(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入射光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部と、電極を有し前記電極に印加される電圧により制御され前記第1光電変換部から転送される電荷を蓄積するメモリ部と、電極を有し前記電極に印加される電圧により制御され前記第1光電変換部から前記メモリ部に電荷を転送する第1の転送部と、前記メモリ部から増幅部に電荷を転送する第2の転送部と、前記メモリ部を遮光する遮光部とを有する複数の焦点検出用画素と、
入射光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部を有する複数の撮像用画素と、
前記焦点検出用画素および前記撮像用画素が配置された画素アレイとを備え、
前記第1光電変換部は、前記第2光電変換部より小さく、
前記メモリ部は、前記焦点検出用画素の前記遮光部で遮光された領域であって、前記第1光電変換部がない領域にのみ配置され、
前記メモリ部の電極および前記第1の転送部の電極には共通の信号電圧が印加される撮像装置。
入射光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部と、前記第1光電変換部から転送される電荷を蓄積するメモリ部と、前記第1光電変換部から前記メモリ部に電荷を転送する第1の転送部と、前記メモリ部から増幅部に電荷を転送する第2の転送部と、前記メモリ部を遮光する遮光部とを有する複数の焦点検出用画素と、
入射光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部を有する複数の撮像用画素と、
前記焦点検出用画素および前記撮像用画素が配置された画素アレイと、
前記撮像用画素および前記焦点検出用画素の動作を制御する制御部とを備え、
前記第1光電変換部は、前記第2光電変換部より小さく、
前記メモリ部は、前記焦点検出用画素の前記遮光部で遮光された領域であって、前記第1光電変換部がない領域にのみ配置され、
前記制御部は、前記画素アレイで異なる行に配置された複数の前記焦点検出用画素の露光タイミングが互いに同じになるように、前記焦点検出用画素の動作を制御する撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態を示している。
図1の網掛け部分は、
図2で説明する焦点検出用画素PXF内のメモリ部MUを示している。この実施形態の撮像装置IMUは、例えば、CMOS型の撮像装置であり、デジタルカメラに搭載される。例えば、撮像装置IMUは、画素アレイARYおよび制御部CNTを有している。
【0011】
画素アレイARYは、例えば、マイクロレンズおよびカラーフィルタを介して入射される光の量に応じた電気信号(以下、画像信号とも称する)を生成する複数の撮像用画素PXIと、複数の焦点検出用画素PXFとを有している。例えば、複数の撮像用画素PXIは、赤色(R)、緑色(Gr、Gb)、青色(B)のカラーフィルタをそれぞれ有し、ベイヤー配列で配置されている。なお、赤色(R)、緑色(Gr、Gb)、青色(B)のカラーフィルタをそれぞれ有する撮像用画素PXIの配列は、ベイヤー配列に限定されない。
【0012】
焦点検出用画素PXFは、例えば、公知の瞳分割方式による自動焦点検出処理に用いられる信号を生成するための画素であり、行方向(
図1の横方向)に延在する焦点検出領域FDA(
図1の破線で囲んだ領域)に配置される。なお、焦点検出用画素PXFが配置される焦点検出領域FDAは、列方向(
図1の縦方向)に延在して設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
【0013】
制御部CNTは、例えば、画素アレイARYの撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXFの動作を制御する。なお、制御部CNTは、撮像装置IMUとは別に設けられてもよい。すなわち、撮像装置IMUは、
図1の構成から制御部CNTが省かれた構成でもよい。
【0014】
図2は、
図1に示した撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXFの概要を示している。なお、
図2は、画素アレイARYの撮像面側(後述する
図3、
図4の上側)から見た撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXFを示している。また、
図2では、図を見やすくするために、配線やカラーフィルタ等の記載を省略している。
図2の網掛け部分は、メモリ部MUを示している。
【0015】
撮像用画素PXIは、光電変換部としてのフォトダイオードPDaと、画像信号を読み出すための回路部CIRUとを有している。例えば、フォトダイオードPDaは、マイクロレンズMLNおよび開口部APを介して入射される光を光電変換して電荷を生成する。なお、例えば、開口部AP以外の回路部CIRU等の領域では、マイクロレンズMLNを介して入射される光は、
図3に示す遮光部MS等により遮蔽される。
【0016】
回路部CIRUは、例えば、後述する
図6、
図7に示す転送トランジスタMTR、増幅トランジスタMAM、画素選択トランジスタMSE、リセットトランジスタMRSおよびフローティングディフュージョンFDを有している。例えば、撮像用画素PXIでは、回路部CIRUの転送トランジスタMTRは、フォトダイオードPDaに隣接して配置される。また、例えば、焦点検出用画素PXFでは、回路部CIRUの転送トランジスタMTRは、メモリ部MUに隣接して配置される。なお、回路部CIRUの配置は、この例に限定されない。
【0017】
焦点検出用画素PXFは、光電変換部としてのフォトダイオードPDbと、フォトダイオードPDbから転送される電荷を蓄積するメモリ部MUと、画像信号を読み出すための回路部CIRUとを有している。例えば、フォトダイオードPDbは、マイクロレンズMLNおよび開口部APを介して入射される光を光電変換して電荷を生成する。なお、例えば、開口部AP以外のメモリ部MU等の領域では、マイクロレンズMLNを介して入射される光は、
図4に示す遮光部MS等により遮蔽される。
【0018】
焦点検出用画素群PXFGは、例えば、行方向(
図2の横方向)に配置された一対の焦点検出用画素PXFにより構成され、行方向に瞳分割した一対の像を生成する。例えば、焦点検出用画素群PXFG(一対の焦点検出用画素PXF)から生成される一対の像の像ずれ量を検出することにより、デフォーカス量が算出される。
【0019】
ここで、例えば、焦点検出用画素群PXFGのうちの左側の焦点検出用画素PXFでは、フォトダイオードPDbおよびメモリ部MUがマイクロレンズMLNの左半分および右半分にそれぞれ配置される。また、例えば、焦点検出用画素群PXFGのうちの右側の焦点検出用画素PXFでは、フォトダイオードPDbおよびメモリ部MUは、マイクロレンズMLNの右半分および左半分にそれぞれ配置される。
【0020】
図3は、
図2に示した撮像用画素PXIのA−A’線に沿う断面を示している。なお、
図3では、配線等の記載を省略している。例えば、フォトダイオードPDaは、p型の半導体基板SUBの受光面側(
図3では上側)に形成されたn型の半導体領域NA1を有している。なお、フォトダイオードPDaの導電型は、この例に限定されない。半導体基板SUBに形成された絶縁部ISは、例えば、互いに隣接するフォトダイオードPDa間を絶縁するための領域である。また、例えば、半導体基板SUB上に設けられたゲート層GLYには、上述した
図2に示した回路部CIRUのトランジスタのゲート電極等が形成される。
【0021】
そして、ゲート層GLY上には、複数の層を有する配線層MLYが設けられる。例えば、遮光部MSは、配線層MLYの最下層(半導体基板SUB側の層)に金属膜等で形成され、フォトダイオードPDa以外の領域(絶縁部IS等)に対応する位置に配置される。すなわち、フォトダイオードPDa上には、開口部APが形成される。なお、遮光部MSは、配線層MLYの最下層以外に形成されてもよいし、配線と兼用されてもよい。例えば、配線は、遮光部MSが設けられる層と別の層に形成されてもよいし、遮光部MSが設けられる層と同じ層に形成されてもよい。
【0022】
配線層MLY上には、カラーフィルタとして機能する光学フィルタOFLが配置される。
図3では、緑色(Gb)および青色(B)のカラーフィルタとしてそれぞれ機能する光学フィルタOFLが交互に配置されている。光学フィルタOFL上には、平坦層PLYが形成されている。そして、平坦層PLY上にマイクロレンズMLNが配置されている。例えば、撮像用画素PXIでは、フォトダイオードPDaは、マイクロレンズMLN、光学フィルタOFL(カラーフィルタ)および開口部APを通過した光を受ける。
【0023】
図4は、
図2に示した焦点検出用画素PXFのB−B’線に沿う断面を示している。なお、
図4では、配線等の記載を省略している。例えば、フォトダイオードPDbは、p型の半導体基板SUBの受光面側(
図4では上側)に形成されたn型の半導体領域NA1を有している。
【0024】
