(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記はんだバンプは、金属コアボールの外面がはんだ層で被覆された金属コアはんだボール、樹脂コアボールの外面がはんだ層で被覆された樹脂コアはんだボール、又は、前記第1配線基板と接続する箇所の少なくとも一部がはんだ層で被覆された金属柱から形成されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の電子装置の製造方法。
部品実装領域を備え、前記部品実装領域の外側領域に半導体チップが実装された第1配線基板と、前記部品実装領域に対応する部分に開口部が設けられ、前記部品実装領域の周囲の枠状領域に対応する部分に並んで配置されたはんだバンプを備えた第2配線基板とを用意し、
前記第2配線基板の前記はんだバンプにフラックス機能含有樹脂を付着させた後に、前記第2配線基板の前記はんだバンプを前記第1配線基板の上に配置し、リフロー加熱することにより、前記第2配線基板の前記はんだバンプを前記第1配線基板に接続すると共に、前記フラックス機能含有樹脂から、前記部品実装領域の周囲の前記はんだバンプの間に繋がって形成される枠状の樹脂ダム層を得る工程と、
前記第1配線基板と前記第2配線基板との間に封止樹脂を充填して、前記半導体チップを前記封止樹脂で封止する工程であって、前記樹脂ダム層によって前記封止樹脂が堰き止められて、前記部品実装領域が樹脂非形成領域となる工程と、
前記第1配線基板の前記部品実装領域に受動素子部品又は受光素子部品を実装する工程とを有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1〜図
12は第1実施形態の電子装置の製造方法を示す図、図
13は第1実施形態の電子装置を示す図である。
【0014】
第1実施形態の電子装置の製造方法では、
図1に示すように、まず、第1配線基板3を用意する。第1配線基板3では、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁材料からなるコア基板10にその厚み方向に貫通するスルーホールTHが形成されている。
【0015】
コア基板10の両面側には銅などからなる第1配線層20が形成されている。両面側の第1配線層20はスルーホールTHに形成されたスルーホールめっき層21を介して相互接続されている。スルーホールめっき層21はスルーホールTH内に孔が残るように側壁に形成されている。また、コア基板10の両面側には樹脂などからなる層間絶縁層30がそれぞれ形成されている。
【0016】
スルーホールめっき層21の代わりに、スルーホールTH内の全体に充填される貫通電極を形成し、両面側の第1配線層20が貫通電極を介して相互接続されていてもよい。
【0017】
また、両面側の層間絶縁層30には、第1配線層20に到達するビアホールVHがそれぞれ形成されている。両面側の層間絶縁層30の上には、ビアホールVH(ビア導体)を介して第1配線層20に接続される第2配線層22がそれぞれ形成されている。
【0018】
さらに、コア基板10の両面側には、第2配線層22の接続部C上に開口部32aが設けられたソルダレジスト32がそれぞれ形成されている。第1配線基板3の上面には電子部品が実装される部品実装領域Aが画定されている。
【0019】
次いで、
図2に示すように、電子部品として、金バンプ5aを備えた撮像素子5を用意する。そして、撮像素子5の金バンプ5aをはんだ層24を介して
第1配線基板
3の第2配線層22の接続部Cに接続する。
【0020】
その後に、撮像素子5と配線基板3との隙間にアンダーフィル樹脂34を充填する。撮像素子5としては、CCD型やCMOS型などの半導体イメージセンサが使用される。このようにして、撮像素子5を第1配線基板3の部品実装領域Aに実装する。
【0021】
図2の様子を平面からみると、
図3の平面図に示すように、第1配線基板3は多面取り用基板であり、一例として4つのパッケージ領域Bが画定されており、各パッケージ領域Bの部品実装領域Aに撮像素子5がそれぞれ実装される。
【0022】
続いて、
