特許第5900123号(P5900123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5900123アクセサリー、カメラボディおよびカメラシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5900123
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】アクセサリー、カメラボディおよびカメラシステム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20060101AFI20160324BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20160324BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20160324BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20160324BHJP
【FI】
   G03B17/14
   H04N5/225 D
   H04N5/225 F
   G03B17/56 J
   G02B7/02 Z
   G02B7/02 E
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-90240(P2012-90240)
(22)【出願日】2012年4月11日
(62)【分割の表示】特願2011-189736(P2011-189736)の分割
【原出願日】2011年8月31日
(65)【公開番号】特開2012-190024(P2012-190024A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2011-39430(P2011-39430)
(32)【優先日】2011年2月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100078189
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆男
(72)【発明者】
【氏名】今藤 和晴
(72)【発明者】
【氏名】及川 雅史
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−148026(JP,A)
【文献】 特開平07−092540(JP,A)
【文献】 特開2000−047308(JP,A)
【文献】 特開2003−153064(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00443463(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
G02B 7/02
G03B 17/56
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、前記第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、
前記カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部を介して前記カメラボディに装着されているときに、前記カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第1ボディ接点に接続され、前記カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第2ボディ接点に接続され、前記通信動作を抑止する期間、前記カメラボディに対して前記第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、前記通信動作を行う期間は、前記カメラボディに対して前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、
を備え、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給されている場合には、前記第2アクセサリー接点に前記第1の真理値に対応するレベルの信号が出力される継続時間を前記所定時間未満に制御するアクセサリー。
【請求項2】
第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、前記第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、
前記カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部を介して前記カメラボディに装着されているときに、前記カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第1ボディ接点に接続され、前記カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第2ボディ接点に接続され、前記通信動作を抑止する期間、前記カメラボディに対して前記第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、前記通信動作を行う期間は、前記カメラボディに対して前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、
を備え、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給されている場合には、前記カメラボディから前記アクセサリーが取り外されていると検出させないような前記信号を、前記第2アクセサリー接点から出力させるように制御するアクセサリー。
【請求項3】
第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、前記第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、
前記カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部を介して前記カメラボディに装着されているときに、前記カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第1ボディ接点に接続され、前記カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、
前記カメラボディに装着されているときに前記第2ボディ接点に接続され、前記通信動作を抑止する期間、前記カメラボディに対して前記第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、前記通信動作を行う期間は、前記カメラボディに対して前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、
を備え、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給されている場合には、前記カメラボディから前記アクセサリーが取り外されていると前記カメラボディに認識させないように、前記第2アクセサリー接点からの前記信号の出力を制御するアクセサリー。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給され、且つ前記アクセサリー側通信制御部により前記通信動作が行われている場合には、前記第2アクセサリー接点に前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号を出力するアクセサリー。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
前記第2アクセサリー接点は、前記アクセサリー内においてプルダウン抵抗を介して接地されるアクセサリー。
【請求項6】
第1アクセサリー接点と第2アクセサリー接点とを有するアクセサリーが、着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部を介して前記アクセサリーが装着されているときに、前記アクセサリーと通信動作を行うボディ側通信制御部と、
