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)ヘキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)ヘキセンヒドロペルオキシド、α−(iso−プロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロヘキサノンペルオキシド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルジペルオキシイソフタレート等の有機過酸化物;9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン誘導体;2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−{4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル}−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等のアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物が挙げられる。
【0037】
上記化合物は、市販品として入手が可能であり、その具体例としては、IRGACURE(登録商標)651、同184、同500、同2959、同127、同754、同907、同369、同379、同379EG、同819、同819DW、同1800、同1870、同784、同OXE01、同OXE02、同250、DAROCUR(登録商標) 1173、同MBF、同4265、Lucirin(登録商標)TPO(以上、BASFジャパン株式会社製)、KAYACURE(登録商標)DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(以上、日本化薬株式会社製)、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD製)、ESACURE(登録商標)KIP150、同TZT、同1001、同KTO46、同KB1、同KL200、同KS300、同EB3、トリアジン−PMS、トリアジンA、トリアジンB(以上、日本シイベルヘグナー株式会社製)、アデカオプトマーN−1717、同N−1414、同N−1606(株式会社ADEKA(旧旭電化工業株式会社)製)が挙げられる。
【0038】
上記光重合開始剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0039】
本発明のインプリント材料における(C)成分の含有量は、上記(A)成分及び上記(B)成分の総質量に対して、0.5phr乃至30phrであることが好ましく、1phr乃至20phrであることがより好ましい。(C)成分の含有量の割合が0.1phr以下の場合には、十分な硬化性が得られず、パターニング特性の悪化および耐擦傷性の低下が起こるからである。ここで、phrとは、(A)成分及び(B)成分の総質量100gに対する、光重合開始剤の質量を表す。
【0040】
<(D)成分>
本発明においては(D)成分として界面活性剤を含有しても良い。(D)成分である界面活性剤は、得られる塗膜の製膜性を調整する役割を果たす。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤;商品名エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF352(三菱マテリアル電子化成株式会社製)、商品名メガファック(登録商標)F171、同F173、同R−08、同R−30(DIC株式会社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム株式会社製)、商品名アサヒガード(登録商標)AG710、サーフロン(登録商標)S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子株式会社製)等のフッ素系界面活性剤;及びオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業株式会社製)、BYK(登録商標)−302、同−307、同−322、同−323、同−330、同−333、同−370、同−375、同−378、同−UV3500、同−UV3570(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を挙げることができる。
【0041】
上記界面活性剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。界面活性剤が使用される場合、その割合は、上記(A)成分及び上記(B)成分の総質量に対して、好ましくは0.01phr乃至40phr、より好ましくは0.01phr乃至10phrである。
【0042】
<(E)成分>
本発明においては(E)成分として溶剤を含有しても良い。(E)成分である溶剤は、(A)成分および(B)成分である化合物の粘度調節の役割を果たす。
【0043】
上記溶剤としては、例えば、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ−ルジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルケトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、n−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、n−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、トリメチレングリコール、1−メトキシ−2−ブタノール、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジンが挙げられ、上記(A)成分および(B)成分の粘度を調節することができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0044】
上記溶剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0045】
<その他添加剤>
本発明のインプリント材料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、エポキシ化合物、光酸発生剤、光増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、密着補助剤及び離型性向上剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤をさらに含有することができる。
【0046】
上記エポキシ化合物は、エポキシ基又はオキシラン環を有する化合物であり、例えば、エポリード(登録商標)GT−401、同PB3600、セロキサイド(登録商標)2021P、同2000、同3000、EHPE3150、EHPE3150CE、サイクロマー(登録商標)M100(以上、ダイセル化学工業株式会社(現 株式会社ダイセル)製)、EPICLON(登録商標)840、同840−S、同N−660、同N−673−80M(以上、DIC株式会社製)が挙げられる。