図4(a)に示すように、第2配線基板4を用意する。第2配線基板4では、コア基板40にその厚み方向に貫通するスルーホールTHが形成されている。そして、コア基板40の両面側には、スルーホールTHの側壁に形成されたスルーホールめっき層41を介して相互接続された配線層42がそれぞれ形成されている。
【0023】
さらに、コア基板40の両面側にソルダレジスト44がそれぞれ形成されている。コア基板40の下面側のソルダレジスト44には、配線層42の接続部C上に開口部44aが設けられている。
【0024】
また、第2配線基板4には、第1配線基板3の部品実装領域Aに対応する部分に開口部4xが設けられている。
【0025】
そして、第2配線基板4の下面側の配線層42の接続部Cにはんだ含有導電性ボール50が搭載されている。はんだ含有導電性ボール50ははんだバンプの好適な一例である。
【0026】
図4(a)に例示するはんだ含有導電性ボール50は、銅などからなる金属コアボール52とその外面を被覆するはんだ層54とから形成された金属コアはんだボールである。
【0027】
図4(a)で示された部分の第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50は、第1配線基板3の部品実装領域Aの周囲の枠状領域に配置された第2配線層22の接続部Cに対応して配置されている。
【0028】
はんだ含有導電性ボール50の直径は、例えば150μm〜300μm程度である。はんだ層54としては、好適には、錫―銀系はんだ、又は錫―銀―銅系はんだなどの鉛フリーはんだが使用される。
【0029】
なお、はんだ含有導電性ボール50は、樹脂コアボールとその外面を被覆するはんだ層とから形成された樹脂コアはんだボールであってもよい。
【0030】
あるいは、はんだ含有導電性ボール50の代わりに、全体がはんだからなるはんだボールを使用してもよい。
【0031】
第1配線基板3と第2配線基板4とを積層する際に所望の間隔を精度よく確保するという観点からは、リフロー加熱で軟化しない金属コアはんだボールや樹脂コアはんだボールを使用することが好ましい。
【0032】
さらには、
図4(b)に示すように、はんだ含有導電性ボール50の代わりに、銅などの金属めっき層56とその上に形成されたはんだめっき層58とから形成される円柱状又は多角柱状の金属柱51を使用してもよい。
【0033】
このように、第2配線基板4に搭載されるはんだバンプの例としては、はんだ含有導電性ボール50、全体がはんだからなるはんだボール、又は、第1配線基板3と接続される箇所の少なくとも一部がはんだ層で被覆された金属柱などがあり、少なくとも先端側の接続部にはんだが形成されていればよい。
【0034】
次いで、
図5に示すように、上面に未硬化状態のフラックス機能含有樹脂60aが塗布された転写ステージ62を用意する。フラックス機能含有樹脂60aは、リフロー加熱時にフラックスとして機能し、硬化して樹脂層となるものである。
【0035】
フラックス機能とは、接合金属表面に生成された酸化膜を除去して接合しやすくすると共に、溶融はんだの表面張力を低下させ、はんだの接合金属表面への濡れ性を促進させる。
【0036】
フラックス機能含有樹脂60aの一例としては、エポキシ樹脂に酸無水硬化剤又はカルボン酸無水物が5%〜30%程度の比率で添加されたものがある。あるいは、エポキシ樹脂に松脂から調整されるロジンが添加されたものであってもよい。
【0037】
そして、同じく
図5に示すように、第2配線基板4の下面に搭載されたはんだ含有導電性ボール50を転写ステージ62上のフラックス機能含有樹脂60aに押し当てる。
【0038】
続いて、
図6に示すように、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50を転写ステージ62上のフラックス機能含有樹脂60aから引き上げることにより、はんだ含有導電性ボール50の外面にフラックス機能含有樹脂60aが転写されて付着する。
【0039】
はんだ含有導電性ボール50の金属コアボール52の直径が200μmで、はんだ層54を含む全体の直径が250μmの場合、転写ステージ62上に形成されるフラックス機能含有樹脂60aの厚みは100μm〜150μmに設定される。一例としてこのように設定することにより、はんだ含有導電性ボール50の外面に十分な量のフラックス機能含有樹脂60aを付着させることができる。