メモリ部MUは、フォトダイオードPDbから転送される電荷を蓄積する蓄積部MEMと、フォトダイオードPDbの電荷を蓄積部MEMに転送するメモリ転送部MTXとを有している。例えば、メモリ転送部MTXは、p型の半導体基板SUBに形成されたn型の半導体領域NA2と、ゲート層GLYに形成されたゲート電極GTの一部(領域NA2上の部分のゲート電極GT)とを有している。
【0025】
また、例えば、メモリ転送部MTXは、領域NA1、NA2間に形成されるp型の半導体領域PA1と、ゲート電極GTの一部(領域PA1上の部分のゲート電極GT)と有している。すなわち、メモリ転送部MTXは、蓄積部MEMとフォトダイオードPDbとの間に形成される。なお、絶縁部ISは、互いに隣接する領域NA1間と、互いに隣接する領域NA2間とにそれぞれ形成される。すなわち、領域NA1、PA1、NA2は、絶縁部IS間に形成される。
【0026】
ここで、例えば、フォトダイオードPDbの領域NA1、メモリ転送部MTXの領域PA1および蓄積部MEMの領域NA2の不純物濃度は、互いに異なる。領域NA1、PA1、NA2の不純物濃度は、例えば、後述する
図9、
図10に示すポテンシャルの関係を実現するように、それぞれ設定される。例えば、ゲート電極GTの電圧が接地電圧GNDのときの蓄積部MEMのポテンシャルがフォトダイオードPDbのポテンシャルとフローティングディフュージョンFDのポテンシャルとの間に位置するように、領域NA1、NA2の不純物濃度は、それぞれ設定される。なお、領域PA1の不純物濃度は、半導体基板SUBの不純物濃度と異なっていてもよいし、半導体基板SUBの不純物濃度と同じでもよい。
【0027】
半導体基板SUB上には、ゲート層GLYが形成される。上述したように、蓄積部MEMおよびメモリ転送部MTXのゲート電極GTは、ゲート層GLYに形成される。例えば、蓄積部MEMおよびメモリ転送部MTXのゲート電極GTは、互いに共通に設けられている。なお、蓄積部MEMおよびメモリ転送部MTXのゲート電極GTは、互いに分離して設けられてもよい。また、例えば、ゲート層GLYには、蓄積部MEMおよびメモリ転送部MTXのゲート電極GTとは別に、上述した
図2に示した回路部CIRUのトランジスタのゲート電極等が形成される。
【0028】
そして、ゲート層GLY上には、複数の層を有する配線層MLYが設けられる。例えば、遮光部MSは、配線層MLYの最下層(半導体基板SUB側の層)に金属膜等で形成され、フォトダイオードPDb以外の領域(メモリ部MU、絶縁部IS等)に対応する位置に配置される。すなわち、フォトダイオードPDb上には、開口部APが形成される。このように、焦点検出用画素PXFは、メモリ部MUを遮光する遮光部MSを有している。なお、遮光部MSは、配線層MLYの最下層以外に形成されてもよいし、配線と兼用されてもよい。例えば、配線は、遮光部MSが設けられる層と別の層に形成されてもよいし、遮光部MSが設けられる層と同じ層に形成されてもよい。
【0029】
配線層MLY上には、例えば、青色の波長から赤色の波長までの光を透過する光学フィルタOFL(CLR)が配置される。光学フィルタOFL上には、平坦層PLYが形成されている。そして、平坦層PLY上にマイクロレンズMLNが配置されている。例えば、焦点検出用画素PXFでは、フォトダイオードPDbは、マイクロレンズMLN、光学フィルタOFL(CLR)および開口部APを通過した光を受ける。また、フォトダイオードPDbで生成された電荷は、例えば、ゲート電極GTを制御することにより、メモリ転送部MTXを介して蓄積部MEMに転送される。したがって、この実施形態では、焦点検出用画素PXFのフォトダイオードPDbで生成された電荷を蓄積部MEMに蓄積できる。
【0030】
なお、フォトダイオードPDb、メモリ転送部MTXおよび蓄積部MEM等の半導体の導電型は、この例に限定されない。
【0031】
図5は、
図1に示した制御部CNTの概要を示している。なお、
図5は、n行m列の画素アレイARYの撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXFの動作を制御する制御部CNTの概要を示している。例えば、焦点検出用画素PXFは、4行目の2列目から“m−1”列目に配置されている。
【0032】
制御部CNTは、例えば、垂直走査回路VSCおよびタイミングジェネレータTGを有している。垂直走査回路VSCは、制御信号RST、TR、SELを用いて、画素アレイARYの撮像用画素PXIを行毎に制御する。例えば、垂直走査回路VSCは、制御信号RST(1)、TR(1)、SEL(1)を制御し、1行目の撮像用画素PXIを制御する。また、例えば、垂直走査回路VSCは、制御信号RST(4)、TR(4)、SEL(4)を制御し、4行目の1列目およびm列目の撮像用画素PXIを制御する。
【0033】
さらに、垂直走査回路VSCは、制御信号RST_f、TR_f、TX_f、SEL_fを用いて、画素アレイARYの焦点検出用画素PXFを、撮像用画素PXIとは独立に制御する。例えば、垂直走査回路VSCは、制御信号RST_f(4)、TR_f(4)、TX_f(4)、SEL_f(4)を制御し、4行目の焦点検出用画素PXFを制御する。以下、制御信号RST、RST_fをリセット信号RSTとも称する。また、制御信号TR、TR_fを転送信号TRとも称する。制御信号SEL、SEL_fを選択信号SELとも称する。さらに、制御信号TX_fをメモリ転送信号TX_fとも称する。
【0034】
タイミングジェネレータTGは、例えば、垂直走査回路VSCに駆動クロック等を供給し、垂直走査回路VSCの制御信号RST、TR、SEL、RST_f、TR_f、TX_f、SEL_fの出力タイミングを制御する。なお、タイミングジェネレータTGは、撮像装置IMUとは別に設けられてもよい。すなわち、撮像装置IMUは、
図5の構成からタイミングジェネレータTGが省かれた構成でもよい。
【0035】
ここで、画素アレイARYは、各画素(撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXF)の出力信号OUTを出力するための垂直信号線VLを有している。例えば、列方向(図の縦方向)に配置された複数の画素(撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXF)は、列毎に設けられた垂直信号線VLに接続されている。また、各垂直信号線VLには、各画素からの出力信号OUTを読み出すために、後述する
図6、
図7に示す定電流源CSが接続されている。
【0036】
図6は、
図1に示した撮像用画素PXIの構成の一例を示している。撮像用画素PXIは、フォトダイオードPDaおよび回路部CIRUを有している。回路部CIRUは、例えば、転送トランジスタMTR、増幅トランジスタMAM、画素選択トランジスタMSE、リセットトランジスタMRSおよびフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョン領域)を有している。例えば、回路部CIRU内に形成されるトランジスタMTR、MAM、MSE、MRSは、全てnMOSトランジスタである。
【0037】
フォトダイオードPDaは、アノードが接地され、カソードが転送トランジスタMTRのソースに接続されている。転送トランジスタMTRは、ゲートに印加される転送信号TRが高レベルの期間にオンし、フォトダイオードPDaに蓄積されている信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
【0038】
フローティングディフュージョンFDは、フォトダイオードPDaから転送される電荷を蓄積する寄生容量が形成される領域(トランジスタMTRのドレイン領域、トランジスタMTR、MAM間の配線領域、トランジスタMAMのゲート領域、リセットトランジスタMRSのソース領域等)である。したがって、フォトダイオードPDaから転送された信号電荷は、フローティングディフュージョンFDに蓄積される。
【0039】
増幅トランジスタMAMは、ソースが画素選択トランジスタMSEのドレインに接続され、ドレインが電源VDDに接続され、ゲートが転送トランジスタMTRのドレインに接続されている。すなわち、フローティングディフュージョンFDに転送された信号電荷に応じた電圧は、増幅トランジスタMAMのゲートに入力される。そして、増幅トランジスタMAMは、例えば、ゲートの電圧から増幅トランジスタMAMの閾値電圧分降下した電圧を、ソースから出力する。このように、増幅トランジスタMAMは、フローティングディフュージョンFDに転送された信号電荷に応じた信号を生成する。
【0040】
画素選択トランジスタMSEは、ゲートに印加される選択信号SELが高レベルの期間にオンし、ソースに接続された垂直信号線VLと増幅トランジスタMAMのソースとの間を導通させる。したがって、画素選択トランジスタMSEがオンの期間では、増幅トランジスタMAMと、画素選択トランジスタMSEと、垂直信号線VLに接続された定電流源CSとにより、ソースフォロア回路が構成される。これにより、画素選択トランジスタMSEにより選択された撮像用画素PXIの信号が、垂直信号線VLに出力される。
【0041】
