(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891825
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
H04N5/225 F
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-21822(P2012-21822)
(22)【出願日】2012年2月3日
(65)【公開番号】特開2013-162279(P2013-162279A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】田代 元
【審査官】
佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−268419(JP,A)
【文献】
特開2007−108281(JP,A)
【文献】
特開2011−078002(JP,A)
【文献】
特開2009−159118(JP,A)
【文献】
特開2008−199318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体に対して向きが変更可能な表示面を有する第2筐体と、
外部機器を取付可能であり、前記第2筐体が有する面のうち前記表示面以外の面に設けられた、前記外部機器を電気的に接続する端子を有する第1取付部と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記第2筐体が有する面のうち前記表示面がある面以外に設けられている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記第2筐体が有する面のうち前記表示面と反対側の面に設けられている請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1取付部は、前記第2筐体に収納可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1筐体は、外部機器を取付可能であり、かつ電気的に接続する端子を有する第2取付部を備える請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2筐体は、前記表示面の傾きを計測する水準器を備える請求項1〜5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記外部機器は、外部マイクである請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記外部機器は、GPSユニットである請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記外部機器は、電子ビューファインダである請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外部マイクの取付けが可能な撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置は、装置本体にカメラシューアダプタを固定して、そのカメラシューアダプタに外部マイクを取付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3538875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の撮像装置は、外部マイクを取付けるためのカメラシューアダプタを装置本体に固定する必要があるため、装置全体が大きくなってしまい持ち運びが不便になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、外部機器を取付けても持ち運びしやすい
表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の
表示装置は、
第1筐体に対し
て向きが
変更可能な表示面を有する第2筐体と、
外部機器を取付可能であり、前記第2筐体が有する面のうち前記表示面以外の面に設けられ
た、前記外部機器を電気的に接続する端子を有する第1取付部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の
表示装置によれば、外部機器を取付けても持ち運びしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す正面図である。
【
図2】実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す背面図である。
【
図3】実施の形態に係る表示部を開いた状態のデジタルカメラを示す背面図である。
【
図4】実施の形態に係る表示部を開いた状態のデジタルカメラを示す正面図である。
【
図5】GPSユニットを取り付けたデジタルカメラの外観を示す正面図である。
【
図6】GPSユニットを取り付けたデジタルカメラの外観を示す側面図である。
【
図7】他の形状のアクセサリー取付部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラについて説明する。
図1は実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す正面図である。
図1に示すようにデジタルカメラ2の前面には、被写体からの光を不図示の撮像素子に導く撮影レンズ4、内蔵フラッシュからの光を射出するフラッシュ窓6が設けられている。また、デジタルカメラ2の上面には、静止画像あるいは動画像の撮影時に合焦や撮影開始の指示操作を行うレリーズボタン8、撮影用の照明光を発光する照明装置を装着するホットシュー10が設けられている。
【0010】
図2は実施の形態に係るデジタルカメラの外観を示す背面図である。
図2に示すようにデジタルカメラ2の背面には、被写体を目視観察するために用いる若しくは撮影画像を表示する接眼式電子ビューファインダ(以下、EVFという。)12、メニュー項目等の選択や様々な設定操作を受け付ける操作ボタン14、LCDパネル16aに撮影画像及び撮影に関する種々の情報を表示する表示部16が設けられている。
【0011】
表示部16は、デジタルカメラ2の本体に対し、ヒンジ部18を回転軸として左右方向に回動可能であり、かつ上下方向に回転可能に取り付けられた所謂バリアングル方式の表示部である。即ち、表示部16は、
図2に示すようにデジタルカメラ2の背面に合わさるように位置する閉状態と、
図3に示すようにデジタルカメラ2を背面側から見たときのデジタルカメラ2の筐体の左側に位置する開状態との間で回動可能である。更に表示部16は、開状態のときデジタルカメラ2の本体に対して上下方向に回転可能であり、LCDパネル16aを反転させる等、LCDパネル16aの向きを変えることができる。
【0012】
図4は実施の形態に係る表示部を開いた状態のデジタルカメラを示す正面図である。この
図4は、
図3に示す状態のデジタルカメラ2の外観を正面から見たものである。