【0040】
次いで、
図7に示すように、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50を第1配線基板3の第2配線層22の接続部Cに配置し、250℃程度の温度でリフロー加熱を行ってはんだ含有導電性ボール50のはんだ層54を溶融させる。
【0041】
これにより、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50が第1配線基板3の第2配線層22の接続部Cに接合されて電気的に接続される。これにより、第1配線基板3に実装された撮像素子5が第2配線基板4の開口部4x内に配置された状態となる。
【0042】
このとき同時に、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50に付着したフラックス機能含有樹脂60aがリフロー加熱時にフラックスとして機能した後に硬化する。つまり、フラックス機能含有樹脂60aによって、第1配線基板3の第2配線層22の接続部Cの酸化膜が除去されると共に、はんだの接続部Cへの濡れ性が促進される。
【0043】
これにより、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50が信頼性よく第1配線基板3の第2配線層22の接続部Cに接合される。
【0044】
フラックス機能含有樹脂60aは、上記したようにリフローはんだ付けを行う際のフラックスとして機能すると共に、後述するように所望の配置ピッチで配置されたはんだ含有導電性ボール50の間で繋がって形成されて枠状の樹脂ダム層60となる。
【0045】
図8は、
図3の平面図の第1配線基板3の上に第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50が接合された様子を示す平面図である。また、
図9は、
図8の一つのパッケージ領域Bを拡大した部分平面図である。
図8及び
図9では、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50のみが描かれており、他の要素は省略されている。
【0046】
図8及び
図9に示すように、本実施形態では、電子部品として撮像素子5を実装するため、第1配線基板3と第2配線基板4との間に封止樹脂を充填する際に、撮像素子5の上には封止樹脂を形成せずに撮像素子5を露出させる必要がある。
【0047】
図9に示すように、部品実装領域Aを取り囲む枠状領域に並んで配置される第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50は、その直径が250μmで、それらの配置ピッチP1が300μm〜320μmに設定されている。
【0048】
一例としてそのような条件に設定すると、撮像素子5の周囲に並んで配置された多数のはんだ含有導電性ボール50に付着したフラックス機能含有樹脂60aは、リフロー加熱時にはんだ含有導電性ボール50の間で相互に繋がって樹脂ダム層60として形成される。樹脂ダム層60は、撮像素子5が実装された部品実装領域Aを取り囲んで枠状に形成される。
【0049】
後述するように、樹脂ダム層60は封止樹脂を堰き止めるために形成され、樹脂ダム層60で囲まれた部品実装領域Aは封止樹脂が形成されず露出した状態となる。
【0050】
一方、同じく
図9に示すように、第1配線基板3のパッケージ領域B内の周縁部に配置されたはんだ含有導電性ボール50は、その配置ピッチP2が400μm程度以上に設定されており、部品実装領域Aを取り囲むはんだ含有導電性ボール50の配置ピッチP1より広く設定される。
【0051】
このため、第1配線基板3のパッケージ領域Bの周縁部に配置されたはんだ含有導電性ボール50では、それらの各外面にフラックス機能含有樹脂60aから樹脂層61が形成されるだけで、それらの間に空間Sが残された状態となる。
【0052】
また、
図8の平面図に示すように、第1配線基板3のパッケージ領域Bから外側縁部には、第1、第2配線基板3,4を積層する際に安定させるために、ダミーのはんだ含有導電性ボール50aが並んで配置されている。同様に、ダミーのはんだ含有導電性ボール50aの外面にもフラックス機能含有樹脂60aから樹脂層61が形成され、それらの間に空間Sが残される。