リセットトランジスタMRSは、ソースが増幅トランジスタMAMのゲートに接続され、ドレインが電源VDDに接続されている。例えば、リセットトランジスタMRSは、ゲートに印加されるリセット信号RSTが高レベルの期間にオンし、フローティングディフュージョンFDの電荷をリセットする。
【0042】
図7は、
図1に示した焦点検出用画素PXFの構成の一例を示している。焦点検出用画素PXFは、フォトダイオードPDb、メモリ部MUおよび回路部CIRUを有している。焦点検出用画素PXFの回路部CIRUの構成は、制御信号および転送トランジスタMTRのソースの接続先を除いて、撮像用画素PXIの回路部CIRUの構成と同じである。このため、回路部CIRUについては、詳細な説明を省略する。例えば、制御信号RST_f、TR_f、SEL_fは、
図6に示した制御信号RST、TR、SELにそれぞれ対応している。
【0043】
フォトダイオードPDbは、アノードが接地され、カソードがメモリ転送部MTXに接続されている。メモリ部MUは、メモリ転送部MTXおよび蓄積部MEMを有している。例えば、メモリ転送部MTXは、nMOSトランジスタであり、ドレインが蓄積部MEMに接続され、ソースがフォトダイオードPDbのカソードに接続され、ゲートでメモリ転送信号TX_fを受ける。以下、メモリ転送部MTXをメモリ転送トランジスタMTXとも称する。例えば、メモリ転送トランジスタMTXは、メモリ転送信号TX_fが高レベルの期間にオンし、フォトダイオードPDbにより生成された信号電荷を蓄積部MEMに転送する。
【0044】
蓄積部MEMは、例えば、MOS構造で形成され、ゲート電極の下に形成されるポテンシャル井戸に電荷を蓄積する。例えば、蓄積部MEMは、フォトダイオードPDbに蓄積される電荷の量より多い量の電荷を蓄積できるポテンシャル井戸を有している。なお、蓄積部MEMのゲート電極(ポテンシャル井戸上のゲート電極)は、例えば、メモリ転送信号TX_fにより制御される。
【0045】
この実施形態では、蓄積部MEMのゲート電極とメモリ転送トランジスタMTXのゲートとが共通のメモリ転送信号TX_fにより制御されるため、メモリ部MUの動作の制御を簡易にできる。なお、例えば、蓄積部MEMのゲート電極とメモリ転送トランジスタMTXのゲートとが互いに分離された構成では、蓄積部MEMのゲート電極は、メモリ転送トランジスタMTXのゲートと異なる制御信号で制御されてもよい。
【0046】
転送トランジスタMTRは、ドレインが増幅トランジスタMAMのゲートに接続され、ソースが蓄積部MEMに接続され、ゲートで転送信号TR_fを受ける。例えば、転送トランジスタMTRは、転送信号TR_fが高レベルの期間にオンし、フォトダイオードPDbにより生成された信号電荷を、メモリ部MUを介してフローティングディフュージョンFDに転送する。あるいは、例えば、転送信号TR_fが高レベルの期間に、転送トランジスタMTRは、蓄積部MEMに蓄積された信号電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。
【0047】
増幅トランジスタMAMは、ソースが画素選択トランジスタMSEのドレインに接続され、ドレインが電源VDDに接続され、ゲートが転送トランジスタMTRのドレインに接続されている。画素選択トランジスタMSEは、ゲートに印加される選択信号SEL_fが高レベルの期間にオンし、垂直信号線VLと増幅トランジスタMAMのソースとの間を導通させる。これにより、画素選択トランジスタMSEにより選択された焦点検出用画素PXFの信号が、垂直信号線VLに出力される。
【0048】
リセットトランジスタMRSは、ソースが増幅トランジスタMAMのゲートに接続され、ドレインが電源VDDに接続されている。例えば、リセットトランジスタMRSは、ゲートに印加されるリセット信号RST_fが高レベルの期間にオンし、フローティングディフュージョンFDの電荷をリセットする。
【0049】
図8は、
図6に示した撮像用画素PXIの動作の一例を示している。図中の符号pは、ポテンシャル(電位)を示している。なお、図中の破線は、トランジスタの状態(オン・オフ)が切り替わる前のポテンシャルを示している。
【0050】
リセット期間RESaでは、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、高レベルに維持され、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オン(ON)状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDaおよびフローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷は、電源VDDに排出される。
【0051】
露光期間EXPaでは、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルに維持され、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オフ(OFF)状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDaは、入射光に応じて電荷を生成し、生成した電荷を蓄積する。
【0052】
転送期間TRAaでは、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ高レベルおよび低レベルに維持される。したがって、転送期間TRAaでは、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオン状態およびオフ状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDaに蓄積された電荷は、フローティングディフュージョンFDに転送される。なお、リセットトランジスタMRSがオフ状態であるため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0053】
読み出し期間REAaでは、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルに維持され、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSはオフ状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDaからフローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、フローティングディフュージョンFDに蓄積される。さらに、読み出し期間REAaでは、選択信号SELが高レベルに維持され、フローティングディフュージョンFDに蓄積された信号電荷に応じた電圧が垂直信号線VLに出力される。
【0054】
図9は、
図7に示した焦点検出用画素PXFの動作の一例を示している。なお、
図9は、蓄積部MEMに電荷を蓄積しないときの焦点検出用画素PXFの動作の一例を示している。図中の破線の意味は、上述した
図8と同じである。
【0055】
リセット期間RESbでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、高レベルに一定期間維持される(リセット期間RESbのうちの左側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSはオン(ON)状態に一定期間維持される。高レベルのメモリ転送信号TX_fが蓄積部MEMのゲート電極GTに印加されているため、蓄積部MEMのポテンシャルは、フォトダイオードPDbのポテンシャルより電源VDD側に維持される。これにより、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷は、少なくとも蓄積部MEMに移動する。
【0056】
メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTが高レベルに一定期間維持された後、メモリ転送信号TX_fは、高レベルから低レベルに変化する。そして、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ低レベル、高レベルおよび高レベルに維持される(リセット期間RESbのうちの右側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオフ(OFF)状態、オン状態およびオン状態に維持される。
【0057】
低レベルのメモリ転送信号TX_fが蓄積部MEMのゲート電極GTに印加されているため、蓄積部MEMのポテンシャルは、フローティングディフュージョンFDのポテンシャルより接地電圧GND側に維持される。これにより、蓄積部MEMおよびフローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷は、電源VDDに排出される。この結果、リセット期間RESbでは、フォトダイオードPDb、蓄積部MEMおよびフローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷は、電源VDDに排出される。
【0058】