【0047】
上記光酸発生剤としては、例えば、IRGACURE(登録商標)PAG103、同PAG108、同PAG121、同PAG203、同CGI725(以上、BASFジャパン株式会社製)、WPAG−145、WPAG−170、WPAG−199、WPAG−281、WPAG−336、WPAG−367(以上、和光純薬工業株式会社製)、TFE−トリアジン、TME−トリアジン、MP−トリアジン、ジメトキシトリアジン、TS−91、TS−01(株式会社三和ケミカル製)が挙げられる。
【0048】
上記光増感剤としては、例えば、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、3,4−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系、フェノチアジン系、アントラセン系、コロネン系、ベンズアントラセン系、ペリレン系、ケトクマリン系、フマリン系、ボレート系が挙げられる。
【0049】
上記光増感剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。当該光増感剤を用いることによって、UV領域の吸収波長を調整することもできる。
【0050】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVIN(登録商標)PS、同99−2、同109、同328、同384−2、同400、同405、同460、同477、同479、同900、同928、同1130、同111FDL、同123、同144、同152、同292、同5100、同400−DW、同477−DW、同99−DW、同123−DW、同5050、同5060、同5151(以上、BASFジャパン株式会社)が挙げられる。
【0051】
上記紫外線吸収剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。当該紫外線吸収剤を用いることによって、光硬化時に膜の最表面の硬化速度を制御することができ、離型性を向上できる場合がある。
【0052】
上記酸化防止剤としては、例えば、IRGANOX(登録商標)1010、同1035、同1076、同1135、同1520L(以上、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
【0053】
上記酸化防止剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。当該酸化防止剤を用いることで、酸化によって膜が黄色に変色することを防止することができる。
【0054】
上記密着補助剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。当該密着補助剤を用いることによって、基材との密着性が向上する。当該密着補助剤の含有量は、上記(A)成分及び上記(B)成分の総質量に対して、好ましくは5phr乃至50phr、より好ましくは10phr乃至50phrである。
【0055】
上記離型性向上剤としては、シリコーンユニット含有化合物又はフッ素含有化合物が挙げられる。シリコーンユニット含有化合物としては、X−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E、X−22−163、X−22−169AS、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−9002、X−22−2475、X−22−4952、KF−643、X−22−343、X−22−2046(以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。フッ素含有化合物としては、R−5410、R−1420、M−5410、M−1420、E−5444、E−7432、A−1430、A−1630(以上ダイキン工業株式会社製)が挙げられる。
【0056】
本発明のインプリント材料は、少なくとも1つの重合性基を有し、かつエチレンオキサイドユニットを有さない化合物をさらに含有することができる。当該化合物の含有量は、上記(A)成分及び上記(B)成分の総質量に対して、好ましくは0.01phr乃至200phr、より好ましくは0.1phr乃至100phrである。
【0057】
上記少なくとも1つの重合性基を有し、かつエチレンオキサイドユニットを有さない化合物としては、例えば、アクリル酸、KAYARAD(登録商標)NPGDA、同PET−30、同DPHA(以上、日本化薬株式会社製)が挙げられる。これらのうち何れかを用いることで、本発明のインプリント材料の粘度を調整することができる。
【0058】
<インプリント材料の調製>
本発明のインプリント材料の調製方法は、特に限定されないが、(A)成分、(B)成分、(C)成分、並びに任意成分である(D)成分及び(E)成分並びに所望によりその他添加剤が均一に混合した状態であれば良い。また、(A)成分乃至(E)成分並びに所望によりその他添加剤を混合する際の順序は、均一な溶液が得られるなら問題なく、特に限定されない。当該調製方法としては、例えば、(A)成分に(B)成分を所定の割合で混合する方法が挙げられる。また、これに更に(C)成分、(D)成分及び(E)成分を混合し、均一な溶液とする方法も挙げられる。さらに、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて、その他の添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
【0059】
本発明のインプリント材料は、基材に塗布し光硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法としては、公知又は周知の方法、例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、スリットコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法を挙げることができる。
【0060】
本発明のインプリント材料を塗布するための基材としては、例えば、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)が成膜されたガラス(ITO基板)、シリコンナイトライド(SiN)が成膜されたガラス(SiN基板)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)が成膜されたガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル、プラスチック、ガラス、石英、セラミックス等からなる基材を挙げることができる。また、可撓性を有するフレキシブル基材を用いることも可能である。
【0061】
