(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
重合性化合物と液晶化合物とを含有する重合性化合物含有液晶組成物であって、前記重合性化合物として、一般式(1)
【化1】
(上記一般式(1)中、Z
11は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Sp
12−R
12を表し、
R
11及びR
12はそれぞれ独立して以下の式(R−1)から式(R−3):
【化2】
のいずれかを表し、
Sp
11及びSp
12はスペーサー基を表し、
L
11及びL
12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH
2−、−CH
2OCOO−、−OCH
2CH
2O−、−CH=CR
a−COO−、−CH=CR
a−OCO−、−COO−CR
a=CH−、−OCO−CR
a=CH−、−COO−CR
a=CH−COO−、−COO−CR
a=CH−OCO−、−OCO−CR
a=CH−COO−、−OCO−CR
a=CH−OCO−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−又は−CH=CH−(式中、R
aはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、前記式中、zは1〜4の整数を表す。)を表し、
M
12は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M
12は無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−R
11で置換されていても良く、
M
11は以下の式(i−11)〜(ix−11):
【化3】
(式中、★でSp
11と結合し、★★でL
11若しくはL
12と結合する。)のいずれかを表し、
M
13は以下の式(i−13)〜(ix−13):
【化4】
(式中、★でZ
11と結合し、★★でL
12と結合する。)のいずれかを表し、
m
12は0、1、2又は3を表し、m
11及びm
13はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、且つm
11+m
13は3以上を表すが、
Z
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、L
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、M
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物1種又は2種以上含有し、
前記液晶化合物として、一般式(LC)で表される化合物
【化5】
(一般式(LC)中、R
LCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
A
LC1及びA
LC2は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH
2基又は隣接していない2個以上のCH
2基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、F、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよく、
Z
LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、
Y
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、A
LC1が複数存在する場合、複数存在するA
LC1は、同一であっても異なっていても良く、Z
LCが複数存在する場合、複数存在するZ
LCは、同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物の含有量合計値が0.54質量%以上10.0質量%以下である重合性化合物含有液晶組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、重合性化合物と液晶化合物とを含有する重合性化合物含有液晶組成物であって、前記重合性化合物として、一般式(1)
【0014】
(上記一般式(1)中、Z
11は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Sp
12−R
12を表し、
R
11及びR
12はそれぞれ独立して以下の式(R−1)から式(R−15):
【0016】
のいずれかを表し、
Sp
11及びSp
12はスペーサー基を表し、
L
11及びL
12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH
2−、−CH
2OCOO−、−OCH
2CH
2O−、−CO−NR
a−、−NR
a−CO−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CH=CR
a−COO−、−CH=CR
a−OCO−、−COO−CR
a=CH−、−OCO−CR
a=CH−、−COO−CR
a=CH−COO−、−COO−CR
a=CH−OCO−、−OCO−CR
a=CH−COO−、−OCO−CR
a=CH−OCO−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF
2−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−又は−C≡C−(式中、R
aはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、前記式中、zは1〜4の整数を表す。)を表し、
M
12は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M
12は無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−R
11で置換されていても良く、
M
11は以下の式(i−11)〜(ix−11):
【0018】
(式中、★でSp
11と結合し、★★でL
11若しくはL
12と結合する。)のいずれかを表し、
M
13は以下の式(i−13)〜(ix−13):
【0020】
(式中、★でZ
11と結合し、★★でL
12と結合する。)のいずれかを表し、
m
12は0、1、2又は3を表し、m
11及びm
13はそれぞれ独立して1、2又は3を表すが、
Z
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、L
11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、M
12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物1種又は2種以上含有し、
前記液晶化合物として、一般式(LC)で表される化合物
【0022】
(一般式(LC)中、R
LCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
A
LC1及びA
LC2は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH
2基又は隣接していない2個以上のCH
2基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、F、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよく、
Z
LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、
Y
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、A