【0053】
このようにして、
図8の例では、第1配線基板3の4つのパッケージ領域Bの部品実装領域Aに実装された各撮像素子5の周囲に枠状の樹脂ダム層60がそれぞれ形成される。
【0054】
なお、前述した形態では、はんだ含有導電性ボール50にフラックス機能含有樹脂60aを付着させて樹脂ダム層60を形成している。この方法の他に、はんだ含有導電性ボール50にフラックスを塗布した後に、フラックス成分を含有しない樹脂を付着させることによって樹脂ダム層60を形成することも可能である。
【0055】
また、
図10に示す変形例の樹脂ダム層60xのように、両側面がはんだ含有導電性ボール50に沿って凹凸になった波状形状となるようにしてもよい。
【0056】
次いで、
図11に示すように、第1配線基板3の上に第2配線基板4が積層された積層体をモールド金型(不図示)に設置し、一端側から第1配線基板3と第2配線基板4との間に樹脂を充填して封止樹脂64を形成する。
【0057】
封止樹脂64は、はんだ含有導電性ボール50の間の空間S(
図9)などを通って充填される。このとき、撮像素子5は樹脂ダム層60で取り囲まれているので、封止樹脂が流れてくるとしても樹脂ダム層60で封止樹脂が堰き止められる。これにより、樹脂ダム層60で取り囲まれた撮像素子5の上に封止樹脂64は形成されず、撮像素子5が露出した状態のままとなる。
【0058】
このようにして、第1配線基板3と第2配線基板4との間に、撮像素子5が実装された部品実装領域Aが樹脂ダム層60のよって部分的に樹脂非形成領域となるように、封止樹脂64が充填される。
【0059】
なお、フラックス機能含有樹脂60aに含まれるフラックス成分は、硬化した樹脂ダム層60内で固まるため、フラックスを洗浄する工程を遂行する必要はない。
【0060】
また、前述した形態では、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50にフラックス機能含有樹脂60aを転写して形成している。別の方法としては、
図12に示すように、ディスペンサ装置(不図示)のノズル9からフラックス機能含有樹脂60aを吐出させて、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50の外面にフラックス機能含有樹脂60aを形成してもよい。
【0061】
ディスペンサ装置を使用する場合は、部品実装領域Aの周囲に配置されるはんだ含有導電性ボール50に対して、フラックス機能含有樹脂60aを帯状に繋げて塗布することができる。これにより、部品実装領域Aの周囲に、微小な隙間が発生することなく樹脂ダム層60を精度よく形成することができる。
【0062】
一方、パッケージ領域Bの周縁部に配置されるはんだ含有導電性ボール50は、それらの間に空間Sを確保する必要があるので、ディスペンサ装置によって各はんだ含有導電性ボール50ごとにフラックス機能含有樹脂60aを相互に分離した状態で塗布される。
【0063】
次いで、
図13に示すように、
図11の積層体の各パッケージ領域Bが得られるように、第2配線基板4の上面から第1配線基板3の下面まで切断する。このとき、
図11の例では、積層体のパッケージ領域Bの外側のダミーのはんだ含有導電性ボール50aを含む領域が破棄される。
【0064】
続いて、第2配線基板4の上に透明のガラスキャップ66を設けることにより、第2配線基板4の開口部4xを塞いで撮像素子5を気密封封止する。
【0065】
さらに、第1配線基板3の下面側の第2配線層22の接続部Cにはんだボールを搭載するなどして外部接続端子26を設ける。
【0066】
ガラスキャップ66及び外部接続端子26を設けるタイミングは、
図11の積層体を切断する前に行ってもよい。また、必要に応じてガラスキャップ66を省略してもよい。
【0067】
以上により、第1実施形態の電子装置1が得られる。第1実施形態の電子装置1は、撮像素子5を備えた撮像装置として製造される。
【0068】
図13に示すように、第1実施形態の電子装置1では、前述した
図1で説明した第1配線基板3の部品実装領域Aの第2配線層22の接続部Cに、撮像素子5の金バンプ5aがはんだ層24を介して接続されている。
【0069】