露光期間EXPbでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルに維持され、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSはオフ状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDbは、入射光に応じて電荷を生成し、生成した電荷を蓄積する。
【0059】
転送期間TRAbでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ高レベル、高レベルおよび低レベルに一定期間維持される(転送期間TRAbのうちの左側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオン状態、オン状態およびオフ状態に一定期間維持される。高レベルのメモリ転送信号TX_fが蓄積部MEMのゲート電極GTに印加されているため、蓄積部MEMのポテンシャルは、フォトダイオードPDbのポテンシャルより電源VDD側に維持される。これにより、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷は、蓄積部MEMに移動する。
【0060】
メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTがそれぞれ高レベル、高レベルおよび低レベルに一定期間維持された後、メモリ転送信号TX_fは、高レベルから低レベルに変化する。そして、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ低レベル、高レベルおよび低レベルに維持される(転送期間TRAbのうちの右側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオフ状態、オン状態およびオフ状態に維持される。
【0061】
低レベルのメモリ転送信号TX_fが蓄積部MEMのゲート電極GTに印加されているため、蓄積部MEMのポテンシャルは、フローティングディフュージョンFDのポテンシャルより接地電圧GND側に維持される。これにより、フォトダイオードPDbから蓄積部MEMに転送された電荷は、フローティングディフュージョンFDに移動する。この結果、転送期間TRAbでは、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷は、フローティングディフュージョンFDに転送される。なお、リセットトランジスタMRSがオフ状態であるため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0062】
読み出し期間REAbでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルに維持され、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オフ状態に維持される。これにより、フォトダイオードPDbからフローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、フローティングディフュージョンFDに蓄積される。さらに、読み出し期間REAbでは、選択信号SELが高レベルに維持され、フローティングディフュージョンFDに蓄積された信号電荷に応じた電圧が垂直信号線VLに出力される。
【0063】
図10は、
図7に示した焦点検出用画素PXFの動作の別の例を示している。なお、
図10は、蓄積部MEMに電荷を蓄積するときの焦点検出用画素PXFの動作の一例を示している。図中の破線の意味は、上述した
図8と同じである。また、
図10に示した焦点検出用画素PXFの動作では、露光期間EXPbの後にメモリ転送期間METRの動作が実施され、
図9示した転送期間TRAbの動作の代わりに転送期間TRAcの動作が実施される。その他の動作は、
図9に示した焦点検出用画素PXFの動作と同じである。このため、メモリ転送期間METRおよび転送期間TRAcについて説明する。
【0064】
メモリ転送期間METRでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ高レベル、低レベルおよび低レベルに一定期間維持される(メモリ転送期間METRのうちの左側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオン状態、オフ状態およびオフ状態に一定期間維持される。
【0065】
高レベルのメモリ転送信号TX_fが蓄積部MEMのゲート電極GTに印加されているため、蓄積部MEMのポテンシャルは、フォトダイオードPDbのポテンシャルより電源VDD側に維持される。これにより、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷は、蓄積部MEMに移動する。なお、転送トランジスタMTRがオフ状態であるため、蓄積部MEMに転送された電荷は、フローティングディフュージョンFDに移動しない。
【0066】
メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTがそれぞれ高レベル、低レベルおよび低レベルに一定期間維持された後、メモリ転送信号TX_fは、高レベルから低レベルに変化する。そして、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルに維持される(メモリ転送期間METRのうちの右側の図)。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オフ状態に維持される。この結果、蓄積部MEMに電荷が蓄積される。このように、メモリ転送期間METRでは、露光期間EXPbにフォトダイオードPDbで生成された電荷が蓄積部MEMに蓄積される。以下、メモリ転送期間METRのうち、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTが低レベルに維持される期間(メモリ転送期間METRのうちの右側の図)を、電荷保持期間とも称する。
【0067】
転送期間TRAcでは、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、それぞれ低レベル、高レベルおよび低レベルに維持される。したがって、転送期間TRAcでは、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、それぞれオフ状態、オン状態およびオフ状態に維持される。これにより、蓄積部MEMに蓄積された電荷(露光期間EXPbにフォトダイオードPDbで生成された電荷)は、フローティングディフュージョンFDに転送される。なお、リセットトランジスタMRSがオフ状態であるため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0068】
図11は、
図5に示した画素アレイARYの動作の一例を示している。なお、
図11は、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbが撮像用画素PXIの露光期間EXPaと同じときの画素アレイARYの動作の一例を示している。すなわち、
図11は、蓄積部MEMに電荷を蓄積しないときの画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の星印は、焦点検出用画素PXFを含む行を示している。例えば、焦点検出用画素PXFは、4行目(L4)に配置されている。したがって、4行目(L4)では、上側に撮像用画素PXIの動作を示し、下側に焦点検出用画素PXFの動作を示している。
【0069】
垂直走査回路VSCは、例えば、リセット期間RESa、露光期間EXPa、転送期間TRAa、読み出し期間REAaの順に実施される一連の動作(上述した
図8に示した動作)を、撮像用画素PXIに対して行毎に順次実施する。例えば、垂直走査回路VSCは、先ず、1行目(L1)の撮像用画素PXIに対して、リセット期間RESa、露光期間EXPa、転送期間TRAa、読み出し期間REAaの順にそれぞれの動作を実施する。これにより、読み出し期間REAaでは、1行目(L1)の各列の撮像用画素PXIの出力信号OUT(OUT(1)、OUT(2)、・・・、OUT(m))が出力される。
【0070】
そして、垂直走査回路VSCは、例えば、1行目(L1)のリセット期間RESaが終了した後に、2行目(L2)の撮像用画素PXIに対して、リセット期間RESa、露光期間EXPa、転送期間TRAa、読み出し期間REAaの順にそれぞれの動作を実施する。例えば、1行目(L1)の読み出し期間REAaが終了した後に2行目(L2)の転送期間TRAaが開始されるように、2行目(L2)のリセット期間RESaは、開始される。ここで、例えば、1行目(L1)のリセット期間RESaの開始から最終行(Ln)の読み出し期間REAaの終了までが、1フレームFRMである。
【0071】
さらに、垂直走査回路VSCは、例えば、リセット期間RESb、露光期間EXPb、転送期間TRAb、読み出し期間REAbの順に実施される一連の動作(上述した
