(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物理蒸着(PVD)チャンバ内の基板を処理する方法であって、前記基板が前記基板の第1の表面に形成され前記基板の反対側の第2の表面に向かって前記基板内に延びる開口を有し、前記開口が、少なくとも5:1の高さ対幅のアスペクト比を有し、前記方法が:
前記基板の上方に配置された金属を含有するターゲットにVHF周波数で第1のRF電力を印加してプラズマ形成ガスからプラズマを生成させる段階と;
前記ターゲットにDC電力を印加して前記プラズマを前記ターゲットに向かわせる段階と;
前記ターゲットからスパッタされた前記金属原子の主要部分をイオン化させるのに十分なPVDチャンバ内の第1の圧力を維持しながら、前記プラズマを用いて前記ターゲットから金属原子をスパッタリングさせる段階と;
前記開口の底面上と前記基板の前記第1の表面上とに複数の第1の金属原子を堆積させる段階と;
前記基板の下方に配置された第1の電極に第2のRF電力を印加し、前記複数の第1の金属原子の少なくとも一部を前記底面から前記開口の側壁の下側部分へ再分配する段階と;
前記PVDチャンバ内のイオン化金属原子の量を低減することによって、前記側壁の上側部分に複数の第2の金属原子を堆積させる段階と、
を含み、複数の前記第1及び第2の金属原子が、前記開口の実質的に全体の表面上に堆積した第1の層を形成することを特徴とする方法。
前記第1の電極に前記第2のRF電力を印加し、前記複数の第1の金属原子の少なくとも一部を再分配する段階が、前記第1の圧力を第2の圧力に低下させる段階を更に備え、前記複数の第2の金属原子を前記側壁の前記上側部分に堆積させる段階が、前記第2の圧力を第3の圧力に低下させて、前記PVDチャンバ内のイオン化金属原子の量を低減させる段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
前記開口の前記側壁の前記上側部分に前記複数の第2の金属原子を堆積させる段階が: 前記第1のRF電力の大きさを第1の大きさから第2の大きさに低下させて前記PVDチャンバ内のイオン化金属原子の量を低減させる段階;
前記DC電力の大きさを第1の大きさから第2の大きさに低下させて前記PVDチャンバ内のイオン化金属原子の量を低減させる段階;又は、
前記第2のRF電力の大きさを50ワット未満にまで低下させる段階のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
前記基板の前記第2の表面を少なくとも部分的に除去する段階に続いて、前記基板の前記第2の表面を第2の基板の上面に結合する段階を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
理解を容易にするために、各図面に共通な同一要素を示すために可能な限り同一の参照番号が使用される。各図面はスケール調整されておらず、明確にするため簡略化される場合もある。1つの実施形態の要素及び特徴は、特に記述することなく他の実施形態に好都合に組み込み得ることが意図されている。
【0008】
本明細書では、基板上に形成された高アスペクト比の特徴要素に金属を堆積させる方法が開示される。本発明の方法は、好都合に高い処理能力及び低い基板温度を維持しながら、金属を用いて高アスペクト比の特徴要素の連続した表面被覆を提供する。本発明の方法は、例えば、Via First又はVia Last製造法のためのシリコン貫通ビア(TSV)用途、並びに高アスペクト比開口内の連続した金属層の堆積が望まれる他の適切な用途に利用することができる。
【0009】
図1は、本発明の特定の実施形態による、基板を処理する方法100のフローチャートを示す。方法100は、
図2に示すように、高アスペクト比の特徴要素を充填する各段階に関して以下に説明する。更に、方法100は、以下に説明する
図3に示すプロセスチャンバ300等のDC及び高周波(RF)電源の両方を有する任意の適切なPVDプロセスチャンバ内で行うことができる。
【0010】
方法100はステップ102で始まり、例えばプロセスチャンバ300であるPVDチャンバに基板200を提供する。基板200は、基板200の第1の表面204に形成され、基板200の反対側の第2の表面206に向かって基板200を延びる高アスペクト比開口202を含む。基板200は、高アスペクト比開口が形成された任意の適切な基板とすることができる。例えば、基板200は、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO
2)等の1つ又はそれ以上から成ることができる。更に、基板200は、追加の材料層を含むことができ、又はその中又はその上に形成される1つ又はそれ以上の完成構造体又は部分的完成構造体を含むことができる。
