特許第5885736号(P5885736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5885736
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】ツインチャンバ処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20160301BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20160301BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160301BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   H01L21/302 101B
   H01L21/205
   H01L21/31 C
   C23C16/455
【請求項の数】14
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-508125(P2013-508125)
(86)(22)【出願日】2011年4月25日
(65)【公表番号】特表2013-530516(P2013-530516A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】US2011033777
(87)【国際公開番号】WO2011137069
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年4月24日
(31)【優先権主張番号】12/908,644
(32)【優先日】2010年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/330,156
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ミング
(72)【発明者】
【氏名】ヌグエン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リー エバンス
(72)【発明者】
【氏名】リー ジャレド アフマド
(72)【発明者】
【氏名】クルーズ ジェームズ ピー
(72)【発明者】
【氏名】コッブ コリー リン
(72)【発明者】
【氏名】サリナス マーティン ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】シェイナー アンチェル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールド エズラ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】レーン ジョン ダブリュー
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−127861(JP,A)
【文献】 特開2003−049278(JP,A)
【文献】 特表2005−503603(JP,A)
【文献】 特開2003−263230(JP,A)
【文献】 特開2001−176806(JP,A)
【文献】 特開平07−263350(JP,A)
【文献】 特開平10−308383(JP,A)
【文献】 特開平10−247675(JP,A)
【文献】 特開平07−193115(JP,A)
【文献】 特開平09−125227(JP,A)
【文献】 特開平07−321047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/455
H01L 21/205
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理チャンバの第1処理容積内を第1動作圧力に維持するための第1真空ポンプを有する第1処理チャンバであって、第1処理容積は、第1処理容積と第1真空ポンプの低圧側との間に配置された第1ゲートバルブによって選択的に分離可能である第1処理チャンバと、
第2処理チャンバの第2処理容積内を第2動作圧力に維持するための第2真空ポンプを有する第2処理チャンバであって、第2処理容積は、第2処理容積と第2真空ポンプの低圧側との間に配置された第2ゲートバルブによって選択的に分離可能である第2処理チャンバと、
前記第1及び第2ゲートバルブを開く前に各処理容積内の圧力を臨界圧力レベル未満に低減させるための第1及び第2処理容積に結合された共用真空ポンプであって、共有真空ポンプは、第1処理チャンバ、第2処理チャンバ、第1真空ポンプ、又は第2真空ポンプのいずれからも選択的に分離可能である共用真空ポンプと、
1以上の処理ガスを第1及び第2処理チャンバに供給するために、第1処理チャンバ及び第2処理チャンバの各々に結合された共用ガスパネルと、
共用ガスパネルと、第1処理チャンバと、共用真空ポンプに結合された前方ラインコンジットとの間に配置された第1三方弁と、
共用ガスパネルと、第2処理チャンバと、前方ラインコンジットとの間に配置された第2三方弁と、
(a)第1処理チャンバ内で処理が終点に到達したときに、第1終点検出器から第1信号を受信して、第2処理チャンバ内で稼働している処理が処理の終点に到達していなかったならば、1以上の処理ガスを前方ラインコンジット内に迂回させるように第1三方弁に指示し、(b)第2処理チャンバ内で処理が終点に到達したとき、第2終点検出器から第2信号を受信して、第1処理チャンバ内で稼働している処理が処理の終点に到達していなかったならば、1以上の処理ガスを前方ラインコンジット内に迂回させるように第2三方弁に指示するように構成されたコントローラを含む基板処理用ツインチャンバ処理システム。
【請求項2】
共用ガスパネルから第1及び第2処理チャンバへ所望の総ガス流を供給するためのマスフローコントローラと、
第1入口と、第1出口と、それらの間で選択可能に結合される複数の第1オリフィスを含み、第1入口はマスフローコントローラに結合されている第1フローコントロールマニホールドと、
第2入口と、第2出口と、それらの間で選択可能に結合される複数の第2オリフィスを含み、第2入口はマスフローコントローラに結合されている第2フローコントロールマニホールドを更に含み、
複数の第1オリフィス及び複数の第2オリフィスは、1以上の複数の第1オリフィス及び1以上の複数の第2オリフィスを通して1以上の処理ガスを選択可能に流すことによって、第1出口と第2出口の間で所望の流量比を提供し、マスフローコントローラと第1及び第2フローコントロールマニホールドのそれぞれの入口との間に提供されるコンジットのコンダクタンスは、第1及び第2フローコントロールマニホールドを通ってガスが流れるとき、チョーク流れの状態を提供するのに十分である請求項1記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項3】
第1出口は第1処理チャンバの第1ガス供給ゾーンに結合され、第2出口は第1処理チャンバの第2ガス供給ゾーンに結合される請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項4】
第1出口は第2処理チャンバの第1ガス供給ゾーンに更に結合され、第2出口は第2処理チャンバの第2ガス供給ゾーンに更に結合される請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項5】
第1処理チャンバ内に配置され、第1基板支持体の温度を制御するために熱伝導流体を循環させる1以上のチャネルを有する第1基板支持体と、
第2処理チャンバ内に配置され、第2基板支持体の温度を制御するために熱伝導流体を循環させる1以上のチャネルを有する第2基板支持体と、
第1基板支持体及び第2基板支持体の1以上のチャネルのそれぞれに熱伝導流体を供給するための出口と、第1基板支持体及び第2基板支持体から熱伝導流体を受け入れるための入口を有する共用熱伝導流体源を更に含む請求項1記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項6】
請求項記載の複数のツインチャンバ処理システムが結合された搬送チャンバを更に含む請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項7】
複数のツインチャンバ処理システムの各処理チャンバに選択的に流体結合され、各処理チャンバに結合されたそれぞれのマスフローメータを確認及び校正するマスフローベリファイヤーを更に含む請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項8】
複数のツインチャンバ処理システムの各処理チャンバに選択的に流体結合され、各処理チャンバに結合されたそれぞれの圧力計を確認及び校正する基準圧力計を更に含む請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項9】
共通ハウジング内に配置された第1処理チャンバ及び第2処理チャンバであって、第1処理チャンバは第1処理容積を有し、第2処理チャンバは第2処理容積を有し、第1及び第2処理容積は処理中互いに分離することができる第1処理チャンバ及び第2処理チャンバと、
各処理容積内の圧力を低減させるために、第1及び第2処理容積に結合された共用真空ポンプと、
1以上の処理ガスを第1及び第2処理チャンバに供給するために、第1処理チャンバ及び第2処理チャンバの各々に結合された共用ガスパネルと、
第1処理チャンバ内に配置された第1基板支持体及び第2処理チャンバ内に配置された第2基板支持体のそれぞれの1以上のチャネルに熱伝導流体を供給するための出口と、第1基板支持体及び第2基板支持体から熱伝導流体を受け入れるための入口とを有する共用熱伝導流体源と、
