特許第5891041号(P5891041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本放送協会の特許一覧

<>
  • 特許5891041-受信機 図000002
  • 特許5891041-受信機 図000003
  • 特許5891041-受信機 図000004
  • 特許5891041-受信機 図000005
  • 特許5891041-受信機 図000006
  • 特許5891041-受信機 図000007
  • 特許5891041-受信機 図000008
  • 特許5891041-受信機 図000009
  • 特許5891041-受信機 図000010
  • 特許5891041-受信機 図000011
  • 特許5891041-受信機 図000012
  • 特許5891041-受信機 図000013
  • 特許5891041-受信機 図000014
  • 特許5891041-受信機 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891041
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】受信機
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20160308BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20160308BHJP
   H04N 21/81 20110101ALI20160308BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20160308BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20160308BHJP
【FI】
   H04N21/431
   H04N21/442
   H04N21/81
   G06F13/00 540P
   G06Q30/02 150
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-7000(P2012-7000)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-150050(P2013-150050A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(72)【発明者】
【氏名】有安 香子
(72)【発明者】
【氏名】砂崎 俊二
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 寛
(72)【発明者】
【氏名】立石 里枝
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−057543(JP,A)
【文献】 特開2010−171713(JP,A)
【文献】 特開2010−283546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04N5/38−5/46
5/765
5/91
5/915
5/92
5/922
5/928−5/93
5/937−5/94
5/95−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した放送信号から番組コンテンツデータを抽出する番組コンテンツデータ取得部と、
視聴者による操作に応じた操作信号を取り込む操作信号取得部と、
前記操作信号に基づいて、操作の履歴情報である視聴者側履歴情報を生成する履歴情報生成部と、
前記番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーション情報テーブルに基づき、放送通信連携サービスを実現させる実行プログラムであるアプリケーションを、外部のアプリケーション記憶装置から取り込むアプリケーション取得部と、
前記アプリケーションの実行により、前記視聴者側履歴情報を、外部装置に供給する視聴者側履歴情報供給部と、
前記視聴者側履歴情報を取り込んだ前記外部装置によって前記視聴者側履歴情報に基づき指定された広告コンテンツデータに対応する広告コンテンツ識別情報と前記広告コンテンツデータの提示時間を示す広告提示時刻情報とを含む個人向け広告管理情報を、前記外部装置から取り込む広告管理情報取得部と、
前記個人向け広告管理情報に基づき、外部の広告コンテンツ記憶装置から、映像データと音声データとを含む前記広告コンテンツデータを取り込む配信コンテンツデータ取得部と、
前記広告提示時刻情報が示す前記提示時間を除く時間において前記番組コンテンツデータを提示し、前記提示時間において前記広告コンテンツデータを提示する提示部と、
を備えることを特徴とする受信機。
【請求項2】
前記番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーション提示制御情報に基づき、前記広告コンテンツデータの提示を許可するかまたは禁止するかを示す指示情報を前記提示部に通知する提示制御部をさらに備え、
前記提示部は、前記広告コンテンツデータの提示を許可することを示す指示情報を前記提示制御部から通知された場合に、前記提示時間において前記広告コンテンツデータを提示する
ことを特徴とする請求項1記載の受信機。
【請求項3】
前記操作信号が、前記広告コンテンツデータの提示を禁止することを示す個人向け広告提示禁止情報である場合、前記提示部による前記広告コンテンツデータの提示処理を禁止し、前記広告コンテンツデータの提示を許可することを示す個人向け広告提示許可情報である場合、前記提示部による前記広告コンテンツデータの提示処理を許可する広告コンテンツ提示制御部
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の受信機。
【請求項4】
前記操作信号が、前記視聴者側履歴情報が有効であることを示す操作履歴有効情報である場合、前記履歴情報生成部による前記視聴者側履歴情報の生成処理を許可し、前記視聴者側履歴情報が無効であることを示す操作履歴無効情報である場合、前記履歴情報生成部による前記視聴者側履歴情報の生成処理を禁止する操作履歴制御部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の受信機。
【請求項5】
前記放送信号に緊急消去信号が含まれている場合に、前記放送信号から前記緊急消去信号を検出する緊急消去信号検出部と、
前記緊急消去信号検出部が前記緊急消去信号を検出したことに応じて、前記広告コンテンツデータの提示処理を停止させるアプリケーション強制停止制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の受信機。
【請求項6】
前記緊急消去信号検出部は、前記放送信号内のAC信号またはTMCC信号のいずれかの信号領域に緊急消去信号が含まれている場合に、前記緊急消去信号を検出する、
ことを特徴とする請求項5に記載の受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送通信連携サービスを実現するための研究が行われている(例えば、非特許文献1参照)。この放送通信連携サービスでは、一例として、受信機が、放送番組に対応付けられたアプリケーションをアプリケーション管理サーバから取得して実行することによって、サービスサーバから配信コンテンツデータを取得する。そして、受信機は、放送受信により取得した番組コンテンツデータと、ネットワーク通信により取得した配信コンテンツデータとを対応付けて再生する。
【0003】
この放送通信連携サービスによれば、受信機は、放送番組に対応付けられたアプリケーションを実行することにより、このアプリケーションに対応付けられた配信コンテンツデータや、視聴者による要求に応じた配信コンテンツデータをサービスサーバから取得し、例えば、番組コンテンツデータと配信コンテンツデータとを同期させて再生することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】三矢茂明、松村欣司、馬場秋継、藤沢寛、武智秀、山本真、金次保明、浜田浩行、NHK放送技術研究所、「HybridcastTM実現に向けた仕様検討と基本機能の試作」、2010年映像情報メディア学会冬季大会、2010年、10−3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人間の趣味や嗜好は個人ごとに異なるため、放送番組における番組スポット(番組紹介、番組予告等)やコマーシャルメッセージ等の広告に対する視聴者の興味も個人ごとに異なると想定される。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、放送通信連携サービスにおいて、視聴者個人に適した個人向け広告コンテンツデータを提供することができる、受信機および広告管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である受信機は、受信した放送信号から番組コンテンツデータを抽出する番組コンテンツデータ取得部と、視聴者による操作に応じた操作信号を取り込む操作信号取得部と、前記操作信号に基づいて、操作の履歴情報である視聴者側履歴情報を生成する履歴情報生成部と、前記番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーション管理情報に基づき、放送通信連携サービスを実現させる実行プログラムであるアプリケーションを、外部のアプリケーション記憶装置から取り込むアプリケーション取得部と、前記アプリケーションの実行により、前記視聴者側履歴情報を、外部装置に供給する視聴者側履歴情報供給部と、前記視聴者側履歴情報を取り込んだ前記外部装置によって前記視聴者側履歴情報に基づき指定された広告コンテンツデータに対応する広告コンテンツ識別情報と前記広告コンテンツデータの提示時間を示す広告提示時刻情報とを含む個人向け広告管理情報を、前記外部装置から取り込む広告管理情報取得部と、前記個人向け広告管理情報に基づき、外部の広告コンテンツ記憶装置から前記広告コンテンツデータを取り込む配信コンテンツデータ取得部と、前記広告提示時刻情報が示す前記提示時間を除く時間において前記番組コンテンツデータを提示し、前記提示時間において前記広告コンテンツデータを提示する提示部と、を備えることを特徴とする。