【0011】
開口は、ビア、トレンチ、デュアルダマシン構造体等の高アスペクト比の任意の開口とすることができる。特定に実施形態において、開口202は、少なくとも約5:1の高さ対幅アスペクト比(例えば、高アスペクト比)を有することができる。例えば、特定の実施形態において、アスペクト比は、約15:1等の約10:1以上とすることができる。開口202は、任意の適切なエッチングプロセスを用いる基板のエッチングによって形成することができる。開口202は、図示のように底面208及び側壁210を含む。
【0012】
特定の実施形態において、底面208及び側壁210は、以下のように金属原子を堆積させる前に1つ又はそれ以上の層で被覆することができる。例えば、
図2Aにおいて点線で示すように、開口202の底面と側壁、及び基板200の第1の表面は、酸化シリコン(SiO
2)等の酸化物層212で被覆することができる。酸化物層は、基板200をPVDチャンバに提供する前に、例えば化学蒸着(CVD)チャンバ又は酸化チャンバで堆積又は成長させることができる。酸化物層212は、基板と後で開口内に堆積される金属含有層との間の電気的及び/又は物理的障壁として機能することができ、及び/又は基板の未処理の表面よりも、以下に説明する堆積プロセス時の付着のための良好な表面として機能することができる。
【0013】
特定の実施形態において、障壁層214は、酸化層212上(図示の通り)、又は酸化物層が存在しない場合は開口の底面及び側壁と基板の第1の表面上に堆積させることができる。障壁層214は、前述の酸化物層212と同じ目的を果たすことができる。特定の実施形態において、障壁層214は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、Ti、Ta、及び/又はCoの酸化物又は窒化物等の少なくとも1つを含むことができる。障壁層214は、開口202内に連続した障壁層を形成させるための前述の方法100を使用することを含む、CVD又はPVD等の任意の適切な方法によって堆積させることができ、
【0014】
特定の実施形態において、
図2Aにおいて破線で示すように、開口202は、基板200を貫通することができ、第2の基板218の上面216は、開口202の底面208を形成することができる。第2の基板218は、基板200の第2の表面206に隣接して配置することができる。更に(
図2Fに示され以下の説明するように)、論理デバイス等のデバイス、又はゲート、コンタクトパッド、導電ビア等の電気接続を必要とするデバイスの一部を、第2の基板218の上面216に開口202と位置合わせして配置することができる。
【0015】
ステップ104において、第1のRF電力(例えば、以下に説明する電源318からの)は、VHF周波数で基板200の上方に配置される金属を含むターゲットに印加され、プラズマ形成ガスからプラズマを生成するようになっている。例えば、ターゲットは、以下に説明するターゲット306とすることができる。ターゲットは、開口202の表面及び基板200の第1の表面204に所望材料の連続した障壁層又はシード層を形成するための、適切な純度を有する1つ又はそれ以上の金属、金属合金等を含むことができる。例えば、ターゲットは、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、タングステン(W)、これらの合金を含むことができる。プラズマ形成ガスとしては、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、ヘリウム(He)、水素(H
2)、窒素(N
2)等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0016】
第1のRF電力は、プラズマ形成ガスからのプラズマの生成、及びプラズマによりスパッタされた金属原子のイオン化の1つ又はそれ以上のために、VHF周波数で印加することができる。本明細書で用いる場合、VHF周波数は、約27MHzから約162MHzの範囲の周波数である。特定の実施形態において、印加されるVHF周波数は、約60MHzである。VHF周波数を高くすることによって、プラズマ密度及び/又はターゲットからスパッタされた金属原子のイオン化量を高くすることができる。
【0017】
ステップ106において、DC電力は、例えば、
