特許第5901630号(P5901630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5901630メタライゼーション処理、混合物、および、電子デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5901630
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】メタライゼーション処理、混合物、および、電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   C23C 18/31 20060101AFI20160331BHJP
   C23C 18/52 20060101ALI20160331BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20160331BHJP
   C25D 15/02 20060101ALI20160331BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20160331BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20160331BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20160331BHJP
   H01L 21/288 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   C23C18/31 A
   C23C18/52 A
   C25D7/12
   C25D15/02 E
   H01L21/88 R
   H01L21/288 E
【請求項の数】30
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-519184(P2013-519184)
(86)(22)【出願日】2011年7月1日
(65)【公表番号】特表2013-538287(P2013-538287A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】IB2011052907
(87)【国際公開番号】WO2012007865
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2014年6月30日
(31)【優先権主張番号】12/835,534
(32)【優先日】2010年7月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100102989
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 佳知
(72)【発明者】
【氏名】コリクス・アルトゥル
(72)【発明者】
【氏名】レデカー・フリッツ
【審査官】 國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−544077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 15/00 −15/02
C23C 18/00 −20/08
H01L 21/288
H01L 21/3205
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備する工程と、
0.マイクロメートル以上のサイズの金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させることによって、もしくは、0.マイクロメートル以上のサイズの金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを電気化学めっきすると共に前記金属粒子を共析出させることによって、前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子および前記金属マトリクスは、実質的に同じ組成を有する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子および前記金属マトリクスは、異なる組成を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記金属マトリクスは銅を含み、前記金属粒子は銅を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記金属マトリクスは、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1つの元素を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子は、周期表における実質的な純金属元素の粒子である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛からなる群より選択された少なくとも1つの元素を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子は10マイクロメートルまでの最大サイズを有する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記金属粒子は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛からなる群より選択された少なくとも1つの元素を含み、前記粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズは、前記金属粒子の結晶構造および/または結晶粒サイズと実質的に同じである、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズは、前記金属粒子の結晶構造および/または結晶粒サイズと異なる、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
基板を準備する工程は、1または複数のビアを有する基板を準備する工程を含み、
前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程は、
金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を前記1または複数のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させる工程、もしくは、