共用ガスパネルと、第1処理チャンバと、共用真空ポンプに結合された前方ラインコンジットとの間に配置された第1三方弁と、
共用ガスパネルと、第2処理チャンバと、前方ラインコンジットとの間に配置された第2三方弁と、
(a)第1処理チャンバ内で処理が終点に到達したときに、第1終点検出器から第1信号を受信して、第2処理チャンバ内で稼働している処理が処理の終点に到達していなかったならば、1以上の処理ガスを前方ラインコンジット内に迂回させるように第1三方弁に指示し、(b)第2処理チャンバ内で処理が終点に到達したとき、第2終点検出器から第2信号を受信して、第1処理チャンバ内で稼働している処理が処理の終点に到達していなかったならば、1以上の処理ガスを前方ラインコンジット内に迂回させるように第2三方弁に指示するように構成されたコントローラを含む基板処理用ツインチャンバ処理システム。
【請求項10】
共用ガスパネルから第1及び第2処理チャンバへ所望の総ガス流を供給するためのマスフローコントローラと、
第1入口と、第1出口と、それらの間で選択可能に結合される複数の第1オリフィスを含み、第1入口はマスフローコントローラに結合されている第1フローコントロールマニホールドと、
第2入口と、第2出口と、それらの間で選択可能に結合される複数の第2オリフィスを含み、第2入口はマスフローコントローラに結合されている第2フローコントロールマニホールドを更に含み、
複数の第1オリフィス及び複数の第2オリフィスは、1以上の複数の第1オリフィス及び1以上の複数の第2オリフィスを通して1以上の処理ガスを選択可能に流すことによって、第1出口と第2出口の間で所望の流量比を提供し、マスフローコントローラと第1及び第2フローコントロールマニホールドのそれぞれの入口との間に提供されるコンジットのコンダクタンスは、第1及び第2フローコントロールマニホールドを通ってガスが流れるとき、チョーク流れの状態を提供するのに十分である請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項11】
第1出口は第1処理チャンバの第1ガス供給ゾーンに結合され、第2出口は第1処理チャンバの第2ガス供給ゾーンに結合され、及びオプションで、第1出口は第2処理チャンバの第1ガス供給ゾーンに更に結合され、第2出口は第2処理チャンバの第2ガス供給ゾーンに更に結合される請求項10記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項12】
請求項記載の複数のツインチャンバ処理システムが結合された搬送チャンバを更に含む請求項記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項13】
複数のツインチャンバ処理システムの各処理チャンバに選択的に流体結合され、各処理チャンバに結合されたそれぞれのマスフローメータを確認及び校正するマスフローベリファイヤーを更に含む請求項12記載のツインチャンバ処理システム。
【請求項14】
複数のツインチャンバ処理システムの各処理チャンバに選択的に流体結合され、各処理チャンバに結合されたそれぞれの圧力計を確認及び校正する基準圧力計を更に含む請求項13記載のツインチャンバ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して基板処理システムに関する。
【背景】
【0002】
例えば、共用の搬送チャンバに面して複数の処理チャンバを有するクラスタツール等の処理システムは、システム及び製造コストを削減し、処理のスループットを向上させるために利用されている。しかしながら、従来の処理チャンバは、内部で特定の処理を実行するのを促進するために必要な処理リソースを独立して構成している。このようなシステムは、所有と運用にコストが掛かる。
【0003】
したがって、本発明者らは、有利なことに、処理のスループットを向上させながら、同時にシステムコストを削減することができる、共用リソースを有するツインチャンバ処理システムを開発した。
【概要】
【0004】
ツインチャンバ処理システムのための方法及び装置が、本明細書内で開示されている。いくつかの実施形態では、本明細書内で開示される1以上のツインチャンバ処理システムは、搬送チャンバに結合することができる。いくつかの実施形態では、ツインチャンバ処理システムは、独立した処理容積を有する第1処理チャンバ及び第2処理チャンバと、第1及び第2処理チャンバ間の複数の共用リソースを含む。いくつかの実施形態では、共用リソースは、共用真空ポンプ、共用ガスパネル、又は共用熱伝達源の少なくとも1つを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、ツインチャンバ処理システムは、第1処理チャンバの第1処理容積内を第1動作圧力に維持するための第1真空ポンプを有し、第1処理チャンバ内に配置される第1処理チャンバであって、第1処理容積は、第1処理容積と第1真空ポンプの低圧側との間に配置された第1ゲートバルブによって選択的に分離可能であり、第1基板支持体は、第1基板支持体の温度を制御するために熱伝導流体を循環させる1以上のチャネルを有する第1処理チャンバと、第2処理チャンバの第2処理容積内を第2動作圧力に維持するための第2真空ポンプを有し、第2処理チャンバ内に配置される第2処理チャンバであって、第2処理容積は、第2処理容積と第2真空ポンプの低圧側との間に配置された第2ゲートバルブによって選択的に分離可能であり、第2基板支持体は、第2基板支持体の温度を制御するために熱伝導流体を循環させる1以上のチャネルを有する第2処理チャンバと、第1及び第2ゲートバルブを開く前に、各処理容積内の圧力を臨界圧力レベル未満に低減させるための第1及び第2処理容積に結合された共用真空ポンプであって、共有真空ポンプは、第1処理チャンバ、第2処理チャンバ、第1真空ポンプ、又は第2真空ポンプのいずれからも選択的に分離可能である共用真空ポンプと、1以上の処理ガスを第1及び第2処理チャンバに供給するために、第1処理チャンバ及び第2処理チャンバの各々に結合された共用ガスパネルと、共用熱伝導流体源であって、第1基板支持体及び第2基板支持体の1以上のチャネルに熱伝導流体を供給するための出口と、第1基板支持体及び第2基板支持体から熱伝導流体を受け入れるための入口を有する共用熱伝導流体源を含む。
【0006】
本発明のその他の及び更なる実施形態が、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記に簡単に要約し、以下でより詳細に説明する本発明の実施形態は、添付の図面に示された本発明の例示的実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】本発明のいくつかの実施形態に係る処理システムの概略上面図を示す。
図2A】本発明のいくつかの実施形態に係るツインチャンバ処理システムの概略側面図を示す。
図2B】本発明のいくつかの実施形態に係るツインチャンバ処理システムの概略側面図を示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態係る例示的なガス分配システムの概略図を示す。
図4A】〜
図4C】本発明のいくつかの実施形態に係る図1のガス分配システムに結合されたガス供給ゾーンの概略部分図をそれぞれ示す。
【0008】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。図面は、比例して描かれているわけではなく、明確にするために簡素化されているかもしれない。一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0009】
ツインチャンバ処理システムのための方法及び装置が、本明細書に開示されている。本発明のツインチャンバ処理システムは、ツインチャンバ処理システムの各チャンバ内で加工品質を維持しながら、システムコストを削減するために、有利なことにリソース(例えば、共用真空ポンプ、共用ガスパネル等)を兼ね備えている。更に、本発明の方法は、共用リソースがツインチャンバ処理システムの各チャンバ間で使用されるとき、例えば、減圧、通気、パージ等のチャンバ処理の動作を有利に制御する。
【0010】
本明細書に開示されるツインチャンバ処理システムは、例えば、図1に示される処理システム100等の、いくつかのツインチャンバ処理システムを結合したクラスタツールの一部であることができる。図1を参照すると、いくつかの実施形態では、処理システム100は、一般的に、真空気密処理プラットフォーム104と、ファクトリインターフェース102と、1以上のツインチャンバ処理システム101、103、105と、システムコントローラ144を含むことができる。本明細書内で提供される開示に従って適切に改造可能な処理システムの例としては、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)から市販されているCENTURA(商標名)統合処理システム、処理システムのPRODUCER(商標名)ラインのうちの1つ(例えば、PRODUCER(商標名)GT(商標名))、ADVANTEDGE(商標名)処理システムを含む。他の処理システムが(他のメーカーからのものも含めて)、本発明から恩恵を受けるように使用可能であることが理解される。
【0011】
プラットフォーム104は、1以上のツインチャンバ処理システム101、103、105(図1には3つが示される)を含み、各ツインチャンバ処理システムは処理チャンバのうちの2つ(例えば、110と111、112と132、120と128)を含む。プラットフォームは、真空基板搬送チャンバ136に結合される少なくとも1つのロードロックチャンバ(図1には2つが示される)122を更に含む。ファクトリインターフェース102は、ロードロックチャンバ122を介して搬送チャンバ136に結合されている。
【0012】