図3に関連して以下に説明するように、ターゲット306に接続されるDC電源320からターゲットに印加される。DC電力は、プラズマをターゲットへ向かわせるのを助けるようにターゲットをバイアスすることができる。DC電力は、約1から約4キロワット(kW)の大きさとすることができる。特定の実施形態において、DC電力は、約2kWとすることができる。DC電力は、基板上にスパッタリングされる金属原子の堆積速度を制御するように調整できる。例えば、DC電力を大きくすると、プラズマとターゲットとの相互作用が強くなり、ターゲットからの金属原子のスパッタリングを強化することができる。
【0018】
ステップ108において、金属原子は、プラズマを用いてターゲットからスパッタされるが、PVDチャンバの第1の圧力はターゲットからスパッタされる金属原子の大部分をイオン化させるのに十分であるように維持される。例えば、金属原子の主要部は、ウェハに到達する金属原子の総数の約50から約75パーセントとすることができる。特定の実施形態において、例えば、ターゲットから最初にスパッタされる金属原子は大多数がイオン化しておらず、金属原子はプラズマを通過するとイオン化することができる。例えば、中性金属原子の大多数は、プロセスチャンバのシールドに失われることになるので、ウェハに到達する金属原子の大部分をイオン化する必要がある。印加される第1のRF電力及びDC電力に加えて、第1の圧力は、プロセスチャンバの形状(基板サイズ、ターゲットと基板との間隔等)に依存する場合がある。例えば、第1の圧力は、約60ミリメートル(mm)のターゲットと基板との間隔で構成されたチャンバ内では、約60から約300ミリトール(mT)の範囲とすることができる。特定の実施形態において、第1の圧力は、約100mTである。チャンバ内の第1の圧力は、プラズマ形成ガスの流量及び/又はプラズマ形成ガスと共に流すことができる不活性ガス等の付加ガスの流量によって維持することができる。第1の圧力は、ターゲットと基板との間に高密度のガス分子を提供することができ、スパッタされた金属原子はそれらと衝突してイオン化することができる。圧力は、ターゲットからスパッタされた金属原子のイオン化量を制御するために更に利用することができる。例えば、チャンバ内の圧力を高くすると及び/又はターゲットと基板との間隔を大きくすると、金属原子との衝突回数が増えるので、結果的に金属原子のイオン化量が増大する。
【0019】
ステップ110において、
図2Bに示すように、複数の第1の金属原子220は、基板200の上面204と開口202の底面208とに堆積する。複数の第1の金属原子220は、第1の圧力、第1のRF電力、DC電力、及び/又はVHF周波数等の前述の処理条件を用いて堆積させることができる。この処理条件は、
図2Bに示すように、基板200に対して略垂直な複数の第1の金属原子220の方向を促すことができる。特定の実施形態において、複数の第1の金属原子220の堆積時に、随意的な第3のRF電力を基板200に印加することができる。第3のRF電力は、約400kHzから約27MHzの範囲の周波数及び約50W以下の電力で印加することができる。特定の実施形態において、第3のRF電力の周波数は、約2MHz、又は約13.56MHz、又は随意的な第2のRF電力供給源がPVDチャンバの基板支持基台に接続する場合はその両方とすることができる。随意的な第3のRF電力は、開口202の開口部の上の何らかのオーバーハング構成を最小化する等の、金属原子の堆積エネルギーを最小化する小さな電力とすることができる。
【0020】
もしくは、随意的な第3のRF電力の印加と同様な結果を得るための別の随意的な実施形態は、基板支持部に取り付けることができるチューニング回路を使用することである。チューニング回路(LC)は、RFバイアス源を基板支持部に接続させる既存の基板支持部チューニング回路のインピーダンスを変化させてプラズマからの電流を受け入れる又は排除するのに使用することができる。イオン化化学種の到達エネルギーは、リアクタンスを変化させることによって調整することができ、低又は高バイアス電力と同等である低エネルギー又は高エネルギープロセスが得られる。
【0021】
ステップ112において、
図2Cに示すように、第2のRF電力は、複数の第1の金属原子220の少なくとも一部を、開口202の底面208から開口202の側壁210の下側部分222に再分配するように印加される。下側部分222は、開口202の側壁210の下側の約50パーセントを含むことができる。第2のRF電力は、ステップ110で説明したのと同じ周波数で印加できる。第2のRF電力は、
図2Cに示すように、基板200への入射イオン224のイオンエネルギーを高くするため及び/又は入射角度を大きくするために利用できる。例えば、基板200への入射イオンは、イオン化金属原子、プラズマからのイオン化元素、又はそれらの組み合わせを含むことができる。第2のRF電力は、
