特許第5890386号(P5890386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5890386-ケイ素含有フィルムの低温堆積 図000003
  • 特許5890386-ケイ素含有フィルムの低温堆積 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890386
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】ケイ素含有フィルムの低温堆積
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/318 20060101AFI20160308BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160308BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20160308BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20160308BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   H01L21/318 B
   H01L21/31 C
   H01L21/318 C
   H01L21/316 X
   C23C16/42
   C23C16/50
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-268396(P2013-268396)
(22)【出願日】2013年12月26日
(62)【分割の表示】特願2012-168226(P2012-168226)の分割
【原出願日】2009年6月3日
(65)【公開番号】特開2014-96599(P2014-96599A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2014年1月20日
(31)【優先権主張番号】61/058,374
(32)【優先日】2008年6月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/476,734
(32)【優先日】2009年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リウ
(72)【発明者】
【氏名】レイ,シンチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,マンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】カーワクキ,ユージン ジョセフ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 一秀
(72)【発明者】
【氏名】松永 正信
(72)【発明者】
【氏名】米澤 雅人
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハンソン
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−148481(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/083821(WO,A1)
【文献】 特開2006−290747(JP,A)
【文献】 特開平05−182952(JP,A)
【文献】 米国特許第05250473(US,A)
【文献】 特開2001−122965(JP,A)
【文献】 特開2001−122609(JP,A)
【文献】 特開平07−076622(JP,A)
【文献】 特開昭62−046915(JP,A)
【文献】 特表2008−530782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/318
C23C 16/42
C23C 16/50
H01L 21/31
H01L 21/316
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式を有するモノクロロアルキルシラン:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である;ただし、ClSi(iso−Pr)H、ClSiPhH及びClSiPhHを除く)。
【請求項2】
lSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、及びClSi(tert−Bu)Hからなる群より選択される、モノクロロアルキルシラン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
窒化ケイ素の薄膜は、そのユニークな物理的、化学的及び機械的特性に起因して、様々な用途で幅広く用いられてきた。特に半導体デバイスにおいて、窒化ケイ素フィルムは、ゲート絶縁体、拡散マスク、サイドウォールスペーサ、不動態化材及びカプセル化材等として用いられている。典型的には、トランジスタ工程(FEOL:Front End of Line)で用いられる窒化ケイ素フィルムは、現在、ジクロロシラン及びアンモニアを用いて、750℃超のホットウォール型の(hot wall)リアクター中で、低圧化学気相成長(LPCVD:Low pressure chemical vapor deposition)によって堆積させている。しかし、集積回路の水平寸法及び垂直寸法が縮小し続けるにしたがい、Siと金属との不必要な反応を避けるために、また正確なドーピングプロファイル制御を有する超高集積デバイスを実現するために、窒化ケイ素フィルムをずっと低い温度(550℃未満)で堆積させる需要が増加している。
【背景技術】
【0002】
低温で窒化ケイ素フィルムを成長させるために、近年、少量のGeの添加が、窒化ケイ素フィルムの必要堆積温度の低下を可能とする場合があることが報告されている(特許文献1)。しかし、これは、そのフィルムに望ましくない不純物を導入し、フィルムが適合するデバイスに信頼性の問題を引き起こす場合があり、また堆積プロセスの複雑性及びコストを増加させる場合もある。
【0003】