LC1が複数存在する場合、複数存在するA
LC1は、同一であっても異なっていても良く、Z
LCが複数存在する場合、複数存在するZ
LCは、同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、重合性化合物含有液晶組成物中の重合性化合物の含有量合計値が0.41質量%以上10.0質量%以下である重合性化合物含有液晶組成物である。
【0023】
本発明に係る一般式(1)において、Z
11は−Sp
12−R
12であることが好ましく、R
11及びR
12はそれぞれ独立して式(R−1)から式(R−3)のいずれかであることが好ましい。
【0024】
また、前記一般式(1)において、m
11+m
13が3以上であることが好ましい。
また、前記一般式(1)において、L
11は、単結合、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−COOC
2H
4−、−OCOC
2H
4−、−C
2H
4OCO−、−C
2H
4COO−、−CH=CH−、−CF
2−、−CF
2O−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−、−OCF
2−又は−C≡C−であり、
L
12は、−OCH
2CH
2O−、−COOC
2H
4−、−OCOC
2H
4−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−、−C
2H
4OCO−又は−C
2H
4COO−であり、前記式中のzは、1〜4の整数であることが好ましい。
また、前記一般式(1)のL
11およびL
12の少なくともいずれかが、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−および−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記一般式(1)のm
12は1、2又は3を表し、m
12が1の場合L
11は単結合であり、m
12が2又は3の場合複数存在するL
11の少なくとも1つは単結合であることが好ましい。
また、前記一般式(1)のm
12は1、2又は3を表し、m
12が1の場合M
12は1,4−フェニレン基であり、m
12が2又は3の場合複数存在するM
12のうち少なくともL
11を介してM
11と隣接するM
12は1,4−フェニレン基であることが好ましい。
更に、前記一般式(1)のm
12は1、2又は3を表し、M
12の少なくとも1つが、1つ又は2つ以上のフッ素で置換されている1,4−フェニレン基であることが好ましい。
【0025】
本発明に係る一般式(1)の重合性化合物について、以下に好ましい構造を例示する。
【0026】
まず、下記式(1a−1)〜式(1a−31)で表される重合性化合物が好ましい例として挙げられる。
【0031】
また、下記式(1b−1)〜式(1b−34)で表される重合性化合物も好ましい例として挙げられる。
【0035】
また、下記式(1c−1)〜式(1c−52)で表される重合性化合物も好ましい例として挙げられる。
【0042】
更に、下記式(1d−1)〜式(1d−36)で表される重合性化合物がより好ましい例として挙げられる。
【0052】
液晶化合物としては、下記一般式(LC)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0054】
(一般式(LC)中、R
LCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
A
LC1及びA
LC2は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH
2基又は隣接していない2個以上のCH
2基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、F、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよく、
Z
LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、
Y
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、A
LC1が複数存在する場合、複数存在するA
LC1は、同一であっても異なっていても良く、Z
LCが複数存在する場合、複数存在するZ
LCは、同一であっても異なっていても良い。)
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC1)及び一般式(LC2)
【0056】
(式中、R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC11、及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0058】
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はF、Cl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。)を表し、X
LC11、X
LC12、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表し、Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CN、CF
3、OCH
2F、OCHF
2又はOCF
3を表し、Z
LC11及びZ
LC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表し、m
LC11及びm
LC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、A
LC11、A
LC21、Z
LC11及びZ
LC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0059】
R
LC11及びR
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
【0061】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC11及びA
LC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
【0063】
Y
LC11及びY
LC21はそれぞれ独立してF、CN、CF
3又はOCF
3が好ましく、F又はOCF
3が好ましく、Fが特に好ましい。
【0064】
Z
LC11及びZ
LC21は単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−CH
2CH
2−、−OCH
2−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましく、単結合、−OCH
2−又は−CF
2O−がより好ましい。
【0065】
m
LC11及びm
LC21は1、2又は3が好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2が好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3が好ましい。
【0066】
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−a)から一般式(LC1−c)
【0068】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1a1、A
LC1a2及びA
LC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1b1、X