[2]上記[1]記載の受信機において、前記番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーション提示制御情報に基づき、前記広告コンテンツデータの提示を許可するかまたは禁止するかを示す指示情報を前記提示部に通知する提示制御部をさらに備え、前記提示部は、前記広告コンテンツデータの提示を許可することを示す指示情報を前記提示制御部から通知された場合に、前記提示時間において前記広告コンテンツデータを提示することを特徴とする。
[3]上記[1]または[2]記載の受信機において、前記操作信号が、前記広告コンテンツデータの提示を禁止することを示す個人向け広告提示禁止情報である場合、前記提示部による前記広告コンテンツデータの提示処理を禁止し、前記広告コンテンツデータの提示を許可することを示す個人向け広告提示許可情報である場合、前記提示部による前記広告コンテンツデータの提示処理を許可する広告コンテンツ提示制御部をさらに備えることを特徴とする。
[4]上記[1]から[3]いずれか一項記載の受信機において、前記操作信号が、前記視聴者側履歴情報が有効であることを示す操作履歴有効情報である場合、前記履歴情報生成部による前記視聴者側履歴情報の生成処理を許可し、前記視聴者側履歴情報が無効であることを示す操作履歴無効情報である場合、前記履歴情報生成部による前記視聴者側履歴情報の生成処理を禁止する操作履歴制御部をさらに備えることを特徴とする。
[5]上記[1]から[4]いずれか一項記載の受信機において、前記放送信号に緊急消去信号が含まれている場合に、前記放送信号から前記緊急消去信号を検出する緊急消去信号検出部と、前記緊急消去信号検出部が前記緊急消去信号を検出したことに応じて、前記広告コンテンツデータの提示処理を停止させるアプリケーション強制停止制御部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
[6]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である個人向け広告管理装置は、受信機における視聴者による操作の履歴情報である視聴者側履歴情報を前記受信機から取り込んで、前記視聴者側履歴情報を視聴者嗜好情報生成装置に供給し、前記視聴者側履歴情報を取り込んだ前記視聴者嗜好情報生成装置によって前記視聴者側履歴情報に基づき生成された視聴者嗜好情報を、前記視聴者嗜好情報生成装置から取り込む視聴者嗜好情報取得部と、放送番組を識別する番組識別情報と広告コンテンツデータの提示時間を示す広告提示時刻情報と前記放送番組において、前記広告コンテンツデータとして提示可能な広告コンテンツデータの識別情報である提示可能広告コンテンツ識別情報とを対応付けた広告制御情報を放送局装置から取り込み、前記視聴者嗜好情報取得部が取り込んだ前記視聴者嗜好情報と前記放送局装置から取り込んだ前記広告制御情報とに基づいて、外部の広告コンテンツ記憶装置から、前記広告コンテンツデータを選択して前記広告コンテンツデータを識別する広告コンテンツ識別情報を取り込み、前記広告コンテンツ識別情報を前記受信機に供給する広告関連情報管理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
放送通信連携サービスにおいて、視聴者個人に適した個人向け広告コンテンツデータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態である受信機およびサーバ装置を適用した放送通信連携システムの概略の全体構成図である。
図2】後述する放送局サービスサーバが生成する広告制御情報のデータ構成を示す図である。
図3】受信機が生成する受信機操作履歴情報のデータ構成を示す図である。
図4】端末装置が生成する端末利用履歴情報のデータ構成を示す図である。
図5】視聴者関連情報管理部が記憶する視聴者関連情報のデータ構成を示す図である。
図6】広告関連情報管理部が生成する広告関連情報のデータ構成を示す図である。
図7】広告関連情報管理部が生成する個人向け広告管理情報のデータ構成を示す図である。
図8】広告コンテンツサーバが記憶する広告コンテンツ情報のデータ構成を示す図である。
図9】同実施形態において、放送局装置群の概略の機能構成を示すブロック図である。
図10】同実施形態において、サービスサーバ群の概略の機能構成を示すブロック図である。
図11】同実施形態において、受信機の概略の機能構成を示すブロック図である。
図12】同実施形態において、個人向け広告管理サーバおよび視聴者嗜好情報生成装置が実行する、視聴者嗜好情報の生成・取得処理の手順を示すフローチャートである。
図13】同実施形態において、個人向け広告管理サーバおよび受信機が実行する、個人向け広告管理情報の生成・取得処理の手順を示すフローチャートである。
図14】同実施形態において、受信機が実行する、個人向け広告提示アプリケーションによる提示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である受信機およびサーバ装置を適用した放送通信連携システムの概略の全体構成図である。同図に示すように、放送通信連携システム1は、放送局装置群10と、送信アンテナ20と、ネットワーク30と、サービスサーバ群40と、ネットワーク50と、受信機60と、端末装置90とを含んで構成される。
実際には、受信機60は多数存在するが、本実施形態では、図を簡略化して説明を簡潔にするため、3台の受信機60(受信機60−1〜60−3と呼ぶ。)を含む例とする。
同図において、U1は受信機60−1の視聴者、U2は受信機60−2の視聴者である。U3は、受信機60−3の視聴者であり、且つ端末装置90の利用者(操作者)である。つまり、視聴者U3は、例えば、端末装置90を利用(操作)しながら受信機60−3を視聴する者である。
【0011】
放送局装置群10および送信アンテナ20は、放送事業者である放送局が管理する装置群および設備である。サービスサーバ群40は、放送局またはサービス事業者またはいずれか一方が管理する装置群である。受信機60および端末装置90は、視聴者が有する装置である。
【0012】
放送通信連携システム1は、放送局が例えば統合デジタル放送サービス(Integrated Services Digital Broadcasting;ISDB)方式によって提供する放送サービスと、サービス事業者が提供する配信サービス(通信サービス)とを連携させた放送通信連携サービスを実現する。
【0013】
例えば、放送通信連携サービスを受ける受信機60は、放送サービスによって放送局装置群10から供給される放送番組、すなわち番組コンテンツデータを取得する。番組コンテンツデータは、放送番組のコンテンツデータおよび各種制御情報を含む。この番組コンテンツデータには、広告コンテンツデータが組み込まれている。広告コンテンツデータは、放送局が番組を紹介する内容を含むコンテンツデータ、企業等が商品またはサービスを広告したり、企業イメージを宣伝したりする内容を含むコンテンツデータ等である。そして、受信機60は、取得した番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという。)をサービスサーバ群40から取得し、この取得したアプリケーションを実行する。アプリケーションは、受信機60において放送通信連携サービスを実現させるための実行プログラムである。そして、受信機60は、アプリケーションの実行によって指定される配信コンテンツデータをサービスサーバ群40から取得し、番組コンテンツデータと配信コンテンツデータとを連動させたり対応付けしたりして再生する。
【0014】
放送局装置群10からサービスサーバ群40に供給されるアプリケーション、すなわち放送局により提供されるアプリケーションを放送事業者提供アプリケーションという。また、サービス事業者または個人により制作されたアプリケーションをサービス事業者提供アプリケーションという。さらに、サービス事業者提供アプリケーションのうち、放送局によって認定されたアプリケーションを認定アプリケーション、放送局によって認定されていないアプリケーションを非認定アプリケーションという。
【0015】
次に、放送通信連携システム1の各構成について説明する。
ネットワーク30は、放送局装置群10とサービスサーバ群40とを接続する電気通信回線であり、事業者間ネットワークともいう。ネットワーク30は、例えばIP(Internet Protocol)により通信可能なコンピュータネットワークである。放送局装置群10とサービスサーバ群40とは、ネットワーク30を通して通信を行う。
【0016】
ネットワーク50は、サービスサーバ群40と受信機60と端末装置90とを接続する電気通信回線であり、インターネットにも接続されるコンピュータネットワークである。受信機60とサービスサーバ群40とは、ネットワーク50を通して通信を行う。また、端末装置90とサービスサーバ群40とは、ネットワーク50を通して通信を行う。また、端末装置90と受信機60−3とは、ネットワーク50を通して、またはネットワーク50とは別の通信路(ホームLAN、無線LAN、Universal Serial Bus(USB)等)を通して通信を行う。