相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタ性能を向上させる近年の革新は、現在の超大規模集積技術と適合する歪みセラミック層(strained ceramic layer)に対する産業的需要を発生させた。特に、N型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタに対するチャネルキャリア移動度を、MOSトランジスタのチャネル領域への一軸又は二軸の引張り歪みの導入を通じて、向上させることができる。同様に、圧縮的に歪ませたフィルムを、P型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタに対するチャネルキャリア移動度の増加を実現するために用いることができる。特許文献2では、歪ませたSiNフィルム及び、その歪ませたSiNフィルムを含む半導体デバイスを形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,119,016号
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0081470号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭素ドープ窒化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素、炭素ドープ酸窒化物のフィルムを低い堆積温度で堆積する方法を開示する。この堆積に用いられるケイ素含有前駆体は、モノクロロシラン(MCS)及びモノクロロアルキルシランである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施態様によると、本発明は、窒化ケイ素又は炭素ドープ窒化ケイ素を、プロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法に関する。この方法は、次のステップを含む:
a.基材と窒素含有原料とを接触させて、基材上に、窒素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の窒素含有原料をパージするステップ;
c.基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した窒素含有原料の一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ;
ここで、この方法はプラズマで促進される方法である。
【0007】
他の一実施態様によると、本発明は、酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素を、プロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法に関する。この方法は、次のステップを含む:
a.基材と酸素含有原料とを接触させて、基材上に、酸素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の酸素含有原料をパージするステップ;
c.基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した酸素含有原料の一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ;
【0008】
他の一実施態様によると、本発明は、酸窒化ケイ素又は炭素ドープ酸窒化ケイ素をプロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法に関する。この方法は、次のステップを含む: a.基材と、酸素含有原料及び窒素含有原料の混合物とを接触させて、基材上に、酸素含有原料の少なくとも一部及び窒素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の酸素含有原料及び窒素含有原料をパージするステップ;
c.基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した酸素含有原料及び窒素含有原料の一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ;
【0009】
上記の実施態様における方法は、好ましくはプラズマで促進される方法、たとえばプラズマ原子層堆積(PEALD:plasma enhanced atomic layer deposition)、プラズマ化学気相成長(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、プラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ(in−situ generated plasma)又はリモート生成プラズマ(remotely generated plasma)である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】モノクロロシラン(MCS)及びジクロロシラン(DCS)を用いてPEALDにより堆積させた窒化ケイ素フィルムの、ウェットエッチングレートの比較データを与える。
図2】モノクロロシラン(MCS)及びジクロロシラン(DCS)を用いて、アンモニアプラズマ下で450℃で堆積させたALD窒化ケイ素フィルムに関する、二次イオン質量分析(SIMS)によって解析された塩化物濃度の比較データを与える。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭素ドープ窒化ケイ素、炭素ドープ酸化ケイ素及び炭素ドープ酸窒化フィルムを、低い堆積温度で形成する課題に向けられる。
【0012】
ジクロロシラン(DCS)は、アンモニアと反応させることによって窒化ケイ素を堆積させるためのケイ素原料として、半導体産業で幅広く用いられてきた。典型的な堆積温度は、550℃超であり、その副生成物は、DCS1モル当たり、2モルのHClである。本発明は、モノクロロシラン(MCS)を用いてDCSを置き換えて、堆積温度を低下させ、且つ生成フィルム中への塩化物の混入も低下させる。
【0013】
【表1】
【0014】
アンモニアプラズマ下でのDCS及びモノクロロシランに関するサイクリック化学気相成長法又は原子層堆積法の反応を理解するために、スピン偏極密度汎関数理論及びPW91交換相関汎関数を用いて、量子力学計算を実行した。偏極関数で拡張された二重数値原子軌道基底関数を用いて、分子種の電子構造を表した。基底状態の分子構造が、完全な構造最適化で得た。DCS又はMCSと、アンモニアプラズマ下で生成されたNH・ラジカルとのさまざまな反応に対して計算された熱化学エネルギーを、表1に示す。
【0015】
