特許第5889959号(P5889959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5889959
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】酸化物形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/316 20060101AFI20160308BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20160308BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160308BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20160308BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   H01L21/316 S
   H01L21/318 A
   H01L21/318 C
   H01L21/31 E
   H01L29/78 301F
   H01L29/78 301G
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-121112(P2014-121112)
(22)【出願日】2014年6月12日
(62)【分割の表示】特願2010-196956(P2010-196956)の分割
【原出願日】1998年6月5日
(65)【公開番号】特開2014-209640(P2014-209640A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2014年7月9日
(31)【優先権主張番号】08/893,774
(32)【優先日】1997年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】09/033,391
(32)【優先日】1998年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン エム. グロネット
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エー. ヌート
(72)【発明者】
【氏名】ギャリー イー. マイナー
(72)【発明者】
【氏名】ギャングカイ シン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アール. ロープス
(72)【発明者】
【氏名】サシーシュ クップラオ
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−293665(JP,A)
【文献】 特開平05−136164(JP,A)
【文献】 特開平08−213379(JP,A)
【文献】 特開平09−064028(JP,A)
【文献】 特開平07−029839(JP,A)
【文献】 特開平03−055843(JP,A)
【文献】 特開昭62−024630(JP,A)
【文献】 特開平05−090254(JP,A)
【文献】 米国特許第04167915(US,A)
【文献】 米国特許第04871416(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/31
H01L 21/318
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物形成方法であって、
(a)コールド壁リアクタのチャンバ内に基板を置くステップと、
(b)前記チャンバ内に酸素含有ガスを供するステップと、
(c)前記チャンバ内に水素含有ガスを供するステップと、
(d)前記基板に近い前記チャンバ内で、前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスとの間で反応を引き起こすのに十分な温度まで前記基板を加熱し、前記チャンバ内で雰囲気を形成させるステップであって、前記反応中の前記酸素含有ガスと前記水素含有ガスの組み合わせた分圧が約1〜50トールである、前記ステップと、
(e)前記雰囲気で前記基板を、毎分40Åより大きい増進した酸化速度で酸化するステップと、
を備える、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、蒸気酸化の分野、さらに詳しくは、高速な熱蒸気酸化プロセスにおけるin-situ水分生成方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサーやメモリーのような近代的集積回路の製造において、酸化プロセスは、シリコンフイルムをパッシベーションするか或いは酸化するために用いられる。ポリシリコンゲート電極及び基板といったシリコン表面及びフイルムを酸化するポピュラーな方法は、蒸気(H2O)酸化プロセスを用いることである。かかる場合、水蒸気(H2O)を酸化チャンバに導入してシリコン表面と反応させて二酸化ケイ素を形成させる。