本発明のインプリント材料を硬化させる光源としては、特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrFエキシマーレーザー、ArFエキシマーレーザー、F2エキシマーレーザー、電子線(EB)、極端紫外線(EUV)等を挙げることができる。また、波長は、一般的には、436nmのG線、405nmのH線、365nmのI線、又はGHI混合線を用いることができる。さらに、露光量は、好ましくは、30乃至2000mJ/cm2、より好ましくは30乃至1000mJ/cm2である。
【0062】
なお、前述の(E)成分である溶剤を用いる場合には、光照射前の被膜及び光照射後の被膜の少なくとも一方に対し、溶剤を蒸発させる目的で、焼成工程を加えても良い。焼成機器としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、又は真空中で焼成することができるものであればよい。焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では、特に限定されないが、例えば、40℃乃至200℃で行うことができる。
【0063】
光インプリントを行う装置は、目的のパターンが得られれば、特に限定されないが、例えば、東芝機械株式会社のST50、Obducat社製のSindre(登録商標)60、明昌機工株式会社製のNM−0801HB等の市販されている装置を用いることができる。
【0064】
また、本発明で用いる光インプリント用に使用するモールド材としては、例えば、石英、シリコン、ニッケル、アルミナ、カルボニルシラン、グラッシーカーボンを挙げることができるが、目的のパターンが得られるなら、特に限定されない。また、モールドは、離型性を高めるために、その表面にフッ素系化合物等の薄膜を形成する離型処理を行っても良い。離型処理に用いる離型剤としては、例えば、ダイキン工業株式会社製のオプツール(登録商標)HDが挙げられるが、目的のパターンが得られるなら、特に限定されない。
【0065】
光インプリントのパターンは、目的の電子デバイスに適合したパターンを選択すればよく、パターンサイズもこれに準ずる。パターンサイズは、例えば、ナノメートルオーダー及びマイクロメートルオーダーである。
【実施例】
【0066】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
【0067】
(合成例1)
攪拌機、温度計及びコンデンサーを備えた500mL容のフラスコにトルエン60.8質量部、ステアリルアルコール(NAA−46;日本油脂株式会社製、水酸基価:207)8.4質量部を仕込み40℃まで昇温した。その後ステアリルアルコールが完全に溶解したのを確認し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(タケネート(登録商標)D−170N;三井化学株式会社製、NCO%:20.9)50質量部を仕込み70℃まで昇温させた。同温度で30分反応後、ジブチル錫ジラウレートを0.02質量部仕込み同温度で3時間保持した。その後、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセル(登録商標)FA2D;ダイセル化学工業株式会社(現 株式会社ダイセル)製、水酸基価:163)83.5質量部、ジブチル錫ジラウレート0.02質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込み、70℃で3時間保持して反応を終了した後、エバポレーターでトルエンを除去し、固形分100質量%のウレタンアクリレート(I)を得た。
【0068】
(合成例2)
合成例1と同様のフラスコにトルエン48.2質量部、ステアリルアルコール(NAA−46)4.2質量部を仕込み40℃まで昇温した。その後ステアリルアルコールが完全に溶解したのを確認し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(タケネート(登録商標)D−170N)25質量部を仕込み70℃まで昇温させた。同温度で30分反応後、ジブチル錫ジラウレートを0.02質量部仕込み同温度で3時間保持した。その後、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセル(登録商標)FA5;ダイセル化学工業株式会社(現 株式会社ダイセル)製、水酸基価:81.8)83.3質量部、ジブチル錫ジラウレート0.02質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込み、70℃で3時間保持して反応を終了した後、エバポレーターでトルエンを除去し、固形分100質量%のウレタンアクリレート(II)を得た。
【0069】
(合成例3)
合成例1と同様のフラスコにトルエン44.8質量部、ステアリルアルコール(NAA−46)4.6質量部を仕込み40℃まで昇温した。その後ステアリルアルコールが完全に溶解したのを確認し、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト変性タイプ(タケネート(登録商標)D−110N;三井化学株式会社製、N.V.:75、NCO%:11.5)50質量部を仕込み70℃まで昇温させた。同温度で30分反応後、ジブチル錫ジラウレートを0.02質量部仕込み同温度で3時間保持した。その後、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセル(登録商標)FA5)91.7質量部、ジブチル錫ジラウレート0.02質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込み、70℃で3時間保持して反応を終了した後、エバポレーターでトルエンを除去し、固形分100質量%のウレタンアクリレート(III)を得た。
【0070】
(合成例4)
合成例1と同様のフラスコにトルエン61.3質量部、ベヘニルアルコール(NAA−422;日本油脂株式会社製、水酸基価:180)9.7質量部を仕込み40℃まで昇温した。その後ベヘニルアルコールが完全に溶解したのを確認し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(タケネート(登録商標)D−170N)50質量部を仕込み70℃まで昇温させた。同温度で30分反応後、ジブチル錫ジラウレートを0.02質量部仕込み同温度で3時間保持した。その後、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセル(登録商標)FA2D)83.4質量部、ジブチル錫ジラウレート0.02質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込み、70℃で3時間保持して反応を終了した後、エバポレーターでトルエンを除去し、固形分100質量%のウレタンアクリレート(IV)を得た。
【0071】
[膜形成用塗布液の調製]
<実施例1>
NKエステルA−TMPT−3EO(以下、本明細書では「A−TMPT−3EO」と略称する。)(新中村化学株式会社製)4.5gと合成例1で得たウレタンアクリレート(I)0.5gを混合し、DAROCUR(登録商標)1173(BASFジャパン株式会社製)(以下、本明細書では「DAROCUR1173」と略称する。)を0.25g(A−TMPT−3EOとウレタンアクリレート(I)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−1Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するA−TMPT−3EOは(A)成分に該当する。本実施例並びに後述する実施例及び比較例で使用する、ウレタンアクリレート(I)は(B)成分に該当し、DAROCUR1173は(C)成分に該当する。