図2Bに示すように、例えば、開口202の底面208に堆積した金属原子へのイオンの衝突を強化するために、イオンエネルギーを増大するように高めることができる。開口の底面208へのイオン衝突の強化により、図示のように下側部分222への金属原子の複数の第1の金属原子220の少なくとも一部の再分配を促すことができる。第2のRF電力の大きさは、前述のような複数の第1の金属原子220の堆積時に印加される随意的な第3のRF電力よりもかなり大きくすることができる。例えば、第2のRF電力の大きさは、約50ワットより大きくすること、又は約100から約400ワットの範囲とすることができる。特定の実施形態において、第2のRF電力は約200ワットである。
【0022】
特定の実施形態において、
図2Cに示すように、複数の第1の金属原子220の少なくとも一部は、基板200の上面204から開口202内に再分配することができる。例えば、
図2Cに示すように、印加された第2のRF電力に少なくとも部分的に起因して、基板200に対する入射イオン224の非垂直入射角によって、複数の第1の金属原子220の少なくとも一部は、上面204から開口202の側壁210の上側部分226に再分配することができる。
【0023】
更に、特定の実施形態において、ステップ112において、DC電力を維持して、複数の第1の金属原子220の少なくとも一部を下側部分222に再配分しながらプラズマを用いてターゲットからの金属原子のスパッタを継続する。代替的に又はそれと組み合わせて、ステップ112において、第1のRF電力又は第1の圧力のうちの少なくとも1つを維持して、複数の第1の金属原子220の少なくとも一部を再配分しながら複数の第1の金属原子220の堆積を継続することができる。特定の実施形態において、基板200への入射イオン化金属原子の量を低減するために、第1の圧力は第2の圧力に低減される。第2の圧力は、約40から約80mTorrの範囲とすることができる。
【0024】
もしくは、ステップ112において、複数の第1の金属原子220の堆積は、再分配の間に実質的に制限すること又は停止することができる。例えば、特定の実施形態において、ターゲットに印加されるDC電力は、再分配の間に低減又は遮断することができ、ターゲットからの金属原子のスパッタリングが防止される。この実施形態は、再分配の間に、上面204及び底面208の上の堆積金属原子の層の厚さを低減するために利用できる。従って、この別の実施形態において、基板200への入射イオン224は、実質的にプラズマ形成ガスのイオン化元素から成ることができる。
【0025】
ステップ114において、複数の第2の金属原子228は、PVDチャンバ内のイオン化金属原子の量を低減することによって側壁210の上側部分226の上に堆積され(
図2Dに示される)、複数の第1及び第2の金属原子220、228は、開口202の実質的に全ての表面に堆積される第1の層230を一緒に形成する(
図2Eに示される)。上側部分226は、開口202の側壁210の上側約50パーセントを含むことができる。複数の第2の金属原子228の堆積は、第1のRF電力、第1の圧力を低下させること、又はDC電力を増加させることの1つ又はそれ以上を含むことができ、側壁210の上側部分226に複数の第2の金属原子228が堆積される。例えば、特定の実施形態において、第1の圧力は第3の圧力に低下させることができ、もしくは、第1の圧力が前述のように既に低下されている場合には第1の圧力は第3の圧力にまで低下させることができる。特定の実施形態において、第3の圧力は、約10から約40mTorrの範囲とすることができる。例えば、第3の圧力は、イオン化金属原子の量を減少させるのに十分なものにすることができ、結果的に基板200に入射する複数の第2の金属原子228の中性金属原子の量が増加する。電荷が存在しない中性金属原子は、プラズマ、基板RFバイアス等からの外部からの力の影響を受けない場合がある。従って、中性金属原子の少なくとも一部は、
図2Dに示すように、基板200に非垂直の角度で入射して上側部分226に堆積することができる。
【0026】
代替的に、又は複数の第2の金属原子228の堆積時のPVDチャンバの圧力を低下させることと組み合わせて、第1のRF電力は、第1の大きさから第2の大きさに低減することができ、PVDチャンバのイオン化金属原子の量、又はPVDチャンバのスパッタされた金属原子の量の少なくとも1つが低減される。特定の実施形態において、第2の強度は約1kWから約3kWの範囲とすることができる。
【0027】
代替的に、又は複数の第2の金属原子228の堆積のための前述の実施形態の何れかと組み合わせて、DC電力は、第1の大きさから第2の大きさに低減することができ、PVDチャンバのスパッタされた金属原子の量を低減させることによって、PVDチャンバのイオン化金属原子の量が低減される。特定の実施形態において、第2の大きさは、約0.5から約2kWの範囲とすることができる。