金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を前記1または複数のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを電気化学めっきすると共に前記金属粒子を共析出させる工程を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記ビアへの充填は、様々なサイズかつ30マイクロメートル未満の最大サイズを有する粒子を用いて実現される、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、前記ビアへの充填は、10マイクロメートルまでの最大サイズを有する金属粒子を用いる、方法。
【請求項16】
半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備する工程と、
0.マイクロメートルから30マイクロメートル未満のサイズの金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させることによって、前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程と、
を備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記金属マトリクスは、銅と、コバルト、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1つの元素を含む前記金属粒子と、を含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記金属マトリクスは、コバルト、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン合金またはニッケル合金と、銅を含む前記金属粒子と、を含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記無電解析出溶液は、銅を含むマトリクスおよび銅粒子を含む前記混合物を堆積させるための組成を有し、銅を含む前記マトリクスの前記組成と前記銅粒子の組成とは異なる、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、前記金属粒子は様々な粒子サイズを有する、方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法であって、前記基板を準備する工程は、直径5〜30マイクロメートルで深さ70〜300マイクロメートルの1以上のビアを有する基板を準備し、前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程は、
金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を前記1以上のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させる工程、もしくは、
金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を前記1以上のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを電気化学めっきすると共に前記金属粒子を共析出させる工程を含む、方法。
【請求項22】
基板上または基板内に銅構造を形成するための混合物であって、
0.マイクロメートル以上のサイズの銅含有粒子と、銅含有マトリクスの無電解析出のための銅イオンを含む無電解析出溶液と、を含むか、
もしくは、
0.マイクロメートル以上のサイズの銅含有粒子と、銅含有マトリクスの電気化学めっきのための銅イオンを含む電気化学めっき溶液と、を含む、混合物。
【請求項23】
請求項22に記載の混合物であって、前記粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、混合物。
【請求項24】
請求項22に記載の混合物であって、前記粒子は10マイクロメートルまでの最大サイズを有する、混合物。
【請求項25】
請求項22に記載の混合物であって、前記無電解析出溶液または前記電気化学めっき溶液は、1または複数の金属塩、1または複数の還元剤、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、および、1または複数の添加剤の少なくとも1つを含む、混合物。
【請求項26】
電子デバイスであって、
1または複数の基板貫通ビアを有する基板と、
前記1または複数の基板貫通ビアの壁上のバリア層と、
金属を含有するマトリクスと、を備え、
前記マトリクスに埋め込まれている0.マイクロメートル以上のサイズの金属粒子と、前記金属粒子と前記マトリクスは実質的に同一の組成を有し、
前記金属粒子および前記マトリクスは、前記1または複数のビアを実質的に満たす、電子デバイス。
【請求項27】
請求項26に記載の電子デバイスであって、前記マトリクスは銅を含み、前記金属粒子は銅を含む、電子デバイス。
【請求項28】
請求項26に記載の電子デバイスであって、前記マトリクスは、コバルト、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、錫、および、亜鉛の内の少なくとも1つの元素を含む、電子デバイス。
【請求項29】
請求項26に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は、コバルト、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、錫、および、亜鉛からなる群より選択された少なくとも1つの元素を含む、電子デバイス。
【請求項30】
請求項26に記載の電子デバイスであって、前記マトリクスおよび前記マトリクスに埋め込まれている前記金属粒子は、前記1または複数のビア内に無電解析出または電気化学めっきにより形成されている、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路などの電子デバイスの製造に関し、特に、電子デバイス製造に用いられる基板のためのメタライゼーションおよび電気的相互接続に関する。
【背景技術】
【0002】