LC1b2、X
LC1c1〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0069】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0070】
X
LC11〜X
LC1c4はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましい。
【0071】
Y
LC11はそれぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3が好ましい。
【0072】
また、一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−d)から一般式(LC1−o)
【0074】
(式中、R
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるR
LC11、Y
LC11、X
LC11及びX
LC12と同じ意味を表し、A
LC1d1、A
LC1f1、A
LC1g1、A
LC1j1、A
LC1k1、A
LC1k2、A
LC1m1〜A
LC1m3、A
LC1n1、A
LC1n2、A
LC1o1〜A
LC1o3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、X
LC1d1、X
LC1d2、X
LC1f1、X
LC1f2、X
LC1g1、X
LC1g2、X
LC1h1、X
LC1h2、X
LC1i1、X
LC1i2、X
LC1j1〜X
LC1j4、X
LC1k1、X
LC1k2、X
LC1m1及びX
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表し、Z
LC1d1、Z
LC1e1、Z
LC1j1、Z
LC1k1、Z
LC1m1、Z
LC1n1、Z
LC1o1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0075】
R
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0076】
X
LC11〜X
LC1m2はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましい。
【0077】
Y
LC11はそれぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3が好ましい。
【0078】
Z
LC1d1〜Z
LC1m1はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2−a)から一般式(LC2−i)
【0080】
(式中、R
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23はそれぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるR
LC21、Y
LC21、X
LC21〜X
LC23と同じ意味を表し、X
LC2d1〜X
LC2d4、X
LC2e1〜X
LC2e4、X
LC2f1〜X
LC2f4及びX
LC2g1〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF
3又はOCF
3を表し、A
LC2h1、A
LC2h2、A
LC2h1〜A
LC2h3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、Z
LC2a1、Z
LC2b1、Z
LC2c1、Z
LC2d1、Z
LC2e1、Z
LC2f1、Z
LC2g1、Z
LC2h1及びZ
LC2i1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
【0081】
R
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
【0082】
X
LC21〜X
LC2g4はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましく、
Y
LC21はそれぞれ独立してF、CF
3又はOCF
3が好ましい。
【0083】
Z
LC2a1〜Z
LC2g4はそれぞれ独立して−CF
2O−、−OCH
2−が好ましい。
【0084】
また、前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC3)〜一般式(LC5)
【0086】
(式中、R
LC31、R
LC32、R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、A
LC31、A
LC32、A
LC41、A
LC42、A
LC51及びA
LC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
【0088】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はCl、CF
3又はOCF
3で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC31、Z
LC32、Z
LC41、Z
LC42、Z
LC51及びZ
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、Z
5はCH
2基又は酸素原子を表し、X
LC41は水素原子又はフッ素原子を表し、m
LC31、m
LC32、m
LC41、m
LC42、m
LC51及びm
LC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、m
LC31+m
LC32、m
LC41+m
LC42及びm
LC51+m
LC52は1、2又は3であり、A
LC31〜A
LC52、Z
LC31〜Z
LC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
【0089】
R
LC31〜R
LC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0091】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC31〜A
LC52はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0093】
Z
LC31〜Z
LC51はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−CF
2O−、−OCF
2−又は−OCH
2−が好ましい。
【0094】
一般式(LC3)は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
【0096】
(式中、R
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31、R
LC32、A
LC31及びZ
LC31と同じ意味を表し、X
LC3b1〜X
LC3b6は水素原子又はフッ素原子を表すが、X
LC3b1及びX
LC3b2又はX
LC3b3及びX
LC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、m
LC3a1は1、2又は3であり、m
LC3b1は0又は1を表し、A
LC31及びZ
LC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
A
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
Z
LC31は単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a6)を表すことが好ましい。