【0028】
代替的に、又は複数の第2の金属原子228の堆積のための前述の実施形態の何れかと組み合わせて、第2のRF電力は、第1の大きさから第2の大きさ又はゼロの大きさに低減することができ、プラズマ形成ガスのイオン化元素等のイオン化化学種は、開口202の上側部分226から堆積金属原子を除去することを制限又は防止する。特定の実施形態において、第2のRF電力の大きさは、約50W未満とすることができる。
【0029】
ステップ114において、第1の層230が形成された後に、方法100は、
図2Fに示すように、開口202を充填するために、第1の層230の上に、材料232を電気メッキ又は類似の処理技術によって堆積させることができる。第1の層230は、材料232が堆積されるシード層として機能することができる。材料232としては、金属、金属合金等を挙げることができる。特定の実施形態において、この材料は、銅(Cu)、タングステン(W)等の1つ又はそれ以上を含む。特定の実施形態において、材料232と第1の層230の金属とは同じ材料である。
【0030】
特定の実施形態において、
図2Aに関連して説明したように、第2の基板218は、前述のステップ104−114を実行する前に提供することができる。従って、
図2Fに示すように、第2の基板218は基板200の第2の表面206に隣接して配置され、開口202は基板200を貫通し、第2の基板218の上面216は開口202の底面を形成する。特定の実施形態において、デバイス234は、第2の基板218の上面に配置して開口202と位置合わせすることができる。基板200の第1の表面204は、充填プロセスからの過剰材料232、堆積金属原子、存在する可能性のある他の層の一部(酸化層212及び/又は障壁層214等)を除去するために更に処理することができる。例えば、
図2Fに示すように、不要材料を除去して第1の表面204を露出させるために、化学機械研磨、ラッピング、エッチング等を利用することができる。
【0031】
もしくは、特定の実施形態において、第2の基板218は、ステップ104−114を実行する前に提供する必要はない。この実施形態において、前述のように材料232を除去した後に、本方法は、基板200の第2の表面206から材料を除去することによって始まり、開口202の底面208が除去されて、第1の層230又は堆積材料232の少なくとも一方が露出する(
図2Fでは、第1の層230が露出している)。例えば、化学機械研磨、ラッピング等によって基板200の第2の表面206から材料を除去することができ、第1の層230又は堆積材料232の少なくとも一方が露出する。
【0032】
第2の表面206から材料を除去した後に、基板200の第2の表面206を第2の基板218の上面216に結合することができる。デバイス234が第2の基板218の上面216に配置される実施形態において、デバイス234を基板200内の開口202に位置合わせすることができる。
【0033】
図3は、本発明の特定の実施形態による、物理蒸着チャンバ(プロセスチャンバ300)の概略断面図である。適切なチャンバの例としては、ALPS(登録商標)PLus及びSIP ENCORE(登録商標)PVDプロセスチャンバが挙げられ、いずれも米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から市販されている。Applied Materials,Inc.及び他の製造業者が提供する他のプロセスチャンバは、同様に本明細書で開示される本発明の装置からの利益を享受することができる。
【0034】
プロセスチャンバ300は、基板304を受け取る基板支持基台302、及びターゲット306等のスパッタリング供給源を含む。基板支持基台302は、チャンバ壁308(図示のような)、又は接地シールド(接地シールド340は、ターゲット306の上方のチャンバ300の少なくとも一部をカバーするように示されている。また、特定の実施形態において、接地シールド340は、ターゲットの下方に延びて、基台302を取り囲むようになっている)とすることができ、接地エンクロージャ内に位置することができる。
【0035】