湿式化学処理は、銅メタライゼーションを用いる電子デバイスの処理に広く利用されるようになってきた。無電解析出(ELD)および電気化学めっき(ECP)などの湿式化学処理は、二次元集積回路のトレンチおよびビアのためのダマシンおよびデュアルダマシン銅充填に用いられる。湿式化学処理は、集積回路の製造におけるその他の作業にも用いられる。数多くの確立された処理が存在し、かかるデバイスの製造に用いられている。これらの処理の多くは、満足のいく結果を提供しており、これらの確立された処理の多くになされた大幅な改善は、あったとしてもごくわずかであった。
【0003】
本発明者は、メタライゼーション相互接続技術(電子デバイス用の技術など)に関連しうる1または複数の発見をした。1または複数の発見は、1または複数の現行の技術の代替物になりうる1または複数の方法、材料、および/または、電子デバイスを提供する可能性を有しうる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、電子デバイスの製造に関する。本発明の一態様は、基板処理方法に関する。一態様において、方法は、金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを無電解析出させると共に金属粒子を共析出させることによって、基板上または基板内に導電体を形成する工程を備えており、金属粒子は、金属マトリクスに埋め込まれる。別の態様において、方法は、金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを電気化学めっきすると共に金属粒子を共析出させることによって、基板上または基板内に導電体を形成する工程を備えており、金属粒子は、金属マトリクスに埋め込まれる。本発明の別の態様は、基板上または基板内に導電体を形成するための混合物に関する。本発明の別の態様は、電子デバイスに関する。
【0005】
本発明は、本願において、以下の説明に記載された構造の詳細および要素の構成に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な形態で実施および実行されることが可能である。さらに、本明細書で用いられている表現および用語は、説明を目的としたものであり、限定と見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態を示すフローチャート。
【0007】
図2】本発明の一実施形態に従い、基板の一部を示す側断面図。
【0008】
図面における要素は、簡単かつ明確に図示されており、必ずしも正確な縮尺で図示されてはいないことを、当業者は理解すべきである。例えば、本発明の実施形態を理解しやすいように、図面内の一部の要素の寸法が、他の要素に比べて拡大されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に定義した用語に対して、特許請求の範囲または明細書の他の部分において異なる定義が与えられない限りは、これらの定義が適用される。すべての数値は、本明細書では、明示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されるものとして定義される。「約」という用語は、一般に、記載された値と等価であって、実質的に同じ特性、機能、結果などをもたらすと、当業者が考える数値の範囲を指す。
【0010】
低い値および高い値によって示される数値範囲は、その数値範囲内に含まれる数値すべてと、その数値範囲内に含まれる部分範囲すべてを含むものとして定義される。一例として、10から15の範囲は、10、10.1、10.47、11、11.75〜12.2、12.5、13〜13.8、14、14.025、および、15を含むが、これらに限定されない。
【0011】
「金属」という用語は、本明細書では、元素周期表にある金属元素、および/または、少なくとも1つの他の元素と混合された1または複数の金属元素を含む金属合金を指しており、金属および金属合金は、高い導電性など、元素周期表からの金属元素の一般的な特性を有する。
【0012】
「マトリクス」という用語は、本明細書では、粒子および粉末などの微粒子を埋め込む、または、埋め込むよう機能しうる材料を指すために用いられる。
【0013】
本発明は、集積回路などの電子デバイスの製造に関し、特に、電子デバイス製造に用いられる基板のためのメタライゼーションおよび電気的相互接続に関する。以下では、本発明の1または複数の実施形態について、主に、集積回路の製造に用いられるシリコンウエハなどの半導体ウエハの処理との関連で説明する。メタライゼーション層は、ダマシンおよび/またはデュアルダマシン誘電体構造に形成される金属線を含む。三次元集積回路に用いられるものなど、基板貫通メタライゼーション相互接続に関する1または複数の実施形態も提示される。しかしながら、本発明に従った実施形態は、他の半導体デバイス、銅以外の金属、および、半導体ウエハ以外のウエハのために用いられても、それらと共に用いられてもよいことを理解されたい。
【0014】
ここで、本発明の1または複数の実施形態に従った代表的な処理20を示す図1を参照する。代表的な処理20は、包括的でない一連の工程を備えており、さらなる工程(図示せず)が追加されてもよい。当業者であれば、多くの変形形、変更例、および、代替例を認識することができる。図1は、代表的な処理20を示しており、処理は、基板を準備する工程25を含む。任意で、基板は、半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)などの基板、または、電子デバイスの製造に適した別の材料の基板であってよい。
【0015】
処理20は、さらに、基板上または基板内に導電体を形成する工程を備える。より具体的には、導電体は、基板表面の全部または少なくとも一部の上に導電体の層を形成するなど、基板表面上に形成されてよい、ならびに/もしくは、導電体は、トレンチ、ブラインドビア、スルーホールビア、および/または、ダマシンメタライゼーション、デュアルダマシンメタライゼーション、基板貫通ビアメタライゼーションなどの技術のための他の基板フィーチャ(特徴)など、基板に加工されたフィーチャ上またはフィーチャ内に形成される。一選択肢として、導電体は、層として形成されてよい、および/または、トレンチ充填材および/またはビア充填材などギャップ充填材として形成されてよい。
【0016】