【0017】
放送局装置群10は、放送局、番組制作会社等により制作された放送のためのコンテンツに、このコンテンツおよびアプリケーションに関する各種制御情報を多重化したストリームを生成する。放送のためのコンテンツとして、放送局によって決定される放送スケジュールにしたがって放送される番組コンテンツと、放送スケジュールとは関係なく放送される緊急コンテンツとがある。緊急コンテンツは、例えば、緊急警報放送に用いられるコンテンツである。ストリームは、例えばMPEG−2システム規格によるトランスポートストリーム(Transport Stream;TS)である。
放送局装置群10は、生成したストリームをデジタル放送の放送信号に変換し、この放送信号を送信アンテナ20に送信する。
【0018】
ここで、デジタル放送の放送信号の伝送プロトコルスタックについて説明する。上述したように、放送局装置群10は、映像データ、音声データ、各種制御情報等を、例えば、トランスポートストリームパケット(TSパケット)に格納し、これらTSパケットを時分割により多重伝送する。
TSパケットには、セクションとしてProgram Specific Information/Service Information(PSI/SI)が含まれる。PSI/SIは、TSパケットに格納されるデータの種別を示す情報、コンテンツの種別を示す情報等を含む。
【0019】
TSパケットの伝送方式として、セクションを用いてデータを伝送する方式と、Packetized Elementary Stream(PES)パケットを用いてデータを伝送する方式(データストリーム伝送方式)とがある。セクションを用いてデータを伝送する方式として、データカルーセル伝送方式と、イベントメッセージ伝送方式とがある。データカルーセル伝送方式は、放送局装置群10が、一つまたは複数のデータ(モジュール)を一定周期で繰り返し伝送する方式である。イベントメッセージ伝送方式は、放送局装置群10が受信機60に対してトリガ信号を送信する方式である。イベントメッセージ伝送方式は、データ量が少ないメッセージを伝送する場合に用いられる方式である。データストリーム伝送方式は、映像データ、音声データ、字幕データ等のリアルタイム性を有するデータ、他のストリームとの同期を制御する制御情報等を伝送する場合に用いられる方式である。
【0020】
なお、ストリームおよび放送信号の仕様は、例えば、ARIB(Association of Radio Industries and Broadcast)標準規格によって規定されている。
【0021】
また、放送局装置群10は、放送局により制作および作成された、アプリケーション、配信用のコンテンツデータ(配信コンテンツデータ)、および広告制御情報を、サービスサーバ群40に供給する。配信コンテンツデータは、例えば、既に放送された番組コンテンツデータ、広告コンテンツデータ等である。広告制御情報は、放送番組における広告コンテンツデータの提示開始時刻および提示終了時刻と、その放送番組において提示可能な広告コンテンツデータを識別する情報とを、放送番組ごとに対応付けた情報である。
【0022】
送信アンテナ20は、放送局装置群10が送信した放送信号を受信し、この放送信号を放送電波に変換して空中に放射する。
【0023】
サービスサーバ群40は、放送局装置群10から供給される、放送局により制作、作成されたアプリケーションおよび配信コンテンツデータ、ならびに広告制御情報を取り込んで記憶する。
また、サービスサーバ群40は、サービス事業者により制作されたアプリケーションおよび配信コンテンツデータを記憶する。
【0024】
また、サービスサーバ群40は、受信機60から供給されるアプリケーション取得要求に応じて選択されるアプリケーションを、取得要求元である受信機60に供給する。
また、サービスサーバ群40は、受信機60から供給されるコンテンツ取得要求に応じて選択される配信コンテンツデータを、取得要求元である受信機60に供給する。
同様にして、サービスサーバ群40は、端末装置90から供給されるアプリケーション取得要求に応じて選択されるアプリケーションを、取得要求元である端末装置90に供給する。
また、サービスサーバ群40は、端末装置90から供給されるコンテンツ取得要求に応じて選択される配信コンテンツデータを、取得要求元である端末装置90に供給する。
【0025】
また、サービスサーバ群40は、受信機60から供給される、視聴者識別情報および受信機操作履歴情報を取り込む。視聴者識別情報は、詳しくは後述するが、視聴者を識別する情報である。受信機操作履歴情報は、受信機60の操作を特定する情報(操作内容を示す情報)と、操作日時を示す情報とを含む履歴情報である。
【0026】
また、サービスサーバ群40は、端末装置90から供給される、視聴者識別情報および端末利用履歴情報を取り込む。端末利用履歴情報は、端末装置90の利用内容を示す情報と、利用日時を示す情報とを含む履歴情報である。
視聴者識別情報を共通とする受信機操作履歴情報および端末利用履歴情報は、視聴者識別情報に対応した視聴者による、操作に関する履歴情報であり、視聴者側履歴情報と呼ぶ。
【0027】
サービスサーバ群40は、視聴者識別情報ごとの視聴者側履歴情報(受信機操作履歴情報および端末利用履歴情報またはいずれか一方の情報)を解析することによって、視聴者識別情報に対応付けられた視聴者の興味、嗜好、関心、趣味等(以下、興味等と記載する。)を推定し、視聴者嗜好情報を生成する。この視聴者嗜好情報の具体例については、後述する。
サービスサーバ群40は、視聴者識別情報ごとに、広告制御情報と視聴者嗜好情報とに基づいて、広告コンテンツデータを個人向け広告コンテンツデータとして選択する。つまり、サービスサーバ群40は、視聴者ごとに、視聴者の興味等に関係または対応する内容を有し、且つ広告制御情報が示す広告時間に適合した広告コンテンツデータを、個人向け広告コンテンツデータとして選択する。
サービスサーバ群40は、この選択した個人向け広告コンテンツデータを、対応する受信機60および端末装置90またはいずれか一方に供給する。
【0028】
受信機60は、放送アンテナ20が送信した放送電波を受信してストリームを取得し、番組コンテンツデータおよび各種制御情報を取り込む。受信機60は、取り込んだ番組コンテンツデータに対応付けられたアプリケーションをサービスサーバ群40から取得して実行する。受信機60は、アプリケーションの実行によって指定される配信コンテンツデータをサービスサーバ群40から取得し、番組コンテンツデータと配信コンテンツデータとを連動させたり対応付けしたりして再生する。例えば、受信機60は、放送番組における広告提示時間において視聴者に対応した個人向け広告を提示するアプリケーション(個人向け広告提示アプリケーション)を起動して実行する。この個人向け広告提示アプリケーションは、放送事業者提供アプリケーションである。個人向け広告提示アプリケーションを実行する受信機60は、提示中の番組コンテンツにおける広告コンテンツを、自装置の視聴者の興味等に関係または対応する内容を有する広告コンテンツ(個人向け広告コンテンツ)に置き換えて提示する。
【0029】
受信装置60は、番組コンテンツデータおよび配信コンテンツデータの出力方法を、制御情報の一つであるアプリケーション提示制御情報に基づいて制御する。
受信機60は、端末装置90と接続されることにより、端末装置90と連動して動作することができる。
【0030】
受信機60は、視聴者識別情報を記憶する。この視聴者識別情報は、自装置により放送番組を視聴する視聴者を識別する情報であり、例えば、受信機60固有の装置識別情報である。または、視聴者識別情報は、視聴者によって受信機60に設定される任意の識別情報である。例えば、図1において、受信機60−1の視聴者は視聴者U1であり、受信機60−1が記憶する視聴者識別情報は、視聴者U1を識別する情報である。
また、受信機60は、通信接続された端末装置90から視聴者識別情報を取り込み、この視聴者識別装置を自装置に設定して用いてもよい。
【0031】
なお、視聴者識別情報として、単数の視聴者を識別する情報を用いてもよいし、複数の視聴者により構成されるグループを識別する情報を用いてもよい。このグループとは、例えば家族、複数の友人である。
【0032】
受信機60は、操作されるたびに、その操作を特定する情報と操作日時を示す情報とを、受信機操作履歴情報に追加登録する。受信機60は、定期またはあらかじめ決められた時刻に、視聴者識別情報と受信機操作履歴情報とをサービスサーバ群40に供給する。
【0033】
受信機60は、視聴者識別情報と受信機操作履歴情報とに基づいてサービスサーバ群40が選択して供給した個人向け広告コンテンツデータを取り込む。そして、受信機60は、番組コンテンツデータと個人向け広告コンテンツデータとを対応付けて再生する。
受信機60は、例えば、テレビジョン受像機、セットトップボックス、コンピュータ装置、携帯端末等により実現される。
【0034】
端末装置90は、受信機60と接続することにより、受信機60と連動して動作することができる。
端末装置90は、視聴者識別情報を記憶する。この視聴者識別情報は、自装置を利用する利用者を識別する情報であり、例えば、端末装置90固有の装置識別情報である。または、その視聴者識別情報は、利用者によって端末装置90に設定される任意の識別情報である。例えば、図1において、端末装置90の利用者は視聴者U3であり、端末装置90が記憶する視聴者識別情報は、視聴者U3を識別する情報である。
【0035】
端末装置90は、利用された内容を示す情報と利用日時を示す情報とを、端末利用履歴情報に追加登録する。端末装置90は、定期もしくはあらかじめ決められた時刻、または利用されるたびに、視聴者識別情報と端末利用履歴情報とをサービスサーバ群40に供給する。
【0036】