各ツインチャンバ処理システム101、103、105は互いに分離することができる独立した処理容積を含む。各ツインチャンバ処理システム101、103、105は、後述され、図2A〜2B及び図3に示されるように、ツインチャンバ処理システムの各処理チャンバ間でリソース(例えば、処理ガス供給源、真空ポンプ、熱伝導ループ等)を共用するように構成可能である。
【0013】
ファクトリインターフェース102は、少なくとも1つのドッキングステーション108と、少なくとも1つのファクトリインターフェースロボット(図1には2つが示される)114を含むことができ、これによって基板の搬送を促進する。ドッキングステーション108は、1以上の(図1には2つ示される)正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(FOUP)106A〜Bを受け入れるように構成することができる。ファクトリインターフェースロボット114は、ロードロックチャンバ122を介して処理するために、処理プラットフォーム104にファクトリインターフェース102から基板を搬送するように構成されたロボット114の一端に配置されたブレード116を含むことができる。オプションで、1以上の計測ステーション118が、FOUP106A〜Bからの基板の測定を促進するために、ファクトリインターフェース102の末端119に接続することができる。
【0014】
ロードロックチャンバ122の各々は、ファクトリインターフェース102に結合された第1ポート123と、搬送チャンバ136に結合された第2ポート125を含むことができる。ロードロックチャンバ122は、ロードロックチャンバ122を減圧及び通気する圧力制御システム(図示せず)に結合し、これによって搬送チャンバ136の真空環境とファクトリインターフェース102の実質的に周囲の(例えば、大気圧)環境との間で基板が通過するのを促進することができる。ツインチャンバ処理システムと共に使用することができる適切なロードロックチャンバ122の実施形態は、Jared Ahmad Leeによって2010年4月30日に出願された「Apparatus For Radial Delivery Of Gas To A Chamber And Methods Of Use Thereof」と題される米国仮特許出願第61/330,041号に記載されている。
【0015】
搬送チャンバ136は、内部に真空ロボット130を配置している。真空ロボット130は、可動アーム131に結合された1以上の搬送ブレード134(図1では2つが示される)を有することができる。例えば、図示されるようにツインチャンバ処理システムが搬送チャンバ136に結合されたいくつかの実施形態では、真空ロボット130は、ロードロックチャンバ122とツインチャンバ処理システムの処理チャンバ(例えば、ツインチャンバ処理システム101の処理チャンバ110、111)の間で、真空ロボット130が同時に2つの基板124、126を搬送することができるように構成された、2つの平行ブレード134を有することができる。
【0016】
各ツインチャンバ処理システム101、103、105の処理チャンバ110、111又は112、132又は120、128は、例えば、基板処理に利用される処理チャンバの任意のタイプ(例えば、エッチングチャンバ、成膜チャンバ等)が可能である。いくつかの実施形態では、各ツインチャンバ処理システム(例えば、ツインチャンバ処理システム101)の処理チャンバ(例えば、処理チャンバ110、111)は、同じ機能(例えば、エッチング)用に構成されている。例えば、ツインチャンバ処理システムの各処理チャンバがエッチングチャンバである実施形態では、各処理チャンバは、プラズマ源(例えば、誘導又は容量結合プラズマ源、リモートプラズマ源等)を含むことができる。更に、ツインチャンバ処理システムの各処理チャンバは、内部に配置されたエッチング基板(例えば、基板124、126)をエッチングするために、例えば、(後述するように)共用ガスパネルによって供給されるハロゲン含有ガスを使用することができる。ハロゲン含有ガスの例としては、臭化水素(HBr)、塩素(Cl)、四フッ化炭素(CF)等を含む。例えば、基板124、126をエッチングした後、ハロゲン含有残留物が、基板表面上に残る場合がある。ハロゲン含有残留物は、ロードロックチャンバ122内における熱処理処理によって、又は他の適当な手段によって除去することができる。
【0017】
更に、システム100は、流量コントローラ、圧力計を確認(点検)するために、又は搬送チャンバ136及び任意の1以上の処理チャンバ110、111、112、132、120、128のいずれか一方又は両方に結合された圧力計の寿命を延ばすために利用することができる様々な装置を含むことができる。例えば、選択的に搬送チャンバ136及び任意の1以上の処理チャンバ110、111、112、132、120、128のいずれか一方又は両方に基準圧力計150を選択的に結合することができる(図1ではチャンバ112、132との結合のみが示されている)。基準圧力計150は、各処理チャンバに結合された任意の1以上の個々の圧力計(例えば、処理チャンバ112、132にそれぞれ結合された圧力計113、133)を確認するために使用可能である。基板処理システム(例えば、基板処理システム100)で使用することができる圧力計を校正するための方法及び装置の好適な実施形態の例が、James P. Cruseによって2010年4月30日に出願された「System And Method For Calibrating Pressure Gauges In A Substrate Processing System」と題される米国仮特許出願第61/330,058号に記載されている。圧力計(例えば、圧力計113、133)の寿命を延ばすために適した方法及び装置の例が、James P. Cruseによって2010年4月30日に出願された「Methods For Limiting The Lifetime Of Pressure Gauges Coupled To Substrate Process Chambers」と題される米国仮特許出願第61/330,027号に記載されている。
【0018】
搬送チャンバ136及び任意の1以上の処理チャンバ110、111、112、132、120、128のいずれか又は両方に結合可能な他の装置は、流量コントローラからの流量を検証するマスフローベリファイヤー(質量流量検証装置)155、又は任意の1以上の処理チャンバ及び搬送チャンバ136への処理ガスの流れを測定するオリフィス等を含むことができる。例えば、マスフローベリファイヤー155は、ツインチャンバ処理システム101、103、105又はそれらの個々のチャンバのいずれかのフローシステムに結合することができる。マスフローベリファイヤー155は、処理チャンバ110、111に結合されるように図1では示されるが、これらは例示の目的のためだけであり、マスフローベリファイヤー155は、システム100内のすべての処理チャンバに結合することができる。マスフローベリファイヤー155のための方法及び装置の好適な実施形態の例が、2010年4月30日にJames P. Cruseによって出願された「Methods And Apparatus For Calibrating Flow Controllers In substrate Processing Systems」と題される米国仮特許出願第61/330,056号に記載されている。
【0019】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態に係るツインチャンバ処理システム(例えば、ツインチャンバ処理システム101)の概略側面図を示している。図2Aに示されるように、ツインチャンバ処理システム101は、リソースを共用する(例えば、共用真空ポンプ202及び共用ガスパネル204をもつ)処理チャンバ110、111を含む。いくつかの実施形態では、処理システム100に結合された各ツインチャンバ処理システムは、同様に構成することができる。
【0020】
処理チャンバ110(例えば、第1処理チャンバ)は、第1基板227を支持するために内部に配置された第1基板支持体201を含む第1処理容積208を有する。処理チャンバ110は、第1処理容積208内において第1動作圧力を維持するための第1真空ポンプ206を更に含む。第1真空ポンプ206は、例えば、ターボ分子ポンプ等が可能である。第1真空ポンプ206は、第1処理容積208に隣接した低圧側205と、後述するように、共用真空ポンプ202に選択的に結合可能な高圧側207を含むことができる。第1真空ポンプ206は、第1処理容積208と第1真空ポンプ206の間に配置された第1ゲートバルブ210(例えば、第1真空ポンプ206の低圧側205に隣接する)によって、第1処理容積208から選択的に分離することができる。
【0021】
ツインチャンバ処理システム101の処理チャンバ111(例えば、第2処理チャンバ)は、第2基板231を支持するために内部に配置された第2基板支持体203を有する第2処理容積214を含む。処理チャンバ111は、第2処理容積214の第2動作圧力を維持するための第2真空ポンプ212を更に含む。第2真空ポンプ212は、例えば、ターボ分子ポンプ等が可能である。第2真空ポンプ212は、第2処理容積214に隣接した低圧側211と、後述するように、共用真空ポンプ202に選択的に結合可能な高圧側213を含むことができる。第2真空ポンプ212は、第2処理容積214と第2真空ポンプ212の間に配置された第2ゲートバルブ216(例えば、第2真空ポンプ212の低圧側211に隣接する)によって、第2処理容積214から選択的に分離することができる。
【0022】
