特許第5891832号(P5891832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891832
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】撮像ユニットおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20160310BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
   H04N5/225 E
   G03B17/02
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-28396(P2012-28396)
(22)【出願日】2012年2月13日
(65)【公開番号】特開2013-165438(P2013-165438A)
(43)【公開日】2013年8月22日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西尾 智
【審査官】 藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−098410(JP,A)
【文献】 特開2008−301272(JP,A)
【文献】 特開2011−010094(JP,A)
【文献】 特開平03−026598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G03B 17/02 ,17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前面に配設されて前記光学像を透過させる光学部材と、
前記撮像素子と前記光学部材に挟持されるゴム部材と、
前記光学部材を振動させる振動素子と、
を備え、
前記ゴム部材は、少なくとも一部に、前記振動素子を振動させる回路基板と前記振動素子とを接続する導電部を有する撮像ユニット。
【請求項2】
前記ゴム部材は、前記導電部と、隣接する非導電部とが一体的に形成されている請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項3】
前記導電部は、前記回路基板と前記振動素子の接続方向に、前記非導電部よりも突出している請求項2に記載の撮像ユニット。
【請求項4】
前記ゴム部材は、前記撮像素子と前記光学部材の間に閉塞空間を形成する請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
【請求項5】
前記ゴム部材は、前記閉塞空間と外部空間とを接続する空気溝を有する請求項4に記載の撮像ユニット。
【請求項6】
前記空気溝は、前記導電部以外の部分に設けられた請求項5に記載の撮像ユニット。
【請求項7】
前記撮像素子を固定する固定板と、
前記光学部材を前記固定板側へ押圧する押圧板と
を備え、
前記振動素子は、前記ゴム部材と前記押圧板との間に形成された密封空間に配置された請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
【請求項8】
前記振動素子は圧電素子であり、
前記ゴム部材は、前記圧電素子の両端部に対応して2つの前記導電部を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像ユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像ユニットと、
前記振動素子を振動させる振動制御部と
を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像ユニットおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換式のカメラにおいて、撮像素子を覆うカバーガラス等の光学素子に塵埃が付着すると、撮影画像データに黒点が写り込む。この塵埃を除去すべく光学素子に振動素子を設け、共振周波数を含む周波数帯域で振動制御を行う技術が知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2009−10736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば振動素子として圧電素子を用いる場合に、圧電素子を光学素子の撮像素子側へ貼着すると、撮像ユニットの厚みを軽減できる反面、圧電素子からの配線の引き出しにより、光学素子と撮像素子の間の空間の防塵性が低下した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様における撮像ユニットは、光学像を電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子の前面に配設されて光学像を透過させる光学部材と、撮像素子と光学部材に挟持されるゴム部材と、光学部材を振動させる振動素子と、を備え、ゴム部材は、少なくとも一部に、振動素子を振動させる回路基板と振動素子とを接続する導電部を有する。
【0005】
本発明の第2の態様における撮像装置は、上記の撮像ユニットと、振動素子を振動させる振動制御部とを備える。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一眼レフカメラの要部断面図である。
図2】一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
図3】撮像ユニットを分解した様子と組み立てた様子を示す斜視図である。
