【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、前記の疾患の際の腎機能障害に目標を定めた治療を可能にする医薬品を見出すことであった。
【0013】
従って、冒頭に定義された使用が見出された。
【0014】
ドーパミン−D
3−レセプターリガンドとして、このレセプターと親和性を有する原則的に全ての化合物が適しており、有利に他のドーパミン−レセプターと比較してこのレセプターに対する親和性が10倍大きいような化合物が適している。
【0015】
適当な化合物は例えば次の文献に挙げられたドーパミン−D
3−レセプターリガンドである:WO95/04713に記載されたような2−アミノインダン、WO95/30658から公知のようなベンズイミダゾール、EP−A286516及びBioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7, 881から公知のような2−アミノテトラリン、同様にWO94/21608、WO96/30333、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1996, 6, 6403又はJ. Med. Chem., 1996, 39, 4233から公知の化合物である。
【0016】
さらに、刊行物のWO97/43262、WO98/51671、WO98/50363、WO98/49145、WO98/50364又はWO98/06699に記載されたようなテトラヒドロイソキノリン−誘導体並びにWO97/17326又はWO97/47602から公知の化合物が適している。
【0017】
同様に、刊行物WO97/34884、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7, 2403、EP−A779584、WO98/18798、又はWO96/02520、WO96/02519、WO96/02249、WO96/02246、WO97/00106及びWO98/04138に挙げられた化合物が適している。
【0018】
一般式I
L−D−E (I)
[式中、
Lは、相互に無関係にO、N及びSから選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環L1を表すか、
又はグループL2
【化1】
から選択される芳香環又はヘテロ芳香環を表し、
その際、Lは場合により1、2、3又は4個の置換基を有し、前記置換基は相互に無関係に、OR
1、C
1〜C
6−アルキル(前記アルキルは場合によりOH、OC
1〜C
6−アルキル、フェニル又はハロゲンにより置換されていてもよい)、例えばCF
3、CHF
2、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、C
3〜C
8−シクロアルキル、ハロゲン、CN、CONR
1R
2、CO
2R
1、NO
2、NR
1R
2、SR
1、SO
2R
1、SO
2NR
1R
2、OSO
2R
1、Ax1又はフェノキシ(前記フェノキシは場合によりC
1〜C
6−アルキル、OC
1〜C
6−アルキル、又はハロゲンにより置換されていてもよい)、C
1〜C
6−アルカノイル又はベンゾイルから選択され;
その際、
Ax1はフェニル、ナフチル又はO、S及びNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環式の芳香環を表し、その際、Ax1は場合により1、2、3又は4個の置換基を有し、前記置換基は相互に無関係にC
1〜C
6−アルキル(前記アルキルは場合によりOH、OC
1〜C
6−アルキル、ハロゲン又はフェニルにより置換されていてもよい)、C
1〜C
6−アルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、ハロゲン、CN、COOR
1、NR
1R
2、NO
2、SR
1、SO
2R
2、SO
2NR
1R
2又はフェニル(前記フェニルは場合によりC
1〜C
6−アルキル、OC
1〜C
6−アルキル、NR
2R
2、CN、CF
3、CHF
2又はハロゲンにより置換されていてもよい)から選択され、かつ前記の複素環式の芳香環は場合によりフェニル環と縮合されていてもよく;
R
1はH、C
3〜C
6−シクロアルキル、又はC
1〜C
6−アルキル(前記アルキルは場合によりOH、OC
1〜C
6−アルキル、フェニル又はハロゲンにより、場合によりCF
3又はCHF
2として置換されている)を表し;
基R
2は同じ又は異なり、R
1について記載した意味を表すか又はCOR
1又はCO
2R
1を表し;
R
3はAx1、OR
1、R
1、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、ハロゲン、CN、CONR