【0098】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
【0099】
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b13)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、一般式(LC3−b11)、一般式(LC3−b13)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
【0101】
(式中、R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるR
LC31及びR
LC32と同じ意味を表す。)
R
LC31及びR
LC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、R
LC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、R
LC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
【0102】
一般式(LC4)は下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)は下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)
【0104】
(式中、R
LC41、R
LC42及びX
LC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるR
LC41、R
LC42及びX
LC41と同じ意味を表し、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるR
LC51及びR
LC52と同じ意味を表し、Z
LC4a1、Z
LC4b1、Z
LC4c1、Z
LC5a1、Z
LC5b1及びZ
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0105】
R
LC41、R
LC42、R
LC51及びR
LC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
【0106】
Z
LC4a1〜Z
LC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
【0107】
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC6)
【0109】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH
2基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記
【0111】
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2CH
2基は−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表し、m
iii1は0〜3を表す。ただし、一般式(LC1)〜一般式(LC6)で表される化合物を除く。)で表される化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物が好ましい。
【0112】
R
LC61及びR
LC62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
【0114】
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
A
LC61〜A
LC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
【0116】
Z
LC61及びZ
LC62はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−COO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−が好ましい。
【0117】
一般式(LC6)は、一般式(LC6−a)から一般式(LC6−m)
【0118】
(式中、R
LC61及びR
LC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
【0119】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(Q)で表される化合物を含有しても良い。
【0121】
式中、R
Qは、炭素原子数1から22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、基中の1つ又は非隣接の2つ以上のCH
2基は、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF
2O−、−OCF
2−によって置換されていても良い。
【0122】
M
Qは、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基又は単結合を表す。
【0123】
一般式(Q)で表される化合物は、具体的には、下記の一般式(Q−a)から一般式(Q−e)で表される化合物が好ましい。
【0129】
式中、R
Q1は、炭素原子数1から10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましい。
【0130】
R
Q2は、炭素原子数1から20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましい。
【0131】
R
Q3は、炭素原子数1から8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましい。
【0132】
L
Qは炭素原子数1から8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。
【0133】
L
Q2は炭素原子数2から12の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。
【0134】
一般式(Q−a)から一般式(Q−e)で表される化合物中、一般式(Q−c)、一般式(Q−d)及び一般式(Q−e)で表される化合物が更に好ましい。
【0135】
本発明の液晶組成物は、一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種以上含有するが、1種から5種含有することが好ましく、1種から3種含有することが更に好ましく、1種含有することが特に好ましい。また、その含有量は0.001質量%から1質量%であることが好ましく、0.001質量%から0.1質量%が更に好ましく、0.001質量%から0.05質量%が特に好ましい。