第1及び第2処理容積208、214は互いに分離することができ、これによって各処理チャンバ110、111内で、それぞれの基板処理を実質的に独立して行うことを促進する。ツインチャンバ処理システム内の処理チャンバの分離された処理容積は、有利なことに、処理容積が処理中に流体結合されるマルチ基板処理システムのために発生する可能性のある処理の問題を低減又は排除する。しかしながら、ツインチャンバ処理システムは、更に有利なことに、高い基板のスループットを促進すると同時に、システムの設置面積、ハードウェア費用、ユーティリティの使用量とコスト、メンテナンス等の削減を促進する共用リソースを利用している。例えば、共用ハードウェアは、1以上の処理前方ラインと粗動ポンプ、AC配電とDC電源、冷却水の分配、チラー、マルチチャンネルサーモコントローラ、ガスパネル、コントローラ等を含むことができる。
【0023】
共用真空ポンプ202は、第1及び第2処理容積208、214又は第1及び第2真空ポンプ206、212のいずれかに結合させることができ、及びそれらから選択的に分離することができる。例えば、共用真空ポンプ202は、第1及び第2ゲートバルブ210、216を開く前に、各処理容積内の圧力を臨界圧力レベル未満に低減するために、第1及び第2処理容積208、214に結合することができる。例えば、臨界圧力レベルは、それぞれ第1及び第2真空ポンプ206、212によって提供される第1及び第2動作圧力のいずれか一方よりも高い圧力であってもよい。しかしながら、臨界圧力レベルは、第1及び第2真空ポンプ206、212が動作を開始するのに必要な場合がある。
【0024】
第1処理容積208と共用真空ポンプ202の間に配置された第1粗動バルブ218によって第1真空ポンプ206を迂回しながら、共用真空ポンプ202は、第1処理容積208に選択的に結合することができる。例えば、以下の方法で説明されるように、第1処理容積208の圧力が、(例えば、第1真空ポンプ206の動作に適した)臨界圧力レベル未満に低下している間、第1真空ポンプ206は、第1ゲートバルブ210によって第1処理容積208から分離することができる。第1真空ポンプ206を迂回可能な追加の実施形態が、以下にも説明される。
【0025】
同様に、第2処理容積214と共用真空ポンプ202の間に配置された第2粗動バルブ220によって第2真空ポンプ212を迂回しながら、共用真空ポンプ202は、第2処理容積214に選択的に結合することができる。例えば、以下の方法で説明されるように、第2処理容積214の圧力が、(例えば、第2真空ポンプ212の動作に適した)臨界圧力レベル未満に低下している間、第2真空ポンプ212は、第2ゲートバルブ216によって第2処理容積214から分離することができる。第2真空ポンプ212を迂回可能な追加の方法の実施形態が、以下にも説明される。
【0026】
共用真空ポンプ202は、第1分離バルブ222によって第1真空ポンプ206に選択的に結合させることができる。例えば、第1分離バルブ222は、第1真空ポンプ206の高圧側207と共用真空ポンプ202の間に配置できる。いくつかの実施形態では、例えば、第1真空ポンプ206が動作しているとき、第1分離バルブを開き、第1真空ポンプ206によって第1処理容積208から除去されたガス等を、第1真空ポンプ206の高圧側207から共用真空ポンプ202へ排出することができる。
【0027】
同様に、共用真空ポンプ202は、第2分離バルブ224によって第2真空ポンプ212に選択的に結合させることができる。例えば、第2分離バルブ224は、第2真空ポンプ212の高圧側213と共用真空ポンプ202の間に配置できる。いくつかの実施形態では、例えば、第2真空ポンプ212が動作しているとき、第2分離バルブを開き、第2真空ポンプ212によって第2処理容積214から除去されたガス等を、第2真空ポンプ212の高圧側213から共用真空ポンプ202へ排出することができる。
【0028】
共用ガスパネル204は、第1及び第2処理容積208、214に1以上の処理ガスを供給するために、処理チャンバ110、111の各々に結合することができる。例えば、共用ガスパネルは、各ガス源から各処理チャンバへ流れ出たガスが1以上の流量コントローラ(例えば、マスフローコントローラ、流量比コントローラ等)によって測定される1以上のガス源(図示せず)を含む。各ガス源は、各処理容積に独立に提供することができ、又は例えば、両方の処理チャンバ110、111内で同時に同じ処理を実行するために、両方の処理容積に同時に提供することができる。本明細書中で使用される場合、「同時に」は、2つの処理容積内で実行している処理が、少なくとも部分的に重なり合う、両方の基板が2つの処理容積へ運ばれた後に開始する、及び2つの処理容積のいずれか一方からいずれか一方の基板が除去される前に終了することを意味する。
【0029】
第1三方弁226は、共用ガスパネルと処理チャンバ110の第1処理容積208の間に配置して、処理ガスを共用ガスパネル204から第1処理容積208へ供給することができる。例えば、処理ガスは、第1シャワーヘッド228又は処理チャンバに処理ガスを供給するために使用される任意の適当なガス導入口において、処理チャンバ110に入れることができる。更に、第1三方弁226は、共用ガスパネル204から(例えば、第1処理容積208をバイパスして)共用真空ポンプ202に結合された前方ラインコンジット230内へ処理ガスを迂回させることができる。更に、図示されるように、前方ラインコンジット230は、共用真空ポンプ202を第1真空ポンプ206の高圧側207に結合し、共用真空ポンプ202を直接第1処理容積208に結合することができる。
【0030】
第1シャワーヘッド228は、例えば、処理ガスから第1処理容積208内でプラズマを発生させるための第1RF電源229が結合した電極を含む。あるいはまた、第1RF電源229は、第1シャワーヘッド228から独立した電極(図示せず)に結合することができ、又は第1処理容積208の外側に配置された1以上の誘導コイル(図示せず)に結合することができる。
【0031】
第2三方弁232を、共用ガスパネルと処理チャンバ111の第2処理容積208との間に配置し、これによって処理ガスを共用ガスパネル204から第2処理容積208へ供給することができる。例えば、処理ガスは、第2シャワーヘッド234又は処理チャンバに処理ガスを供給するために使用される任意の適当なガス導入口において、処理チャンバ111に入れることができる。更に、第2三方弁232は、共用ガスパネル204から(例えば、第2処理容積214をバイパスして)共用真空ポンプ202に結合された前方ラインコンジット230内へ処理ガスを迂回させることができる。更に、図示されるように、前方ラインコンジット230は、共用真空ポンプ202を第2真空ポンプ212の高圧側213に結合し、共用真空ポンプ202を直接第2処理容積214に結合することができる。
【0032】
第2シャワーヘッド234は、例えば、処理ガスから第2処理容積214内でプラズマを発生させるための第2RF電源235が結合した電極を含む。あるいはまた、第2RF電源235は、第2シャワーヘッド234から独立した電極(図示せず)に結合することができ、又は第2処理容積214の外側に配置された1以上の誘導コイル(図示せず)に結合することができる。
【0033】
第1及び第2三方弁226、232は、例えば、処理チャンバ110内で処理の終点を検出するための第1終点検出器236によって、及び処理チャンバ111内で処理の終点を検出するための第2終点検出器238によって検出された処理の終点にしたがって操作することができる。例えば、コントローラ(例えば、システムコントローラ144又はツインチャンバ処理システム101の1以上のコンポーネントに結合した個々のコントローラ(図示せず)等)は、処理チャンバ110内で処理が終点に到達したときに、第1終点検出器236から第1信号を受信して、処理チャンバ111内で稼働している処理が処理終点に到達していなかったならば、処理ガスを前方ラインコンジット230内に迂回させるように第1三方弁226に指示するように構成することができる。例えば、処理は最初、各処理チャンバ110、111内で同期されるかもしれないが、例えば、各処理チャンバ110、111における被処理基板内の小さな変動、基板温度、プラズマ密度又はフラックス等のため、処理は各処理チャンバ110、111で異なる時間に終了するかもしれない。同様に、コントローラは、処理チャンバ111内で処理が終点に到達したときに、第2終点検出器から第2信号を受信して、処理チャンバ110内で稼働している処理が処理終点に到達していなかったならば、処理ガスを前方ラインコンジット230内に迂回させるように第2三方弁232に指示するように構成することができる。
【0034】
あるいはまた、例えば、コントローラは、処理チャンバ110内において基板上で実行される処理が終点に到達した第1信号を第1終点検出器236から受信すると、第1処理容積208内でプラズマを終了させるためにRF電源229の電力をオフにすることができる。更に、処理ガスは、処理の終点に達したときにRF電源229をオフにした後で、三方弁226によって迂回される代わりに、第1処理容積208に流入し続けることができる。第2終点検出器238から第2信号を受信したとき、同様の代替的な実施形態が処理チャンバ111内で実行可能である。更に、信号を第1又は第2終点検出器236、238のいずれか一方から受信した場合、コントローラは、いくつかの実施形態では、両方のチャンバ内で処理終点が検出されるかどうかにかかわらず、両方のチャンバ内の処理を終了することができる。例えば、処理の終点が処理チャンバ110に達したという第1信号を第1終点検出器236から受信した場合、たとえ第2終点検出器238から第2信号を受信していなくても、コントローラは両方のチャンバ110、111内の処理を終了することができる。あるいはまた、処理チャンバ110で処理終点に達したことを知らせる第1信号を受信した場合、処理チャンバ111でも処理終点に達したことを知らせる第2信号を受信するまで、コントローラは、処理チャンバ110、111のいずれにも何の動作も引き起こさないことができる。