端末装置90は、視聴者識別情報と端末利用履歴情報とに基づいてサービスサーバ群40が選択して供給した個人向け広告コンテンツデータを取り込む。そして、端末装置90は、この個人向け広告コンテンツデータを再生する。
【0037】
放送通信連携サービスでは、受信機60は、番組コンテンツデータの表示領域(番組領域)と、アプリケーションおよび配信コンテンツデータの表示領域(アプリケーション領域)とを制御する。また、受信機60は、番組コンテンツデータの音声出力と、アプリケーションおよび配信コンテンツデータの音声出力とを制御する。具体的に、受信機60は、放送番組ごと、または放送番組とは非同期に、番組コンテンツデータおよび配信コンテンツデータの表示方法および音声出力方法(以下、これら両方法を出力方法と呼ぶこともある。)を制御する。
【0038】
表示方法として、例えば、番組領域のみを表示する、番組領域とアプリケーション領域とを全部または部分的に重ね合わせて表示する、番組領域とアプリケーション領域とを重ね合わせることなく独立に表示する等の方法がある。
音声出力方法として、番組コンテンツデータの音声のみを出力する、番組コンテンツデータの音声とアプリケーションおよび配信コンテンツデータの音声とを独立に、または混合して出力する等の方法がある。
【0039】
放送事業者が受信機60に対して要求する表示方法および音声出力方法をポリシーと定義する。ポリシーには、番組コンテンツデータの内容の重要性や演出等に応じて複数の段階があり、これらの段階をポリシーレベルと呼ぶ。つまり、ポリシーレベルは、番組コンテンツデータの表示および音声出力に対して、アプリケーションの表示および音声出力を制限するレベルを示し、例えば整数値で表される。例えば、ポリシーレベルが高いとは、アプリケーションの表示および音声出力の規制のレベルが高い(規制が厳しい)ことを示す。例えば、緊急性や重要性が高い放送の番組コンテンツデータを優先的に表示させたい場合、放送局は、当該番組コンテンツデータに高いポリシーレベルを設定する。
【0040】
次に、ポリシーレベルと表示方法との関係について、ポリシーレベルが“4”から“1”までの4段階により表される場合を例として説明する。
まず、ポリシーレベルが“4”である場合、受信機60では、番組コンテンツデータの全画面表示のみが可能である。
また、ポリシーレベルが“3”である場合、受信機60では、放送事業者提供アプリケーションおよび認定アプリケーションの表示が可能である。ただし、全てのアプリケーションについて、番組コンテンツデータへの重ね合わせ表示が禁止され、番組コンテンツの外側への表示のみが可能である。
また、ポリシーレベルが“2”である場合、受信機60では、放送事業者提供アプリケーションおよび認定アプリケーションの表示が可能である。ただし、放送事業者提供アプリケーションのみ、番組コンテンツへの重ね合わせ表示が可能である。放送事業者提供アプリケーションを除くアプリケーションについては、番組コンテンツへの重ね合わせ表示が禁止され、番組コンテンツの外側への表示のみが可能である。
また、ポリシーレベルが“1”である場合、受信機60では、放送事業者提供アプリケーションおよび認定アプリケーションの表示が可能である。放送事業者提供アプリケーションおよび認定アプリケーションの番組コンテンツへの重ね合わせ表示は可能である。
【0041】
ポリシーレベル毎の音声出力方法は、例えば、以下のとおりである。
すなわち、ポリシーレベルが“4”または“3”である場合、受信機60では、番組コンテンツデータのみ音声出力が可能である。
また、ポリシーレベルが“2”である場合、受信機60では、放送事業者提供アプリケーションのみの音声出力が可能である。ただし、受信機60は、番組コンテンツデータおよび配信コンテンツデータの音声を、切替えによって独立に出力する。
また、ポリシーレベルが“1”である場合、受信機60では、放送事業者提供アプリケーションの音声出力と、認定アプリケーションの音声出力とが可能である。ただし、受信機60は、放送事業者提供アプリケーションおよび認定アプリケーションとも、番組コンテンツデータおよび各アプリケーションの音声を、切替えによって独立に出力する。
【0042】
次に、放送通信連携システム1において使用される各情報のデータ構成を説明する。
図2は、後述する放送局サービスサーバ12が生成する広告制御情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、広告制御情報は、広告提示時刻情報と、提示可能広告コンテンツ識別情報とを、番組識別情報に対応付けて含む。
番組識別情報は、放送番組を識別する情報である。広告提示時刻情報は、当該放送番組における個人向け広告コンテンツデータの提示時間を示す情報である。例えば、広告提示時刻情報は、提示開始時刻を示す開始時刻情報と、提示終了時刻を示す終了時刻情報とを含む。つまり、広告提示時刻情報は、個人向け広告コンテンツデータの提示開始時刻と提示終了時刻とを示す情報である。よって、提示時間は、提示開始時刻から始まる、提示終了時刻と提示開始時刻との差分時間である。開始時刻情報および終了時刻情報は、例えば、33ビット表現の提示時刻情報(Presentation Time Stamp;PTS)により表される。なお、広告提示時刻情報を、開始時刻情報と、提示時間長を示す提示時間情報とを含む情報としてもよい。提示可能広告コンテンツ識別情報は、当該放送番組において、個人向け広告コンテンツデータとして提示可能な広告コンテンツデータの識別情報である。提示可能広告コンテンツ識別情報は、例えば、当該放送番組において、番組スポンサにより承認または許可された広告コンテンツデータの広告コンテンツ識別情報の一覧である。
【0043】
図3は、受信機60が生成する受信機操作履歴情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、受信機操作履歴情報は、操作情報と、日時情報とを対応付けて含む。
操作情報は、視聴者による受信機60の操作を特定する情報である。例えば、操作情報は、受信機60が具備するリモートコントロール装置(以下、リモコン装置という。)のボタン、受信機60の本体に備えられた操作パネルのボタン、または受信機60の表示面に設けられたグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interfase;GUI)によるGUIボタンの操作により得られる、操作内容を示す情報である。具体的には、例えば、“電源オン”は、受信機60の電源がオンされたことを示す情報である。また、“チャンネル番号“2””は、チャンネル2が選択されたことを示す情報である。また、“ボリュームアップ”は、音量調節ボタンのうち音量を上げるボタンが選択されたことを示す情報である。“電源オフ”は、受信機60の電源がオフ(スタンバイ)されたことを示す情報である。日時情報は、操作された日付および時刻を特定する情報である。例えば、日時情報は、“年月日”および“時分秒”により表される。
【0044】
図4は、端末装置90が生成する端末利用履歴情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、端末利用履歴情報は、利用情報と、日付情報とを対応付けて含む。
利用情報は、利用者(視聴者)による端末装置90の利用内容を示す情報である。例えば、利用情報は、端末装置90によってアクセスされたインターネットにおける資源(リソース)を特定するURL(Uniform Resource Locator)情報である。このインターネットにおける資源は、例えば、利用者によりアクセスされたウェブサイト、ウェブログ、ライフログ、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service;SNS)サイト、電子掲示板(Bulletin Board System;BBS)である。日時情報は、利用された日付および時刻を特定する情報である。例えば、日時情報は、“年月日”および“時分秒”により表される。
【0045】
図5は、後述する視聴者関連情報管理部431が記憶する視聴者関連情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、視聴者関連情報は、受信機操作履歴情報と、端末利用履歴情報と、視聴者嗜好情報とを、視聴者識別情報に対応付けて含む。つまり、視聴者関連情報は、視聴者側履歴情報と視聴者嗜好情報とを、視聴者識別情報に対応付けて含む。
受信機操作履歴情報は、図3に示した受信機操作履歴情報である。端末利用履歴情報は、図4に示した端末利用履歴情報である。視聴者嗜好情報は、視聴者側履歴情報(受信機操作履歴情報および端末利用履歴情報またはいずれか一方の情報)に基づきサービスサーバ群40によって生成された視聴者の興味等を示す情報である。視聴者嗜好情報の具体例については、後述する。視聴者識別情報は、受信機操作履歴情報および端末利用履歴情報に対応付けられる視聴者を識別する情報である。
【0046】
図6は、後述する広告関連情報管理部432が生成する広告関連情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、広告関連情報は、広告提示時刻情報と、提示可能広告コンテンツ識別情報と、視聴者識別情報と、視聴者嗜好情報とを、番組識別情報に対応付けて含む。つまり、広告関連情報は、図2に示した広告制御情報と、図5に示した視聴者関連情報における視聴者識別情報および視聴者嗜好情報とを対応付けた情報である。
【0047】
図7は、広告関連情報管理部432が生成する個人向け広告管理情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、個人向け広告管理情報は、番組識別情報と、広告提示時刻情報と、視聴者嗜好情報と、広告コンテンツ識別情報とを、視聴者識別情報に対応付けて含む。