【0003】
本蒸気酸化プロセスは、一般に、マルチウェハー抵抗的加熱「ホットウォール」炉内で起こる。本蒸気酸化プロセスは、一般に、蒸気酸化プロセスが起こる反応チャンバの外部に位置する発熱性トーチ又はバブラーを用いる。発熱性トーチの場合、水素含有ガス及び酸素含有ガスは、大気圧下の反応領域内で火炎によって点火され、そこから遠ざけられ、一般にウェハーが置かれたチャンバとは異なるチャンバに置かれる。火炎点火は大気圧下で起こる。発熱性トーチ方法に伴う問題は、安全上の理由から、水素含有ガスと酸素含有ガスのある濃度比しか利用できないということである。利用可能なガス比を限定することは、所望の濃度のH2O/H2又はH2O/O2を有する雰囲気を生成する能力を過度に制限する。例えば、安定した火炎燃焼を保持するには、トーチ方法は、典型的には、各々、0.5:1より大きく且つ1.8:1より小さいH2:O2比を要する。また、バブラーは、それが生成した水分の量を正確かつ容易には制御できないために、汚染の重大な源となりかねない点で、水分生成には望ましくない。
【0004】
発熱性トーチ及びバブラーの使用に伴うもう1つの問題は、これらの方法が、高速な温度ランプ及び、分また時間単位ではなく秒単位で測定された高速な反応時間のために光源を利用する近代的な高速加熱装置に容易には実行されないことである。高速な加熱ヒーターは、均一加工のためにより多くを提供する優れた温度均一性及び制御があり、またその短い反応時間が製造されたデバイスの熱予算を減少させるので、抵抗加熱炉よりも好ましい。
【0005】
従って、望まれているものは、汚染及び安全問題に悩まず、ガス混合物の十分なスペクトルならびに濃度比を使用できる高速加熱装置で水分を生成させる方法及び装置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
基板上で酸素を形成する方法が記載される。本発明によると、反応チャンバ内に基板が入れられる。次いで、酸素含有ガス及び水素含有ガスがチャンバに供給される。次いで、酸素含有ガスと水素含有ガスはチャンバ内で反応して水蒸気が形成される。形成された水蒸気を用いて、基板を酸化する。本発明の実施例において、反応チャンバ内の酸素含有ガスと水素含有ガスの組み組合わせた分圧は、1−50トールの間になって、水蒸気によるシリコンの酸化レートを上昇させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のin-situ水分生成酸化プロセスで実施できる高速加熱装置の図である。
図2図1の高速加熱装置における光源設置の図である。
図3】本発明のin-situ水分生成プロセスを利用する高速熱酸化プロセスを説明するフローチャートである。
図4】(a)は、蒸気酸化に先立っての半導体ウェハー又は基板の断面図であり、(b)は、本発明のin-situ水分生成を利用する高速熱酸化プロセスによる(a)の基板上の酸化物の形成を示す断面図である。
図5】150トールの分圧を有する種々のO2/H2濃度比について生じさせたデトネーション圧を示すグラフである。
図6】異なるH2/O2濃度についての、酸化物の厚さ−対−リアクタントガス分圧を示す図を示す。
図7】酸化物の厚さ−対−H2/O2リアクタントガス濃度比を示す図である。
図8】種々の濃度比及びリアクタントガス分圧についての、酸化物の厚さ−対−酸化時間を示す図を示す。
図9】酸化物の厚さ−対−プロセスガスのトータルフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、高速な熱蒸気酸化プロセスにおけるin-situ水分生成のための新規な方法及び装置を記載する。以下の記載において、装置構成のような多数の特定の詳細ならびに時間及び温度のようなプロセス詳細は、本発明の徹底的理解を供するために記載する。当業者ならば、本発明の範囲を逸脱することなく、開示された実施例に対する別のコンフィギュレーション及びプロセス詳細を利用できることを認識するであろう。他の例において、本発明を不必要に曖昧にしないために、よく知られた半導体加工装置及び技術については詳細には記載しない。
【0009】
