特許第5900187号(P5900187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5900187
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月6日
(54)【発明の名称】表面傷検査装置及び表面傷検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20160324BHJP
【FI】
   G01N21/956 A
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-144795(P2012-144795)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-9970(P2014-9970A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2014年6月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健司
(72)【発明者】
【氏名】杉原 淳
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−065760(JP,A)
【文献】 特開2007−212544(JP,A)
【文献】 特開2010−216870(JP,A)
【文献】 特開平08−300255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
B24B 1/00
B24B 37/00
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明であり或いは透光性を有する検査対象の表面を斜めから照らす照明手段と、
前記検査対象の表面に垂直な光軸を有し、前記検査対象の表面を撮像する1つの撮像手段と、
前記照明手段及び前記撮像手段を制御する制御手段と、備え、
前記検査対象の裏面は、前記照明手段からの光を散乱させて散乱光をもたらす粗面であり、
前記撮像手段の光軸と前記照明手段の光軸との間の角度は、前記検査対象の表面の平坦部で正反射する前記照明手段の正反射光が前記撮像手段に入らないように設定され、
前記制御手段は、前記撮像手段による撮像の度に、前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変えて前記照明手段を発光させ、前記照明手段が照らす前記検査対象の表面を前記撮像手段に撮像させ、前記撮像手段が撮像した、複数の前記相対位置に対応する複数の画像に基づいて前記検査対象の表面における傷を検査し、
前記照明手段の明るさは、前記複数の画像における前記散乱光による輝度が所定の閾値以下となるように決定される
ことを特徴とする表面傷検査装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の画像のそれぞれにおける互いに対応する画素の輝度値から最も高い輝度値を抽出して1の検査対象画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表面傷検査装置。
【請求項3】
前記検査対象に対する前記照明手段の隣り合う2つの相対位置は、光軸間の角度が上面視で3度以下となるように決定される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面傷検査装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記検査対象の周りに複数設置され、
前記制御手段は、複数の前記照明手段を順次発光させることによって前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変える、
ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の表面傷検査装置。
【請求項5】
前記検査対象の表面に垂直な軸回りに前記検査対象を回転させる回転機構を備え、
前記制御手段は、前記回転機構により前記検査対象を回転させることによって前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変える、
ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の表面傷検査装置。
【請求項6】
前記回転機構は、前記検査対象の表面に垂直な軸回りに、前記検査対象と共に、前記撮像手段を回転させる、
ことを特徴とする請求項に記載の表面傷検査装置。
【請求項7】
前記検査対象は、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムである、
ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の表面傷検査装置。
【請求項8】
前記撮像手段の光軸と前記照明手段の光軸との間の角度は、45度以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の表面傷検査装置。
【請求項9】
透明であり或いは透光性を有する検査対象の表面を斜めから照らす照明手段と、前記検査対象の表面に垂直な光軸を有し、前記検査対象の表面を撮像する1つの撮像手段と備え、前記撮像手段の光軸と前記照明手段の光軸との間の角度が、前記検査対象の表面の平坦部で正反射する前記照明手段の正反射光が前記撮像手段に入らないように設定される表面傷検査装置による表面傷検査方法であって、
前記撮像手段による撮像の度に、前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変えて前記照明手段を発光させ、前記照明手段が照らす前記検査対象の表面を前記撮像手段に撮像させるステップと、
前記撮像手段が撮像した、複数の前記相対位置に対応する複数の画像に基づいて前記検査対象の表面における傷を検査するステップと、を有し、
前記検査対象の裏面は、前記照明手段からの光を散乱させて散乱光をもたらす粗面であり、
前記照明手段の明るさは、前記複数の画像における前記散乱光による輝度が所定の閾値以下となるように決定される
ことを特徴とする表面傷検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体表面の傷を検査する表面傷検査装置及び表面傷検査方法に関し、特に、物体表面に光を当てたときに撮像装置が撮像する物体表面の画像に基づいて物体表面の傷を検査する表面傷検査装置及び表面傷検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水晶ブランク等の透明基板の平滑な表面にある傷をCCDカメラで撮像し、撮像した画像に基づいてその表面にある傷を検査する傷検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この傷検査装置は、リング状照明手段によって、透明基板の表面に対して比較的小さい照射角度で四方八方から同時に光を当て、その表面にある傷を光学的に浮かび上がらせたところをCCDカメラで撮像する。そのため、この傷検査装置は、その透明基板の表面にある傷の方向にかかわらず、その傷を光学的に強調することができ、確実にその傷を検出できるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−288063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の傷検査装置は、透明基板の裏面が粗面である場合に対処することができない。透明基板の裏面が粗面である場合、その裏面がリング状照明手段からの光を散乱し、表面にある傷による散乱光と裏面による散乱光との区別を困難にしてしまうためである。
【0005】
上述の点に鑑み、本発明は、物体表面の画像に基づいて物体表面の傷をより高感度に検査できる表面傷検査装置及び表面傷検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の実施例に係る表面傷検査装置は、検査対象の表面を斜めから照らす照明手段と、前記検査対象の表面に垂直な光軸を有し、前記検査対象の表面を撮像する1つの撮像手段と、前記照明手段及び前記撮像手段を制御する制御手段と、備え、前記制御手段は、前記撮像手段による撮像の度に、前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変えて前記照明手段を発光させ、前記照明手段が照らす前記検査対象の表面を前記撮像手段に撮像させ、前記撮像手段が撮像した、複数の前記相対位置に対応する複数の画像に基づいて前記検査対象の表面における傷を検査する。
【0007】
また、本発明の実施例に係る表面傷検査方法は、検査対象の表面を斜めから照らす照明手段と、前記検査対象の表面に垂直な光軸を有し、前記検査対象の表面を撮像する1つの撮像手段と備える表面傷検査装置による表面傷検査方法であって、前記撮像手段による撮像の度に、前記検査対象に対する前記照明手段の相対位置を変えて前記照明手段を発光させ、前記照明手段が照らす前記検査対象の表面を前記撮像手段に撮像させるステップと、前記撮像手段が撮像した、複数の前記相対位置に対応する複数の画像に基づいて前記検査対象の表面における傷を検査するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
上述の手段により、本発明は、物体表面の画像に基づいて物体表面の傷をより高感度に検査できる表面傷検査装置及び表面傷検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係る表面傷検査装置の構成例を示すブロック図である。