特定の実施形態において、プロセスチャンバは、RFエネルギー及びDCエネルギーをターゲット306に結合するための給電構造体を含む。給電構造体は、ターゲット又は、例えば本明細書に記載したターゲットを含む組立体に、RFエネルギー及びDCエネルギーを結合するための装置である。給電構造体の第1の端部は、RF電源318及びDC電源320に接続することができ、それぞれターゲット306にRFエネルギー及びDCエネルギーを供給するために利用できる。例えば、DC電源320は、ターゲット306に負の電圧、又はバイアスを印加するために利用できる。特定の実施形態において、RF電源318によって供給されるRFエネルギーは、約2MHzから約60MHzの周波数の範囲とすることができ、又は、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz又は60MHz等の非限定周波数を使用することができる。特定の実施形態において、複数のRF電源(すなわち2つ以上)を備えることができ、前記の複数の周波数でRFエネルギーが供給される。給電構造体は、RF電源318及びDC電源320からRFエネルギー及びDCエネルギーを伝達する適切な導電性材料で作ることができる。
【0036】
特定の実施形態において、給電構造体は、給電構造体の周囲の周りでRFエネルギー及びDCエネルギーのそれぞれが実質的に均一に分配するのを助ける適切な長さとすることができる。例えば、特定の実施形態において、給電構造体は、約1から約12インチ、又は約4インチの長さとすることができる。特定の実施形態において、ボディは、少なくとも約1:1の長さ対内径比とすることができる。少なくとも1:1又はそれよりも大きい比の場合は、給電構造体からのより均一なRF送出がもたらされる(すなわち、RFエネルギーが給電構造体の周りでより均一に分配され、RF結合を給電構造体の真の中心点に接近させるようになっている)。給電構造体の内径は、例えば、約1インチから約6インチ、又は約4インチ径で、可能な限り小さくすることができる。小さい内径により、給電構造体の長さを増大させることなく長さ対ID比を大きくすることが容易になる。
【0037】
給電構造体の第2の端部は、ソース分配プレート322に接続することができる。ソース分配プレートは、該ソース分配プレート322を貫通して、給電構造体の中央開口と位置合わせされる孔324を含む。ソース分配プレート322は、給電構造体からのRFエネルギー及びDCエネルギーを伝達する適切な導電性材料で作ることができる。
【0038】
ソース分配プレート322は、導電性部材325を介してターゲット306に結合することができる。導電性部材325は、ソース分配プレート322の周縁に隣接して、ソース分配プレート322のターゲット対向面328に結合する第1の端部326を有する管状部材とすることができる。導電性部材325は、ターゲット306の周縁に隣接して、ターゲット306のソース分配プレート対向面332に(又はターゲット306の支持プレート346に)結合する第2の端部330を更に含む。
【0039】
キャビティ334は、導電性部材325の内面壁と、ソース分配プレート322のターゲット対向面328と、ターゲット306のソース分配プレート対向面332とによって形成することができる。キャビティ334は、ソース分配プレート322の孔324を経由してボディの中央開口315に連通する。キャビティ334と本体の中央開口部315とは、
図3に示し以下に更に説明するように、回転マグネトロン組立体332の1つ又はそれ以上の部分を少なくとも部分的に収容するために利用することができる。特定の実施形態において、キャビティは、少なくとも部分的に水(H
2O)等の冷却流体で満たすことができる。
【0040】
接地シールド340は、プロセスチャンバ300の蓋の外表面をカバーするために設けることができる。接地シールド340は、例えば、チャンバ本体の接地接続部を経由して接地することができる。接地シールド340は、給電構造体がソース分配プレート322に結合するために接地シールド340を通過することを可能にする中央開口部を有する。接地シールド340は、アルミニウム、銅等の任意の適切な導電性材料から成ることができる。絶縁間隙339は、接地シールド340と、分配プレート322、導電性部材325、及びターゲット306(及び/又は支持プレート346)の外表面との間に形成され、RFエネルギー及びDCエネルギーが、接地に直接送られるのを防止する。絶縁間隙は、空気、又はセラミック、プラスチック等の他の適切な絶縁材で満たすことができる。
【0041】
特定の実施形態において、給電構造体の本体と下側部分との周りに接地環を配置することができる。接地環は、接地シールド340に結合され、接地シールド340の一体部分又は接地シールドに結合される独立部分とすることができ、給電構造体の接地を可能にする。接地環は、アルミニウム又は銅等の適切な導電性材料で作ることができる。特定の実施形態において、接地環の内径と給電構造体の本体の外径との間に設けられる間隙は、可能な限り小さく、電気的分離を行うのに十分なものに維持することができる。間隙は、プラスチック又はセラミック等の絶縁材料で満たすこと、又は空隙とすることができる。接地環は、RFフィード(例えば、以下に説明する電気フィード205)と本体との間のクロストークを防止し、結果的にプラズマ及び処理の均一性が改善する。