本発明は、蒸気酸化プロセスを記載する。本発明によると、酸化される基板が位置するのと同一のチャンバに蒸気(H2O)が形成される(すなわち、蒸気は基板とin-situで形成される)。本発明によると、限定されるものではないがH2及びNH3のような水素含有ガス、及び限定されるものではないがO2及びN2Oのような酸素含有ガスを含むリアクタントガス混合物が、基板が位置する反応チャンバに供給される。酸素含有ガスと水素含有ガスは反応して、反応チャンバ内で水分又は蒸気(H2O)を形成する。水素含有ガスと酸素含有ガスの反応は、水分反応を引き起こすのに十分な温度までウェハーを加熱することによって、点火されるか或いは触媒される。加熱されたウェハーを反応の点火源として使用するので、水分生成反応がウェハー表面の非常に近くで起こる。リアクタントガス濃度及び分圧は、チャンバ内での自然発生燃焼を防ぐように制御される。反応中に、リアクタントガス混合物のチャンバ分圧を150トール以下に保持することによって、任意のリアクタントガス濃度を利用して、自然発生燃焼を引き起こすことなく水分を形成することができる。本発明のin-situ水分生成プロセスは、好ましくは、高速な熱プロセッサーの低下した圧力の単一ウェハーチャンバ内で起こる。in-situ水分生成を利用する高速な熱蒸気酸化プロセスは、理想的には、近代的超高密度集積回路の形成においてシリコンフイルム又は基板を酸化するのに適している。
【0010】
本発明のin-situ水分生成プロセスは、限定されるものではないが、アプライド マテリアルズ社のハニカムソースを有するRTP Centuraのような高速加熱装置で、好ましくは実行される。もう1つの適当な高速加熱装置及びその操作方法は、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第5,155,336号に記載されている。加えて、本発明のin-situ水分生成反応は、好ましくは、高速加熱装置で実行されるが、エピタキシャルシリコン、ポリシリコン、酸化物及び窒化物のような高温フイルム(HTF)を形成するのに使用される、アプライドマテリアルズ社によるEpi又はPolyCenturaの単一ウェハー「クールウォール」リアクターのような他のタイプの熱リアクターを利用することができる。
【0011】
図1及び図2は、本発明のin-situ水分酸化プロセスを実行するのに使用可能な高速加熱装置を示す。図1で示された高速加熱装置100は、側壁14及び底部壁15によって囲まれた真空プロセスチャンバ(evacuated process chamber)13を含む。側壁14および底部壁15は、好ましくは、ステンレス鋼よりなる。チャンバ13の側壁14の上方部分は、「O」リング16によってウインドウアセンブリー17をシールする。放射エネルギー光パイプアセンブリー18は、ウインドウアセンブリー17上方に位置し、それにカップリングされる。放射エネルギーアセンブリー18は、例えばSylvaniaEYTランプといった複数のタングステンハロゲンランプ19を含み、そのランプの各々は、スレンレス鋼、真鍮、アルミニウム又は他の金属であり得る光パイプ21内に取り付けられている。
【0012】
基板又はウェハー61は、シリコンカーバイドによって作られた支持リング62によってサイドチャンバ13内のその端で支えられる。支持リング62は回転可能な石英シリンダー63上に取り付けられる。石英シリンダー63を回転させることによって、支持リング62及びウェハー61を回転させることができる。更なるシリコンカーバイドアダプターリングを用いて、異なる直径のウェハーを加工することができる(例えば、150mmならびに200mm)。支持リング62の外部エッジは、好ましくは、ウェハー61の外径から2インチ未満伸びる。チャンバ13の容量は、ほぼ2リットルである。
【0013】
装置100の底部壁15は、ウェハー61の裏側にエネルギーを反射させるために、金でコートした上面11を含む。加えて、高速加熱装置100は、底面を横切る複数の位置においてウェハー61の温度を検出するために、装置100の底部壁15を貫いて位置する複数の光ファイバー・プローブ70を含む。シリコンウェハー61の裏側と反射面11間の反射は、温度測定をウェハー裏側の放射率から独立したものとすることで、正確な温度測定機能を提供する黒体空洞を生じる。
【0014】
高速加熱装置100は、種々の加工ステップをチャンバ13内で実行可能にするように、チャンバ14にプロセスガスを注入する側壁14を通して形成されたガス流入口69を含む。例えばタンクといった、O2のような酸素含有ガスソース及びH2のような水素含有ガスソースが、ガス流入口69にカップリングしている。側壁14内で、ガス流入口の反対側に位置するのが、ガス流出口68である。ガス流出口68は、チャンバ13からプロセスガスを排出し、チャンバ13内を減圧するように、ポンプのような真空ソースにカップリングされる。加工中に、プロセスガスがチャンバに継続的に供給される一方、真空ソースは所望の圧力を維持する。
【0015】