図9に示した動作)を、焦点検出用画素PXFに対して実施する。例えば、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の撮像用画素PXIの動作に合わせて、リセット期間RESb、露光期間EXPb、転送期間TRAb、読み出し期間REAbのそれぞれの動作を、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して実施する。
【0072】
このように、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの蓄積部MEMに電荷を蓄積しないとき、焦点検出用画素PXFの動作を撮像用画素PXIの動作に合わせて実施できるため、画素アレイARYからの信号の読み出し動作を簡易にできる。なお、垂直走査回路VSCは、
図16に示すように、転送期間TRAa、TRAbの前(露光期間EXPa、EXPb)に選択信号SELを高レベルにし、相関二重サンプリングのためのノイズ信号を読み出してもよい。ここで、ノイズ信号は、例えば、画素PXI、PXFのリセットノイズ成分等を含む固定ノイズ成分を示す信号である。
【0073】
また、ノイズ信号等を読み出さない場合、各行の転送期間TRA(TRAa、TRAb)は、前の行の読み出し期間REA(REAa、REAb)が終了する前に、開始されてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、各行の読み出し期間REAの開始が前の行の読み出し期間REAの終了とほぼ同じタイミングになるように、転送期間TRAを開始してもよい。
【0074】
図12は、
図5に示した画素アレイARYの動作の別の例を示している。なお、
図12は、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbが撮像用画素PXIの露光期間EXPaより短いときの画素アレイARYの動作の一例を示している。すなわち、
図12は、蓄積部MEMに電荷を蓄積するときの画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の星印の意味は上述した
図11と同じである。また、撮像用画素PXIの動作は、
図11と同じである。このため、焦点検出用画素PXFの動作について説明する。
【0075】
垂直走査回路VSCは、例えば、リセット期間RESb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順に実施される一連の動作(上述した
図10に示した動作)を、焦点検出用画素PXFに対して実施する。例えば、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して、リセット期間RESb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順にそれぞれの動作を実施する。
【0076】
例えば、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の撮像用画素PXIの転送期間TRAaと4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとが互いに同じタイミングになるように、メモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整する。なお、焦点検出用画素PXFのリセット期間RESbの動作は、撮像用画素PXIのリセット期間RESaに合わせて実施されてもよい。このときにも、垂直走査回路VSCは、メモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整することにより、焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcを撮像用画素PXIの転送期間TRAaに合わせることができる。このように、垂直走査回路VSCは、蓄積部MEMに電荷を蓄積することにより、焦点検出用画素PXFの露光時間(露光期間EXPb)と撮像用画素PXIの露光時間(露光期間EXPa)とをそれぞれ独立に制御する。これにより、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光を、1フレームFRM内の任意のタイミングで任意の時間実施できる。
【0077】
したがって、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbが撮像用画素PXIの露光期間EXPaと異なるときにも、焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcを撮像用画素PXIの転送期間TRAaに合わせることができる。これにより、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbが撮像用画素PXIの露光期間EXPaと異なるときにも、焦点検出用画素PXFの読み出し期間REAbを撮像用画素PXIの読み出し期間REAaに合わせることができる。この結果、この実施形態では、画素アレイARYからの信号の読み出し動作を簡易にできる。
【0078】
なお、垂直走査回路VSCは、
図17に示すように、転送期間TRAa、TRAcの前(露光期間EXPa、メモリ転送期間METR)に選択信号SELを高レベルにし、相関二重サンプリングのためのノイズ信号を読み出してもよい。この実施形態では、フローティングディフュージョンFDに電荷を転送するタイミングが撮像用画素PXIと焦点検出用画素PXFとで互いに同じであるため、簡易にノイズ信号を読み出すことができる。
【0079】
また、ノイズ信号等を読み出さない場合、各行の転送期間TRA(TRAa、TRAc)は、前の行の読み出し期間REA(REAa、REAb)が終了する前に、開始されてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、各行の読み出し期間REAの開始が前の行の読み出し期間REAの終了とほぼ同じタイミングになるように、転送期間TRAを開始してもよい。
【0080】
図13は、複数の行に焦点検出用画素PXFが配置された画素アレイARYの動作の一例を示している。なお、
図13は、4行目(L4)および7行目(L7)に焦点検出用画素PXFが配置された画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の星印の意味は上述した
図11と同じである。また、撮像用画素PXIの動作は、
図11と同じである。このため、焦点検出用画素PXFの動作について説明する。なお、例えば、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbは、撮像用画素PXIの露光期間EXPaより短い。
【0081】
垂直走査回路VSCは、例えば、リセット期間RESb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順に実施される一連の動作(上述した
図10に示した動作)を、4行目(L4)および7行目(L7)の焦点検出用画素PXFに対して実施する。
【0082】
例えば、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の撮像用画素PXIの転送期間TRAaと4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとが互いに同じタイミングになるように、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFのメモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整する。さらに、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)および7行目(L7)の焦点検出用画素PXFのそれぞれの露光期間EXPbが互いに同じタイミングになるように、7行目(L7)の焦点検出用画素PXFに対して、リセット期間RESbの動作を開始する。そして、垂直走査回路VSCは、例えば、7行目(L7)の撮像用画素PXIの転送期間TRAaと7行目(L7)の焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとが互いに同じタイミングになるように、7行目(L7)の焦点検出用画素PXFのメモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整する。
【0083】
このように、垂直走査回路VSCは、蓄積部MEMに電荷を蓄積することにより、互いに異なる行に配置された焦点検出用画素PXFの露光タイミングが互いに同じになるように、各行の焦点検出用画素PXFの動作を制御する。すなわち、焦点検出用画素PXFが複数の行に配置されたときにも、垂直走査回路VSCは、複数の焦点検出用画素PXFの露光タイミングが互いに同じになるように、複数の焦点検出用画素PXFの動作を制御する。
【0084】
これにより、この実施形態では、焦点検出時の露光を互いに異なる行に配置された焦点検出用画素PXFで同時に実施できる。この結果、この実施形態では、焦点検出精度を向上できる。さらに、この実施形態では、焦点検出用画素PXFが複数の行に配置されたときにも、焦点検出用画素PXFの読み出し期間REAbを撮像用画素PXIの読み出し期間REAaに簡易に合わせることができるため、画素アレイARYからの信号の読み出し動作を簡易にできる。