前記アクセサリーに装着されているときに前記第1アクセサリー接点に接続され、前記アクセサリーに対して動作電圧を供給する第1ボディ接点と、
前記アクセサリーに装着されているときに前記第2アクセサリー接点に接続され、前記通信動作を抑止する期間、前記アクセサリーから第1の真理値に対応するレベルの信号が入力され、前記通信動作を行う期間は、前記アクセサリーから前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が入力される第2ボディ接点と、
前記第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して前記第1の真理値に対応する信号レベルである場合には前記アクセサリーが取り外されていることを検知する着脱検知部と、
を備え、
前記ボディ側通信制御部は、前記取付部に前記アクセサリーが取り付けられている場合、前記第2ボディ接点を介して、前記所定時間以上連続して前記第1の真理値に対応する信号レベルになることのない前記信号を受信するカメラボディ。
【請求項7】
請求項6に記載のカメラボディにおいて、
前記ボディ側通信制御部は、前記ボディ側通信制御部により前記通信動作が行われている場合には、前記第2ボディ接点から前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号を受信し、前記通信動作を抑止する場合には、前記第2ボディ接点から前記第1の真理値に対応するレベルの信号を受信するカメラボディ。
【請求項8】
カメラボディと、前記カメラボディに対して着脱が可能なアクセサリーと、から成るカメラシステムであって、
前記カメラボディは、
前記アクセサリーと通信動作とを行うボディ側通信制御手段部と、
前記アクセサリーに対して動作電圧を供給する第1ボディ接点と、
前記通信動作を抑止する期間において、前記アクセサリーから第1の真理値に対応するレベルの信号が入力される第2ボディ接点と、
前記第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して前記第1の真理値に対応する信号レベルである場合には前記アクセサリーが取り外されていることを検知する着脱検知部と、
を備え、
前記アクセサリーは、
前記第1ボディ接点に接続される第1アクセサリー接点と、
前記第2ボディ接点に接続され、前記通信動作を抑止する期間は、前記カメラボディに対して第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、前記通信動作を行う期間は、前記カメラボディに対して前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、
前記カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、
を備え、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給されている場合には、前記第2アクセサリー接点に前記第1の真理値に対応するレベルの前記信号が出力される継続時間を前記所定時間未満に制御するカメラシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のカメラシステムにおいて、
前記アクセサリー側通信制御部は、前記第1アクセサリー接点を介して前記カメラボディから前記動作電圧が供給され、且つ前記アクセサリー側通信制御部により前記通信動作が行われている場合には、前記第2アクセサリー接点に前記第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号を出力し、前記通信動作を抑止する場合には、前記第2アクセサリー接点に前記第1の真理値に対応するレベルの信号を出力するカメラシステム。
【請求項10】
請求項8または9に記載のカメラシステムにおいて、
前記第2アクセサリー接点は、前記アクセサリー内においてプルダウン抵抗を介して接地されるカメラシステム。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
前記アクセサリーは、前記カメラボディに着脱可能な交換レンズであるアクセサリー。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクセサリーにおいて、
前記アクセサリーは、
2つのマウント部を備え、
前記2つのマウント部のうちの一方のマウント部において前記カメラボディを着脱可能であり、且つ前記カメラボディに着脱不能な交換レンズを前記他方のマウント部において着脱可能な中間アクセサリーであるアクセサリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセサリー、カメラボディおよびカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラボディと交換レンズとの間に通信用の接点を設けたカメラシステムが知られている。このようなカメラシステムにおいて、通信用の接点を用いた交換レンズの着脱検知を行うものが存在する。例えば特許文献1には、撮影レンズ鏡筒とカメラボディとの間の通信ラインBINTLを用いて撮影レンズ鏡筒の装着を検知するカメラシステムが記載されている。通信ラインBINTLはカメラボディが入力と出力の両方に用いる通信ラインであり、カメラボディ内のBCPUは、着脱検知時には当該通信ラインの端子を入力に、通信時には当該端子を出力に切り替える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−95144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された着脱検知機構は、構成が複雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、取付部を介してカメラボディに装着されているときに、カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、カメラボディに装着されているときに第1ボディ接点に接続され、カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、カメラボディに装着されているときに第2ボディ接点に接続され、通信動作を抑止する期間、カメラボディに対して第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、通信動作を行う期間は、カメラボディに対して第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、を備え、アクセサリー側通信制御部は、第1アクセサリー接点を介してカメラボディから動作電圧が供給されている場合には、第2アクセサリー接点に第1の真理値に対応するレベルの信号が出力される継続時間を所定時間未満に制御するアクセサリーである。
請求項2に係る発明は、第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、取付部を介してカメラボディに装着されているときに、カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、カメラボディに装着されているときに第1ボディ接点に接続され、カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、カメラボディに装着されているときに第2ボディ接点に接続され、通信動作を抑止する期間、カメラボディに対して第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、通信動作を行う期間は、カメラボディに対して第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、を備え、アクセサリー側通信制御部は、第1アクセサリー接点を介してカメラボディから動作電圧が供給されている場合には、カメラボディからアクセサリーが取り外されていると検出させないような信号を、第2アクセサリー接点から出力させるように制御するアクセサリーである。