【0072】
<実施例2>
実施例1のA−TMPT−3EOを2.5g、ウレタンアクリレート(I)を2.5gに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−2Aを調製した。
【0073】
<実施例3>
実施例1のA−TMPT−3EOを0.5g、ウレタンアクリレート(I)を4.5gに変更した以外は、実施例1と同様にインプリント材料PNI−3Aを調製した。
【0074】
<実施例4>
NKエステル(登録商標)A−TMPT−9EO(以下、本明細書では「A−TMPT−9EO」と略称する。)(新中村化学株式会社製)4.5gと合成例1で得たウレタンアクリレート(I)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−9EOとウレタンアクリレート(I)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−4Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するA−TMPT−9EOは(A)成分に該当する。
【0075】
<実施例5>
実施例4のA−TMPT−9EOを2.5g、ウレタンアクリレート(I)を2.5gに変更した以外は、実施例4と同様にインプリント材料PNI−5Aを調製した。
【0076】
<実施例6>
実施例4のA−TMPT−9EOを0.5g、ウレタンアクリレート(I)を4.5gに変更した以外は、実施例4と同様にインプリント材料PNI−6Aを調製した。
【0077】
<実施例7>
NKエステル(登録商標)ATM−4E(以下、本明細書では「ATM−4E」と略称する。)(新中村化学株式会社製)4.5gと合成例1で得たウレタンアクリレート(I)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(ATM−4Eとウレタンアクリレート(I)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−7Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するATM−4Eは(A)成分に該当する。
【0078】
<実施例8>
実施例7のATM−4Eを2.5g、ウレタンアクリレート(I)を2.5gに変更した以外は、実施例7と同様にインプリント材料PNI−8Aを調製した。
【0079】
<実施例9>
実施例7のATM−4Eを0.5g、ウレタンアクリレート(I)を4.5gに変更した以外は、実施例7と同様にインプリント材料PNI−9Aを調製した。
【0080】
<実施例10>
KAYARAD(登録商標)DPEA−12(以下、本明細書では「DPEA−12」と略称する。)(日本化薬株式会社製)4.5gと合成例1で得たウレタンアクリレート(I)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPEA−12とウレタンアクリレート(I)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−10Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するDPEA−12は(A)成分に該当する。
【0081】
<実施例11>
実施例10のDPEA−12を2.5g、ウレタンアクリレート(I)を2.5gに変更した以外は、実施例10と同様にインプリント材料PNI−11Aを調製した。
【0082】
<実施例12>
実施例10のDPEA−12を0.5g、ウレタンアクリレート(I)を4.5gに変更した以外は、実施例10と同様にインプリント材料PNI−12Aを調製した。
【0083】
<実施例13>
A−TMPT−3EO4.5gと合成例2で得たウレタンアクリレート(II)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−3EOとウレタンアクリレート(II)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−13Aを調製した。本実施例並びに後述する実施例及び比較例で使用するウレタンアクリレート(II)は(B)成分に該当する。
【0084】
<実施例14>
実施例13のA−TMPT−3EOを2.5g、ウレタンアクリレート(II)を2.5gに変更した以外は、実施例13と同様にインプリント材料PNI−14Aを調製した。
【0085】
<実施例15>
実施例13のA−TMPT−3EOを0.5g、ウレタンアクリレート(II)を4.5gに変更した以外は、実施例13と同様にインプリント材料PNI−15Aを調製した。
【0086】
<実施例16>
A−TMPT−9EO4.5gと合成例2で得たウレタンアクリレート(II)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−9EOとウレタンアクリレート(II)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−16Aを調製した。
【0087】
<実施例17>
実施例16のA−TMPT−9EOを2.5g、ウレタンアクリレート(II)を2.5gに変更した以外は、実施例16と同様にインプリント材料PNI−17Aを調製した。
【0088】
<実施例18>
実施例16のA−TMPT−9EOを0.5g、ウレタンアクリレート(II)を4.5gに変更した以外は、実施例16と同様にインプリント材料PNI−18Aを調製した。
【0089】
<実施例19>
ATM−4E4.5gと合成例2で得たウレタンアクリレート(II)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(ATM−4Eとウレタンアクリレート(II)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−19Aを調製した。
【0090】
<実施例20>
実施例19のATM−4Eを2.5g、ウレタンアクリレート(II)を2.5gに変更した以外は、実施例19と同様にインプリント材料PNI−20Aを調製した。
【0091】
<実施例21>
実施例19のATM−4Eを0.5g、ウレタンアクリレート(II)を4.5gに変更した以外は、実施例19と同様にインプリント材料PNI−21Aを調製した。
【0092】
<実施例22>
DPEA−12 4.5gと合成例2で得たウレタンアクリレート(II)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPEA−12とウレタンアクリレート(II)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−22Aを調製した。
【0093】