【0085】
なお、垂直走査回路VSCは、焦点検出用画素PXFが複数の行に配置されたときにも、
図17に示すように、転送期間TRAa、TRAcの前(露光期間EXPa、メモリ転送期間METR)に選択信号SELを高レベルにし、相関二重サンプリングのためのノイズ信号を読み出してもよい。この実施形態では、焦点検出用画素PXFが複数の行に配置されたときにも、互いに同じ行に配置された焦点検出用画素PXFおよび撮像用画素PXIのそれぞれの転送期間TRAc、TRAaを互いに合わせることができる。したがって、この実施形態では、焦点検出用画素PXFが複数の行に配置されたときにも、簡易にノイズ信号を読み出すことができる。
【0086】
また、ノイズ信号等を読み出さない場合、各行の転送期間TRA(TRAa、TRAc)は、前の行の読み出し期間REA(REAa、REAb)が終了する前に、開始されてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、各行の読み出し期間REAの開始が前の行の読み出し期間REAの終了とほぼ同じタイミングになるように、転送期間TRAを開始してもよい。
【0087】
図14は、焦点検出用画素PXFの露光が1フレームFRM中に複数回実施されるときの画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の星印の意味は上述した
図11と同じである。また、撮像用画素PXIの動作は、
図11と同じである。このため、焦点検出用画素PXFの動作について説明する。なお、例えば、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbは、撮像用画素PXIの露光期間EXPaより短い。
【0088】
垂直走査回路VSCは、例えば、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して、リセット期間RESb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順にそれぞれの動作を実施する。なお、1フレームFRM中に実施される焦点検出用画素PXFの露光の回数は、2回に限定されない。この実施形態では、焦点検出用画素PXFの独立露光および独立読み出しが可能であるため、焦点検出用画素PXFの任意時間の露光を、1フレームFRM内で複数回実施できる。
【0089】
例えば、
図14の動作では、焦点検出用画素PXFの信号(焦点検出に用いられる信号)は、1フレームFRM中に複数回出力される。したがって、この実施形態では、1フレームFRM中に複数回の焦点検出を実施でき、高速な焦点検出を実現できる。なお、垂直走査回路VSCは、1回目のメモリ転送期間METRおよび転送期間TRAcの動作を実施する代わりに、転送期間TRAbの動作を実施してもよい。また、垂直走査回路VSCは、上述した
図9に示した動作と上述した
図10に示した動作とを1フレームFRM中に順に実施してもよい。あるいは、垂直走査回路VSCは、上述した
図9や
図10に示した動作を1フレームFRM中に複数回繰り返し実施してもよい。
【0090】
ここで、例えば、焦点検出用画素PXFのフォトダイオードPDbに蓄積される電荷の量より多い量の電荷を十分に蓄積できるポテンシャル井戸を焦点検出用画素PXFの蓄積部MEMが有しているとき、1回目の転送期間TRAcおよび読み出し期間REAbの動作は、省かれてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して、リセット期間RESb、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、露光期間EXPb、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順にそれぞれの動作を実施してもよい。この場合、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷が溢れる前に、フォトダイオードPDbの電荷を蓄積部MEMに転送できる。この結果、この実施形態では、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷が溢れることを防止でき、焦点検出精度を向上できる。例えば、この実施形態では、高輝度の被写体の焦点検出および高照度の環境下での焦点検出を精度よく実施できる。
【0091】
また、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の撮像用画素PXIの転送期間TRAaと4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとが互いに同じタイミングになるように、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの2回目のメモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整する。これにより、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が1フレームFRM中に複数回実施されるときにも、画素アレイARYからの信号の読み出し動作を簡易にできる。
【0092】
また、垂直走査回路VSCは、焦点検出用画素PXFの露光が1フレームFRM中に複数回実施されるときにも、
図17に示すように、転送期間TRAa、TRAcの前(露光期間EXPa、メモリ転送期間METR)に選択信号SELを高レベルにし、相関二重サンプリングのためのノイズ信号を読み出してもよい。この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が1フレームFRM中に複数回実施されるときにも、焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcを撮像用画素PXIの転送期間TRAaに合わせることができる。したがって、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が1フレームFRM中に複数回実施されるときにも、簡易にノイズ信号を読み出すことができる。
【0093】
なお、ノイズ信号等を読み出さない場合、各行の転送期間TRA(TRAa、TRAc)は、前の行の読み出し期間REA(REAa、REAb)が終了する前に、開始されてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、各行の読み出し期間REAの開始が前の行の読み出し期間REAの終了とほぼ同じタイミングになるように、転送期間TRAを開始してもよい。
【0094】
図15は、焦点検出用画素PXFの露光が複数フレームFRMをまたいで実施されるときの画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の星印の意味は上述した
図11と同じである。また、撮像用画素PXIの動作は、
図11と同じである。このため、焦点検出用画素PXFの動作について説明する。なお、例えば、焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbは、撮像用画素PXIの露光期間EXPaより長い。
【0095】
フレームFRM(1)の期間では、垂直走査回路VSCは、例えば、4行目(L4)の撮像用画素PXIに対して露光期間EXPaの動作を実施しているときに、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して、リセット期間RESb、露光期間EXPbの順にそれぞれの動作を実施する。なお、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの露光期間EXPbの動作は、フレームFRM(2)の途中まで継続される。
【0096】
例えば、フレームFRM(1)の最後の読み出し期間REAaの動作が最終行(Ln)の撮像用画素PXIに対して実施された後に、フレームFRM(2)の最初のリセット期間RESaの動作が、1行目(L1)の撮像用画素PXIに対して実施される。すなわち、垂直走査回路VSCは、例えば、最終行(Ln)の読み出し期間REAaの後に、1行目(L1)の撮像用画素PXIに対して、リセット期間RESa、露光期間EXPa、転送期間TRAa、読み出し期間REAaの順にそれぞれの動作を実施する。
【0097】
フレームFRM(2)の期間では、垂直走査回路VSCは、例えば、4行目(L4)の撮像用画素PXIに対して露光期間EXPaの動作を実施しているときに、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対する露光期間EXPbの動作を終了する。すなわち、垂直走査回路VSCは、例えば、4行目(L4)の撮像用画素PXIの動作を制御しているときに、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFに対して、メモリ転送期間METR、転送期間TRAc、読み出し期間REAbの順にそれぞれの動作を実施する。