【0035】
あるいはまた、処理は、両方の処理チャンバ110、111内において正確に同期させる必要はなく、例えば、基板が適切な処理温度又は他の同様な処理条件に到達したときに、各チャンバ内で開始させることができる。したがって、あるチャンバ内で処理の終点に到達すると、チャンバ110、111から基板を取り除く前に、又は更なる処理工程を開始する前に、隣接したチャンバが処理の終点に到達するまで、処理ガスは三方弁によって前方ラインコンジット230内へ迂回される。ツインチャンバ処理システム内における同期及び/又は終点検出の方法の更なる実施形態が、James P. Cruseによって2010年4月30日に出願された「Method For Processing Substrates In Process Systems Having Shared Prsources」と題される米国仮特許出願第61/330,021号に記載されている。
【0036】
共用ガスパネルは、処理チャンバ110、111をパージするためのガスを更に供給することができる。例えば、通気ライン240は、直接(図示される)又は第1及び第2真空ポンプ206、212のそれぞれの高圧側207、213を経由して(図示せず)、第1及び第2処理容積208、214の各々に選択的に結合可能である。例えば、パージガスは、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等を含むことができる。パージガスは、共用ガスパネル204と第1処理容積208の間に配置された第1パージバルブ242を介して第1処理容積208に選択的に供給することができる。同様に、パージガスは、共用ガスパネル204と第2処理容積214の間に配置された第2パージバルブ244を介して第2処理容積214に選択的に供給することができる。更に、パージガスが各処理チャンバ110、111を大気へ通気するために使用されるアプリケーションでは、各チャンバ110、111が互いに独立して大気に通気できるように、通気口(図示せず)(例えば、バルブ等)を各チャンバ110、111に提供することができる。
【0037】
図1に戻って、システムコントローラ144は、処理システム100に結合されている。システムコントローラ144は、システム100の処理チャンバ110、111、112、132、128、120の直接制御を利用して、あるいはまた、処理チャンバ110、111、112、132、128、120及び/又は各ツインチャンバ処理システム101103、105及びシステム100と結合したコントローラ(図示せず)を制御することによって、システム100の動作を制御する。動作中、システムコントローラ144は、データの収集及びフィードバックが、システム100のパフォーマンスを最適化することを可能にする。
【0038】
システムコントローラ144は、一般に中央処理装置(CPU)138、メモリ140、及びサポート回路142を含む。CPU138は、工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態のうちの1つでもよい。サポート回路142は、従来はCPU138に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含むことができる。CPU138によって実行されるとき、ソフトウェアルーチン(例えば、1以上のチャンバ処理を制御するために以下で説明される方法300、400、又は500、例えば、圧力を低減させる、ツインチャンバ処理システムの各チャンバを通気する又はパージする)は、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)144にCPU138を変える。ソフトウェアルーチンはまた、システム100から遠隔に位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納され及び/又は実行されてもよい。
【0039】
ツインチャンバ処理システム(例えば、図2に示されるツインチャンバ処理システム101)の処理チャンバの様々なチャンバ処理を制御するための方法は、Ming Xuによって2010年4月30日に出願された、「Twin Chamber Processing System With Shared Vacuum Pump」と題される米国仮特許出願第61/330,105号に記載されている。
ツインチャンバ処理システム内の共用熱伝導流体源
【0040】
ツインチャンバ処理システム内の共用熱伝導流体源の実施形態が、以下で説明され、図2Bに示されている。図2A図2Bに示される実施形態は、1つのツインチャンバ処理システムに組み込むことができ、例えば、共用真空ポンプ及びガスパネル(図2A)と共用熱伝達源(図2B)を含む。図の簡略化の目的のために、共用真空ポンプ及びガスパネル(図2A)と共用熱伝達源(図2B)は別々に示されている。必要に応じて共通の番号付けは、図2A図2Bの各々では、適切な共通の番号付けが使用され、図2A図2Bの各々の中で同じ要素を記述するために使用される場合がある。
【0041】
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る1以上の共用リソースと組み合わせて使用するのに適した2つの例示的な処理チャンバ110、111を示している。処理チャンバ110、111は、任意のタイプの処理チャンバ(例えば、図1に関して上述したような処理チャンバ等)であることができる。処理の各チャンバ110、111の各々は、同じタイプの処理チャンバが可能であり、いくつかの実施形態では、ツインチャンバ処理システム(例えば、図1に図示されるツインチャンバ処理システム101等)の一部であることができる。いくつかの実施形態では、各処理チャンバは、エッチングチャンバであり、ツインチャンバ処理システムの一部である。
【0042】
いくつかの実施形態では、各処理チャンバ110、111は、一般的に処理容積208、214を含むことができる内部容積を画定するチャンバ本体を含むことができる。処理容積208は、214は、例えば、処理中に基板227、231を上に載せて支えるために、処理チャンバ110、111内に配置された基板支持台座201、203と、1以上のガス入口(例えば、シャワーヘッド228、234及び/又は所望の位置に設けられたノズル)との間に画定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、基板支持台座201、203は、基板支持台座201、203の表面243、245上に基板227、231を保持又は支持する機構(例えば、静電チャック、真空チャック、基板保持クランプ等)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、基板支持台座201、203は、静電チャック246、248内に配置されたチャッキング電極223、225を含むことができる。チャッキング電極223、225は、1以上のチャッキング電源(チャンバ毎に1つのチャッキング電源215、217が図示される)に、1以上のそれぞれの整合ネットワーク(図示せず)を介して結合することができる。1以上のチャッキング電源215、217は、約2MHz又は約13.56MHz又は60MHzの周波数で、12,000Wまで生成可能であるかもしれない。いくつかの実施形態では、1以上のチャッキング電源215、217は、連続又はパルス電力のいずれかを供給可能である。いくつかの実施形態では、チャッキング電源は、DC電源又はパルスDC電源であることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、基板支持体201、203は、基板支持面243、245及び載置された基板227、231の温度を制御するための1以上の機構を含むことができる。例えば、基板支持面243、245の下に、熱伝導流体を流すための1以上の流路を画定するために、1以上のチャネル239、241を提供することができる。1以上のチャネル239、241は、処理中に、基板支持面243、245及び載置された基板227、231の全域に亘る温度プロファイルの適切な制御を提供するのに適した任意の方法で構成することができる。いくつかの実施形態では、1以上のチャネル239、241は、冷却プレート219、221内に配置することができる。いくつかの実施形態では、冷却プレート219、221は、静電チャック246、248の下に配置することができる。
【0045】
熱伝導流体は、基板227、231へ又は基板227、231からの熱の適切な伝達を提供するのに適した任意の流体を含むことができる。例えば、熱伝導流体は、ヘリウム(He)、酸素(0)等の気体、又は水、不凍剤、アルコール(例えば、グリセロール、エチレングリセロール、プロピレン、メタノール)等の液体が可能である。
【0046】
共用熱伝導流体源250は、各処理チャンバ110、111の1以上のチャネル239、241に熱伝導流体を同時に供給することができる。いくつかの実施形態では、共用熱伝導流体源250は、各処理チャンバ110、111に並列に結合することができる。例えば、共用熱伝導流体源250は、熱伝導流体をそれぞれの処理チャンバ110、111の各々の1以上のチャネル239、241に供給するために、1以上の供給コンジット(チャンバ毎に1つが図示される)256、260に結合された少なくとも1つの出口252を含む。いくつかの実施形態では、供給コンジット256、260の各々は、実質的に同様の流体コンダクタンスを有することができる。本明細書中で使用される場合、実質的に同様の流体コンダクタンスは、±10%以内を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、供給コンジット256、260の各々は、実質的に同様の断面積及び軸方向長さを有し、これによって実質的に同様の流体コンダクタンスを提供することができる。あるいはまた、いくつかの実施形態では、供給コンジット256、260の各々は、異なる寸法(例えば、異なる断面積及び/又は軸方向長さ等)を含み、これによって各々が異なる流体コンダクタンスを提供することができる。このような実施形態では、供給コンジット256、260の各々の異なった寸法は、処理チャンバ110、111の各々の1以上のチャネル239、241の各々に熱伝導流体の異なる流量を提供することができる。