<実施例23>
実施例22のDPEA−12を2.5g、ウレタンアクリレート(II)を2.5gに変更した以外は、実施例22と同様にインプリント材料PNI−23Aを調製した。
【0094】
<実施例24>
実施例22のDPEA−12を0.5g、ウレタンアクリレート(II)を4.5gに変更した以外は、実施例22と同様にインプリント材料PNI−24Aを調製した。
【0095】
<実施例25>
A−TMPT−3EO4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(III)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−3EOとウレタンアクリレート(III)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−25Aを調製した。本実施例並びに後述する実施例及び比較例で使用するウレタンアクリレート(III)は(B)成分に該当する。
【0096】
<実施例26>
実施例25のA−TMPT−3EOを2.5g、ウレタンアクリレート(III)を2.5gに変更した以外は、実施例25と同様にインプリント材料PNI−26Aを調製した。
【0097】
<実施例27>
実施例25のA−TMPT−3EOを0.5g、ウレタンアクリレート(III)を4.5gに変更した以外は、実施例25と同様にインプリント材料PNI−27Aを調製した。
【0098】
<実施例28>
A−TMPT−9EO4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(III)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−9EOとウレタンアクリレート(III)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−28Aを調製した。
【0099】
<実施例29>
実施例28のA−TMPT−9EOを2.5g、ウレタンアクリレート(III)を2.5gに変更した以外は、実施例28と同様にインプリント材料PNI−29Aを調製した。
【0100】
<実施例30>
実施例28のA−TMPT−9EOを0.5g、ウレタンアクリレート(III)を4.5gに変更した以外は、実施例28と同様にインプリント材料PNI−30Aを調製した。
【0101】
<実施例31>
ATM−4E4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(III)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(ATM−4Eとウレタンアクリレート(III)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−31Aを調製した。
【0102】
<実施例32>
実施例31のATM−4Eを2.5g、ウレタンアクリレート(III)を2.5gに変更した以外は、実施例31と同様にインプリント材料PNI−32Aを調製した。
【0103】
<実施例33>
実施例31のATM−4Eを0.5g、ウレタンアクリレート(III)を4.5gに変更した以外は、実施例31と同様にインプリント材料PNI−33Aを調製した。
【0104】
<実施例34>
DPEA−12 4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(III)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPEA−12とウレタンアクリレート(III)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−34Aを調製した。
【0105】
<実施例35>
実施例34のDPEA−12を2.5g、ウレタンアクリレート(III)を2.5gに変更した以外は、実施例34と同様にインプリント材料PNI−35Aを調製した。
【0106】
<実施例36>
実施例34のDPEA−12を0.5g、ウレタンアクリレート(III)を4.5gに変更した以外は、実施例34と同様にインプリント材料PNI−36Aを調製した。
【0107】
<実施例37>
A−TMPT−3EO4.5gと合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−3EOとウレタンアクリレート(IV)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−37Aを調製した。本実施例並びに後述する実施例及び比較例で使用するウレタンアクリレート(IV)は(B)成分に該当する。
【0108】
<実施例38>
実施例37のA−TMPT−3EOを2.5g、ウレタンアクリレート(IV)を2.5gに変更した以外は、実施例37と同様にインプリント材料PNI−38Aを調製した。
【0109】
<実施例39>
実施例37のA−TMPT−3EOを0.5g、ウレタンアクリレート(IV)を4.5gに変更した以外は、実施例37と同様にインプリント材料PNI−39Aを調製した。
【0110】
<実施例40>
A−TMPT−9EO4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(IV)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(A−TMPT−9EOとウレタンアクリレート(IV)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−40Aを調製した。
【0111】
<実施例41>
実施例40のA−TMPT−9EOを2.5g、ウレタンアクリレート(IV)を2.5gに変更した以外は、実施例40と同様にインプリント材料PNI−41Aを調製した。
【0112】
<実施例42>
実施例40のA−TMPT−9EOを0.5g、ウレタンアクリレート(IV)を4.5gに変更した以外は、実施例40と同様にインプリント材料PNI−42Aを調製した。
【0113】
<実施例43>
IVATM−4E4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(IV)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(ATM−4Eとウレタンアクリレート(IV)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−43Aを調製した。
【0114】
<実施例44>
IV実施例43のATM−4Eを2.5g、ウレタンアクリレート(IV)を2.5gに変更した以外は、実施例43と同様にインプリント材料PNI−44Aを調製した。
【0115】
<実施例45>
実施例43のATM−4Eを0.5g、ウレタンアクリレート(IV)を4.5gに変更した以外は、実施例43と同様にインプリント材料PNI−45Aを調製した。
【0116】
<実施例46>