1R
1、COOR
1、NO
2、NR
1R
1、SR
1、OSO
2R
1、SO
2R
1を表し;
R
4〜R
6は相互に無関係にH、C
1〜C
6−アルキル、OR
1、CN、NR
2R
2、SR
1、CF
3を表し;
R
7はH、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル又はフェニルを表し;
Dは、LがL2を表す場合、CONR
7−C
3〜C
10−アルキレン基を表し、又はLが5員又は6員の単環式の芳香族複素環L1を表す場合、C
4〜C
10−アルキレン基又は少なくとも1個の基Zを有するC
3〜C
10−アルキレン基を表し、前記基Zは−CH
2−、O、S、NR
1、C
3〜C
6−シクロアルキル、CO、CONR
1、二重結合及び三重結合から選択され、その際、R
1は上記の定義のものを表し、
Eは式(E1)又は(E2)の基を表し、かつ
(E1)はB−G
を表し、
前記式中、
Bは、1又は2個の窒素ヘテロ原子を有する6員、7員又は8員の飽和環を表し、その際、窒素ヘテロ原子は1,4位又は1,5位に存在し、環は1位で基Dと結合しており、4位又は5位で基Gと結合しており、かつその際、この環はさらに3位又は4位に1つの二重結合を有することができる;
【化2】
式中、
Gは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル又はトリアジニルを表し、その際、Gは場合により1〜4個の置換基を有していてもよく、前記置換基は相互に無関係にOR
1、アルキル、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、アルコキシアルキル、ハロゲンアルキル、ハロゲン、CN、CO
2R
1、NO
2、SO
2R
1、NR
1R
2、SO
2NR
1R
2、SR
1、5員又は6員の炭素環式の芳香環又は非芳香環及びO、S及びNから選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環式の芳香環又は非芳香環を表し、その際、前記の炭素環式又は複素環式の環は場合によりC
1〜C
6−アルキル、フェニル、フェノキシ、ハロゲン、OC
1〜C
6−アルキル、OH、NO
2又はCF
3により置換されていてもよく、その際、Gは場合により上記のように定義した種類の炭素環式又は複素環式の環で縮合されていてもよく;
及び(E2)は基E2a〜E2dを表し、
【化3】
式中、X
3はCH
2又はCH
2CH
2を表し;
R
11は、H、C
1〜C
6−アルキル(前記アルキルは場合によりOH、OC
1〜C
6−アルキル、フェニル又はハロゲンにより置換されており)、C
3〜C
6−シクロアルキル、場合によりハロゲン化された(1又は2個のハロゲン原子)C
2〜C
6−アルケニル又はC
2〜C
6−アルキニルを表し;
R
8、R
9及びR
10は相互に無関係にH、C
1〜C
6−アルキル(前記アルキルは場合によりOH、OC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルキルチオ、ハロゲン又はフェニルで置換されており)、OH、C
1〜C
6−アルコキシ、SH、C
1〜C
6−アルキルチオ、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、ハロゲン、CN、NO
2、SO
2R
1、OSO
2R
1、SO
2NR
1R
1、NHSO
2R
1、NR
1R
2、5員又は6員の炭素環式の芳香環又は非芳香環及びO、S及びNから相互に無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環式の芳香環又は非芳香環を表し、その際、炭素環式の又は複素環式の環は1又は2個の置換基を有し、前記置換基は相互に無関係にC
1〜C
6−アルキル、フェニル、フェノキシ、ハロゲン、C
1〜C
6−アルコキシ、OH、NO
2、CF
3及びCHF
2から選択され、かつその際、置換基R
8、R
9及びR
10の2つはこれらの置換基が結合しているフェニル環の炭素原子と一緒になってフェニル環と縮合したフェニル環、シクロペンチル環又はシクロヘキシル環を形成してもよい;]の化合物並びにその生理学認容性の酸との塩。
【0019】
本発明の範囲内で次の表現は次に記載する意味を表す:
アルキル(アルコキシ、アルキルチオなどのような基中のものも同様)は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を表す。このアルキル基は相互に無関係にOH、OC
1〜C
6−アルキル、ハロゲン又はフェニルから選択される1以上の置換基を有していてもよい。
【0020】
アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどである。
【0021】
シクロアルキルは特にC
3〜C
6−シクロアルキルを表し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを表す。
【0022】
アルキレンは直鎖又は分枝鎖の基を表す。Dが基Zを有していない場合、Dは4〜10個の炭素原子、有利に4〜8個の炭素原子を有する。Lと基Eとの間の鎖は少なくとも4個の炭素原子を有する。前記の基Zの一つを有する場合、Dは3〜10個の炭素原子、有利に3〜8個の炭素原子を有する。
【0023】
アルキレン基は場合によりDの定義において記載された基Z少なくとも1個を有することができる。これは、前記の二重結合又は三重結合と同様にアルキレン鎖中で任意の位置又は基Dの1位又は2位(基Lから見て)に配置されていてもよい。基CONR
1及びCOOは有利にそれぞれのカルボニル基が基L1に向くように配置される。特に有利にDは式Iの化合物を表し、その際、Dは−Z−C
3〜C
6−アルキレン、特に−Z−CH
2CH
2CH
2−、−Z−CH
2CH
2CH
2CH
2−、−Z−CH
2CH=CHCH
2−、−Z−CH
2C(CH
3)=CHCH
2−、−Z−CH
2C(=CH
2)CH
2−、−Z−CH
2CH(CH
3)CH
2−又は線状の−Z−C
7〜C
10−アルキレン基を表す。Zはこの場合CH
2を表すことができ、かつ有利にCH
2、O及び特にSを表す。
【0024】
ハロゲンは一般にF、Cl、Br又はI、有利にF又はClを表す。
【0025】
ハロゲンアルキルは1個以上の、特に1、2、3又は4個のハロゲン原子を有することができ、これらは1個以上のC原子に結合することができ、有利にα−位又はω−位に結合することができる。特に有利にCF
3、CHF
2、CF
2Cl又はCH
2Fである。
【0026】
アシルは有利にHCO又はC
1〜C
6−アルキル−CO、特にアセチルを表す。
【0027】
Lが置換されている場合、置換基は窒素ヘテロ原子に結合することもできる。Lは有利に次の式の基を表す:
【化4】
式中、
R
3はAx1、OR
1、R
1、C
2〜C
6−アルケニル、C
2〜C
6−アルキニル、ハロゲン、CN、CONR
1R
1、COOR
1、NR
1R
2、SR
1、SO
2R
1を表す。
R
4〜R
6は相互に無関係にH、C
1〜C
6−アルキル、OR
1、CN、NR
2R
2、SR
1、CF
3を表す。
R
7はH、C
1〜C
6−アルキル又はC
3〜C
6−シクロアルキルを表し、及び
MはN又はCHを表す。
【0028】
Ax1は有利に次の式の置換基を表す:
【化5】
式中、
R
4〜R
6は上記の意味を表し、及び
R
7は有利にC
1〜C
4−アルキルを表す。
【0029】
特に有利にLは次の基を表す:
【化6】
式中、
R
3はAx1、R
1、COOR
1、NO
2、NR
1R
2、SR
1、OSO
2CF
3、SO
2R
1、CF
3、CHF
2を表し、
R
4〜R
6はH、C
1〜C
6−アルキル、OR
1、NR
2R
2を表し、
R
7はH、C
1〜C
6アルキルを表す。
【0030】
Ax1は特に有利に次の基である:
【化7】
【0031】
前記のフェニル基、ピラジニル基、チアゾリル基及びピロリル基は特に有利であり、その際、R
4、R
5及びR
7は上記の意味を表す。
【0032】
一実施態様によると、本発明は式(I)の化合物の使用に関し、その際、Eは上記の基(E2)を表し、L及びDは上記の意味を表す。
【0033】
Lは有利に次のL1aを表す:
【化8】
【0034】
特に有利にEはE2bを表し、その際、X
3は有利にCH
2CH
2を表すか又はE2cを表し、その際、X
3は有利にCH
2を表し、かつLは特に有利に1,2,4−(4H)−トリアゾールを表し、置換基Ax1は3位に及び基R
7は4位にある。Eが基E2b、E2c又はE2dを表す場合、Dは有利にC
4〜C
10−アルキレン又は少なくとも1個の基Zを有するC
3〜C
10−アルキレンを表し、前記の基ZはO、S、CO、−CH
2−、二重結合及び三重結合から選択される。
【0035】
有利に、基R
8、R
9及びR
10の少なくとも1つはHを表す。
【0036】
基R
8、R
9及びR
10は有利にかつ相互に無関係にH、C
1〜C
6−アルキル、OH、C
1〜C
6−アルコキシ、OSO
2R
1、C
1〜C
6−アルキルチオ−C
1〜C
6−アルキル及びハロゲンを表す。特に有利に、フェニル基は1又は2個の置換基を有し、つまり、1又は2個の基R
8、R
9及びR
10はC
1〜C
6−アルキル、OH、C
1〜C
6−アルコキシ又はハロゲンを表す。
【0037】
基R
8、R
9及びR