【0047】
更に、共用熱伝導流体源250は、1以上のリターンコンジット(回収導管)(チャンバ毎に1つが図示される)258、262に結合された少なくとも1つの入口254を含み、これによってそれぞれの処理チャンバ110、111の各々の1以上のチャネル239、241から熱伝導流体を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、供給リターンコンジット258、262の各々は、実質的に同様の流体コンダクタンスを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、リターンコンジット258、262の各々は、実質的に同様の断面積及び軸方向長さを含むことができる。あるいはまた、いくつかの実施形態では、リターンコンジット258、262の各々は、異なる寸法(例えば、異なる断面積及び/又は軸方向長さ等)を含むことができる。
【0048】
共用熱伝導流体源250は、熱伝導流体の温度を制御するために、温度制御機(例えば、チラー及び/又はヒータ)を含むことができる。処理チャンバ110、111の各々への熱伝導流体の流量を独立して制御するために、コントローラ(図示せず)は、1以上のバルブ及び/又は共用熱伝導流体源250の動作を制御することができる。
【0049】
運転中、共用熱伝導流体源250は、供給コンジット256、260を介して、処理チャンバ110、111の各々の1以上のチャネル239、241の各々に、所定の温度で熱伝導流体を供給することができる。熱伝導流体は、基板支持体201、203の1以上のチャネル239、241を通って流れるので、熱伝導流体は基板支持体201、203に熱を供給する、又は基板支持体201、203から熱を除去し、したがって基板支持面243、245及び載置された基板227、231に熱を供給し、又は基板支持面243、245及び載置された基板227、231から熱を除去する。その後、熱伝導流体は、1以上のチャネル239、241からリターンコンジット258、262を介して共用熱伝導流体源250へ流れて戻り、ここで熱伝導流体は、共用熱伝導流体源250の温度制御機構を介して所定の温度まで加熱又は冷却される。
【0050】
いくつかの実施形態は、1以上のヒータ(チャンバ毎に1つ図示される)264、266が、基板支持体201、203に近接して配置され、基板支持面243、245の温度制御を更に促進することができる。1以上のヒータ264、266は、基板温度の制御を提供するのに適した任意のタイプのヒータが可能である。例えば、1以上のヒータ264、266は、1以上の抵抗ヒータであってもよい。そのような実施形態では、1以上のヒータ264、266を加熱するのを促進するための電力を、1以上のヒータ264、266に提供するように構成された電源268、270に、1以上のヒータ264、266を結合することができる。いくつかの実施形態では、ヒータは基板支持面243、245の上又はヒータは基板支持面243、245に近接して配置することができる。その代わりに、又はそれと組み合わせて、いくつかの実施形態では、ヒータは、基板支持体201、203又は静電チャック246、248内に埋設可能である。1以上のヒータの数及び配置は、基板227、231の温度範囲に付加的な制御を提供するために変化させることができる。例えば、複数のヒータが利用されている実施形態では、ヒータを複数のゾーンに配置し、これによって基板227、231全体に亘る温度制御を促進し、向上した温度制御を提供することができる。
【0051】
基板227、231は、処理チャンバ110、111の壁内の開口部272、274を介して処理チャンバ110、111に入ることができる。開口部272、274は、スリットバルブ276、278又は開口部272、274を介してチャンバの内部へのアクセスを選択的に提供する他の機構を介して選択的に密閉することができる。基板支持台座201、203は、開口部272、274を介してチャンバの内外に基板を搬送するのに適した下方位置と、処理に適した選択可能な上方位置との間で、基板支持台座201、203の位置を制御することができる昇降機構(図示せず)に結合することができる。処理位置は、特定の処理に対して処理の均一性を最大化するように選択することができる。上昇した処理位置の少なくとも1つにあるとき、基板支持台座201、203は開口部272、274の上方に配置され、対称的な処理領域を提供することができる。
【0052】
1以上のガス導入口(例えば、シャワーヘッド228、234)は、処理チャンバ110、111の処理容積208、214に1以上の処理ガスを供給するための独立した又は共用のガス供給源(共用ガス供給源204が図示されている)に結合することができる。図2Bには、シャワーヘッド228、234が示されているが、追加又は代替ガス導入口(例えば、処理チャンバ110、111の天井又は側壁に、又は処理チャンバ110、111にとって望ましいようなガスを供給するのに適した他の場所(例えば、処理チャンバの土台、基板支持台座の周辺等)に配置されたノズル又は入口)を提供してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ110、111は、プラズマ処理用に容量結合RF電力を利用することができるが、処理チャンバ110、111は、プラズマ処理用にRF電力の誘導結合もまた、又はその代わりに使用することもできる。例えば、基板支持体201、203は、電極280、282を内部に配置することができ、又は基板支持体201、203の導電部を電極として使用することができる。電極は、1以上のプラズマ電源(処理チャンバ毎に1つのRF電源284、286が示される)に、1以上のそれぞれの整合ネットワーク(図示せず)を介して結合することができる。いくつかの実施形態では、例えば、基板支持体201、203が導電性材料(例えば、アルミニウム等の金属)から製造される場合、基板支持体201、203全体は電極として機能することができ、これによって別の電極280、282の必要性を排除することができる。1以上のプラズマ電源は、約2MHz及び又は約13.56MHz又は高周波(例えば、27MHz及び/又は60MHz)の周波数で約5,000W数まで生成可能であるかもしれない。
【0054】
いくつかの実施形態では、終点検出システム288、290は、処理チャンバ110、111の各々に結合することができ、各チャンバ内で処理の所望の終点に到達したときを判定するために使用できる。例えば、終点検出システム288、290は、1以上の光学分光器、質量分析計、又は処理容積208、214内で実行されている処理の終点を判定するのに適した任意の検出システムのうちの1以上であることができる。いくつかの実施形態では、終点検出システム288、290は、処理チャンバ110、111のコントローラ292に結合することができる。1つのコントローラ292が、(ツインチャンバ処理システムで使用される可能性のあるような)処理チャンバ110、111用に図示されているが、その代わりに各処理チャンバ110、111用に個々のコントローラを使用してもよい。あるいはまた、(図1に関して上述した)コントローラ144、又は他のいくつかのコントローラを使用することもできる。
【0055】
真空ポンプ206、212は、処理チャンバ110、111から排気ガスを排気するための排気ポートを経由して、排気プレナムに結合させることができる。適切な排気処理装置にとって必要な排気をルーティングするための排気口に、真空ポンプ206、212を流体結合することができる。ゲートバルブ等のバルブ(例えば、図2Aに示されるゲートバルブ210、216)が排気プレナム内に配置され、真空ポンプ206、212の操作と組み合わせて排気ガスの流量の制御を促進することができる(共用真空ポンプ202及びゲートバルブ210、216等の関連装置は、分かりやすくするために、図2Bから省略されている)。
【0056】
処理チャンバ110、111の制御を促進するために、コントローラ292は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用することができる汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態の1つであることができる。CPU296のメモリ又はコンピュータ可読媒体294は、手軽に利用可能なメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピー(商標名)ディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカル又はリモートのデジタルストレージ)のうちの1以上であることができる。サポート回路298は、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPU296に結合されている。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含む。共用熱伝導源に関連する方法及び装置の更なる実施形態は、Jared Ahmad Leeによって2010年4月30日に出願された「Process Chambers Having Shared Resources And Methods Of Use Thereof」と題される米国仮特許出願第61/330,014号に記載されている。