図4に示すように表示部16のLCDパネル16aが設けられている面の反対面には、GPSユニットや外部マイク等の外部機器を取付けるためのホットシューとしてのアクセサリー取付部22が設けられている。ここで、GPSユニットは、GPS衛星から電波を受信し、受信した電波に基づいて現在位置を計測する機器である。また外部マイクは、周囲の音声を集音する機器である。
【0013】
なお、アクセサリー取付部22は、ポップアップ型であり、表示部16のアクセサリー取付部22が設置されている面よりも外側に突出する突出状態又は、表示部16内に収納される収納状態の何れかの状態に切り替え可能に構成される。また表示部16には、収納状態になったアクセサリー取付部22の上方を覆う例えばスライド式のカバー部(図示せず)が設けられている。
【0014】
アクセサリー取付部22には、外部機器と電気的に接続するための接点が設けられている。アクセサリー取付部22の接点は、表示部16内及びヒンジ部18内を介してデジタルカメラ2の不図示の基板に接続されている。従ってアクセサリー取付部22に外部機器を取り付けたとき、外部機器とデジタルカメラ2とが電気的に接続される。
【0015】
また、表示部16は、ヒンジ部18が設けられている側面に対して、反対側に位置する側面に外部機器の端子と接続するための端子20(
図5、
図6参照。)を有している。この端子20は、表示部16内及びヒンジ部18内を介してデジタルカメラ2の不図示の基板に接続されている。そのため接点を備えていない外部機器をアクセサリー取付部22に取付ける場合には、外部機器側の端子を端子20に接続させてデジタルカメラ2と外部機器とを電気的に接続させる。
【0016】
次に、上述のデジタルカメラ2のアクセサリー取付部22にGPSユニットを取付けて使用する場合について説明する。ここでGPSユニットは、アクセサリー取付部22の接点に接続する接点を備えていないものとする。先ず
図5に示すように、アクセサリー取付部22の向きがホットシュー10と同じ向きになるように表示部16を回転させ、GPSユニット24をアクセサリー取付部22に取付ける。そして端子20にGPSユニット24側の端子を差し込んで接続させることにより、GPSユニット24が使用可能となる。
【0017】
GPSユニット24による電波受信の感度が悪い場合には、
図6の矢印で示すデジタルカメラ2の上下方向に表示部16を回転させ、電波受信の感度の良い位置にGPSユニット24の向きを調整する。
【0018】
なお、アクセサリー取付部22にGPSユニット24を取付けて使用する場合には、表示部16を回転させて、
図5に示すようにLCDパネル16aを下方に向ける場合がある。この場合、撮影者はLCDパネル16aに表示される画像の確認ができず、撮影を行なうことが不便になる。そのためデジタルカメラ2の制御部は、端子20に外部機器の端子が接続された場合には、EVF12がオンの状態になるように制御を行ない、撮影者がEVF12を覗きながら撮影を行なうことができるようにする。
【0019】
この実施の形態によれば、バリアングル方式の表示部16のLCDパネル16aが設けられている面の反対側の面にアクセサリー取付部22を設けている。そのためカメラシューアダプタ等を用いること無く外部機器を取付けることができ、外部機器を取付けた場合に持ち運びしやすく利便性が向上する。
【0020】
また、ホットシュー10とアクセサリー取付部22とを使えば、カメラシューアダプタ等をデジタルカメラ2に取付けること無く、複数の外部機器を同時に取付けることができてより利便性が向上する。
【0021】
また、
図6に示すように表示部16の側面に、アクセサリー取付部22に取付けたGPSユニット24の端子を接続する端子20が設けられているため、表示部16を回転させた場合にGPSユニット24から伸びるコードが表示部16に絡まることを防止することができる。
【0022】
なお、上述の実施の形態においては、アクセサリー取付部22に外部マイクを取付けることも可能である。アクセサリー取付部22に外部マイクを取り付けた場合には、表示部16を回転させることにより、外部マイクを音源が存在する方向に向けることができ、例えば撮影者の音声等を録音することができる。またホットシュー10に外部マイクを取付ける場合と比較して、外部マイクとデジタルカメラ2の筐体との距離が離れる。そのため外部マイクが集音する音声にズーム位置やフォーカス位置を移動させた時の撮影レンズの駆動音が入らなくなり、雑音の無い音声を録音することができる。
【0023】
また、上述の実施の形態においては、被写体に光を照射する外付けのフラッシュ装置をアクセサリー取付部22に取付けることも可能である。アクセサリー取付部22にフラッシュ装置を取付けることにより、内蔵フラッシュからの光をフラッシュ窓6から射出する場合と比較して、撮影レンズ4から離れた位置からの光により被写体に照射することができる。従って被写体に対して斜め方向から光を照射することができ、人物を撮影した際に人物の目が赤目になるのを防止することができる。
【0024】
また、アクセサリー取付部22に取り付けたフラッシュ装置によって撮影レンズ4から離れた位置からの光を被写体に対して照射することにより、ケラレの発生しない範囲を拡大させることができる。更にアクセサリー取付部22にフラッシュ装置を取り付けた状態で表示部16を回転させることにより、容易にバウンス撮影を行なうことができる。
【0025】
また、上述の実施の形態においては、アクセサリー取付部22に外付けのEVFを取付けることも可能である。例えばEVFを備えていないデジタルカメラであって、太陽光の明るさによってLCDパネル16aに表示されているスルー画像が見づらい場合には、外付けのEVFをアクセサリー取付部22に取付けることにより、EVFを覗きながら撮影を行なうことができる。
【0026】
また、上述の実施の形態においては、アクセサリー取付部22が外部機器と電気的に接続するための接点を有している。しかしこれに限らずアクセサリー取付部22は、接点を有していない外部機器を取付けるだけのアクセサリーシューであってもよい。
【0027】
また、上述の実施の形態においては、表示部16の傾きを計測して視認可能に表示する水準器を設けてもよい。
【0028】
また、上述の実施の形態においては、アクセサリー取付部22を
図4に示す形状のホットシューとしたが、これに限らず
図7に示すように表示部16のLCDパネル16aが設けられている面の反対側の面に溝を形成し、その溝の側面に凹形状の嵌合部30aを形成したアクセサリー取付部30であってもよい。その場合、外部機器側に形成された凸形状の取付部を嵌合部30aに嵌合させてアクセサリー取付部30に外部機器を取付ける。なお、このようなアクセサリー取付部30を設けた場合においても、上述の実施の形態のアクセサリー取付部22を設けた場合と同様に、アクセサリー取付部30の上面を覆う例えばスライド式のカバ−部を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0029】
2…デジタルカメラ、4…撮影レンズ、6…フラッシュ窓、8…レリーズボタン、10…ホットシュー、12…EVF、14…操作ボタン、16…表示部、16a…LCDパネル、18…ヒンジ部、20…端子。