10の1つが5員又は6員の複素環を表す場合、例えばピロリジン基、ピペリジン基、モルホリン基、ピリジン基、ピリミジン基、トリアジン基、ピロール基、チオフェン基又はピラゾール基であり、その際、ピロール基、ピロリジン基、ピラゾール基又はチエニル基が有利である。
【0038】
基R
8、R
9及びR
10の1つが炭素環式基を表す場合、特に有利にフェニル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。
【0039】
基Eが有利に式(E1)の基を表し、
(E1)は B−Gであり、
Bは有利に次の式(B1)の基を表し
【化9】
及び特に有利に(B2)を表す。
【0040】
【化10】
【0041】
基Gは、1個、2個、3個又は4個の置換基、有利に1又は2個の置換基を有することができ、この置換基は特にメタ位及び/又はパラ位にある。有利に、この置換基は相互に無関係にC
1〜C
6−アルキル、ハロゲンアルキル、NO
2、ハロゲン、特に塩素、フェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから選択される。置換基の1つがC
1〜C
6アルキルを表す場合、分枝した基及び特にイソプロピル又はt−ブチルが有利である。
【0042】
有利に、Gは場合により置換されたフェニル、2−、3−又は4−ピリジニル又は2−、4(6)−又は5−ピリミジニルである。
【0043】
基Gの置換基の1つが5員又は6員の複素環を表す場合、例えばピロリジン基、ピペリジン基、モルホリン基、ピリジン基、ピリミジン基、トリアジン基、ピロール基、チオフェン基、チアゾール基、イミダゾール基、オキサゾール基、イソキサゾール基、ピラゾール基又はチアジアゾール基であり、その際、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はチエニル基が有利である。
【0044】
基Gの置換基の1つが炭素環式基を表す場合、特にフェニル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。
【0045】
Gが炭素環式基と縮合している場合、特にナフタリン基、ジヒドロナフタリン基又はテトラヒドロナフタリン基である。
【0046】
特に有利なのは、Lが次のものから選択され、
【化11】
かつ、Dは−Z−(CH
2)
3−又は−Z−(CH
2)
4−を表し、かつEはB1−Gを表し、その際、R
3、R
4、R
7、Z、B1及びGは上記の意味を表す式Iの化合物である。
【0047】
全く有利なのは、本発明の範囲内で、Lが次のものから選択され、
【化12】
Dは−Z−(CH
2)
3−又は−Z−(CH
2)
4−を表し、
Bは
【化13】
特に、
【化14】
を表し、及び
Gは−4−ピリミジルを表し、残りの基は上記の意味を表し、
その際、Lがトリアゾールを表す場合、R
3は有利に次のもの
【化15】
又はNR
1R
1(その際、R
1は同じ又は異なっていてもよい)を表す。
【0048】
本発明は、式Iの化合物と生理学的に認容性の酸との酸付加塩を包含する。生理学的に認容性の有機酸及び無機酸として、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、アジピン酸又は安息香酸が挙げられる。さらに利用可能な酸は、Fortschritte der Arzneimittelforschung, Band 10, p. 224 ff, Birkhaeuser Verlag, Basel and Stuttgart, 1966に記載されている。
【0049】
式Iの化合物は1以上の不斉中心を有することができる。ラセミ体だけでなく該当するエナンチオマー及びジアステレオマーも本発明の範囲内である。同様にそれぞれの互変異性形も本発明の範囲内である。
【0050】
一般式(I)の化合物の製造方法は次の方法からなる:
a) 一般式(II)
L−D−Y
1 (II)
[式中Y
1は通常の脱離基、例えばハロゲン、アルカンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシなどを表し、Zは上記の意味を表す]の化合物を、一般式(III)
H−E (III)
の化合物と反応させるか;又は
b) 一般式(IV)
L−D1−Z
1H (IV)
[式中、Z
1はO、NR
1又はSを表し、D1はC
1〜C
10−アルキレン又は結合を表す]の化合物を、一般式(V)
Y
1−D2−E (V)
[式中、Y
1は上記の意味を表し、D2はC
2〜C
10−アルキレンを表す]の化合物と反応させる(その際、D1及びD2は合計で3〜10個のC原子を有する)か;又は
c) 一般式(VI)
L−Y
1 (VI)
[式中、Y
1は上記の意味を表す]の化合物を、一般式(VII)
H−Z
1−D−E (VII)