広告コンテンツ識別情報は、個人向け広告コンテンツデータとして選択された広告コンテンツデータを識別する情報である。
【0048】
図8は、後述する広告コンテンツサーバ45が記憶する広告コンテンツ情報のデータ構成を示す図である。
同図に示すように、広告コンテンツ情報は、時間長と、特徴語と、広告コンテンツデータとを、広告コンテンツ識別情報に対応付けて含む。
時間長は、広告コンテンツデータの再生時間長である。時間長は、例えば、秒数で表してもよいし、PTSに対応する90KHzのクロックにより1ずつ増加される数字で表してもよい。特徴語は、広告コンテンツデータの内容に合致または関係する、一つまたは複数のキーワードである。
【0049】
次に、放送局装置群10の構成について説明する。
図9は、放送局装置群10の概略の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、放送局装置群10は、放送設備11と、放送局サービスサーバ(放送局装置)12とを含んで構成される。
放送設備11は、デジタル放送の放送信号を送信アンテナ20に送信する設備である。具体的に、放送設備11は、番組編成装置111と、番組送出装置112と、送信装置113とを含んで構成される。
【0050】
番組編成装置111は、放送局、番組制作会社等により制作された番組コンテンツに、この番組コンテンツに関係する各種制御情報を多重化したストリームを生成する。ストリームがTSである場合、各種制御情報は、例えば、イベント情報テーブル(Event Information Table;EIT)、アプリケーション情報テーブル(Apprication Information Table;AIT)、アプリケーション提示制御情報等である。EITは、番組コンテンツの名称(タイトル)、放送日時、ジャンル、内容説明(あらすじ)等の、番組コンテンツに関係するメタ情報を含む。AIT(アプリケーション管理情報ともいう。)は、受信機60が実行する一つまたは複数のアプリケーションに関する管理情報である。AITは、アプリケーションごとに、アプリケーションを識別するアプリケーション識別情報、アプリケーションのネットワーク上の所在場所を示すロケーション情報(例えば、URL情報)等を含む。アプリケーション提示制御情報は、放送中の番組、放送信号に含まれるイベント、アプリケーションの提供者等に応じて、番組コンテンツデータおよび配信コンテンツデータの出力方法をどのように制御するかを示すデータである。アプリケーション提示制御情報は、例えば、前述したポリシーレベルを示す情報である。個人向け広告提示アプリケーションは放送事業者提供アプリケーションであり、アプリケーション領域が番組領域を含むよう重複するため、ポリシーレベルは、“2”または“1”である。
番組編成装置111は、生成したストリームを番組送出装置112に供給する。
【0051】
また、番組編成装置111は、放送局により制作された番組表データ、放送事業者提供アプリケーション、および配信コンテンツデータを放送局サービスサーバ12に供給する。
また、番組編成装置111は、放送局により作成された広告制御情報を放送局サービスサーバ12に供給する。
【0052】
番組送出装置112は、番組編成装置111から供給されるストリームを取り込む。そして、番組送出装置112は、ストリームが番組コンテンツのストリームである場合は、放送スケジュールにしたがってそのストリームを送信装置113に供給する。また、番組送出装置112は、ストリームが緊急コンテンツのストリームである場合は、例えば、イベントメッセージ伝送方式によってそのストリームを送信装置113に供給する。
【0053】
番組送出装置112は、例えば緊急コンテンツを放送する場合に、緊急消去信号(緊急解除信号)を発生させてストリームに多重化し、このストリームを送信装置113に供給する。緊急消去信号は、個人向け広告提示アプリケーションを実行している受信機60に対して、個人向け広告コンテンツデータの表示および音声出力を停止させるための信号である。
【0054】
緊急消去信号を多重化する信号領域として、例えば以下の二つの例がある。第1の例として、番組送出装置112は、放送に関する付加情報の伝送路であるAuxiliary Channel(AC)に緊急消去信号を多重化する。第2の例として、番組送出装置112は、伝送制御用の信号であるTransmission and Multiplexing Configuration Control(TMCC)信号に緊急消去信号を多重化する。
【0055】
送信装置113は、番組送出装置112から供給されるストリームを取り込み、このストリームを放送信号に変換して送信アンテナ20に供給する。
【0056】
放送局サービスサーバ12は、番組編成装置111から供給される番組表データ、放送事業者提供アプリケーション、配信コンテンツデータ、および広告制御情報を取り込んで記憶する。また、放送局サービスサーバ12は、サービスサーバ群40からの要求に応じて、番組表データ、放送事業者提供アプリケーション、配信コンテンツデータ、および広告制御情報を読み出してサービスサーバ群40に供給する。
放送局サービスサーバ12は、例えば、コンピュータ装置、サーバ装置により実現される。
【0057】
次に、サービスサーバ群40の構成について説明する。
図10は、サービスサーバ群40の概略の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、サービスサーバ群40は、アプリケーションサーバ(アプリケーション記憶装置)41と、コンテンツサーバ42と、個人向け広告管理サーバ(広告管理装置、外部装置)43と、視聴者嗜好情報生成装置44と、広告コンテンツサーバ(広告コンテンツ記憶装置)45とを備える。
【0058】
アプリケーションサーバ41は、複数のアプリケーションを記憶するサーバ装置である。具体的には、アプリケーションサーバ41は、放送局サービスサーバ12から供給される放送事業者提供アプリケーションを取り込んで記憶する。また、アプリケーションサーバ41は、サービス事業者または個人により提供されるアプリケーションを記憶する。
アプリケーションサーバ41は、受信機60からアプリケーション取得要求を取り込むと、このアプリケーション取得要求に示されるアプリケーションを読み出し、この読み出したアプリケーションを要求元の受信機60に供給する。
また、アプリケーションサーバ41は、端末装置90からアプリケーション取得要求を取り込むと、このアプリケーション取得要求に示されるアプリケーションを読み出し、この読み出したアプリケーションを要求元の端末装置90に供給する。
【0059】
コンテンツサーバ42は、複数の配信コンテンツデータを記憶するサーバ装置である。具体的には、コンテンツサーバ42は、放送局サービスサーバ12から供給される配信コンテンツデータを記憶する。また、コンテンツサーバ42は、サービス事業者または個人により提供される配信コンテンツデータを記憶する。
コンテンツサーバ42は、受信機60からコンテンツ取得要求を取り込むと、このコンテンツ取得要求に示される配信コンテンツデータを読み出し、この読み出した配信コンテンツデータを要求元の受信機60に供給する。
また、コンテンツサーバ42は、端末装置90からコンテンツ取得要求を取り込むと、このコンテンツ取得要求に示される配信コンテンツデータを読み出し、この読み出した配信コンテンツデータを要求元の端末装置90に供給する。
【0060】
個人向け広告管理サーバ43は、受信機60の視聴者の興味等に関係または対応する内容を有する広告コンテンツデータを選択し、この広告コンテンツデータを個人向け広告コンテンツデータとして受信機60に対して通知する。受信機60に端末装置90が接続されている場合、個人向け広告管理サーバ43は、個人向け広告コンテンツデータを端末装置90に供給する。個人向け広告管理サーバ43は、例えば、サーバ装置、コンピュータ装置により実現される。
個人向け広告管理サーバ43は、その機能構成として、視聴者関連情報管理部431と、広告関連情報管理部432とを備える。
【0061】
視聴者関連情報管理部431は、受信機60から供給される視聴者識別情報と受信機操作履歴情報とを取り込む。また、受信機60に端末装置90が接続されている場合、視聴者関連情報管理部431は、端末装置90から供給される視聴者識別情報と端末利用履歴情報とを取り込む。なお、以下、受信機60に端末装置90が接続されている例について説明する。視聴者関連情報管理部431は、それぞれ取り込んだ受信機操作履歴情報と端末利用履歴情報とを視聴者識別情報に対応付けて記憶する。視聴者関連情報管理部431は、視聴者嗜好情報生成装置44が送信した履歴取得要求を受信すると、記憶してある視聴者識別情報と受信機操作履歴情報と端末利用履歴情報とを読み出し、これら視聴者識別情報と受信機操作履歴情報と端末利用履歴情報とを視聴者嗜好情報生成装置44に供給する。
【0062】
また、視聴者関連情報管理部431は、視聴者嗜好情報生成装置44から供給される視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを取り込むと、視聴者識別情報をキーとして、受信機操作履歴情報と端末利用履歴情報と視聴者嗜好情報とを、視聴者関連情報に追加登録する。つまり、視聴者関連情報管理部431は、視聴者嗜好情報取得部を含む。
【0063】
広告関連情報管理部432は、放送局サービスサーバ12から供給される広告制御情報を取り込むと、視聴者関連情報管理部431から、視聴者関連情報に含まれる視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを読み込む。そして、広告関連情報管理部432は、広告制御情報と視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを用いて、広告提示時刻情報と提示可能広告コンテンツ識別情報と視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを、番組識別情報に対応付けた広告関連情報を生成する。