【0136】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物中における、一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値は0.41質量%以上10質量%以下であることが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物では一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値が0.41質量%未満であると充分な耐UV性が得られない。これは本発明の重合性化合物含有液晶組成物において重合性化合物が組成物の耐UV性向上に対して重要な役割を担っているからである。すなわち本発明の重合性化合物含有液晶組成物では重合性化合物の含有量が多ければ多いほど組成物の耐UV性が向上する。これは重合性化合物及びその重合物がUVから液晶化合物を保護する働きを有するからであると推察される。この働きは前記した式(1a−1)〜式(1a−30)で表される重合性化合物、式(1b−1)〜式(1b−34)で表される重合性化合物、式(1c−1)〜式(1c−52)で表される重合性化合物、式(1d−1)〜式(1d−36)で表される重合性化合物、及びこれらに類する重合性化合物で強く、特に式(1d−1)〜式(1d−36)で表される重合性化合物及びこれらに類する重合性化合物で強い。一方、本発明の重合性化合物含有液晶組成物において一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値が多くなりすぎると屈折率異方性(Δn)や、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、粘度(η)、回転粘性(γ1)、弾性定数(K
33)、または誘電率異方性(Δε)といった耐UV性以外の物性値が悪化するため、一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値は10質量%以下とすることが好ましい。
【0137】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物中における、一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値は0.46質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。前記一般式(1)の重合性化合物の含有量合計値は0.51質量%以上3質量%以下であることが更に好ましく、0.56質量%以上2質量%以下であることが最も好ましい。
【0138】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物が正の誘電率異方性(Δε)を持つ場合は、25℃における誘電率異方性(Δε)が2.0から20.0であるが、4.0から18.0が好ましく、4.0から16.0が更に好ましく、4.0から14.0が特に好ましい。
【0139】
また、本発明の重合性化合物含有液晶組成物が負の誘電率異方性(Δε)を持つ場合は、25℃における誘電率異方性(Δε)が−1.5から−8.0であるが、−2.0から−6.0が好ましく、−2.0から−5.0がより好ましく、−2.5から−4.0が特に好ましい。
【0140】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。
【0141】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、20℃における粘度(η)が10から30mPa・sであるが、10から25mPa・sであることがより好ましく、10から20mPa・sであることが特に好ましい。
【0142】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ
1)が50から130mPa・sであるが、50から110mPa・sであることがより好ましく、50から90mPa・sであることが特に好ましい。
【0143】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)が60℃から120℃であるが、70℃から110℃がより好ましく、70℃から100℃が特に好ましい。
【0144】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物を用いた液晶表示素子は、耐UV性が高くかつ高速応答という顕著な特徴を有用しており、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VAモード、PSVAモード、PSAモード、IPSモード又はECBモード用に適用できる。
【0145】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物を用いる液晶表示素子としては、一対の基板間に形成された液晶層と、透明電極と、偏光板と、を有する液晶表示素子であって、前記一対の基板間に形成された空間内に本発明の重合性化合物含有液晶組成物を収容し、前記液晶層内で前期重合性化合物を重合することにより液晶配向能を付与した液晶表示素子であることが好ましい。このような液晶表示素子としては、PSVAモード、PSAモード、PS−IPSモードの液晶表示素子が挙げられる。
【0146】
前記本発明の重合性液晶化合物含有液晶組成物を用いる液晶表示素子に使用される液晶セルの2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
【0147】
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青及び/又はその他の色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
【0148】
2枚の基板間に本発明の重合性化合物含有液晶組成物を狭持させるに方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。まず、透明電極層が内側となるように前記基板を対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が挙げられる。その後、注入方式によって適切な方法で熱硬化性または感光性組成物等のシール剤を使用し、一定の間隔を維持した基板間を封止することができる。
【0149】
重合性化合物を重合させる方法としては、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、本発明の重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、更に活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特にPSVAモード、またはPSAモードの液晶表示素子を作製する際には、重合性化合物含有液晶組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数50Hzから10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89度に制御することが好ましい。
【0150】
活性エネルギー線照射時の温度は、本願発明の液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15〜35℃での温度で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、必要に応じて紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm
2〜100W/cm
2が好ましく、2mW/cm
2〜50W/cm
2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm
2から500J/cm
2が好ましく、100mJ/cm
2から200J/cm
2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましい。
【実施例】
【0151】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。なお、nは自然数を表す。
(側鎖)
-n -C
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
n- C
nH
2n+1- 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
-On -OC
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