[式中、Z
1は上記の意味を表す]の化合物と反応させるか;又は
d) 式(VIII)
NC−D−E (VIII)
の化合物をタイプ(IX)
【化16】
の化合物の形に変換し、
これをジカルボニル化合物と公知の方法で反応させるか;又は
e) 一般式(X)
【化17】
の化合物を、文献公知の試薬、例えば1,3−プロパンジチオール、KCN/水、TMSCN(トリメチルシリルシアニド)又はKCN/モルホリンと、例えば
Albright, Tetrahedron, 1983, 39, 3207又は
D. Seebach, Synthesis 1969, 17 and 1979, 19又は
H. Stetter, Angew. Chem. Int. Ed. 1976, 15, 639又は
van Niel et al., Tetrahedron 1989, 45, 7643又は
Martin et al., Synthesis 1979, 633
に記載されたと同様に極性転換して、生成物(Xa)
【化18】
(例えば1,3−プロパンジチオール)にし、引き続き一般式(XI)
Y
1−D3−E (XI)
[式中、Y
1は上記の意味を表し、D3はC
3〜C
9−アルキレンを表し、前記の基は基Zを含有していてもよい]の化合物を用いて鎖長延長し、その際、脱保護又は還元により式(Ia)
T−Z
3−D2−E (Ia)
[式中、Z
3はCO又はメチレン基を表し、Z
3とD2は一緒に4〜10個のC原子を有する]の化合物を得るか;又は
g) 式(X)の化合物を一般式(XII)
Y
3−D−E (XII)
[式中、Y
3はホスホラン又はホスホン酸エステルを表す]の化合物と、例えばHouben Weyl " Methoden der Organischen Chemie" 第4版, Thime Verlag Stuttgart, Band V/1b p. 383 ff又はBd V/1c p. 575 ffに記載されたような通常の方法と同様に反応させる。
【0051】
基COO又はCONR
7を含有する式Iの化合物の製造方法は、一般式(XIII)
【化19】
[式中、Y
2はOH、OC
1〜C
4−アルキル、Cl又はCOと一緒になって活性化されたエステル基を表し、その際、D4はC
0〜C
9−アルキレンを表し、前記基は基Zを有することができる]を、式(XIV)
Z
2−D−E (XIV)
[式中、Z
2はOH又はNR
7を表す]と反応させることよりなる。
【0052】
一般式IIIの化合物は、式V、VII、VIIIの化合物の製造のための出発化合物である。
【0053】
式IIIa
H−B−G (IIIa)
の化合物は、例えばJ. A. Kiristy et al., J. Med. Chem. 1978, 21, 1303又はC.B. Bollard, J. Am. Chem. Soc. 1934, 56, 2199に記載されたような標準的方法により製造されるか又は
a) 一般式(XV)
HB3 (XV)
[式中、B3は
【化20】
を表し、かつQはH又は通常のアミノ保護基、例えばブチルオキシカルボニル、ベンジル又はメチルを表す]の化合物を、一般式(XVI)
Y
4−G (XVI)
[式中、Y
4はB(OH)
2、−SnBu
3、トリフルオロメタンスルホニルオキシを表し、Y
1は前記の意味を表す]の化合物と公知の方法で反応させるか;又は
b) 一般式(XVII)
Q−B4 (XVII)
[式中、B4は
【化21】
を表し、かつY
4及びQは上記の意味を表す]の化合物を、一般式(XVIII)
Y
5−G (XVIII)
[式中、Y
4がハロゲン又はトリフルオロメチルスルホニルオキシを表す場合、Y
5はホウ素誘導体、例えばB(OH)
2又は金属含有脱離基、例えばSnR
3(R=ブチル又はフェニル)又は亜鉛ハロゲン化物を表し、Y
4がホウ素誘導体、例えばB(OH)
2又は金属含有脱離基、例えばSnR
3(R=ブチル又はフェニル)又は亜鉛ハロゲン化物を表す場合、Y
5はハロゲン又はトリフルオロメチルスルホニルオキシを表す]の化合物と、
S. Buchwald et al., Angew. Chem. 1995, 107, 1456又は
J.F. Hartweg et al., Tetrahedron Lett 1995, 36, 3604もしくは
J.K. Stille et al., Angew. Chem. 1986, 98, 504又は
Pereyre M. et al., "Tin in Organic Synthesis", Butterworth 1987
に記載されたような公知の方法で反応させるか;又は
c) 一般式(XIX)
【化22】
の化合物を、M−G
[式中Mは金属、例えばLi、MgY
6を表しかつY
6はホウ素、塩素又はヨウ素を表す]の化合物と反応させる。M−Gは文献公知の方法により得ることができる。
