【実施例】
【0041】
以下、本発明の実施例を記載する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.即席麺塊(麺帯)の場合
乾燥食品として、カップ入り即席麺に用いる即席麺塊の製造においてレーザ処理を施すことで復元性の改良が可能となるかどうかを試験した。
【0042】
尚、以下の検討においては、一般的な即席麺の製造工程である、小麦粉及び水等の混練 → 複合 → 圧延 → 切出 → 蒸煮 → カット → 乾燥(油揚げ又は熱風乾燥)の各工程のうち、圧延後の麺帯に対してレーザ処理を行い、最終的な乾燥後の即席麺塊において復元性がどのように改善されるかを検討した。
【0043】
(1)即席麺塊(中華麺タイプ)
<実施例1-1>(フライ麺塊の実施例)(フライ麺 中華麺タイプ)
小麦粉900g、澱粉100g及び食塩15gを混合し、これにかん水2.0g、水340gを入れてドウを調製した。当該ドウを複合した後、複数回の圧延を繰り返し、厚み0.75mmの麺帯(450mm×220mm)を調製した。当該製造した厚さ0.75mmの麺帯を商業的に入手可能なレーザ装置(ロフィンバーゼル社 : MCT-600-CNC CO2レーザ)によりレーザ処理を行った。
【0044】
すなわち、上記麺帯を、平板状のレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。当該操作によって多数の貫通した細孔を設けた。レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は10回行った。細孔は貫通していた。レーザ照射後の麺帯の顕微鏡写真を
図1に示す。
【0045】
当該処理後の麺帯を、角刃第20番の切刃装置にて麺線に切り出した。当該麺線を蒸煮装置にて99℃、2分蒸煮し、着味液を通過させた後、30cm程度にカットしてから当該麺線105gをフライリテイナーに収納して、当該リテーナを150℃のフライオイル(パーム油)中に2分30秒間、浸漬し、フライ処理を行った。
【0046】
当該フライ後の麺塊(65g)を用いて、以下のように復元性の試験を行った。すなわち、当該麺塊を丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置してから麺線の復元性について評価した。
【0047】
<比較例1−1>(フライ麺塊の比較例1)
実施例1−1に記載した圧延後の麺帯にレーザ処理を施さない点を除いては実施例1−1と同様に行った。
【0048】
<比較例1−2>(フライ麺塊の比較例2)(針によって細孔を開ける場合)
実施例1−1に記載した圧延後の麺帯に対して、レーザ処理を施さず、麺帯に通常の縫い針によって刺して貫通させてから抜く操作を行った。尚、ピッチは1mm程度として行った。その他は実施例1−1と同様に行った。
【0049】
─評価方法─
評価は熟練のパネラー5人で丼状の容器に当該即席麺塊を入れて、熱湯を注いで2分経過後に当該乾燥食品を喫食することにより復元性を5段階で評価した。評価基準を表1に示す。また、結果を表2に示す。
【0050】
【表1】
─結果─
【0051】
【表2】
麺帯の厚さが0.75mmのタイプの油揚げ即席麺塊においては、麺帯に予めレーザ処理を施したタイプであると(実施例1−1)、2分間で良好な復元性を得ることができた。一方、レーザ処理を施さないタイプ(比較例1−1)であると、硬い部分が残っていた。さらに、針を用いて処理したタイプ(比較例1−2)では、レーザ処理を施さない比較例1−1と同様の復元性しか得られなかった。
【0052】
(2)即席麺塊(うどんタイプ)
<実施例2−1>
小麦粉850g、澱粉150g及び食塩15gを混合し、これに水340gを添加してドウを調製した。当該ドウを複合した後、複数回の圧延を繰り返し、厚み2.3mmの麺帯(450mm×220mm)を調製した。当該製造した厚さ2.3mmの麺帯を実施例1−1に示した場合と同様に、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
【0053】
当該操作によって複数の貫通した細孔を設けた。レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は20回行った。細孔は貫通していた。
【0054】
当該処理後の麺帯を角刃第9番の切刃装置にて麺線に切り出した。当該麺線を蒸煮装置にて140℃、1分30秒間蒸煮し、着味液を通過させた後、30cm程度にカットしてから当該麺線150gをフライリテイナーに収納して、当該リテーナを148℃のフライオイル(パーム油)中に2分間、浸漬し、フライ処理を行った。
【0055】
当該フライ後の麺塊を用いて、以下のように復元性の試験を行った。すなわち、当該麺塊(78g)を丼状の容器に収納し、熱湯430gを添加し、5分間放置してから麺線の復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
【0056】
<比較例2−1>
実施例2−1に記載した圧延後の麺帯にレーザ処理を施さない点を除いては実施例2−1と同様に行った。
【0057】
<比較例2−2>(針によって細孔を開ける場合)
実施例2−1に記載した圧延後の麺帯に対して、レーザ処理を施さず、麺帯に通常の縫い針を刺して貫通させてから抜く操作を行った。尚、ピッチは1mm程度とした。その他は実施例2−1と同様に行った。
【0058】
実施例2−1、比較例2−1、比較例2−2についての復元性の評価結果を表3に示す。
─結果─
【0059】
【表3】
厚さが2.3mm程度もある厚めの麺帯から油揚げ即席麺塊(うどんタイプ)を製造した場合、麺帯に予めレーザ処理を施したタイプであると(実施例2−1)、5分間で良好な復元性を得ることができた。一方、レーザ処理を施さないタイプ(比較例2−1)であると、硬い部分が微妙に残っていた。さらに、針を用いて処理したタイプ(比較例2−2)では、レーザ処理を施さない比較例2−1と同様の復元性しか得られなかった。