ランプ19は、ランプエンベロープの軸と平行なその軸にコイルとして巻かれたフィラメントを含む。光のほとんどは、周囲の光パイプの壁に向けて軸に垂直に発せられる。光パイプの長さは、関連するランプと少なくとも同じ長さになるように選択される。ウェハーに到達するパワーが増大した反射によって実質的に減衰されない程度に、その長さをより長くすることは可能である。光アセンブリー18は、好ましくは、六角アレイ又は図2に示されるような「ハニカム形状」に位置する187個のランプを含む。ランプ19は、ウェハー61の全表面積及び支持リング62を適切にカバーするように置かれる。ランプ19は、ウェハー61を極めて均一に加熱するように、独立して制御することができるゾーンにグループ分けすることができる。加熱パイプ21は、種々の加熱パイプ間に、水といったクーラントを流すことによって冷却可能である。複数の光パイプ21及びそれに関連するランプ19を含む放射エネルギーソース18は、真空プロセスチャンバ内の基板を加熱するオプティカルポートを提供するために、薄い石英ウィンドウの使用を可能にする。
【0016】
ウィンドウアセンブリー17は、外壁44にシールしたその外方エッジを有する上方/下方フランジプレートに鑞付けされた(brazed)複数の短い光パイプ41を含む。水といったクーラントは、光パイプ41及びフランジを冷却する目的にかなうように、光パイプ41間の空間に注入されることが可能である。光パイプ41はイルミネーターの光パイプ21と位置合わせされる。ランプハウジングと位置合わせした光パイプパターンを有する水冷フランジは、2つの石英プレート47及び48間に挟まれる。これらのプレートはフランジの周近くの「O」リング49及び51でフランジにシールされる。上方及び下方フランジプレートは光パイプ間の連絡を行う溝を含む。フランジの表面の非常に小さな凹所又は溝によって、パイプの残りに順番に結合した光パイプ41の1つに結合したチューブ53を介してポンピングすることによって、真空を複数の光パイプ41に生じさせることができる。従って、サンドイッチ構造が真空チャンバ13に配置されると、典型的にはステンレス鋼であって、優れた機械的強度を有する金属フランジは適当な構造支持体を提供する。真空チャンバ13を現実にシールするものの1つである、下方石英ウィンドウ48は、各側の真空のために圧力差をほとんどか或いは全く受けず、そのため非常に薄くすることができる。ウィンドウアセンブリー17のアダプタープレート・コンセプトは、石英ウィンドウを、クリーニング又は分析のために容易に変化させることができる。加えて、ウィンドウアセンブリーの石英ウィンドウ47及び48間の真空は、反応チャンバから漏れる毒性ガスに備えて特別レベルの保護を供する。高速加熱装置100は、25−100℃/秒のレートでウェハー61又は基板の温度をランプすることができる単一ウェハー反応チャンバである。高速加熱装置100は、酸化プロセス中のウェハーの温度がチャンバ側壁14の温度よりも少なくとも400℃高いので、「クールウォール」反応チャンバと言われている。加熱/冷却流体は側壁14及び/又は底部壁15を介して循環させて、壁を所望の温度に維持することができる。本発明のin-situ水分生成を利用する蒸気酸化プロセスでは、チャンバ壁14及び15は、コンデンセイションを防止するために、室温(23℃)よりも高い温度で維持される。高速加熱装置100は、好ましくは、ロードロック及びロボットアームを有するトランスファチャンバを含む「クラスターツール」の一部としてコンフィギュレーションされる。
【0017】
本発明の高速熱酸化プロセスにおける水分又は蒸気のin-situ生成方法は図3のフローチャートに示される。本発明の方法を、図1及び図2に示した高速加熱装置におけるin-situ水分生成プロセスに関して説明する。加えて、本発明の酸化プロセスを、図4aに示したシリコンゲート電極402及びシリコンウェハー61のシリコン基板表面404の蒸気酸化又はパッシベーションに関して記載する。本発明のin-situ水分生成酸化プロセスを用いて、ドープされた形態及び未ドープの形態を含むエピタキシャル、アモルファス又は多結晶を含めた任意の形態のシリコンを酸化することができる。加えて、そのプロセスを用いて、ゲート誘電体層(gate dielectric layers)を形成するだけでなく、限定されるものではないがエミッター及びキャパシター電極、インターコネクター及びトレンチを含めた他のデバイス又は回路機構をパッシベーションするか或いは酸化することができる。
【0018】
ブロック302に記載された本発明の第1ステップは、ウェハー61を真空チャンバ13へ移動させるように、ウェハー又は基板を移動させることである。近代的なクラスターツールに典型的なように、ウェハー61は、ロードロックからトランスファチャンバを通って、ロボットアームによって搬送され、図1に示すように、チャンバ13内に位置するシリコンカーバイド支持リング62上に面して置かれる。ウェハー61は、一般に、ほぼ20トールのトランスファ圧力の窒素(N2)雰囲気を有する真空チャンバ13に搬送される。チャンバ13は、それからシールされる。
【0019】
次に、ブロック304に記載されるように、チャンバ13内の圧力は、ガス流出口70を通して窒素(N2)雰囲気を排気することによって、さらに低下する。チャンバ13は、窒素雰囲気を充分に取り除くような圧力まで排気される。in-situ水分生成が起こる圧力より低いプレリアクション圧力までチャンバ13をポンプダウンし、好ましくは、1トール未満の圧力までポンプダウンする。