図4】撮像ユニットの正面図等である。
図5図4のC部拡大図である。
図6図4のG部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、入射する被写体光束を結像させるレンズユニット20と、撮像装置本体としてのカメラユニット30が組み合わされて構成される。
【0010】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列されたレンズ群21を備える。レンズ群21は、入射する被写体光束をカメラユニット30へ導く。レンズ群21は、鏡筒22に支持されている。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント23を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラユニット30と一体化する。レンズマウント23とカメラマウント31はそれぞれ通信端子を備えており、マウント同士が係合したときに互いの通信端子が接続される。
【0011】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー32と、メインミラー32で反射された被写体光束が結像するピント板33を備える。メインミラー32は、ミラーボックス35の内部でメインミラー回転軸34周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される反射状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。メインミラー回転軸34は、ミラーボックス35の側壁に支持される。
【0012】
ピント板33は、撮像素子36の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板33で結像した被写体像は、ペンタプリズム37で正立像に変換され、接眼光学系38を介してユーザに観察される。また、ペンタプリズム37の射出面上方には測光センサ39が配置されており、被写体像の輝度分布を検出する。
【0013】
斜設状態におけるメインミラー32の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー32と連動して揺動するサブミラー40で反射されて、合焦光学系41へ導かれる。合焦光学系41を通過した被写体光束は、合焦センサ42へ入射される。合焦センサ42は、受光した被写体光束から位相差信号を検出する。なお、サブミラー40は、メインミラー32が被写体光束から退避する場合は、メインミラー32に連動して被写体光束から退避する。
【0014】
斜設されたメインミラー32の後方には、光軸11に沿って、フォーカルプレーンシャッタ43と撮像ユニット45が配列されている。撮像ユニット45は、撮像素子36を含む。被写体光束は、レンズ群21を透過してカメラユニットへ入射し、メインミラー32およびサブミラー40が退避状態となったミラーボックス35の内部と開放状態のフォーカルプレーンシャッタ43を通過して、撮像素子36の受光面で結像する。撮像ユニット45の構造については後に詳述するが、本実施形態においては、撮像ユニット45の一部を振動させることにより表面に付着した塵埃90を弾き飛ばす。
【0015】
撮像素子36は、例えばCMOSセンサなどの光電変換素子であり、受光面で結像した被写体像を電気信号に変換する。撮像素子36は、メイン基板46と電気的に接続されている。メイン基板46には、カメラユニット30の全体を制御するカメラシステム制御部47等の電気素子が搭載されている。
【0016】
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による表示ユニット48が配設されており、画像処理された被写体画像が表示される。表示ユニット48は、撮影後の静止画像に限らず、各種メニュー情報、撮影情報、告知情報等を表示する。また、カメラユニット30には着脱可能な二次電池49が収容され、二次電池49は、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
【0017】
撮影光路中に存在する塵埃は、撮像素子36の受光面に影を落とし、生成される画像データに陰影領域を生じさせる。例えば、陰影領域が存在する画像データからプリントされた写真は、被写体像の一部が欠落して黒点を生じているので、鑑賞の対象とするには著しく品位に欠けたものになり得る。
【0018】
塵埃は、様々な形態をもって撮影光路中に侵入する。例えば、レンズユニット20がカメラユニット30から取り外されたときに、カメラユニット30の周辺で浮遊する塵埃が、外界に対して曝されたミラーボックス35に侵入する。そして、フォーカルプレーンシャッタ43の開放時に移動して、撮像ユニット45の表面に付着し得る。また、カメラユニット30の内部において、メインミラー32、フォーカルプレーンシャッタ43などの駆動部の摺動を原因とする削りかす等の飛散によっても、これらが塵埃となって撮影光路中に侵入し得る。そこで、本実施形態における撮像ユニット45は、撮影光路中の塵埃でも画像データに与える影響が特に大きい、撮像ユニット45の表面に付着する塵埃90を弾き飛ばす機構を備える。
【0019】