DPEA−12 4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(IV)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.5g(DPEA−12とウレタンアクリレート(IV)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−46Aを調製した。
【0117】
<実施例47>
実施例46のDPEA−12を2.5g、ウレタンアクリレート(IV)を2.5gに変更した以外は、実施例46と同様にインプリント材料PNI−47Aを調製した。
【0118】
<実施例48>
実施例46のDPEA−12を0.5g、ウレタンアクリレート(IV)を4.5gに変更した以外は、実施例46と同様にインプリント材料PNI−48Aを調製した。
【0119】
<実施例49>
DPEA−12 2.5g、合成例1で得たウレタンアクリレート(I)2.5g及びアクリル酸0.005gを混合し、Lucirin(登録商標)TPO(BASFジャパン株式会社製)(以下、本明細書では「Lucirin TPO」と略称する。)を0.125g(DPEA−12、ウレタンアクリレート(I)及びアクリル酸の総質量に対して2.5phr)加え、インプリント材料PNI−49Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するLucirin TPOは(C)成分に該当する。
【0120】
<実施例50>
DPEA−12 1.25g、ウレタンアクリレート(I)1.25g及びアクリル酸2.5gを混合し、Lucirin TPOを0.125g(DPEA−12、ウレタンアクリレート(I)及びアクリル酸の総質量に対して2.5phr)加え、インプリント材料PNI−50Aを調製した。
【0121】
<実施例51>
実施例49のアクリル酸をKAYARAD(登録商標)NPGDA(日本化薬株式会社製)(以下、本明細書では「NPGDA」と略称する。)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−51Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するNPGDAは、重合性基を2つ有するが、エチレンオキサイドユニットを有さないため、(A)成分に該当しない。
【0122】
<実施例52>
実施例50のアクリル酸をNPGDAに変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−52Aを調製した。
【0123】
<実施例53>
実施例49のアクリル酸をKAYARAD(登録商標)PET−30(日本化薬株式会社製)(以下、本明細書では「PET−30」と略称する。)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−53Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するPET−30は、重合性基を複数有するが、エチレンオキサイドユニットを有さないため、(A)成分に該当しない。
【0124】
<実施例54>
実施例50のアクリル酸をPET−30に変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−54Aを調製した。
【0125】
<実施例55>
実施例49のアクリル酸をKAYARAD(登録商標)DPHA(日本化薬株式会社製)(以下、本明細書では「DPHA」と略称する。)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−55Aを調製した。本実施例及び後述する実施例並びに比較例で使用するDPHAは、重合性基を複数有するが、エチレンオキサイドユニットを有さないため、(A)成分に該当しない。
【0126】
<実施例56>
実施例50のアクリル酸をDPHAに変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−56Aを調製した。
【0127】
<実施例57>
DPEA−12 2.5g、ウレタンアクリレート(I)2.5g、NKエステルAM−30G(新中村化学工業株式会社製)(以下、本明細書では「AM−30G」と略称する。)0.25g及びNPGDA2.75gを混合し、Lucirin TPOを0.2g(DPEA−12、ウレタンアクリレート(I)、AM−30G及びNPGDAの総質量に対して2.5phr)加え、インプリント材料PNI−57Aを調製した。本実施例及び後述する実施例で使用するAM−30Gは(A)成分に該当する。
【0128】
<実施例58>
実施例57のAM−30Gを0.5gに、NPGDAを2.5gに変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−58Aを調製した。
【0129】
<実施例59>
実施例57のAM−30Gを0.75gに、NPGDAを2.25gに変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−59Aを調製した。
【0130】
<実施例60>
I実施例57のAM−30Gを1gに、NPGDAを2gに変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−60Aを調製した。
【0131】
<実施例61>
実施例49のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−61Aを調製した。
【0132】
<実施例62>
実施例50のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−62Aを調製した。
【0133】
<実施例63>
実施例51のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例51と同様にインプリント材料PNI−63Aを調製した。
【0134】
<実施例64>
実施例52のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例52と同様にインプリント材料PNI−64Aを調製した。
【0135】
<実施例65>
実施例53のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例53と同様にインプリント材料PNI−65Aを調製した。
【0136】
<実施例66>
実施例54のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例54と同様にインプリント材料PNI−66Aを調製した。
【0137】
<実施例67>
実施例55のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例55と同様にインプリント材料PNI−67Aを調製した。
【0138】
<実施例68>
実施例56のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例56と同様にインプリント材料PNI−68Aを調製した。
【0139】
<実施例69>
実施例57のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−69Aを調製した。