本発明の1または複数の実施形態において、処理20は、無電解析出(ELD)溶液および金属粒子を準備する工程50を備える。任意で、無電解析出溶液および金属粒子は、処理を実行する前に予め混合されてよい。あるいは、無電解析出溶液および金属粒子は、処理が実行される実質的に直前に混合できるように、別個に準備されてもよい。別の選択肢として、処理は、実質的な連続フロー処理などで連続的に金属粒子および無電解析出溶液が混合されるように実行されてもよい。次は、金属マトリクスを無電解析出させると共に金属粒子を共析出させる工程60である。換言すると、無電解析出溶液は、溶液に溶解されたイオンから金属を無電解析出させて金属マトリクスを形成するために用いられる。金属粒子は、金属粒子が金属マトリクスに埋め込まれるように、共析出する。
【0017】
本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出は、1または複数の金属塩と1または複数の還元剤とを含む水溶液などの無電解析出溶液を用いて実現される。任意で、無電解析出溶液は、さらに、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、ならびに、1または複数の添加剤を含んでもよい。無電解析出溶液の組成は、1または複数の所望の特性を有する金属マトリクスを生成するように、および/または、さらなるプロセス制御および安定性を提供するように選択される。本発明の1または複数の実施形態に用いられる無電解析出処理は、外部電流の印加の必要なしに化学的に駆動される酸化還元反応を含む。
【0018】
無電解析出の利用は、発明の1または複数の実施形態における一選択肢である。本発明の1または複数の実施形態において、処理20は、電気化学めっき(ECP)溶液および金属粒子を準備する工程70を備える。任意で、電気化学めっき溶液および金属粒子は、処理を実行する前に予め混合されてよい。あるいは、電気化学めっき溶液および金属粒子は、処理が実行される実質的に直前に混合できるように、別個に準備されてもよい。別の選択肢として、処理は、実質的な連続フロー処理などで連続的に金属粒子および無電解析出溶液が混合されるように実行されてもよい。次の工程は、金属マトリクスを電気化学めっきすると共に金属粒子を共析出させる工程80である。換言すると、電気化学めっき溶液は、電気化学めっき溶液のイオンから金属を電気化学めっきして金属マトリクスを形成するために用いられる。金属粒子は、金属粒子が金属マトリクスに埋め込まれるように、共析出する。
【0019】
本発明の1または複数の実施形態によると、電気化学めっきは、電解質と任意で1または複数の金属塩とを含む水溶液などの電気化学めっき溶液を用いて実現される。任意で、電気化学めっき溶液は、さらに、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、ならびに、1または複数の添加剤を含んでもよい。電気化学めっき溶液の組成は、1または複数の所望の特性を有する金属マトリクスを生成するように、および/または、さらなるプロセス制御および安定性を提供するように選択される。本発明の1または複数の実施形態の電気化学めっき処理は、外部電流の印加によって駆動される酸化還元反応を含み、基板がカソードとして機能する。基板が電極として機能するのに十分な導電性を有していない応用例では、電気化学めっきの前に、導電性のシード層が基板上に堆積される。
【0020】
処理のフローチャート20に従った本発明の実施形態は、多くの変形例を含みうる。可能な変形例の多くは、無電解析出を用いて金属マトリクスを生成する本発明の実施形態と、電気化学めっきを用いて金属マトリクスを生成する本発明の実施形態とに適用されうる。以下は、金属マトリクスの無電解析出および/または電気化学めっきと共に利用できる処理20における変形例である。
【0021】
本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出溶液および金属粒子を準備する工程50、ならびに、電気化学めっき溶液および金属粒子を準備する工程70は、金属マトリクスと実質的に同じ組成を有する金属粒子を準備する工程を含んでよい。換言すると、本発明の1または複数の実施形態において、金属マトリクスおよび埋め込まれた金属粒子で形成された導電層の組成が実質的に均一になるように、金属マトリクスの組成を金属粒子に用いられる組成と同じにするという選択肢がある。一般に、金属マトリクスは、電子デバイスメタライゼーションに適した周期表の任意の純金属元素またはその合金であってよい。同様に、金属粒子は、電子デバイスメタライゼーションに適した周期表の任意の純金属元素またはその合金であってよい。かかる実施形態の特定の一例は、金属マトリクスとして実質的な純銅を析出させ、実質的な純銅の粒子を埋め込む実施形態であってよい。別の特定の例は、銅合金が金属マトリクスであり、埋め込まれる粒子が金属マトリクスと同じ組成を有する銅合金である実施形態であってよい。
【0022】
本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出溶液および金属粒子を準備する工程50、ならびに、電気化学めっき溶液および金属粒子を準備する工程70は、金属マトリクスと異なる組成を有する金属粒子を準備する工程を含んでよい。換言すると、本発明の1または複数の実施形態において、金属マトリクスおよび埋め込まれた金属粒子で形成された導電層の組成が均一にならないように、金属マトリクスの組成を金属粒子に用いられる組成と異ならせるという選択肢がある。かかる実施形態の特定の一例は、金属マトリクスとして実質的な純銅を析出させ、銅合金の粒子を埋め込む実施形態であってよい。また、逆も可能であり、金属マトリクスが銅合金であり、埋め込まれる粒子が実質的な純銅であってもよい。別の特定の例は、銅合金が金属マトリクスであり、埋め込まれる粒子が金属マトリクスと異なる組成を有する別の銅合金である実施形態であってよい。
【0023】