【0064】
広告関連情報管理部432は、広告関連情報と、広告コンテンツサーバ45に記憶された広告コンテンツ情報とに基づいて、視聴者の興味等に関係または対応する内容を有し、且つ放送番組の広告提示時間に合致する時間長を有する広告コンテンツデータを個人向け広告コンテンツデータとして選択する。例えば、広告関連情報管理部432は、広告提示時刻情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報の時刻差分に合致する時間長を有する広告コンテンツデータであって、且つ提示可能広告コンテンツ識別情報と広告コンテンツ識別情報が一致する広告コンテンツデータを、広告コンテンツ情報から抽出する。そして、広告関連情報管理部432は、これら抽出した広告コンテンツデータから、視聴者嗜好情報との適合度が最も高い特徴語を有する広告コンテンツデータを選択する。
【0065】
広告関連情報管理部432は、番組識別情報と、広告提示時刻情報と、視聴者嗜好情報と、選択した広告コンテンツデータに対応する広告コンテンツ識別情報とを、視聴者識別情報に対応付けた個人向け広告管理情報を生成する。そして、広告関連情報管理部432は、生成した個人向け広告管理情報を、視聴者識別情報に対応する受信機60に供給する。
【0066】
視聴者嗜好情報生成装置44は、放送局装置群10の放送局サービスサーバ12から供給される番組表データを取り込む。また、視聴者嗜好情報生成装置44は、視聴者関連情報管理部431に対して履歴取得要求を送信し、視聴者関連情報管理部431がその履歴取得要求を受信したことに応じて送信する視聴者識別情報と視聴者側履歴情報とを取り込む。そして、視聴者嗜好情報生成装置44は、取り込んだ番組表データおよび視聴者側履歴情報に基づいてクラスタ分析処理を実行し、視聴者嗜好情報を生成する。
【0067】
例えば、視聴者嗜好情報生成装置44は、番組表データと受信機操作履歴情報とにより特定される、視聴番組の内容、視聴時間、チャンネルの切替えタイミング、電源の入切タイミング、音量調整のタイミングおよび調整内容等の視聴状態に基づいて、視聴者識別情報に対応する視聴者を複数のカテゴリのうちのいずれかに分類したり、視聴番組に関連するキーワードを選出したりする。
【0068】
具体的には、例えば、視聴者嗜好情報生成装置44は、例えば、視聴継続時間が長い番組に視聴者の興味等が含まれると判定する。また、視聴者嗜好情報生成装置44は、番組視聴中にチャンネルが切替えられた場合、切替え元番組に視聴者の興味等は含まれない、または、切替え元番組よりも切替え先番組の方に視聴者の興味等が含まれると判定する。また、視聴者嗜好情報生成装置44は、視聴中に音量アップの操作がされた場合、その番組またはその操作時付近におけるシーンに視聴者の興味等が含まれると判定する。視聴者嗜好情報生成装置44は、番組やシーン等にカテゴリやキーワードを対応付けたデータベースをあらかじめ設ける。そして、視聴者嗜好情報生成装置44は、視聴状態に対する判定結果を適用して、カテゴリを選択したり、キーワードを選択したりして、視聴者嗜好情報を生成する。
【0069】
視聴者嗜好情報生成装置44は、生成した視聴者嗜好情報と視聴者識別情報とを対応付けて視聴者関連情報管理部431に供給する。
なお、視聴者嗜好情報生成装置44を個人向け広告管理サーバ43に含めてもよい。
【0070】
広告コンテンツサーバ45は、広告コンテンツ情報を記憶するサーバ装置である。
広告コンテンツサーバ45は、受信機60から広告コンテンツ取得要求を取り込むと、この広告コンテンツ取得要求に含まれる広告コンテンツ識別情報に対応する広告コンテンツデータを広告コンテンツ情報から読出し、この広告コンテンツデータを要求元の受信機60に供給する。
【0071】
次に、受信機60の構成について説明する。
図11は、受信機60の概略の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、受信機60は、放送信号受信部61と、放送系分離部62と、放送系管理情報取得部63と、提示制御部64と、通信部65と、通信系分離部66と、通信系管理情報取得部67と、管理情報記憶部68と、記憶部69と、操作信号受信部(操作信号取得部)70と、音声制御部71と、音声出力部72と、表示制御部73と、表示部74と、アプリケーション実行制御部75と、受信機操作履歴制御部(操作履歴制御部)76と、受信機操作履歴情報生成部(履歴情報生成部)77とを備える。
【0072】
放送信号受信部61は、例えば、受信機60に接続された受信アンテナ(不図示)により放送電波を受信して得られた放送信号を取り込む。そして、放送信号受信部61は、放送信号を復調してストリームを取得し、このストリームを放送系分離部62に供給する。このストリームは、具体的には、例えばTSである。
【0073】
放送系分離部62は、放送信号受信部61から供給されるストリームを取り込み、このストリームから番組コンテンツデータ等の各種情報を抽出する。つまり、放送系分離部62は、番組コンテンツデータ取得部を含む。具体的に、放送系分離部62は、TSに含まれるPSI/SIを参照してTSパケットのデータ種別を判別し、映像データ、音声データ、EIT、番組識別情報、アプリケーション提示制御情報等の各種情報を抽出する。ここで抽出される映像データおよび音声データは、番組コンテンツデータに含まれるデータである。また、放送系分離部62は、あらかじめ規定されているAITの伝送方法に応じて、セクションやPESを参照してAITを抽出する。
【0074】
放送系分離部62は、抽出した音声データを音声制御部71に供給する。また、放送系分離部62は、抽出した映像データを表示制御部73に供給する。
また、放送系分離部62は、ストリームから緊急消去信号を検出すると、この緊急消去信号をアプリケーション実行制御部75に供給する。つまり、放送系分離部62は、緊急消去信号検出部を含む。
【0075】
放送系管理情報取得部63は、放送系分離部62から、EIT、番組識別情報、AIT等の管理情報(放送系管理情報)を取り込み、これら管理情報を管理情報記憶部68に記憶させる。
提示制御部64は、放送系分離部62からアプリケーション提示制御情報を取り込み、このアプリケーション提示制御情報に基づき、個人向け広告コンテンツデータの提示を許可するかまたは禁止するかを示す指示情報をアプリケーション実行制御部75に通知する。
通信部65は、ネットワーク50を介してサービスサーバ群40または端末装置90と通信するネットワークインタフェースである。また、通信部65は、ネットワーク50を介さずに、電波、赤外線、ホームネットワーク等により端末装置90との間で通信するインタフェースである。
【0076】
通信系分離部66は、サービスサーバ群40から通信部65を介して供給されるデータを取り込んでデータの種類を判別し、この判別結果であるデータ種別に応じてデータから各種情報を分離する。具体的には、通信系分離部66は、取り込んだデータがTSパケットであると判別した場合、映像データ、音声データ、番組識別情報等の各種データを抽出する。ここで抽出される映像データおよび音声データは、配信コンテンツデータに含まれるデータである。つまり、通信系分離部66は、配信コンテンツデータ取得部を含む。また、通信系分離部66は、取り込んだデータから、アプリケーションを抽出する。つまり、通信系分離部66は、アプリケーション取得部を含む。通信系分離部66は、抽出した映像データおよび音声データを記憶部69に記憶させるか、アプリケーション実行制御部75に供給する。また、通信系分離部66は、抽出したアプリケーションを記憶部69に記憶させるか、アプリケーション実行制御部75に供給する。
【0077】
通信系権利情報取得部67は、通信系分離部66が抽出した番組識別情報等の管理情報(通信系管理情報)を取り込み、これら管理情報を管理情報記憶部68に記憶させる。
管理情報記憶部68は、放送系管理情報取得部63から供給されるEIT、番組識別情報、AIT等の放送系管理情報を取り込んで記憶する。また、管理情報記憶部68は、通信系管理情報取得部67から供給される番組識別情報等の通信系管理情報を取り込んで記憶する。
記憶部69は、通信系分離部66から供給される配信コンテンツデータの映像データおよび音声データ、アプリケーションを記憶する。また、記憶部69は、通信部65から供給される各データ、例えば個人向け広告管理情報を取り込んで記憶する。つまり、記憶部69は、広告管理情報取得部を含む。
管理情報記憶部68および記憶部69は、例えば、半導体記憶装置により実現される。
【0078】
操作信号受信部70は、受信機60を操作する操作機器(不図示)から送信される操作信号を受信する。そして、操作信号受信部70は、その操作信号からコードを抽出し、このコードをアプリケーション実行制御部75に供給する。操作機器は、例えば、受信機60を遠隔操作するリモコン装置、受信機60の本体に備えられた操作パネル、表示部74に対応付けられたGUIである。
【0079】
音声制御部71は、アプリケーション実行制御部75から指定される音声出力方法にしたがって、番組コンテンツデータ、アプリケーション、および配信コンテンツデータの音声を音声出力部72から出力させる。
音声出力部72は、音声制御部71から供給される音声を出力する。音声出力部72は、例えば、増幅器、スピーカ等の音響装置により実現される。
【0080】
表示制御部73は、アプリケーション実行制御部75から指定される表示方法にしたがって、番組コンテンツデータ、アプリケーション、および配信コンテンツデータの映像または静止画像を表示部74に表示させる。
表示部74は、表示制御部73から供給される映像または静止画像を表示する。表示部74は、例えば、液晶表示装置により実現される。