請求項3に係る発明は、第1ボディ接点と第2ボディ接点とを備え、第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知するカメラボディに対し、着脱可能なアクセサリーであって、カメラボディに対して着脱可能に取り付けられる取付部と、取付部を介してカメラボディに装着されているときに、カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、カメラボディに装着されているときに第1ボディ接点に接続され、カメラボディから動作電圧の供給を受ける第1アクセサリー接点と、カメラボディに装着されているときに第2ボディ接点に接続され、通信動作を抑止する期間、カメラボディに対して第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、通信動作を行う期間は、カメラボディに対して第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、を備え、アクセサリー側通信制御部は、第1アクセサリー接点を介してカメラボディから動作電圧が供給されている場合には、カメラボディからアクセサリーが取り外されているとカメラボディに認識させないように、第2アクセサリー接点からの信号の出力を制御するアクセサリーである。
請求項6に係る発明は、第1アクセサリー接点と第2アクセサリー接点とを有するアクセサリーが、着脱可能に取り付けられる取付部と、取付部を介してアクセサリーが装着されているときに、アクセサリーと通信動作を行うボディ側通信制御部と、アクセサリーに装着されているときに第1アクセサリー接点に接続され、アクセサリーに対して動作電圧を供給する第1ボディ接点と、アクセサリーに装着されているときに第2アクセサリー接点に接続され、通信動作を抑止する期間、アクセサリーから第1の真理値に対応するレベルの信号が入力され、通信動作を行う期間は、アクセサリーから第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が入力される第2ボディ接点と、第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知する着脱検知部と、を備え、ボディ側通信制御部は、取付部にアクセサリーが取り付けられている場合、第2ボディ接点を介して、所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルになることのない信号を受信するカメラボディである。
請求項8に係る発明は、カメラボディと、カメラボディに対して着脱が可能なアクセサリーと、から成るカメラシステムであって、カメラボディは、アクセサリーと通信動作とを行うボディ側通信制御手段部と、アクセサリーに対して動作電圧を供給する第1ボディ接点と、通信動作を抑止する期間において、アクセサリーから第1の真理値に対応するレベルの信号が入力される第2ボディ接点と、第2ボディ接点の信号レベルが所定時間以上連続して第1の真理値に対応する信号レベルである場合にはアクセサリーが取り外されていることを検知する着脱検知部と、を備え、アクセサリーは、第1ボディ接点に接続される第1アクセサリー接点と、第2ボディ接点に接続され、通信動作を抑止する期間は、カメラボディに対して第1の真理値に対応するレベルの信号が出力され、通信動作を行う期間は、カメラボディに対して第1の真理値とは異なる第2の真理値に対応するレベルの信号が出力される第2アクセサリー接点と、カメラボディと通信動作を行うアクセサリー側通信制御部と、を備え、アクセサリー側通信制御部は、第1アクセサリー接点を介してカメラボディから動作電圧が供給されている場合には、第2アクセサリー接点に第1の真理値に対応するレベルの信号が出力される継続時間を所定時間未満に制御するカメラシステムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易な構成でレンズの着脱検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。
図2】本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。
図3】保持部102,202の詳細を示す模式図である。
図4】コマンドデータ通信の例を示すタイミングチャートである。
図5】ホットライン通信の例を示すタイミングチャートである。
図6】レンズ着脱検知部119が交換レンズ200の着脱を検知する様子を示したタイミングチャートである。
図7】本発明を適用した、中間アダプタを含むレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。
図8】本発明を適用した、中間アダプタを含むレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した斜視図である。なお、図1では本発明に係わる機器および装置のみを示し、それ以外の機器および装置については図示と説明を省略する。カメラシステム1は、カメラボディ100と、カメラボディ100に着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
【0009】
カメラボディ100には交換レンズ200が着脱可能に取り付けられるボディ側マウント部101が設けられている。カメラボディ100のボディ側マウント部101の近傍(ボディ側マウント部101の内周側)の位置には、ボディ側マウント部101の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)102が設けられている。この保持部102には複数の接点が設けられている。
【0010】
また交換レンズ200には、ボディ側マウント部101に対応し、カメラボディ100が着脱可能に取り付けられるレンズ側マウント部201が設けられている。交換レンズ200のレンズ側マウント部201の近傍(レンズ側マウント部201の内周側)の位置には、レンズ側マウント部201の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部(電気的な接続部)202が設けられている。この保持部202には複数の接点が設けられている。
【0011】
カメラボディ100に交換レンズ200が装着されると、複数の接点が設けられた保持部102が、複数の接点が設けられた保持部202に電気的に且つ物理的に接続される。両保持部102,202は、カメラボディ100から交換レンズ200への電力供給、および、カメラボディ100と交換レンズ200との信号の送受信に利用される。
【0012】
カメラボディ100内のボディ側マウント部101後方には、例えばCMOSやCCDなどの撮像素子104が設けられる。カメラボディ100の上方には、入力装置たるボタン107が設けられている。ユーザはボタン107等の入力装置を用いてカメラボディ100に撮影指示や撮影条件の設定指示等を行う。
【0013】
図2は、本発明を適用したレンズ交換式のカメラシステムを示した断面図である。交換レンズ200は、被写体像を結像させる結像光学系210を備える。結像光学系210は複数のレンズ210a〜210cにより構成されている。これら複数のレンズ210a〜210cには、被写体像のピント位置を制御するためのフォーカシングレンズ210bが含まれている。
【0014】
交換レンズ200の内部には、交換レンズ200の各部の制御を司るレンズ側制御部203が設けられている。レンズ側制御部203は不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等により構成される。レンズ側制御部203には、レンズ側第1通信部217、レンズ側第2通信部218、レンズ駆動部212、レンズ位置検出部213、ROM215、およびRAM216が接続されている。
【0015】
レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218は、保持部202に設けられた各通信接点を介してカメラボディ100との間で信号の授受を行うことにより、カメラボディ100とのデータ通信を行う。レンズ駆動部212は例えばステッピングモータ