本発明の他の実施形態は、他の組み合わせの金属マトリクスの組成および金属粒子の組成を含みうる。本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出溶液および金属粒子を準備する工程50、ならびに、電気化学めっき溶液および金属粒子を準備する工程70は、コバルト、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン合金、ニッケル、ニッケル合金、電子デバイス製造に適した条件下で無電解析出または電気化学めっきできる実質的に任意の金属、ならびに、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む実質的に任意の金属、を含むがこれらに限定されない金属マトリクス組成を生成するように無電解析出溶液または電気化学めっき溶液を準備する工程を備えてよい。本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出溶液および金属粒子を準備する工程50、ならびに、電気化学めっき溶液および金属粒子を準備する工程70は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む金属粒子を準備する工程を含んでよい。一般に、金属粒子は、電子デバイス製造に適した条件下で無電解析出溶液および/または電気化学めっき溶液に実質的に不溶性である実質的に任意の金属であってよい。
【0024】
本発明の1または複数の実施形態によると、処理20は、組成の差異以外に、および/または、組成の差異に加えて、金属マトリクスと金属粒子との間の差異を生じるような変形例を含む。本発明の1または複数の実施形態によると、無電解析出溶液および金属粒子を準備する工程50、ならびに、電気化学めっき溶液および金属粒子を準備する工程70は、金属マトリクスと実質的に同じ結晶構造および/または結晶微細構造を有する金属粒子を準備する工程を含んでよい。換言すると、本発明の1または複数の実施形態において、金属マトリクスおよび埋め込まれた粒子で形成された導電層の結晶構造が実質的に均一になるように、金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズなどの結晶特性を金属粒子に用いられるものと同じにするという選択肢がある。かかる一実施形態に対する特定の一例は、金属マトリクスとして実質的な純銅を析出させ、実質的な純銅の埋め込み粒子と同じ結晶構造および結晶粒サイズを持たせる一実施形態であってよい。
【0025】
あるいは、本発明の1または複数の実施形態において、金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズなどの結晶特性が、金属粒子と同じではないという選択肢がある。別の特定の例は、銅金属マトリクスが、埋め込み銅金属粒子の結晶粒サイズの範囲またはその他の結晶特性と異なる結晶粒サイズの範囲またはその他の結晶特性を有する実施形態であってよい。
【0026】
本発明の1または複数の実施形態に従った方法は、金属マトリクスに埋め込まれる金属粒子として様々なサイズの金属粒子を用いても良い。任意で、金属粒子は、一定のサイズおよび/または狭いサイズ範囲を有してよい。あるいは、様々な粒子サイズの金属粒子が意図的に用いられてもよい。本発明の一実施形態において、方法は、30マイクロメートル未満の最大直径を有する金属粒子を準備する工程を備える。本発明の別の実施形態において、方法は、0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有する金属粒子を準備する工程を備える。本発明のより詳細な実施形態によると、方法は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む金属粒子を準備する工程を備え、粒子は、30マイクロメートル未満の最大サイズを有する。
【0027】
上述のように、本発明の1または複数の実施形態は、三次元集積回路用に基板貫通導電体を形成するために利用されうる1または複数のビアを備える基板など、基板上または基板内に導電体を形成するために用いられてよい。本発明の一実施形態は、1または複数のビアを有する基板を準備する工程と、金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を1または複数のビアに充填して、1または複数のビア内に金属マトリクスを無電解析出させると共に金属粒子を共析出させることによって、もしくは、金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を1または複数のビアに充填して、1または複数のビア内に金属マトリクスを電気化学めっきすると共に金属粒子を共析出させることによって、基板上または基板内に導電体を形成する工程と、を備える。任意で、本発明の1または複数の実施形態を用いて処理されるビアは、ビアの底部が閉じているブラインドビア、ビアの底部が開いている基板貫通ビア、または、本発明の実施形態に従って充填された後にさらなる処理工程を用いて底部が開かれたブラインドビアであってよい。
【0028】
別の選択肢として、本発明の実施形態に従った1または複数の方法は、表面および/またはビアの側壁にバリア層コーティングを形成する工程を備える。バリア金属粒子は、無電解析出されるバリア金属マトリクスまたは電気化学めっきされるバリア金属マトリクスと共に共析出される。方法は、バリア金属粒子とバリア金属マトリクスを無電解析出させるための無電解析出溶液との混合物、または、バリア金属粒子とバリア金属マトリクスを電気化学めっきするための電気化学めっき溶液との混合物を用いて実現される。
【0029】
本発明の1または複数の実施形態は、金属粒子と、1または複数の金属塩ならびに1または複数の還元剤を含む水溶液などの無電解析出溶液との混合物である。任意で、無電解析出溶液は、さらに、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、ならびに/もしくは、1または複数の添加剤を含んでもよい。1または複数の金属塩は、溶解金属イオンを提供する。無電解析出溶液の組成は、金属イオンから析出された金属マトリクスを形成するように選択される。金属塩は、コバルト、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン合金、ニッケル、ニッケル合金、電子デバイス製造に適した条件下で無電解析出できる実質的に任意の金属、ならびに、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む実質的に任意の金属、を含むがこれらに限定されない金属マトリクス組成を析出させるようなイオンを含んでよい。より具体的な実施形態によると、混合物は、銅粒子と、銅または銅合金の無電解析出のための銅イオンを含む無電解析出溶液とを含む。銅イオンは、水溶液中に1または複数の銅塩を溶解させることによって生成されてよい。
【0030】