【0081】
音声制御部71と音声出力部72と表示制御部73と表示部74とは、提示部である。
【0082】
アプリケーション実行制御部75は、管理情報記憶部68から読み込んだAITまたは操作信号受信部70から供給されたコードによる実行指示に基づいてサービスサーバ群40にアプリケーションを要求する。また、アプリケーション実行制御部75は、取得したアプリケーションの実行を制御する。例えば、アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告提示アプリケーションを起動した場合、管理情報記憶部68から番組識別情報、記憶部69から視聴者識別情報をそれぞれ読み込んで個人向け広告提示アプリケーションを実行する。
【0083】
アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告提示アプリケーションの実行により、記憶部69から個人向け広告管理情報を読み込む。そして、アプリケーション実行制御部75は、読み込んだ個人向け広告管理情報に含まれる、開始時刻情報が示す提示開始時刻から終了時刻情報が示す提示終了時刻までの提示時間を除く時間において、番組コンテンツデータを提示するよう音声制御部71および表示制御部73を制御する。また、アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告コンテンツデータの提示を許可することを示す指示情報を提示制御部64から通知された場合に、提示時間内において個人向け広告コンテンツデータを提示するよう音声制御部71および表示制御部73を制御する。また、アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告コンテンツデータの提示を禁止することを示す指示情報を提示制御部64から通知された場合に、提示時間内において番組コンテンツデータを提示するよう音声制御部71および表示制御部73を制御する。
【0084】
また、アプリケーション実行制御部75は、操作信号受信部70から供給されるコードを取り込むと、そのコードを操作情報として受信機操作履歴情報生成部77に供給する。
また、アプリケーション実行制御部75は、取り込んだコードが個人向け広告コンテンツデータの提示を禁止することを示す個人向け広告提示禁止情報である場合、個人向け広告コンテンツデータの提示処理を禁止する。また、アプリケーション実行制御部75は、取り込んだコードが個人向け広告コンテンツデータの提示を許可することを示す個人向け広告提示許可情報である場合、個人向け広告コンテンツデータの提示処理を許可する。つまり、アプリケーション実行制御部75は、広告コンテンツ提示制御部を含む。
また、アプリケーション実行制御部75は、取り込んだコードが、受信機操作履歴情報が有効であることを示す操作履歴有効情報と、受信機操作履歴情報が無効であることを示す操作履歴無効情報とのいずれかである場合、当該情報を受信機操作履歴制御部76に対して供給する。
【0085】
また、アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告提示アプリケーションを実行中であり、且つ放送系分離部62から緊急消去信号を取り込むと、ただちに個人向け広告提示アプリケーションの実行を停止させて個人向け広告コンテンツデータの提示を停止させる。つまり、アプリケーション実行制御部75は、アプリケーション強制停止制御部を含む。
【0086】
受信機操作履歴制御部76は、受信機操作履歴情報生成部77による受信機操作履歴情報の生成処理を制御する。具体的には、受信機操作履歴制御部76は、アプリケーション実行制御部75から供給される操作履歴有効情報または操作履歴無効情報を取り込む。受信機操作履歴制御部76は、操作履歴有効情報を取り込むと、受信機操作履歴情報の生成処理を許可する信号である操作履歴情報生成許可信号を受信機操作履歴情報生成部77に供給する。また、受信機操作履歴制御部76は、操作履歴無効情報を取り込むと、受信機操作履歴情報の生成処理を禁止する信号である操作履歴情報生成禁止信号を受信機操作履歴情報生成部77に供給する。
【0087】
受信機操作履歴情報生成部77は、受信機操作履歴情報を生成して記憶する。そして、受信機操作履歴情報生成部77は、定期またはあらかじめ決められた時刻に、記憶した受信機操作履歴情報を読み出し、この受信機操作履歴情報を視聴者側履歴情報供給部である通信部65に供給する。
【0088】
具体的に、受信機操作履歴情報生成部77は、図示しない計時部を備える。計時部は、現在日時(例えば“年月日時分秒”)を計測する。受信機操作履歴情報生成部77は、受信機操作履歴制御部76から供給される操作履歴情報生成許可信号を取り込むと、受信機操作履歴情報の生成処理を実行する。受信機操作履歴情報の生成処理として、具体的には、受信機操作履歴情報生成部77は、アプリケーション実行制御部75から供給される操作情報を取り込むと、その取り込んだタイミングで計時部から現在日時を取得する。そして、受信機操作履歴情報生成部77は、操作情報と現在日時とを対応付けた受信機操作履歴情報を生成し、この受信機操作履歴情報を記憶する。受信機操作履歴情報生成部77は、定期またはあらかじめ定められた時刻に、受信機操作履歴情報を読み出して通信部65に供給する。
また、受信機操作履歴情報生成部77は、受信機操作履歴制御部76から供給される操作履歴情報生成禁止信号を取り込むと、受信機操作履歴情報の生成処理を実行せず、且つ通信部65に対する受信機操作履歴情報の供給も実行しない。
【0089】
次に、放送通信連携システム1の動作について説明する。
まず、受信機60と端末装置90と個人向け広告管理サーバ43とが実行する処理について説明する。
受信機60は、視聴者により操作されるたびに、その操作に対する操作情報と操作日時を示す情報とを、受信機操作履歴情報に追加登録する。そして、受信機60は、定期(例えば、10分ごと)またはあらかじめ決められた時刻(例えば、毎時0分)に、視聴者識別情報と受信機操作履歴情報とを、個人向け広告管理サーバ43の視聴者関連情報管理部431に供給する。
【0090】
また、端末装置90は、利用された内容を示す情報と利用日時を示す情報とを、端末利用履歴情報に追加登録する。端末装置90は、定期(例えば、10分ごと)もしくはあらかじめ決められた時刻(例えば、毎時0分)、または利用されるたびに、視聴者識別情報と端末利用履歴情報とを、視聴者関連情報管理部431に供給する。
【0091】
視聴者関連情報管理部431は、受信機60から定期または指定時刻に供給される、視聴者識別情報と受信機操作履歴情報とを取り込み、また、端末装置90から供給される、視聴者識別情報と端末利用履歴情報とを取り込む。次に、視聴者関連情報管理部431は、これら取り込んだ受信機操作履歴情報と端末利用履歴情報とを、共通する視聴者識別情報に対応付けた視聴者関連情報を生成して記憶する。ただし、視聴者関連情報管理部431は、例えば、一定期間分で最新の視聴者関連情報を記憶している。
【0092】
次に、個人向け広告管理サーバ43および視聴者嗜好情報生成装置44が実行する処理について説明する。
図12は、個人向け広告管理サーバ43および視聴者嗜好情報生成装置44が実行する、視聴者嗜好情報の生成・取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0093】
まず、個人向け広告管理サーバ43の視聴者関連情報の取得処理について説明する。
ステップS21において、視聴者関連情報管理部431は、視聴者嗜好情報生成装置44が送信した履歴取得要求を受信すると、この履歴取得要求を取り込む。
次に、ステップS22において、視聴者関連情報管理部431は、記憶された視聴者関連情報から、視聴者識別情報と、受信機操作履歴情報および端末利用履歴情報またはいずれか一方の情報(視聴者側履歴情報)とを抽出し、これら視聴者識別情報と視聴者側履歴情報とを視聴者嗜好情報生成装置44に供給する。
次に、ステップS23において、視聴者関連情報管理部431は、視聴者嗜好情報生成装置44が送信した視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを受信すると、これら視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを取り込む。
次に、ステップS24において、視聴者関連情報管理部431は、視聴者識別情報をキーとして視聴者嗜好情報を視聴者関連情報に追加登録する。
【0094】
次に、視聴者嗜好情報生成装置44の視聴者嗜好情報の生成処理について説明する。
ステップS41において、放送局サービスサーバ12から供給された番組表データを取り込んだ視聴者嗜好情報生成装置44は、個人向け広告管理サーバ43の広告関連情報管理部432に対して履歴取得要求を送信する。
次に、ステップS42において、視聴者嗜好情報生成装置44は、視聴者関連情報管理部431が送信した、視聴者識別情報と視聴者側履歴情報とを受信すると、これら視聴者識別情報と視聴者側履歴情報とを取り込む。
次に、ステップS43において、視聴者嗜好情報生成装置44は、取り込んだ視聴者側履歴情報に基づきクラスタ分析処理を実行し、視聴者嗜好情報を生成する。
次に、ステップS44において、視聴者嗜好情報生成装置44は、視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを視聴者関連情報管理部431に対して送信する。
【0095】
次に、個人向け広告管理サーバ43および受信機60が実行する処理について説明する。
図13は、個人向け広告管理サーバ43および受信機60が実行する、個人向け広告管理情報の生成・取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0096】