図2図1の表面傷検査装置における撮像装置及び照明装置の設置例を示す正面図である。
図3】最小入射角と限界入射角の関係を示す図である。
図4図2に示す撮像装置及び照明装置の設置例の上面図である。
図5】検査対象としてのウェハの拡大断面図である。
図6】検査対象画像生成部が検査対象画像を生成する処理を示す図である。
図7】第1表面傷判定処理の流れを示すフローチャートである。
図8】撮像装置及び照明装置の設置例の別の1例を示す正面図である。
図9図8に示す撮像装置及び照明装置の設置例の上面図である。
図10】撮像装置及び照明装置の設置例のさらに別の1例を示す正面図である。
図11図10に示す撮像装置及び照明装置の設置例の上面図である。
図12】第2表面傷判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る表面傷検査装置100の構成例を示す機能ブロック図である。本実施例において、表面傷検査装置100は、例えば、透明の検査対象の表面、又は、透光性を有する検査対象の表面にある傷を検査する。検査対象の表面は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO)又はタンタル酸リチウム(LiTaO)でできた片面研磨ウェハの研磨面である。
【0011】
本実施例において、表面傷検査装置100は、主に、制御装置1、撮像装置2、照明装置3、及び出力装置4を有する。
【0012】
制御装置1は、表面傷検査装置100を制御するための制御手段の1例であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non-volatile RAM)等を備えたコンピュータである。制御装置1は、例えば、検査対象画像生成部10及び傷判定部11のそれぞれの機能要素に対応するプログラムをROMから読み出してRAMに展開しながら、各機能要素に対応する処理をCPUに実行させる。
【0013】
撮像装置2は、制御装置1で処理される画像を取得するための撮像手段の1例であり、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子と、撮像素子に結像するための結像レンズとを備えたカメラである。
【0014】
照明装置3は、検査対象の表面を照らすための照明手段の1例であり、主に、LED(Light Emitting Diode)等の点光源と、点光源が発した光を検査対象の表面に向ける集光レンズとで構成される。
【0015】
出力装置4は、各種情報を出力するための装置であり、例えば、制御装置1による検査対象の表面の検査結果を表示するためのディスプレイ、又は、その検査結果を音声出力するためのスピーカ等である。
【0016】
図2及び図3は、撮像装置2及び照明装置3の設置例を示す正面図であり、図4は、その上面図である。なお、図2図4では、明瞭化のため、制御装置1及び出力装置4の図示を省略する。
【0017】
図2で示すように、撮像装置2の結像レンズ2aは、一点鎖線で示す光軸L1が検査対象であるウェハWの表面に対してほぼ垂直となり、且つ、光軸L1がウェハWの中心を通るように設置される。また、撮像装置2は、制御装置1からの制御信号に応じてウェハWの表面全体を撮像し、撮像した画像を制御装置1に対して出力する。なお、破線で示す領域R1は、撮像装置2の撮像範囲を示す。
【0018】
また、照明装置3の光源は、二点鎖線で示す光軸L2が撮像装置2の光軸L1との間で角度(入射角)αを形成するように設置され、ウェハWの表面全体を照らす。なお、点線で示す領域R2は、照明装置3の光源の照明範囲を示す。
【0019】
また、入射角αが大きくなるほど、ウェハWの表面の傷で反射する光が撮像装置2に入り難くなり、撮像装置2は傷を撮像し難くなる。そのため、入射角αは、45度以下の角度であることが望ましく、20度以下の角度であることがより望ましい。
【0020】
一方、入射角αが小さくなるほど、ウェハWの表面の傷のない平坦部で正反射する光が撮像装置2に入り易くなり、撮像装置2はハレーションを起こし易くなる。また、平坦部で正反射する光は傷で反射する光より強く、平坦部で正反射する光が撮像装置2に入ると、傷で反射する光を検出不能にする。そのため、入射角αは、平坦部で正反射する光が撮像装置2に入らないよう、照明装置3からウェハWの表面に入射する光の最小入射角が限界入射角よりも大きくなるように設定される。
【0021】
図3は、最小入射角θMINと限界入射角θLMTの関係を示す図であり、図2に対応する。また、図3において、距離Daは、結像レンズ2aの絞りの有効径を表し、距離Dbは、検査対象であるウェハWの最大径を表し、距離Dcは、ウェハWと結像レンズ2aの絞りとの間の距離を表す。また、距離Ddは、ウェハWと照明装置3との間の距離を表し、距離Deは、一点鎖線で示す撮像装置2の光軸L1と照明装置3との間の距離を表す。