nO- C
nH
2n+1O- 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
-V -CH=CH
2
V- CH
2=CH-
-V1 -CH=CH-CH
3
1V- CH
3-CH=CH-
-2V -CH
2-CH
2-CH=CH
3
V2- CH
3=CH-CH
2-CH
2-
-2V1 -CH
2-CH
2-CH=CH-CH
3
1V2- CH
3-CH=CH-CH
2-CH
2
(連結基)
-n- -C
nH
2n-
-nO- -C
nH
2n-O-
-On- -O-C
nH
2n-
-COO- -C(=O)-O-
-OCO- -O-C(=O)-
-CF2O- -CF
2-O-
-OCF2- -O-CF
2-
(環構造)
【0152】
【化54】
【0153】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0154】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T
cn :固体相−ネマチック相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
Δε :20℃における誘電率異方性
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :20℃における回転粘度(mPa・s)
K
33 :20℃における弾性定数K
33(pN)
初期電圧保持率(VHR):UVを照射する前のVHR(%)
UV照射後電圧保持率(VHR):UVを照射した後のVHR(%)
テストセルにプレチルト角形成させる場合は、テストセルに10V、100Hz、矩形波電圧を印加しながら、UVを60J(365nm)照射した。UV光源としてUSHIO社のマルチライトを使用した。
【0155】
試料の応答速度を測定する場合は、セル厚は3.5μm、配向膜はJALS2096のテストセルを使用し、Vselは5V、Vnselは1V、測定温度は20℃で、AUTRONIC−MELCHERS社のDMS301を用いた。
【0156】
テストセルの耐UV性を評価する場合はSP−7(USHIO)を用い、100mW/cm
−2のUVを所定の時間照射し、UV照射前後のVHRを測定することで実施した。
【0157】
VHRの測定はVHR−1(東陽テクニカ)を用い、1V、60Hz、60℃で実施した。
【0158】
重合性化合物の代表例として(Ia−31)、(Ib−1)、(Ib−3)および(Id−29)を用いたが、本発明はこれらの重合性化合物に限定されるものではない。
【0159】
【化55】
【0160】
(比較例1−1〜3、実施例1−1〜15)
母体液晶としてLC−Aを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表1のとおりであった。
【0161】
【表1】
【0162】
次に、調製したLC−Aを用い、MLC−A−1〜3(比較例1〜3)、MLC−1−1〜9(実施例1−1〜15)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表2のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0163】
【表2】
【0164】
また、UV照射前後のMLC−A−1〜3(比較例1−1〜3)およびMLC−1−1〜3(実施例1−1〜3)のVHRをグラフにまとめ、
図1に示す。
【0165】
本発明の液晶組成物であるMLC−1−1〜3のUV照射後のVHRは明らかに比較例であるMLC−A−1〜3よりも高い値を示し、十分な耐UV性を示した。
【0166】
更に、本発明の液晶組成物はMLC−1−4〜15(実施例1−4〜15)のように、重合性化合物種および併用する重合性化合物種によらず高い耐UV性を示すことが確認された。
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例2、実施例2−1〜3)
母体液晶としてLC−Bを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表3のとおりであった。
【0167】
【表3】
【0168】
次に、調製したLC−Bを用い、MLC−B(比較例2)およびMLC−2−1〜3(実施例2−1〜3)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表4のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0169】
【表4】
【0170】
本発明の液晶組成物であるMLC−2−1〜3のUV照射後のVHRは明らかに比較例2であるMLC−Bよりも高い値を示した。
【0171】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例3、実施例3−1〜3)
母体液晶としてLC−Cを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表5のとおりであった。
【0172】
【表5】
【0173】
次に、調製したLC−Cを用い、MLC−C(比較例3)およびMLC−3−1〜3(実施例3−1〜3)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表6のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0174】
【表6】
【0175】
本発明の液晶組成物であるMLC−3−1〜3のUV照射後のVHRは明らかに比較例3であるMLC−Cよりも高い値を示した。
【0176】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例4、実施例4−1〜4)
母体液晶としてLC−Dを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表7のとおりであった。
【0177】
【表7】
【0178】
次に、調製したLC−Dを用い、MLC−D(比較例4)およびMLC−4−1〜4(実施例4−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表8のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0179】
【表8】
【0180】
本発明の液晶組成物であるMLC−4−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例4であるMLC−Dよりも高い値を示した。
【0181】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例5、実施例5−1〜4)
母体液晶としてLC−Eを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表9のとおりであった。
【0182】
【表9】
【0183】
次に、調製したLC−Eを用い、MLC−E(比較例5)およびMLC−5−1〜4(実施例5−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表10のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0184】
【表10】
【0185】
本発明の液晶組成物であるMLC−5−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例5であるMLC−Eよりも高い値を示した。
【0186】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例6、実施例6−1〜4)