【0042】
絶縁プレート338は、ソース分配プレート322と接地シールド340との間に配置することができ、RF及びDCエネルギーが接地に直接送られるのが防止される。絶縁プレート338は、給電構造体がソース分配プレート322に結合するために絶縁プレート338を貫通するのを可能にする中央開口部を有する。絶縁プレート338は、セラミック、プラスチック等の適切な絶縁材料を含むことができる。もしくは、絶縁プレート338の代わりに空隙を設けることができる。絶縁プレートの代わりに空隙を設ける実施形態において、接地シールド340は、接地シールド340上に配置される何らかの構成要素を支持するために構造的にしっかりとしたものとすることができる。
【0043】
ターゲット306は、接地導電性アルミニウムアダプタ342上に、誘電絶縁体344を介して支持することができる。ターゲット306は、金属又は金属酸化物等のスパッタリング時に基板104上に堆積される材料を含有する。特定の実施形態において、支持プレート346は、ターゲット306のソース分配プレート対向面332に結合することができる。支持プレート346は、銅−亜鉛、銅−クロム、又はターゲットと同じ材料等の導電性材料を含むことができ、支持プレート346を経由してRF電力及びDC電力をターゲット306に接続することができる。もしくは、支持プレート346は非導電性とすることができ、導電性部材325の第2の端部330にターゲット306のソース分配プレート対向面332を結合するための電気フィードスルー等の導電性要素(図示せず)を含むことができる。支持プレート346は、例えば、ターゲット306の構造安定性を高めるために組み込むことができる。
【0044】
基板支持基台302は、ターゲット306の主面に対向する材料受け取り面を有し、ターゲット306の主面に対向する平面位置に、スパッタコーティングされる基板304を支持する。基板支持基台302は、プロセスチャンバ300の中央領域348内に基板304を支持することができる。中央領域348は、処理時の基板支持基台302の上方の領域として規定される(例えば、処理位置にある場合のターゲット306と基板支持基台302との間)。
【0045】
特定の実施形態において、基板支持基台302は、底部チャンバ壁352に結合されたベローズ350を通って垂直に移動でき、基板304は、プロセスチャンバ300の下側部分のロードロックバルブ(図示せず)によって基板支持基台302上に移送され、その後、堆積位置又は処理位置に上昇することができる。1つ又はそれ以上のプロセスガスは、ガス供給源354からマスフローコントローラ356を経由してチャンバ300の下側部分に供給することができる。プロセスチャンバ300の内部を排気して、プロセスチャンバ300内部を所望圧力に維持することを容易にするために、排気ポート358が設けられており、バルブ360を経由してポンプ(図示せず)に接続することができる。
【0046】
基板304上に負のDCバイアスを誘起するために、基板支持基台302にRFバイアス電源362を接続することができる。更に、特定の実施形態において、負のDC自己バイアスは、処理時に基板304上に生じることができる。例えば、RFバイアス電源362から供給されるRF電力は、約2MHzから約60MHzの周波数の範囲とすることができ、例えば、2MHz、13.56MHz、又は60MHz等の非限定周波数を利用することができる。随意的に、第2のRFバイアス電源(図示せず)を基板支持基台302に接続して、RFバイアス電源362と一緒に使用するために、前述の周波数の何れかを供給することができる。他の適用例において、基板支持基台302は、接地すること、又は電気的に浮遊状態のままとすることができる。例えば、RFバイアス電力が必要ない適用例では、基板304上の電圧を調整するために、静電容量チューナー364を基板支持基台に結合することができる。
【0047】
回転式マグネトロン組立体336は、ターゲット306の背面(例えば、ソース分配プレート対向面332)に隣接して配置することができる。回転式マグネトロン組立体336は、ベースプレート368によって支持される複数のマグネット366を含む。ベースプレート368は、チャンバ300と基板304との中心軸に一致する回転シャフト370に結合される。マグネトロン組立体336を回転駆動するために、回転シャフト370の上側端部にモータ372を結合することができる。マグネット366は、ターゲット306の表面に略平行かつ隣接してチャンバ300内に磁場を発生させ、電子を捕捉して局所プラズマ密度を高め、結果的にスパッタリング速度を高める。マグネット366は、チャンバ300の上部の周囲に電磁場を発生させ、マグネット366は回転してその電磁場を回転させ、これによりプロセスのプラズマ密度に影響を与えて、ターゲット306をより均一にスパッタさせるようになっている。例えば、回転シャフト370は、1分間に約0から150回転することができる。