等のアクチュエータを有し、レンズ駆動部212に入力された信号に応じてフォーカシングレンズ210bを駆動する。レンズ位置検出部213は、例えばレンズ駆動部212が有するステッピングモータに入力された信号のパルス数を計数して、フォーカシングレンズ210bの位置を検出する。あるいは、交換レンズ200に設けられた周知の距離エンコーダ等を用いてフォーカシングレンズ210bの位置を検出してもよい。
【0016】
ROM215は不揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203が実行する所定の制御プログラム等が予め記憶される。RAM216は揮発性の記憶媒体であり、レンズ側制御部203により各種データの記憶領域として利用される。
【0017】
撮像素子104の前面には、撮像素子104の露光状態を制御するためのシャッター115と、光学的ローパスフィルターや赤外線カットフィルターを組み合わせた光学フィルター116とが設けられている。結像光学系210を透過した被写体光は、シャッター115およびフィルター116を介して撮像素子104に入射する。
【0018】
カメラボディ100の内部には、カメラボディ100の各部の制御を司るボディ側制御部103が設けられている。ボディ側制御部103は不図示のマイクロコンピュータ、RAMおよびその周辺回路等により構成される。ボディ側制御部103にはボディ側第1通信部117、ボディ側第2通信部118、およびレンズ着脱検知部119が接続されている。
【0019】
ボディ側第1通信部117は保持部102に設けられた各通信接点を介して交換レンズ200内のレンズ側第1通信部217との間で信号の授受を行うことにより、レンズ側第1通信部217とのデータ通信を行う。同様に、ボディ側第2通信部118は保持部102に設けられた各通信接点を介して交換レンズ200内のレンズ側第2通信部218との間で信号の授受を行うことにより、レンズ側第2通信部218とのデータ通信を行う。レンズ着脱検知部119は保持部102に設けられた複数の接点のうち後述する特定の接点の信号レベルに基づいて交換レンズ200の着脱を検知する。
【0020】
カメラボディ100の背面には、LCDパネル等により構成される表示装置111が配置される。ボディ側制御部103はこの表示装置111に対し、撮像素子104の出力に基づく被写体の画像(いわゆるスルー画)や、撮影条件等を設定するための各種のメニュー画面を表示する。
【0021】
(保持部102,202の説明)
図3は保持部102,202の詳細を示す模式図である。図3に示すように、保持部102はBP1〜BP12の12個の接点を有する。また保持部202は、上記の12個の接点にそれぞれ対応する、LP1〜LP12の12個の接点を有する。以下、BP1〜BP12をボディ側接点、LP1〜LP12をレンズ側接点と称する。
【0022】
ボディ側接点BP1およびBP2は、カメラボディ100内の第1電源回路120に接続されている。第1電源回路120は、ボディ側接点BP1に、レンズ駆動部212を除く交換レンズ200内の各部の動作電圧を供給する。すなわち、ボディ側マウント部101およびレンズ側マウント部201を介して、カメラボディ100に交換レンズ200が装着されている場合には、ボディ側接点BP1およびレンズ側接点LP1からは、レンズ駆動部212を除く交換レンズ200内の各部(レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218を含む)の動作電圧が供給される。ボディ側接点BP2は、上記の動作電圧に対応する接地端子である。すなわち、ボディ側接点BP2およびレンズ側接点LP2は、上記の動作電圧に対応する接地端子である。
【0023】
以下の説明では、ボディ側接点BP1およびレンズ側接点LP1により構成される信号線を、信号線V33と呼ぶ。また、ボディ側接点BP2およびレンズ側接点LP2により構成される信号線を、信号線GNDと呼ぶ。
【0024】
ボディ側接点BP3,BP4,BP5,およびBP6はコマンドデータ通信と称するデータ通信を行うための接点である。これら4つのボディ側接点は、ボディ側第1通信部117に接続されている。これら4つの接点にそれぞれ接続されるレンズ側接点LP3,LP4,LP5,およびLP6は、レンズ側第1通信部217に接続されている。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217は、これら4つのボディ側接点および4つのレンズ側接点を介して信号の授受を行うことによりデータ通信を行う。ボディ側第1通信部117とレンズ側第1通信部217が行うデータ通信(コマンドデータ通信)の内容については、後に詳述する。
【0025】
ボディ側第1通信部117およびレンズ側第1通信部217は、各接点から入力される信号の信号レベルが所定の基準レベル(例えば2.0V)以上であった場合に、当該入力信号が真理値「真」(1、H、High等とも称する)を表していると判断する。また、各接点から入力される信号の信号レベルが上記の基準レベルとは別個に設定される所定の基準レベル(例えば0.8V)以下であった場合に、当該入力信号が真理値「偽」(0、L、Low等とも称する)を表していると判断する。ボディ側第2通信部118およびレンズ側第2通信部218についても同様である。
【0026】
ボディ側接点BP6は、カメラボディ100内においてプルアップ抵抗R1を介して電源Vcc(例えば5V)に接続されている。すなわち、ボディ側接点BP6はプルアップされている。他方、レンズ側接点LP6は、交換レンズ200内においてプルダウン抵抗R2を介して接地されている。すなわち、レンズ側接点LP6はプルダウンされている。
【0027】
プルアップ抵抗R1およびプルダウン抵抗R2の抵抗値は、交換レンズ200にカメラボディ100が取り付けられ且つレンズ側第1通信部217によるデータ通信が行われていない場合に、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベル(例えば0.8V以下の信号レベル)になるよう定められる。例えば、R1=10kΩ、R2=100Ωである。
【0028】
また、ボディ側マウント部101に交換レンズ200が取り付けられていない場合には、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Hに対応する信号レベル(例えば2.0V以上)になる。これは、ボディ側接点BP6がプルアップされていることによる。
【0029】
ボディ側接点BP6にはレンズ着脱検知部119が接続されている。レンズ着脱検知部119は、ボディ側接点BP6の信号レベルに基づいて交換レンズ200の着脱を検知する。レンズ着脱検知部119による着脱の検知については後に詳述する。
【0030】
なお以下の説明では、ボディ側接点BP3およびレンズ側接点LP3により構成される信号線を、信号線CLKと呼ぶ。同様に、ボディ側接点BP4およびレンズ側接点LP4により構成される信号線を信号線BDATと、ボディ側接点BP5およびレンズ側接点LP5により構成される信号線を信号線LDATと、ボディ側接点BP6およびレンズ側接点LP6により構成される信号線を信号線RDYと呼ぶ。
【0031】
ボディ側接点BP7,BP8,BP9,およびBP10はホットライン通信と称するデータ通信を行うための接点である。これら4つのボディ側接点は、ボディ側第2通信部118に接続されている。これら4つの接点にそれぞれ接続されるレンズ側接点LP7,LP8,LP9,およびLP10は、レンズ側第2通信部218に接続されている。ボディ
側第2通信部118とレンズ側第2通信部218は、これら4つのボディ側接点および4つのレンズ側接点を介して信号の授受を行うことによりデータ通信を行う。ボディ側第2通信部118とレンズ側第2通信部218が行うデータ通信(ホットライン通信)の内容については、後に詳述する。
【0032】
なお以下の説明では、ボディ側接点BP7およびレンズ側接点LP7により構成される信号線を、信号線HREQと呼ぶ。同様に、ボディ側接点BP8およびレンズ側接点LP8により構成される信号線を信号線HANSと、ボディ側接点BP9およびレンズ側接点LP9により構成される信号線を信号線HCLKと、ボディ側接点BP10およびレンズ側接点LP10により構成される信号線を信号線HDATと呼ぶ。
【0033】