【0140】
<実施例70>
実施例58のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例58と同様にインプリント材料PNI−70Aを調製した。
【0141】
<実施例71>
実施例59のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例59と同様にインプリント材料PNI−71Aを調製した。
【0142】
<実施例72>
実施例60のウレタンアクリレート(I)を合成例2で得たウレタンアクリレート(II)に変更した以外は、実施例60と同様にインプリント材料PNI−72Aを調製した。
【0143】
<実施例73>
実施例49のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−73Aを調製した。
【0144】
<実施例74>
実施例50のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−74Aを調製した。
【0145】
<実施例75>
実施例51のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例51と同様にインプリント材料PNI−75Aを調製した。
【0146】
<実施例76>
実施例52のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例52と同様にインプリント材料PNI−76Aを調製した。
【0147】
<実施例77>
実施例53のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例53と同様にインプリント材料PNI−77Aを調製した。
【0148】
<実施例78>
実施例54のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例54と同様にインプリント材料PNI−78Aを調製した。
【0149】
<実施例79>
実施例55のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例55と同様にインプリント材料PNI−79Aを調製した。
【0150】
<実施例80>
実施例56のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例56と同様にインプリント材料PNI−80Aを調製した。
【0151】
<実施例81>
実施例57のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−81Aを調製した。
【0152】
<実施例82>
実施例58のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例58と同様にインプリント材料PNI−82Aを調製した。
【0153】
<実施例83>
実施例59のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例59と同様にインプリント材料PNI−83Aを調製した。
【0154】
<実施例84>
実施例60のウレタンアクリレート(I)を合成例3で得たウレタンアクリレート(III)に変更した以外は、実施例60と同様にインプリント材料PNI−84Aを調製した。
【0155】
<実施例85>
実施例49のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例49と同様にインプリント材料PNI−85Aを調製した。
【0156】
<実施例86>
実施例50のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例50と同様にインプリント材料PNI−86Aを調製した。
【0157】
<実施例87>
実施例51のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例51と同様にインプリント材料PNI−87Aを調製した。
【0158】
<実施例88>
実施例52のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例52と同様にインプリント材料PNI−88Aを調製した。
【0159】
<実施例89>
実施例53のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例53と同様にインプリント材料PNI−89Aを調製した。
【0160】
<実施例90>
実施例54のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例54と同様にインプリント材料PNI−90Aを調製した。
【0161】
<実施例91>
実施例55のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例55と同様にインプリント材料PNI−91Aを調製した。
【0162】
<実施例92>
実施例56のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例56と同様にインプリント材料PNI−92Aを調製した。
【0163】
<実施例93>
実施例57のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例57と同様にインプリント材料PNI−93Aを調製した。
【0164】
<実施例94>
実施例58のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例58と同様にインプリント材料PNI−94Aを調製した。
【0165】
<実施例95>
実施例59のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例59と同様にインプリント材料PNI−95Aを調製した。
【0166】
<実施例96>
実施例60のウレタンアクリレート(I)を合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)に変更した以外は、実施例60と同様にインプリント材料PNI−96Aを調製した。
【0167】
<比較例1>
DPHA4.5gと合成例1で得たウレタンアクリレート(I)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.5g(DPHAとウレタンアクリレート(I)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−1Bを調製した。本比較例及び後述する比較例は、本発明の必須成分である(A)成分を含まない例である。
【0168】
<比較例2>
比較例1のDPHAを2.5g、ウレタンアクリレート(I)を2.5gに変更した以外は、比較例1と同様にインプリント材料PNI−2Bを調製した。
【0169】
<比較例3>
比較例1のDPHAを0.5g、ウレタンアクリレート(I)を4.5gに変更した以外は、比較例13と同様にインプリント材料PNI−3Bを調製した。
【0170】
<比較例4>