【0098】
この実施形態では、焦点検出用画素PXFの独立露光および独立読み出しが可能であるため、焦点検出用画素PXFの任意時間の露光を、複数フレームFRMにまたいで実施できる。このように、この実施形態では、複数フレームFRMをまたいで焦点検出用画素PXFの露光を実施することにより、撮像用画素PXIの露光時間に拘わらず、長時間の露光を焦点検出用画素PXFに対して実施できる。これにより、この実施形態では、低輝度の被写体の焦点検出および低照度の環境下での焦点検出を精度よく実施できる。
【0099】
また、フレームFRM(2)の期間では、垂直走査回路VSCは、4行目(L4)の撮像用画素PXIの転送期間TRAaと4行目(L4)の焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとが互いに同じタイミングになるように、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFのメモリ転送期間METRの電荷保持期間を調整する。これにより、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が複数フレームFRMをまたいで実施されるときにも、画素アレイARYからの信号の読み出し動作を簡易にできる。なお、焦点検出用画素PXFの露光は、3フレームFRM以上またいで実施されてもよい。
【0100】
また、垂直走査回路VSCは、焦点検出用画素PXFの露光が複数フレームFRMをまたいで実施されるときにも、
図17に示すように、転送期間TRAa、TRAcの前(露光期間EXPa、メモリ転送期間METR)に選択信号SELを高レベルにし、相関二重サンプリングのためのノイズ信号を読み出してもよい。この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が複数フレームFRMをまたいで実施されるときにも、焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcを撮像用画素PXIの転送期間TRAaに合わせることができる。したがって、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光が複数フレームFRMをまたいで実施されるときにも、簡易にノイズ信号を読み出すことができる。
【0101】
なお、ノイズ信号等を読み出さない場合、各行の転送期間TRA(TRAa、TRAc)は、前の行の読み出し期間REA(REAa、REAb)が終了する前に、開始されてもよい。例えば、垂直走査回路VSCは、各行の読み出し期間REAの開始が前の行の読み出し期間REAの終了とほぼ同じタイミングになるように、転送期間TRAを開始してもよい。
【0102】
図16は、相関二重サンプリングが実施されるときの画素アレイARYの動作の一例を示している。図中の三角形は、焦点検出用画素PXFを含む行(L4)の撮像用画素PXIの動作を示している。また、星印は、焦点検出用画素PXFを含む行(L4)の焦点検出用画素PXFの動作を示している。
図16の動作は、転送期間TRA(TRAa、TRAb)の前にフローティングディフュージョンFDをリセットしている点が
図11の動作と相違する。
【0103】
例えば、4行目(L4)の撮像用画素PXIおよび焦点検出用画素PXFでは、3行目(L3)の撮像用画素PXIの読み出し期間REAaが終了したとき、選択信号SEL(4)、SEL_f(4)が低レベルから高レベルに変化する(
図16(a)、(b))。そして、リセット信号RST(4)、RST_f(4)が高レベルに一定期間T10維持される。これにより、リセットトランジスタMRSがオンし、フローティングディフュージョンFDがリセットされる。なお、選択信号SEL(4)、SEL_f(4)が高レベルに維持されているため、リセットされたフローティングディフュージョンFDのポテンシャルに応じた電圧(ノイズ信号)が、垂直信号線VLに出力される。
【0104】
垂直信号線VLに出力されたノイズ信号は、例えば、期間T20に読み出される。なお、ノイズ信号は、リセット信号RST、RST_fが高レベルの期間に読み出されてもよい。ノイズ信号が読み出された後、転送期間TRA(TRAa、TRAb)に、フォトダイオードPD(PDa、PDb)に蓄積された電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。なお、転送期間TRAでは、リセットトランジスタMRSがオフ状態であるため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0105】
例えば、撮像用画素PXIでは、ノイズ信号が読み出された後、転送信号TR(4)が高レベルに一定期間維持される。これにより、転送トランジスタMTRがオンし、フォトダイオードPDaに蓄積された電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。なお、転送トランジスタMTRがオンしているときにも、フォトダイオードPDaは露光されている。すなわち、フォトダイオードPDaは、転送信号TRが立ち下がる(
図16(c))まで露光されている。したがって、撮像用画素PXIでは、転送信号TRが立ち下がるまでにフォトダイオードPDaに蓄積された電荷が、フローティングディフュージョンFDに転送される。
【0106】
また、例えば、焦点検出用画素PXFでは、ノイズ信号が読み出された後、転送信号TR_f(4)およびメモリ転送信号TX_f(4)が低レベルから高レベルに変化する。これにより、転送トランジスタMTRおよびメモリ転送トランジスタMTXがオンし、フォトダイオードPDbに蓄積された電荷は、少なくとも蓄積部MEMに移動する。そして、メモリ転送信号TX_f(4)が高レベルから低レベルに変化してから一定期間後に、転送信号TR_f(4)が高レベルから低レベルに変化する。転送トランジスタMTRがオンしている期間に、蓄積部MEMの電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。
【0107】
なお、メモリ転送トランジスタMTXがオンしているときにも、フォトダイオードPDbは露光されている。すなわち、フォトダイオードPDbは、メモリ転送信号TX_fが立ち下がる(
図16(d))まで露光されている。したがって、焦点検出用画素PXFでは、メモリ転送信号TX_fが立ち下がるまでにフォトダイオードPDbに蓄積された電荷が、フローティングディフュージョンFDに転送される。
【0108】
読み出し期間REA(REAa、REAb)では、選択信号SEL(4)、SEL_f(4)が高レベルに維持されているため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷に応じた電圧が垂直信号線VLに出力される。
【0109】
図17は、相関二重サンプリングが実施されるときの画素アレイARYの動作の別の例を示している。図中の三角形および星印の意味は、上述した
図16と同じである。
図17の動作は、転送期間TRA(TRAa、TRAc)の前にフローティングディフュージョンFDをリセットしている点が
図12の動作と相違する。なお、撮像用画素PXIの動作は、
図16に示した撮像用画素PXIの動作と同じである。このため、焦点検出用画素PXFの動作について説明する。
【0110】
例えば、4行目(L4)の焦点検出用画素PXFでは、3行目(L3)の撮像用画素PXIの読み出し期間REAaが終了したとき、選択信号SEL_f(4)が低レベルから高レベルに変化する(
図17(b))。そして、リセット信号RST_f(4)が高レベルに一定期間T10維持される。これにより、リセットトランジスタMRSがオンし、フローティングディフュージョンFDがリセットされる。なお、選択信号SEL_f(4)が高レベルに維持されているため、リセットされたフローティングディフュージョンFDのポテンシャルに応じた電圧(ノイズ信号)が、垂直信号線VLに出力される。
【0111】
垂直信号線VLに出力されたノイズ信号は、例えば、期間T20に読み出される。ノイズ信号が読み出された後、転送期間TRAcにおいて、転送信号TR_f(4)が高レベルに一定期間維持される。これにより、転送トランジスタMTRがオンし、蓄積部MEMの電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。なお、蓄積部MEMには、メモリ転送期間METRに、フォトダイオードPDbから電荷が転送されている。
【0112】
例えば、メモリ転送トランジスタMTXがオンしているときにも、フォトダイオードPDbは露光されている。すなわち、フォトダイオードPDbは、メモリ転送信号TX_fが立ち下がる(
図17(d))まで露光されている。したがって、焦点検出用画素PXFでは、メモリ転送信号TX_fが立ち下がるまでにフォトダイオードPDbに蓄積された電荷が、蓄積部MEMを介してフローティングディフュージョンFDに転送される。なお、リセットトランジスタMRSがオフ状態であるため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0113】