ツインチャンバ処理システム用ガス分配システム
【0057】
本発明の実施形態は、通過して流れるガスを所望の流量比に受動的に分割するガス分配システムを提供する。本装置は、オリフィスを通る流れが、断面積に直接比例するという基本的な原理に基づいている。一方が他方の2倍の(断面積の)大きさである2つのオリフィス間において、ガス流が分割される場合、流れの比率は2:1となるであろう。しかしながら、この原理は、両方のオリフィスが同じ上流側及び下流側圧力を有していることに依存している。本発明では、装置に結合された異なるガス供給ゾーン(例えば、シャワーヘッド又は異なる処理チャンバ等のゾーン)が、異なるコンダクタンス又は流れ抵抗を有する可能性があり、したがって、下流側圧力は同じではない。いくつかの実施形態では、本発明者らは、常にチョーク流れの状態で動作するように装置を設計することによって(例えば、上流側圧力を下流側圧力の少なくとも2倍にする)、この問題を排除している。流れが閉塞(チョーク)されている場合、流れは単なる上流側圧力の関数となる。
【0058】
上記図2A〜2Bと同様に、図3〜4は、図1及び図2A〜Bに関して上述したものと実質的に同じ図3内の要素を記述するために、共通の番号を使用することができる。図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なガス分配システム300の概略図を示している。図3に示すシステムは、主に2つのガス供給ゾーン(例えば、326、328)にガスの流れを供給することに関するが、本システムは、追加のガス供給ゾーン(例えば、342、点線で示される)にガスの流れを供給するために、本明細書内で開示される原理に従って、システムを拡張することができる。ガス分配システム300は、一般的に、1以上のマスフローコントローラ(1つのマスフローコントローラ304が示される)と、第1フローコントロールマニホールド306と、第2フローコントロールマニホールド308を含む(明細書内の記載と同様に構成される追加のフローコントロールマニホールドが、点線内において符号340によって図示されるように提供されてもよい)。マスフローコントローラ304は、典型的には、1以上のガス又はガス混合物(本明細書全体及び特許請求の範囲内ではガスと呼ぶ)を供給するガス分配パネル204に結合されている。マスフローコントローラ304は、ガス分配装置300を通過するガスの総流量を制御し、そのそれぞれの入口で、第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308の両方に結合されている。1つのマスフローコントローラ304が図示されているが、複数のマスフローコントローラがガス分配パネル204に結合され、ガス分配パネル204からのそれぞれの処理ガスを測定することができる。1以上のマスフローコントローラ304の出力は、一般的には、各フローコントロールマニホールド(例えば、306、308)に分割してルーティングされる前に結合される(例えば、それらの共通のコンジット、ミキサー、プレナム等、又はそれらの組み合わせに供給される)。
【0059】
第1フローコントロールマニホールド306は、第1フローコントロールマニホールド306の入口314と出口316の間に結合された複数の第1オリフィス310及び複数の第1コントロールバルブ312を含む。複数の第1コントロールバルブ312は、1以上の複数の第1オリフィス310をマスフローコントローラ304の出口に選択的に結合するために(例えば、マスフローコントローラ104から選択された第1オリフィス310を通ってガスが流れるのを可能にするために)、選択的に開閉することができる。
【0060】
同様に、第2フローコントロールマニホールド308は、第2フローコントロールマニホールド308の入口322と出口324の間に結合された複数の第2オリフィス318及び複数の第2コントロールバルブ320を含む。複数の第2コントロールバルブ320は、1以上の複数の第2オリフィス318をマスフローコントローラ304に選択的に結合するために(例えば、選択された第1オリフィス310を通ってガスが流れるのを可能にするために)、選択的に開閉することができる。同様に、追加のフローコントロールマニホールド(例えば、340等)は、追加のガス供給ゾーン(例えば、342等)に所望の流量比でガスを供給するために提供することができる。
【0061】
第1及び第2コントロールバルブ312、320は、工業環境又は半導体製造環境での使用に適した任意のコントロールバルブであることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2コントロールバルブ312、320は、空気圧バルブが可能である。いくつかの実施形態では、第1及び第2コントロールバルブ312、320は、基板(図示せず)に搭載され、各コントロールバルブ用のシールは、シールの構造内に組み込まれた精密オリフィスを有することができる。いくつかの実施形態では、オリフィスがコントロールバルブの本体内に組み込まれることができる。いくつかの実施形態では、独立したコントロールバルブとオリフィスを提供することができる。
【0062】
に示される実施形態では、6つの第1オリフィス310と6つの第2オリフィス318が図示され、各々が第1コントロールバルブ312のそれぞれと第2コントロールバルブ320のそれぞれに結合されている。しかしながら、各フローコントロールマニホールドは、オリフィスの数が同じである必要はないが、同じ数及び構成のオリフィスを有することによって、比が第1と第2ガス供給ゾーン326、328の間であるか、第2と第1ガス供給ゾーン328、326の間であるかに関わらず、第1及び第2ガス供給ゾーン326、328間に同じ流量比を容易に提供することができる。更に、各ゾーンは、6つよりも少ない又は多くのオリフィスを有することができる。一般的に言えば、より少ないオリフィスは、より少ない流量比を提供することができ、より多くのオリフィスは、より多くの流量比を提供することができるが、コスト及び複雑性がより大きくなる。このように、提供されるオリフィスの数は、特定のアプリケーションに必要な所望の処理の柔軟性に基づいて選択することができる。
【0063】
ガス分配システム300の構成は、特定のアプリケーションのための予想される動作条件及び出力要件に基づいて決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガス分配システム100は、ガス供給ゾーン326,328の間で、1:1〜6:1の間の流量比を0.5の比率の増分で提供することができ(すなわち、1/1、1.5/1、2/1、2.5/1 ... 6/1)、及び完全に逆も可能(すなわち、1/1、1/1.5、1/2、1/2.5... 1/6)でなければならない。いくつかの実施形態では、ガスの流れの分割の精度は5%以内であってもよく、これによって例えば、既存の機器の性能を一致させることができる。いくつかの実施形態では、ガス分配システム100は、ガス供給ゾーン326、328毎に50〜500sccmの窒素に相当するガス流に対して適切な比に設計することができ、すべての処理ガスと互換性がある。いくつかの実施形態では、ガス分配システム300の上流側圧力(又は背圧)は、ガス供給システム300の応答時間を短縮するために最小限に抑えることができる。更に、いくつかの低蒸気圧ガス(例えば、四塩化ケイ素、SiCl)の望ましくない結露を防ぐために、ガス分配システム300の上流側圧力(又は背圧)を制限又は最小化することができる。このように、いくつかの実施形態では、制限された上流側圧力は、低蒸気圧ガスの凝縮を防止するのに十分に低い。例えば、第1及び第2フローコントロールマニホールドは、使用温度での蒸気圧がオリフィスの上流側圧力に近付くことができる任意の半導体処理化学薬品の結露を防ぐために、オリフィスの上流側圧力を最小限に抑えながら、チョーク流れを維持するのに十分な圧力降下を提供することができる。低蒸気圧ガスは、動作圧力及び温度で気相を離れる(すなわち、液化する)ガスを含む。非限定的な例としては、SiClに対して約150Torr、CeFに対して約100Torr、Cに対して約5psig等を含む。いくつかの実施形態では、最大許容制限上流側圧力は、室温でSiClの蒸気圧になるように、又は155Torrに設計された。
【0064】
一般に、上流側圧力は、システムの応答時間を最小限に抑えるために最小化することができる。例えば、特定の流量で、フローコントローラとオリフィス間の容積が、所望の圧力に到達し、定常状態の流れを提供するためには、ある程度の時間がかかる。したがって、より高い圧力は、この容積をより高い圧力に満たすためにより長い時間を必要とするので、定常状態の流れを達成するためにより長い時間がかかる。いくつかの実施形態では、フローコントローラとオリフィス間の容積は、応答時間を最小限に抑えるために最小化することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、制限された上流側圧力は、システムの応答時間を最適化するように、例えば、他のシステムと一致するように特定の応答時間に制御するように制御することができる。このように、いくつかの実施形態では、第1及び第2フローコントロールマニホールドは、システムの応答時間を制御するオリフィスの上流側圧力を制御しながら、チョーク流れを維持するのに十分な圧力降下を提供することができる。このような制御は、例えば、フローコントローラとオリフィス間の容積を制御する、より高い背圧を作るために意図的により制限されたオリフィスを選択する等によって、提供することができる。異なるアプリケーション及び/又は処理は、実行されている特定の処理(例えば、エッチング、化学蒸着法、原子層堆積、物理蒸着法等)に基づいて、異なる所望の応答時間(例えば、最適化された応答時間)を有するかもしれない。