【0054】
タイプBの化合物は公知であるか又は公知の方法と同様に製造できる、例えば
1,4−及び1,5−ジアザシクロアルカン:
L. Boerjeson et al. Acta Chem. Scand. 1991, 45, 621
Majahrzah et al Acta Pol. Pharm., 1975, 32, 145
1,4−ジアザシクロオクト−6−エン:
W. Schroth et al. Z. Chem. 1969, 9, 143
1−アザシクロオクタノン:
N.J. Leonard et al. J. Org. Chem. 1964, 34, 1066
1−アザビシクロ−ヘプタノン:
A. Yokoo et al. Bull Chem. Soc. Jpn. 1956, 29, 631。
【0055】
タイプL並びにGの化合物は、公知であるか又は、例えば、A.R. Katritzky, CW. Rees (ed.) "Comprehensive Hterocyclic Chemistry", Pergamon Press,又は"The Chemistry of Heterocyclic Compounds", J. Wiley & Sons Inc. NY及びそこに引用された文献又は上記の引用された特許文献の記載されたような公知の方法により製造できる。
【0056】
一般式(Ib)
L1a−D−E2 (Ib)
の化合物の製造方法は、
a) 一般式(XX)
L1a−D−C(O)−A (XX)
[式中、AはH又はOHを表す]の化合物を、式E2の化合物と、例えばJ. Org. Chem. 1986, 50, 1927;又はWO92/20655に記載されたような文献公知の方法と同様の還元条件下で反応させるか、又は
b) 式(Ib1)
L1a−D−E2a (Ib1)
の化合物の製造のために、一般式(XXII)もしくは(XXIII)
【化23】
一般式(XXIV)
L1a−D−Z
4H (XXIV)
[式中、Z4はNR
11を表し、R
11は上記の意味を表す]の化合物と還元条件下で反応させることにある。
【0057】
タイプ(XXIV)の化合物は、式(II)の化合物とGabriel合成を用いて反応させて、相応するアミン(XXV)
L−D−NH
2 (XXV)
にし、次いで、R
11(相応するアルデヒドを用いて又は塩基の存在でのアルキル化によって)と、引き続きE2と、J. Org. Chem. 1986, 50, 1927に記載されたように還元性アミノ化により連結させる。
【0058】
一般式(XXV)の化合物は、
H. Staudinger, Helv. Chim. Acta 1985, 2, 635又は
R. Carrie, Bull. Chem. Soc. Fr. 1985, 815
に記載されたように、式(II)の化合物をアジ化物、例えばアジ化ナトリウムと反応させ、引き続き還元することにより得られる。
【0059】
式(XXII)及び(XXIII)の化合物は文献公知であるか又は
A. van Vliet et al. J. Med. Chem. 1996, 39, 4233
M. Langlois Bioorg. Med. Chem. Lett. 1993, 3, 2035
U. Hacksell J. Med. Chem. 1993, 36, 4221
又はWO93/08799又はWO95/04713
に記載されたような公知の方法により製造できる。
【0060】
E2が一般式(XXVI)
【化24】
[式中、R
8、R
9、R
10、X
3は上記した意味を表す]の基を表す場合、例えば
S. Smith et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 1998, 8, 2859;
WO97/47602又はWO92/0655もしくは
J. Med. Chem. 1987, 30, 2111及び2208
に記載されたように、相応するアミンを製造することができる。
【0061】
式(IV)の化合物は公知であるか、又は公知の方法により製造できる、例えばA. R. Katrizky, C.W. Rees (ed.) "Comprehensive Heterocyclic Chemistry", Pergamon Press,又は"The Chemistry of Heterocyclic Compounds" J. Wiley & Sons Inc. NY及びそこに引用された文献又はS. Kubota et al. Chem. Pharm. Bull 1975, 23, 955又はVosilevskii et al. Izv. Akad. Nauk. SSSR ser. Khim 1975, 23, 955に記載されたような公知の方法により製造できる。