ボディ側接点BP11およびBP12は、カメラボディ100内の第2電源回路121に接続されている。第2電源回路121は、ボディ側接点BP12に、レンズ駆動部212の駆動電圧を供給する。すなわち、ボディ側接点BP12およびレンズ側接点LP12からは、レンズ駆動部212の駆動電圧が供給される。ボディ側接点BP11は、上記の駆動電圧に対応する接地端子である。すなわち、ボディ側接点BP11およびレンズ側接点LP11の電圧は、上記の駆動電圧に対応する接地電圧である。
【0034】
以下の説明では、ボディ側接点BP11およびレンズ側接点LP11により構成される信号線を、信号線PGNDと呼ぶ。また、ボディ側接点BP12およびレンズ側接点LP12により構成される信号線を、信号線BATと呼ぶ。
【0035】
なお、ボディ側接点BP11およびレンズ側接点LP11を流れる電流の最大値と最小値との差は、ボディ側接点BP2およびレンズ側接点LP2を流れる電流の最大値と最小値との差よりも大きくなっている。これは、アクチュエータ等の駆動系を有するレンズ駆動部212が消費する電力が、交換レンズ200内のレンズ側制御部203等の電子回路に比べて大きいこと、ならびに、フォーカシングレンズ210bを駆動する必要がない場合にはレンズ駆動部212が電力を消費しないことに拠る。
【0036】
(コマンドデータ通信の説明)
レンズ側第1通信部217は、レンズ側接点LP3〜LP6、すなわち信号線CLK,BDAT,LDAT,およびRDYを介して、ボディ側第1通信部117とのデータ通信を行う。このデータ通信は例えば16ミリ秒毎に繰り返し行われる。また、このデータ通信では、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信とボディ側第1通信部117への応答データの送信とが並行して行われる。以下、レンズ側第1通信部217とボディ側第1通信部117との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0037】
なお、本実施形態において、レンズ側第1通信部217とボディ側第1通信部117との間で行われる通信をコマンドデータ通信と称する。
【0038】
図4は、コマンドデータ通信の例を示すタイミングチャートである。ボディ側第1通信部117およびレンズ側第1通信部217がデータ通信を行っていない場合(図4の時刻T1より前)、信号線RDYの信号レベルは、真理値Lに対応する信号レベルとなっている。
【0039】
ボディ側第1通信部117はコマンドデータ通信の開始時(T1)、まず信号線RDYの信号レベルを確認する。信号線RDYの信号レベルはレンズ側第1通信部217の通信可否を表している。すなわち、レンズ側第1通信部217は、レンズ側接点LP6に、レンズ側第1通信部217がデータ通信を行える状態か否かを表す信号を送信する。この信号は、データ信号でもクロック信号でもない信号である。レンズ側第1通信部217がデ
ータ通信を行えない状態であれば、レンズ側接点LP6からはH(High)レベルの信号が出力される。ボディ側第1通信部117は、信号線RDYがHレベルである場合、これがLレベルになるまで通信を開始しない。また、通信中の次の処理を実行しない。
【0040】
信号線RDYがL(Low)レベルであれば、ボディ側第1通信部117はボディ側接点BP3からクロック信号401を出力する。ボディ側第1通信部117はこのクロック信号401に同期して、ボディ側接点BP4から制御データの前半部分であるボディ側コマンドパケット信号402を出力する。また、信号線CLKにクロック信号401が出力されると、レンズ側第1通信部217はクロック信号401に同期してレンズ側接点LP5から応答データの前半部分であるレンズ側コマンドパケット信号403を出力する。
【0041】
レンズ側第1通信部217は、レンズ側コマンドパケット信号403の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルをHレベルにする(T2)。レンズ側制御部203は、受信したボディ側コマンドパケット信号402の内容に応じた処理である第1制御処理404を開始する。例えば受信したボディ側コマンドパケット信号402が特定のデータを要求する内容であった場合、レンズ側制御部203は第1制御処理404として、当該データを生成する処理を実行する。
【0042】
レンズ側制御部203は第1制御処理404が完了すると、レンズ側第1通信部217に第1制御処理404の完了を通知する。レンズ側第1通信部217はこの通知に応じて、レンズ側接点LP6からLレベルの信号を出力する(T3)。ボディ側第1通信部117はこの信号レベルの変化に応じて、ボディ側接点BP3からクロック信号405を出力する。ボディ側第1通信部117はこのクロック信号405に同期して、ボディ側接点BP4から制御データの後半部分であるボディ側データパケット信号406を出力する。また、信号線CLKにクロック信号405が出力されると、レンズ側第1通信部217はクロック信号405に同期してレンズ側接点LP5から応答データの後半部分であるレンズ側データパケット信号407を出力する。
【0043】
レンズ側第1通信部217は、レンズ側データパケット信号407の送信完了に応じて、信号線RDYの信号レベルを再びHレベルにする(T4)。レンズ側制御部203は、受信したボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406の内容に応じた処理である第2制御処理408を開始する。例えば受信したボディ側コマンドパケット信号402が、フォーカシングレンズ210bの駆動指示であり、受信したボディ側データパケット信号406がフォーカシングレンズ210bの駆動量であった場合、レンズ側制御部203は第2制御処理408として、フォーカシングレンズ210bを当該駆動量だけ駆動する処理を実行する。
【0044】
レンズ側制御部203は第2制御処理408が完了すると、レンズ側第1通信部217に第2制御処理408の完了を通知する。レンズ側第1通信部217はこの通知に応じて、レンズ側接点LP6からLレベルの信号を出力する(T5)。
【0045】
上述した時刻T1〜時刻T5に行われた通信が、1回のコマンドデータ通信である。上述のように、1回のコマンドデータ通信では、ボディ側制御部103およびボディ側第1通信部117により、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、処理の都合上2つに分割されて送信されるものの、ボディ側コマンドパケット信号402およびボディ側データパケット信号406は2つ合わせて1つの制御データを構成する。
【0046】
同様に、1回のコマンドデータ通信では、レンズ側制御部203およびレンズ側第1通信部217によりレンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信
号407がそれぞれ1つずつ送信される。すなわち、レンズ側コマンドパケット信号403およびレンズ側データパケット信号407は2つ合わせて1つの応答データを構成する。
【0047】
以上のように、レンズ側第1通信部217は、ボディ側第1通信部117からの制御データの受信と、ボディ側第1通信部117への応答データの送信とを並行して行う。
【0048】
上述したように、コマンドデータ通信に用いられる4つの信号線(CLK、BDAT、LDAT、RDY)には、レンズ側第1通信部217およびボディ側第1通信部117により種々の信号が出力される。図4を参照すれば明らかな通り、これらの信号のうちで信号レベルの変化が最も少ない信号は、レンズ側第1通信部217により信号線RDYに出力される信号である。すなわち、レンズ側第1通信部217は、カメラボディ100とのコマンドデータ通信において、4つのレンズ側接点LP3〜LP6のうちレンズ側接点LP6の信号レベルの変化が最も少なくなるようレンズ側接点LP3〜LP6を制御する。
【0049】