また、第1配線基板3の上に前述した
図4で説明した第2配線基板4がはんだ含有導電性ボール50を介して積層されている。第2配線基板4には、撮像素子5が実装された部品実装領域Aに対応する部分に開口部4xが設けられている。そして、第2配線基板4の開口部4x内に撮像素子5が配置されている。
【0070】
以下、前述した
図11を加えて参照すると、第2配線基板4は、撮像素子5が実装された部品実装領域Aの周囲の枠状領域に対応する部分に並んで配置されたはんだ含有導電性ボール50を備えている。そして、第2配線基板4のそれらのはんだ含有導電性ボール50が第1配線基板3の第2配線層22の接続部Cに接続されている。
【0071】
また、部品実装領域Aの周囲に配置されたはんだ含有導電性ボール50の間に樹脂ダム層60が繋がって形成されており、枠状の樹脂ダム層60によって部品実装領域Aが取り囲まれている。
【0072】
前述したように、樹脂ダム層60は、多数のはんだ含有導電性ボール50に付着したフラックス機能含有樹脂60aがリフロー加熱時にはんだ含有導電性ボール50の間で繋がって形成される。
【0073】
また、パッケージ領域Bの周縁部に配置されたはんだ含有導電性ボール50は、その外面にフラックス機能含有樹脂60aから形成された樹脂層61が被覆されおり、各はんだ含有導電性ボール50は相互に分離された状態となっている。
【0074】
さらに、第1配線基板3と第2配線基板4との間に封止樹脂64が充填されている。封止樹脂64は樹脂ダム層60で堰き止められており、撮像素子5が実装された部品実装領域Aは樹脂非形成領域となっている。
【0075】
さらに、第2配線基板4の上に透明のガラスキャップ66が設けられており、撮像素子5は第2配線基板4の開口部4x内に気密封封止されている。
【0076】
本実施形態の電子装置1では、部品実装領域Aの周囲に枠状の樹脂ダム層60を形成することにより、封止樹脂64が樹脂ダム層60で堰き止められて、部品実装領域Aが樹脂非形成領域となる。
【0077】
樹脂ダム層60は、部品実装領域Aを取り囲む多数のはんだ含有導電性ボール50に付着させたフラックス機能含有樹脂60aがリフロー加熱時に繋がって形成される。
【0078】
従って、第2配線基板4のはんだ含有導電性ボール50をフラックス機能によって信頼性よく第1配線基板3に接続できると同時に、はんだ含有導電性ボール50が所定の配置ピッチで配置された枠状領域に樹脂ダム層60を繋げて形成することができる。
【0079】
このように、第1実施形態では、第1配線基板3と第2配線基板4との間に封止樹脂64を充填する際に、第1配線基板3上の一部領域に封止樹脂64が形成されずに露出する領域を容易に形成することができる。
【0080】
なお、前述した形態では、第1配線基板3の部品実装領域Aに撮像素子5を予め実装して電子装置として撮像装置を製造している。この形態の他に、製造工程中には第1配線基板3の部品実装領域Aに電子部品を実装せずに、部品実装領域Aが樹脂非形成領域となった積層型の配線基板を製造してもよい。そして、第1配線基板3の部品実装領域Aに各種の電子部品を露出させた状態で実装することができる。
【0081】
(第2実施形態)
図14〜
図20は第2実施形態の電子装置の製造方法を示す図、
図21は第2実施形態の電子装置を示す図である。
【0082】
第2実施形態の電子装置の製造方法では、
図14に示すように、まず、第1実施形態の
図1の第1配線基板3と同様な第1配線基板3aを用意する。
【0083】
第2実施形態の第1配線基板3aが第1実施形態の第1配線基板3と異なる点は、樹脂非形成領域となる第1部品実装領域A1の他に、半導体チップが実装されて封止樹脂が形成される第2部品実装領域A2を備えることにある。
【0084】
第2実施形態では、第1配線基板3aの第1部品搭載領域A1を樹脂ダム層で取り囲むことにより、第1部品搭載領域A1を樹脂非形成領域にする。
【0085】
図14の第1配線基板3aの他の要素は第1実施形態の第1配線基板3と実質的に同一であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0086】
次いで、
図15に示すように、金バンプ6aを備えた半導体チップ6を用意し、半導体チップ6の金バンプ6aをはんだ層24を介して第1配線基板3aの第2配線層22の接続部Cにフリップチップ接続する。