まず、個人向け広告管理サーバ43の個人向け広告管理情報の生成処理について説明する。
ステップS61において、広告関連情報管理部432は、放送局サービスサーバ12が送信した広告制御情報を受信すると、この広告制御情報を取り込む。
次に、ステップS62において、広告関連情報管理部432は、視聴者関連情報管理部431から、視聴者関連情報に含まれる視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを読み込む。
次に、広告関連情報管理部432は、広告制御情報と視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを用いて、広告提示時刻情報と提示可能広告コンテンツ識別情報と視聴者識別情報と視聴者嗜好情報とを、番組識別情報に対応付けた広告関連情報を生成する。
【0097】
次に、ステップS63において、広告関連情報管理部432は、広告関連情報と、広告コンテンツサーバ45に記憶された広告コンテンツ情報とに基づいて、個人向け広告コンテンツデータを選択する。例えば、広告関連情報管理部432は、広告提示時刻情報に含まれる開始時刻情報および終了時刻情報の時刻差分に合致する時間長を有する広告コンテンツデータであって、且つ提示可能広告コンテンツ識別情報と広告コンテンツ識別情報が一致する広告コンテンツデータを、広告コンテンツ情報から抽出する。
次に、広告関連情報管理部432は、これら抽出した広告コンテンツデータから、視聴者嗜好情報との適合度が最も高い特徴語を有する広告コンテンツデータを選択する。
次に、広告関連情報管理部432は、番組識別情報と、広告提示時刻情報と、視聴者嗜好情報と、選択した広告コンテンツデータに対応する広告コンテンツ識別情報とを、視聴者識別情報に対応付けた個人向け広告管理情報を生成する。
【0098】
次に、ステップS64において、広告関連情報管理部432は、個人向け広告管理情報を受信機60に対して送信する。
【0099】
次に、受信機60の個人向け広告管理情報の取得処理について説明する。
ステップS81において、受信機60の通信部65は、広告関連情報管理部432が送信した個人向け広告管理情報を受信すると、この個人向け広告管理情報を取り込む。
次に、ステップS82において、通信部65は、取り込んだ個人向け広告管理情報を記憶部69に記憶させる。
【0100】
次に、受信機60が実行する個人向け広告提示アプリケーションによる提示処理について説明する。
図14は、受信機60が実行する、個人向け広告提示アプリケーションによる提示処理の手順を示すフローチャートである。
放送信号受信部61は、放送信号を取り込むと(S101:YES)、ステップS102の処理に移す。
ステップS102において、放送信号受信部61は、取り込んだ放送信号を復調してストリームを取得し、このストリームを放送系分離部62に供給する。
【0101】
次に、ステップS103において、放送系分離部62は、放送信号受信部61から供給されたストリームを取り込み、このストリームから番組コンテンツデータの映像データおよび音声データ、EIT、番組識別情報、アプリケーション提示制御情報等の各種情報を抽出する。また、放送系分離部62は、あらかじめ規定されているAITの伝送方法に応じて、セクションやPESを参照してAITを抽出する。
放送系分離部62は、抽出した音声データを音声制御部71に供給し、また抽出した映像データを表示制御部73に供給する。
放送系管理情報取得部63は、放送系分離部62から、EIT、番組識別情報、AIT等の放送系管理情報を取り込み、これら放送系管理情報を管理情報記憶部68に記憶させる。
提示制御部64は、放送系分離部62からアプリケーション提示制御情報を取り込む。
【0102】
次に、ステップS104において、アプリケーション実行制御部75は、記憶部69から個人向け広告管理情報を読み込む。
次に、ステップS105において、提示制御部64は、アプリケーション提示制御情報に基づいて個人向け広告コンテンツデータ提示を許可するかまたは禁止するかを示す指示情報をアプリケーション実行制御部75に通知する。例えば、アプリケーション提示制御情報におけるポリシーレベルが“2”または“1”である場合、提示制御部64は、個人向け広告コンテンツデータの提示を許可することを示す指示情報をアプリケーション実行制御部75に通知する。また、アプリケーション提示制御情報におけるポリシーレベルが“4”または“3”である場合、提示制御部64は、個人向け広告コンテンツデータの提示を禁止することを示す指示情報をアプリケーション実行制御部75に通知する。
【0103】
次に、ステップS106において、アプリケーション実行制御部75は、個人向け広告管理情報に含まれる広告コンテンツ識別情報を含めた広告コンテンツ取得要求を生成し、この広告コンテンツ取得要求を通信部65に供給する。そして、通信部65は、アプリケーション実行制御部75から供給された広告コンテンツ取得要求を取り込み、この広告コンテンツ取得要求を広告コンテンツサーバ45に対して送信する。
【0104】
通信部65は、広告コンテンツデータを取り込むと(S107:YES)、ステップS108の処理に移す。
ステップS108において、アプリケーション実行制御部75は、提示制御部64による提示制御に基づき、個人向け広告管理情報に含まれる広告提示時刻情報にしたがって、広告コンテンツデータに含まれる、音声データを音声制御部71に供給し、映像データを表示制御部73に供給する。
【0105】
以上、説明したように、本発明の一実施形態における放送通信連携システム1において、受信機60は、個人向けコンテンツ提示アプリケーションをアプリケーションサーバ41から取得して実行することにより、定期またはあらかじめ決められた時刻に、受信機操作履歴情報を個人向け広告管理サーバ43に供給する。
【0106】
受信機操作履歴情報を取り込んだ個人向け広告管理サーバ43は、その受信機操作履歴情報を視聴者嗜好情報生成装置44に供給し、その受信機操作履歴情報を取得した視聴者嗜好情報生成装置44から視聴者嗜好情報を取得する。また、個人向け広告管理サーバ43は、放送局サービスサーバ12から広告制御情報を取り込む。そして、個人向け広告管理サーバ43は、広告制御情報と視聴者嗜好情報とに基づいて、広告コンテンツサーバ45に記憶された広告コンテンツ情報から個人向け広告コンテンツデータを選択し、個人向け広告管理情報を生成する。個人向け広告コンテンツデータは、番組コンテンツデータにおける広告コンテンツデータの提示時間に一致し、且つ視聴者の興味等に関係または対応した内容を有する広告コンテンツデータである。
【0107】
受信機60は、個人向け広告管理サーバ43から供給される個人向け広告管理情報を取り込んで記憶する。そして、受信機60は、広告管理情報に基づいて個人向け広告コンテンツデータを広告コンテンツサーバ45から取り込み、番組コンテンツデータに含まれる広告コンテンツデータのみを個人向け広告コンテンツデータに置き換えて提示する。
【0108】
このように構成したことにより、本実施形態である受信機60によれば、視聴者の興味、嗜好、関心、趣味等に関係または対応した内容を有する個人向け広告を、放送番組にあらかじめ組み込まれている通常の広告に置き換えて提示することができる。すなわち、放送通信連携サービスを受ける視聴者は、放送番組の視聴において、自分に適した内容の広告を視聴することができる。
【0109】
なお、放送局装置群10は、広告制御情報に含まれる番組識別情報と広告提示時刻情報とを、EITに含めてもよい。また、放送局装置群10は、番組識別情報と広告提示時刻情報とを、イベントメッセージ伝送方式により送信してもよい。
【0110】
また、番組編成装置111は、AITをEITに含めて多重化してもよい。また、放送設備11は、データカルーセル伝送方式によりAITを送信してもよい。この場合、放送設備11は、受信機60がAITを検出できるようモジュールにAITの識別情報を付加する。また、番組編成装置111は、AITをPESに含めて多重化してもよい。また、番組編成装置111は、AITをバイナリまたはXML(Extensible Markup Language)によるテキストによって生成し、この生成したAITをTSパケットに多重化してもよい。
また、コンテンツサーバ42が、受信機60からのAITの取得要求を受けたことに応じて、AITを多重化した番組コンテンツデータを受信機60に供給するようにしてもよい。
【0111】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 放送通信連携システム
10 放送局装置群
11 放送設備
12 放送局サービスサーバ(放送局装置)
20 送信アンテナ
30 ネットワーク
40 サービスサーバ群
41 アプリケーションサーバ(アプリケーション記憶装置)
42 コンテンツサーバ
43 個人向け広告管理サーバ(広告管理装置、外部装置)
44 視聴者嗜好情報生成装置
45 広告コンテンツサーバ(広告コンテンツ記憶装置)
50 ネットワーク
60−1〜60−3 受信機
61 放送信号受信部
62 放送系分離部
63 放送系管理情報取得部
64 提示制御部
65 通信部
66 通信系分離部
67 通信系管理情報取得部
68 管理情報記憶部
69 記憶部
70 操作信号受信部(操作信号取得部)
71 音声制御部
72 音声出力部
73 表示制御部
74 表示部
75 アプリケーション実行制御部
76 受信機操作履歴制御部(操作履歴制御部)
77 受信機操作履歴情報生成部(履歴情報生成部)
90 端末装置
111 番組編成装置
112 番組送出装置
113 送信装置
431 視聴者関連情報管理部
432 広告関連情報管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14