【0020】
プレリアクション・ポンプダウンと同時に、ウェハー61及びシリコンカーバイド支持リング62を順に照射するランプ19にパワーが加えられ、それにより、ウェハー61及び支持リング62を安定化温度(stabilization temperature)まで加熱する。ウェハー61の安定化温度は、in-situ水分生成で利用される水素含有ガスと酸素含有ガスの反応を開始させるのに必要な温度(反応温度)より低い。本発明の好ましい実施例における安定化温度はほぼ500℃である。
【0021】
一旦、安定化温度及びプレリアクション圧力が到達されたならば、チャンバ13がプロセスガスの所望の混合物で戻し充填される(backfilled)。プロセスガスは2つのリアクタントガス:一緒に反応して400−1250℃の間の温度で水蒸気(H2O)を形成できる水素含有ガス及び酸素含有ガスを含むリアクタントガス混合物を含む。水素含有ガスは、好ましくは、水素ガス(H2)であるが、限定されるものでないがアンモニア(NH3)、ジューテリウム(重水素)及びメタン(CH4)のような炭化水素のような他の水素含有ガスであってもよい。酸素含有ガスは、好ましくは、酸素ガス(O2)であるが、限定されるものではないが亜酸化窒素(N2O)のような他のタイプの酸素含有ガスであってもよい。限定されるものではないが窒素(N2)のような他のガスを所望であれバプロセスガスに含ませることができる。酸素含有ガス及び水素含有ガスを、好ましくは、チャンバ13内で混合してリアクタントガス混合物を形成させる。本発明において、リアクタントガス混合物の分圧(partial pressure)(すなわち、水素含有ガスと酸素含有ガスの組合わせた分圧)を制御して、安全な反応コンディションを保証する。本発明によると、リアクタントガス混合物の分圧が、リアクタントガスの所望の濃度比の全容量の自然発生燃焼が所定量のデトネーション圧力波を生じない分圧よりも、低いプロセスガスで、チャンバ13は戻し充填される。その所定量は、失敗せずに信頼して扱うことができるチャンバ13の圧力の量である。図5は、950℃のプロセス温度におけるチャンバ13の全容量約2リットルの自然発生燃焼のための150トールの分圧におけるO2及びH2の異なるリアクタントガス混合物のためのデトネーション圧力を示すグラフである。本発明によると、in-situ水分生成は、好ましくは、その保全性(integrity)に影響することなく、4以上の雰囲気のデトネーション圧力波を信頼性よく扱うことができる反応チャンバで行う。そのような場合、リアクタントガス濃度及び操作分圧(operating partial pressure)は、好ましくは、チャンバの全容量の自然発生燃焼に対して2を超える雰囲気のデトネーション波を提供しない。
【0022】
本発明におけるリアクタントガス混合物のチャンバ分圧を制御することによって、任意の濃度比の水素含有ガスと酸素含有ガスを、各々、2:1より大のH2/O2比率を利用する水素リッチ混合物、及び各々0.5:1未満のH2/O2を用いる酸素リッチ混合物を含めて用いることができる。例えば、図5は、任意の濃度比のO2及びH2が、リアクタントガスのチャンバ分圧がプロセス温度において150トール未満に維持される限り、安全に用いることができることを示す。任意の濃度比の酸素含有ガス及び水素含有ガスを用いることができるのは、任意の所望の濃度比のH2/H2O又は所望の任意の濃度比のO2/H2Oを有する雰囲気を生成させるのを可能とする。雰囲気が酸素リッチもしくは希薄な蒸気又は水素リッチもしくは希薄な蒸気であるかは、デバイスの電気的特徴に大いに影響し得る。本発明は、非常に種々の異なる蒸気雰囲気が生成するのを可能とし、従って、非常に種々の異なる酸化プロセスが実行されるのを可能とする。
【0023】
いくつかの酸化プロセスにおいて、バランスO2を有する低蒸気濃度を有する雰囲気が望まれるであろう。かかる雰囲気は、10%H2及び90%O2を含むリアクタントガスを利用することによって形成することができる。他のプロセスにおいて、水素リッチ蒸気(70−80%H2/30−20%H2O)の雰囲気が望ましいであろう。残りのH2(95−80%)と共に5−20%の間のO2を含む反応性ガスミックスを利用することによって、水素リッチの低蒸気濃度雰囲気を本発明に従って生じさせることができる。加熱したウェハーは反応を駆動する連続的点火源を供するので、本発明において、任意の比の水素含有ガス及び酸素含有ガスを利用することができるのが認識されるはずである。発熱性トーチとは異なり、本発明は、安定な火炎燃焼を保持するのに必要な特定のガス比に制限されない。
【0024】