合成例1で得たウレタンアクリレート(I)5gへDAROCUR1173を0.25g(ウレタンアクリレート(I)の質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−4Bを調製した。
【0171】
<比較例5>
DPHA4.5gと合成例2で得たウレタンアクリレート(II)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPHAとウレタンアクリレート(II)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−5Bを調製した。
【0172】
<比較例6>
比較例5のDPHAを2.5g、ウレタンアクリレート(II)を2.5gに変更した以外は、比較例5と同様にインプリント材料PNI−6Bを調製した。
【0173】
<比較例7>
比較例5のDPHAを0.5g、ウレタンアクリレート(II)を4.5gに変更した以外は、比較例5と同様にインプリント材料PNI−7Bを調製した。
【0174】
<比較例8>
合成例2で得たウレタンアクリレート(II)5gへDAROCUR1173を0.25g(ウレタンアクリレート(II)の質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−8Bを調製した。
【0175】
<比較例9>
DPHA4.5gと合成例3で得たウレタンアクリレート(III)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPHAとウレタンアクリレート(III)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−9Bを調製した。
【0176】
<比較例10>
比較例9のDPHAを2.5g、ウレタンアクリレート(III)を2.5gに変更した以外は、比較例9と同様にインプリント材料PNI−10Bを調製した。
【0177】
<比較例11>
比較例9のDPHAを0.5g、ウレタンアクリレート(III)を4.5gに変更した以外は、比較例9と同様にインプリント材料PNI−11Bを調製した。
【0178】
<比較例12>
合成例3で得たウレタンアクリレート(III)5gへDAROCUR1173を0.25g(ウレタンアクリレート(III)の質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−12Bを調製した。
【0179】
<比較例13>
DPHA4.5gと合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)0.5gを混合し、DAROCUR1173を0.25g(DPHAとウレタンアクリレート(IV)の総質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−13Bを調製した。
【0180】
<比較例14>
比較例13のDPHAを2.5g、ウレタンアクリレート(IV)を2.5gに変更した以外は、比較例13と同様にインプリント材料PNI−14Bを調製した。
【0181】
<比較例15>
比較例13のDPHAを0.5g、ウレタンアクリレート(IV)を4.5gに変更した以外は、比較例13と同様にインプリント材料PNI−15Bを調製した。
【0182】
<比較例16>
合成例4で得たウレタンアクリレート(IV)5gへDAROCUR1173を0.25g(ウレタンアクリレート(IV)の質量に対して5phr)加え、インプリント材料PNI−16Bを調製した。
【0183】
[光インプリント]
ナノインプリント装置は、NM−0801HB(明昌機工株式会社製)を使用した。実施例1乃至実施例96並びに比較例1乃至比較例16で得られた各インプリント材料を用い、パターニング試験した。パターニング試験に用いたモールドはシリコン製であり、パターンは100nmのラインアンドスペースパターン(以下、本明細書ではL/Sと略称する。)、およびピッチ270nm、高さ350nmである正三角形配列のモスアイパターン(NTTアドバンステクノロジ株式会社製)(以下、本明細書ではモスアイと略称する。)の2種類を使用した。モールドは事前にオプツール(登録商標)DSX(ダイキン工業株式会社製)をノベックHFE−7100(住友スリーエム株式会社)(以下、本明細書ではノベックHFE−7100と略称する。)で0.1質量%に希釈した溶液へ浸漬し、温度が90℃、湿度が90RH%の高温高湿装置を用いて1時間処理し、ノベックHFE−7100でリンス後、エアーで乾燥させたものを使用した。
【0184】
[スチールウール擦傷試験]
試験機は大栄精機(有)製を使用し、♯0000のスチールウールを使用した。単位面積当たりの荷重は380g/cm2とし、上記スチールウールを10往復させた。また、L/Sパターンについてはラインと垂直方向に上記スチールウールを往復させた。擦傷後の傷本数について以下のように評価した結果を表1乃至表4に示す。
0〜10本:A
11〜20本:B
21〜30本:C
31〜40本:D
41本以上:E
【0185】
実施例1で得たインプリント材料PNI−1Aをガラス基板上にスピンコートし、シリコン製モールドを接着させた状態で、光インプリント装置に設置した。光インプリントは、常時23℃の条件で、a)10秒間かけて1000Nまで加圧、b)高圧水銀ランプを用いて500mJ/cm2の露光、c)10秒間かけて除圧、d)モールドと基板を分離して離型、というシーケンスで行い、L/Sおよびモスアイが転写された膜をそれぞれ得た。そしてそれぞれの膜について、スチールウール擦傷試験を行った。このとき、L/Sについてはラインと垂直方向に擦傷試験を行った。そして試験後の傷本数を観察した。
【0186】
実施例2乃至実施例96で得た各インプリント材料を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリントおよびスチールウール擦傷試験を行った。
【0187】
比較例1乃至比較例16で得た各インプリント材料を使用した以外は上記と同様の方法で、光インプリントおよびスチールウール擦傷試験を行った。
【0188】
【表1】
【0189】
【表2】
【0190】
【表3】
【0191】
【表4】
【0192】
表1乃至表3の結果から実施例1乃至実施例96で得たインプリント材料を用いた場合は、いずれもスチールウール擦傷試験後に発生する傷の本数は少なく、耐擦傷性が確認された。一方、表4の結果から比較例1乃至比較例16で得たインプリント材料を用いた場合は、いずれも傷が多数発生し、十分な耐擦傷性は見られなかった。以上の結果から、本発明のインプリント材料を基材に塗布して得られる膜は、インプリント後も耐擦傷性を有するものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明のインプリント材料により得られる膜は、固体撮像装置(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)、太陽電池、LEDデバイス、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等)、屋外に設置される看板(表示板)などの、耐擦傷性が求められる部材を使用する製品へ好適に用いることができる。