なお、上述した第1制御処理404および第2制御処理408に関しては、徒にカメラ全体の処理が滞らないよう、それらの制御処理に要する時間に対して、所定の規定(制限/上限)時間が、レンズ側制御部203のメモリ内に予め設けられている。コマンドデータ通信において、レンズ側で行われる制御処理(作業)は、通常(レンズ側が正常動作している場合)であれば、約数百マイクロ秒〜数ミリ秒程度で終えるよう構成されている。このため上記の規定時間として、コマンドデータ通信におけるレンズ側での作業時間に、ある程度のマージン時間を加えた時間が、設定されている。本実施形態では、この規定時間として、例えば、数10ミリ秒〜数100ミリ秒の範囲の中で、適切な値にチューニングされている。つまり、レンズ側制御部203は、図4に示した期間T23およびT45が上記の規定時間を上回らないように制御する。換言すると、レンズ側第1通信部217は、レンズ側マウント部201にカメラボディ100が取り付けられている間(換言すれば、カメラボディ100からレンズ制御部203に対して動作電力が供給されている間)は、レンズ側接点LP6の信号レベルが上記の規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルにならないようにレンズ側接点LP6を制御する。
【0050】
(ホットライン通信の説明)
レンズ側第2通信部218は、レンズ側接点LP7〜LP10、すなわち信号線HREQ,HANS,HCLK,およびHDATを介して、ボディ側第2通信部118へレンズ位置データを送信する。以下、レンズ側第2通信部218とボディ側第2通信部118との間で行われる通信の詳細を説明する。
【0051】
なお、本実施形態において、レンズ側第2通信部218とボディ側第2通信部118との間で行われる通信をホットライン通信と称する。
【0052】
図5は、ホットライン通信の例を示すタイミングチャートである。本実施形態のボディ側制御部103は、ホットライン通信を第2の所定周期Tn(本実施形態では例えば1ミリ秒)毎に開始するように構成されている。この周期は、コマンドデータ通信を行う周期よりも短い。図5(a)は、ホットライン通信が所定周期Tn毎に繰り返し実行されている様子を示す図である。繰り返し実行されるホットライン通信のうち、ある1回の通信の期間Txを拡大した様子が図5(b)に示されている。以下、図5(b)のタイミングチャートに基づいて、ホットライン通信の手順を説明する。
【0053】
ボディ側第2通信部118はホットライン通信の開始時(T6)、まずボディ側接点BP7からLレベルの信号を出力する。レンズ側第2通信部218は、この信号がレンズ側接点LP7に入力されたことをレンズ側制御部203に通知する。レンズ側制御部203
はこの通知に応じて、レンズ位置データを生成する生成処理501の実行を開始する。生成処理501とは、レンズ側制御部203がレンズ位置検出部213にフォーカシングレンズ210bの位置を検出させ、検出結果を表すレンズ位置データを生成する処理である。
【0054】
レンズ側制御部203が生成処理501を実行完了すると、レンズ側第2通信部218はレンズ側接点LP8からLレベルの信号を出力する(T7)。ボディ側第2通信部118は、この信号がボディ側接点BP8に入力されたことに応じて、ボディ側接点BP9からクロック信号502を出力する。レンズ側第2通信部218はこのクロック信号502に同期して、レンズ側接点LP10からレンズ位置データを表すレンズ位置データ信号503を出力する。
【0055】
レンズ位置データ信号503の送信が完了すると、レンズ側第2通信部218はレンズ側接点LP8からHレベルの信号を出力する(T8)。ボディ側第2通信部118は、この信号がボディ側接点BP8に入力されたことに応じて、レンズ側接点LP7からHレベルの信号を出力する(T9)。
【0056】
上述した時刻T6〜時刻T9に行われた通信が、1回のホットライン通信である。上述のように、1回のホットライン通信では、レンズ側制御部203およびレンズ側第2通信部218により、レンズ位置データ信号503が1つ送信される。
【0057】
ホットライン通信に用いられる4つのレンズ側接点LP7〜LP10のうち、レンズ側接点LP7、LP8には、クロック信号でもデータ信号でもない信号が出力される。これら2つのレンズ側接点の信号レベルの変化は、コマンドデータ通信に用いられるレンズ側接点LP6よりも多くなる。これは、ホットライン通信がコマンドデータ通信に比べてより短い周期で実行されるためである。
【0058】
例えばコマンドデータ通信が16ミリ秒毎に、ホットライン通信が1ミリ秒毎にそれぞれ実行されるとしたとき、レンズ側接点LP6の信号レベルの変化は16ミリ秒につき4回となる。他方、ホットライン通信は例えば1ミリ秒毎に実行され、レンズ側接点LP7、LP8における1回の通信当たりの信号レベルの変化はそれぞれ2回であるので、16ミリ秒につき信号レベルがそれぞれ32回変化することとなる。
【0059】
換言すると、レンズ側第1通信部217は、カメラボディ100とのコマンドデータ通信およびホットライン通信において、レンズ側接点LP3〜LP10のうちレンズ側接点LP6の信号レベルの変化が最も少なくなるようレンズ側接点LP3〜LP6を制御する。
【0060】
なお、コマンドデータ通信とホットライン通信は同時並行的に実行することが可能である。すなわち、レンズ側第1通信部217とレンズ側第2通信部218との一方は、その他方がカメラボディ100と通信を行っている場合であってもカメラボディ100と通信を行うことが可能である。
【0061】
(交換レンズの着脱検知の説明)
図6(a)は、レンズ着脱検知部119が交換レンズ200の装着を検知する様子を示したタイミングチャートである。カメラボディ100に交換レンズ200が取り付けられていない場合、ボディ側接点BP6がプルアップされているため(図3)、ボディ側接点BP6の信号レベルは真理値Hに対応する信号レベルとなる。ここで交換レンズ200が取り付けられると、レンズ側接点LP6がプルダウンされているため(図3)、ボディ側接点BP6の信号レベルは真理値Lに対応する信号レベルになる(T10)。レンズ着脱
検知部119はこのように、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルになった場合に交換レンズ200の取り付けを検知する。そしてボディ側制御部103は、交換レンズ200のカメラボディ100への取り付けを検知すると、交換レンズ200への給電を開始し、また交換レンズ200との間の通信動作を開始する。
【0062】
図6(b)は、レンズ着脱検知部119が交換レンズ200の取り外しを検知する様子を示したタイミングチャートである。カメラボディ100から交換レンズ200が取り外されると、ボディ側接点BP6の信号レベルは再び真理値Hに対応する信号レベルとなる(T11)。この時点ではレンズ着脱検知部119は、この信号レベルの変化が、レンズ側第1通信部217が信号線RDYに信号を出力したことによって引き起こされたものなのか、あるいは交換レンズ200が取り外されたことによって引き起こされたものなのかを区別することができない。
【0063】
レンズ着脱検知部119は、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Hに対応する信号レベルとなったとき、ボディ側接点BP6の信号レベルがそのような信号レベルを上述の規定時間(図4での説明にて既述)以上維持するか否かを見極める。
【0064】
仮に時刻T11において発生した信号レベルの変化がレンズ側第1通信部217によるものであるとすれば、時刻T11から上記の規定時間が経過する前に、ボディ側接点BP6の信号レベルは真理値Lに対応する信号レベルに戻るはずである。他方、ボディ側接点BP6の信号レベルが上記の規定時間を経過してもなお真理値Hに対応する信号レベルのままであったとすれば、これは交換レンズ200が取り外されたことによる信号レベルの変化であると判断することができる。従ってレンズ着脱検知部119は、時刻T11から所定時間T1112が経過した時刻T12において、交換レンズ200の取り外しを検知する。
【0065】
レンズ着脱検知部119はこのように、ボディ側接点BP6の信号レベルが、上述の規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルであった場合に、交換レンズ200の取り外しを検知する。なお本実施形態では、レンズ着脱検知部119が、交換レンズの取り外しを検知(判断)するための判断基準となる期間(時間)である、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Hに対応する信号レベルを維持(継続)する期間を、「規定時間以上」としている。この「規定時間以上」とは、上記規定時間そのものであっても良いし、上記規定時間よりも長め(例えば規定時間の数倍程度くらいまで)であっても良い。