図2は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10のシステム構成を概略的に示すブロック図である。一眼レフカメラ10のシステムは、レンズユニット20とカメラユニット30のそれぞれに対応して、レンズシステム制御部27を中心とするレンズ制御系と、カメラシステム制御部47を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント23とカメラマウント31によって接続される通信端子を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0020】
カメラ制御系に含まれる画像処理部54は、カメラシステム制御部47からの指令に従って、撮像素子36で光電変換された撮像信号を画像データに処理する。処理された画像データは、表示制御部53へ送られて、例えば撮影後の一定時間の間、表示ユニット48に表示される。これに並行して、処理された画像データは、予め定められた画像フォーマットに加工され、外部接続IF55を介して外部メモリに記録される。
【0021】
カメラメモリ51は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、一眼レフカメラ10を制御するプログラム、各種パラメータなどを記憶する役割を担う。ワークメモリ52は、例えばRAMなどの高速アクセスできるメモリであり、処理中の画像データを一時的に保管する役割などを担う。
【0022】
カメラ動作制御部56は、カメラシステム制御部47からの指令に従ってメインミラー32、サブミラー40、フォーカルプレーンシャッタ43等を動作させる。圧電素子制御部57は、カメラシステム制御部47からの指令に従って後述する圧電素子を振動させる。電源制御部58は、二次電池49が供給する電力を監視すると共に、二次電池49の充電制御を実行する。操作入力部59は、レリーズボタン等の操作部材がユーザに操作されたことを検出して、カメラシステム制御部47へ出力する。レンズシステム制御部27は、カメラシステム制御部47からの制御信号を受けて各種動作を制御する。
【0023】
図3は、撮像ユニット45を分解した様子(図3(a))と組み立てた様子(図3(b))を示す斜視図である。撮像ユニット45は、撮像素子36の他に、固定板61、回路基板62、ゴム部材64、圧電素子65、光学LPF66、シールリング67、押圧板68およびビス69を含む。光学LPF66は、撮像素子36の前面に配設されている。したがって、撮像ユニット45においては、光学LPF66が撮影光路に露出されて配置されるので、飛来する塵埃は光学LPF66の表面に付着することになる。
【0024】
固定板61は、撮像ユニット45のベースとなる部材である。したがって、固定板61は、剛性の高い、例えば金属板で形成されている。撮像素子36は、固定板61に保持されており、固定板61を介してメイン基板46に実装されている。
【0025】
回路基板62は、圧電素子65を駆動する駆動回路の少なくとも一部が搭載されている硬質板状の基板であり、例えばガラスエポキシ基板である。回路基板62は、メイン基板46と接続されると共に、後述するように圧電素子65とも接続される。これにより、メイン基板46に搭載されたカメラシステム制御部47の制御に従って圧電素子65が振動する。
【0026】
光学LPF66は、レンズユニット20を透過した被写体光束から高周波成分等を取り除いて、光学像としての被写体光束を撮像素子36へと導く板状の光学フィルタである。光学LPF83は、枠体状に形成されたゴム部材64により、撮像素子36の表面と一定の距離を保って撮像素子36と一体的に支持される。
【0027】
撮像ユニット45は、図示するように1つの圧電素子65を有する。圧電素子65は、光学LPF66のうち撮像素子36側表面のyマイナス方向縁部の領域に、x方向を長手方向として貼着される。圧電素子65は、鋸歯状の波形の電圧を連続的に印加することにより、繰り返し伸張して振動をする振動素子である。圧電素子65は、例えば30kHzから200kHzの範囲の周波数で振動して、光学LPF66を振動させる。光学LPF66の表面に付着した塵埃は、光学LPF66が比較的大きな加速度をもって振動することにより、弾き飛ばされる。
【0028】
ゴム部材64は、上述のように、光学LPF83と撮像素子36との間に介在して閉塞された空間を形成すると共に、その一部は、回路基板62と圧電素子65とに挟圧されて、両者を電気的に導通させる。詳細については後述する。
【0029】
押圧板68は、シールリング67を介して、光学LPF66、圧電素子65、ゴム部材64、撮像素子36、回路基板62を固定板61へ向かって押圧する。押圧板68は、これらを押圧した状態で、ビス69により固定板61に対してビス止めされる。したがって、押圧板68は、面方向に若干の可撓性を有し、例えばSUSによって形成される。シールリング67は、撮像素子36の有効光束を妨げないようにこれを取り囲む環状の弾性部材である。
【0030】
なお、圧電素子65による振動は、光学LPF66からゴム部材64およびシールリング67にも伝わるが、これらの振動は、その弾性により吸収されて減衰する。このため、圧電素子65の振動は、撮像素子36、押圧板68等の支持部材と共振し合うことはない。
【0031】
図4は、撮像ユニット45の正面図等である。具体的には、中心部に押圧板68の一部を切り欠いた正面図を示し、正面図の右側には右側面図を、下側には正面図のA−AラインにおけるA−A断面図を、左側には正面図のB−BラインにおけるB−B断面図を示す。
【0032】
正面図に示すように、光学LPF66は、撮像素子36の有効画素領域(略シールリングに囲まれた領域)を覆うのみならず、当該領域から更に下方向(yマイナス方向)に延出した矩形形状を成す。上述のように、この延出した領域の撮像素子36側の表面には、点線で示すように、圧電素子65が貼着されている。