【0022】
最小入射角θMINは、照明装置3からウェハWの表面に入射する光の入射角のうちで最小の入射角であり、以下の式(1)で表される。
【0023】
【数1】
また、限界入射角θLMTは、仮想的な照明装置3LMTからウェハWの表面に入射する光の入射角のうちで最小の入射角であり、且つ、ウェハWの表面で正反射して撮像装置2に入る光の入射角のうちで最大の入射角であって、以下の式(2)で表される。
【0024】
【数2】
図3は、照明装置3の光軸L2(二点鎖線)が入射角αでウェハWに入射する様子を示す。また、図3は、最小入射角θMINを有する光(点線)がウェハWの右端で正反射して撮像装置2の左側を通過する様子、及び、最大入射角θMAXを有する光(破線)がウェハWの左端で正反射して撮像装置2の左側を通過する様子を示す。なお、最大入射角θMAXは、照明装置3からウェハWの表面に入射する光の入射角のうちで最大の入射角である。また、図3は、最小入射角θMINを有する光に対応する正反射光(点線)と、最大入射角θMAXを有する光に対応する正反射光(破線)との間に、反射光が届く範囲が形成される様子を示す。
【0025】
さらに、図3は、撮像装置3LMTが発する限界入射角θLMTを有する光がウェハWの右端で正反射して撮像装置2に入る様子を示す。なお、撮像装置3LMTの光軸(図示せず。)が形成する入射角は、照明装置3の光軸L2が形成する入射角αより小さい。
【0026】
上述の関係より、限界入射角θLMTより大きい入射角を有する光の正反射光は、撮像装置2に入らないことが分かる。すなわち、照明装置3の最小入射角θMINが限界入射角θLMTより大きければ、照明装置3からの光がウェハWの表面の傷のない平坦部で正反射して撮像装置2に入ることがないことが分かる。
【0027】
このようにして、入射角αは、照明装置3からウェハWの表面に入射する光の最小入射角θMINが限界入射角θLMTよりも大きくなるように設定される。
【0028】
また、図4で示すように、照明装置3は、ウェハWを取り囲む円Cを描くように、角度βずつ間隔を空けて設置される複数の光源3、3、3・・・で構成される。角度βは、例えば、3度以下であり、角度βが3度の場合、ウェハWの周りに120個の光源が設置される。
【0029】
制御装置1は、120個の光源のそれぞれに対して順番に制御信号を送信し、120個の光源のそれぞれ3を順番に発光させる。また、制御装置1は、光源のそれぞれを発光させるのと同時に撮像装置2に対して制御信号を送信し、120個の光源のそれぞれがウェハWの表面を照らす毎に、ウェハWの表面を撮像装置2に撮像させる。
【0030】
図5は、ウェハWの拡大断面図であり、照明装置3の光源の1つが発する光がウェハWの表面にある傷Fで正反射して撮像装置2の結像レンズ2aに至る様子を示す。
【0031】
図5で示すように、ウェハWは、鏡面で構成される表面Waと、粗面で構成される裏面Wbとを有し、水平面に対して傷角度γを形成する傷面Fsを含む傷Fを表面Wa上に有する。
【0032】
照明装置3の光源の1つが発した光は、傷面Fsの垂線PLに対して傷角度γと同じ角度を形成するように傷面Fsに入射すると、傷面Fsで正反射し、傷面Fsの垂線PLに対して傷角度γと同じ角度を形成する反射光となって撮像装置2の結像レンズ2aに至る。この場合、撮像装置2の光軸L1と照明装置3の光軸L2との間に形成される入射角αは、α=2γで表される。すなわち、表面傷検査装置100は、撮像装置2の光軸L1と照明装置3の光軸L2との間の入射角αが、傷角度γの2倍の大きさとなる場合に、傷Fを強く光らせることができる。正反射光は散乱光に比べ明るいためである。このことは、複数の光源のうち、上述の条件を満たす状態、或いはそれに近い状態をもたらす1つの光源が発光させられた場合に、傷Fを強く光らせることができることを意味する。また、1つの光源が強く光らせることのできる傷は限られるとしても、設置位置の異なる多数の光源を順番に発光させることによってそれを補うことができる。また、複数の光源のそれぞれを1つずつ発光させて撮像装置2による撮像を繰り返すことによって、多数の光源を同時に発光させる場合に比べ、撮像した画像におけるノイズを低減させることができる。具体的には、多数の光源を同時に発光させた場合、多数の光源からの光のそれぞれがウェハWの裏面(粗面)で乱反射し、撮像した画像内のウェハWの表面における傷のない部分であるバックグラウンドを過度に明るくしてしまう。これに対し、複数の光源のそれぞれを1つずつ発光させた場合には、1つの光源が発する光はウェハWの裏面(粗面)で乱反射するものの、多数の光源を同時に発光させた場合に比べその頻度が低いため、バックグラウンドを過度に明るくすることがないためである。
【0033】