【0066】
なお、ボディ側接点BP6の信号レベルが、上記規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルになるケースとしては、上述の交換レンズ200の取外し以外のケースも考えられる。例えば、交換レンズは装着したままであるが交換レンズ側がハングアップしているようなケースや、或いは通信接点不良のケースなどである。カメラボディ100のボディ側制御部103としては、何れの理由(要因)に基づくケースであっても、ボディ側接点BP6の信号レベルが上記規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルになっていることを検知すると、交換レンズ200への給電を遮断する処理を行う。
【0067】
これにより上述のハングアップや通信接点不良などのケースで、交換レンズ側の信号線RDYの信号レベルがHレベルに維持され続けている場合であっても、カメラ側から交換レンズ側への給電が一旦オフされるため、これによりレンズ側制御部203の動作が停止し、レンズ側接点LP6はプルダウン抵抗R2を介してレベルになる。つまり交換レンズ側の信号線RDYの信号レベルがLレベルになるので、カメラボディ100は図6(a)で説明したのと同様の振る舞いをする。すなわち、カメラボディ側のレンズ着脱検知部119は、交換レンズが再装着された状態になったと認識し、そしてボディ側制御部103が交換レンズ200への給電や通信を開始する。
【0068】
上述した第1の実施の形態によるカメラシステムによれば、次の作用効果が得られる。(1)交換レンズ200は、レンズ側接点LP3〜LP6を介してカメラボディ100との間で信号の授受を行うことによりカメラボディ100とのデータ通信を行うレンズ側第1通信部217を備える。レンズ側接点LP6は、カメラボディ100が着脱検知に用いるボディ側接点BP6に接続され、レンズ側第1通信部217は、レンズ側接点LP6にデータ信号でもクロック信号でもない信号を出力すると共に、レンズ側マウント部201にカメラボディ100が取り付けられている場合、ボディ側接点BP6の信号レベルが所定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルにならないようにレンズ側接点LP6を制御する。レンズ側接点LP6は、カメラボディ100が取り付けられ且つレンズ側第1通信部217によるデータ通信が行われていない場合、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルになるよう構成される。このようにしたので、簡易な通信手順のままでレンズの着脱検知を行うことができる。
【0069】
(2)カメラボディ100は、ボディ側接点BP3〜BP6を介して交換レンズ200との間で信号の授受を行うことにより交換レンズ200とのデータ通信を行うボディ側第1通信部117と、ボディ側接点BP6の信号レベルに基づいて交換レンズ200の着脱を検知するレンズ着脱検知部119とを備える。ボディ側接点BP6は、レンズ側接点LP3〜LP6のうち、データ信号でもクロック信号でもない信号が交換レンズ200から出力されるレンズ側接点LP6に接続されると共に、ボディ側マウント部101に交換レンズ200が取り付けられていない場合には信号レベルが真理値Hに対応する信号レベルになり、ボディ側マウント部101に交換レンズ200が取り付けられ且つボディ側第1通信部117による通信が行われていない場合には信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルになるよう構成される。ボディ側第1通信部117は、ボディ側マウント部101に交換レンズ200が取り付けられている場合、ボディ側接点BP6を介して、所定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルになることのない信号を受信し、レンズ着脱検知部119は、ボディ側接点BP6の信号レベルが所定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルであった場合に交換レンズ200の取り外しを検知すると共に、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルになった場合に交換レンズ200の取り付けを検知する。このようにしたので、簡易な通信手順のままでレンズの着脱検知を行うことができる。
【0070】
(3)レンズ側第1通信部217は、カメラボディ100とのデータ通信において、レンズ側接点LP3〜LP6のうちレンズ側接点LP6の信号レベルの変化が最も少なくなるようレンズ側接点LP3〜LP6を制御する。このようにしたので、レンズ側第1通信部217とレンズ側接点LP3〜LP6との回路設計が容易になる。
【0071】
(4)交換レンズ200は、カメラボディ100がホットライン通信のために有するボディ側接点BP7〜BP10にそれぞれ接続されるレンズ側接点LP7〜LP10と、レンズ側接点LP7〜LP10を介してカメラボディ100とのデータ通信を行うレンズ側第2通信部218とを備える。レンズ側第2通信部218は、カメラボディ100とのデータ通信において、レンズ側接点LP3〜LP10のうちレンズ側接点LP6の信号レベルの変化が最も少なくなるようレンズ側接点LP3〜LP6を制御する。このようにしたので、レンズ側第1通信部217およびレンズ側第2通信部218の回路設計が容易になる。
【0072】
(5)レンズ側接点LP6は、交換レンズ200内においてプルダウン抵抗R2を介して接地される。このようにしたので、カメラボディ100への交換レンズ200の装着時にボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルに変化し、レンズ着脱検知部119による装着検知が可能となる。
【0073】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係るカメラシステムを示した斜視図である。本実施形態のカメラシステム2は、カメラボディ100と、カメラボディ100に着脱可能な中間アダプタ700と、中間アダプタ700に着脱可能な交換レンズ600とから構成される。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の部材等については第1の実施の形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0074】
交換レンズ600は、カメラボディ100とはマウント規格の異なるカメラボディに着脱可能な交換レンズである。すなわち、交換レンズ600のレンズ側マウント部601は、カメラボディ100のボディ側マウント部101とはマウント規格が異なっているために取り付けることはできない。また、交換レンズ600のレンズ側マウント部601近傍には、複数の接点が設けられた保持部602が、図1に示した交換レンズ200と同様に存在するが、その形状はカメラボディ100が有する保持部102とは異なっている。
【0075】
中間アダプタ700は、以上のような交換レンズ600をカメラボディ100に装着するためのマウントアダプタである。具体的には、中間アダプタ700の筐体は円筒形の形状を有している。中間アダプタ700の一方の側面には、ボディ側マウント部101に対応する(ボディ側マウント部101に対応するマウント規格である)第1マウント部701が設けられている。中間アダプタ700の他方の側面には、レンズ側マウント部601に対応する(レンズ側マウント部601に対応するマウント規格である)第2マウント部703が設けられている。なお、筐体の形状は円筒形の形状に限られるものではなく、他の形状でもよい。第1マウント部701は、カメラボディ100のボディ側マウント部101に着脱可能に取り付けることができる。また、第2マウント部703は、交換レンズ600のレンズ側マウント部601に着脱可能に取り付けることができる。
【0076】