次に、ブロック308に記載されるように、ウェハーの温度をプロセス温度までランプアップするようにランプ19に対するパワーを増加させる。ウェハー61は、好ましくは、10−100℃/秒(50℃/秒が好ましい)の間のレートで安定温度からプロセス温度までランプする。プロセス温度は少なくとも反応温度でなければならず(すなわち、少なくとも、酸素含有ガスと水素含有ガス間の反応がウェハー61によって開始することができる温度でなければならない)、これは、典型的には、少なくとも600℃である。現実の反応温度は、リアクタントガス混合物分圧ならびにリアクタントガス混合物の濃度に依存し、400℃ないし1250℃の間とすることができる。
【0025】
ウェハー61の温度はプロセス温度までランプアップすることができるので、それは反応温度を通過し、水素含有ガスと酸素含有ガスの反応を引き起こして、水分又は蒸気(H2O)を形成する。高速加熱装置100は「クールウォール」リアクターであるので、反応を開始させるチャンバ13内の唯一十分に熱い表面はウェハー61及び支持リング62である。このように、本発明において、水分生成反応は、ウェハー61の表面から約1cmという表面近くで起こる。本発明においては、水分生成反応はウェハーから約2インチ以内、あるいは支持リング62がウェハー61の外部エッジを超えて伸びる量のあたりに制限される。水分生成反応を開始させるか或いはそれにスイッチを入れるのはウェハー(及び支持リング)の温度であるので、その反応はウェハー61(及び支持リング62)の温度によって熱的に制御されると言われる。加えて、本発明の蒸気生成反応は「表面触媒される」と言われる。何故ならば、ウェハーの加熱された表面が反応が起こるのに必要であり、しかしながら、それは水蒸気を形成する反応で消費されないからである。
【0026】
次に、ブロック310に記載されているように、一旦所望のプロセス温度が到達されたならば、ウェハー61の温度は、水素含有ガスと酸素含有ガスの反応から生成した水蒸気が、シリコン表面又はフイルムを酸化してSiO2を形成するのに十分な時間保持される。ウェハー61は、典型的には、30−120秒の間、プロセス温度に保持されるであろう。プロセス時間及び温度は、一般に、所望の酸化物フイルムの厚さ、酸化の目的、及びプロセスガスのタイプ及び濃度によって指示される。図4Bは、本発明のin-situ水分生成プロセスによって生成される水蒸気(H2O)によるシリコン表面402及び404の酸化によってウェハー61上に形成される酸化物406を図示する。プロセス温度は、生成した水蒸気又は蒸気がシリコン表面との反応を可能して二酸化ケイ素を形成するのに十分でなければならない。
【0027】
次に、ブロック312に記載されるように、ランプ19に対するパワーはウェハー61の温度を低下させるように減少されるか、或いは消される。ウェハー61の温度は出来る限り速く(約50℃/秒で)冷却できるように低下する(ランプダウンする)。同時に、N2パージガスがチャンバ13に供給される。ウェハー61及び支持リング62が反応温度より下に降下する場合に、水分生成反応が中止する。いつ水分反応がスイッチを「入れられるか」或いは「消されるか」を指令するのもウェハー温度(及び支持リング)である。
【0028】
次に、ブロック314に記載されるように、チャンバ13は、好ましくは1トール未満にポンプダウンされて、残存する酸素含有ガス及び水素含有ガスがチャンバ13に存在しないことを保証する。次いで、チャンバをN2で戻し充填してほぼ20トールの所望のトランスファ圧力とし、ウェハー61をチャンバ13から搬送させて、プロセスを完了する。この時、新しいウェハーをチャンバ13に搬送させ、フローチャート300に記載されたプロセスを反復する。
【0029】
大濃度の水蒸気(例えば、>40%H2O)を有する雰囲気を生じさせる水素含有ガスと酸素含有ガスの濃度比を利用するのが望ましいであろう。かかる雰囲気は、例えば、40−80%H2/60−20%O2を含むリアクタントガス混合物で形成することができる。化学量論的比率近くのガス混合物は、安全な反応条件を可能とするあまりにも多くの燃焼性物質を生じかねない。そのような状況において、低濃度のガス混合物(例えば、H2中の15%未満O2)をステップ306中に反応チャンバに供給することができ、ウェハー温度をステップ308で反応温度まで上昇させ、低濃度比で反応を開始させる。一旦、反応が開始され、存在するリアクタントガス容量が枯渇し始めたら、濃度比を所望のレベルまで増加させることができる。このようにして、反応の開始時に利用できる燃料の量は小さく保たれ、安全な操作条件が保証される。
【0030】
本発明の実施例において、比較的低い反応性ガス分圧をin-situ蒸気生成で用いて、増強された酸化レートを得る。1トールと50トールの間の水素ガス(H2)及び酸素ガス(O2)の分圧の提供は、シリコンの増大された酸化物成長レートを達成できることが判明した。すなわち、所与の組のプロセス条件(すなわち、H2/O2濃度比、温度、及びフローレート)では、シリコンの酸化レートは、現実には、より高い分圧(すなわち、50トールから100トールまで)に対するものよりもH2及びO2のより低い分圧(1〜50トール)に対してより高い。
【0031】