いくつかの実施形態では、所望の応答時間は、2秒以下、又は5秒以下、又は10秒以下、又は15秒以下とすることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、エッチング処理の要件を満たすために、第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308の各々に対して、第1及び第2オリフィス310、318の所望のサイズを選択するために、フローモデリングソフトウェア(例えばMacroflow等)を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、これは、最小の所望の処理ガスの流れに対して、依然としてチョーク流れが得られるであろう最大のオリフィスを見つけることによって決定することができる。いくつかの実施形態では、オリフィスのサイズを、1、1.5、2、4、8、12と増加させて(例えば、乗算倍数)、ゾーン毎に6つのオリフィスを設けてもよい。いくつかの実施形態では、最小オリフィス径は、(例えば、最小の所望の流量でチョーク流れを提供するために)0.0090”が可能であり、すべてのオリフィス径は最小オリフィス径の倍数である。いくつかの実施形態では、オリフィスの直径は、0.009、0.011、0.013、0.018、0.025、及び0.031インチであってもよい。これらの直径を有するオリフィスは、市販のオリフィス径であり、再現性と再生産性が正確な比率よりも重要である費用対効果の高いソリューションを提供するために、断面積の正確な比率を提供するであろう直径よりもむしろ、これらの市販のオリフィスを選択してもよい。例えば、モデリングでは、この構成によって、すべての比及びゾーン毎の10〜1200sccmの窒素に相当するすべての流れは、チョーク流れと最大背圧の両方の要件を満たすことができることを示した。
【0066】
いくつかの実施形態では、上記のオリフィス径を使用して、ガス供給システム300は、1:1の流量比で約16sccm〜約2300sccmのガス流、及び4:1の流量比で約40sccm〜約1750sccmのガス流を供給することができるかもしれない。以下により詳細に説明されるように、これらの流量範囲は、窒素相当ガス流に関して表現されている。
【0067】
第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308の出口316、324は、第1ガス供給ゾーン326及び第2ガス供給ゾーン328にそれぞれ結合することができる。このように各ガス供給ゾーン326、328は、第1オリフィス310及び第2オリフィス318の選択的な結合によって課せられた望ましい流量比に基づいて、マスフローコントローラ104によって供給される総ガス流量の所望の割合を受け取ることができる。ガス供給ゾーン326、328は、一般的にはガス流量比制御が望まれているいずれのゾーンであってもよい。
【0068】
例えば、いくつかの実施形態では、図4Aに示されるように、第1ガス供給ゾーン326は、第1ゾーン402(例えば、シャワーヘッド404が設置されている処理チャンバへガスを供給するシャワーヘッド404の内側ゾーン)に対応することができる。第2ガス供給ゾーン328は、第2ゾーン406(例えば、シャワーヘッド404の外側ゾーン)に対応することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、図4Bに示されるように、第1及び第2ガス供給ゾーン326,328は、上で基板Sを支持するための基板支持体416を有する処理チャンバ414の、シャワーヘッド410及び1以上のガス導入口412にそれぞれ供給される。
【0070】
いくつかの実施形態では、図4Cの上部に示されるように、第1及び第2ガス供給ゾーン326、328は、上でそれぞれの基板227、231を支持するための基板支持体201、203を有する処理チャンバ110、111のシャワーヘッド228、234(及び/又は他のガス導入口)にそれぞれ供給することができる。あるいはまた、図4Cの下部に示されるように、第1及び第2ガス供給ゾーン326、328は、異なる処理チャンバ110、111のシャワーヘッド228、234(及び/又は他のガス導入口)の両方に供給することができる。例えば、第1ガス供給ゾーン326は、各シャワーヘッド228、234内で第1ゾーン(例えば、図4Aに示されるようなシャワーヘッド404の第1ゾーン402)に対応することができ、第2ガス供給ゾーン328は、各シャワーヘッド228、234内で第2ゾーン(例えば、図4Aに示されるようなシャワーヘッド404の第2ゾーン406)に対応することができる。
【0071】
更に、図4Cには図示されていないが、第1及び第2ガス供給ゾーン326、328は、2つのシャワーヘッドに供給されることに限定される必要はなく、複数の処理チャンバ内の任意の適切な複数のシャワーヘッドに供給することができる。例えば、第1ガス供給ゾーン326は、複数の処理チャンバの複数のシャワーヘッド内の第1ゾーンに対応することができ、第2ガス供給ゾーン328は、複数の処理チャンバの複数のシャワーヘッド内の第2ゾーンに対応することができる。
【0072】
図3に戻って、ガス分配装置100の所望の位置での圧力を監視するために、1以上の圧力計を提供することができる。例えば、ガス分配装置300の上流側の圧力を監視するために、圧力計332を提供することができる。いくつかの実施形態では、マスフローコントローラ304と、第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308との間に結合されたガスライン内に、圧力計332を配置してもよい。ガス分配装置300の下流側の圧力をそれぞれ監視するために、圧力計334、336を提供することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308と、第1及び第2ガス供給ゾーン326、328との間にそれぞれ結合されたガスライン内に、圧力計334、336をそれぞれ配置してもよい。
【0073】
コントローラ330は、システムのコンポーネントを制御するために、ガス分配システム300に提供され、結合されることができる。例えば、コントローラ330は、供給する1以上の処理ガスを選択するためのガス分配パネル204に結合され、所望の流量を設定するためのマスフローコントローラ304に結合され、及び、所望の流量を提供するために、どちらのコントロールバルブ312、320を開くかを制御するための第1及び第2フローコントロールマニホールド306、308の各々に(又は内部に含まれる第1及び第2コントロールバルブ312、320の各々に)結合することができる。コントローラは、更にチョーク流れ及び最小限の背圧に対する圧力要件を満たしているかを確認するために、圧力計332、334、336に結合することができる。
【0074】
コントローラ330は、任意の適切なコントローラが可能であり、ガス分配システム100が結合される処理チャンバ又は処理ツール用の処理コントローラ、又は他のいくつかのコントローラが可能である。コントローラ330は、一般的に、中央処理装置(CPU)、メモリ、及びサポート回路を含む。CPUは、工業環境で使用できる汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態のうちの1つが可能である。サポート回路はCPUに結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含むことができる。ソフトウェアルーチン(例えば、図3〜4に関して、本明細書内で記載されるガス分配システム300を動作させるための方法等)は、コントローラ330のメモリ内に格納することができる。ソフトウェアルーチンは、CPUによって実行されると、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)330にCPUを変換する。ソフトウェアルーチンは、コントローラ330から離れて位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納及び/又は実行されることもできる。あるいはまた、上述した実施形態と同様に、ガス分配システム330は、コントローラ144(図1)又は上述の他のコントローラのいずれかによって制御することができる。
【0075】
ガス分配システム300の実施形態は、所望の流量比、いくつかの流量、及び複数のガスを使用した範囲にわたって、本発明者らによってテストされた。ガス分配システム300は、50〜500sccmのガス流でエッチング処理のためのすべての精度要件を満たした。ガス分配システム300の再現性は1%以内であることが判明した。ガス分配システム300に関連する方法及び装置の更なる実施形態は、James P. Cruseによって2010年4月30日に出願された「Methods And Apparatus For Reducing Flow Splitting Errors Using Orifice Ratio Conductance Control」と題される米国仮特許出願第61/330,047号に記載されている。
【0076】
このように、ツインチャンバ処理システムのための方法及び装置が提供された。本発明のツインチャンバ処理システムは、ツインチャンバ処理システムの各チャンバ内で加工品質を維持しながら、システムコストを削減するために、有利なことにリソース(例えば、共用真空ポンプ、共用ガスパネル等)を兼ね備えている。更に、本発明の方法は、共用リソースがツインチャンバ処理システムの各チャンバ間で使用されるとき、例えば、減圧、通気、パージ等のチャンバ処理の動作を有利に制御する。
【0077】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C