2.乾燥エビ(凍結乾燥品)の場合
凍結乾燥エビの製造においてレーザ処理を施すことで復元性の改良が可能となるかどうかを試験した。
【0060】
尚、以下の検討においては、一般的な凍結乾燥エビの製造工程である、原料エビの洗浄 → ボイル → 着味液への浸漬 → 凍結 → 乾燥、の各工程のうち、原料エビの洗浄後及び乾燥後のそれぞれについてレーザ処理を行い、最終的な凍結乾燥エビに対して復元性がどのように改善されるかを検討した。復元性の検討は以下のように行った。
【0061】
(1)生エビ(小)の場合
<実施例3−1>生エビ(小)ピッチ1mm
洗浄後の生エビ(大きさ約20mm:厚さ約6mm)ついてレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。その後、ボイル→着味液への浸漬 → 凍結(−20℃、10時間以上) → 凍結乾燥(12時間以上)の各工程を行い、凍結乾燥エビを完成させた。
【0062】
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は150回行った。細孔は貫通していた。
【0063】
復元性の評価は以下のように行った。凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
【0064】
<実施例3−2>生エビ(小)ピッチ2mm
実施例3−1においてピッチを2mmとしたこと以外を除いては実施例3−1と同様に行った。尚、照射回数は200回行った。細孔は貫通していた。
【0065】
<比較例3−1>
実施例3−1においてレーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例3−1に示したものと同様である。
【0066】
実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1の評価結果を表4に示す。
─結果─
【0067】
【表4】
レーザ処理を施した場合、処理しない場合に比べて熱湯を注加後、2分間で十分に復元することができた。また、ピッチを2mmにした場合でも十分な復元性を得ることができた。
【0068】
(2)生エビ(大)の場合
<実施例4−1>
洗浄後の生エビ(大きさ約30mm:厚さ約12mm)ついてレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。その後、ボイル→着味液への浸漬 → 凍結(−20℃、10時間以上) → 凍結乾燥(12時間以上)の各工程を行い凍結乾燥エビを完成させた。
【0069】
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は300回行った。細孔は貫通していた。
【0070】
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、3分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
【0071】
<比較例4−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例4−1に示したものと同様である。
結果を表5に示す。
─結果─
【0072】
【表5】
熱湯を注加後、3分間で十分に復元することができた。
【0073】
(3)凍結乾燥後のエビ(小)
<実施例5−1>
実施例3−1で使用した生エビ(大きさ約20mm:厚さ約6mm)について常法により凍結乾燥処理まで行った。当該凍結乾燥後のエビについて、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
【0074】
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ2mmで行った。尚、照射は一方の面から20回、次に他方の面から20回の計40回行った。細孔は未貫通であった。
【0075】
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
【0076】
<実施例5−2>
実施例5−1において照射を一方の面のみに50回行ったことを除いては実施例5−1と同様の条件で行った。細孔の一部は貫通していた。
【0077】
<比較例5−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例5−1に示したものと同様である。
結果を表6に示す。
─結果─
【0078】
【表6】
実施例5−1及び5−2のいずれの場合も、熱湯を注加後、2分間で十分に復元することができた。但し、実施例5−1、5−2とも外観上、レーザによる細孔の存在が目立った。
【0079】
(4)凍結乾燥後のエビ(大)
<実施例6−1>
実施例6−1で使用した生エビ(大きさ約30mm:厚さ約12mm)について常法により凍結乾燥処理まで行った。当該凍結乾燥後のエビについて、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
【0080】
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ2mmで行った。尚、照射回数は75回とした。細孔は一部貫通していた。
【0081】
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、3分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
【0082】
<比較例6−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例6−1に示したものと同様である。
結果を表7に示す。
─結果─
【0083】
【表7】
大き目のサイズのエビを用いた場合であったが、熱湯を注加後、3分間で十分に復元することができた。但し、実施例6−1においては外観上においてレーザによる細孔の存在が目立った。