図6は、リアクタントガス分圧がいかにしてシリコンの酸化レートを増加させることができるかを説明する。図中の602は、1050℃で30秒間9%H2を91%O2と反応させることによって生じた雰囲気について異なるリアクタントガス分圧につき形成される異なる酸化物の厚さを示す。図中の604は、1050℃で60秒間33%H2を66%O2と反応させることによって生じた雰囲気についての異なるリアクタントガス分圧で形成される異なる酸化物の厚さを示す。
【0032】
図6のグラフから明らかなように、H2及びO2のリアクタントガス分圧が雰囲気圧力から9%H2についての約50トールまで、及び33%H2についての約30トールまで徐々に減少するにつれて、シリコンの酸化レートは徐々に減少する。リアクタントガス分圧における減少に伴うシリコンについての酸化レートの減少は、蒸気の生成により少量のO2及びH2が利用できる場合に、酸化レートが低下するであろうと予測される点で、予測される。しかしながら、9%H2についてのほぼ50トール及び33%H2についての30トール未満又はそれと等しいリアクタントガス分圧が得られると、ほとんど予期せぬことに、酸化レートは、リアクタントガス分圧のインクリメントな減少に伴って増加し始める。酸化レートがリアクタントガス分圧のインクリメントな減少につき低下し始める地点のほぼ8−12トールに最大増強酸化レートが到達するまで、酸化レートは継続して増加する。酸化レートは最大増強酸化レートが8−12トールに到達した後、減少し始めるが、それは、その地点で酸化レート増強が降下するほぼ1−3トールのリアクタントガス分圧まで、増強された酸化レートを依然として供する(すなわち、ほぼ50トール(9%H2)及び30トール(33%H2)で生じた酸化レートよりも大きい酸化レートを供する)。
【0033】
本発明の増強された酸化の実施例において、in-situ蒸気生成は、増強された酸化が起こる酸素含有ガスと水素含有ガスのリアクタントガス分圧で行われる。すなわち、本発明の実施例では、in-situ蒸気生成は、所与の組のプロセスパラメーターについてのリアクタントガス分圧の減少が、シリコンの酸化レートの減少を引き起こすリアクタントガス分圧以下の酸素ガス(O2)及び水素ガス(H2)の最大リアクタントガス分圧で起こる。加えて、本発明の増強された酸化の実施例において、最大リアクタントガス分圧は、酸化レートが、最大リアクタントガス分圧における酸化レート以上のものである。最小リアクタントガス分圧は、一般に、約1−3トールである。蒸気雰囲気によるシリコンの増強された酸化は、1−3トールの最小リアクタントガス分圧と約50トールの最大リアクタントガス分圧の間でH2とO2を反応させることによって生じさせることができる。本発明のもう1つの実施例において、in-situ蒸気生成は、ピーク増強酸化レートが起こる場合である5−15トールの間の組み合わせた酸素含有ガスと水素含有ガスの分圧で行われる。
【0034】
増強酸化が多数の理由で起こるリアクタントガス分圧で、本発明のin-situ蒸気生成プロセスを操作することが認識されるはずである。酸化レートの増加は、それによりツールの所有者のコストを低下させるスループットを増加させる所与の厚さの酸化物を成長させるのにより短い酸化時間しか必要としないことを意味する。ウェハースループットのかかる増加は、高速加熱装置100のような単一ウェハーリアクターが利用される場合に極めて重要である。加えて、短酸化時間は半導体チップの熱予算を低下させ、これは、その効率及び信頼性を改善する。加えて、酸化レートの増加が、本発明のin-situ蒸気生成プロセスが厚い酸化物(例えば、100Åより大きい酸化物)の生成で使用されるのを可能とする。
【0035】
低半導体ガス分圧におけるさらなる操作は、増強酸化レートの利点を提供するのみならず、チャンバの全容量の自然発生燃焼によって生じたデトネーション圧力が、少量の利用可能な燃料により最小化される点で、安全な操作条件の利点を提供する。加えて、低分圧における操作は、未制御リアクタントの導入を妨げる「クールウォール」チャンバの内部での水分のコンデンセイションを防止する。
【0036】
H2/O2の2つの濃度比のみの酸化レートを図6に示すが、2%H2/98%O2ないし66%H2/33%O2の間の他の濃度比の酸化レートは同様に作用する。増強酸化が起こるリアクタントガス分圧において操作する場合、シリコンの酸化レートは、水素含有ガスと酸素含有ガスの濃度比によって影響されることが判明した。例えば、図7は、プロセスパラメーターの所与の組(すなわち、O2フロー10SLM、リアクタントガス分圧10トール、温度1050℃、及び時間30秒)のH2及びO2の異なる濃度比に関する異なる酸化物の厚さを示す。図7で示すように、33%H2の後に、酸化レートが約150Å/分で安定化しつつ、1−5%H2の間の酸化レートの最大増加が起こる。
【0037】