表1に示した計算データから、アンモニアプラズマとの反応に関して、Si−H結合を熱化学的に切断するためには(反応2、6、10)、その化学的プロセスは、穏やかに発熱性であることが明らかである。これに対して、Si−Cl結合をアンモニアプラズマによって切断するためには、反応(反応1、5、9)は、すべて吸熱性である。アンモニアプラズマとの反応に関して、Si−Cl結合よりも、Si−H結合を切断するほうが、ずっと容易である。これは、DCSによって固定された−SiHCl部と反応するのよりもずっと簡単に、NH・ラジカルが、−SiH部と反応するであろうことを示唆している。ここで、−SiH部は、MCSと基材表面とが反応することによって半作製基材(semi−fabricated substrate)上に固定されるものである。結果として、ALD反応温度と塩化物の混入を、低下させることができる。
【実施例】
【0016】
実施例:窒化ケイ素フィルム
この実施例において、酸化ケイ素フィルムを次のステップを用いて堆積させた。
【0017】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型の原子層堆積反応器に装填した。反応器を、Arでフラッシュして、そして0.1Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われた温度まで加熱した。
【0018】
Si前駆体としてMCS(モノクロロシラン)を、一定流量で反応器に導入した。一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をMCSで飽和させ、そして0.1Tまでポンプで排出し、続いて一定流量のNHを導入した。NH前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には20秒)で、反応器をポンプで排出した。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0019】
プラズマの電源を、約100Wに設定し、且つ温度を、約450℃に設定した。
【0020】
プラズマは、窒素プラズマ、窒素及び水素の混合物、又は窒素及びアルゴンの混合物とすることができる。プラズマは、その場(in−situ)プラズマ又はリモートで生成することができる。MCSを、プラズマ励起することもできる。
【0021】
図1は、PEALDにより堆積させた窒化ケイ素フィルムの、ウェットエッチングレートの比較データを与える。図1は、モノクロロシラン(MCS)からのPEALDフィルムが、DCSのものより、ずっとエッチング耐性があることを示している。
【0022】
図2は、アンモニアプラズマ下で450℃で堆積させたALD窒化ケイ素フィルムに対する、SIMSによって解析された塩化物濃度の比較データを与える。図2は、MCSが、比較的低い塩化物含量、又は比較的低い塩化物混入を与えることを示唆している。
【0023】
実施態様1:酸化ケイ素フィルム
本実施態様において、酸化ケイ素フィルムを形成する方法は、次のステップを有する。
【0024】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型のCVD反応器又はALD反応器に装填する。反応器を、Arでフラッシュして、そして2Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われる温度まで加熱する。
【0025】
CVDプロセスに関して、Si前駆体として一定流量のMCS(モノクロロシラン)を、反応器に導入する。酸素前駆体として一定流量のオゾンを、MCSと同時に反応器に導入する。所望のフィルム厚みが達成されたときに、その流れを止めて、そして堆積プロセスを止める。
【0026】
ALDプロセス又はサイクリックCVDプロセスに関して、Si前駆体として一定流量のMCS(モノクロロシラン)を、反応器に導入する。一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をMCSで飽和させ、そして2Tまでポンプで排出し、続いて一定流量のオゾン又はプラズマ励起Oを導入する。N前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をポンプで排出する。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0027】
この方法は、好ましくはプラズマを援用した方法、例えばプラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ又はリモート生成プラズマである。
【0028】
この堆積プロセスは、550℃以下の温度で実行される。
【0029】
実施態様2:酸窒化ケイ素フィルム
本実施態様において、酸窒化ケイ素フィルムを形成する方法は、次のステップを含む。
【0030】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型のCVD反応器又はALD反応器に装填する。反応器をArでフラッシュして、そして2Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われる温度まで加熱する。
【0031】
CVDプロセスに関して、Si前駆体として一定流量のMCS(モノクロロシラン)を、反応器に導入する。一定流量の窒素原料、例えばNH及び酸素前駆体として一定流量のOを、MCSと同時に導入する。所望のフィルム厚みが達成されたときに、その流れを止めて、そして堆積プロセスを止める。
【0032】
ALDプロセス又はサイクリックCVDプロセスに関して、Si前駆体として一定流量のMCS(モノクロロシラン)を、反応器に導入する。一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をMCSで飽和させ、そして2Tまでポンプで排出し、続いて酸素前駆体として一定流量のO及び一定流量のNHを導入する。N前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をポンプで排出する。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0033】
この方法は、好ましくはプラズマを援用した方法、例えばプラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ又はリモート生成プラズマである。
【0034】
この堆積プロセスは、550℃以下の温度で実行される。
【0035】
実施態様3:炭素ドープ窒化ケイ素フィルム
本実施態様において、炭素ドープ窒化ケイ素フィルムを形成する方法は、次のステップを含む。
【0036】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型のCVD反応器又はALD反応器に装填する。反応器を、Arでフラッシュして、そして2Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われる温度まで加熱する。
【0037】