【0033】
圧電素子65の両端には電極部が設けられており、それぞれの電極部に対して、ゴム部材64の導電部である第1導電部71と第2導電部72が接触している。圧電素子制御部57は、例えば第1導電部71にプラスマイナスの電圧を交互に印加すると共に第2導電部72をグランド接続する交流電圧により、あるいは、第1導電部71および第2導電部72に互いに異なる極性の電圧を交互に印加する交流電圧により、圧電素子65を振動させる。なお、ゴム部材64は第1導電部71および第2導電部72と隣接する他の部分は、導電性を有さない非導電部70である。
【0034】
上述のように、ゴム部材64は、光学LPF83と撮像素子36との間に閉塞空間を形成するが、この閉塞空間を完全に密封するわけではなく、空気溝76を介して外部空間と接続させる。この空気溝の作用により、周辺環境の温度、湿度等に伴う閉塞空間の膨張収縮による光学LPF83の歪み等を排除する。ただし、空気溝76を介して外部空間から塵埃が進入しないように、外部空間から閉塞空間までの空気溝76の経路は、クランク状、S字状等に形成される。この場合、空気溝76は、導電部を避けて形成される。
【0035】
図5は、図4のC部拡大図である。ゴム部材64のうち第1導電部71(2本の点線に挟まれた部分)は、非導電部70と左右方向(xy平面方向)に隣接している。第1導電部71および第2導電部72の内部には、導電材として直径数十μmである球状の、金または銀でメッキされたフィラー74が多数混入されている。第1導電部71は、上下方向(z方向)のそれぞれの端部において圧電素子65の電極81と回路基板62の電極82とに接している。押圧板68の作用により第1導電部71が圧電素子65と回路基板62とに挟圧されると、単位体積当たりのフィラー74の密度が増して、電極81と電極82の導通が実現する。
【0036】
非導電部70にはフィラー74が混入されておらず、たとえ回路基板62と非導電部70が接触したとしても、予想外なショートを招くことがない。また、挟圧状態が妨げられないように、非押圧状態における第1導電部71および第2導電部72の上下方向、すなわち回路基板62と圧電素子65の接続方向の高さは、隣接する周囲の非導電部70よりも若干突出する高さに設定されている。
【0037】
非導電部70は、例えば耐熱性と耐寒性に優れたシリコーンゴムである。また、第1導電部71および第2導電部72は、例えばフィラー74が混入されたシリコーンゴムである。ゴム部材64は、例えば、一次金型により先に形成された第1導電部71および第2導電部72を二次金型にセットして非導電部70を形成する二色成形により、第1導電部71、第2導電部72および非導電部70が一体的に形成される。
【0038】
図6は、図4のG部拡大図である。撮像素子36は、パッケージ構造を有し、光電変換を行うチップ93が、セラミックパッケージ91に収容され、収容空間を保護ガラス92が密封する。ゴム部材64は、撮像素子36のうち保護ガラス92の外面と光学LPF66の間に介在して、閉塞空間101を形成する。ただし、上述のように、ゴム部材64の表面には空気溝76が形成されており、閉塞空間101は、この空気溝76により外部空間と接続されている。
【0039】
また、光学LPF66の端部には、ゴム部材64、押圧板68およびシールリング67により、密封空間102が形成される。図示するように、圧電素子65は、密封空間102の内部に配置されている。したがって、例えば銀ペーストが施された電極81も密封空間102の内部に存在することになるので、大気中の硫黄成分との反応による電極81の腐食を軽減することができる。
【0040】
以上の実施形態においては、撮像素子36の前面に配設されて光学像を透過させる光学部材として光学LPF66を説明したが、光学部材は光学LPF66に限らず、被写体光学像から赤外線をカットする赤外カットフィルタ、回路が設けられたガラス基板などでも良い。また、ゴム部材64は、二色成形による一体化の他にも、接着による一体化など、他の手法を用いても良い。
【0041】
また、撮像装置としては、一眼レフカメラ10の形態に限らず、メインミラー32等のミラーユニットを含まないレンズユニット交換式のカメラでも良いし、レンズユニットとカメラユニットが一体的に構成されたカメラであっても良い。もちろん、ビデオカメラにおいても適用し得る。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、30 カメラユニット、21 レンズ群、22 鏡筒、23 レンズマウント、31 カメラマウント、32 メインミラー、33 ピント板、34 メインミラー回転軸、35 ミラーボックス、36 撮像素子、37 ペンタプリズム、38 接眼光学系、39 測光センサ、40 サブミラー、41 合焦光学系、42 合焦センサ、43 フォーカルプレーンシャッタ、45 撮像ユニット、46 メイン基板、47 カメラシステム制御部、48 表示ユニット、49 二次電池、54 画像処理部、53 表示制御部、55 外部接続IF、51 カメラメモリ、52 ワークメモリ、56 カメラ動作制御部、57 圧電素子制御部、58 電源制御部、59 操作入力部、61 固定板、62 回路基板、64 ゴム部材、65 圧電素子、66 光学LPF、67 シールリング、68 押圧板、69 ビス、70 非導電部、71 第1導電部、72 第2導電部、81、82 電極、90 塵埃、91 セラミックパッケージ、92 保護ガラス、93 チップ、101 閉塞空間、102 密封空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6