図8は、異なるin-situ蒸気酸化プロセス(33%H2/66%O2、5%H2/95%O2、2%H2/98%O2、又は10トールにおいて)及び異なるドライ酸化プロセス(10トールにおいて100%O2及び大気圧において100%O2)に対する酸化時間で、どのように酸化物の厚さが変化するかを示す。図8に示すように、減圧蒸気酸化プロセスは、同圧力におけるドライ酸化プロセスにわたって増大した酸化レートを供する。加えて、3%を超えるH2濃度でのin-situ蒸気生成酸化プロセスは、大気圧を含めた全ての酸化圧力においてドライ酸化プロセスが供するよりも高い酸化レートを供する。
【0038】
本発明の実施例において、2%H2/98%O2ないし33%H2/66%O2の間の濃度比を利用する。何故ならば、かかる濃度比は十分な酸化レートを生じるが、プロセスを安全にする低濃度のリアクタントガスを利用するからである。濃度比が化学量論的比率(66%H2/33%O2)に近い場合、チャンバの全容量が自然発生的に燃焼する可能性であることが認識されるはずである。2%−33%H2の間の濃度範囲で操作することによって、全容量の自然発生燃焼の危険なくして、化学量論的比率の酸化レート近くの酸化レートを得ることができる。というのは、低パーセントのH2が反応で利用できるに過ぎないからである。33%H2/66%O2の濃度比率で操作することによって、安全に操作条件を保証する十分に低い濃度のH2を提供しつつ、良好な酸化レートを得ることができることが判明した。
【0039】
増強シリコン酸化レートを得る酸化圧力で操作する場合、酸化レートは、酸素含有ガス及び水素含有ガスのトータルフローレートによって強く影響される。例えば、図9は、ほぼ2リットルのチャンバ容量を有する高速加熱加工装置100において10トールのリアクタントガス分圧及び1050℃の温度にて33%H2/66%O2リアクタントガス混合物のトータルフローレートに対してシリコンの酸化レートがどのように変化するかを示す。図9に示されるように、低いリアクタントガス分圧で操作する場合、増強酸化レートを生成させるには、トータルフローレートの増加は酸化レートを増大させる。図9に示すように、トータルフローレートが10SLM未満であれば、酸化レートはトータルフローレートの増加に対して劇的に増加するが、約10SLMを超えるトータルフローレートの増加に対しては、劇的ではないが増加する。
【0040】
従って、増強酸化を供する分圧で操作する場合、シリコンの酸化レートは限定された「質量輸送レート(mass transport rate)」であると言うことができる。すなわち、酸化レートはチャンバに供給されるリアクタントガスの量によって制限される。本発明のin-situ蒸気酸化プロセスが限定された「質量輸送レート」であり得るという事実は、本発明が、比較的大きいリアクタントガスフローレート(2リットルのチャンバに対して5SMLを超える)を利用する点で、かなり予測外である。かかる高いフローレートでは、酸化レートを質量輸送レートから独立したものとする利用可能な十分なリアクタントがあることが予測されるであろう。シリコン酸化プロセスは、一般に、リアクタントガスのフローレートではなく温度が酸化レートを制御する場合に、限定された「表面反応レート(surfacereaction rate)」であると考えられる。特定の反応種(reactivespecies)である水の蒸気のin-situ生成に関して本発明を記載してきたが、本発明の教示は、ウェハーの温度を利用してリアクタントガスの反応を開始させるか或いは触媒してウェハー表面近くに反応種の蒸気を形成する他のプロセスに適用することができる。次いで、反応種蒸気をウェハー又はその上に形成されたフイルムと反応させて、フイルム成長のようなプロセスを行うことができる。例えば、本発明のin-situ蒸気生成プロセスを利用して二酸化ケイ素(SiO2)フイルムを強固なシリコン−オキシ−ナイトライドフイルムに変換することができる。例えば、アンモニア(NH3)及び酸素(O2)を含むリアクタントガス混合物をチャンバに供給し、次いで、ガスの反応を開始させるのに十分な温度までウェハーを加熱することによって反応させ、蒸気形態の酸化窒素(NO)を形成させることができる。次いで、その酸化窒素蒸気をウェハー上に形成された酸化物フイルムと反応させて、シリコン−オキシ−ナイトライドフイルムを形成させることができる。シリコン−オキシ−ナイトライドフイルムは、100Å未満の厚さで、強固なゲート誘電体層を供することが判明した。本発明のin-situ蒸気生成プロセスについての他の適用は当業者に明らかであろう。
【0041】
かくして、高速熱酸化プロセスにおける蒸気のin-situ生成の新規な方法及び装置を記載した。
【符号の説明】
【0042】
13…真空プロセスチャンバ、14…側壁、15…底壁、16…リング、17…ウィンドウアセンブリ、18…光パイプアセンブリ、19…ランプ、100…高速過熱装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9