【0087】
図16の平面図に示すように、第2実施形態においても、第1配線基板3aは多面取り用基板であり、一例として4つのパッケージ領域Bが画定されている。そして、半導体チップ6が第1配線基板3aのパッケージ領域Bの各第2部品実装領域A2にそれぞれ実装される。半導体チップ6としては、例えばCPUやシステムLSIなどが使用される。
【0088】
続いて、
図17に示すように、第2配線基板4aを用意する。第2実施形態の第2配線基板4aでは、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1に対応する部分に開口部4xが設けられている。そして、第1実施形態と同様に、第2配線基板4aの下面側の配線層42の接続部Cにはんだ含有導電性ボール50が搭載されている。
【0089】
また、コア基板40の上面側のソルダレジスト44には、配線層42の接続部C上に開口部44aが設けられている。
【0090】
図17の第2配線基板4aの他の要素は第1実施形態の第2配線基板4と実質的に同一であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0091】
さらに、同じく
図17に示すように、第1実施形態の
図5及び
図6と同様な方法により、第2配線基板4aのはんだ含有導電性ボール50の外面にフラックス機能含有樹脂60aを転写によって付着させる。あるいは、第1実施形態の
図12で説明したように、ディスペンサ装置を使用してはんだ含有導電性ボール50にフラックス機能含有樹脂60aを塗布してもよい。
【0092】
次いで、
図18に示すように、第1実施形態と同様に、第2配線基板4aのはんだ含有導電性ボール50を第1配線基板3aの第2配線層22の接続部Cに配置し、リフロー加熱する。これにより、第2配線基板4aのはんだ含有導電性ボール50が第1配線基板3aの第2配線層22の接続部Cに接合されて電気的に接続される。
【0093】
このとき、
図19の平面図を加えて参照すると、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1の周囲に配置されたはんだ含有導電性ホール50の配置ピッチは、第1実施形態と同様に、フラックス機能含有樹脂60aが繋がって樹脂ダム層60になる程度の狭いピッチに設定されている。
【0094】
これにより、第1実施形態と同様に、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1の周囲のはんだ含有導電性ボール50の間にフラックス機能含有樹脂60aから樹脂ダム層60が枠状に繋がって形成される。
【0095】
一方、パッケージ領域B内の他の領域のはんだ含有導電性ボール50及び外側縁部のダミーのはんだ含有導電性ボール50aは配置ピッチが広く設定されている。このため、それらのはんだ含有導電性ボール50,50aの外面に樹脂部61が形成されるだけで、はんだ含有導電性ボール50,50aの間に空間Sが残される。
【0096】
このようにして、
図18及び
図19に示すように、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1を取り囲むように枠状の樹脂ダム層60が配置され、第1部品実装領域A1が第2配線基板4aの開口部4x内に配置された状態となる。
【0097】
次いで、
図20に示すように、第1実施形態と同様に、第1配線基板3aの上に第2配線基板4aが積層された積層体をモールド金型(不図示)に設置し、一端側から第1配線基板3aと第2配線基板4aとの間に樹脂を充填して封止樹脂64を形成する。
【0098】
第2実施形態では、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1が樹脂ダム層60で取り囲まれているので、樹脂が流れてくるとしても樹脂ダム層60で樹脂が堰き止められる。これにより、樹脂ダム層60で取り囲まれた第1部品実装領域A1に封止樹脂64は形成されず、第1部品実装領域A1が露出した状態のままとなる。
【0099】
一方、第2部品実装領域A2の半導体チップ6は封止樹脂64で封止される。