CVDプロセスに関して、Si前駆体として、次の一般式を有する一定流量のモノクロロアルキルシランを、反応器に導入する:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。一定流量の窒素原料、例えばNHを、モノクロロアルキルシランと同時に導入する。所望のフィルム厚みが達成されたときに、その流れを止めて、そして堆積プロセスを止める。
【0038】
この方法は、好ましくはプラズマを援用した方法、例えばプラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ又はリモート生成プラズマである。
【0039】
ALDプロセス又はサイクリックCVDプロセスに関して、上述した一定流量のSi前駆体を、反応器に導入する。一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をSi前駆体で飽和させ、そして2Tまでポンプで排出し、続いて一定流量のNHを導入する。N前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をポンプで排出する。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0040】
モノクロロアルキルシランの例は、ClSiMeH、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)Hがある。
【0041】
この堆積プロセスは、550℃以下の温度で実行される。
【0042】
実施態様4:炭素ドープ酸化ケイ素フィルム
本実施態様において、炭素ドープ酸化ケイ素フィルムを形成する方法は、次のステップを含む。
【0043】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型のCVD反応器又はALD反応器に装填する。反応器を、Arでフラッシュして、そして2Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われる温度まで加熱する。
【0044】
CVDプロセスに関して、Si前駆体として、次の一般式を有する一定流量のモノクロロアルキルシランを、反応器に導入する:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。一定流量の酸素原料、例えばオゾンを、そのSi前駆体と同時に導入する。所望のフィルム厚みが達成されたときに、その流れを止めて、そして堆積プロセスを止める。
【0045】
この方法は、好ましくはプラズマを援用した方法、例えばプラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ又はリモート生成プラズマである。
【0046】
ALDプロセス又はサイクリックCVDプロセスに関して、上述した一定流量のSi前駆体を、反応器に導入する。反応器を、一定の短時間(典型的には10秒)の間に、Si前駆体で飽和させ、そして2Tまでポンプで排出し、続いて一定流量のオゾンを導入する。N前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をポンプで排出する。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0047】
モノクロロアルキルシランの例は、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)Hがある。
【0048】
この堆積プロセスは、550℃以下の温度で実行される。
【0049】
実施態様5:酸窒化ドープ酸化ケイ素フィルム
本実施態様において、炭素ドープ酸窒化ケイ素フィルムを形成する方法は、次のステップを含む。
【0050】
フィルムを堆積させる基材を、ホットウォール型のCVD反応器又はALD反応器に装填する。反応器を、Arでフラッシュして、そして2Torr(T)未満の低圧までポンプで排出し、そしてフィルムの堆積が行われる温度まで加熱する。
【0051】
CVDプロセスに関して、Si前駆体として、次の一般式を有する一定流量のモノクロロアルキルシランを、反応器に導入する:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。一定流量の窒素原料、例えばNH及び酸素前駆体として一定流量のOを、そのSi前駆体と同時に導入する。所望のフィルム厚みが達成されたときに、その流れを止めて、そして堆積プロセスを止める。
【0052】
ALDプロセス又はサイクリックCVDプロセスに関して、上述した一定流量のSi前駆体を、反応器に導入する。一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をSi前駆体で飽和させ、そして2Tまでポンプで排出し、続いて一定流量のオゾンを導入する。N前駆体の飽和の後に再び一定の短時間(典型的には10秒)で、反応器をポンプで排出する。このサイクルを、所望のフィルム厚みが達成されるまで繰り返す。
【0053】
この方法は、好ましくはプラズマを援用した方法、例えばプラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長である。プラズマは、その場生成プラズマ又はリモート生成プラズマである。
【0054】
モノクロロアルキルシランの例は、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)Hがある。
【0055】
この堆積プロセスは、550℃以下の温度で実行される。
【0056】
上記の本発明の実施例及び実施態様は、本発明で実施することができる多くの実施態様の典型である。この方法の多くの他の構成を使用することができ、且つこの方法で用いられる材料を、具体的に開示したもの以外の多くの材料から選択することができると考慮される。
本発明の実施態様としては、以下の態様を挙げることができる:
《態様1》
次のステップを含む方法であって、プラズマで促進される、窒化ケイ素又は炭素ドープ窒化ケイ素をプロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法:
a.前記基材と窒素含有原料とを接触させて、前記基材上に、前記窒素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の窒素含有原料をパージするステップ;
c.前記基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した窒素含有原料の前記一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ。
《態様2》
前記ケイ素含有原料が、モノクロロシランである、窒化ケイ素を堆積させる態様1に記載の方法。