【0048】
特定の実施形態において、チャンバ300は、中央領域348に対向する内表面380を有するプロセスキットシールド374を更に含むことができる。プロセスキットシールド374は、アダプタ342の縁部376に結合することができる。従って、アダプタ342は、アルミニウムとすることができるチャンバ壁308に対して密閉されかつ接地される。一般的に、プロセスキットシールド374は、アダプタ342の壁とチャンバ壁308とに沿って基板支持基台302の上面の下方まで下向きに延び、基板支持基台302の上面に達するまで上向きに戻る(例えば、底部でu字形状部分384を形成する)。もしくは、プロセスキットシールドの最下部はu字形状部分384でなくてもよく、任意の適切な形状を有することができる。カバーリング386は、基板支持基台302が下方のローディング位置にある場合、プロセスキットシールド374の上方に延びるリップ388の上端にあるが、基台が上方の堆積位置にある場合、基板支持基台302の外側周辺にあり基板支持基台302をスパッタ堆積から保護する。基板304の周辺を堆積から遮蔽するために付加的な堆積リング(図示せず)を使用できる。プロセスキットシールドの実施形態は、本発明に関連して以下に説明する。
【0049】
特定の実施形態において、基板支持基台302とターゲット306との間に磁場を選択的に与えるために、マグネット390をチャンバ300の周りに配置することができる。例えば、
図3に示すように、マグネット390は、処理位置にある場合の基板支持基台302の真上の領域で、チャンバ壁308の外側に配置することができる。特定の実施形態において、マグネット390は、アダプタ342に隣接する等の他の位置に付加的に又は代替的に配置することができる。マグネット390は、電磁石とすることができ、電磁石から発生する磁場の強さを制御するために、電源(図示せず)に接続することができる。
【0050】
プロセスチャンバ300の様々な構成要素に接続され、その作動を制御するコントローラ310を備えることができる。コントローラ310は、中央処理装置(CPU)312と、メモリ314と、サポート回路316とを含む。コントローラ310は、プロセスチャンバ300を直接制御すること、又は特定のプロセスチャンバ及び/又はシステムサポート構成要素に関連するコンピュータ(又はコントローラ)を介して制御することができる。コントローラ110は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために工業環境で使用できる任意の種類の汎用コンピュータプロセッサの1つとすることができる。CPU312のメモリ314、又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光記録媒体(例えば、コンパクトディスク又はデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ又は任意の他の形態のデジタル記憶装置等の局所又は遠隔の1つ又はそれ以上の容易に使用可能なメモリとすることができる。サポート回路316は、通常の方式で、プロセッサをサポートするためにCPU312に接続される。これらの回路としては、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、及びサブシステム等が挙げられる。本明細書に記載の本発明の方法は、本明細書に記載した方式でプロセスチャンバ300の作動を制御するように実行又起動できるソフトウェアルーチンとしてメモリ314に格納することができる。ソフトウェアルーチンは、CPU312によって制御されているハードウェアから遠くに配置された第2のCPU(図示せず)によって格納及び/又は実行することもできる。
【0051】
従って、基板に形成された高アスペクト比の特徴要素に金属を堆積する方法が開示される。本発明の方法は、好都合に高い処理能力及び低い基板温度を維持しながら、金属を用いて高アスペクト比の特徴要素の連続した表面被覆を提供する。本発明の方法は、例えば、Via First又はVia Last製造法のためのシリコン貫通ビア(TSV)用途、並びに高アスペクト比開口内の連続した金属層の堆積が望まれる他の適切な用途で利用することができる。
【0052】
前記は本発明の実施形態に関連するが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、本発明の他の別の実施形態を考えることができる。