本発明の1または複数の実施形態は、金属粒子と、電解質ならびに任意で1または複数の金属塩を含む水溶液などの電気化学めっき溶液との混合物である。金属塩は、コバルト、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン合金、ニッケル、ニッケル合金、電子デバイス製造に適した条件下で電気化学めっきできる実質的に任意の金属、ならびに、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む実質的に任意の金属、を含むがこれらに限定されない金属マトリクス組成を析出させるようなイオンを含んでよい。任意で、電気化学めっき溶液は、さらに、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、ならびに/もしくは、1または複数の添加剤を含んでもよい。より具体的な実施形態によると、混合物は、銅粒子と、銅または銅合金の電気化学めっきのための銅イオンを含む電気化学めっき溶液とを含む。任意で、銅イオン源は、溶解された銅塩であってもよいし、電気化学めっき処理に用いられるアノードであってもよい。
【0031】
本発明の1または複数の実施形態に従った混合物は、様々なサイズの金属粒子を備えてよい。任意で、金属粒子は、一定のサイズまたは狭いサイズ範囲を有してよい。あるいは、複数の粒子サイズが、金属粒子に対して意図的に用いられてもよい。本発明の一実施形態において、金属粒子は、30マイクロメートル未満の最大サイズを有する。本発明の別の実施形態において、金属粒子は、0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有する。
【0032】
本発明の1または複数の実施形態に従った混合物は、金属粒子とは異なる化学組成を有する金属マトリクスを無電解析出させるような化学組成を有する無電解析出溶液を含む。換言すると、無電解析出溶液の組成は、金属粒子とは異なる組成を有する金属マトリクスを生成する。より具体的な実施形態によると、無電解析出溶液は、金属粒子とは異なる化学組成を有する銅含有マトリクスを生成するような組成を有する。さらに別の実施形態において、混合物は、銅含有マトリクスを析出させるような組成を有する無電解析出溶液と、銅粒子とを含んでおり、銅含有マトリクスの組成は、銅粒子の組成と異なる。
【0033】
あるいは、本発明の1または複数の実施形態に従った混合物は、混合物に含まれる金属粒子の化学組成と実質的に同じ化学組成を有する金属マトリクスを無電解析出させるような化学組成を有する無電解析出溶液を含む。
【0034】
さらに別の実施形態において、混合物は、銅含有マトリクスを析出させるような組成を有する無電解析出溶液と、銅または銅合金粒子とを含んでおり、銅含有マトリクスの組成は、銅または銅合金粒子の組成と実質的に同じである。
【0035】
本発明の1または複数の実施形態に従う混合物は、電気化学めっき溶液および金属粒子を含んでおり、金属粒子の組成は、電気化学めっき溶液からめっきされる金属マトリクスの組成と実質的に同じである。より具体的な実施形態によると、電気化学めっき溶液は、銅含有マトリクスを析出させるための組成を有してよく、金属粒子は、銅を含み、金属マトリクスと実質的に同じ組成を有してよい。
【0036】
本発明の1または複数の実施形態に従う混合物は、電気化学めっき溶液および金属粒子を含んでおり、金属粒子の組成は、電気化学めっき溶液からめっきされる金属マトリクスの組成と異なる。より具体的な実施形態によると、電気化学めっき溶液は、銅含有マトリクスを析出させるための組成を有してよく、金属粒子は、銅を含み、銅含有マトリクスの組成とは異なる組成を有してよい。
【0037】
本発明の1または複数の実施形態に従う混合物は、金属粒子と、金属マトリクスの析出のための無電解析出溶液とを含む。任意で、金属粒子は、銅、銀、および、金などの元素を含んでよいが、これらに限定されない。1つの選択肢として、無電解析出溶液は、銅を含む金属マトリクスを無電解析出させるための組成を有してよい。別の選択肢として、混合物は、銅粒子と、銅金属マトリクスを無電解析出させるための組成を有する無電解析出溶液とを含む。より一般的には、金属粒子は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含んでよい。金属粒子は、電子デバイス製造に適した条件下で無電解析出溶液および/または電気化学めっき溶液に実質的に不溶性である実質的に任意の金属であってよい。
【0038】
本発明の1または複数の実施形態は、基板貫通導電体を含む三次元集積回路などの半導体デバイスを製造する方法に関する。半導体デバイスは、半導体ウエハ、半導体チップ、半導体層、または、それらの組み合わせとして存在しうる半導体材料を含む。半導体材料は、ガラス、石英、サファイア、酸化アルミニウム、セラミック、または、チップキャリア材料など、別の材料の基板上に支持されてよい。半導体デバイスは、電子デバイス、トランジスタ、光学デバイス、および/または、メモリデバイスなどのデバイスを含みうる。半導体材料は、IV族元素半導体、III−V族元素半導体、および/または、その他の半導体であってよい。
【0039】
三次元集積回路は、集積回路を備えた2以上の半導体チップ、または、集積回路を備えた2以上の半導体ウエハを備える。複数の半導体チップまたは半導体ウエハは、共に積層、接着され、三次元的に電気相互接続されており、すなわち、半導体チップまたは半導体ウエハ内で集積化されると共に半導体チップまたは半導体ウエハ間で集積化されている。チップ間またはウエハ間の相互接続は、1以上のチップまたは1以上の半導体ウエハの背面から前面に至るスルーホールによって実現される。換言すると、スタック内のチップ間またはスタック内のウエハ間の電気的接続は、スルーホールによってなされる。三次元集積回路は、半導体チップ間または半導体ウエハ間の相互接続メタライゼーションのためのスルーホールを多数有しうる。
【0040】
三次元集積回路は、いくつかの設計によると、標準技術のデュアルダマシンメタライゼーション相互接続のための最小形状フィーチャよりも一桁以上大きい寸法を有する大型の高アスペクト比フィーチャである基板貫通ビアを用いる。基板貫通ビアは、約5〜30マイクロメートルの直径を必要としうる。いくつかのコンタクトホールの長さは、70〜300マイクロメートルでありうる。
【0041】