次に、制御装置1が有する機能要素である検査対象画像生成部10及び傷判定部11にについて説明する。
【0034】
検査対象画像生成部10は、撮像装置2が撮像した画像から検査対象画像を生成するための機能要素であり、例えば、撮像装置2が撮像した複数の画像を合成して検査対象画像を生成する。
【0035】
具体的には、検査対象画像生成部10は、ウェハWの周りに設置される光源の数と同じ数の画像を合成して検査対象画像を生成する。撮像装置2が撮像する画像は何れも、撮像時におけるウェハWに対する光源の相対位置が異なるだけで、ウェハWの表面全体を含む同じ領域を同じ位置から撮像した画像である。そのため、撮像装置2が撮像した画像のそれぞれにおける互いに対応する画素は、ウェハWの表面上の同じ位置に対応する。
【0036】
そこで、検査対象画像生成部10は、撮像装置2が撮像した画像のそれぞれにおける互いに対応する画素の輝度値のうち最も高い輝度値を抽出し、抽出した輝度値をその画素の代表値として記憶する。以下では、この処理を最大輝度値抽出処理と称する。検査対象画像生成部10は、この最大輝度値抽出処理を全ての画素に対して実行し、互いに対応する画素のうちで最も高い輝度値を有する画素ばかりを集めた画像を検査対象画像として生成する。
【0037】
図6は、検査対象画像生成部10が検査対象画像GEを生成する処理を示す図である。図6で示すように、撮像装置2が撮像した120枚の画像G、G、・・・、G120は何れも、ウェハWの表面全体を含む同じ領域を同じ位置から撮像した画像である。また、画像G、G、・・・、G120のそれぞれにおける互いに対応する画素の輝度値のうちで最も高い輝度値を有する画素は、典型的には、ウェハWの表面上にある傷Fに対応する画素である。図5を参照して説明したように、ウェハWの表面上に傷Fが存在する場合には、照明装置3が発する光が傷Fで反射して撮像装置2の結像レンズ2aに至るのに対し、ウェハWの表面上に傷が存在しない場合には、照明装置3が発する光は、ウェハWの表面で反射して撮像装置2の撮像範囲外に至るためである。
【0038】
また、図6は、光源3図4参照。)が発する光がウェハWの表面を照らしたときに撮像装置2が撮像した画像Gを示す。なお、画像Gは、光源3からの光が傷Fで反射した状態を捉えている。また、図6は、光源3図4参照。)が発する光がウェハWの表面を照らしたときに撮像装置2が撮像した画像Gを示す。なお、画像Gは、光源3からの光が傷Fで反射した状態を捉えている。さらに、図6は、光源3120(図示せず。)が発する光がウェハWの表面を照らしたときに撮像装置2が撮像した画像G120を示す。なお、画像G120は、光源3120からの光が傷F120で反射した状態を捉えている。なお、図6は、輝度値が高い画素を黒色で示す。
【0039】
検査対象画像生成部10は、上述のようにして得られた120枚の画像G、G、・・・、G120のそれぞれにおける互いに対応する画素の輝度値のうち最も高い輝度値を抽出し、抽出した輝度値をその画素の代表値として記憶する。そして、検査対象画像生成部10は、この最大輝度値抽出処理を全ての画素に対して実行し、互いに対応する画素のうちで最も高い輝度値を有する画素ばかりで構成される画像を検査対象画像GEとして生成する。
【0040】
その結果、検査対象画像GEは、図6の場合、画像Gにおける傷Fに対応する画素と、画像Gにおける傷Fに対応する画素と、画像G120における傷F120に対応する画素とを含む画像として生成される。
【0041】
傷判定部11は、画像中の検査対象の表面に傷が存在するか否かを判定する機能要素である。傷判定部11は、例えば、検査対象画像生成部10が生成する検査対象画像GEを構成する画素のそれぞれにおける輝度値と所定の閾値とを比較し、所定の閾値を上回る輝度値を有する画素が存在する場合に検査対象であるウェハWの表面に傷が存在すると判定する。
【0042】
なお、傷判定部11は、撮像装置2が撮像する個々の画像(例えば、画像Gである。)を構成する画素のそれぞれにおける輝度値と所定の閾値とを比較し、所定の閾値を上回る輝度値を有する画素が存在する場合にウェハWの表面に傷が存在すると判定してもよい。この場合、表面傷検査装置100は、個々の画像の全ての画素と所定の閾値とを比較する必要があるものの、検査対象画像GEを生成することなく、ウェハWの表面に傷が存在するか否かを判定することができる。
【0043】
また、傷判定部11は、ウェハWの表面に傷が存在すると判定した場合に、傷の有無の判定に用いた検査対象画像GEを出力装置4としてのディスプレイ上に表示する。この場合、傷判定部11は、傷に対応する画素を強調表示させてもよく、傷が存在することを表す文字や図形を検査対象画像GE上に重畳表示させてもよい。また、傷判定部11は、出力装置4としてのスピーカを用いて、傷を発見した旨を音声出力してもよい。なお、傷判定部11は、ウェハWの表面に傷が存在しないと判定した場合にも、傷の有無の判定に用いた検査対象画像GEをディスプレイ上に表示し、傷が存在しないことを表す文字や図形を検査対象画像GE上に重畳表示させ、或いは、傷を発見しない旨を音声出力してもよい。