読み出し期間REAbでは、選択信号SEL_f(4)が高レベルに維持されているため、フローティングディフュージョンFDに転送された電荷に応じた電圧が垂直信号線VLに出力される。
【0114】
ここで、フローティングディフュージョンFDをリセットする構成(
図16や
図17の動作を実施する構成)では、連写等によりフレームFRMが連続するとき、2番目以降のフレームFRMのリセット期間RESa、RESbの動作を省略してもよい。例えば、2番目以降のフレームFRMでは、前のフレームFRMの転送期間TRAやメモリ転送期間METRの動作により、フォトダイオードPDおよび蓄積部MEMがリセットされる。このため、2番目以降のフレームFRMでは、各画素は、フローティングディフュージョンFDをリセットすることにより、リセット期間RESの動作が実施されたときと同様の状態になる。また、フローティングディフュージョンFDのリセットは、メモリ転送期間METRに実施されてもよい。
【0115】
図18は、フローティングディフュージョンをリセットするときの撮像用画素PXIの各部のポテンシャルの一例を示している。図中の破線の意味は、上述した
図8と同じである。
【0116】
フローティングディフュージョンをリセットするとき(例えば、
図16や
図17の期間T10)、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベルおよび高レベルにそれぞれ維持される。これにより、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オフ状態およびオン状態にそれぞれ維持される。この結果、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷は、電源VDDに排出される。なお、転送トランジスタMTRがオフ状態であるため、フォトダイオードPDaに蓄積された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0117】
図19は、フローティングディフュージョンをリセットするときの焦点検出用画素PXFの各部のポテンシャルの一例を示している。図中の破線の意味は、上述した
図8と同じである。
【0118】
フローティングディフュージョンをリセットするとき(例えば、
図16や
図17の期間T10)、メモリ転送信号TX_f、転送信号TRおよびリセット信号RSTは、低レベル、低レベルおよび高レベルにそれぞれ維持される。これにより、メモリ転送トランジスタMTX、転送トランジスタMTRおよびリセットトランジスタMRSは、オフ状態、オフ状態およびオン状態にそれぞれ維持される。この結果、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷は、電源VDDに排出される。なお、転送トランジスタMTRおよびメモリ転送トランジスタMTXがオフ状態であるため、フォトダイオードPDbや蓄積部MEMに蓄積された電荷は、電源VDDに排出されない。
【0119】
以上、この実施形態では、撮像装置IMUは、メモリ部MUを含む焦点検出用画素PXFを有している。例えば、メモリ部MUは、フォトダイオードPDbから転送される電荷を蓄積する蓄積部MEMと、フォトダイオードPDbの電荷を蓄積部MEMに転送するメモリ転送部MTXとを有している。これにより、この実施形態では、焦点検出用画素PXFの露光タイミングを適切に制御でき、焦点検出精度を向上できる。
【0120】
なお、上述した実施形態では、ゲート電極GTの電圧が接地電圧GNDのときの蓄積部MEMのポテンシャルがフォトダイオードPDbのポテンシャルとフローティングディフュージョンFDのポテンシャルとの間に位置するように、領域NA1、NA2の不純物濃度がそれぞれ設定される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、ゲート電極GTの電圧が接地電圧GNDのときの蓄積部MEMのポテンシャルは、フォトダイオードPDbのポテンシャル以上でもよい。すなわち、蓄積部MEMのポテンシャルは、ゲート電極GTの電圧が接地電圧GNDのとき、フローティングディフュージョンFDのポテンシャルより接地電圧GND側に維持され、ゲート電極GTの電圧が電源VDDのとき、フォトダイオードPDbのポテンシャルより電源VDD側に維持されればよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0121】
上述した実施形態では、蓄積部MEMがゲート電極GTを有する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、蓄積部MEMは、ゲート電極GTを含まずに形成されてもよい。この場合、蓄積部MEMのポテンシャルがフォトダイオードPDbのポテンシャルとフローティングディフュージョンFDのポテンシャルとの間に位置するように、領域NA1、NA2の不純物濃度は、それぞれ設定される。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
上述した実施形態では、回路部CIRUが画素(撮像用画素PXI、焦点検出用画素PXF)毎に設けられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、転送トランジスタMTRを除く回路部CIRUは、列方向に互いに隣接する複数の画素(撮像用画素PXI、焦点検出用画素PXF)に共用されてもよい。すなわち、フローティングディフュージョンFDは、複数の画素(撮像用画素PXI、焦点検出用画素PXF)に共用されてもよい。なお、転送トランジスタMTRは、画素(撮像用画素PXI、焦点検出用画素PXF)毎に設けられる。この場合にも、焦点検出用画素PXFのフォトダイオードPDbで生成された電荷を蓄積部MEMに蓄積できるため、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
上述した実施形態では、焦点検出用画素PXFの制御信号RST_f、TR_f、SEL_fが撮像用画素PXIの制御信号RST、TR、SELとそれぞれ独立に制御される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、焦点検出用画素PXFの制御信号SEL_fは、撮像用画素PXIの制御信号SELと兼用されてもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
上述した実施形態では、1行目から順に最終行まで撮像用画素PXIの画像信号が読み出される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、制御部CNTは、奇数行の撮像用画素PXIから画像信号を読み出した後に、偶数行の撮像用画素PXIから画像信号を読み出してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0125】
上述した実施形態では、焦点検出用画素PXFの信号が焦点検出に用いられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、焦点検出用画素PXFの信号は、露出検出に用いられてもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この場合、例えば、焦点検出用画素PXFの露光を1フレームFRM中に複数回実施できるため、明滅光源等による露出の定期的な変化を検出できる。さらに、この場合、
図12−
図15等で説明した動作を実施することにより、高速な露出検出、高照度の環境下での露出検出および低照度の環境下での露出検出等を実施できる。
【0126】
上述した実施形態では、フレームFRM(1)の最後の読み出し期間REAaの動作が最終行(Ln)の撮像用画素PXIに対して実施された後に、フレームFRM(2)の最初のリセット期間RESaの動作が、1行目(L1)の撮像用画素PXIに対して実施される例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、フレームFRM(1)の最後の読み出し期間REAaの動作が最終行(Ln)の撮像用画素PXIに対して実施される前に、フレームFRM(2)の最初のリセット期間RESaの動作が、1行目(L1)の撮像用画素PXIに対して実施されてもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
上述した実施形態では、撮像用画素PXIの転送期間TRAaと焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcとを互いに同じタイミングにする例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、焦点検出用画素PXFの転送期間TRAcは、撮像用画素PXIの転送期間TRAaと異なるタイミングでもよい。この場合にも、焦点検出用画素PXFの露光タイミングを適切に制御でき、焦点検出精度を向上できる。
【0128】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。