本発明の1または複数の実施形態は、いくつかの他の処理によって達成できるよりも遥かに高い析出速度で導電体を形成するために利用されうる。本発明の1または複数の実施形態は、別の技術を用いて得られるよりも10倍高い析出速度を生じうる。また、本発明の1または複数の実施形態は、標準的なデバイス製造技術を用いて得られるよりも高い導電率を有する導電体を提供しうる。本発明の1または複数の実施形態は、二次元集積回路および三次元集積回路の両方の集積回路の製造およびメタライゼーションのための様々な材料を提供しうる。
【0042】
ここで、本発明の1または複数の実施形態に従って、電子デバイス100の一部の側断面図を示す図2を参照する。電子デバイス100は、基板105を備える。基板105は、半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)などの基板、または、電子デバイスの製造に適した別の材料の基板であってよい。図2は、基板105内にホールの形状のビア110を有する電子デバイス100を示している。電子デバイス100は、さらに、ビア110の表面をライニングするバリア層および/またはシード層120を備える。図2は、さらに、ビア110が、無電解析出または電気化学めっきによって形成された金属マトリクス130と、金属粒子140とによって充填されている様子を示す。金属粒子140は、無電解析出または電気化学めっきされた金属マトリクスとの共析出物として金属マトリクス130内に埋め込まれる。
【0043】
本発明の実施形態は、バリア層および/またはシード層120に様々な材料を用いてよい。バリア層に用いられる典型的な材料は、基板105内への金属の拡散を実質的に防止する材料である。バリア層のためのいくつかの材料の例として、タンタル、タンタル/窒化タンタル、ニッケル、および、ニッケル合金が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の1または複数の実施形態における1つの選択肢として、バリア層は、バリア金属マトリクスに埋め込まれたバリア金属粒子を含む。
【0044】
本発明の1または複数の実施形態によると、金属マトリクス130として用いるために、様々な材料が選択されてよい。金属マトリクス130として利用できる材料の例は、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金、コバルト−タングステン合金、コバルト−タングステン−リン合金、ニッケル、ニッケル合金、電子デバイス製造に適した条件下で無電解析出または電気化学めっきできる実質的に任意の金属、ならびに、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む実質的に任意の金属、を含むがこれらに限定されない。
【0045】
本発明の1または複数の実施形態によると、金属粒子140として用いるために、様々な材料が選択されてよい。金属粒子140として利用できる金属の例としては、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1元素を含む金属粒子が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、金属粒子140は、金属マトリクス130の形成に用いられる無電解析出溶液および/または電気化学めっき溶液に実質的に不溶性である実質的に任意の金属であってよい。
【0046】
本発明の一実施形態によると、金属マトリクス130は銅を含み、金属粒子140は銅を含む。別の実施形態において、金属粒子140は銅粒子であり、金属マトリクス130は銅である。任意で、金属マトリクス130の組成は、金属粒子140の組成と実質的に同じである。本発明の別の実施形態において、金属マトリクス130は、金属粒子140の結晶構造および/または結晶形態とは異なる金属構造および/または金属形態を有する。本発明の1または複数の実施形態によると、金属粒子140は、約30マイクロメートル未満の最大サイズを有するよう選択される。本発明の別の実施形態によると、金属粒子140は、約0.1マイクロメートルから約10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有するよう選択される。
【0047】
本明細書では、具体的な実施形態を参照しつつ、本発明を説明している。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形例および変更例が可能であることを理解すべきである。したがって、本明細書は、例示を目的としたものであり、限定を意図したものではないと見なされるべきであり、かかる変形例すべてが、本発明の範囲に含まれるよう意図されている。
【0048】
利益、その他の利点、および、課題の解決法について、具体的な実施形態に関連して上述した。しかしながら、それらの利益、利点、課題の解決法、ならびに、任意の利益、利点、または、解決法を生じさせるもしくはより顕著にさせうる任意の要素は、任意またはすべての請求項の重要、必要、または必須の特徴または要素として解釈されない。
【0049】
本明細書では、「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」、「有した」、「の内の少なくとも1つ」のような用語、または、それらのあらゆる変化形は、非排他的な包含を網羅するよう意図されている。例えば、要素のリストを備える処理、方法、物品、または装置は、それらの要素だけに限定されず、リストに明示されていないかまたはかかる処理、方法、物品、または装置に固有の他の要素をも含みうる。さらに、特に明示しない限り、「または(or)」という語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を表す。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれによっても満たされる。Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、AとBの両方が真(または存在する)。
適用例1:半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備する工程と、
金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させることによって、もしくは、金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を準備して、金属マトリクスを電気化学めっきすると共に前記金属粒子を共析出させることによって、前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程と、