【0044】
次に、図7を参照しながら、表面傷検査装置100が検査対象としてのウェハWの表面の傷の有無を判定する処理(以下、「第1表面傷判定処理」とする。)について説明する。なお、図7は、第1表面傷判定処理の流れを示すフローチャートであり、表面傷検査装置100は、新しいウェハWが撮像装置2の撮像範囲内に配置される毎に自動的にこの第1表面傷判定処理を実行する。なお、表面傷判定装置100は、操作者による操作入力に応じてこの第1表面傷判定処理を開始させてもよい。
【0045】
最初に、表面傷検査装置100の制御装置1は、第1表面傷判定処理で利用するパラメータを初期化する(ステップS1)。具体的には、制御装置1は、照明装置3の光源の発光順を表すパラメータNを値「1」に設定する。また、制御装置1は、最大輝度値抽出処理の対象となる画素を特定する画素番号を表すパラメータMを値「1」に設定する。
【0046】
その後、制御装置1は、N番目(1番目)の光源3(光源3)を発光させ、光源3(光源3)によって照らされたウェハWの表面を撮像装置2に撮像させて画像G(画像G)を取得する(ステップS2)。
【0047】
その後、制御装置1は、パラメータNに値「1」を加算し(ステップS3)、パラメータNの値と光源の総数(例えば、120個である。)とを比較する(ステップS4)。
【0048】
パラメータNの値が光源の総数以下であると判断した場合(ステップS4のNO)、制御装置1は、ステップS2〜ステップS4の処理を繰り返す。
【0049】
一方、パラメータNの値が光源の総数を上回ると判断した場合(ステップS4のYES)、制御装置1は、検査対象画像生成部10により、120枚の画像G〜画像G120に基づく検査対象画像GEの生成を開始する。
【0050】
具体的には、検査対象画像生成部10は、120枚の画像G〜画像G120における互いに対応する画素のうちのM番目(1番目)の画素に対して最大輝度値抽出処理を実行する(ステップS5)。
【0051】
その後、検査対象画像生成部10は、パラメータMに値「1」を加算し(ステップS6)、パラメータMの値と画素の総数とを比較する(ステップS7)。
【0052】
パラメータMの値が画素の総数以下であると判断した場合(ステップS7のNO)、検査対象画像生成部10は、ステップS5〜ステップS7の処理を繰り返す。
【0053】
一方、パラメータMの値が画素の総数を上回ると判断した場合(ステップS7のYES)、検査対象画像生成部10は、全ての画素に対して最大輝度値抽出処理を実行したとしてステップS8に進む。
【0054】
その後、検査対象画像生成部10は、互いに対応する画素のうちで最も高い輝度値を有する画素ばかりを集めた画像を検査対象画像GEとして生成する(ステップS8)。
【0055】
その後、制御装置1は、傷判定部11により、検査対象画像生成部10が生成した検査対象画像GEを用いて、ウェハWの表面に傷が存在するか否かを判定する。
【0056】
具体的には、傷判定部11は、検査対象画像GEを構成する画素のそれぞれにおける輝度値と所定の閾値とを比較し、検査対象画像GEに所定の閾値を上回る輝度値を有する画素が存在するか否かを判定する(ステップ9)。
【0057】
検査対象画像GEに所定の閾値を上回る輝度値を有する画素が存在すると判定した場合(ステップS9のYES)、傷判定部11は、ウェハWの表面に傷が存在するとして検査対象画像GEを出力装置4としてのディスプレイに表示する(ステップS10)。なお、傷判定部11は、傷の存在を知らせる音声メッセージを出力装置4としてのスピーカから音声出力してもよい。
【0058】
一方、検査対象画像GEに所定の閾値を上回る輝度値を有する画素が存在しないと判定した場合(ステップS9のNO)、傷判定部11は、検査対象画像GEをディスプレイに表示することなく、今回の第1表面傷判定処理を終了させる。
【0059】
以上の構成により、表面傷検査装置100は、複数の光源のそれぞれを1つずつ発光させる度に撮像装置2でウェハWの表面を撮像して得られる複数の画像に基づいてウェハWの表面の傷の有無を判定する。そのため、表面傷検査装置100は、多数の光源から同時に発せられる光がウェハWの裏面(粗面)で乱反射し、撮像した画像におけるバックグラウンドが過度に明るくなってしまうのを防止することができる。すなわち、表面傷検査装置100は、撮像した画像におけるバックグラウンドが明るくなり過ぎるのを抑えながら、ウェハWの表面の傷のみを選択的に明るくすることができる。最大輝度値抽出処理を実行したとしても、傷のない部分に対応する画素の輝度値は小さいまま維持されるためである。
【0060】