母体液晶としてLC−Fを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表11のとおりであった。
【0187】
【表11】
【0188】
次に、調製したLC−Fを用い、MLC−F(比較例6)およびMLC−6−1〜4(実施例6−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表12のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0189】
【表12】
【0190】
本発明の液晶組成物であるMLC−6−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例6であるMLC−Fよりも高い値を示した。
【0191】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例7、実施例7−1〜4)
母体液晶としてLC−Gを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表13のとおりであった。
【0192】
【表13】
【0193】
次に、調製したLC−Gを用い、MLC−G(比較例7)およびMLC−7−1〜4(実施例7−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表14のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0194】
【表14】
【0195】
本発明の液晶組成物であるMLC−7−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例7であるMLC−Gよりも高い値を示した。
【0196】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例8、実施例8−1〜4)
母体液晶としてLC−Hを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表15のとおりであった。
【0197】
【表15】
【0198】
次に、調製したLC−Hを用い、MLC−H(比較例8)およびMLC−8−1〜4(実施例8−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表16のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0199】
【表16】
【0200】
本発明の液晶組成物であるMLC−8−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例8であるMLC−Hよりも高い値を示した。
【0201】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例9、実施例9−1〜4)
母体液晶としてLC−Iを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表17のとおりであった。
【0202】
【表17】
【0203】
次に、調製したLC−Iを用い、MLC−I(比較例9)およびMLC−9−1〜4(実施例9−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表18のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0204】
【表18】
【0205】
本発明の液晶組成物であるMLC−9−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例9であるMLC−Iよりも高い値を示した。
【0206】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)、回転粘度(γ1)および弾性定数(K
33)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたVA型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例10、実施例10−1〜4)
母体液晶としてLC−Jを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表19のとおりであった。
【0207】
【表19】
【0208】
次に、調製したLC−Jを用い、MLC−J(比較例10)およびMLC−10−1〜4(実施例10−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表20のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0209】
【表20】
【0210】
本発明の液晶組成物であるMLC−10−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例10であるMLC−Jよりも高い値を示した。
【0211】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)および回転粘度(γ1)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたTN、IPS、FFS型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例11、実施例11−1〜4)
母体液晶としてLC−Kを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表21のとおりであった。
【0212】
【表21】
【0213】
次に、調製したLC−Kを用い、MLC−K(比較例11)およびMLC−11−1〜4(実施例11−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表22のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0214】
【表22】
【0215】
本発明の液晶組成物であるMLC−11−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例11であるMLC−Kよりも高い値を示した。
【0216】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)および回転粘度(γ1)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたTN、IPS、FFS型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。
(比較例12、実施例12−1〜4)
母体液晶としてLC−Lを調製した。液晶組成物の構成とその物性値は表23のとおりであった。
【0217】
【表23】
【0218】
次に、調製したLC−Lを用い、MLC−L(比較例12)およびMLC−12−1〜4(実施例12−1〜4)を調製し、テストセルに真空注入したのち、そのUV照射前後のVHRを測定した。液晶組成物の構成とそのVHRの測定結果は表24のとおりであった。なお、重合性化合物を添加した液晶組成物は、重合性化合物添加前と比較して大きな物性値変化はなかった。
【0219】
【表24】
【0220】
本発明の液晶組成物であるMLC−12−1〜4のUV照射後のVHRは明らかに比較例12であるMLC−Lよりも高い値を示した。
【0221】
以上のことから、本発明の液晶組成物は、ネマチック相−等方性液体相転移温度(T
ni)、屈折率異方性(Δn)、誘電率異方性(Δε)および回転粘度(γ1)を悪化させることがなく、耐UV性が十分に高いため、これを用いたTN、IPS、FFS型等の液晶表示素子は表示品位の優れたものであることが確認された。