を備える、方法。
適用例2:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子および前記金属マトリクスは、実質的に同じ組成を有する、方法。
適用例3:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子および前記金属マトリクスは、異なる組成を有する、方法。
適用例4:適用例1に記載の方法であって、前記金属マトリクスは銅を含み、前記金属粒子は銅を含む、方法。
適用例5:適用例1に記載の方法であって、前記金属マトリクスは、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛の内の少なくとも1つの元素を含む、方法。
適用例6:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子は、周期表における実質的な純金属元素の粒子である、方法。
適用例7:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛からなる群より選択された少なくとも1つの元素を含む、方法。
適用例8:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、方法。
適用例9:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子は0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有する、方法。
適用例10:適用例1に記載の方法であって、前記金属粒子は、コバルト、銅、金、イリジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、オスミウム、パラジウム、プラチナ、レニウム、ロジウム、ルテニウム、銀、錫、タングステン、および、亜鉛からなる群より選択された少なくとも1つの元素を含み、前記粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、方法。
適用例11:適用例1に記載の方法であって、前記金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズは、前記金属粒子の結晶構造および/または結晶粒サイズと実質的に同じである、方法。
適用例12:適用例1に記載の方法であって、前記金属マトリクスの結晶構造および/または結晶粒サイズは、前記金属粒子の結晶構造および/または結晶粒サイズと異なる、方法。
適用例13:適用例1に記載の方法であって、
基板を準備する工程は、1または複数のビアを有する基板を準備する工程を含み、
前記基板上または前記基板内に導電体を形成する工程は、
金属粒子および無電解析出溶液を含む混合物を前記1または複数のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを無電解析出させると共に前記金属粒子を共析出させる工程、もしくは、
金属粒子および電気化学めっき溶液を含む混合物を前記1または複数のビアに充填して、前記1または複数のビア内に金属マトリクスを電気化学めっきすると共に前記金属粒子を共析出させる工程を含む、方法。
適用例14:適用例13に記載の方法であって、前記ビアへの充填は、30マイクロメートル未満の最大サイズを有する粒子を用いて実現される、方法。
適用例15:適用例13に記載の方法であって、前記ビアへの充填は、0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有する金属粒子を用いる、方法。
適用例16:基板上または基板内に銅構造を形成するための混合物であって、
銅含有粒子と、銅含有マトリクスの無電解析出のための銅イオンを含む無電解析出溶液と、を含むか、
もしくは、
銅含有粒子と、銅含有マトリクスの電気化学めっきのための銅イオンを含む電気化学めっき溶液と、を含む、混合物。
適用例17:適用例16に記載の混合物であって、前記粒子は30マイクロメートル未満の最大サイズを有する、混合物。
適用例18:適用例16に記載の混合物であって、前記粒子は0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲の最大サイズを有する、混合物。
適用例19:適用例16に記載の混合物であって、前記無電解析出溶液または前記電気化学めっき溶液は、1または複数の金属塩、1または複数の還元剤、1または複数の錯化剤、1または複数のpH調整剤、1または複数の緩衝剤、1または複数の界面活性剤、ならびに/もしくは、1または複数の添加剤を含む、混合物。
適用例20:電子デバイスであって、
1または複数の基板貫通ビアを有する基板と、
前記1または複数の基板貫通ビアの壁上のバリア層と、
銅含有マトリクスと、
前記マトリクスに埋め込まれている金属粒子と、
を備え、
前記金属粒子および前記銅含有マトリクスは、前記1または複数のビアを実質的に満たす、電子デバイス。
適用例21:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は銅を含む、電子デバイス。
適用例22:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は銅である、電子デバイス。
適用例23:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記銅含有マトリクスは銅である、電子デバイス。
適用例24:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は銅であり、前記銅含有マトリクスは銅である、電子デバイス。
適用例25:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は銀または金を含む、電子デバイス。
適用例26:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記バリア層は、バリア金属マトリクスに埋め込まれたバリア金属粒子を含む、電子デバイス。
適用例27:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記基板はシリコンチップである、電子デバイス。
適用例28:適用例20に記載の電子デバイスであって、前記金属粒子は0.1マイクロメートルから10マイクロメートルの範囲のサイズを有する、電子デバイス。
図1
図2