【0100】
その後に、
図21に示すように、
図20の積層体を各パッケージ領域Bが得られるように、第2配線基板4aの上面から第1配線基板3aの下面まで切断する。さらに、第1配線基板3aの第1部品実装領域A1に電子部品7を第2配線層22に接続して実装する。
【0101】
第1部品実装領域A1に実装される電子部品7として、背高のキャパシタ部品などの受動素子部品又は受光素子部品などが実装される。
【0102】
また、第2配線基板4aの上面側の配線層42の接続部Cにメモリデバイス8のバンプ電極8aを接続する。さらに、第1配線基板3aの下面側の第2配線層22の接続部Cにはんだボールを搭載するなどして外部接続端子26を設ける。
【0103】
電子部品7、メモリデバイス8及び外部接続端子26を設けるタイミングは、
図20の積層体を切断する前に行ってもよい。
【0104】
以上により、第2実施形態の電子装置2が得られる。第2実施形態の電子装置2は半導体装置として製造される。
【0105】
図21に示すように、第2実施形態の電子装置2では、前述した
図14で説明した第1配線基板3aの第2部品実装領域A2の第2配線層22の接続部Cに、半導体チップ6の金バンプ6aがはんだ層24を介して接続されている。
【0106】
また、第1配線基板3aの上に前述した
図17で説明した第2配線基板4aがはんだ含有導電性ボール50を介して積層されている。第2配線基板4aには、電子部品7が実装された第1配線基板3aの第1部品実装領域A1に対応する部分に開口部4xが設けられており、電子部品7が第2配線基板4aの開口部4xに配置されている。
【0107】
以下、前述した
図20の平面図を加えて参照すると、第2配線基板4aは、電子部品7が実装された第1部品実装領域A1の周囲の枠状領域に対応する部分に並んで配置されたはんだ含有導電性ボール50を備えている。
【0108】
そして、第2配線基板4aのそれらのはんだ含有導電性ボール50が第1配線基板3aの第2配線層22の接続部Cに接続されている。
【0109】
また、第1部品実装領域A1の周囲に並んで配置されたはんだ含有導電性ボール50の間に樹脂ダム層60が繋がって形成されており、枠状の樹脂ダム層60によって第1部品実装領域A1が取り囲まれている。第1実施形態と同様に、樹脂ダム層60は、各はんだ含有導電性ボール50に付着したフラックス機能含有樹脂60aがリフロー加熱時にはんだ含有導電性ボール50の間で繋がって形成される。
【0110】
さらに、第1配線基板3aと第2配線基板4aとの間に封止樹脂64が充填されており、第1配線基板3aの第2部品実装領域A2に実装された半導体チップ6が封止樹脂64で封止されている。封止樹脂64は樹脂ダム層60で堰き止められており、電子部品7が実装された第1部品実装領域A1は樹脂非形成領域となっている。
【0111】
また、第2配線基板4aの配線層42の接続部Cにメモリデバイス8のバンプ電極8aが接続されている。
【0112】
第2実施形態の電子装置2では、第1実施形態と同様に、第1部品実装領域A1の周囲に枠状の樹脂ダム層60を形成することにより、封止樹脂64が樹脂ダム層60で堰き止められて、電子部品7が実装される第1部品実装領域A1が樹脂非形成領域になる。
【0113】
このように、第2実施形態においても、第1配線基板3aと第2配線基板4aとの間に封止樹脂64を充填する際に、第1配線基板3a上の一部領域に封止樹脂
64が形成されずに露出する領域を容易に形成することができる。
【0114】
なお、
図21では、
図20の積層体を破線で囲まれたパッケージ領域Bに沿って切断している。これ以外に、例えば、第1部品実装領域A1を取り囲むはんだ含有導電性ボール50のうち左側一列のはんだ含有導電性ボール50の群をダミーボールとして形成し、
図20のDで示すラインで切断してもよい。
【0115】
この場合は、
図22の変形例の電子装置2aに示すように、外側横方向がオープンとなった状態で樹脂非形成領域となる第1部品実装領域A1が得られる。変形例の電子装置2aでは、第1部品実装領域A1の外側横方向がオープンとなるため電子部品7を実装しやすくなる。
【0116】
また、第1部品実装領域A1に実装する電子部品7として受光素子部品を使用する場合は、横方向から受光することも可能になる。