《態様3》
前記ケイ素含有原料が、次の一般式を有するモノクロロアルキルシランである、態様1に記載の炭素ドープ窒化ケイ素を堆積する方法:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。
《態様4》
前記ケイ素含有原料が、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様3に記載の方法。
《態様5》
プラズマ原子層堆積、及びプラズマサイクリック化学気相成長からなる群より選択される方法であって、前記プラズマが、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ、窒素プラズマ及び水素プラズマの混合物、並びに窒素プラズマ及びアルゴンプラズマの混合物からなる群より選択され、プラズマ励起ケイ素前駆体が任意である、態様1に記載の方法。
《態様6》
前記プラズマが、その場生成プラズマ、又はリモート生成プラズマである、態様5に記載の方法。
《態様7》
窒化ケイ素を堆積させるための前記窒素含有原料が、窒素、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドロジン、ジアルキルヒドロジン及びこれらの混合物から選択され;炭素ドープ窒化ケイ素を堆積させるための前記窒素含有前駆体が、窒素、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドロジン、ジアルキルヒドロジン、ヒドロキシルアミン(NHOH)、tert−ブチルアミン(NHC(CH)、アリルアミン(NHCHCHCH)、ヒドロキシルアミン塩酸塩、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの混合物から選択される、態様1に記載の方法。
《態様8》
次のステップを含む、酸化ケイ素又は炭素ドープ酸化ケイ素を、プロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法:
a.前記基材と酸素含有原料とを接触させて、前記基材上に、前記酸素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の酸素含有原料をパージするステップ;
c.前記基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した酸素含有原料の前記一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ;
《態様9》
前記ケイ素含有原料が、モノクロロシランである、酸化ケイ素を堆積させる態様8に記載の方法。
《態様10》
前記ケイ素含有原料が、次の一般式を有するモノクロロアルキルシランである、炭素ドープ酸化ケイ素を堆積させる態様8に記載の方法:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。
《態様11》
前記ケイ素含有原料が、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様10に記載の方法。
《態様12》
前記方法が、プラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長、及びプラズマサイクリック化学気相成長からなる群より選択される、態様8に記載の方法。
《態様13》
前記プラズマが、その場生成プラズマ、又はリモート生成プラズマである、態様12に記載の方法。
《態様14》
前記酸素含有原料が、酸素、水、窒素酸化物、オゾン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様8に記載の方法。
《態様15》
次のステップを含む、酸窒化ケイ素、又は炭素ドープ酸窒化ケイ素を、プロセスチャンバー中で基材に堆積させる方法:
a.前記基材と、酸素含有原料及び窒素含有原料の混合物とを接触させて、前記基材上に、前記酸素含有原料の少なくとも一部及び窒素含有原料の少なくとも一部を吸着させるステップ;
b.未吸着の酸素含有原料及び窒素含有原料をパージするステップ;
c.前記基材とケイ素含有前駆体とを接触させて、吸着した酸素含有原料及び窒素含有原料の前記一部と反応させるステップ;及び
d.未反応のケイ素含有原料をパージするステップ;
《態様16》
前記ケイ素含有原料が、モノクロロシランである、酸窒化ケイ素を堆積させる態様15に記載の方法。
《態様17》
前記ケイ素含有原料が、次の一般式を有するモノクロロアルキルシランである、炭素ドープ酸窒化ケイ素を堆積させる態様15に記載の方法:ClSiHm−x(ここで、x=1、2;m=1、2、3;n=0、1;n+m=<3;R及びRは、個々に、炭素数1〜10を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリールからなる群より選択される直鎖、分岐鎖又は環状の基である)。
《態様18》
前記ケイ素含有原料が、ClSiEtH、ClSiEtH、ClSi(CH=CH)H、ClSi(CH=CH)MeH、ClSi(CH=CH)EtH、ClSi(CCH)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H、ClSi(iso−Pr)H、ClSi(sec−Bu)H、ClSi(tert−Bu)H及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様17に記載の方法。
《態様19》
前記方法が、プラズマ原子層堆積、プラズマ化学気相成長及びプラズマサイクリック化学気相成長からなる群より選択される、態様15に記載の方法。
《態様20》
前記プラズマが、その場生成プラズマ、又はリモート生成プラズマである、態様19に記載の方法。
《態様21》
前記酸素含有原料が、酸素、水、窒素酸化物、オゾン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、態様15に記載の方法。
《態様22》
前記窒素含有原料が、窒素、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドロジン、ジアルキルヒドロジン及びこれらの混合物から選択され;炭素ドープ窒化ケイ素を堆積させるための前記窒素含有前駆体が、窒素、アンモニア、ヒドラジン、モノアルキルヒドロジン、ジアルキルヒドロジン、ヒドロキシルアミン(NHOH)、tert−ブチルアミン(NHC(CH)、アリルアミン(NHCHCHCH)、ヒドロキシルアミン塩酸塩、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの混合物から選択される、態様15に記載の方法。
図1
図2