また、表面傷検査装置100は、撮像装置2がウェハWの表面を撮像する毎に、ウェハWに対する光源の相対位置を変化させるため、特定の方向から光を照らした場合にしか光らない傷の検出漏れを低減させ或いは防止することができる。この効果は、採用する相対位置の数が多いほど高いものとなる。
【0061】
なお、表面傷検査装置100は、バックグラウンドを過度に明るくしない限りにおいて、複数の光源のうちの2つ以上を1組として1組ずつ発光させてもよい。この場合、表面傷検査装置100は、1組の光源を発光させる度に撮像装置2でウェハWの表面を撮像して得られる複数の画像に基づいてウェハWの表面の傷の有無を判定する。なお、1組を構成する光源のそれぞれは、隣り合うものであってもよく、所定の角度間隔を空けて設置されるものであってもよい。
【0062】
また、表面傷検査装置100は、照明装置3を構成する光源3、3、3、・・・を円Cに沿って時計回りに順番に発光させるが、発光順は任意であり、円Cに沿って反時計回りに順番に発光させてもよく、ランダムに発光させてもよい。
【0063】
次に、図8及び図9を参照しながら、本発明に係る表面傷検査装置の別の構成例100Aについて説明する。なお、図8は、表面傷検査装置100Aにおける撮像装置2及び照明装置3の設置例を示す正面図である。また、図9は、表面傷検査装置100Aにおける撮像装置2及び照明装置3の設置例を示す上面図である。なお、図8及び図9では、明瞭化のため、制御装置1及び出力装置4の図示を省略する。
【0064】
表面傷検査装置100Aは、ウェハWを取り囲む円Cを描くように設置される複数の光源3、3、3・・・で構成される照明装置3と、円Cの内側の同心円Caを描くように設置される複数の光源3a、3a、3a・・・で構成される照明装置3aとを有する点で、照明装置3のみを有する表面傷検査装置100と相違する。なお、表面傷検査装置100Aは、その他の点において、表面傷検査装置100と共通する。そのため、共通部分の説明を省略しながら、相違部分を詳細に説明する。
【0065】
図8で示すように、照明装置3aの光源は、二点鎖線で示す光軸L3が撮像装置2の光軸L1との間で角度(入射角)δを形成するように設置され、ウェハWの表面全体を照らす。なお、点線で示す領域R3は、照明装置3aの光源の照明範囲を示す。また、入射角δは、照明装置3の光源の光軸L2が撮像装置2の光軸L1との間に形成する入射角αと異なる角度であり、本実施例では、入射角αよりも小さい角度である。
【0066】
表面傷検査装置100Aにおいて、検査対象画像生成部10は、照明装置3を構成する光源3、3、3、・・・を順番に発光させ、発光の度に撮像装置2にウェハWの表面を撮像させる。そして、照明装置3を構成する光源3、3、3、・・・の全てを発光させた後で、検査対象画像生成部10は、照明装置3aを構成する光源3a、3a、3a、・・・を順番に発光させ、発光の度に撮像装置2にウェハWの表面を撮像させる。
【0067】
なお、光源の発光順は任意であり、表面傷検査装置100Aは、照明装置3に属する光源と、照明装置3aに属する光源とを混在させて発光順を決めるようにしてもよい。
【0068】
以上の構成により、表面傷検査装置100Aは、入射角αの光に加え、入射角δ(<α)の光によってウェハWが照らされるように照明装置3aを追加的に設置するため、傷角度が傷角度γ(図5参照。)よりも小さい傷面を含む傷をも強く光らせることができる。すなわち、表面傷検査装置100Aは、表面傷検査装置100に比べ、より多くの種類の傷を検出可能となる。
【0069】
なお、表面傷検査装置100Aは、入射角αを有する光と入射角δを有する光とがウェハWを照らすように照明装置3及び3aを設置するが、それぞれ異なる入射角を有する3種類以上の光がウェハWを照らすように照明装置を設置してもよい。
【0070】
また、表面傷検査装置100Aは、照明装置3aを設置する代わりに、照明装置3の光源3、3、3、・・・の高さを調節する機構を備えるようにしてもよい。
【0071】
次に、図10図12を参照しながら、本発明に係る表面傷検査装置のさらに別の構成例100Bについて説明する。なお、図10は、表面傷検査装置100Bにおける撮像装置2及び照明装置3の設置例を示す正面図である。また、図11は、表面傷検査装置100Bにおける撮像装置2及び照明装置3の設置例を示す上面図である。また、図12は、表面傷検査装置100Bが検査対象としてのウェハWの表面の傷の有無を判定する処理(以下、「第2表面傷判定処理」とする。)の流れを示すフローチャートである。なお、図10及び図11では、明瞭化のため、制御装置1及び出力装置4の図示を省略する。
【0072】
表面傷検査装置100Bは、照明装置3が単一の光源3bで構成され、且つ、ウェハWを支持する支持台5aを回転させる回転機構5bと、撮像装置2を回転させる回転機構6とを備える点で、表面傷検査装置100と相違するが、その他の点において共通する。そのため、共通部分の説明を省略しながら、相違部分を詳細に説明する。