中間アダプタ700の第1マウント部701の近傍(第1マウント部701の内周側)の位置には、第1の実施の形態に係る交換レンズ200と同様に、第1マウント部701の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部702が設けられている。この保持部702には複数の接点が設けられている。カメラボディ100に中間アダプタ700が装着されると、複数の接点が設けられた保持部702が、複数の接点が設けられた保持部102に電気的に且つ物理的に接続される。第1マウント部701および保持部702はそれぞれ、第1の実施の形態に係るレンズ側マウント部201および保持部202と同様の構成となっているので、これ以上の説明を省略する。
【0077】
また、中間アダプタ700の第2マウント部703の近傍(第2マウント部703の内周側)の位置には、第2マウント部703の内周側に部分的に突出する状態で、接点を保持する保持部704が設けられている。この保持部704には複数の接点が設けられている。交換レンズ600のレンズ側マウント部601の近傍の位置には、接点を保持する保持部602が設けられている。この保持部602には複数の接点が設けられている。中間アダプタ700に交換レンズ600が装着されると、複数の接点が設けられた保持部602が、複数の接点が設けられた保持部704に電気的に且つ物理的に接続される。
【0078】
カメラボディ100は、第1の実施の形態において交換レンズ200の着脱検知を行っていたのと同様に、中間アダプタ700の着脱検知を行う。つまり、中間アダプタ700の保持部702に設けられた各接点の構成は、第1の実施の形態に係る交換レンズ200の保持部202に設けられた各接点と同様に構成されている。例えば、保持部702には第1の実施の形態で説明したように、レンズ側接点LP1〜LP12が設けられている。中間アダプタ700が取り付けられると、保持部702に設けられたレンズ側接点LP6がプルダウンされているため、ボディ側接点BP6の信号レベルは真理値Lに対応する信
号レベルになる。レンズ着脱検知部119はこのように、ボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Lに対応する信号レベルになった場合に中間アダプタ700の取り付けを検知する。そしてボディ側制御部103は、中間アダプタ700のカメラボディ100への取り付けを検知すると、中間アダプタ700への給電を開始し、また中間アダプタ700との間の通信動作を開始する。中間アダプタ700は、保持部704に設けられた各通信接点を介して、交換レンズ600とカメラボディ100との通信を仲介する。
【0079】
更に、中間アダプタ700は、不図示のアダプタ制御部を有している。このアダプタ制御部は、上記交換レンズ200のレンズ制御部203と同様に、ボディ制御部103との間で通信動作を行うものである、またアダプタ制御部は中間アダプタ700内に設けられている被駆動部材(例えば交換レンズ600内に設けられている絞り羽根を駆動するための絞り駆動レバー)の駆動制御を行ったりするものである。そしてアダプタ制御部は更に、中間アダプタ700がカメラボディ100に装着されている間は、上記交換レンズ200のレンズ側接点LP6の信号レベルに対して行われる制御と同様の制御を行う。すなわち、アダプタ制御部は、第1マウント部701にカメラボディ100が取り付けられている間は、レンズ側接点LP6に対応する中間アダプタの接点の信号レベルが、上記の規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルにならないように、レンズ側接点LP6に対応する中間アダプタの接点を制御する。
【0080】
また、カメラボディ100から中間アダプタ700が取り外されると、ボディ側接点BP6の信号レベルは再び真理値Hに対応する信号レベルとなる。レンズ着脱検知部119は、前述の規定時間を経過してもなおボディ側接点BP6の信号レベルが真理値Hに対応する信号レベルのままであった場合には、交換レンズ200の取り外しを検知する。
【0081】
上述した第2の実施の形態によるカメラシステムによれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を、中間アダプタにおいても得ることができる。
【0082】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0083】
(変形例1)
ホットライン通信において、レンズ側第2通信部218がレンズ位置データ以外のデータを送信するようにしてもよい。例えば、絞りの口径に関するデータや、ぶれ補正レンズの位置に関するデータを送信するようにしてもよい。
【0084】
(変形例2)
マニュアルフォーカスレンズなど、フォーカシングレンズ210bの位置が不要な場合には、レンズ側接点LP7〜LP10およびレンズ側第2通信部218を省いてもよい。レンズ着脱検知部119はボディ側接点BP6により交換レンズ200の着脱検知を行うので、ホットライン通信に用いられるこれらのレンズ側接点LP7〜LP10が存在しない場合であっても正しく着脱検知を行うことが可能である。
【0085】
(変形例3)
上述の実施形態で示した構成とは異なる構成を有するレンズ交換可能なカメラシステムにも、本発明を適用することが可能である。例えばカメラボディ内にミラーを有する、いわゆる一眼レフレックスカメラにも本発明を適用することができ、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
【0086】
(変形例4)
第2の実施の形態において、中間アダプタは、所定の光学系を有する、いわゆるワイド
コンバータ(ワイコン)やテレコンバータ(テレコン)であってもよい。そのような構成の一例として、図8にカメラシステム3を示す。カメラシステム3に含まれる中間アダプタ800は、第1の実施の形態に係るカメラボディ100と交換レンズ200との間に装着され、カメラボディ100に対応する第3マウント部801と、交換レンズ200に対応する第4マウント部803とを有し、交換レンズ200の光学系の焦点距離を所定の倍率だけ長くする。このような中間アダプタ800にも、本発明を適用することが可能である。
【0087】
なお、図8において、第3マウント部801の近傍には、カメラボディ100の保持部102と接続される保持部802が設けられている。また、第4マウント部803の近傍には、交換レンズ200の保持部202と接続される保持部804が設けられている。この場合、保持部802の各接点を、当該接点に入力(出力)された信号が、保持部804の対応する各接点にスルー出力(入力)されるように構成してもよい。あるいは、中間アダプタ800内の不図示のマイクロプロセッサ(制御部)が、一方の保持部において通信を行った後、その結果を他方の保持部において通信を行うことにより返すように構成してもよい。この場合、保持部802の各接点は、第1の実施の形態における保持部202と同様に構成される。例えば、着脱検知に用いられる端子は中間アダプタ800の内部でプルダウン抵抗を介して接地され、中間アダプタ800内のマイクロプロセッサが第1の実施の形態と同様にこの端子を制御する。更に中間アダプタ800内のマイクロプロセッサは、第3マウント部801にカメラボディ100が取り付けられている間は、レンズ側接点LP6に対応する中間アダプタ800の接点の信号レベルが、上記の規定時間以上連続して真理値Hに対応する信号レベルにならないように、レンズ側接点LP6に対応する中間アダプタ800の接点を制御する。
【0088】
(変形例5)
上述した各実施の形態では、本発明をカメラボディに着脱可能な交換レンズや中間アダプタ等に適用していた。本発明は、カメラボディに着脱可能な、交換レンズや中間アダプタ以外のアクセサリーに対しても適用することが可能である。
【0089】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1、2、3…カメラシステム、100…カメラボディ、101…ボディ側マウント部、102、202、602、702、704、802、804…保持部、103…ボディ側制御部、117…ボディ側第1通信部、118…ボディ側第2通信部、119…レンズ着脱検知部、200、600…交換レンズ、201、601…レンズ側マウント部、203…レンズ側制御部、217…レンズ側第1通信部、218…レンズ側第2通信部、700、800…中間アダプタ
図1
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図8