【0073】
支持台5aは、撮像装置2がウェハWの表面を撮像できるようにウェハWをその上面で支持する台であり、回転機構5bに対して回転可能に取り付けられる。
【0074】
回転機構5bは、撮像装置2の光軸L1回りに支持台5aを回転させるための機構であり、制御装置1が出力する制御信号に応じて支持台5aを回転させる。そのため、撮像装置2の光軸L1と、ウェハWの中心を通る鉛直軸とが一致するように支持台5a上に支持されるウェハWは、その中心を光軸L1上に位置させながら光軸L1回りに回転する。
【0075】
回転機構6は、撮像装置2の光軸L1回りに撮像装置2を回転させるための機構であり、制御装置1が出力する制御信号に応じて撮像装置2を回転させる。
【0076】
なお、本実施例では、制御装置1は、回転機構5bによる支持台5aの回転と、回転機構6による撮像装置2の回転とを同期させる。また、制御装置1は、回転機構5b及び回転機構6のそれぞれを角度εずつ回転させる。そのため、撮像装置2及びウェハWの回転にかかわらず、撮像装置2が撮像するウェハWの表面の画像は、常に同じ領域を同じ向きで撮像した画像となる。なお、角度εは、例えば、3度以下であり、角度εが3度の場合、ウェハWを1回転させるために、回転機構5b及び回転機構6がそれぞれ120回駆動されることを意味する。
【0077】
ここで、図12を参照すると、図12の第2表面傷判定処理は、第1表面傷判定処理のステップS1〜S4をステップS11〜S14で置き換えたものであり、ステップS15〜S20は、第1表面傷判定処理のステップS5〜S10と共通する。
【0078】
最初に、表面傷検査装置100Bの制御装置1は、第2表面傷判定処理で利用するパラメータを初期化する(ステップS11)。具体的には、制御装置1は、最大輝度値抽出処理の対象となる画素を特定する画素番号を表すパラメータMを値「1」に設定する。
【0079】
その後、制御装置1は、光源3bを発光させ、光源3bによって照らされたウェハWの表面を撮像装置2に撮像させて画像を取得する(ステップS12)。
【0080】
その後、制御装置1は、回転機構5bに対して制御信号を出力し、撮像装置2の光軸L1回りに、支持台5a及びウェハWを角度εだけ回転させ(ステップS13)、ウェハWの回転角度の合計と所定の閾値(例えば、360度である。)とを比較する(ステップS14)。このとき、制御装置1は、回転機構6に対しても制御信号を出力し、撮像装置2の光軸L1回りに撮像装置2を角度εだけ回転させる。撮像装置2がウェハWの表面を同じ条件で撮像できるようにするためである。
【0081】
ウェハWの回転角度の合計が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS14のNO)、制御装置1は、ステップS12〜ステップS14の処理を繰り返す。
【0082】
一方、ウェハWの回転角度の合計が所定の閾値を上回ると判断した場合(ステップS14のYES)、制御装置1は、検査対象画像生成部10により、ウェハWが360度回転するまでウェハWを3度回転させる度に撮像した120枚の画像に基づく検査対象画像GEの生成を開始する。
【0083】
なお、ステップS15以降の処理は、第1表面傷判定処理の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0084】
以上の構成により、表面傷検査装置100Bは、単一の光源3bで構成される照明装置3を用いた場合であっても、表面傷検査装置100と同様の効果を実現できる。また、表面傷検査装置100Bは、撮像装置2の光軸L1との間で入射角δを形成する光軸L3を有する光源を1つ追加した場合には、表面傷検査装置100Aと同様の効果を実現できる。なお、表面傷検査装置100Bは、入射角がそれぞれ異なる3つ以上の光源で構成される照明装置を用いるようにしてもよい。
【0085】
また、表面傷検査装置100Bは、ウェハWを回転させる代わりに、撮像装置2の光軸L1回りに光源3bを回転させてもよい。
【0086】
また、表面傷検査装置100Bは、撮像装置2を回転させるための回転機構6を省略してもよい。撮像装置2が撮像する複数の画像におけるウェハWの向きがそれぞれ異なる場合であっても、画像処理を施すことによってウェハWの表面上の特定の位置を映す画素同士を対応付けることが可能なためである。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・制御装置 2・・・撮像装置 2a・・・結像レンズ 3、3a・・・照明装置 4・・・出力装置 5a・・・支持台 5b、6・・・回転機構 10・・・検査対象画像生成部 11・・・傷判定部 100・・・表面傷検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12